【鈴木宏子】台風19号による桜川の増水により、岸のすぐ東側に立地する「つくばわんわんランド」(つくば市沼田)の園内ほぼ全域が13日、冠水した。90種類500頭の犬猫が一時孤立したが、スタッフがひざ下まで水に浸かりながら総出で全頭を無事救出した。後片付けのため19日まで休園し、営業再開は20日からとなる。
筑波山の麓にある犬猫と触れ合える体験型テーマパークで、広さは駐車場やペット霊園を含め66ヘクタール。桜川の洪水時には冠水してしまう高水敷(こうすいしき)にある。
台風19号が接近し園を休業にした12日は、スタッフ約30人が総出で、犬や猫が夜過ごす建物内に、すのこやテーブル、椅子などを並べて床を高くし、万が一に備えた。同日は台風が接近していたことから、昼過ぎにはスタッフ全員を帰宅させた。
台風が通過した翌13日午前6時ごろ、スタッフが出勤すると、園内ほぼすべてが冠水していた。深いところでは50センチくらいあったという。
隣接のつくば国際ペット専門学校の教職員も含め総勢約50人で救出を開始。幸い前日に床を高くしていたことから、水にぬれた犬や猫はなかった。
スタッフが近づくと、ほとんどの犬はいつものように元気に駆け寄ってきた。田口弘樹園長(33)は「前の晩は雨風の音がすごかったので不安だったと思うが、皆元気でスタッフが近づくと喜んでしっぽを振っていた。体がぬれなかったのがよかったんだと思う」と振り返る。ただし怖がっている様子の犬猫も何匹かはいたという。
スタッフは一匹一匹抱き上げて、冠水していない園内の高台などに犬猫を避難させ、13日午前中までに500頭の救出を無事終えた。
トイプードルが子犬2匹を出産
一方、同日朝、出産間近だった白いトイプードルが2匹の子犬を出産。「元気をもらった」という。
冠水した水が引くと、園内には泥水が残った。まず犬や猫が休む建物内を洗浄し、この日はいつもように建物内でゆっくり休ませた。翌14日も休業とし、再びスタッフ総出で、今度は、園内に敷き詰められた屋外のコンクリート敷などを清掃。高圧洗浄機で洗って、泥やごみを集めてきれいにした。同日までに、一部を除いてほぼすべての清掃を終えたという。
細部の後片付けがまだ残っていることから19日まで休園とする。同園は「お客様にいつも通りのサービスが提供できるよう、自慢の可愛い犬猫と触れ合っていただけるよう十分な時間をかけて復旧し、20日にはいつも通りのつくばわんわんランドを楽しんでいただけたら」としている。
※15日時点では19日営業再開の予定でしたが、16日現在、営業再開は20日となりました。
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