木曜日, 12月 11, 2025
ホーム土浦【人が想い 街を育てる】2 美味しいカレーを土浦に足運ぶきっかけにしたい レストラン中台 中台義浩シェフ

【人が想い 街を育てる】2 美味しいカレーを土浦に足運ぶきっかけにしたい レストラン中台 中台義浩シェフ

【戸田さつき】土浦に移住を提案するイベント「意外と近い!?つちうら―土浦市移住フェア」が10日、東京都千代田区有楽町の東京交通会館で開催される。土浦カレーフェスティバルで6年連続優勝を果たし殿堂入りしたことで知られる「レストラン中台」(同市桜町)が同イベントに出店し、土浦ブランドの飯村牛を使った「幻の飯村牛ビーフシチューカレー」と、カレーに合わせて作った「土浦レンコン福神漬」を販売し土浦をPRする。オーナーシェフの中台義浩さんに、カレーと土浦への思いを聞いた。

―レトルトカレーを独自に開発し移住フェアで販売すると聞きます。こだわりポイントは何ですか。

お店の味を皆様の自宅で再現することです。80年引き継いできたデミグラスソースのコクの深さをレトルトで表現するのは大変難しく、試作を何度も何度も繰り返しました。土浦の銘柄牛である飯村牛は「幻の飯村牛」と言われるくらい流通量が少ない。店で出しているようにゴロっとした塊を入れるために調達するのも苦労しました。

―なぜレトルトを作ったのですか。

レトルト化は土浦カレーフェスティバルで優勝して以来の夢でした。都内での修行を終えて妻と一緒に帰郷した時、自分たちが若いころの土浦と変わっていて、寂しくなりました。同フェスでは、他の地域からも土浦に足を運んでもらえるきっかけになればという一心で美味しいカレー作りに取り組みました。専門的な知識を知りたくてカレー大学に通ったこともあります。 その結果、同フェスで6冠をいただけるようになりました。

そのタイミングで、開店80周年が近づいてきて。全国に味を届けて、さらに土浦への関心を高められたらと思いました。奄美大島出身の妻の家族にもやっと食べてもらえてうれしかったですね。ああ、これがレトルトだからできることなんだなって。

―個人店が レトルトを作るのは珍しいと聞きます。

通常は個人店でレトルトカレーを作るのはハードルが高いものです。そんな時に知人からクラウドファンディング(資金調達)について教えてもらいました。販路の拡大や告知にもなるだろうと思い、挑戦しました。ちょうどこのころ、高安関が大関になるかどうかという時期で、高安関が来店した店としてテレビに取材をしていただきました。おかげさまで視聴した方がご来店くださいました。クラウドファンディングの告知活動は十分にできませんでしたが、ふたを開けてみたら、あっという間に目標額の300%を達成。お客様や友人、家族、関係業者の皆さんに支えられているのを改めて実感しました。

「幻の飯村牛ビーフシチューカレー」のレトルトパックと「土浦レンコン福神漬」

―今後の展開をどう考えてますか。

―今回、カレーに合わせてレンコンを使った福神漬けを発売します。今後もセットで販売できるものを作っていきたいなと思っています。新作も予定しています。

―移住フェアの来場者に伝えたいことは何ですか。

私が生まれ育った土浦は、高校も多く、子供を育てやすいと思います。妻は休みのたびに上京してしまうほど交通の便がいいです。全国的に有名な土浦花火競技大会も土浦市民にとってはDNAに組み込まれているかのように愛着があります。愛すべきものがたくさんある土地だからこそ、移住にふさわしいのではないでしょうか? 当日はレンコンの無料配布や特産品がある抽選会もあり、楽しいイベントです。皆様のご来場をお待ちしております。

◆ 土浦市移住フェア会場では、カレーのほかに「つちうらブランド」として認定された「つちうらネル」(ニコニコ珈琲)、「わかさぎのコンフィ」「わかさぎのエスカベッシュ」(いずれも小松屋食品)も出店・販売される。 日時は10日(日)正午~午後3時、場所は東京都千代田有楽町、JR有楽町駅前、東京交通会館1階ピロティ。詳細は同市ホームページ

◆レストラン中台は電話029-822-1068

➡「人が想い 街を育てる」第1回はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

原因は強い太陽フレア 低速自動運転車の接触事故 つくば市

乗客を乗せてつくば市が実証実験を実施していた低速自動運転モビリティ(車両)が11月12日、つくば駅周辺でスロープの手すりに接触する事故を起こし運行を中止している問題で(11月13日付)、同市は10日、接触事故の原因について、事故当日に発生した強い太陽フレアによる通信障害により、GPSを受信して車両の位置などを測定する衛星測位精度が低下し、車両の位置情報の誤差が大きくなったことと、強い太陽フレアの発生などに備えた車両側面の範囲を検知する接近センサーの不備が原因と考えられると発表した。 市科学技術戦略課は今後の対策として、①強い太陽フレアが発生した場合に備えて車両側面の接近センサーを追加搭載し最適化する ②運行ルートに応じて安全を確保するために設けるゆとりの範囲を見直す ③衛星測位精度が低下した際はさらに低速で運転したり停止するなど車両の動き方を見直すーなどを実施した上で、13日から16日の4日間、乗客を乗せないで、実証実験のルートと同じつくば駅前からつくばカピオ前まで、公道のペデストリアンデッキで試験走行を実施するとした。 試験走行では①車両側面の範囲を検知する接近センサーの搭載台数と配置の最適化、②障害物接近時における減速や停止など車両挙動の確認などを検証する。 接触事故は、低速自動運転モビリティが、同市竹園1丁目のイベントホール、つくばカピオの敷地内に設置されているスロープを時速3キロで走行し方向転換した際、スロープの手すりに接触する事故を起こした。事故時、運転手と一般の乗客2人の計3人が乗車していた。 当初計画では来年1月15日から26日にも一般市民を乗せて実証実験を実施する予定で、同課は、13日~16日の試験走行の検証結果をみて、運行を再開するか否か検討したいとし、「原因究明結果を真摯に受け止め、再発防止に努めると共に、今回の調査で得られた知見と経験を今後の事業運営に反映し安全な運行の確立に取り組んいく」としている。

どう発信しどう対処? 一部誤情報と共にSNSで拡散 中学校の不審者情報

つくば つくば市内の中学校が作成した不審者情報が、一部誤情報と共にSNSに投稿され拡散した。教育委員会事務局の同市教育局は、保護者の間に不安を引き起こしているなどとして不審者情報を一部修正し再度、保護者に通知した。SNS時代に、どう発信し、どのように対処すべきなのだろうか。 不審者情報は、11月5日、同市内で、女子中学生が自転車で登校途中、年齢20~30代くらいの外国人風の男性3人が乗る車が停車しているのを確認、そのうち2人が降りてきて女子中学生に近寄り、車が自転車に横付けされたが、近くを通りがかった人が中学生に声を掛け、男性らは車に乗ってその場を立ち去ったーなどの内容。この情報は、スマートフォンアプリを使ったデジタル連絡ツールで翌6日、周辺の各学校から保護者に文字情報で伝えられた。 同月18日、今回の不審者情報が匿名でSNSに投稿された。「誘拐未遂事件が発生」と一部事実でない投稿文が書かれ、中学校が作成した「不審者情報連絡票」の画像が添えられた。連絡票は、学校や市教育局など関係部署間でやりとりするための内部文書だった。連絡票に書かれた情報は、6日に保護者に伝えられた文字情報と同じ。 外国人差別のコメントも SNSでは「外国人による女子中学生誘拐未遂事件」という誤情報の形で拡散した。投稿に対し、外国人に対する差別や偏見とみられるコメントも書き込まれた。SNSでの拡散後、市教育局には保護者や市民から数件、問い合わせがあった。 こうした事態を受けて同市教育局学び推進課は2日後の20日付で、今回の不審者情報の正確な経緯と児童生徒の安全確保の対応について、改めて保護者に通知した。SNSで拡散された内容の一部に誤りがあること、保護者の間に不安を引き起こしていることを「深く憂慮している」と表明した上で、連絡票に書かれた不審者情報の表現が「いろいろな捉え方をされてしまっている」として、表現を一部修正した。 修正箇所は、連絡票の不審者情報が男性3人を「外国籍」と断定していたのに対し、「外国人風」と修正した。男性らが車で立ち去った経緯を連絡票は「車に乗って逃げ、(生徒は)事なきを得た」と表現していたが「車に乗ってその場を去った。生徒は無事だった」に改めた。 同課の小野尚文 学校教育政策監はSNSで拡散した不審者情報連絡票の画像について「内容自体は外に出してもいい情報だが、公文書なので画像になって拡散されたことはまずい。問題意識をもっている」とし「各学校に公文書の扱いについてもう一度指導を徹底したい」としている。内部資料の画像をだれがどこで撮影し投稿したかは分からないという。 学校が不審者情報を発信する必要性については「不審者情報の発信は子どもの安全を守るためで、二次被害を防ぎ、近隣の学校にも注意喚起するため連絡は迅速に行わなければならない」とし「学校や家庭で、知らない人から声を掛けられるなどがあったら、小さい子なら防犯ブザーを鳴らしたり110番の家に駆け込むといった対応方法を教え、子どもが危ない目に遭わない、安全な行動をとれるような指導につなげている」とした。 保護者「怖い気持ちはある」 今回の不審者情報を学校からのデジタル連絡ツールで確認したという市内に住む高校1年と小学6年の姉妹の母親(39)は「まず、怖いと思った」と語り、SNS上で事実と異なる「外国人による女子中学生誘拐未遂事件」として拡散されていることについて「すべての外国人が悪いわけではないので、よくないこと」と言う一方「実際に外国人風の男性に子どもが声を掛けられることはあるので、怖い気持ちはある」と語った。 受け取る側も冷静に 筑波大 秋山助教 今回の問題について、国籍や移民問題、国際社会などをテーマに研究する筑波大学人文社会系の秋山肇助教に話を聞いた。 公文書の画像が拡散を担保 ―外国人風男性の不審者情報がSNSで投稿されたことについてどう思われますか。 秋山 まず大きな問題点として、最初の「不審者情報連絡票」の画像がどういうプロセスで外部に出たかということがある。そもそも内部文書がSNSにアップされたこと自体が問題だ。SNSに「誘拐未遂事件発生」と投稿されたが、「不審者情報連絡票」とされる画像からは事実と確認できないにもかかわらず、「誘拐未遂事件」がSNS上で独り歩きするのを担保してしまったのが、公文書である連絡票だったと思う。 投稿者の文字情報だけだったら『これって本当?』って思う人がいたかもしれない。連絡票の中身を読めば誘拐未遂事件でないことはわかるはずだが、画像の文章まで読まない人もいる。SNSの投稿文だけを読んで「誘拐未遂事件が起きた」と受け取ってしまう人もいる。 そのため「不審者情報連絡票」とされる画像が投稿されることで、外国人による女子中学生誘拐未遂事件が起きたという話が独り歩きしてしまった。尾びれ背びれが付いて、本当に起きているのか分からないことがSNSで広がる怖さはある。 2点目として、つくば市教育局が一部表現を変えて11月20日に保護者宛に二度目の発信をしたことについては、市教育局が、SNSで拡散した内容の一部に誤解を生む表現があったとして「連絡票」に書かれた不審者情報の表現を書き直している。SNSで投稿されている「連絡票」には「外国籍の男性」と書かれているが、本当に外国籍なのかどうかは、本来パスポートなどを確認しなければわからないため正確ではないと思われる。ただ、その場で緊急で不審者情報を聞き取って内部文書を書く場合は、内容が必ずしも正確でないこともある。しかし保護者などの外部に情報を出す時、内部文書と同じ記載で良かったのかというのがもう一つの論点としてあると思う。 人は負の感情に強く反応 ―SNSの投稿に対するコメントで、「外国人が怖い」といったコメントがありました。外国人差別ではないでしょうか。 秋山 子どもを守る立場にある子育て世代などが、心配事が生じた時に「外国人」に不安を覚えるのは仕方のない一面もあるだろう。子育てをしている状況では、子どもは弱い存在だという前提があるので、親からすると子どもを守らないといけない。子育てをしている状況は余裕がない状況ともいえる。人はリスクがあることから逃げたいもの。子どもを守らないといけないと考える親からすると、外国人にリスクがあると考えたら近づかないというのは、本人にとっては合理的ともいえる。「怖い人」は本来、日本人にも外国人にもいるが、「外国人が怖い」と思っている人に、それが外国人差別だと伝えても理解されるのは難しいかもしれない。しかし社会全体への影響を考えると望ましくないだろう。 人は負の感情に強く反応し、「怖い」という気持ちに強く反応してしまうことも認識しておくことが大切だ。「外国人が怖い」というネガティブな感情がある人に「差別すべきではない」といった「べき論」は効果的とはいえない。強い負の感情が拡散しやすいのはSNSの特徴でもある。 ―では「外国人が怖い」という人にはどう対応すればいいのしょうか。 秋山 次の論点になるのは、子どもたちを守るために何が必要なのかということ。外国人でも怖いことをする人はいるが、日本人であっても怖いことをする人はいる。ただ、どういう人が怖いことをするかは現実的に明らかにするのは困難なので、「外国人が怖い」というラベルを貼るのは、恐怖から逃れようとすると合理的かもしれない。そんな中で、外国人が怖いと思っている人に「差別だ」と言ってしまうと、こうした人たちは恐怖からの逃げ場がなくなってしまう。ただ「外国人が怖い」という言葉の「外国人」には、犯罪を犯さない外国人も含まれている。それでいいのか、きちんと考える必要がある。 ではどうすればいいのかということになるが、情報を出す側が誤解のない情報を提供すること、情報を受け取る側が情報をうのみにせずにその正確性を考えることが大切だ。情報を受け取る側は、外国人かどうかに限らず、「怖い」という情報には尾びれ背びれが付くことがあると認識した上で、情報に接する際は「本当は違うかもしれない」という視点を持つことが必要だ。だから、情報を出す側も慎重であるべきだが、受け取る側も、これはどういう情報なのか、冷静に考えなくてはいけない。(伊藤悦子)

武器を持たない勇気と知恵《ハチドリ暮らし》56

【コラム・山口京子】11月中旬、利根町役場のホールで「平和のつどい利根」講演会が開かれました。講師はイスラエル生まれの元空軍兵士で、現在は埼玉県で家具作家をしているダニー・ネフセタイさん。テーマは「武器を持たない勇気と知恵」でした。 イスラエルには徴兵制度があり、高校卒業後、男性は3年間、女性は2年間、兵役に就くそうです。「軍隊がなければ周りの国から攻撃され、生きていけないと思い込まされ、軍隊はすばらしいという価値観を自然に身に付ける。自分もそのように思っていたが、退役後、アジアを旅して日本で暮らすようになり、考えが変わっていった」とのことでした。 そして、「過去のゆがみに縛られるより、今からどうしていくのか、共に生きるのか、共に死ぬのか。共に生きるには、武器を持たない勇気と知恵が求められる」と。 ダニーさんは、戦闘機に乗った若き自分の写真をパワーポイントで映しながら、「これを見てどう感じますか? カッコイイと思う人いますか?」と尋ねます。そして、「戦闘機はある目的のためにだけ優れている。それは物を破壊し、人を殺すこと。その目的って、カッコイイことなのか?」。 「テロは武力では止められない。武力を行使すれば、さらなる憎しみが生まれる。武力によって生まれるのはさらなる武力。憎しみによって生まれるのは憎しみでしかない。戦争は最大の人権侵害であり、環境破壊でもある」 武器が商品に、戦争が商売に 日本の防衛費は年間8兆8000億円。この額を、365日、1日、1時間、1秒に換算すると、1日241億円、1時間10億円。とんでもない金額です。その出所は国民の税金。軍事費に使われるほど生活にしわ寄せが来ます。 ダニーさんは14年前、「原発とめよう秩父人」を立ち上げ、反戦や反原発を訴える講演を各地で行っているそうです。「‘敵’概念はヒトのDNAにはない後天的産物であり、話し合いで解決できないという思い込みは、捨てないといけない。‘敵’とは国が設定するものであり、あおりや脅かしに振り回されないで、お互い、よく見て、よく聞き、よく話すことが必要だ」 東京新聞に「世界の軍需企業24年販売額最高」という記事(12月2日付)が出ました。ストックホルム国際平和研究所によると、上位100社の軍需関連販売額は前年比5.9%増え、6790億ドル(約106兆円)と、とんでもない金額です。武器が商品になる、戦争が商売になる―おかしくありませんか? (消費生活アドバイザー)

和訳 ときどき「みすゞ飴」《続・平熱日記》187

【コラム・斉藤裕之】伸びた庭木の枝でも切ろうかと思うが、まだまだ蚊がいたり天気が悪かったりして。絵を描くのも日がな一日というわけでもないので、さて、何をしようかと…。そこで目に付いたのが分厚い本。表紙カバーは光沢のある青に小さな魚の群れが描かれている。 実は英語で書かれている小説で、かれこれ20年以上前に東京の洋書屋さんで買い求めたもの。「FISH of the SETO INLAND SEA」つまり「瀬戸内海の魚」。このタイトルに引かれて買った。何の話か全く分からず、作者は日本の女性? 何度も読み始めては挫折して、結局放ったらかし。 でも、なんか気になって目につくところには置いてあった。ちなみに、私の英語の能力は高卒程度かつ年齢と共に退化中。 それから、これもノートとしてはかなり厚手のわら半紙製の、多分この先も使う当てのないものを引き出しの中に見つけて、和訳したものを書き始めた。日本の話ではあるし、それも舞台は故郷の瀬戸内海。頭の中に映像が浮かびやすい。それほど難しい言い回しもない。 とにかく、ボールペンでひたすら和訳文を書いていく。そこで今どき大変重宝するのがネット検索。パソコンを開いてわからない単語はもちろん、今一つうまく訳せない時には文章を打ち込むと、なるほどね。おまけにネイティブの発音まで聞ける。 しかし、目的はこの物語を読み切りたいということだから、単語や熟語を覚える気はさらさらないし、英語のお勉強をするという向上心もない。その上、人に見せるためではないので、悪筆走り書きで私自身も読み返すことができないほど。しかし、面白いことにこの方法で和訳をしていくと、ストーリーはもちろん、リアルな映像として頭に残っていく。 そばぼうろ、かりんとう、ふがし さて、楽しみながらの和訳も、いかんせん目が遠くてそう長くはやっていられない。そんな時目に留まったのが「みすゞ飴(あめ)」。いわゆるゼリー菓子。長野の上田にお店があるのは知っていたが、先日、千曲のギャラリーに行った折に初めて買ってみた。 食べるというより、セロファン製の包み紙の色合いが良くて、私の身の回りにはない色合いだから、絵を描こうと思って買ってきた。それを一つ二つ、まずは描いてみた。それから口に入れてみた。「?!」 思っていたよりもいい感じのかみ応え、しかもそれほど甘くない。思っていたゼリーとはちょっと違った。そして、私はみすゞ飴にはまってしまった(茨城のスーパーでも売っているのを発見)。 「みすゞ」とは、「信濃」にかかる枕詞だそうで篠竹のことだそうだ。言葉の響きもいいし、「ゞ」という踊り字もかわいらしい。今度生まれてくる孫は女の子だそうだから、「みすゞ」ちゃんという名前はどうだろう。上田は向こうのお母さんの故郷でもあるし…。 新聞の記事によると、世間ではグミがはやりというが、私はみすゞ飴をひとつ口に入れて和訳再開。この小説の時代設定にも、寒天と水飴でできたみすゞ飴が似つかわしい。さて、果たしてこの本を読み切ることはできるのか…。というか、最近、そばぼうろとかかりんとう、ふがしなんか買ってしまうのは、年齢のせい? 来年につづく。(画家)