木曜日, 4月 25, 2024
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台風19号 -検索結果

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子供会と防災キャンプ企画 つくばの松崎貴志さん 台風19号の浸水経験生かし

つくば市北部の田中地区で2月12日、地区の子供会を中心に第1回防災キャンプが開かれる。同地区の会社員で、防災士の松崎貴志さん(42)が企画し主催する。 桜川に隣接する田中地区は2019年の台風19号の際、川の水が増水し堤防を越えて道路や水田が浸水、集落まで迫った。地域には防災無線があったが、十分な訓練をしていなかったため使い方が分からず、避難を呼び掛けることができなかった。台風19号をきっかけに松崎さんは、防災の大切さに目覚め、翌20年、防災士の民間資格を取得した。 防災士として松崎さんはまず、地域を調査し、ハザードマップを作成した。出来上がったハザードマップを有効に利用し、地域の防災意識を高めようと、今回子供たちを中心にした防災キャンプを企画した。 日帰りの防災キャンプで、当日は、田中地区にある2カ所の児童館に集合する。地区の子供たちは各児童館から約3キロ歩いて、市指定の避難所を目指す。避難所は角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校、S高等学校(同市作谷、旧筑波西中学校)だ。今回のイベントに地域を応援する趣旨からも賛同を得た。 避難所ではアルミ缶でご飯を炊いたり、簡単な調理をするなどサバイバル調理体験を行う。市販の食べられる食器なども用い、SDGs(持続可能な開発目標)にも沿った活動をしていきたいという。昼食後は、スタート地点とは別の児童館へ戻るコースをたどる。 松崎さんは同校はじめ、地域住民、消防団、行政、警察署などを一人で回り、開催にこぎつけた。 今後の展望として「2回目は地区長をいれた形で大人版のイベントを行っていきたい。地元に限らず、防災に対する啓蒙をしていきたい」と述べ、今回の事業が各地域のモデルになればと抱負を語る。(榎田智司)

【台風19号】避難勧告で防災への関心高まる つくば市森の里団地

【橋立多美】大型で非常に強い台風19号の到来で避難勧告を受け、つくば市茎崎地区の住宅団地、森の里は防災への関心が高まった。19号に続いてやってきた21号の影響による大雨から一夜明けた26日、森の里公会堂で開催された消防訓練には通常の倍の住民約70人が参加した。 避難所では詳しい情報がつかめない 同団地は1970年代に計画的に整備された住宅街(面積33ヘクタール、約1300世帯)で東は小茎、西は牛久沼に注ぐ谷田川を挟んで茎崎、南は牛久沼を挟んで下岩崎、北は六斗と接している。 入居から40年。2011年の東日本大震災で地盤に液状化現象が発生したり、15年6月、1時間に81ミリの猛烈な雨が降って一部の住居が床下浸水の被害に遭ったが、団地住民は「避難」とは無縁の生活を送ってきた。それだけに避難勧告は予想外の出来事だったのではないか。地域住民の安全な暮らしが双肩にかかる森の里自治会長の倉本茂樹さんに話を聞いた。 同団地で問題となるのが東側の小茎地区との境の里山だ。高さ10メートルほどの緩やかな斜面で、同市作製のハザードマップ(被害予測地図)で土砂災害警戒区域に指定されている。 気象庁の「記録的な大雨になる」という発表を受けて11日夕方、市の危機管理課から里山に最も近い16軒の住民を対象に自主避難所=※メモ=を茎崎交流センターに設けるという連絡があった。倉本さんをはじめとする自治会役員が手分けして1軒ずつ連絡して回った。 翌12日午前9時、自主避難所だった茎崎交流センターは指定避難所となり、ペット同伴可能な避難所が茎崎中学校柔剣道場に開設された。午後2時3分に避難勧告が発令されると茎崎地区の土砂災害警戒区域の住民たちが避難し、森の里住民を含めて計154人が身を寄せた。 午後10時、暴風雨を押して避難所を見舞った倉本さんは「団地住民3人に会った。冷え込みが厳しくなかったのは幸いだった。避難所で最も知りたいのは台風の動きだがホールに行かないとテレビはなく、けたたましいスマホの緊急速報は短文で詳しい情報はつかめないと思った」と話した。 一方、自治会の事務局でもある公会堂には副会長ら5人が万一に備えて待機した。雨風が小康状態になるまで何度も電話が鳴った。防災・防犯部を兼務する副会長の松村健一さんによると「不安で心細い」という住民からの電話や、老親と離れて暮らす人が団地の状況を問い合わせる内容だったという。 森の里は水田を埋め立てた平坦な土地で、雨水は谷田川に直接ポンプで排水している。団地内に10カ所の排水施設があり、1カ所を除いて停電でも稼働する。台風19号と、21号の影響で激しい雨がまとまって降った25日も住宅が水につかる被害はなかった。 避難への質問相次ぐ 大雨が過ぎ去った翌26日午後1時30分からの消防訓練は、市南消防署茎崎分署の職員による「水害」に重点を置いた講話が行われ、集まった住民70人が熱心に聞き入った。その後「避難の判断はどう考えればいいか」「水害時の避難に車を利用するのは危険か」など、迅速な避難や対処について活発な質問が相次いだという。 防災・防犯部を代表して訓練の進行役を務めた松村さんは「昨今は想定外の災害が発生する。台風で不安な夜を過ごした人が多かったが、結果的に防災への意識が高まった」と振り返る。 倉本会長は「これまで重要視されなかったハザードマップに関心を寄せる住民が多くなり、『なくしたので欲しい』という声がある。市から入手して公会堂に置くようにしたい」と話す一方、茎崎地区の区長たちと情報交換して地区全体で災害に備えたいと話してくれた。 ※自主避難所 避難勧告を発令する際に開設する指定避難所とは異なり、自主避難を希望する人が親戚宅や知人宅などの安全な避難先を確保できない場合に利用できる「一時的な避難所」。 ➡台風19号の過去記事はこちら

《くずかごの唄》48 台風19号で起きたこと 考えたこと

【コラム・奥井登美子】地球温暖化の影響だろうか、台風15号の次に19号。テレビは台風の時間とコースを報道してくれるので、とてもありがたい。でも、どう行動すればいいのか見当のつかない我々にとっては、秋の空を見上げる心のゆとりがなくなってしまったような気がする。 亭主は、日仏薬学会のスュルグご夫妻との夕食会が中止になってしまった。私は毎年、土浦市の環境展に、土浦の自然を守る会で「どんぐり細工」を出展する。今年も12日に向けて、どんぐりをたくさん拾って干して、虫を殺して用意していたのに。環境展のその日の行事はすべて中止になってしまった。 風が吹いて来て、銀杏(いちょう)が勢いよく落ちる音。木の枝がバサッと折れて、落ちてきた。 「台風まだ上陸していないのに、命を守れと、テレビがさけんでいるよ」 「どうすればいいの」 「今度は避難しなさいといっている」 「この風と雨の中、どこへ避難するの?」 「避難のほうが危険だよ」 地域医療の地域とはなにか 家にいても、庭の木の枝が落ちてくる。外に出たら、何が飛んでくるかわからない。かえって危険と判断して、2人で風の止むのを待っていた。 私は、お隣りに住んでいるコーちゃんと、何かあったら互いに助けあって、結束して事故防止に当たろうよと、約束していた。今回は、ご近所の付き合いとその約束が、何か安心感を与えてくれたような気がする。 昔は、オセッカイなバアさんジイさんが近所に山ほどいて、うるさいけれど何かあった場合の役に立っていた。今はご近所さんとの連携を拒否する人たちが多い。 今回の台風で、避難の必要性、中学校ごとの地域、川の流域ごとの地域などについて考えた。その中で地域医療とは何か、皆で徹底的に検討する必要があると思った。(随筆家) ➡奥井登美子さんの過去のコラムはこちら

【台風19号】犬猫500匹無事 冠水のつくばわんわんランド 営業再開は20日

【鈴木宏子】台風19号による桜川の増水により、岸のすぐ東側に立地する「つくばわんわんランド」(つくば市沼田)の園内ほぼ全域が13日、冠水した。90種類500頭の犬猫が一時孤立したが、スタッフがひざ下まで水に浸かりながら総出で全頭を無事救出した。後片付けのため19日まで休園し、営業再開は20日からとなる。 筑波山の麓にある犬猫と触れ合える体験型テーマパークで、広さは駐車場やペット霊園を含め66ヘクタール。桜川の洪水時には冠水してしまう高水敷(こうすいしき)にある。 台風19号が接近し園を休業にした12日は、スタッフ約30人が総出で、犬や猫が夜過ごす建物内に、すのこやテーブル、椅子などを並べて床を高くし、万が一に備えた。同日は台風が接近していたことから、昼過ぎにはスタッフ全員を帰宅させた。 台風が通過した翌13日午前6時ごろ、スタッフが出勤すると、園内ほぼすべてが冠水していた。深いところでは50センチくらいあったという。 隣接のつくば国際ペット専門学校の教職員も含め総勢約50人で救出を開始。幸い前日に床を高くしていたことから、水にぬれた犬や猫はなかった。 スタッフが近づくと、ほとんどの犬はいつものように元気に駆け寄ってきた。田口弘樹園長(33)は「前の晩は雨風の音がすごかったので不安だったと思うが、皆元気でスタッフが近づくと喜んでしっぽを振っていた。体がぬれなかったのがよかったんだと思う」と振り返る。ただし怖がっている様子の犬猫も何匹かはいたという。 スタッフは一匹一匹抱き上げて、冠水していない園内の高台などに犬猫を避難させ、13日午前中までに500頭の救出を無事終えた。 トイプードルが子犬2匹を出産 一方、同日朝、出産間近だった白いトイプードルが2匹の子犬を出産。「元気をもらった」という。 冠水した水が引くと、園内には泥水が残った。まず犬や猫が休む建物内を洗浄し、この日はいつもように建物内でゆっくり休ませた。翌14日も休業とし、再びスタッフ総出で、今度は、園内に敷き詰められた屋外のコンクリート敷などを清掃。高圧洗浄機で洗って、泥やごみを集めてきれいにした。同日までに、一部を除いてほぼすべての清掃を終えたという。 細部の後片付けがまだ残っていることから19日まで休園とする。同園は「お客様にいつも通りのサービスが提供できるよう、自慢の可愛い犬猫と触れ合っていただけるよう十分な時間をかけて復旧し、20日にはいつも通りのつくばわんわんランドを楽しんでいただけたら」としている。 ※15日時点では19日営業再開の予定でしたが、16日現在、営業再開は20日となりました。 ➡台風19号の過去記事はこちら

【台風19号】桜川、つくば市北部7カ所で越水や漏水 床下浸水11カ所

【鈴木宏子】台風19号による河川の浸水被害の状況が見えてきた。県土浦土木事務所によると、つくば市北部7カ所で桜川が越水または漏水し周辺の農地などに広い範囲で浸水被害をもたらした。15日までに水は引き浸水は解消している。一方、同市によると桜川の浸水により16日までに同市田中と君島の11カ所で床下浸水が発生した。 同事務所によると、桜川は同市北部の中菅間、小田、沼田、栗原の4カ所で水があふれ、越水して周辺の農地に浸水した。いずれもまだ堤防が整備されてない箇所から水があふれたという。 堤防がある北太田と田土部の2カ所では、水圧で堤防の下の方から水がにじみ出る漏水により、周辺農地が浸水した。一方、大曽根では樋管(水路)から桜川の水が逆流した。7カ所からの浸水による被害面積は15日時点で未定という。 同事務所は漏水2カ所について15日までに土のうを積んで応急対応を実施した。なぜ漏水したのか今後原因を調査するとしている。樋管からの逆流については水門の開閉状況がどうだったかも含めて今後調べる。 40メートルにわたり護岸崩落 逆川 桜川以外でも被害があった。桜川に注ぐ男女川の支流、同市臼井を流れる逆川では、高さ2.5メートルのコンクリートブロック護岸が約40メートルにわたって川底に崩落した。15日までに護岸に土のうを積んで応急対応を実施。今後早急に復旧工事をする。 同市真瀬の西谷田川でもあふれた水が越水して周辺の農地に浸水した。堤防がまだ未整備の箇所だった。 土浦市では、天ノ川上流の新治地区で周辺の農地が浸水した箇所があった。水があふれて越水したのか、雨水が排水できなくなって浸水したのか、今後さらに調べる。 ➡台風19号の過去記事はこちら

【台風19号】つくば市北部で桜川が浸水 「昭和61年の水害以来」

【鈴木宏子】台風19号の大雨により13日桜川が増水し、つくば市北部の北太田で越水して水田や畑が一面水に浸かる被害があった。県土浦土木事務所によると、同地区の、堤防が未整備の場所から水があふれた。 桜川は12日午後6時40分、土浦市田土部の桜橋で氾濫注意水位の4.3メートルになり、同11時20分、氾濫危険水位の5.5メートルに達した。13日午後1時まで水位は上昇を続け、最高6.49メートルまで上昇した。北太田地区では同日午前4時30分ごろから浸水が始まったとみられる。北太田地区住民は「こんなに水が出たのは昭和61(1986)年の水害以来だ」と話している。 同地区では、13日朝7時30分ごろから、約60軒ある集落住民総出で、田んぼや畑に面した堤防に軽トラックで土を運び、土のう積みを続けた。土のう用に集落で山積みしていた土を崩し、各家から土のう袋や土を持ち寄った。 市は午前10時40分に同地区に避難指示を発令。消防団などが集落を回って避難を呼び掛けた。高齢者や女性、子供たちは同市筑穂の大穂交流センターに避難したが、男性たちは集落に残って土のう積みを続けた。 ビニールハウスでバラを栽培している同地区の農業、沢辺康雄さん(75)のハウスは50センチほど浸水した。「こんな浸水は昭和61年以来。当時は床上まで水に浸かって、その後、県が集落を囲む輪中堤という堤防をつくってくれた。今回、住居は浸水しなかったが、集落近くの畑や田んぼまで水が来たのは排水機場の能力が小さいためではないか。機場の能力を上げてほしい」と話した。 桜川堤防のすぐ脇に住む無職、沢辺宗一さん(60)は「集落では稲刈りはほとんど終わったが、まだ刈り終わってない飼料米8ヘクタールぐらいが水に浸かった。大豆畑も広がっているが全滅だと思う。これからもこういうことがあると思うので、堤防のメンテナンスをしっかりしてほしい」などと話した。 桜川の水位は同日午後5時に6メートル42センチと7センチ下がっただけ。浸水地区の水が引くまで数日かかるとみられている。 大穂交流センターには午後6時現在、常総市からの避難者も含めて約60人が避難している。 桜川の増水を受けて、土浦市でも同日午後1時、同市田土部、藤沢新田、高岡沖、高岡新田に避難指示が出され、同日午後6時時点で2カ所に53人が避難している。 土浦1813人、つくば839人が避難 台風19号による避難勧告を受けて12、13日、土浦市内で24カ所の避難所に最大1813人が避難し、1748人が避難所で一夜を明かした。つくば市内では12カ所に最大839人が避難し、約830人が一夜を明かした。 土浦市内では4人が軽傷を負った。台風に備えるため自宅で脚立から足を踏み外すなどしたためという。停電は土浦市で最大1950軒、倒木は12件、道路冠水が3カ所で発生した。つくば市内のけが人はなかった。 https://www.youtube.com/watch?v=DFKJt-UNerc&feature=youtu.be&fbclid=IwAR1rdSfHJ2JEpG18zqFMnGOT1iyI8gDoViKafJ-Dvw-KHZ5xnaiMZRuBWzM 桜川下流、土浦花火大会会場を上流から見る。設営中の桟敷席は水没を免れている=13日午前8時ごろ ➡台風19号に関する既報はこちら

【台風19号】土浦1834人、つくば660人 避難所で一夜

【鈴木宏子】大型でひじょうに強い台風19号の接近に伴って、土浦、つくば市は12日午後それぞれ、桜川や霞ケ浦沿岸の浸水想定区域と、筑波山麓や谷田川沿岸などの土砂災害警戒区域に避難勧告を発令した。同日午後6時時点で、土浦市は23カ所の避難所に1834人、つくば市は10カ所に660人が避難した。ほとんどが避難所で一夜を明かすとみられる。満員になり受け入れを断った避難所もあった。 土浦市では12日午後5時50分までの12時間で93ミリ、つくば市は94.5ミリを観測し、土浦市は午後4時7分、最大瞬間風速20.7メートル、つくば市は午後5時27分に22.9メートルを観測した。 両市とも、指定避難所では備蓄品の非常食や飲料水、毛布などが配布されたが、足りなくなったところもあり、避難者は自分の食事や毛布などを持参して避難した。 避難勧告受け「初めて避難」 このうち自主避難所の土浦市新治公民館に午前中から避難した神立地区の会社員、林雅子さん(58)は「雨が降ると冠水しやすいところに住んでいるので早めに来た。初めて避難した。何を持って行けばいいか、あらかじめ市役所に電話しておにぎりやひざ掛けを持参した。足が悪くて正座ができないので、和室ではなくロビーの椅子にすわって一夜を過ごすつもり」と話し「足が不自由な人や、ペットを連れてきていいか聞いている人もいたので、行政は早めにたくさんの情報を出してくれた方がいい」と話していた。 つくば市茎崎交流センターに避難した同市森の里の主婦、山口良子さん(65)は「自宅近くに木が茂っているところがある。倒木が心配で初めて避難した。独り暮らしで車がないので、20分くらい歩いて来た。最初どこに避難していいかわからず、中学校に行って先生に避難所を教えてもらった」と話し「自分の家がどうなっているか、屋根は大丈夫か心配」などと語った。同じ森の里から家族3人で避難してきた母親(45)は「避難勧告が出されたので初めて避難した。コンビニでおにぎりを買ってきて、受け付けで毛布と水をもらったので一晩大丈夫だと思う」などと話していた。 冠水で通行止めも つくば市では冠水により、12日午後5時20分現在、大角豆、沼田、今鹿島、下広岡の道路が一部通行止めになったほか、筑波山周辺の県道が通行止めになった。 公共交通は常磐線が終日、運転を見合わせた。つくばエクスプレスは12日午後1時以降、運転を取り止めた。 大型商業施設も臨時休業し、イーアスつくば、イオンモールつくば、イオンモール土浦は12日終日休業した。

台風19号接近 茨城国体 障害者スポーツ大会中止に

【鈴木宏子】県国体・障害者スポーツ大会局は10日、非常に強い台風19号の接近により、茨城国体に続いて12~14日に開催予定の第19回全国障害者スポーツ大会「いきいき茨城ゆめ大会」の全日程を中止すると発表した。12~14日の3連休中につくば市や土浦市で予定されていた他のイベントや催しも中止や延期になるなど影響が出ている。 全国障害者スポーツ大会が中止になるのは初めて。つくば市では車いすバスケットボール、アーチェリー、ハンドアーチェリーが開催される予定だった。県によると個人6競技、団体7競技のほかオープン競技6競技に全国から総勢約5800人が参加予定で、10日までにすでに約2500人が来県しているという。 車いすバスケットボールが行われる予定だったつくば市竹園、つくばカピオでは10日午後、翌11日に予定されていた公式練習を前に集まった競技団体のスタッフに、大会中止が告げられた。担当の県職員は「何年も前から準備してきた。残念というか、まだ信じられない」と話していた。ロビーでは市職員が看板の片付けなどに追われた。 つくば  ラーメンフェスタは14日のみ、東北まつりは13~14日 台風19号の接近により、つくば市では12日、市内で予定されていた計35のイベントや催しが中止や延期になるなど影響を受ける。 「ラーメンフェスタ2019」(研究学園駅前公園で当初は12~14日に予定)は12、13日は中止とし、14日のみ午前9時から午後8時まで実施する。 「食と酒東北まつり」(つくばセンター広場で当初は12、13日に予定)は12日を中止とし、13、14日に開催する。 12日中止となるイベントはほかに▽中央公園スラックライン体験会▽つくばセンターマルシェ▽カツラギマルシェ(延期)など。ほかに幼稚園や保育園の運動会、児童館祭りなどが各地で中止となる。 詳しくは市ホームページ「台風19号イベント等の対応方針調査」へ。 土浦市 消費生活展、緑化フェアなど中止 土浦市では12日に予定されていた6つのイベントが中止となる。水郷体育館(同市大岩田)で開催予定の「市消費生活展2019」「第14回市環境展」、水郷公園(同)で開催予定の「市都市緑化フェア」「市子どもまつり」がいずれも中止となる。同日、市役所で実施予定の「市の木・市の花・市の鳥」絵画作品コンクール表彰式と、県県南生涯学習センターで予定されていた「ミュージックフェス土浦」も中止となる。 13日は、13小学校地区で開催予定の市民体育祭が中止や延期となる。 詳しくは同市ホームページ「台風19号の接近に伴うイベントの中止・延期について」へ。

防災と組み合わせ4年ぶり「どんど焼き」 つくば 田中青年会

地元青年会が中心になり、つくば市田中で7日、4年ぶりに開かれる「どんど焼き」が、今年は防災と組み合わせた形で開催される。地域住民が大勢集まる行事を防災意識向上に結び付けたいと、防災士の民間資格を持つ田中青年会会長で会社員の松崎貴志さん(43)が呼び掛けた。 田中地区では例年、どんど焼きに地域住民が200人くらい集まる。当日は青年会が豚汁、もつ煮込み、餅などを200人分用意して無料でふるまう。今年は地元の田中子ども育成会に協力してもらい、アルファ米の防災炊き出しセット200食を用意し、ご飯を炊いて食べてもらう。「年配の人の中にはレトルト食品を食べたことがない人がおり、防災食は慣れていないと非常時に食べられないことがあるため、普段から食べておこうということ」と松崎さんは狙いを話す。 田中地区は桜川に隣接する。2019年の台風19号で川の水が増水し道路や水田が浸水、集落まで迫った教訓から、松崎さんは昨年2月にも地域の子供会と防災キャンプを実施した(23年1月5日付)。 防災キャンプは子供中心の企画で、高齢者まで巻き込むことが出来なかったため、松崎さんは新たな取り組みが必要だと考えていた。コロナ禍で実施できなかった「どんと焼き」が今年再開され地域住民が大勢集まることから、防災と関連付けて開催できないかと考えた。 昨年4月に企画を青年会のメンバーに話すと「なぜそんなことをやらなければいけないのか。予算はどうするのか」という疑問の声も出たが、イベントの手順を考えるなど工夫をして、賛同を得た。 子ども食堂通じ「フェースフリー」に出合う 松崎さんは全国の子ども食堂を支援している認定NPO「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(湯浅誠理事長)のスタッフの一員でもある。むすびえを通して昨年、愛媛県宇和島市で開かれた子ども食堂の炊き出し体験イベント「ぱくパーク」に出掛け、「フェーズフリー」という言葉に出会った。 イベントは、子ども食堂を非常時にも安心して食事がとれる防災拠点にしようという取り組みの一環で、フェーズフリー協会(東京都文京区)が主催するフェーズフリーアワード2023の金賞を受賞している。 フェーズフリーとは、いつも行っていることを非常時にも役立つようにデザインしようという考え方で、日常時と非常時という2つのフェーズをフリーにするという意味。松崎さんは宇和島でイベントを手伝い、地元つくばでも出来ないかと考えた。毎年地域で行っている行事を、もしもの時に役立つようにしたいと、どんど焼きの際に防災訓練を兼ねた炊き出しセットを提供しようと思い立ったという。 松崎さんは「日常から防災意識をしっかり持っていれば、非常時に役に立つ。『いつも』が『もしも』に役に立つというフェーズフリーの意味を浸透させるきっかけにしたい。地区としては年に1、2回、防災訓練を開催できれば」と話す。(榎田智司)

筑波山ろくに50分の1の荒川出現 国総研で河川模型実験

治水・利水で東京大都市圏の命脈となる一級河川、荒川の縮尺50分の1の模型がつくば市旭の国土技術政策総合研究所(国総研)の敷地内に出現し、6月から水を流しての本格的な実験がスタートした。 東京大都市圏守る「荒川第二・三調整池」整備へ 国総研の屋外にある河川模型実験施設で始まったのは、荒川第二・三調整池の水理模型実験。国交省関東地方整備局荒川調節池工事事務所(さいたま市)による。 東京湾の河口から約40キロ以上さかのぼる、さいたま・川越・上尾3市にまたがる中流域約10キロの河川部を延長200メートル、平均幅35メートルで模型化した。実験区域は7000平方メートルの広さがある。航空測量などに基づき、堤防や川底の高低差も50分の1スケールでモルタル施工により形成された。2022年のほぼ1年間をかけて整備された。 荒川中流域の左岸に続く河川敷は、国内きっての広さのあることで知られ、運動公園や農耕地などに幅広く利用されている。50分の1で35メートルの川幅は実尺では1750メートルに相当する。広さ15ヘクタールの同実験施設の中でも他を圧倒するスケール感がある。 この広さの特性を活かした調節池を整備することにより、特に人口や建物などが集中している埼玉県南部と東京都区間の荒川流域を洪水から守る事業が進められている。河道と河川敷の間に囲繞堤(いぎょうてい)を設け、増水時に水を河川敷側に越流させことで調節池機能を持たせようとする。 下流で接続する荒川第一調節池は2004年に完成、広さ約580ヘクタール、洪水調節容量は約3900万トンあり、2019年に東日本に甚大な被害をもたらした台風19号では約3500万トンの洪水を貯留し、下流の洪水氾濫の防止に役立った。第二・三調節池の整備により、荒川調節池群の洪水調節容量は約2.3倍の約9000万トンとなる。線状降水帯の発生などで近年多発する豪雨・洪水被害から荒川、東京大都市圏の治水安全度の向上が図られる。 模型で水理解析モデルの答え合わせ 上流の第三調節池側には支流の入間川が合流していて、合流地点から下った地点の囲繞堤の高さを下げる形で越流堤とする。合流地点では2河川の水位や水量の違いから澪筋(みおすじ)と呼ばれる水の勢いのある流れの変化がたどりにくく、越流堤では水量や流れ出る方向に応じて設けるプール(減勢工)の適切な設計などが技術的課題となる。 これらはコンピューターを使ったシミュレーションで水理解析モデルが出来ているが、模型で実地検証を行い、必要なら施工に反映させる。荒川調節地工事事務所によれば、第一調節池造成のころはコンピューターの性能から、模型に多くを頼ったが、今はコンピューターの精度が上がってきているという。 現在、実際には毎秒4000トンに相当する毎秒1トンの水を模型に流し、水位や水量と越流の方向を計測するなどしている。実験用の水は、国総研が雨水などを貯留した水を循環利用している。ほぼ1年をかけて模型実験を続け、来年度以降、越流堤の施工に取り掛かる。荒川現地では囲繞堤の造成が進んでおり、事業全体は2030年の完成を目指している。(相澤冬樹)

TX延伸ルート選びに必要な視点 《茨城鉄道物語》22

【コラム・塚本一也】前回コラム(3月11日掲載)では、茨城県がTX県内延伸ルート調査費を今年度予算に計上したことを取り上げました。今回はその議論の進め方について、私が思うところを述べたいと思います。 県の総合計画では、現在つくば市止まりのTXの北部延伸について、①筑波山方面、②水戸方面、③茨城空港方面、④土浦方面―の4方面が「点線」で記されています。これら4候補を1つに案に絞り込むことが、県調査の使命です。各案に「一長一短」があり、関係者の思惑も加わり、1方面に絞り込むことは容易でないと思います。 鉄道建設のような大プロジェクトは、計画時と完成時で社会情勢が変化するために、その存在意義や方向性にどうしても迷いが生じます。しかし、鉄道インフラの必要性は普遍的であり、世の中がいかに変わろうとも、「社会の役に立つ財産」という位置付けは変わりません。 本州と北海道を結ぶ青函トンネルは、洞爺丸転覆事故(1954年)のような悲劇を繰り返さないために、国民的な議論の末に着工されました。工事の困難さゆえに、途中で不要論も出ましたが、完成によって現在の北海道新幹線へとつながりました。 多目的ダム・八ッ場(やんば)ダム(群馬県)は、民主党政権時代にその必要性が大議論になりましたが、2019年に来襲した台風19号のときは、その貯水能力によって利根川下流域の氾濫を防ぎました。 東北新幹線は、計画時に対ソ連関係が緊張していたこともあり、鉄橋などは米軍・三沢基地に戦車を運べる強度に設計されたと聞いています。その能力が発揮されたのは東日本大震災の時でした。時速300キロで走る車両は脱線こそしましたが、死傷者を1人も出さずに済んだからです。 大型インフラには「そもそも論」が大事 鉄道のようなインフラの存在意義に迷いが生じたときには、原点に帰ってその必要性を検証する「そもそも論」が重要であると、私は思っています。では、そもそも、TXはなぜ必要だったのでしょうか? 答えは「常磐線の混雑緩和対策」です。 1960年代、国鉄(現JR)は首都・東京への通勤混雑緩和対策として、プロジェクト「5方面作戦」に取り組みました。その過程で考えられたのが「第2常磐線構想」です。それが「常磐新線構想」に変化し、現在のTXの形で実現しました。つまり、通勤対策が当初目的だったのです。 鉄道ではありませんが、「筑波研究学園都市」も東京の過密対策が本来の目的でした。高度成長で東京が過密になり、いろいろな弊害が表面化。その対策として、首都機能の一部を移転させようと、筑波山麓に人工的な都市を造り、国の研究機関や大学を移転させたのです。 つまり、研究学園都市もTXも、首都・東京機能の保全・向上のために計画されました。私はTXの将来構想(県内延伸はその一部)を議論するときには、こういった「そもそも論」が重要と考えています。具体的な「そもそも論」は次回にします。(一級建築士)

TX延伸ルート選びに必要な視点 《茨城鉄道物語》22

【コラム・塚本一也】前回コラム(3月11日掲載)では、茨城県がTX県内延伸ルート調査費を今年度予算に計上したことを取り上げました。今回はその議論の進め方について、私が思うところを述べたいと思います。 県の総合計画では、現在つくば市止まりのTXの北部延伸について、①筑波山方面、②水戸方面、③茨城空港方面、④土浦方面―の4方面が「点線」で記されています。これら4候補を1つに案に絞り込むことが、県調査の使命です。各案に「一長一短」があり、関係者の思惑も加わり、1方面に絞り込むことは容易でないと思います。 鉄道建設のような大プロジェクトは、計画時と完成時で社会情勢が変化するために、その存在意義や方向性にどうしても迷いが生じます。しかし、鉄道インフラの必要性は普遍的であり、世の中がいかに変わろうとも、「社会の役に立つ財産」という位置付けは変わりません。 本州と北海道を結ぶ青函トンネルは、洞爺丸転覆事故(1954年)のような悲劇を繰り返さないために、国民的な議論の末に着工されました。工事の困難さゆえに、途中で不要論も出ましたが、完成によって現在の北海道新幹線へとつながりました。 多目的ダム・八ッ場(やんば)ダム(群馬県)は、民主党政権時代にその必要性が大議論になりましたが、2019年に来襲した台風19号のときは、その貯水能力によって利根川下流域の氾濫を防ぎました。 東北新幹線は、計画時に対ソ連関係が緊張していたこともあり、鉄橋などは米軍・三沢基地に戦車を運べる強度に設計されたと聞いています。その能力が発揮されたのは東日本大震災の時でした。時速300キロで走る車両は脱線こそしましたが、死傷者を1人も出さずに済んだからです。 大型インフラには「そもそも論」が大事 鉄道のようなインフラの存在意義に迷いが生じたときには、原点に帰ってその必要性を検証する「そもそも論」が重要であると、私は思っています。では、そもそも、TXはなぜ必要だったのでしょうか? 答えは「常磐線の混雑緩和対策」です。 1960年代、国鉄(現JR)は首都・東京への通勤混雑緩和対策として、プロジェクト「5方面作戦」に取り組みました。その過程で考えられたのが「第2常磐線構想」です。それが「常磐新線構想」に変化し、現在のTXの形で実現しました。つまり、通勤対策が当初目的だったのです。 鉄道ではありませんが、「筑波研究学園都市」も東京の過密対策が本来の目的でした。高度成長で東京が過密になり、いろいろな弊害が表面化。その対策として、首都機能の一部を移転させようと、筑波山麓に人工的な都市を造り、国の研究機関や大学を移転させたのです。 つまり、研究学園都市もTXも、首都・東京機能の保全・向上のために計画されました。私はTXの将来構想(県内延伸はその一部)を議論するときには、こういった「そもそも論」が重要と考えています。具体的な「そもそも論」は次回にします。(一級建築士)

水害から立ち直るリニューアル 筑波山麓のペット葬祭場で竣工式

犬のテーマパーク、つくばわんわんランド(つくば市沼田)に3日、ペットの葬祭場「わんわんメモリアルパーク」がオープンした。竣工式がこの日行われ、施設を運営するサンスイグループの東郷治久代表ら関係者が出席した。 同施設では2019年10月、台風19号による河川増水により、ペットの葬儀・火葬が可能な霊園「ペットメモリアルパーク紫峰苑」が浸水し、営業を中止していた。今回、施設を一新してのリニューアルオープンとなる。 新しい葬祭場は、火葬塔と納骨堂を併せ持つ。敷地面積約1000平方メートル、建築面積約140平方メートルと水害前の6倍の規模となる。水害の際、約1.5メートルに及ぶ浸水があったことから、火葬場と納骨堂を約500メートル移転し、地盤のかさ上げを行った。 火葬場には、最大60キログラムの大型犬の火葬が可能な火葬炉を新たに導入し、敷地内の合同墓地への埋葬までを含む「合同火葬」、一頭ずつ火葬を行う「個別火葬」、お骨拾いまで一緒に行う「立ち合い火葬」など、予算や希望に沿ったプランを選ぶことができる。また、火葬棟と隣接する納骨堂には、371室を備えた個別納骨棚を新設し、スペースの広さや位置によって3つのタイプから選ぶことができるようになっている。 併設のわんわんランド、つくば国際ペット専門学校を運営するサンスイグループの東郷治久代表は、竣工式後の挨拶で、水害からの再開をうれしく思うとした上で、「日本でも類を見ない、『(ペットにとっての)ゆりかごから墓場まで』をサポートする『ペットの総合企業』として歩みを止めず、質・内容の伴う企業を目指していく」と今後の決意を語った。(柴田大輔) ◆わんわんメモリアルパーク利用料(すべて税込み) 【火葬料金】合同火葬(埋葬料込み)7700円から 個別葬1万1000円から 立ち合い火葬1万4300円から(※体重によって異なる) 【納骨料金】スタンダード1万9800円から プレミアム3万800円から ロイヤル4万1800円から(※スペースや位置によって異なる) 【個別墓地料金】墓地代(小)3万8500円から 墓地代(大)5万5000円から 墓石大(小)5万3900円から 墓石大(大)17万9300円から(※墓地代+墓石代が必要となる) 詳細はこちら(わんわんメモリアルパーク公式ホームページ)電話番号:029-866-1002

「わんわんメモリアルパーク」新設へ つくばに県内最大のペット葬祭場

桜川水害から2年を経て着工 犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田)敷地内に、ペットの葬祭場「わんわんメモリアルパーク」が新設される。2019年10月の桜川増水で冠水し、火葬炉が使用できなくなっていた。水害から2年経ち着工する。県内最大のペット葬祭場になるという。 20日、わんわんランド南側の予定地で筑波山神社神職による地鎮祭が執り行われ、関係者が工事の安全を祈った。完成は来年3月の予定。 わんわんランドは筑波山の麓を流れる桜川沿いに立地し2019年10月の台風19号による増水で園内のほとんどが冠水した。敷地内にあった葬祭場と霊園「ペットメモリアルパーク紫峰苑」も浸水し、火葬炉が故障して使用できなくなった。その後も新型コロナの影響が続き、葬祭場は営業を中断していた。 新設するペット葬祭場は、火葬場と納骨堂があり、敷地面積約1000平方メートル、建築面積約140平方メートル。火葬場は、大型犬も火葬できる大型の火葬炉を導入する。納骨堂は300基納骨できる個別棚を整備するなど水害前の6倍の規模となる。 水害前、敷地内の紫峰苑にあった火葬場と納骨堂を約500メートル移転して建て替える。予定地はわんわんランドに隣接する南側の駐車場だったところで、地盤を1メートルかさ上げした。 わんわんランドやつくば国際ペット専門学校を運営するサンスイグループ(東郷治久代表)が新設する。一般向けのほか、わんわんランドで活躍した犬や猫も供養するという。720区画ある墓地は移設せずそのまま。 東郷代表は「県内最大、日本でもトップクラスの葬祭場になる」とし「わんわんランドは開園25周年になり、つくば国際ペット専門学校は全国でも5本の指に入る学校になった。(桜川の冠水で)葬祭場がネックだったが、さらに高みを目指し、ペット関連日本一のペット総合企業を目指したい」と話した。

開園25周年 つくばわんわんランド 「人とペットが共存する拠点に」

日本最大級の犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田、東郷治久社長)が27日、開園25周年を迎える。1996年4月27日、現在の3分の1ほどの面積でスタートした。ペットは家族の一員であるという価値観が浸透すると共に、犬を見せる施設から犬と触れ合う施設へとコンセプトを変化させてきた。現在、約90種約500匹の犬がいる。 寺崎修司園長は「日本のペットに対する意識は、ペット先進国と比べまだまだ遅れているところがあるので、正しい知識をもって人と動物が共存する社会を目指す拠点になれれば」と話す。 25周年を記念して26~28日の3日間、25歳の人と小学生以下の入園料が100円になる特別イベントが開催されるほか、ゴールデンウイーク(GW)中の29日から5月5日まで、グループ法人のつくば国際ペット専門学校講師による犬のお手入れ教室やしつけ教室などが開催される。 園のシンボル 黄色い木造犬は4代目 同園のシンボル、高さ11メートルの木造犬「モックン」は開園の年の7月に初代が完成した。現在の黄色い木造犬は4代目。 翌97年に、グループ法人のつくば国際ペット総合学院(現在のつくば国際ペット専門学校)が開校した。2012年に園内に猫と触れ合える「ねこハウス」がオープンし、14年には老犬になった飼い犬を預かる老犬ホームひまわりができた。これにより計約66ヘクタールの敷地に、ゆりかごからペット霊園まで一貫して備える施設となった。 一方、2019年秋には台風19号により隣接の桜川が増水し、園内ほぼ全域が冠水するなど自然災害の脅威に見舞われた。 台風被害を乗り越えつつあった矢先の翌20年は、コロナ禍により、GWを含む4、5月の1カ月間、休園を余儀なくされた。 台風とコロナの二重の被害を受け、昨年、クラウドファンディングにより支援を呼び掛けを実施した。1235人から計977万3116円の支援が寄せられるなど、全国のファンの応援が集まった。 現在は感染防止対策を徹底して開園しているが、コロナ禍が続き、来園者数はまだ例年の8割ほどにとどまっているという。 ◆開園25周年記念特別イベントとして▽26~28日=今年25歳になる人(1996年生まれ)と、3歳から小学生までの入園料100円▽23日まで募集=同園の昔の写真や思い出の写真と、同園のイラストを募集し、応募作品をGWから年末まで園内で展示する。入選者には同園の無料招待券を各10枚を贈呈する。 ◆GWの特別イベントとして▽4月29~5月5日=つくば国際ペット専門学校講師が、犬のお手入れ教室、しつけ教室、アジリティーを開催する。 ◆園内で唯一の屋内施設である「ねこハウス」は、新型コロナ対策のため、混雑が見込まれる26日から5月5日まで休館する。 詳しくは同園(電話029-866-1001)。

《茨城鉄道物語》10 祝 水郡線全線開通

【コラム・塚本一也】2019年の台風19号によって、茨城県は県北を中心に大きな被害を受けました。特に水郡線の第6久慈川橋梁(きょうりょう)は橋脚ごと根こそぎ流出し、台風の威力のすさまじさをまざまざと見せつけました。JR東日本の尽力により、その鉄橋も復旧し、3月27日に全線開通となる見込みです。今回は久しぶりに水郡線に乗車し、開通前の袋田の工事現場を見学してきました。 1月29日午後、水戸駅から上菅谷(かみすがや)駅まで乗車しました。水郡線は平成初期に「合築化」または「コンパクト化」という、JR東日本の施策のもとに積極的に各駅を建て替えました。中でも、このコラム(昨年8月7日掲載)でも取り上げた磐城塙(いわきはなわ)駅は、駅舎としては日本で初めてブルネル賞を受賞しました。 その後、全国のJRでローカル線駅舎の建て替えが始まりましたが、水郡線の個性あふれる各駅はそのお手本となったように思います。 水戸駅の懐かしい水郡ホームに降り立って、水郡線に乗り込みました。まず驚いたのが、車両の内装が非常にきれいであることです。このところ、本コラムの取材のために、県内のローカル線を体験乗車しましたが、水郡線の内装は首都圏の通勤列車と比べても遜色(そんしょく)がないくらいに洗練されていました。 さらに、その走りも快適で、気動車とは思えぬ乗り心地です。金曜午後ということで学生も多く乗っており、茨城県北の公共交通としての重要性を改めて認識しました。 20億円かけ第6久慈川橋梁を復旧 第6久慈川橋梁の視察は2月17日に行ってきました。橋梁は桁も接続され、鉄道設備の整備が終盤を迎えているところでした。予定していた工期を3カ月も短縮して工事を完了させたのは、本体に技術スタッフを抱えるJRの強みが発揮されたものと思います。 特筆すべきは、約20億円の復旧費用をJRが自己資金で全て負担したということでしょう。私は正直言って、久慈川の橋梁が流されたというニュースを聞いたときに、復旧は難しいだろうと思いました。100円を稼ぐのに最大で180円も費用がかかる区間を持つローカル線を、JRが積極的に設備投資するとは思えなかったからです。 自治体との協議を繰り返し、得意の寝技に持ち込んで、BRT(専用道を走るバス)などのバス輸送が落としどころではないかと予想していました。しかし、JRは全額自己資金で、赤字路線である水郡線を全線復旧させたのです。 災害の規模に違いはあるものの、同じように橋梁が流出した只見(ただみ)線(福島県会津若松市―新潟県魚沼市)が10年かかっても復旧できていないことを思うと、水郡線は非常に恵まれています。地域を思うJRの懐の深さを改めて実感しました。水郡線に少しでも多くの人が乗車して、JRの経営に寄与することが恩返しになるでしょう。(一級建築士)

《茨城鉄道物語》10 祝 水郡線全線開通

【コラム・塚本一也】2019年の台風19号によって、茨城県は県北を中心に大きな被害を受けました。特に水郡線の第6久慈川橋梁(きょうりょう)は橋脚ごと根こそぎ流出し、台風の威力のすさまじさをまざまざと見せつけました。JR東日本の尽力により、その鉄橋も復旧し、3月27日に全線開通となる見込みです。今回は久しぶりに水郡線に乗車し、開通前の袋田の工事現場を見学してきました。 1月29日午後、水戸駅から上菅谷(かみすがや)駅まで乗車しました。水郡線は平成初期に「合築化」または「コンパクト化」という、JR東日本の施策のもとに積極的に各駅を建て替えました。中でも、このコラム(昨年8月7日掲載)でも取り上げた磐城塙(いわきはなわ)駅は、駅舎としては日本で初めてブルネル賞を受賞しました。 その後、全国のJRでローカル線駅舎の建て替えが始まりましたが、水郡線の個性あふれる各駅はそのお手本となったように思います。 水戸駅の懐かしい水郡ホームに降り立って、水郡線に乗り込みました。まず驚いたのが、車両の内装が非常にきれいであることです。このところ、本コラムの取材のために、県内のローカル線を体験乗車しましたが、水郡線の内装は首都圏の通勤列車と比べても遜色(そんしょく)がないくらいに洗練されていました。 さらに、その走りも快適で、気動車とは思えぬ乗り心地です。金曜午後ということで学生も多く乗っており、茨城県北の公共交通としての重要性を改めて認識しました。 20億円かけ第6久慈川橋梁を復旧 第6久慈川橋梁の視察は2月17日に行ってきました。橋梁は桁も接続され、鉄道設備の整備が終盤を迎えているところでした。予定していた工期を3カ月も短縮して工事を完了させたのは、本体に技術スタッフを抱えるJRの強みが発揮されたものと思います。 特筆すべきは、約20億円の復旧費用をJRが自己資金で全て負担したということでしょう。私は正直言って、久慈川の橋梁が流されたというニュースを聞いたときに、復旧は難しいだろうと思いました。100円を稼ぐのに最大で180円も費用がかかる区間を持つローカル線を、JRが積極的に設備投資するとは思えなかったからです。 自治体との協議を繰り返し、得意の寝技に持ち込んで、BRT(専用道を走るバス)などのバス輸送が落としどころではないかと予想していました。しかし、JRは全額自己資金で、赤字路線である水郡線を全線復旧させたのです。 災害の規模に違いはあるものの、同じように橋梁が流出した只見(ただみ)線(福島県会津若松市―新潟県魚沼市)が10年かかっても復旧できていないことを思うと、水郡線は非常に恵まれています。地域を思うJRの懐の深さを改めて実感しました。水郡線に少しでも多くの人が乗車して、JRの経営に寄与することが恩返しになるでしょう。(一級建築士)

県南拠点、みらいのもり保育園内に完成 災害ボランティア防災倉庫

【池田充雄】県社会福祉協議会(社協)が県内各地に整備を進めている防災倉庫「災害ボランティアセンター用資機材ストックヤード」のうち、県南地区の拠点が3日、社会福祉法人関耀会みらいのもり保育園(つくば市鬼ケ窪、関正夫理事長)の敷地内に設置された。関耀会とつくば市社協との間で、施設の維持管理のための覚書も締結された。 ストックヤードは、県社協が県内各地の社会福祉法人と連携し、災害時の被災者支援のための資機材を分散配置するもの。県内全域をおおむね1時間以内でカバーできるよう9カ所を選んでおり、関耀会としては昨年10月、特別養護老人ホームまごころの杜(筑西市西方)に県西地区の拠点を置いたのに続く、2カ所目の設置協力となる。 施設は面積10平方メートル未満のコンテナ型。スコップ、デッキブラシ、一輪車、バケツ、ブルーシート、土のう袋、軍手などの資機材を多数配備し、特に使い捨てマスクは1000枚、防塵マスクは500枚、高圧洗浄機も1台用意した。 初動の立ち上げ早く 目的は、大規模な災害が発生し、被災地の市町村社協が災害ボランティアセンター(VC)を設置したとき、そこで使われる資機材を遅滞なく円滑に提供できるようにすること。 「県社協にも備蓄はあるが、近年は災害が広域かつ同時多発化している。また大規模災害では道路や鉄道などの交通手段が寸断されることも多い。初動の立ち上げを早くし、資機材の不足による支援の遅れが生じないようにしたい」と、県社協の森戸久雄会長は指摘する。 教訓となったのは一昨年の台風19号。県北5市町村に広域的被害が生じ、不足する資機材を現地調達しようにも、被災地のホームセンターなどはどこも商品が品切れ状態になり、苦労したという。このため、県北地域は特に手厚く、3カ所のストックヤードを置くことにした。 関耀会の葉章二副理事長は「今の災害は地震、風水害、コロナなど複合的かつ同時多発的。日々対策にいそしむ社協に感謝申し上げる。当法人の母体である関彰商事は創業以来113年、新しい時代の地域社会を、地域の皆様と共に作り上げるべく取り組んできた。災害に強い安心安全な社会を具現化していきたい」と話した。 つくば市社会福祉協議会の吉場勉副会長は「当会ではこの10年間に東日本大震災、北条地区竜巻被害、関東・東北豪雨と計3回の災害VCを立ち上げ、また県外の災害にもボランティアを派遣しているが、いずれも初動時の資機材確保には苦労した。立派なストックヤードを造っていただき感謝する」とした。 全9カ所の設置場所は以下の通り。今月内に全ての整備が終わる予定だ。 県央 県福祉会館(水戸市)県北山間 仁川会(常陸大宮市)県西 関耀会・特別養護老人ホームまごころの杜(筑西市)県北臨海 日立市社会福祉協議会(日立市)県南 関耀会・みらいのもり保育園(つくば市)県南 明岳会・軽費老人ホームピソ天神(かすみがうら市)県北山間 誉田会・児童養護施設誉田養徳園(常陸太田市)県西 和風会・特別養護老人ホーム秋明館(古河市)鹿行 鹿嶋市社会福祉協議会(鹿嶋市)

桜川水害に備え代替警察施設 土浦署がつくば国際大と協定

【鈴木宏子】桜川の水害で土浦警察署(同市立田町)が浸水し使用できなくなった場合に備え、災害時に高台にあるつくば国際大学(同市真鍋)の一部を代替警察施設として使用する災害時協力協定が12日、同大学で締結された。 桜川の河口にある同市の中心市街地は、一帯が浸水想定区域に指定され、同署は想定できる最大規模の豪雨(48時間で746ミリ)に見舞われた場合、3~5メートル浸水する区域に立地する。 大学キャンパスは同署から2.2キロ北の高台にあることから、昨年10月の台風19号を機に両者で協議が行われてきた。 桜川の水害などにより土浦署の施設が使用不能となった場合、大学のラウンジ棟、学生食堂、体育館と駐車場が、同署や派遣部隊の活動拠点として使用される。3棟の面積は合計約1580平方メートルで、駐車場は830台分のスペースがあり、同署の車両や装備品を移動させる。 同署は地震などの災害に備えてこれまで、土浦市医師会会館(同市東真鍋町)、新治運動公園(同市藤沢)、かすみがうら市千代田庁舎(同市上土田)を災害時の代替施設として使用する協定を締結しており、同大学は4カ所目になる。 12日、土浦署の坂井誠署長と大学を運営する霞ケ浦学園の高塚千史理事長が協定書に調印した。 坂井署長は「被災者の救出、救助、避難誘導、犯罪者の検挙など大規模災害での警察機能に大きな支障があってはならない。桜川で大規模水害が発生した場合、近く、より安全な高台に警察機能を代替できる施設を確保することが喫緊の課題だった。霞ケ浦学園の好意で協定締結に至り、さらなる大規模災害や緊急事態に万全の対策を備え、安全安心な地域づくりに取り組みたい」などと話した。 高塚理事長は「学校としても地域のために少しでも役に立てるよう、できる限り協力したい」などと語った。

災害ボランティア条例案を議員提案へ いばらき自民党

【山崎実】県議会最大会派のいばらき自民党(会長・白田信夫県議)は、県災害ボランティア活動促進条例案のパブリックコメントを26日まで実施している。県民の意見を集約し、11月25日開会予定の第4回定例県議会に議員提案する。 昨年の台風19号による甚大な被害など、大規模な自然災害が頻発し、災害時はボランティア活動が緊急かつ重要性であることから、活動環境の整備や、県、市町村、社会福祉協議会などとの多様な連携体制の構築を目指すのが目的。 条例案は、定義、基本理念、県の責務、県民・事業者の理解、連携強化、人材の育成・確保、推進体制の整備、財政上の措置など全15条から成る。県に対してはボランティア活動の体制整備と併せ、基金の設置を求めている。 中でも、県独自の施策として、9本の柱を掲げている。主な内容は▽甚大な被害から災害ボランティアセンターの設置運営が困難な場合は、県が率先して必要な措置を講じる(第5条)▽県・市町村・社会福祉協議会に対し、災害ボランティアセンターの円滑な設置運営のため、役割及び費用分担を明確にしておく(第8条)▽児童生徒の防災意識の向上を図るため、学校で災害ボランティア活動に関する体験の機会を提供、自主防災組織等との交流に努めることを規定(第9条)▽災害ボランティア活動に際し、個人情報の保護、被災者の権利利益の保護や、感染症の予防など安全の確保を県に求める(第10条)—など。 条例案は今後、詰めの作業が行われるが、議員提案条例となる趣旨について、同党政調会(会長・飯塚秋男県議)は「災害時、被災者に寄り添い、被災者を支え、地域の復興につながる力となるボランティアの活動を促進し、県民が安心して暮らせる社会の実現を目指してこの条例を制定したい」としている。 ➡同条例案の詳細は自民党茨城県連HPへ。

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