日曜日, 12月 21, 2025
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つくば市、4年連続不交付団体 財政基盤の地歩固める

【山崎実】消費税率が8%から10%に引き上げられ公共料金の値上げなど自治体税収の増加が見込まれる中、一方で市町村間の格差拡大を懸念する声が聞かれる。人口減少と超高齢化、地域経済の縮小が中長期的に税収確保に影を落とすという不安だ。持続可能な財政基盤の確立と強化は、今後も行政運営の鍵を握ることになりそうだ。

自治体の一般財源として国が交付する普通交付税の市町村分が県から発表され、交付決定額は対前年度21億5000万円増の1381億3800万円となり、2015年度以来、4年ぶりの増加となった。各市町村の交付決定額は別表の通りだが、不交付団体(一般財源所要額が税収で賄える市町村)は昨年度同様、つくば、守谷、神栖、東海の4市村だった(神栖市の場合は合併特例債適用で来年度まで旧波崎町分の交付税が交付される)。

これらの市村は財政力が強い自治体といえるが、その指標となるのが財政力指数で、基準財政収入額を需要額で除して、数字が1以上の場合に不交付団体となる。一番高い(強い)のは東海村の1.402、次いで神栖市1.389、つくば市1.052、守谷市1.002となっている。

逆に低い(財政力が弱い)のは大子町の0.331、河内町0.371、城里町0.375、常陸太田市0.413―など。

今回、交付決定額が増加した27市町村のうち、増加率10%以上はひたちなか、牛久、日立の3市。社会福祉費や高齢者保健福祉費などによる基準財政需要額が増加していることや、企業の業績悪化などに伴う市町村民税(法人税割)の減など収入額の減少が影響しているのではと指摘している。

不交付団体の直近の推移をみると、東海村は別格として、つくば市は4年、守谷市は2年連続と、財政基盤の地歩を確実に固めつつある。自主財源の割合が市町村の自主性を示す尺度といわれており、財政力指数=別表=から実像も見えてくる。

消費税増税に伴う税収増を、人口減少、福祉対策、経済活動など、地域が抱える政策的な諸課題にどのように投下し、持続可能な財政基盤を構築していくのか。市町村の力量が問われる。

2019年度市町村別普通交付税と財政力指数
市町村名 交付額(万円) 対前年度増減率(%) 財政力指数
水戸市 63億6400 6.6 0.861
日立市 53億3300 10.3 0.836
土浦市 30億4600 6.3 0.877
古河市 61億8600 1.7 0.755
石岡市 57億2500 2.3 0.616
結城市 20億9400 △3.5 0.732
龍ケ崎市 27億6700 4.6 0.763
下妻市 26億0500 △0.6 0.691
常総市 32億0200 △0.4 0.731
常陸太田市 75億7400 △3.5 0.413
高萩市 22億4200 △1.7 0.611
北茨城市 25億1000 9.8 0.691
笠間市 62億2200 2.5 0.607
取手市 61億0900 8.4 0.683
牛久市 16億1400 12.4 0.871
つくば市 1.052
ひたちなか 8億2000 17.7 0.959
鹿嶋市 3400 △71.7 0.993
潮来市 30億2200 1.9 0.511
守谷市 1.002
常陸大宮市 67億3400 △1.7 0.431
那珂市 34億5200 △0.4 0.652
筑西市 62億8600 0.5 0.693
坂東市 36億1700 3.1 0.664
稲敷市 56億8900 1.9 0.501
かすみがうら市 35億6200 4.3 0.613
桜川市 48億7400 △4.1 0.492
神栖市 3億1500 △40.1 1.389
行方市 51億9900 △2.0 0.437
鉾田市 61億2900 0.8 0.461
つくばみらい市 21億2600 2.4 0.804
小美玉市 41億8400 1 0.622
茨城町 25億3300 △0.7 0.587
大洗町 9億5200 6.4 0.716
城里町 34億5100 △1.8 0.375
東海村 1.402
大子町 35億5400 2.3 0.331
美浦村 9億7200 5.7 0.707
阿見町 4億5400 1.4 0.929
河内町 16億3600 1.2 0.371
八千代町 14億4100 0.7 0.643
五霞町 2億7300 △18.4 0.846
境町 14億0600 0.3 0.695
利根町 18億3100 2.8 0.429
1381億3800 1.6 0.706

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「公示送達」のネット拡散に懸念 つくば市議会で珍事

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探究活動や課外研究で科学の実験などに取り組むつくば市内の高校生が実験成果を発表し、顕著な研究成果を上げ江崎玲於奈賞を受賞した研究者から講評を受けたり、直接会話して懇談する「科学交流会」が19日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で開かれた。昨年に引き続き2回目の開催となる。 茨城県科学技術振興財団(つくば市、江崎玲於奈理事長)とつくばサイエンス・アカデミー(つくば市、江崎玲於奈会長)が主催し、関彰商事が協賛した。 発表したのは、並木中等教育学校、茗溪学園中高、つくばサイエンス高、竹園高に通う高校生9人。講師を務めたのは、省電力で高性能な次世代のメモリ素子開発に可能性を開く研究で2023年にで江崎玲於奈賞を受賞した理化学研究所の十倉好紀さんと于秀珍さん。于さんは初の女性受賞者だ(23年11月20日付)。 並木中等教育学校高校2年の中島桃花さんは、「光の波長におけるイースト菌の代謝制御への影響」を発表。パンを作る際に欠かせないイースト菌に可視光を当てると、波長によって発生する二酸化炭素の量や、細菌などの微生物がシャーレなどの上で増殖してできるコロニーの数が異なることに着目した。グルコース(ブドウ糖)の消費量を調べることで、その原因を探った。 茗溪学園高2年の秋山茉白さんは、食品添加物として使用されるグリシンが、細菌のストレス耐性に及ぼす影響について調べた。 つくばサイエンス高1年の飯岡玲菜さんと染谷千穂さんは、水道から流れ出る水を2リットルのペットボトルに入れた際の音の変化について、注水の様子を撮影した動画と音声編集ソフトを用いて分析した。 生徒たちの実験結果に対して講評に立った十倉さんと于さんは、「レベルの高い研究発表」「面白い研究」などと感想を述べたほか、「論拠をしっかり書く必要がある」「科学では、どのくらいなのかを具体的に説明しなければならない」などと、生徒らにアドバイスを送った。 つくばサイエンス高の飯岡さんは「発表はとても緊張した。(講師や他の生徒からの質問は)とても勉強になった。答えられなかったところもあったが、これからの活動に生かしていきたい」と話した。また、飯岡さんとともに登壇した染谷さんは「今回の経験を生かして、2年次に向けて、より完成度の高いものにしていきたい」と意気込みを語った。 イベントにビデオメッセージを寄せた江崎理事長は、「参加する高校生の皆さんは、日頃から探究活動や課題研究に取り組んでおられると伺っている。これからの時代を担う皆さんが科学に興味を持ち、研究を行うことは大変素晴らしいこと。本日の科学交流を通じて創造力をさらに高め、研鑽(けんさん)を深めて、今後の活動に生かしていただきたい。本日参加している高校生の皆さんの中から、いつか江崎玲於奈賞の受賞者が出ることを願っています」と、科学に打ち込む生徒たちに言葉を送った。(柴田大輔)