【池田充雄】つくば市豊里の杜のギャラリー「夢工房」で、所蔵品展が開かれている。12月1日まで。ギャラリー主宰の塚田幸子さんがコレクションした写真・陶芸・彫刻や、賛助作家によるミニ写真展、塚田さんと仲間による「東京を撮る」の特設展示など、幅広い作品を見ることができる。
最終日にはトークショーも
壁面構成の大部分を占めるのは写真の展示だ。柳下征史さんの「ひだまりの茅葺(かやぶ)き民家」6点は、大子町など県内の古民家を、地域の風土や生活とともに捉えたもの。柳下さんはこのテーマを20年ほど撮り続けており、ほかに金砂郷(常陸太田市)の磯出大祭礼の記録集などでも知られる。
篠崎隆さんは「黎明(れいめい)の筑波嶺」「追憶ふるさと点描」の計6点。「追憶―」シリーズは、桜川市の神事や民俗行事を収めたもの。テレビ局などを活動の場としてきた映像作家で、「映画を作る合間に撮った」というが、作品性とともに記録的価値も高い。
写真ではほかに清水雅之さん「足尾探求」、英伸三さん「里の農の記憶」、金瀬胖さん「日本橋」など。それらの間に市村緑郎さん、井上壽博さん、一色邦彦さんらの彫刻や陶器が、要所を押さえるかのように配されている。これらは塚田さんが「そのときどきに出会い、惹かれたもの」であり、やはり県内作家の作品が多い。
いままで個展を中心としてきた同ギャラリーとしては、新たな試みとなった。「これだけのスペースでも、1つのタイトルだけで展示をまとめるのは大変な作業。年に一度くらいはこのように、さまざまな人に参加していただければ、それも一つのやり方かな」と塚田さん。次の展開としては、筑波山麓の自然と暮らしが息づく写真展などを考えているという。
開廊は午前10時30分~午後4時、入場無料。12月1日午後1時30分からは、篠崎隆さんの映像作品「常陸国風土記」上映会とトークショー(コーヒー付き2000円)がある。
◆Cafe&Gallary夢工房(つくば市豊里の杜2丁目2-5、電話090-4676-9623)