土曜日, 3月 21, 2026
ホームつくば【総合運動公園問題】一括売却に反対多数 つくば市議会特別委

【総合運動公園問題】一括売却に反対多数 つくば市議会特別委

「市民の声聞くべき」「一部公共利用を」

【鈴木宏子】住民投票で白紙撤回になったつくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、約46ヘクタール)を、民間に一括売却するという市の方針について検討する市議会特別委員会(小久保貴史委員長)が7日開かれ、委員一人ひとりが市の方針に対する考えを述べた。一括売却に反対や見直しを求める委員が多数を占め、「市民の意見を聞くべき」「一部公共利用も検討すべき」などの声が相次いだ。

次回は22日午後1時30分から開き、今回、各委員から出された意見をまとめた上で、今後どのような形で市民の意見を聞くかなどの進め方を検討する。特別委として来年3月までに報告書をまとめるが、今回、市の方針に反対する意見が多数を占めたことで、市の一括売却方針は見直しを迫られそうだ。

各委員から出された意見は次の通り。特別委は神谷大蔵議長を除く議員全員で構成。

自民つくばクラブ・新しい風

長塚俊宏氏 民間に委ねる前に時間をかけて公的利用も含め議会で考えるべき。46ヘクタールは広大。(今後このような)大きな土地を求めるのは難しい。筑波研究学園都市は災害に強い街。(同用地に)避難スペースを確保することも一案。30年間に首都直下型地震がある。国、県、東京都と直接、避難所として契約するような壮大な計画があってもいい。首都から50キロ、つくばエクスプレス沿いに歩いて1日で来られる距離だ。

黒田健祐氏 もう少し時間をかけて検討した方がよい。商業施設に対する懸念は理解できる。公的利活用について様々な可能性を追求したのか、資産としての可能性はどうか、中心地区の他団体と土地を等価交換する可能性なども検討できる。

小久保貴史氏 公共の一部利活用を含めて再検討する方がよい。(同用地はもともと)研究所用地だったので研究所や教育施設が望ましい。陸上競技場(の検討も)もちろんだが、今後、借入金の返済期間があるので、期限を決めて決定していくことが必要。現状は樹木が繁茂していて土地の形状がイメージできない。造成、伐根することも一案。つくば市の将来としてどう活用するか、大きな目標の中で、北部の振興、筑波山観光の広域インフラ整備、土地の交換、借金返済も含めてさまざまな方向で再検討すべき。

五頭泰誠氏(欠席・文書で提出)過去の経緯の議論は無しにして、市民要望を冷静に議論すべき。防災拠点、陸上競技場、市営斎場、処理場などがある。過去の政治にこだわるのではなく、利活用について積極的な議論が必要。

ヘイズ・ジョン氏 つくば市の足腰を強くして、30年後を考えてどうしたらいいか、将来のニーズをよく考えてお願いしたい。

久保谷孝夫氏(欠席・文書)もともと研究所や教育機関の用地だった。ただ売却して借金を返済するだけでなく、どうすればつくば市のためになるのか、地域の拠点になり得る利用方法があるのかを検討すべき。研究所や教育機関が望ましいが、拙速に進めるのではなく、どうすればつくば市のためになるかを考えるべき。

つくば市政クラブ

塚本洋二氏 陸上競技場や道の駅、併設して防災拠点などを検討してもいい。つくば駅から筑波山に行くまでの中間地点にある。筑波山観光の間の施設があってもいい。

大久保勝弘氏 (用地購入費と利子を含め)68億円を(民間提案の)40億円で売却すると28億円の損になる。一括売却は反対。(市執行部が)いろいろな市民の声を聞いたということがない。北部振興や筑波山観光、科学技術振興になるよう公的利用をすべき。県内一のスポーツ施設の整備、道の駅、自然環境を生かした公園整備など人口対策を考えた戦略をとるべき。

高野進氏 市長、副市長が出席すれば話をしたい。

柳沢逸夫氏 公的利用をお願いしたい。ゴルフ、バスケ、ラグビー等、スポーツで日本中が盛り上がっている。つくば市は今、人口24万人の街だが、筑波研究学園都市の整備やつくばエクスプレス開業など国や県の手厚い対応があったからだ。県南の雄としてスポーツ施設をつくり貢献することは、子供たちや保護者にとっても負担軽減になる。道の駅などの公的利用も考えられる。

須藤光明氏 第一に公共利用を考えるべき。防災拠点など市北部の中心地としての利活用を一番に考えるべき。北部振興を考えると、どうしてもある程度時間がかかってしまい、利息の負担がかかるし、万が一、具体的にならなかった場合、全面的に売却するとしても、市民に負担をかけさせないよう、安く売るのは避けるべき。

鈴木富士雄氏 一括売却には反対。(同用地は)桜川と小貝川にはさまれているが、浸水想定区域に該当しない。防災拠点、避難所として、平坦地なので有効な土地活用が可能。当面は広場として整地して、春秋の筑波山行楽シーズンに駐車場として利用して現地にバスで送迎してはどうか。筑波山の混雑緩和の一翼を担える。県内各地に道の駅がたくさんあり、創意工夫され、にぎわいの場をつくり出しているが、つくば市には道の駅がない。つくばを訪れる人の拠点となることが可能。つくば市にトップアスリートが来る機会も少ないので、県の方にお願いして県南のスポーツ施設の中心になればいい。

つくば・市民ネットワーク

小森谷佐弥香氏 一括売却処分がよい。ただし商業ゾーンが筑穂地区と重複しないことが前提。筑穂地区に悪影響にならないよう仕組みを作るのが肝。公共用地として残した方がよいという意見があるが、これまで具体的なものは聞こえてこなかった。市内には利活用が決まってない公共用地がたくさんある。必要な公共のものがあるならそちらを先にやるべき。(公共利用して)一部を残すと区画が限定され売却がさらに厳しくなる。

皆川幸枝氏 高い土地なので一括購入する業者がなかなか出てこない。毎年3400万円の利子を支払い、毎年利息が積み重なっている。福祉や教育で予算が必要なところがたくさんある。毎年利子を支払っていくのは現実的でない。

宇野信子氏 やっと光が見えてきた。一括売却はやむを得ない。68億円を40億円で売却するのは資産を減らす、市民に負担を強いるという意見があるが、そもそも不動産鑑定の問題があった。40億円代が適切な相場であって、公共用地として一部利活用すると、全体を考えないと売却できなくなる。(現在の所有者の)土地開発公社から購入すると、のちのち維持管理費がかかる。どうしても必要なものがあるのか、まとまってない。一括売却が一番。

北口ひとみ氏 執行部提案の一括売却処分が一番望ましい。筑穂地区の商業地と機能が重複しないことが前提だが。40年間塩漬けだった土地なのだから早く何とかするのは難しい。しかも平らでなく森林になっている。伐採伐根すると30億円くらいかかると言われている。事業者が一括購入後、区画整理して誘致するのが効果的で、高く買ってくれるかもしれないが、筑穂地区に重なるので商業用地やスーパー、モールはよろしくない。公共施設が具体的にイメージできないのでお聞きできれば。

日本共産党

山中真弓氏 66億円で(用地を)購入し利息2億円が付いて68億円を40億円で売るのは28億円の負債を抱える。基金などの財源を崩して穴埋めするというが(同用地は)市民の財産の一部になっている。市民の意見をきちんと聞いた上で利用法を考えるべき。市営墓地がほしい、子どもの遊び場がほしい、水遊びできる場所がほしいなどいろいろな意見がある。市民の意見を聞いた中で、本当に手放していいかどうか、議会で利用法をいくつか考えて、議会がパブリックコメントを出していく等、議会として提案してはどうか。

橋本佳子氏 一括売却は時期尚早。総合運動公園跡地は負の遺産であり(距離が離れた)茎崎地区でも反対運動が展開されたが、売却となり20億円以上のお金(損)が出るとなると、いろいろな意見が出ている。今回の執行部の提案は他の商業施設との関係、インフラ整備などデータが不足している。負の遺産を乗り越えて、もう一度、全部を市が使うというのではなく、無駄な公共事業はだめだが、お金をかけても市民に還元できるのであれば理解が得られる。利息が出るのは心苦しいが、もうちょっと踏ん張てみてはと感じる。茎崎地区で共産党がアンケートを取ったところ、早く売却しろという意見もあったが、市営墓地などの意見もあった。

滝口隆一氏 フラットに住民の意見を聞くことが必要。有識者からまちづくりをどうするかを聞く勉強会や、県議や元市長に意見を伺うことがあってもいい。議論を積み重ねながら、住民アンケートをするなどの作業が必応。

公明党

山本美和氏 売ればいいという考えには反対。自治体はまちづくりが一番大事。出発点として、不要な土地という視点ではなく、まちづくりという視点でとらえるべき。これだけ大きな土地を民間任せにするのは反対。現在つくば市は人口が増加しているが、将来必ず減少する。つくば市だけでなく広域的に、防災、交通などの面から、県南の拠点、北関東の結節点の役割がある。市が本当に(新たな利活用に向けて)動いたのか見えてこない。公的活用、民間活用も含めて「使いますか」「買いますか」としか聞いてないのではないか。公がしっかり入った上で「一緒にやりませんか」と動いてみてはどうか。商業ゾーンは反対。

浜中勝美氏 つくば市は2035年以降、人口が減り税収が減る。用地は46ヘクタールある。人、もの、カネが集まる都市づくりをしなくてはいけない。人を集める議論をして利活用すべき。一括売却には反対。文化施設、スポーツ施設、防災拠点など一部公共で利活用しながら活用すべき。つくば市は県に、県立高校の設置や県南のスポーツ拠点の整備を要望している。県と連携しながら進めるべき。

小野泰宏氏 これまでも慎重な判断を(市執行部に)求めてきた。(同用地は)北部の結節点にある。まず市のまちづくり方針が先にあるべき。現在の民間の案に商業施設の計画があるが、区画整理事業の結果できた(筑穂地区の)まちを壊すような計画をなぜ進めるのか。交通量調査、人口調査、サインディング調査なども情報不足だ。商業施設が適切か。既存の都市計画、立地適正化計画等との整合性を図るべき。県との連携等、複合的な連携という着眼点が必要だ。

つくば政清会

木村清隆氏(欠席・文書で提出)公共利用を多面的に検討すべき。フラットなタウンミーティングで市民の意見を聞く。一括売却は慎重に、急ぐことなく。

木村修寿氏(欠席)

新社会党

金子和雄氏 もう少し市民の声を聞いて、時間をつくってやっていくのが一つの方向。陸上競技場がいいという声は多い。つくば市は小中学校の建設ラッシュだが、面積が小さい、グラウンドが狭いという声がある。(同用地に)市営プールをつくって小中学校の子供たちがバスで行くなど、様々な工夫がある。時間をとって十分な議論をすることが大事。

山中八策の会

塩田尚氏 もともと購入した値段が高過ぎる、66億円で買って借金が膨らんで、今はつくば市の大きな市民負担になっている感覚が薄いが、3年後に返済時期がくれば70億円を超え、その時に市民から、なぜこんな高い買い物をしたのか、なぜこんなに借金が膨らんでも手をこまねいていたのかという批判が起こると思う、損切りしても10年経てばペイできるかもしれない―と、これまでは原案(一括売却)に賛成だったが、立ち止まってどうするか考えると、逆境を好機に変えて議論をして、もっといいものをつくるべきと思う。つくば市で一番必要なものはアリーナ総合体育館。アリーナはお金がかかるが、避難者を受け入れる防災拠点として、国、県、東京都などありとあらゆる方法で一部公共施設を考えるべき。

創生クラブ はがくれ

高野文男氏 条件付きで執行部案(一括売却)に賛成。(民間が示した)40億円は決まった金額ではない。再公募したときに納得できる金額かが問題。市民の税金や今後の財政を考えると、3分の1や全部を公的利用すると、周辺を含めた(まちづくりの)計画を立てないといけない。

➡つくば市総合運動公園問題の過去記事はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

「霞ケ浦導水事業」を歩く《日本一の湖のほとりにある街の話》36

【コラム・若田部哲】1月末、霞ケ浦導水事業の見学会に参加しました。霞ケ浦を利根川-那珂川と結び、広域で水を融通する構想として昭和50(1975)年代に始まったこの事業の背景には、水需要の増大や水質への懸念、渇水時への備えといった、当時の社会的課題がありました。その後、長い年月の中で、事業を取り巻く状況や環境への向き合い方は変化を重ねていきました。 今回見学したのは、そのうちの一部、小美玉市の玉里立坑と、そこから地中に伸びる石岡トンネル。午前10時の集合時間には、親子連れや年配の方など、多くの参加者が集まっていました。 ヘルメットを着用し、全員で集合写真を撮影したのち、いざ、直径18メートル、深さ約45メートルの玉里立坑の縁へ。地上からのぞき込むと、円筒状の巨大な空間が足もとに垂直に落ち込んでいます。 5メートルごとに数字が記されたその光景は、想像を超えるスケール! ワイヤーメッシュの籠状の工事用エレベーターに乗り込み、ドアが締まると、歯車がきしむ音を響かせながらゆっくりと地下へと降下し、自然と緊張感が高まります。 底部に降り立つと、両側に大きく口を開ける「石岡トンネル」は、よく見ると直径が異なっており、片方は4.5メートル、もう片方は3.5メートルとのこと。計画や技術の変遷が、断面の違いに現れているのを感じます。 湖と人、技術と暮らしをつなぐ トンネルは、巨大な円筒形の「シールドマシン」によって掘り進められると同時に、工場製作のコンクリートの壁である「セグメント」を組み立てていく工法だそうです。全長31.5キロという数字に、その積み重ねの大きさを感じ、めまいを覚えます。 圧倒的なスケールの余韻を抱いたまま地上に戻り、見学会が終わろうとしたその時、これまでの工事を記録した映像が上映されました。 掘削、セグメントの組み立て、測量、機械の点検─さまざまな工種の作業員の方々が、真剣な表情で現場に向き合うその姿。巨大な土木構造物も、突き詰めれば一人ひとりの手仕事の積み重ねという、その確かな事実に改めて心を打たれました。 霞ケ浦導水事業をどのように受け止めるかは、人それぞれでしょう。ただ少なくとも、現場には確かに、人の手と時間が積み上げてきた現実があります。湖と人、技術と暮らしをつなぐ、長い対話の一端に触れることにより、この事業を「遠大な構想」ではなく、「目の前の風景」として思い描けるようになった取材でした。(土浦市職員)

琉球の希少植物と暮らしを紹介 筑波実験植物園で企画展

絶滅危惧種など150種 琉球列島由来の希少な植物を知ることができる企画展「琉球の植物−南国を育む植物たち」が20日から、国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保、遊川知久園長)で始まった。展示されているのは、同植物園が保有する琉球列島の植物約400種類の中から、自然界では日本に1株しか残っていなかったり、自生地ではすでに絶滅してしまった希少種など、絶滅危惧種に指定されている約110種を含む150種あまり。 琉球の植物の展示は2019年以来7年ぶりとなり、豊かな自然が育んだ「琉球文化」の紹介にも力を入れる。展示を担当した同植物園研究員の國府方吾郎さん(57)は「琉球列島の豊かな自然とともに、たくさんの植物を有効活用してきた地元の人たちの暮らしを知る機会になれば」と来場を呼び掛ける。会期は29日まで。 展示会場は、多目的温室と研修展示場の2カ所。温室では、海岸、海岸林、山地林、低地林、渓流沿いなど琉球列島にある五つの自然環境の自生種を展示する。葉の裏側に赤い小さな花をつけるハナコミカンボクは沖縄本島の1カ所にしか自生していない。ナガミカズラは西表島で1株の自生が確認されている。小指の先ほどの白い花をつけるオリヅルスミレは自然界では絶滅してしまった。新種のアマミマツバボタンは國府方さんが2013年に発見した。 國府方さんは、「(奄美諸島、沖縄諸島などからなる)琉球列島は種の多様性が高く、単位面積あたりの植物種の数は日本本土より45倍多い」とし、背景には三つの理由があるとする。一つ目は、本土に当てはめると青森から高知までに相当する広い緯度差と多様な自然環境だ。「北琉球」とされる屋久島、種子島は本土と同じ温帯で、それ以南は亜熱帯に属する。その中にも乾燥地、湿地、標高の高低などの違いがある。 二つ目は、島ごとの交流が限られることで生まれた独自の進化だ。かつて大陸と地続きだった時代から、島々が分離した時期によっても種の違いが生まれた。大東島に限っては一度も他の土地との接続がない。 三つ目は、沖縄の言葉で、混ざり合うことを意味する「チャンプルー」だという。遺伝的にオーストラリアにある植物と近い種は、北へ向かう渡り鳥が種を運び分布するようになったと考えられている。その他、動物や人の移動、海流などにより、日本本土や東南アジア、台湾、ユーラシア大陸など世界各地とのつながりが確認されている。國府方さんは「その様子は、アメリカや日本、中国と関わり合ってきた沖縄文化のよう」だと話す。 文化を自然科学的に研究する必要ある 自身も沖縄出身だという國府方さんが今回力を入れたのが、研修展示場で紹介する琉球列島の植物と共に営まれてきた「人々の暮らし」だ。 地域に自生するキク科の野草 ホソバワダンは白和えなどにして食べられている。商品として流通するのは葉の大きい栽培品種だ。自生種との遺伝的な違いを國府方さんが調べると、意外なことが分かった。流通する品種と遺伝的に近い種が、海を超えた奄美や屋久島、平戸、対馬にあったのだ。 「近い種が沖縄の自生種ではなかった。元になるのは一つの株だということも分かった。昔、おいしいホソバワダンと出合った誰かが株をひとつ持ち帰った。近所の人にも食べさせたいと思い、株を分け合った。そんな様子目に浮かぶ」と笑顔を浮かべる。 このほか、「どこの学校にもあった」という大きく枝を広げるガジュマルの木と、そこに宿るとされる精霊のキジムナーの物語、葉を編んで草履にしたアダン、扇や笠にしたビロウ、赤い実が飢饉を救い、味噌にも用いられてきたソテツなど、琉球列島の人々の暮らしを支え、文化をもたらしてきた身近な植物も丁寧に紹介している。 「文化というのは自然から生まれたもの。私たち研究者も、文化を自然科学的に研究する必要があると思っている」とし、文化を自然科学的に研究しようというプロジェクトも進行中だと話す。「琉球の植物に関するクイズもあり、特製のポストカードのプレゼントもある。お子さんにも楽しんでもらえたら」と話す。(柴田大輔) ◆企画展「琉球の植物ー南国を育む植物たち」は20日(金・祝)~29日(日)の10日間、つくば市天久保4-1-1 国立科学博物館 筑波実験植物園で開催。開園時間は午前9時~午後4時30分(入園は4時まで)。入園料は一般320円、高校生以下と65歳以上は無料。詳しくは同植物園のホームページ、問い合わせは電話029-851-5159(代表)へ。

働く私たちのリアル《マンガサプリ》5

【コラム・瀬尾梨絵】新卒として社会に飛び出したとき、誰もが胸に抱く「理想の自分」。しかし、現実に突きつけられるのは、自分の無力さと、理想とはかけ離れた泥臭い現場であることも少なくない。そんな「やりたいこと」と「できること」のギャップにもだえ、悩み、それでも一歩を踏み出す姿を描いた、ねむようこ先生の「午前3時の無法地帯」(祥伝社、全3巻)を今回はご紹介したい。 主人公・ももこは、イラストレーターを夢見てデザイン事務所に就職したばかりの新卒会社員。彼女が思い描いていたのは、おしゃれでかわいい雑貨のデザインに関わるキラキラした毎日。しかし、配属された先は、パチンコ屋のチラシやPOPを専門に扱う、文字通り「無法地帯」のようなデザイン事務所。午前3時を回っても明かりが消えず、床には誰かが寝ており、タバコの煙と怒号が飛び交う。そこは、彼女の理想とは対極にある場所だった。 本作の最大の魅力は、新卒の誰もが直面する「理想と現実のギャップ」を、ねむ先生特有の柔らかくも鋭い感性で描き出している点にある。「私はもっとかわいいものを描きたいのに」「自分にはもっと才能があるはずなのに」。 そんなももこの心の叫びは、読んでいるこちらの胸をチクリと刺してくる。自分が本当にやりたかったこととは違う、派手でけばけばしいパチンコの広告デザインに追われる日々。その「やらされている感」と、それすらも満足にこなせない「実力不足」の板挟み。この葛藤は、クリエティブな職種に限らず、組織の中で自分の役割を見出せずにいるすべての若手社会人が共感できるはずだ。 今の仕事を本当にやりたかった? しかし、この物語が単なる「お仕事苦労話」で終わらないのは、その無法地帯な職場にいる人々との交流を通して、ももこが少しずつ「働くことの本質」に触れていくからである。 一見デタラメに見える先輩たちも、実はプロとしての矜持(きょうじ)を持って仕事に向き合っており、自分が嫌っていた仕事の中にも、誰かを喜ばせる工夫や、確かな技術が必要であること。そして、理想の場所にたどり着くためには、まずは目の前の「できること」を必死に積み上げていくしかないということ。ももこが少しずつ顔を上げ、自分の居場所を見つけていく過程は、読者に「今の自分も、あながち間違いじゃないのかも」という小さな救いを与えてくれる。 ねむ先生の描くキャラクターは、どこか抜けていて愛らしく、それでいて生々しい生活感を持っている。徹夜明けのボロボロの肌、深夜に食べるカップ麺の味、理不尽な上司への愚痴。そんな等身大の描写があるからこそ、ももこの成長が輝いて見える。 「今の仕事は、自分が本当にやりたかったことだろうか?」。そう自問自答して立ち止まってしまいそうな夜、ぜひこの本を手に取ってみて欲しい。午前3時の暗闇の中で、それでも灯りを灯し続けるももこたちの姿が、あなたの心にある「ギャップ」を少しだけ埋めてくれるはずだ。(牛肉惣菜店経営)

学校給食に金属製ナット混入 つくば市の義務教育学校

つくば市は19日、市内の義務教育学校で同日出された学校給食に異物が混入していたと発表した。教職員が職員室で給食を食べようとご飯のふたを開けたところ、直径8ミリほどの金属製のナットが混入していた。 同校の他の教職員や生徒、同日ご飯が提供された他校からもほかに異物混入の報告は無く、健康被害も報告されていないという。 市健康教育課によると、同日午後0時45分ごろ、教職員が個別の器に入ったご飯のふたを開けたところ、端の方に直径8ミリほどのナットが混入していた。 同市でのご飯の調理は、給食センターとは別に、米飯納入業者が炊飯工場でご飯を炊き、一人分をそれぞれ個別の器に入れ、ふたをして各学校の配膳室に配送している。配送された給食は、職員が配膳室から各教室や職員室などに運んでいるという。 どうして混入したかについて同課は、米飯納入業者が経緯を調査したが、19日時点で不明だとしている。 市は同日、ご飯の提供を受けた市内の各学校の保護者にお詫びの通知文を出した。