月曜日, 4月 27, 2026
ホームつくばつくば市、4年連続不交付団体 財政基盤の地歩固める

つくば市、4年連続不交付団体 財政基盤の地歩固める

【山崎実】消費税率が8%から10%に引き上げられ公共料金の値上げなど自治体税収の増加が見込まれる中、一方で市町村間の格差拡大を懸念する声が聞かれる。人口減少と超高齢化、地域経済の縮小が中長期的に税収確保に影を落とすという不安だ。持続可能な財政基盤の確立と強化は、今後も行政運営の鍵を握ることになりそうだ。

自治体の一般財源として国が交付する普通交付税の市町村分が県から発表され、交付決定額は対前年度21億5000万円増の1381億3800万円となり、2015年度以来、4年ぶりの増加となった。各市町村の交付決定額は別表の通りだが、不交付団体(一般財源所要額が税収で賄える市町村)は昨年度同様、つくば、守谷、神栖、東海の4市村だった(神栖市の場合は合併特例債適用で来年度まで旧波崎町分の交付税が交付される)。

これらの市村は財政力が強い自治体といえるが、その指標となるのが財政力指数で、基準財政収入額を需要額で除して、数字が1以上の場合に不交付団体となる。一番高い(強い)のは東海村の1.402、次いで神栖市1.389、つくば市1.052、守谷市1.002となっている。

逆に低い(財政力が弱い)のは大子町の0.331、河内町0.371、城里町0.375、常陸太田市0.413―など。

今回、交付決定額が増加した27市町村のうち、増加率10%以上はひたちなか、牛久、日立の3市。社会福祉費や高齢者保健福祉費などによる基準財政需要額が増加していることや、企業の業績悪化などに伴う市町村民税(法人税割)の減など収入額の減少が影響しているのではと指摘している。

不交付団体の直近の推移をみると、東海村は別格として、つくば市は4年、守谷市は2年連続と、財政基盤の地歩を確実に固めつつある。自主財源の割合が市町村の自主性を示す尺度といわれており、財政力指数=別表=から実像も見えてくる。

消費税増税に伴う税収増を、人口減少、福祉対策、経済活動など、地域が抱える政策的な諸課題にどのように投下し、持続可能な財政基盤を構築していくのか。市町村の力量が問われる。

2019年度市町村別普通交付税と財政力指数
市町村名 交付額(万円) 対前年度増減率(%) 財政力指数
水戸市 63億6400 6.6 0.861
日立市 53億3300 10.3 0.836
土浦市 30億4600 6.3 0.877
古河市 61億8600 1.7 0.755
石岡市 57億2500 2.3 0.616
結城市 20億9400 △3.5 0.732
龍ケ崎市 27億6700 4.6 0.763
下妻市 26億0500 △0.6 0.691
常総市 32億0200 △0.4 0.731
常陸太田市 75億7400 △3.5 0.413
高萩市 22億4200 △1.7 0.611
北茨城市 25億1000 9.8 0.691
笠間市 62億2200 2.5 0.607
取手市 61億0900 8.4 0.683
牛久市 16億1400 12.4 0.871
つくば市 1.052
ひたちなか 8億2000 17.7 0.959
鹿嶋市 3400 △71.7 0.993
潮来市 30億2200 1.9 0.511
守谷市 1.002
常陸大宮市 67億3400 △1.7 0.431
那珂市 34億5200 △0.4 0.652
筑西市 62億8600 0.5 0.693
坂東市 36億1700 3.1 0.664
稲敷市 56億8900 1.9 0.501
かすみがうら市 35億6200 4.3 0.613
桜川市 48億7400 △4.1 0.492
神栖市 3億1500 △40.1 1.389
行方市 51億9900 △2.0 0.437
鉾田市 61億2900 0.8 0.461
つくばみらい市 21億2600 2.4 0.804
小美玉市 41億8400 1 0.622
茨城町 25億3300 △0.7 0.587
大洗町 9億5200 6.4 0.716
城里町 34億5100 △1.8 0.375
東海村 1.402
大子町 35億5400 2.3 0.331
美浦村 9億7200 5.7 0.707
阿見町 4億5400 1.4 0.929
河内町 16億3600 1.2 0.371
八千代町 14億4100 0.7 0.643
五霞町 2億7300 △18.4 0.846
境町 14億0600 0.3 0.695
利根町 18億3100 2.8 0.429
1381億3800 1.6 0.706

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

柵が倒れ女子児童けが つくばカピオ前広場

26日午後1時30分ごろ、つくば駅近くの同市竹園、市の複合施設、つくばカピオ前の広場で、広場に設置されたスロープと広場を隔てる鉄製の柵に女子児童(8)が手を掛けたところ、柵がスロープ側に倒れ、児童は足などを打ってけがを負った。 市芸術文化推進課によると、倒れた柵は高さ79センチで、長さ4.35メートルにわたって3ブロックが倒れた。女子児童は市内から家族と遊びに来ていて、柵に体を向けて手でにぎっていたところ、柵と一緒に正面から倒れたという。同課によると、柵に腐食はみられず、溶接部分がはがれたことが原因とみられるという。 柵はカピオと同じ1996年に建築された。指定管理者のつくば市文化振興財団(同市竹園)が施設の管理などを実施し、定期的に点検などを実施しているが、柵がぐらついていたなどの異常は確認されていなかったという。 市文化振興財団は、女子児童の保護者に謝罪した上、施設の点検や安全確認を改めて実施した。倒れた箇所や同様の柵がある箇所については現在、カラーコーンを設置し、近寄らないよう注意喚起する張り紙を掲示している。 市は、当該施設の点検を徹底し、安全対策や注意喚起を行うなど再発防止に努めるとしている。

障害者の余暇活動充実へ つくばで新団体スタート 

地域のネットワークで課題解決 障害者の余暇活動の充実を目指す「つくば市障害者の余暇活動を考える会」の発起式が26日、同会の実行委員会によってつくば市内で開かれ、福祉事業者や障害者のスポーツ団体、行政職員、支援者、当事者や家族らが参加した。実行委員会には、市内で障害者の余暇活動や運動・スポーツ活動、生活支援に取り組む福祉専攻科シャンティつくば、障害者のスポーツ事業や余暇活動支援を行う一般社団法人ウルラ(URULA)、NPO法人ユアフィールドなどが名を連ねる。今後も行政を含めた地域のネットワークづくりや課題解決に向けた取り組みを進めていく。 2025年初頭、関係者間で課題を共有したことをきっかけに準備を進めてきた。世話人の一人、ウルラ代表で筑波大学准教授の澤江幸則さんによると、障害者の余暇を取り巻く環境には、家族の負担の大きさ、当事者のニーズに合った福祉サービスの不足、活動の場や情報のマッチング不足などが課題に挙げられ、特に「(活動の)場」「移動」「時間」の3点が大きな壁となっているという。 同会は現時点で実行委員会形式でのスタートとなるが、今後は行政や支援団体、当事者や家族などの活動への参加を想定している。発起式には会場定員の60人を上回る約80人の申し込みがあり、オンライン対応も行われた。澤江さんは「関心の高さを感じる一方で、その期待に応える責任も感じている」と述べた。今後は6月に初のセミナーを予定しており、当事者や家族、相談員の声を反映しながら、具体的な施策づくりを進めていく考えだ。 余暇は労働と同じくらい大切 発起式で澤江さんは「余暇とは単に余った時間ではなく、人生や生活を豊かにする重要な要素」だと強調した。かつては労働中心の価値観が主流だったが、現在はワーク・ライフ・バランスの考え方が広がり、「労働と同じくらい余暇が大切な時代になっている」と指摘した。余暇活動が心身の回復や人とのつながりを生むとする理論にも触れ、「社会との接点を広げ、人生を豊かにするための大切なツール」だと語った。 一方で、障害者の余暇を取り巻く環境には課題も多いと指摘する。澤江さんによると、当事者家族への調査では、外出や余暇の満足度は「満足している」と「満足していない」がほぼ半々だった。 活動の場自体は一定数存在するものの、情報が十分に共有されておらず、活用されていないケースも少なくない。移動手段についても既存の支援制度だけでは対応しきれていない現状があると話す。また、施設職員の勤務体制などの影響で、平日に比べて休日の活動が乏しい点も課題とされる。 こうした状況を受け、同会は、行政、民間団体、支援者、当事者らが緩やかにつながる「ネットワークづくり」を重視する。澤江さんは「一つの主体だけで解決できる問題ではない。みんなで考える必要がある」と語った。 今後の取り組みとしては、定期的なセミナーやワークショップの開催、ホームページやSNSを活用した情報発信、寄付の呼びかけなどを計画する。多様な関係者の参加を促し、「市全体で障害者の余暇活動を支える仕組みづくり」を目指す。 また、学校卒業後の学びの機会が限られる現状を踏まえ、生涯学習の視点から余暇の充実を図る必要性も強調する。「学びの場を広げることが、余暇をより豊かなものにする」と話した。 課題出し合えたのは重要な一歩 実行委員会の世話人で、シャンティつくば代表の船橋秀彦さんは「地域で地道に取り組んでいる人たちが初めてこういう場で交流し合い、障害のある人たちの余暇活動に関する課題を出し合えたのは重要な一歩。さらに、そこに行政の参加があったことは大きい。シャンティつくばでも余暇活動を進めてきたが、より一般に広げるためには行政も含めた取り組みが必要になる。市が余暇活動に視点を当てた取り組みである『余暇活動支援事業』を始めたことは高く評価しており、障害のある人たちの余暇活動の発展につながる第一歩になると感じている」と語った。(柴田大輔)

片隅で咲く恋心、ままならない感情 《マンガサプリ》6

【コラム・瀬尾梨絵】SNSという広大な海から生まれ、多くの読者の心を静かに揺さぶり続けて書籍化に至った名作をご存知だろうか。それが、蒔(まき)先生による「おもいこみのノラ」(KADOKAWA、全1巻)だ。コンパクトな巻数の中に、私たちが忘れかけていた誰かを思うことの、みずみずしくも少しだけ苦い感触が、驚くほどの密度で閉じ込められている。 本作の舞台は、さまざまな動物たちが人間のように二足歩行し、服を着て生活している世界。その中でも、人生のモラトリアムとも言える大学が物語の中心となる。 主人公は、犬のノラ。彼女は派手なタイプではなく、どちらかといえば周囲の喧騒(けんそう)から少し離れたところでひっそりと、自分の日常を過ごしているような雑種犬。そんな彼女が胸の奥で温めているのは、同じ大学に通うオオカミのアルへの淡い恋心だった。 動物たちの世界といっても、そこに描かれるのはファンタジーな冒険ではない。講義の空き時間、学食での何気ない会話、放課後のちょっとした寄り道。私たちがかつて通り過ぎてきた、あるいは今身を置いている「学生生活」そのものの空気が、蒔先生の柔らかな描写で描かれている。 最大の見どころは、タイトルにもある「おもいこみ」というキーワード。恋をすると、私たちはどうしても臆病になり、相手の何気ない一言に一喜一憂し、深読みしすぎて自爆したり、逆に都合の良い解釈をして舞い上がったりと、自分でも想像することができない自分を垣間見ることになる。 ノラが抱える恋心は、まさにその「おもいこみ」の連続。自分の気持ちを伝える勇気が出ないからこそ、心の中の独白(モノローグ)は饒舌(じょうぜつ)になり、相手への思いは純度を増していき、その一方通行の熱量が、読者の胸を締め付ける。 動物たちが織りなす不器用な日常 ノラを取り囲む友人たちの描写も秀逸だ。それぞれに個性があり、悩みがあり、彼らなりの生活がある。動物の姿を借りているからこそ、キャラクターたちのささいな表情の変化や、耳や尻尾の動きといった「言葉にできない感情」がよりダイレクトに伝わってくる。それは言葉の解像度を超えた、非常に豊かな感情表現と言えるだろう。 全1巻という構成は、まるで1本の良質な短編映画を見終えた後のような、すがすがしい余韻を私たちに与えてくれる。物語は劇的な大団円を迎えるわけではないかもしれないが、ノラが過ごした穏やかで少しだけ切ない日々は、読者自身の記憶にある「大切な誰か」の面影を呼び起こさせてくれる。 「最近、心がささくれ立っている」「誰かを好きになる真っ直ぐな気持ちを思い出したい」。そんな方にこそ、この「おもいこみのノラ」を手に取ってほしい。動物たちが織りなす優しくて不器用な日常が、あなたの心の中に、温かな火をそっと灯してくれるはずだ。(牛肉惣菜店経営)

スペインに海外出張 五十嵐つくば市長 4泊6日

つくば市の五十嵐立青市長が26日から4泊6日の日程で、国際会議「ブルームバーグ・シティラボ2026」に出席するためスペインのマドリードに海外出張する。帰国は5月1日。市が負担する費用は8万円で、渡航費、宿泊費、会議期間中の食費は主催者が支払うという。 今年から市ホームページで事前公表するようになった目的や概要などによると、市長が加入するOECD先進的市長会議(OECDチャンピオンメイヤーイニシアティブ)から招待された。同国際会議はマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が創設した慈善財団と、米国の非営利研究・教育機関「アスペン研究所」が主催する。世界各国から100人以上の市長や専門家らが集うという。 五十嵐市長は、建築、計画、コミュニティの変革方法について話し合う会議や非公開のセッションに参加するほか、住宅問題について議論するパネルディスカッションに登壇する予定。 日程は、26日出国し、同日マドリード着、27日から29日まで3日間、同会議に参加する。30日マドリードを離れ、5月1日帰国する。 市長の海外出張は今年2月、イギリスとフランスに8日間出張(2月1日付)して以来、今年2回目。今年度は初めて。今年度当初予算では市長の海外出張費は計上せず補正予算で対応するとしていた(3月26日付)。(鈴木宏子)