金曜日, 2月 6, 2026
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【アングル土浦市長選】3 寄付講座で黒字転換の霞ケ浦医療センター 「再編統合」のリスト入り

【相澤冬樹】県も市も、当事者の病院も声をそろえ、「寝耳に水だった」と振り返る。厚生労働省が9月26日、診療実績が少ないなどとして、再編統合の検討が必要な全国424の公立・公的病院名を公表した際、リストに霞ケ浦医療センター(土浦市下高津)の名があったため、周囲に動揺と戸惑いが広がった。

院長メッセージを発信

以来1カ月、利用者や住民から問い合わせが寄せられる同センターでは、情報を収集し、県、市との協議を繰り返す中で、ようやく事態の輪郭が飲みこめてきた。今月末に鈴木祥司院長(56)名で「患者」と「院内」向けに、今後とも病院の役割を「しっかり行っていく」旨、メッセージを発する準備が整った。

それによれば、今回の公表は厚労省が強制力を持って病院の再編・統合を進めるものではなく、県が主導する地域医療構想会議で議論し、地域の中での病院の役割を明らかにするのが目的と受け止めている。同構想は2025年の医療需要と病床の必要量を見通し、分担や連携などによって医療提供の体制を実現するための施策をまとめるもの。会議は県内9保健所ごとに設置され、土浦地域医療構想会議(委員長・小原芳道土浦市医師会長)は同市と石岡市、かすみがうら市をエリアとし、行政、医療・福祉関係者など約20人で構成される。

土浦市などによれば、同会議ではこれまで、全国で下位から2番目の医師不足の茨城県にあって、同市へは鹿行地域などから患者が押し寄せ、産婦人科病院のない石岡市からの流入も顕著になっている現状を踏まえ、病院機能の分化と連携が議論されてきた。高次医療について同センターと土浦協同病院に加え、近隣の筑波大学付属病院、東京医大茨城医療センターのそれぞれの持つ機能に合わせた体制の構築を議論してきた。

霞ケ浦医療センターは2004年、それまでの国立病院から独立行政法人に改組となり、会計上「独立採算」となって経営がひっ迫、40人以上いた常勤医が2010年には18人まで減って、経常収支も悪化した。廃院も取りざたされ、地元住民から病院支援の陳情運動が起こり、同市が総理大臣あて意見書を提出する事態にまでなった。

地方自治体からの支援を可能にする地方財政法の改正を受け、同市は12年、同センター内に筑波大学大学院の研究科を置く「寄付講座」を設けた。土浦地域臨床医療センターと呼ばれるもので、医療者の研究と教育の役割も担っている。

同市によれば12年度からの5年間は2億6600万円を寄付、17年度から第2期に入り、2年間で1億5400万円を寄付した。教員(医師)数でいえば、教授3人、講師2人の派遣を受け入れたことになる。19年度からは筑波大学のフラッグシップホスピタル(地域拠点病院)にも指定された。

これらの取り組みの結果、病院収支は改善、18年度は経常収支が黒字となった。同年度の医師数は常勤医39人、非常勤8人で以前の水準に戻した。手術件数は2287件で07年1189件の倍近くになった。

1年で対応策とりまとめ

土浦協同病院が16年、同市おおつ野に病床数800の新病院を建設して移転して以降、同市の桜川以南の住民には同センターが存在感を増している。鈴木院長によれば「霞ケ浦医療センターは土浦の市民病院的な役割を担い、急性期の患者だけを診るのではなく、二次救急から在宅医療・介護までをマネジメントできる医療者のリーダーを育成してきた」という。

海軍病院の名残りをとどめる東郷平八郎の書を前に取材に応じる鈴木祥司院長

地域医療構想会議においても「再編統合」の話にはならない。団塊世代がそろって後期高齢者となる「2025年問題」を越えて、高齢者人口が総人口の3分の1を超えると推計される「2040年問題」に向け、同センターの機能転換についての議論に踏み込んでいた。課題となっている周産期患者の受け入れ拡大などのため、病院の改築も目論んでいた。そんな矢先の厚労省の発表だった。

「よくよく聞いてみると、公表の根拠は2017年6月単月の診療実績によるものだった。病床の絶対数で差のある土浦協同病院との単純比較には納得できない点もあった」と鈴木院長。これまでの取り組みには自信をもっているが、病院の建て替え話は仕切り直しを迫られた格好だ。医療費削減を至上命題とする国からの資金投入が期待できないなか、自治体が再編策に反発しても財政負担を伴う施策を打ち出せるか、同会議を通じ対応策は来年9月までにまとめることになる。

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

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消費期限切れ食品を冷凍自販機で販売 つくばまちなかデザイン

保健所が販売停止を指導 つくば市のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(つくば市吾妻、内山博文社長)が設置、管理する冷凍食品自動販売機で、1月9日から14日までの間、消費期限切れの食品が販売されていたことが分かった。つくば保健所の指導を受けた同社は、該当食品の販売を17日から停止し、現在までに同自販機による全食品の販売を停止している。 同社は購入者に対し返金対応を行うとしているが、同社による事態の告知は自販機への貼り紙と、冷凍食品製造事業者を含む飲食店経営者による有志グループ「旨がっぺTSUKUBA(つくば)」のインスタグラムとフェイスブックなどに限られ、つくば市が出資する第3セクターとしての説明責任が問われる。 販売が停止された自販機は、つくば駅前のつくばセンター広場ペデストリアンデッキ上に設置されている。同社がSNSと自販機に掲示した「お知らせ」によると、販売された消費期限切れの食品は「8大アレルゲンフリー 米粉の焼き菓子おまかせ3点セット」。1月9日、12日、14日の3日間に計4点が購入されていたことが確認されている。消費期限は、購入された時で最大で1週間が過ぎていた。その他に、消費期限が最短で1日以内だった1月1日と6日に購入された2点についても返金するとしている。 コロナ禍発 同自販機が設置されたのは2023年。つくばまちなかデザインが、市内などの飲食店経営者などによる有志グループ「旨がっぺTSUKUBA」とともに立ち上げた実行委員会のプロジェクトとして設置した。同グループは、コロナ禍による外出自粛が呼び掛けられた2020年に、県内飲食店のテイクアウト情報をフェイスブックで発信していた活動を母体としている。冷凍自販機設置に際して同実行委は、PR費用などに充てるとしてクラウドファンディングを実施し、46人の支援者から56万9590円を集めた。 告知は貼り紙と飲食店グループのSNSのみ 消費期限切れ食品の販売が発覚したのは1月17日。まちなかデザインは同日、「旨がっぺTSUKUBA」のインスタグラムとフェイスブックに掲載した同社名義の「消費期限切れ商品の販売に関するお詫びとお知らせ」で、問題が起きた経緯について「弊社による商品管理不足とコミュニケーションの不調」によるなどと説明し、返金対応を行うとした。同時に、自販機に貼り紙を貼り、購入者に連絡を呼び掛けている。一方で、食品の自販機の設置者であり、商品の管理責任を負うまちなかデザイン自身の公式ホームページや、会社のSNSアカウントでは、2月2日時点で、消費者に対する説明や購入者への呼び掛けは行われていない。 社長「大きな問題は起きてない」 取材に対して同社の内山社長は、今回の経緯について、「旨がっぺTSUKUBA」のSNSに公表した文書を念頭に、「あそこに書いてあることが全て」とし、「体調が悪くなったなど、特段、消費者から問い合わせもなく、大きな問題が起きているということはない。問題等があれば、しっかり発表する」と述べ、問題発生に関する詳細な経緯の説明を避けた。 また、市民からの疑問と不安の声を受けて取材を始めたことを伝えると、「『市民の方から』と言えば、なんでも話さなければいけないのか。その方から直接問い合わせをいただければ、私どもも真摯(しんし)に対応する」と述べた。今後については「保健所の指導を受けながら、誰の責任で、どう行うべきか考えていきたい。再開については、はっきりした段階でお伝えしたい」とした。 複数業務兼ね管理行き届かず つくば保健所によると、保健所が事態を把握したのは、問題が発覚してから2日後の19日。問題となった冷凍自販機に食品を納入している業者からの通報がきっかけだった。この時点で該当食品の販売は停止されていたが、まちなかデザインから保健所への連絡はなかった。そのため保健所は同日、同社に電話連絡し、同社が保健所を訪問。保健所は食品衛生法に基づき、施設の衛生管理状況や取扱者の衛生教育などを評価する「食品衛生監視指導表」を交付し、事態改善に向けた指導を同社に対して行っている。 同保健所は「自販機の設置者であるつくばまちなかデザインが、納入された商品の管理と自販機への補充を行ってきた」と、設置だけでなく、商品管理もまちなかデザインが担っていたとした上で、問題が起きた経緯については「自販機販売の担当者が、他の複数業務を兼ねていた。人手不足の中で、商品管理が行き届かず、期限切れの商品が販売された」と原因や背景を分析する。 今後、まちなかデザインから提出される改善案を見た上で、改善措置が図られたと判断した段階で、販売再開が可能になるとしている。 今回の「消費期限切れ」について保健所は「食品表示法により、健康被害の恐れから消費期限が切れた商品を販売することはできない。期限が切れた食品は、もう食べられない状態」にあるとし、厳格な管理が必要との認識を示した。一方で、今回販売されたのが冷凍食品であることから重大な健康被害に直結しにくいとの見方を示し、より期限に猶予期間のある「賞味期限」表示が適切だった可能性にも言及した。 市がどう考えているか知りたい  今回販売された焼き菓子をこれまでたびたび購入してきたという、ブックカフェ「本と喫茶サッフォー」(同市天久保)を経営する山田亜紀子さんは「丁寧に作られていて、安心して食べられるお菓子。美味しくて、好きで食べていた」と話し、自身も食品販売に携わる立場から「食品管理は食中毒を出せば営業できなくなり、経営に直結する問題。一番気を使う部分だ」と指摘する。 さらに「自販機は市民以外も含め誰でも購入できる場所にある。本来、安全を最優先しなければならないはずなのに、食べ物をずさんに扱っている印象を受ける」と不安を口にした。さらに「こうした会社に市が税金を出資している。市としてどう考えているのか知りたい」と話した。 市と会社に説明責任ある これまで市議会でたびたび同社の経営状況や将来負担などについて質問してきた山中真弓市議は「市は、まちなかデザインに6000万円を出資し、指定管理者に指定して、自販機が設置されている場所を含むつくばセンター広場の管理を任せている。市民の税金が投入されている以上、同社は市民に対して問題を説明する責任がある」と指摘する。 その上で、「自販機が設置されている場所は市の土地であり、市職員が同社の取締役に入っている。市が無関係とは言えない」とし、「市にも、市民に対して説明する責任がある。また、まちなかデザインが食品を扱うノウハウがあるのか、確認する必要がある」と述べた。 市は保健所に委ねる姿勢 一方、つくばまちなかデザインを担当する同市学園地区市街地振興課は今回の件について「(まちなかデザインは)保健所の指導に従ってもらいたい」との認識を示すにとどまっている。(柴田大輔)

人の意見を聞く勇気《続・気軽にSOS》169

【コラム・浅井和幸】言葉は、その発する人の思いを相手に伝えるための道具です。そして、その言葉を受け取る人の解釈によって意味が変わることがあります。さらに、その人が相手に伝えるときに使われて、会話が成立します。 「白くてふわふわしている」という言葉も、発信した人と受け取った人とが思い浮かべるものが全く同じであることはほとんどないでしょう。経験も、その時の気分も、何を優先順位とするかも違う、それぞれの人生を生きているのですから。 相手との違いが分かっていると、より分かってもらおうと発信側も工夫するものです。違うことが分かっていると、より分かろうと受け取る側も考えます。初めて会う、違う文化の人には、ていねいなコミュニケーションを取ろうとするものです。 以前、学者の方から笑い話で聞いたことがありますが、世界各国から研究者が集まる学会などで、たどたどしい英語でコミュニケーションをとっているときは気持ちが通じ合う感覚があるのに、長年連れ添った妻とは同じ日本語で話をしているにもかかわらず、お互いが相手の言っていることが分からなくなることがある、と。 ていねいな対話とか情報交換 私たちは、関係性の距離によって、コミュニケーションがていねいになったり、雑になったりします。もちろん、ある程度お互いの癖が分かっているのに、ていねい過ぎるやり取りは無駄な時間を使います。簡単にした方がよいこともあるでしょう。 うまくいっているときは、コミュニケーションは端折(はしょ)ってもよいと思います。しかし、コミュニケーションがうまくいかないときは、自分の言いたいことを分かってと我を通すだけでなく、ていねいな対話とか情報交換が必要になります。 意外なことではありますが、ケンカをしている両者が実は目的や希望が相反することでないことは多いものです。それどころか、同じであることも珍しいことではありません。ケンカしている相手の言葉は聞きたくないでしょうが、相手の話したいことを理解することから始めましょう。(精神保健福祉士)