火曜日, 1月 20, 2026
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能登半島地震でのDMAT活動を報告 筑波メディカルセンター

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DMAT支援活動を終えて戻った隊員と、後方支援した隊員ら。上段左から3人目が隊長の栩木愛登医師(筑波メディカルセンター提供)

「あれで良かったのか、気が晴れない」

能登半島地震の災害支援で活動した筑波メディカルセンター(つくば市天久保、河野元嗣病院長)の災害医療支援チーム(DMAT)による活動報告会が20日、同病院内で開かれた。救急診療科医長で今回の活動の隊長を務めた栩木愛登(とちき・あいと)医師(40)は「要請に従い活動は無事やってこられたが、あれで良かったのかと気が晴れない」などと振り返った。

同病院からDMATチームとして1月6~8日、能登半島地震の災害支援第3次隊として医師1人、看護師3人、業務調整員2人の計6人が石川県に派遣された。隊員らは7日、避難所となった珠洲市内の老健施設3施設の入所者らの健康状況調査や支援物資の搬送を実施した。翌8日には、介護度が高い高齢者を収容している別の老健施設入所者らの健康状況評価や支援を実施し、体調不良者を珠洲総合病院に医療搬送などした。

20日の報告会は同病院の職員を対象に開催した。報告した栩木医師は、パワーポイントでスライドなどを映しながら活動内容を詳細に説明した。

パワーポイントでスライドなど映しながら活動を報告する栩木医師

派遣が決まった後の準備段階では、雪道を走るスタッドレスタイヤがなかなか準備できなかったり、連絡役の業務調整員の確保に手間取ったりしたことが報告されたほか、能登半島では道路が寸断され、通常15分の道程を進むのに3時間近くかかり、報道で知っていたよりも被害状況がひどかったことなどが報告された。

派遣先の老健施設は、職員自身が被災したことにより通常より少ない職員での運営を余儀なくされていた。さらに避難者が押し寄せ、24時間体制で管理を求められたなど施設の職員が大変疲弊していたことなどが報告され、栩木医師は「地獄があった」と話した。

避難地はライフラインが寸断され水道が使えないため、隊員も段ボール製の非常用簡易トイレを使用したり、老健施設の事務所の床に寝袋で寝るなどしたという。

栩木医師は活動を振り返ると、出動にスタットレスタイヤとかチョッキタイプのユニフォームなど必要な物品の準備をしておかなければいけないと思ったとし、「活動が体力的には特に辛いかったわけでもなかったが、帰ってきてじんましんが全身に出来たりしたので精神的なダメージが比較的大きかったのだと思う」と述べた。

同病院の志真泰夫代表理事は活動をねぎらい「地震はどこにでも起きることだから、当院も免震構造の施設にしていかなければならない」などと付け加えた。

DMATは厚労省が阪神大震災の教訓から2005年に設立した。医師1人、看護師2人、医療事務や救急救命士など業務調整員1~2人で編成され、1チーム原則3日間、被災地にいる救急患者の治療やサポートをしたり、避難所にいる被災者の感染症に対する処置を行ったりする。

同病院のDMATは2011年の東日本大震災、12年のつくば北条竜巻、15年の常総市豪雨災害などにも出動した。今回、震度7以上の地震が起きた能登半島地震では全国のDMAT隊員に一斉に連絡が入り支援準備に入ったという。(榎田智司)

葦舟レースで水質浄化を 3月2、3日 霞ケ浦

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1月28日に開かれた葦船制作ワークショップで、刈り取ったアシを束ねる参加者

霞ケ浦の高須崎公園周辺(行方市玉造甲)で3月2日から3日にかけて「ニホンウナギ杯争奪 第4回霞ケ浦葦舟(あしぶね)世界大会」が開催される。1日目は湖岸で参加者自らアシを刈り取って葦舟を作り、2日目は自ら漕いでレースをするというユニークな大会だ。

長年、霞ケ浦の水質浄化に取り組んできた市民らでつくるNPO霞ケ浦アカデミーと、行方カヌークラブが主催する。

「どうせやるなら大きく『世界大会』と付けて、霞ケ浦をメジャーにしていこうと企画した」と語るのは、主催団体の霞ケ浦アカデミー理事長の荒井一美さんだ。同団体は、2000年から石岡市で始めた市民講座を前身に、04年に活動拠点を現在の行方市に移した。08年から霞ケ浦の自然環境の保全活動と地域資源を活用した教育活動を行っている。

「最初『世界大会』って聞いた会員の皆さんからは『えー』って驚きの声が上がったが、回を重ねるごとにだんだん皆、本気になってきた、という形ですね」と、荒井さんは笑みを浮かべながら、大会の目的を「霞ケ浦の現状を知ってもらうこと。そして環境の改善」だと話す。

ワークショップに参加し湖岸でアシを刈り取る小学生

湖とのつながり取り戻したい

全国で2番目の広さを持つ霞ケ浦。夏から秋にかけて、名物のワカサギ漁などで活躍した白い帆を張る帆曳船が、観光用に運行されている。ただこのワカサギも、1965年に年間2000トンを数えた漁獲量が2022年は17トンにまで減少している。原因の一つとして指摘されてきたのが水質悪化だった。

1963年に現在の神栖市にあたる常陸利根川と利根川との合流地点に、海水の逆流を防ぐ「逆水門」が造られた。目的は、霞ケ浦湖岸地域の洪水対策と、塩分が含まれる湖水による土壌への塩害対策、首都圏の水資源確保だ。水門を閉鎖以降、霞ケ浦は淡水湖となった。

水門閉鎖後に進んだのが「水質悪化だった」と、同会事務局長の菊地章雄さんが語る。時代は高度経済成長期。人口が増えた周辺地域の市街地や農地から湖に注ぎ込む生活排水、農業排水が、多量の窒素化合物やリンを運び込んだ。湖水は「富栄養化」状態になり、1973年にはアオコが大量発生し、75年には湖水浴が禁止されている。水質悪化はシジミやワカサギなどの水産資源の減少にも影響したとされる。

菊地さんは、減少する水産資源の象徴として二ホンウナギをあげる。1960年代には霞ケ浦と利根川のウナギ漁獲量は全国の67%を占めていた。霞ケ浦は日本有数のウナギ生息水域だったのだ。

こうした歴史を踏まえて「もう一度、霞ケ浦をかつてのきれいな湖にすることで、人の暮らしと湖のつながりを取り戻したい」として発案されたのが葦船大会だった。冠した「ニホンウナギ杯」に、かつての霞ケ浦復活への思いを込めた。

自身も小学生から活動に参加してきたという霞ケ浦アカデミー事務局長の菊地さん(中央)。「次世代に活動への思いを伝えていきたい」と語る

アシを刈って使う文化を

同会が葦船製作を始めたのは2016年にさかのぼる。菊地さんは「かやぶき屋根などにも使っていたように、アシは人が最も身近に利用していた植物の一つ」であるとし、こう話す。

「アシは、富栄養化の要因である水中の窒素やリンを養分として吸い取り、水質を浄化させる働きがある。一方で近年はアシが利用されることがなくなり、せっかく水質悪化の元になる養分を吸い取っても、そのまま枯れて水の中にとどまってしまう。これでは意味がない」

「アシは人が定期的に刈り取ることで新しく生えてくる植物。里山のように、環境の維持には人の手を必要とする。アシが当たり前に使われる文化を定着させるためにも、多くの人が関われる、規模の大きな大会にしたかった」

葦舟を作るために大会参加者が湖岸のアシを刈り取ることで、アシが吸い取った霞ケ浦の窒素やリンは湖の外に持ち出され水質浄化に寄与する、さらに人工的な護岸堤に復活しつつある植生帯を手入れすることにもつながるというのだ。

大会に先立って1月末、葦船づくりのワークショップが開かれた。8年目を迎え、参加者の約半数をリピーターが占め、つくばや水戸など県内以外にも、岐阜など他県からも訪れている。

ペルーとボリビア大使館に招待状

「世界大会」と銘打ってはいるものの、これまでに外国チームの参加には至っていない。それでも地域で暮らしているベトナムやモンゴルの人たちに積極的に声をかけてきた。同会の荒井理事長の夢は大きい。

「目的は、あくまで霞ケ浦の環境改善。そのためには壮大だが、世界の人に関心を持ってもらい連携を図りたい。今回は(神話に葦船が登場するチチカカ湖がある)南米ペルーとボリビアの大使館に招待状を送った。いつか現地から本場のチームに来てもらえたらうれしい。今後の交流に繋げたい」と話す。

「『霞ケ浦は汚い』というイメージが定着してしまっている。しかし、ここからは筑波山も見ることができ、風光明媚なところ。地域振興の役目も果たしたい」(柴田大輔)

◆第4回霞ケ浦葦舟世界大会の詳細は同会ホームページへ。

千年の歳月に見たもの《写真だいすき》29

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あちこち崩れた仏像の部分(撮影は筆者)。この写真は本文とは関係ありません

【コラム・オダギ秀】心に残った撮影は、少なくない。古い仏像を撮ったことは多かったが、このときも、忘れ難かった。

小高い丘を登っていくと、林の中に、小さな堂宇(どうう)があった。のぞいてみると、中に、取り残されたような、全身傷ついた虚空蔵菩薩がおわした。堂宇の中には、厨子(ずし)もあったが、厨子にも入らず、いたるところシロアリに喰われ、持物を失い指も欠け、身体のあちこちが割れ、面貌も定かではなく、その像は流した悲しみの涙さえ乾いてしまったようであった。

どのような歴史を背負った寺院の本尊であったのか、その寺が、いつの時代に廃寺となったのか、明らかなものは残されていないという。しかし筑波山に連なる周辺の山中には、近くには名古刹(こさつ)もあり、山岳寺院らしき廃寺もあり、ここの虚空蔵菩薩像は平安時代後期の作と推定されているらしいから、集落の人々に護られながら、およそ一千年近い時を経てきたことになっていた。

虚空蔵菩薩は、妨げるものがない広大無辺の功徳で人々の願いをかなえてくれる菩薩だそうだ。だが、この菩薩の左手施無畏印(せむいいん)の指は欠け、右手に持っていたであろう宝珠(ほうじゅ)か剣も失われている。

全体にバランスのよい量感なのだが、整っていたであろう顔立ちの漆箔(しっぱく)は剥げ落ち、痛々しい表情も、はっきりとは見えなかった。そこここに深く入り込んだシロアリの食い後も目立った。剥ぎ目のズレにも心が痛んだ。そのような菩薩にすがってもいいものか、という気にさせられた。

憎悪も孤独も後悔も悲槍も…

坐していた千年近い歳月は、その長さだけで、この世の、憎悪も孤独も後悔も悲槍も、拭い去ってしまうのだろうか。虚空蔵さま、あなたは、今、時を経て何を思うのですか?

ボクは、流れる汗にまかせ、ボク自身の悲痛を、少し漏らした。すると、堂を覆うセミの声がひときわ激しくなった気がした。思わずボクが拭ったのは、汗なのか涙なのか、木立を抜ける風が、心なしか涼しくなった気がした。

あの撮影から、もう十数年が過ぎたろうか。あの菩薩にすがった人々の思いは、どこに残っているのだろうか。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

申請期限過ぎ国の補助金受け取れず つくば市 介護保険システム改修費

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つくば市役所

つくば市は20日、4月から実施される2024年度介護保険報酬改定に伴う介護台帳のシステム改修費について、国から2分の1の補助金を受け取ることができたにもかかわらず、補助金の申請期間を過ぎてしまい、137万5000円を受け取ることができなかったと発表した。

市高齢福祉課によると、国の補助金申請の通知は、昨年9月13日、システム改修にいくらかかるかを調査する通知が県から市介護保険課に届き、さらに12月5日には補助金を内示する通知が県から市介護保険課に届いていた。

一方、昨年9月末、システム改修を担当する市高齢福祉課が介護保険課に通知が届いてないか調査したところ、介護保険課では通知を確認できなかったという。

システム改修の契約事務作業を進めるため、今年2月5日、市高齢福祉課が県に国の補助金について確認したところ、県から、昨年9月と12月に通知を2回送っていると言われ、改めて市介護保険課に確認したところ、県から2回通知が来ていたことが分かった。

市高齢福祉課と介護保険課で情報共有がなされなかったことが原因という。

再発防止策として市は、国や県からの通知について、関係部署で情報共有できるよう体制を強化するとしている。

市では同システム改修費用が275万円かかる見通し。2分の1は国から補助金を受けられるはずだったが、全額を市の会計でまかなうという。

無人販売の八百屋をオープン 元留学生が筑波大近くに

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「やおや・春日」を紹介する孫麗さん=つくば市春日

近所に八百屋がない筑波大学近くの春日4丁目に9日、24時間営業で無人販売の食品販売店「やおや・春日」がオープンした。同市天久保で四川料理店「麻辣十食」を運営する東洋十食が手がける。野菜や果物のほか、中国からの輸入食品や自社製造のお弁当、コロッケなどの惣菜も販売を始め、近隣住民や大学生らが買い物に訪れている。

店内にはキュウリやトマト、ジャガイモなど一般的な野菜と共に、赤い菜の花や、スティック状のカリフラワー、茎レタスといった珍しい野菜も並ぶ。店舗面積は約35平方メートル。販売する商品は野菜、果物、お弁当など合わせて約100種類ほど。

値段は50円から数百円程度で、一人暮らしの大学生にも買いやすいよう少量ずつパックするなど工夫されている。商品は水海道総合食品地方卸売市場や都内の中央卸売市場から仕入れる。商品の価格に跳ね返らないよう、内装は全てスタッフが手作りして初期投資額を抑えた。無人販売により人件費を抑えているほか、曲がったキュウリなど形が不ぞろいの規格外の野菜を仕入れ、できるだけ安くしている。

支払いは現金かQRコード決済で、品物を選んでから客自身が電卓で計算し、カメラに見えるようにして支払う仕組みだ。

夜遅くまで研究

店頭に並ぶ野菜について説明する孫さん=同

同店を運営する東洋十食の代表は中国河南省の出身。筑波大学大学院で社会工学の修士課程を修了した。卒業後は都内の会社で働いていたが、自然豊かな環境で子育てしたいと、学生時代親しんだつくば市に戻ってきた。院生時代は大学の宿舎に住み、夜遅くまで学内で研究していた。その経験から「夜中でも食材を買うことができる24時間販売の八百屋が大学近くにあれば便利なのではないか」と思いついたという。都内で勤めていた時、白金や麻布十番の八百屋がにぎわっているのを見て、スーパーマーケットではなく八百屋の業態に魅力を感じたと話す。

孫さんは野菜の仕入れなども行う。「大学生だけでなく近隣に住むお年寄りからも、キャッシュレスでなく現金でも買えるのがありがたいと言われる。喜んでもらえている様子」と好感触だ。野菜を買いに来た筑波大2年の男子学生と女子学生は「オープンしたのを見て気になっていて今日初めて来た。いろいろな野菜があって便利」と話す。東洋十食の代表は「加工食品ばかりだと栄養も偏る。野菜を食べて、大学の後輩たちに元気に、健康になってほしいという思いがある」という。

コロナ禍、都内で人気高まる

街の八百屋は、コロナ禍により家庭内で食事をする内食や巣ごもり消費の需要が高まったことを背景に、都内では、道路に面した店頭に青果を並べる八百屋の人気が集まり、大手食品スーパーが昭和レトロな八百屋の業態で出店したり、ドライブスルーの八百屋もオープンするなどした。農水省の調査によると、2021年には全国の青果市場の約半数がコロナ禍前よりも取扱高を増やしている。(田中めぐみ)

中国で見つけた魔法瓶の形《デザインを考える》5

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写真は筆者

【コラム・三橋俊雄】今回は、以前私が中国で出合った「魔法瓶の適正デザイン」についてお話します。上の写真は、左から上海の友人が送ってくれた竹製の魔法瓶(中身本体はありません)、鉄製の魔法瓶、その次は上海の路上でおばあさんから譲り受けたアルミ製の魔法瓶、一番右は北京のデパートで購入したプラスチック製の魔法瓶です。

ここで言う「〇〇製」とは魔法瓶の外部構造のことです。内部はそれぞれ真空2重ガラスの容器が収まっており、魔法瓶の栓はすべてコルク製のものが用いられています。

穴だらけの鉄製魔法瓶

鉄製の魔法瓶は、1986年に中国を初めて訪問した際、北京中央工芸美術学院の院長室で出合ったものと同じです。これは、私が中国で「ショック」を受けた二つのうちの一つでした。ちなみに、もう一つは、中国中南部・湖南省の駅ホームで見た、ズボンのお尻がぱっくり開いた(おむつ不要の)幼児用「股割れズボン」です。

なぜ鉄製の魔法瓶が穴だらけだったのでしょうか?

1980年代、中国では、この魔法瓶が日本で言う「役所の大きな黄色いヤカン」のように、多くの公の場で使われていたようです。当時は、工業製品として自転車が花形産業であり、そのチェーンに使うヒョウタン型の板金が大量に必要でした。そこで、製造工程ではそれを打ち抜いた後の端材が多く排出され、その端材を丸めてカバーとして利用したのが、この穴だらけの魔法瓶でした。

この魔法瓶は、上部もやはり板金を曲げて溶接しただけの簡素な作りであり、その上の小さな注ぎ口だけがプラスチック製でした。本体部分のガラス容器は、穴だらけの板金カバーの下部で、交差した2本の針金により固定されているだけでした。

適正技術・適正デザイン

これらの竹、鉄、アルミ、プラスチック製の魔法瓶を並べて気付いたことは、第1に、カバーの材質こそ異なっているものの、その大きさやプロポーション、取っ手の位置などは同様の形状をしていたということです。その理由は、「お湯を注ぎ」「保温し」「急須や茶碗に注ぐ」という、人と道具の関係が共通していたからでしょう。

第2に、魔法瓶の「使われ方」は共通しているものの、魔法瓶の外部構造に関しては、技術的発展に伴って、竹製、鉄製、アルミ製、プラスチック製のカバーが登場したように、その時代ごとに、中国が有する技術や生産方法によって作り出されてきたということです。

すなわち、これらの時代や地域に適合した魔法瓶の製造・デザインの在り方こそ、当該地域の自立的な発展につながる「適正技術・適正デザイン」であったと言えるのではないでしょうか。(ソーシャルデザイナー)

「避難所の体育館は寒かった」 土浦三高生が防災キャンプ体験を報告

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学校図書館で発表の準備を進める「防災キャンプ」探究グループ=土浦三高

21日、初の校外発表

災害時の避難所になる学校体育館に寝泊まりしてみたー。県立土浦三高(土浦市大岩田、渡邊克也校長)の2年生グループが21日、県県南生涯学習センター(同市大和町)で同校が開く「探究発表会」に登壇し、防災キャンプの体験を口頭発表することになった。

グループは普通科2年生の7人。昨年12月1日、同校体育館に1泊する防災キャンプを行った。同校は眼下に霞ケ浦を見下す立地に校舎がある。災害地に湖畔の低地は液状化の懸念などがあり、学校が水害や地震の際の指定緊急避難場所になっている。

防災キャンプでは、2015年の関東・東北豪雨で常総市に派遣された土浦市防災危機管理課職員から話を聞いたり、市のハザードマップに基づく防災情報のレクチャーを受けた後、体育館にテントを張って1泊した。

防災キャンプでは体育館に張ったテントに寝泊まり(土浦三高提供)

1カ月後に能登半島地震

同グループは翌12月2日に、土浦市内の街づくりイベントでスタンプラリーを実施しており、2日間の行事にボランティア参加の生徒も含め16人が参加した。メンバーの1人、長谷川春花さんによれば「スタンプラリーは2回目の実施で、1回目のときアンケートをとると『もっと市民と交流したい』という意向があったので、防災キャンプを考えた。けれど、安全面から受け入れが難しく、まずは生徒だけでの実施になった」そうだ。

この防災キャンプの1カ月後の元日に能登半島地震が発生した。長谷川さんは「とにかく体育館の床は死にそうなくらい寒かった。能登の避難所生活のニュース映像を見るたび、あれ以上の寒さが連日続いているのかと思うと辛い気持ちになった」という。指導に当たる橘内敏江教諭は「防災キャンプで残った飲料などを現地に送る検討もしたが、迷惑になるかもしれないと断念した。生徒の前向きに成長する姿を見ることができた」と語る。

下級生たちに引き継ぎたい

生徒たちは「キャンプでは非日常を体験できた。防災はぜひ市民と一緒に取り組んでほしい課題」だと防災キャンプを下級生たちに引き継いでいきたい考えで発表に臨む。

「探究学習」は、生徒自らが課題を設定し、解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく学習活動。同校では活動成果を2年生中心に発表する取り組みを約5年間実施してきたが、校外に出て行うのは今回が初めて。三菱みらい育成財団の助成も得て、「土浦市から宇宙まで探究のフィールドは無限だ!」を掲げて開催する。

天文や防虫効果などを取り上げる理系、ロック音楽や百人一首などの文系を交え12件の口頭発表が予定され、ポスター発表は70件を数える。開会は午前9時30分、午後4時ごろまでの日程で、防災キャンプなどの特別口頭発表は午後1時ごろに予定されている。(相澤冬樹)

「もん泊」手ぬぐいを限定製作 つくば建築研究会

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もん泊手ぬぐい

イベントで販売へ

NPOつくば建築研究会(つくば市谷田部、坊垣和明理事長)は、長屋門に宿泊機能を付加しようと研究活動中の「もん泊プロジェクト」(2020年9月27日付)の一環としてデザイン手ぬぐいを製作し、18日に開かれた第17回市民シンポジウムで披露した。

手ぬぐいは白地にパープルカラーでもん泊ロゴとつくば市域の地図が印刷され、もん泊プロジェクトの研究対象である「長屋門」の市内分布があしらわれている。同会の調査によれば、つくば市内には217軒の長屋門が現存しており、「個人宅の特定にならないよう、あくまでエリア分布の一例として描いた」と、図案をデザインした塚本康彦理事は説明する。今後同会主催のシンポジウムやみちあるきイベントで販売する。製作数は200枚で1枚1000円(消費税込み)。

市民シンポジウムの様子

同日、市民シンポジウムはつくば市栗原の旧下邑住宅(23年5月31日付)で開かれ、糸賀茂男土浦市立博物館館長を招いて長屋門に関する歴史基調講演やパネルディスカッションを行った。さらに昨年から土間の板張り化を進めてきた米倉のお披露目(23年10月24日付)、筑波大学に留学中のエチオピア国費留学生による同国の茶道文化にあたるコーヒーセレモニーが催された。

坊垣理事長は「17回を数えるシンポジウムの中からつくば独特の原風景である長屋門と古民家がクローズアップされ、将来は長屋門と民泊を融合させる目標を掲げた。その実現のために、できることから始めて長屋門を訪ね歩くみちあるきや、米倉の利活用を考えるための板張り改修を手がけた。今後もみちあるきを開催してつくばの減封家と長屋門を紹介していきたい」と述べた。(鴨志田隆之)

改修された米倉内

県に請求書送付を つくば市の高校通学費補助《吾妻カガミ》177

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茨城県庁(左)とつくば市役所

【コラム・坂本栄】つくば市は洞峰公園の維持管理を県から押し付けられましたが、県立高校問題では県の施策にはまりました。本来は県が負担してしかるべき費用を市の予算案に盛り込んだからです。この半年の間に、市民は知事の巧みさと市長の拙さを相次いで目撃したことになります。

遠距離通学に年間3万円補助

つくば市は2月1日に発表した来年度予算案に、土浦市、牛久市、常総市、下妻市など、遠距離の高校に通う生徒にバスや鉄道の通学費用を補助する予算を挿入しました。1億6152万円を計上し、通学に年間10万円以上かかる生徒には3万円を補助するという内容です。

この善政について、市は「急増する市内在住の高校通学者数と市内立地の高校定員数との不均衡により生じる遠距離通学負担に対して、経済的負担の軽減を図る」と説明しています。簡単に言うと、市内の県立高不足のために市外の高校に通学しなければならない学生の持ち出しを少し軽くする施策です。

つくば市は、学生数と定員数の不均衡を解消する策として、市内に県立高を新設するよう県に要求してきました。しかし県は、県全体の少子化・人口減を理由に、県全体の傾向とは逆に人口が増えているつくば市での県立高新設にも消極的です。

そして、(A)市内にある既存県立高の学級増(高校経営予算の節約)、(B)近隣市の県立高への通学奨励(広域化による問題解決)―の2代替策で、高校新設を見送ろうとしています。

市長は新設実現を諦めたわけではないと言っていますが、遠距離通学補助によってTX沿線エリアに県立高を新設せよという声が弱まらないか心配です。

高校新設<既存高活用+広域通学圏

県の考え方(新設を渋る理由、代替策、高校教育の目玉)を整理すると、こういうことです。

▼少子化・人口減で県内の高校入学者は減っており、県立高は統合・廃止で減らす。

▼県全体の傾向とは逆のTX沿線についても県立高の新設は極力避ける。

▼これで生じる学生数と定員数の不均衡は既存高学級増と通学圏広域化で乗り切る。

▼上位の既存県立高については中高一貫併設によって学生のレベル・アップを図る。

県がこういった県立高経営の枠組みにこだわるのであれば、市が通学補助の窓口業務を代行するとしても、その費用は県に出してもらうべきです。県の仕掛け(B)に追随していると、県立高不足問題の解決は既存高学級増と通学圏広域化で進みます。

新設までの暫定措置として県ないし市が遠距離通学費を補助するにしても、年3万円では少な過ぎます。実際にかかる費用の3分の1以下ということですから。県に送る請求書は、少なくとも1億6152万円✕3=4億8456万円にする必要があるでしょう。

通学補助を大幅県に請求書送付

高校生徒数と定員数のミスマッチ解消は、人口が増えているTX沿線市の重要課題です。それなのに、県も市も目先の対策でごまかそうとしています。生徒に遠距離通学の時間的負担を強い、保護者には経済的負担を強いるのを放置し、微々たる通学補助金を出す「善政」で取り繕うとする市長も困ったものです。

市議会は来年度予算案を否決し、総額4億8456万円の修正案を出し直させ、県に同額の請求書を送らせる議案を決議すべきでしょう。研究学園市=高校過疎地では「世界に笑われるまち」TSUKUBAになってしまいます。(経済ジャーナリスト)

<参考>

▽記事「…市の新年度予算案 過去最大を…連続更新」(2024年2月1日掲載

▽コラム139「上り坂の市と下り坂の県のおはなし」(2022年8月15日掲載

▽コラム118「つくば学園都市は公立高の過疎地」(2021年10月18日掲載

「花火を聴く」視覚障害者の花火鑑賞《見上げてごらん!》24

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第92回土浦全国花火競技大会ワイドスターマイン「土浦花火づくし」(実行委員会提供)

【コラム・小泉裕司】花火を季題とした風景や心象を描写した名句は数多い。人生や季節の移ろいを、儚(はかな)く消える花火に重ねるのだろうか。

盆などの慰霊行事であったことから、「初秋」の季語だったようだが、現代は納涼行事として「夏」が主流のよう。「遠花火(とおはなび)」も同様。たった3文字にもかかわらず、打ち上げ場所から遠く離れたところから「見る」花火への、切なさや愛(いと)おしさが心に沁(し)みる季語である。

花火鑑賞の多様性

 昨年の土浦市議会第4回定例会では、「土浦全国花火競技大会時の障害がある方の観覧」についての一般質問に対する答弁で、佐藤亨産業経済部長は「花火会場で、視覚障害者に花火の魅力を感じてもらうことができた」という希有(けう)なエピソードを披露した。

大会当日の朝まで行くかどうか迷ったあげく、意を決し、会場を訪れた視覚障害のある男女2人は、打ち上げが始まるころには、桟敷席近くに到着することができたという。

杖(つえ)を持った2人に気付いた桟敷席担当の係員は、業務の傍ら、土手にたたずむ2人を気にかけていたそう。周知のとおり、打ち上げ終了後の道路は、超過密な状況と化し、視覚障害者には危険きわまりない。これを察知した係員は、土浦駅行きのシャトルバス停まで誘導し、無事帰路に着いたのこと。

2人は、花火の真下に来たことで、まぶたの奥に光を感じることができたという。音や振動を体感することや、音楽、場内アナウンスも聴くことができた。何よりも、観客と一緒に拍手をすることができたことに感動。「ここまで来て本当によかった。ありがとうございます」と涙を流し、花火を堪能した喜びを係員に伝えたそう。

この報告を聞いた部長は、障害者も花火の思い出をつくることができる、土浦の花火は様々な人たちに感動を与えることができることを実感したという。筆者も、土浦の花火ファンが、また2人、増えたことが実にうれしい。 一方で、本稿でこの話題を書くことに躊躇(ちゅうちょ)したのも事実。

つまり、主催者にとっては、来場者の安全を確保することが最優先の使命であって、身動きもままならぬ雑踏や道路面の不備も想定される中で、係員まで巻き込んだ身勝手な行動と非難されないか。

さらに、係員の対応は業務範囲を逸脱しているのではないかなど、大いに逡巡(しゅんじゅん)した。実行委員会は、会場から1.5キロ離れた安全な場所に「身障者用駐車場」を確保して、会場への誘導を勧めることはしていない。

しかしながら、今回の2人の行動によって、新たな気付きを得たことも事実。それは…「花火を聴く」。

「花火の光を感じたい、心に響く音を聴きたい。こんな欲求を満たしてくれる環境づくりの必要性、誰ひとり取り残さないとの観点からも大切なことであり、これからもあらゆる面でみがきをかけて、多様な観客に楽しんでいただける大会づくりにまい進したい」と、部長答弁を括(くく)った。

まさに、安藤市長が標榜(ひょうぼう)するダイバーシティの考え方に沿った、崇高な精神である。 

「亡き人を思い遠花火に耳澄ます」

このエピソードの対極にあるのが、Oi café 20「亡き人を思い遠花火に耳澄ます」(平野国美、常陽リビング、2017/8/19、6ページ)。

介護ベッド上で目を閉じ、遠くに響く土浦花火の音を聞きながら、母親代わりの亡き姉への郷愁、その姉と会話した花火への情念が動画のごとく流れる。訪問診療医で本サイトのコラムニストでもある平野氏ご本人から、以前に送っていただいたコラムを、読み返している。

「いつか一緒に、あの花火の真下で眺めたいねって話してたの。そのお姉ちゃんが行けないのに、今さら私だけ見に行くってわけにはいかないの」。昭和期の俳人鈴木真砂女の句が添えられていた。「死にし人 別れし人や 遠花火」

真下で体感するもよし、遠花火に耳澄ますもよし。本日は、この辺で「打ち留めー」。「ドドーン キラキラ!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

佐野治さんの受勲祝う 元JA土浦・県中央会会長

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花束を受け取る佐野治さん夫妻

土浦農業協同組合(現 水郷つくば農業協同組合)組合長や県農業協同組合中央会会長を務め、昨年秋に旭日双光章を受章した佐野治さん(77)の受章祝賀会が17日、霞ケ浦湖畔の土浦市川口「ローブ・カスミガウラ」で開かれ、国会議員、県議、経済団体や農協(JA)関係者など約130人が出席し、佐野さんの受章を祝った。

佐野さんは土浦市宍塚の出身。1977年にJA土浦に入り、2008~17年にJA土浦の組合長を務めたあと、17~20年に県内のJA関連組織を束ねるJA県中央会の会長を務めた。

良質な県産農畜産物を安定供給

あいさつする八木岡努・県JA中央会会長

祝賀会発起人を代表して八木岡努・県JA中央会会長があいさつし「佐野氏は、サンフレッシュつくば店の開設や産直事業専門の専門部署を設置するなど、新しい販路拡大と地産地消の推進に取り組んだ。また『安心・安全な農産物の供給』を第一に考え、生産履歴記帳の定着化や、JAブランドの確立に努め(レンコン粉末入りうどんの)『れんこんめん』の開発・販売に取り組んだ」などと、JA土浦時代の功績を紹介した。

さらに「県中央会の会長の時は茨城県との連携協定を結び、ブランド力ある良質な県産農畜産物の安定供給に取り組んだ。県産品の輸出拡大、低価格モデル農機の共同購入などによる生産コストの低減にも尽力した」と、県中央会時代の活躍もたたえた。

産総研の石村理事長もあいさつ

祝賀会には、葉梨康弘、永岡桂子、国光あやの、青山大人、田所嘉徳衆院議員、上月良祐、加藤明良参院議員、伊沢勝徳、八島功男、葉梨衛、白田信夫、飯塚秋男、星田弘司、中山一生、金子敏明県議、安藤真理子土浦市長、宮嶋謙かすみがうら市長、千葉繁阿見町長、萩原勇龍ケ崎市長、上野昌文・県農林水産部長(知事の代理)らが出席した。

このうち、葉梨衆院議員、上月参院議員、葉梨県議、上野部長が祝辞を述べ、国や県の農業政策とJAの活動との関連を取り上げながら、佐野さんの活躍ぶりを紹介した。

佐野さんと親戚筋の石村和彦・産業技術総合研究所理事長もあいさつに立ち「出席者の顔ぶれを拝見すると、私は完全にアウエー(部外者)。実は、毎年末に(土浦産の)レンコンを佐野さんから送ってもらっている。それを薄く切ってフライパンで焼いて食べると、ビールがいくらでも飲める」と笑いを誘ったあと「産総研も乾燥に強い野菜とか果物の糖度センサーなどの研究をしており、今後、JAとのコラボも検討したい」などと述べた。(岩田大志)

受章祝賀会の会場

昭和にトリップできる郷愁の商店街《看取り医者は見た!》13

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写真は筆者

【コラム・平野国美】私は休日に商店街を歩くのが好きです。ショッピングとかでなく、ただ、何かあれば店に入ってみたり、古い純喫茶に入ってみたり―と。外国にはそれほど行ったことはありませんが、自分も商店街育ちのせいなのか、日本の商店街が好きなのです。そこでは、その町の庶民文化を味わえますし、「昭和」にトリップができる気もするのです。

しかし、シャッター通り=歯が抜けたように消えていく商店街=が、最近では目立つどころか、ほとんどが消えていくのです。今、日本で活性化している商店街は、以前の数パーセントと言われています。最近では、シャッター通りは取り壊されか、かつて商店街であったとは思えないような住宅街へと変わりつつあります。昔の「商店街」は博物館入りになるのでしょうか?

こういった痕跡を歩くのは、趣があって楽しいものです。先日、四国のある商店街を歩いていると、聞きなれない天地真理の歌がスピーカーから流れてきました。歌詞をスマホで調べると、「若葉のささやき」(1973年3月21日発売)という曲で、小学2年生だった50年前にトリップできました。

フランスなどの洗練された商店街も美しいのですが、どこか物足りなさを感じます。それは、文字表記がアルファベットということだけではありません。今、海外のしゃれた商店街と日本の猥雑(わいざつ)な商店街を比較すると、構造的にも文化的にも、日本らしさというものがいくつも見えてきます。

「町中華」「純喫茶」「レトロビル」

以下、私の「商店街」論です。昭和の人情商店街は消えていく運命なのか?についても、考えたいと思います。

残るものか?残らぬものなのか? それはわかりません。しかし数は減少していくでしょう。歩きながらその現実を見ると、消えていく運命なのだと思えてきます。一方で、「町中華」とか「純喫茶」とか「レトロビル」といった言葉が生まれてくる背景は何なのでしょうか?

商店街の見方、楽しみ方はいろいろあると思います。私は、その空間や形態に魅力を感じております。また、その発祥や由来など歴史的な流れに目を向けると、見えてくるものもあります。それがわかると、消えていく理由も見えてきます。

一方で、活気がある商店街の裏側を眺めることができたとき、「そういう商店街の存在の仕方もあるのだな」と感心するのです。上の写真は、私が好きなアーケード街(左、市場由来の那覇市の中央通り)、曲線が美しい商店街(右、瀬戸市の銀座通り)です。(訪問診療医師)

メタバース「バーチャルつちうら」17日公開 アバターで疑似体験を

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「バーチャルつちうら」の実演の様子

パソコンやスマートフォンを使って、自分のアバター(分身)がインターネット上にある三次元の仮想空間の中に入り、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」を走ったり、湖畔から霞ケ浦を見渡したり、花火を鑑賞したり、施設の中に入って写真展を見たり、観光情報を探すなど、土浦の観光を疑似体験できるメタバース空間「バーチャルつちうら」が17日、公開される。

80種類の中から自分のアバターを選んで入室する。りんりんロードのサイクリングは360度の3D動画で疑似体験できる。仮想空間の中で名産品を販売したり、展示会やセミナーを開催したり、市政情報を発信したりもする。仮想空間にいる他のアバターと会話することも可能だ。

「自転車のまち土浦」など同市の魅力を発信し来訪のきっかけにしてほしいと、土浦市とNTT東日本茨城支店がNTTスマートコネクトと連携して構築した。メタバースを活用する自治体は、愛知県瀬戸市、山梨県北杜市、東京都江戸川区、福岡県福岡市に次いで全国で5番目という。

2022年12月、土浦市とNTT東日本が高齢者のデジタル活用を支援する連携協定を締結したのがきっかけ。その中で、メタバース空間の構築や360度の動画制作に実績のあるNTTスマートコネクトと連携して「バーチャルつちうら」の構築に取り組んだ。仮想空間はプラットフォームの「DOOR」を用いている。

公開を前に16日、土浦市役所で公開イベントが行われ、安藤真理子市長とNTT東日本の松木裕人茨城支店長のアバターが「バーチャルつちうら」に登場、企画の狙いやコンテンツの紹介をした。

その後、それぞれ別室から本人が現れてあいさつ。安藤市長は「土浦の発展のため、たくさんの人が訪れてくれるようにコンテンツを充実させていきたい」と述べた。自分のアバターについては「少し若くてかわいすぎた」と感想を話した。

画面のアバターと一緒にポーズをとる安藤真理子市長(左)と松木裕人茨城支店長

「バーチャルつちうら」には同市のホームページから入室することができる。(榎田智司)

最低制限価格に誤り 入札やり直しへ つくばジオミュージアム清掃業務

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つくば市役所

つくば市は16日、同日開札を実施したつくばジオミュージアム清掃業務委託の一般競争入札で、最低制限価格に誤りがあり、入札を不調にしたと発表した。入札をやり直す。

市ジオパーク室によると、1月29日に入札情報を告示し10社が参加した。電子入札が実施され、開札日の16日、市が予定価格と最低制限価格を開封したところ、最低制限価格が誤っていることが分かった。同価格を算出する際、担当者が予定価格を誤って入力してしまったのが原因という。

市は同日、入札に参加した10社全てに電話で説明し謝罪。再発防止策として、最低制限価格の作成と封入前に、複数での確認を徹底したいとしている。今後、再入札を手続きを進める。

同ミュージアムは筑波山地域ジオパークの体験型展示施設で、昨年11月3日、廃校となった同市北条、旧筑波東中学校校舎西側にオープンした。清掃業務は今年4月から来年3月まで、1階の展示スペースと2階の事務スペース計1200平方メートルを週2回と年2回清掃する業務で、予定価格は178万6966円だった。

紅梅は満開、白梅5分咲き 筑波山梅林

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遠足に来て、梅の木の下でお弁当を食べる子どもたち

17日 梅まつり開幕

最高気温が4月中下旬並みと暖かさが続く中、筑波山中腹にある筑波山梅林(つくば市沼田)では15日、紅梅が満開、白梅が5分咲きとなっている。白梅が満開になるのは2月下旬ごろになると予想されている。今年の筑波山梅まつりは明日17日開幕する。

同梅林は、関東平野を見渡す標高約250メートルに位置し、暖かい日差しが当たる南斜面にある。広さ約4.5ヘクタールに白梅や紅梅などが約1000本植えられており、筑波石といわれる斑れい岩の巨石と梅のコントラストに独特の趣があるとされる。晴れた日は富士山を見渡すことができ関東の富士見百景に選ばれている。1970年に開園、2005年にリニューアルした。

観梅を楽しみながらおしゃべりする観光客

15日は春一番が観測され、同市の最高気温は21.4度と4月下旬から5月上旬並みを記録した。平日にもかかわらず梅林には多くの観光客が訪れ、上着を脱ぎ園内を散策する人の姿が見られた。

地元の沼田地区から訪れた男性(73)は「梅林には散歩がてらにかなりの頻度で来ている。暖冬なのであっという間に満開になりそうだ」と話していた。中国から訪れたという観光客が梅の花をバックに自撮り写真を撮影したり、地元の園児が遠足に訪れるなど、にぎやかな声が響き渡っていた。

17日開幕する第51回筑波山梅まつり(筑波山梅まつり実行委員会主催)は3月17日まで。会期中は、つくば観光大使の出迎え、筑波山名物ガマの油売り口上の実演、3月3日は筑波山水系の地酒を新酒で楽しめる「新酒DE筑波山地酒フェス」が催される。山麓の廃校には昨年11月、筑波山ジオパークの拠点施設「筑波山ゲートパーク」がオープンし、周遊観光による市北部地区の活性化が期待されている。(榎田智司)

◆筑波山梅まつりの問い合わせは電話029-869-8333(つくば観光コンベンション協会)

生きて、社会に抵抗せよ《電動車いすから見た景色》51

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イラストは筆者

【コラム・川端舞】「生きるのは苦しい」。子どもの頃からずっと感じてきたが、なかなか表出できなかった言葉が堂々と書いてあることに、私は心底安堵(あんど)した。社会を変えたいと望みながら、本当の自分をさらけ出す勇気すらない私に、そっと寄り添ってくれるような言葉だ。

1995年生まれのライター、高島鈴さんの初エッセイ集『布団の中から蜂起せよ―アナーカ・フェミニズムのための断章』(人文書院)。

高島さんは本書で、家父長制、異性愛規範、資本主義をはじめとする、弱い個人を追い詰める権力や差別を否定し、社会を変える働きかけ全てを「革命」と呼ぶ。「革命」と聞くと、行動力のある強い人がすることだと思いがちだが、著者によると、日常の中で自分を脅かすものに少しでも抵抗しながら生きることそのものがすでに革命への加担なのだ。

私は、世間のつくった「あるべき障害者像」を恨みながら、少しでもそれに近づこうとする自分が嫌いだ。窒息しそうなほど苦しいのに、誰かに褒められようと、笑顔で頑張る矛盾だらけの自分が大嫌いだ。そんな私に、「生きるのは苦しい」と断言しながら、それでも、たとえ布団から起き上がれなくても、今いる場所で生き延びることが「社会を変える力」だとする高島さんの言葉は響いた。

あなたという存在を伝えて

大げさなことはしなくてよい。家の近くの学校に、心地の良い服装で通う。ほしい情報を自分にとって分かりやすい方法で受け取る。周りから自分らしい名前で呼ばれる。愛し合った人と家族になる。そんな、あなたの望む生き方をすればいい。

しかし、この社会は、健常で、日本語が母語で、自分の性別に違和感がなく、異性愛で…、世間から見た「普通の人」しかいない前提でつくられている。そんな社会で自分という存在が無視されていると感じたときは、ほんの少し勇気を出して、この社会であなたという人間が生きていることを周囲に伝えてほしい。

伝える手段は何でもよい。具体的な行動をするエネルギーがないなら、今を生き延びるだけでいい。生きていれば、誰かがあなたの存在に気づくかもしれない。でも、あなたが死んだら、何も伝わらない。

社会は呆(あき)れるほどゆっくりとしか変わらない。それでも、誰かに生きづらさを押しつける社会を変えたくて、私は文章を書き続ける。私の言葉が小さな波紋となり、会ったこともないあなたと共鳴し合いながら、いつか社会を変える巨大な渦に合流することを願う。(障害当事者)

道路工事中に重機と接触 歩行者の胸骨にひび つくば

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つくば市役所

つくば市は15日、市が発注した同市栗原の道路改良工事で、12日午後4時35分ごろ、道路工事現場に歩行者の60代男性が入り、重機のショベルと接触して胸骨にひびが入るけがを負ったと発表した。

市道路管理課によると、歩行者の男性は散歩中で、業者が道路を通行止めにして工事をしていた。工事現場のバリケードに50センチ程度の隙間があったことから、通れると思って男性がバリケード内に入ったところ、重機が左に旋回し、ショベルが男性の胸に当たって、後ろに倒れた。

男性は救急車で病院に搬送され、胸骨にひびが入っているのが分かった。入院はせず、その日のうちに帰宅したという。

市によると、バリケードに隙間があったほか、現場に「工事関係者以外立ち入り禁止」の表示がなかったこと、交通誘導員は配置されていたが注意を怠り男性に声掛けしなかったこと、さらに重機を運転していた作業員も注意が不足していたことが原因としている。

けがをした男性に対しては、工事の受注業者が謝罪、さらに補償についても業者が対応するとしている。

再発防止策として市は受注業者に対し、工事現場の交通規制方法の再確認のほか、道路誘導員と作業員に安全対策の再教育をするよう指示すると共に、現在、市の工事を受注している全ての業者に対して安全対策に関する指導を徹底するとしている。

事故当時の状況に誤り

【3月5日訂正】つくば市は3月5日、事故当時の現場の状況について誤りがあったと発表した。2月15日の発表時点では、工事業者は現場を通行止めにして工事を実施し、現場のバリケードに50センチ程度の隙間があったと広報したが、再度、状況を確認した結果、事故発生当時は、重機の出入りのためバリケードが一時撤去され、通行止めの状態ではなく、通行止めの看板についても被害男性が歩いてきた方向からは確認できない状況だったとした。

市道路管理課によると、2月17日に被害男性の自宅で同15日付の事故の広報について説明したところ、被害男性から、事故当時の状況が異なる内容で発信されているとの申し出があった。同課が工事受注業者に再度確認したところ、被害男性の申し出通り、誤っていたことが分かったとしている。

市は誤った内容を広報してしまったことに対し被害者に謝罪すると共に、工事業者に対し正確に状況を報告するよう求めたとしている。

災害時の迅速な初動対応へドローン購入 土浦市新年度予算案

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2024年度当初予算案を発表する安藤真理子市長=土浦市役所

土浦市の安藤真理子市長は15日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比2.6%増の567億3000万円、特別会計などを含めた総額は同2.1%増の989億4000万円となる。主な新規事業は、水害や土砂災害発生時などに素早く初動対応ができるよう、俯瞰(ふかん)的な視点で情報を収集するため、消防本部がドローン1基を購入するほか操縦者の育成などを進める(2145万円)。

一般会計は過去4番目、総額は過去3番目に大きい額となる。3月5日開会の同市議会3月定例会に提案する。

モール505 歩行空間を再構築へ

中心市街地では、つくば科学万博が開催された1985年に高架道と併せて整備され、現在は空き店舗が目立つ土浦駅西口近くの川口ショッピングモール505について、街路空間を、人々が集い多様な活動を繰り広げる場にしていく「ウォーカブルシティ」の取り組みを国交省などが推進していることなどから、650万円を計上し、安全で魅力ある歩行空間の再構築に向け構想案を策定する。

つくばエクスプレス(TX)県内延伸構想の具体化に向け県が検討を始めたTX土浦駅延伸に向けては、昨年9月、国交省の準備段階調査箇所に採択された常磐道・土浦スマートインターチェンジ(IC)整備と併せ、交通ネットワークの形成を見据えて、約850万円を計上して沿線開発候補地となる可能性調査などを実施する。

常磐道・桜IC周辺の開発については、産業発展を促す拠点整備に向けて、23年度に地権者組織の発起人会が立ち上がったことから、24年度は6394万円を計上し、組合の前身となる準備委員会の設立に向けて地権者の合意形成を図るほか、詳細な事業化検討調査を実施する。

コミュニティバスの実証運行については8368万円を計上し、21年10月に運行を開始した中村南・西根南地区と22年10月運行開始の右籾地区に加えて、24年度は新たに乙戸南地区と並木・板谷地区で実証運行を開始する。

ヤングケアラーにヘルパー派遣

子育て支援は、病気や障害のある親などに代わって子供が家事やきょうだいの世話をしているヤングケアラーや支援が必要な子育て中の家庭に、食事の準備や掃除、洗濯などの家事援助をするヘルパーを派遣する子育て世帯訪問支援事業(約70万5000円)を実施する。

不登校児童生徒の支援は2700万円を計上、23年度に6つの中学校に設置した校内フリースクールを24年度はさらに2校増やし、市内8つの中学校すべてに校内フリースクールを設置する。

児童数が減少し学級数が適正規模に満たない小学校がある上大津地区については1億940万円を計上し、上大津地区統合小学校の28年4月の開校を目指し、新年度は基本・実施設計などを実施する。

昨年10月にスタートした小中学校の給食費無償化は新年度も継続する(約4億4500万円)。

道路交通法改正により昨年4月から着用が努力義務となった自転車利用者のヘルメットについて、小学生以下の着用率が73%、中学生は89%なのに対し、高校生は8%、65歳以上の高齢者は8.4%にとどまっていることから、高校生相当と65歳以上を対象にヘルメット購入費の2分の1を補助する(約80万円)。

文化財の保存と活用については、21年12月に土地・建物の寄贈を受けた登録有形文化財「一色家住宅主屋」について729万円を計上し、23年度に策定した市文化財保存活用地域計画に基づき保存活用に向け、耐震調査や利活用の市場調査などを実施する。

図書館、花火100年

ほかに、市立図書館は1924(大正13)年6月1日に開館してから今年で100周年を迎えることから、これまでの歩みを振り返り次の100年に向けて新たな一歩となるイベントを開催する(450万円)。

1925(大正14)に始まった土浦全国花火競技大会が来年の第94回大会で100年、7年後に第100回大会の節目を迎えることから、花火のまち土浦を発信していくため機構改革を実施し商工観光課の花火対策室を花火のまち推進室に改編する。

一方歳入は、経済の改善などにより個人と法人の住民税が増加し、市税全体で前年度比3.0%増加すると見込む。歳出の増加に伴って財源不足が生じることから、財政調整基金から23年度と同額の15億円を繰り入れる。これにより24年度末の基金残高は135億円になる見込み。

安藤市長は「厳しい財政状況だが『夢のある、元気のある土浦』に向けて、給食費の無償化を継続し、認定こども園での英語教室など特色ある保育を実施するなど子育て支援をさらに充実させる。常磐道スマートインターチェンジの1日も早い整備や、TXの土浦延伸に向け県と連携するなど、選択と集中を図る予算を編成した」などとしている。(鈴木宏子)

筑波学園病院内の「レストラン サンテ」《ご飯は世界を救う》60

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】サーロインステーキを初めて描きました。今まで、サーロインステーキって数えるほどしか食してないです。息子3人のお腹を、どうやって安価で栄養あるもので満腹にさせるか―こればっかり考えていました。そして、どうにかでっかくなりました。

筑波学園病院(つくば市上横場)にはめったに行かないですが、今回は連れ合いが整形外科を受診。かつては息子がはやり病とかで色々お世話になりました。でも、院内の「レストラン サンテ」は横目で見ても、毎回バタバタとスルーでした。それで、前々から一度入ってみたいと思っていました。今回ちょっと勇気。

病院ですから、優しい感じの麺類や和食かと思っていたら、サーロインステーキが「おすすめ」となっていて…。なんだか不思議ですよね。サーロインステーキが病院レストランのお勧め? お値段も超お得! それで、描くことに。いえ、食べることに。

病気でなくても、また行きたい

それが、食べつけない、つまり経験値が低いものは、描きにくいことが判明。育児後、まぁ、食べられれば食べたのですが、食べ慣れたものばかり食べるって、ありますよね。それに、上手に焼けないし…。

結構、描くのに苦戦です。お手軽価格の、とてもおいしいこのステーキ。もっと、おいしそうに描きたかったなぁ~。病気でなくても、また行きたいレストランです。

色々な方がランチなさっていました。病院のスタッフさん風の方。車いすでお連れの方に食べさせてもらっている方。多分、皆さん病院にご飯だけ食べに来ているのではないでしょう。

ご飯を食べないと生きていけない。そのたった1回の食事でさえ、長く診察の順番を待って、やっと終わって、結果がどうであれ、とにかくご飯を食べることができる。そんな何でもなさそうなことが、貴重で幸せなのではないかしら。

その一食が「おいしい!!」となったら、最高。サンテさん、これからも幸せな時間をつくってくださいね。(イラストレーター)

◆「レストラン サンテ」は2月19日から内装工事に入り、3月21日再開予定です。

サイバー攻撃の最新手口を紹介 関彰商事が対策セミナー

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セミナーの様子。講師はキヤノンマーケティングジャパンの佐藤英明さん=つくば市竹園、国際会議場大会議室

企業の経営者やセキュリティー対策担当者向けに、サイバー攻撃の最新の手口や対策を解説する「サイバーセキュリティ対策セミナー」が14日、つくば市竹園、つくば国際会議場で開催された。関彰商事(本社筑西市、つくば市、関正樹社長)が主催し、会場とウェブから約200人が参加した。実際の事例を元にサイバー犯罪の実態と被害防止対策について学んだ。

関彰商事は昨年12月にも水戸市で同セミナーを開催し、今回で2回目となる。セミナーは3部制で、警察庁関東管区警察局、茨城県警本部、キヤノンマーケティングジャパンから講師を招いた。セミナーではランサムウェアへの対策を中心にセキュリティ意識の啓発が行われた。ランサムウェアは、端末に保存されたデータを使用できない状態にし、復元と引き換えに金銭を要求するソフトウェアや悪質なコードの総称で、近年サイバー犯罪の中で最も被害が多いという。

関東管区警察局はランサムウェアによるサイバー攻撃の実演を行い、加害者側のパソコンと被害者側のパソコン2画面を示して、被害者の1クリックからパソコンが遠隔操作され、情報が次々と盗まれる過程を解説した。

県警本部は、サプライチェーンへのサイバー攻撃の事例を挙げ「何の対策もせずにインターネットを使うのは雪山に薄着で行くようなもの」と話し、セキュリティー対策を常に最新の状態で更新、継続していくことや、被害に遭った時の対処法を社内で決めておくことなどの重要性を強調した。

キヤノンマーケティングジャパンは、実際に起こった被害の事例を挙げ、データのバックアップをオフラインで保存しておくことの必要性を話した。また、ウイルス感染の警告が表示されるなどマルウェアが実行された可能性があれば、すぐにネットワークを切断し、画面をカメラで撮影して警察に通報するといった具体的な対処法についても解説した。

水戸市での第1回開催では、参加者から「実際の画面を見るデモンストレーションを通じて、ハッカーの具体的な手口を知ることができたのは有意義だった」「フィッシング詐欺メールの文面が巧妙になってきていることを知り、それに対する従業員への啓蒙も今後さらに必要になると感じた」といった声が聞かれたという。

主催した関彰商事ビジネストランスフォーメーション部の小林進さんは「社内でも常に新しい情報を取り入れ、サイバーセキュリティー対策をしている。役立つ情報を提供できればと考えセミナーを開催した。今後も継続して開催していきたいと考えている」と話した。

2022年の1年間で、県警へのサイバー関連の問い合わせ件数は3789件あったという。情報処理推進機構(IPA、東京都文京区)によると、ランサムウェアによる被害は2018年頃から確認されている。被害件数が毎年増加しており、同機構が毎年発表している「情報セキュリティ10大脅威」ではランサムウェアによる被害が4年連続1位となっている。政府は、2月1日から3月18日までを「サイバーセキュリティー月間」と定め、サイバーセキュリティーに対する取り組みを推進している。(田中めぐみ)