月曜日, 6月 15, 2026
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「老いる」が尊ばれた時代《看取り医者は見た!》24

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写真は筆者

【コラム・平野国美】「老いる」という言葉は、本当にネガティブな意味しか持たないのでしょうか?

その日、静岡の街はお祭りでした。夕方、駅へ向かっていたとき、法被姿の2人(写真)が私の前をさっそうと歩いていたのです。背中には「老中」と書かれています。江戸時代の劇で老中という要職を目にしますが、21世紀、市中で生きる老中を目にでき、心が少し躍りました。

町衆にも、こういった役職が存在するのでしょうか? 調べてもわかりませんでした。しかし「老」という漢字には単に年齢だけでなく、経験や地位、社会的な役割などに対する尊敬の意味合いもあります。相撲の世界でも「年寄り」という役職があります。江戸幕府には老中や大老という要職が存在しました。

「おばあちゃん」の役割と効果

前回コラム(7月20日掲載)では、「老後」という時間を持つ動物として、人間、シャチ、ゴンドウクジラを挙げました。これらの動物が生殖不可能になった後(老後)も生きる意味は、集団生活によるものとされています。閉経後のシャチは、狩りの仕方を集団内に伝えてリーダーシップを発揮しているというのです。

シャチの閉経は40~50歳と考えられており、その後は繁殖能力が低下します。しかし、閉経したシャチは経験と知識を生かして群れのリーダーシップを取り、狩りの成功率を高める役割を担っているのです。孫の面倒も見ているとされ、この「おばあちゃん」的役割をするシャチがいなくなると、子供シャチの生存率が低くなるのだそうです。

これらは「おばあさん効果」と言われています。祖母は高齢状態で出産をする危険を回避して自分自身の寿命を延ばし、孫の食事や面倒を見ることで、子孫の生存率を高める役割を担う。女性が老いてからの時期、つまり老後において、家族の生存に貢献していると考えられているのです。老いたシャチは負であるどころか尊いものなのです。

老後という時間を持つとされる人間、シャチ、ゴンドウクジラの3種は、老後においてその経験や知恵を活かし、集団の生存の安定化を図る重要な存在なのです。

「老」の存在感と生かす仕組み

人間社会で言う「おばあちゃんの知恵袋」的な言葉も、このような意味を持っているのかもしれません。町の祭事や争い事では、その解決を高齢者に委ねていました。高齢者も、その役目を果たすという生きがいがあったのかもしれません。昭和のある時期に、我々は、集団の中で「老」を生かす仕組みを放棄してしまったのではないでしょうか?

少子高齢化と言われる時代、「老」が何らかの存在感を示す―そういった高齢者の役割が意外と近くにあるようにも思えるのです。(訪問診療医師)

国保税33人分 口座引き落としできず つくば市 職員の操作ミスで

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つくば市役所

つくば市は2日、7月31日が納付期限の国民健康保険税第1期分(全納含む)について、市職員がシステム操作を誤り、33人分が銀行口座から引き落としできていなかったと発表した。計384万6700円分になる。

市国民健康保険課によると。口座引き落としで納付している加入者(被保険者)が利用する金融機関17行のうち、1行の金融機関に引き落としのデータが送信されず、引き落としできなかった。残り16行分は7月31日に引き落としが完了した。

2日、複数の加入者から市に連絡があり分かった。同課は2日、33人に電話でお詫びの上、代わりの納付方法について確認している。希望により再度、引き落としをすることもできる。加入者が市の口座に振り込むなどを希望する場合は、加入者に納付書を再送付するという。

再発防止策として同課は、複数の職員で作業手順の確認を行う等、チェック体制をさらに強化するとしている。

一服の清涼感感じて つくば駅前商業施設に大型タペストリー展示

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2日から展示が始まった関口千奈さんの大型タペストリー「夏の風物詩」。手前は優秀賞と奨励賞を受賞した日本国際学園大学の学生=トナリエMOG1階通路脇のプラザ・パフォーマンス・ギャラリー

日本国際学園大の学生がデザイン

涼しさを演出しようと、日本国際学園大学(つくば市吾妻)の学生がデザインした幅6メートル、高さ2.7メートルの大型タペストリーの展示が2日から、つくば駅前のトナリエMOG(モグ)1階プラザ・パフォーマンス・ギャラリーで始まった。

つくば都市交通センターと同大が10年前の2015年から連携して実施している取り組みで、両者による「タペストリーアートコンペティション」で優秀賞を受賞した2作品を9月13日まで交互に展示する。

2日から23日まで展示されるのは同大経営情報学部ビジネスデザイン学科1年、関口千奈さん(18)の「夏の風物詩」。夏を彩るアジサイ、スイカ、アサガオ、星空、かき氷の五つが、風鈴の鐘と短冊の形にそれぞれデザインされ、淡い青、水色、緑、オレンジ、ピンクの配色で描かれている。関口さんは「タペストリーの揺れから風鈴の揺れを連想して描いた」と話す。絵を描くのが好きで小さい頃からよく描いていた。今回初めてデザインの制作に挑戦し優秀賞に輝いた。

23日から9月13日まで展示されるのは同大同学科4年、矢治竜乃介さん(21)の「夢の蒼幻舞(そうげんぶ)。澄んだ青い海と空を舞台に、少女が夢の中で、空を泳ぐクジラやイルカ、カメ、マンタ、クラゲなどと一緒に踊る様子が描かれている。矢治さんは「見てくれる方が涼しさを感じてくれれば」と話す。卒業後は映像クリエーターとしてゲーム会社に就職することが決まっている。

8月23日から展示される矢治竜乃介さんの「夢の蒼幻舞」イメージ図

同大の学生6人から応募があり、関口さんと矢治さんの2作品が優秀賞、同大2年の柴田心歩さん(19)と4年の菊地祥真さん(22)の2作品が奨励賞に選ばれた。

コンペの審査委員長を務めた都市交通センターの関俊介理事長は「コンペは10回目となり、力作がそろった。買い物をする方、駐車場を利用する方、駅を利用する方が通る通路沿いに展示するので、ご覧になった方が一服の清涼感を感じると確信している」と述べ、「出来栄えがいいので他の駐車場にも展示できないかと考えている」などと話した。

同大の高嶋啓教授は「発想力や色のバランス、カラフルさなど、展示する場所に合う作品が選ばれている。クオリティーが高く、夏にふさわしい迫力ある作品になっている」と今年の受賞作品に対する評価を語る。

つくば都市交通センターの関俊介理事長(左端)から優秀賞の授与を受けた関口千奈さん(左から3人目)、矢治竜乃介さん(同4人目)、奨励賞を受けた柴田心歩さん(同2人目)、菊地祥真さん(同5人目)と、日本国際学園大学の高嶋啓教授(右端)

つくば市に住む娘の家族と駅前の商業施設に買い物に訪れた埼玉県に住む会社員、畠野智美さん(57)は、展示が始まった大型タペストリーについて「清涼感があってすてきだと思う」と話していた。

セミの羽化見られた! 筑波ふれあいの里で夜の昆虫観察会 

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光に集まってきた虫を観察する子供たち

昼間の暑さを逃れ、夜しか見られない生き物を子供たちに見て触れてもらおうと、筑波山麓の体験施設、筑波ふれあいの里(つくば市臼井)でこのほど、筑波山麓自然学校「夕方から夜の昆虫観察会」が開かれた。

羽化する瞬間のセミ

市内に住む11家族32人の親子連れが参加し、夕方、昆虫やカエルを虫取り網で捕獲したり、暗闇の中、テーブルに白い布を敷いて照明に集まる昆虫を観察するなどした。夏の夜にしか見られない、セミが羽化する様子が見られたほか、豊かな森にすむオオゴキブリ、沢の中でしか見られないタボガエルなど珍しい生き物も観察できた。

ふれあいの里が主催し、NPOつくば環境フォーラム(永谷真一代表)が委託を受けて子供たちを案内した。夜の観察会は、コロナ禍の影響や、夜間の安全性確保などから7年ぶりの開催となる。市内の35家族から申し込みがあり、抽選で選ばれた7歳から13歳の子供と保護者11家族が参加した。

当日は、開始と同時に雷雨に見舞われたが、野外での観察を屋内での座学に切り替えたり、夕食時間を前倒したり、研究発表の場所を野外に変更するなどして対応した。

ふれあいの里の高野徹也館長は「筑波山麓自然学校は2011年から開催しており、1年に7回のプログラムがある。久しぶりに夜の観察会の企画ができた。楽しみながら自然を満喫してほしい」とあいさつした。環境フォーラムの永谷代表は子供たちに「今日は調査員として活動してほしい。五感を使って探し、どんな生き物がすんでいるのかを学んでほしい」と話した。

雷雨のため野外の観察会は1時間ほど遅く始まったが、雨上がりの山麓で子供たちは歓声を上げながら、バッタ、カエル、カミキリムシ、ガ、セミ、カメムシなどを虫網で捕獲、スタッフに虫の名前を聞いていた。エサキモンキツノカメムシなど、普段聞かれない長い名前の昆虫を捕った参加者もいた。途中、山の向こう側に虹が見え、参加者は気象の変化も体感した。

夕方、虫取り網で虫を捕まえる子どもたち

続いて敷地内を移動し、スタッフがあらかじめ設営したライトトラップ(飛来昆虫捕獲器)の場所に移動。大きなテーブルに白い布を敷いて、虫が好む波長を出す強い照明を照らし虫を集める装置で、参加者はテーブルを囲んで光に呼び寄せられたカメムシ、コガネムシ、セミなどを観察した。

この日観察できた生き物は62種類、そのうちライトトラップによるものが21種類。夜の観察会だからこそ見られた昆虫はコフキコガネ、クルマスズメのほか、10種類以上のカメムシとガの仲間が観察できた。講師を務めた環境アドバイザーの秋山昌範さんは「本来ならこの10倍ぐらい集まるはずだったが(直前に雷雨があり)気象条件が悪く虫の数が少なかった」と話した。

同市自由が丘から参加した茎崎第二小4年の谷藤雫さんは「夜の山の中を歩き、虫を捕まえるが楽しかった。いろいろな虫の名前を覚えて勉強になった」と感想を述べた。(榎田智司)

夜の森を歩いて観察する様子

半日もかかるような心臓手術《医療通訳のつぶやき》9

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写真は筆者

【コラム・松永悠】医療通訳の仕事をしていると、たくさんの疾患に悩む患者と出会うのはもちろんのこと、様々な治療法、その治療を担当する医師にも出会います。

少し前、心臓疾患の患者を担当しました。重度の狭心症だけでなく、大動脈弁の働きも悪くなっているため、一度の開胸手術でバイパス手術と大動脈弁置換をすることになりました。心臓を停止させて人工心肺につなげ、12時間以上かかるような大掛かりな手術です。

循環器の病気に関しては今までも何度も経験していて、私にとって決して初めて聞くものではないのですが、やはりご本人やご家族にとって大変驚く話だと、表情からもその緊張が伝わってきます。

しかし、命に関わる状況なので他の選択肢もありません。最短の日程で手術が決まり、いよいよ当日の朝。私は手術室への入室が許可され、患者さんと一緒に心臓オペが行われる手術室へ移動。これまでに経験したどの手術室よりもスペースが広く、機材の種類も豊富で、心臓オペはいかに大変なものなのかがわかります。

きっと、手術中に多くの方が人命を救うためにこの部屋に集まることでしょうね。

最高のご褒美 至福の瞬間

朝9時から夜9時までかかりましたが、手術が無事終了して予定通りICUに移り、ここで2泊して一般病棟に戻る流れです。翌日の午後、ご家族と一緒にお見舞いに行ったら、既に意識がはっきりしていて、手を握ったりもできました。思った以上にパワーがあってびっくり!

しかし、ここからは「奇跡と驚きの連続」です。なんと、手術の翌日からリハビリ開始です。心肺機能の回復に大事なのは、どんどん使ってあげることです。完全に横になっている患者が最初にするのは、体を起こすことです。胸に20センチほどの大きい傷を負った方にとって、決して簡単なことではありません。

上体起こし→立つ→歩くと、リハビリを重ねた結果、一般病棟に移った日、つまり大手術を終えた4日目に、患者は200歩ほど歩くことができたのです。

1カ月くらいの入院もあっという間に終わり、めでたくご退院。入院期間中、患者は毎日笑顔とジェスチャー、そして携帯の翻訳アプリを使ってコミュニケーションを取ったそうです。そして退院の日、ご自身の足でナースステーションまで行って、翻訳アプリを使って1人1人と「会話」。

携帯で見せたのは、「今までありがとうございます」とか「大変お世話になりました」とか、簡単な言葉ですが、この患者が心を込めて笑顔とともに看護師さんに送りました。そしてみんなからも大きな拍手をもらったそうです。

高度な技術を持つ日本の医師。きめ細かい看護技法を駆使する日本の看護師。常に感謝の気持ちを忘れず迷惑にならないように気を配る中国の患者。この光景を見るのは、医療通訳にとってまさに最高のご褒美で至福の瞬間です。(医療通訳)

つくば市バースセンター全面運用開始へ 筑波大附属病院に専用フロア

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内覧会で、バースセンターの説明をする濱田洋実教授

助産師が中心となる院内助産システム「つくば市バースセンター」の専用フロアが1日、県内唯一の特定機能病院である筑波大学附属病院(つくば市天久保)内B棟6階に開設された。妊婦が陣痛から産後までを同じ部屋で過ごせる機能を持つ個室が12床整備され、19日から運用が開始される。出産に関するリスクが低い健康な妊産婦が対象で、家族の立ち会い出産が可能。

同センターは、同市北条の市立病院が2011年に休止し、産科医療の充実を求める市民の声が高まったことを受け、つくば市が協力して、同附属病院の周産期病棟内に2013年9月から部分的に6床で運用が開始されていた。当初の計画では全面運用開始は昨年12月の予定だった。

陣痛から分娩、出産後まで同じ部屋で

一般的に出産を控えた妊婦は、陣痛の間を陣痛室で過ごし、分娩を行う際には、分娩室まで移動する。同センターでは、陣痛が始まってから、LDR室=メモ=と呼ばれる個室に入院し、出産を経て、その後5日間を新生児と共に過ごす。陣痛から分娩、出産後の期間を同じ部屋で過ごすことができるため、妊婦は自力で移動することなく、負担や疲労を抑えることができる。

同センターに整備される12床全てが、LDR室仕様の完全個室で、専属の助産師15人が妊婦健診からお産まで主体となって関わり、出産までのプランを妊婦と共につくる。

同センターに入院を予定する妊婦は、少なくとも医師による健診が2回行われ、出産の際には必ず産科医師が立ち会う。

妊娠中や出産時に妊婦に異常が発生した場合は、同大産科・婦人科の医師、助産師による産科体制に移る。階下には、24時間体制で治療を行う新生児集中治療室(NICU)や新生児回復治療室(GCU)が設けられており、同じ建物内で速やかに同線が確保できる仕組みになっている。

LDR室の様子。クローゼットには生まれたばかりの赤ちゃん用の医療ベッドが収納されている

1室当たりの広さは30平方メートルほどで、正方形型と長方形型の2つのタイプがある。分娩台としての機能も併せ持つ妊婦用のベッドや、新生児用のベッドのほか、授乳するための専用の椅子、シャワーやトイレなどを完備し、医療機器はクローゼットの中に収納され、目立たないようになっている。分娩室に患者個人が自由に過ごせるスペースが加わった形で、暖色系の照明や木目調の床とインテリアで内装を揃え、落ち着きのある空間を提供する。

同室の内装に構想段階から中心として携わった、同附属病院看護師長の本多裕子さんは「内装をアースカラーで整え、リラックスできる環境をつくり出すことにこだわった。妊婦の方が持つ産む力を助産師全員で引き出し、元気に退院してもらえるように丁寧にケアをしていく」と話す。

同センター部長で、同大医学医療系産科婦人科学の濱田洋実教授は「日本は妊婦や赤ちゃんの死亡率が世界レベルで見ても低い。これまで積み上げてきた安全性を維持しながら、より安心して快適に過ごせる環境作りを目指す」と述べる。

同大の永田恭介学長は「つくば市は人口が増加している地方都市であり、出産するための場所を確保することが喫緊の課題。高齢出産やハイリスク出産などの問題も踏まえて、誰もが安全に安心して子どもを産み、育てられる環境を実現すべく、努力していく」と話している。(上田侑子)

【メモ】LDRは、陣痛、分娩、出産後の回復を意味する英単語の頭文字をとった略語。

夏の夜の道 《ことばのおはなし》72

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写真は筆者

【コラム・山口絹記】つくばで暮らすようになって10年が経つけれど、最近のように暑さの続く夜道を歩いていると、ふと遠くに来てしまったような感覚に襲われることがある。

最初の数年は、単に自分がこの街に慣れていないからだと思っていた。たまに地元に帰ると感じる懐かしさは、単純に慣れ親しんだ風景によるものだと疑うこともなかった。しかし、違ったのだ。この街には、潮の香りがない。違和感の原因は、何かがあることではなく、何かがないことだったのだ。

私は東京のいわゆる下町で育った。家から少し歩いても海が見えるわけではないが、比較的東京湾は近く、隅田川をはじめとしたたくさんの川が流れている。地図を眺めれば、「深」や「洲」、「潮」など、水に由来のありそうな地名ばかりで、特に夏の夜になると、決まって海から流れてくる風に乗って潮の香りがする。住んでいたころは全く気が付かなかったが、それはいつのまにか、自分にとってあって当然のものになっていたのだろう。

つくばの香り?

さて、この半年ほど、なんのご縁か、再び育った街の近くで仕事をすることになった。近くとはいえども、少し内陸寄りのせいか、夜になっても潮の香りはしない。しかし、つくばとも何か違った香りがするのだ。

「何の香りなんだろうなぁ」と夜道をスンスンしながら歩くのだが、いまだによくわからないでいる。はたから見たら完全に不審者なのだが、気になるので仕方ない。スンスンしながら夜道を歩く。そして、つくばエクスプレスでつくばまで戻り、駅を出ると「ああ、つくばに帰ってきたな」と感じるのだ。これはもしかすると、つくばの香りなのだろうか。わからない。

まぁ、私がその要因に気づくのは、いつか遠くに引っ越した時かもしれないし、一生わからないのかもしれない。それでも、いつかその何かが、自分にとって当然のものになってくれたらうれしいような気がしているのだ。(言語研究者)

痴漢・盗撮被害防止ポスターを作り直そう 筑波大生有志がイベント

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イベントポスターを掲げる上田咲希乃さん(左から3人目)と運営メンバー

つくばエクスプレス(TX)の駅構内などで目にする、痴漢や盗撮の注意を呼び掛けるポスターの問題点、改善点について話し合い、新たにオリジナルのポスターを制作するイベント「ちかん、盗撮 誰のせい?」を、筑波大学の学生有志が8月10日、つくば駅前のつくばセンタービル1階 co-en(コーエン)で開催する。県内在住の高校生、大学生、社会人などと、痴漢・盗撮被害について考える。

主催者代表を務めるのは、筑波大学社会・国際学群、社会学類3年の上田咲希乃さん(21)。同大生、院生、卒業生9人が集まり、今年6月、「ちかん、盗撮 誰のせい?」プロジェクトを立ち上げた。

上田さんは、TX駅構内に掲示されている痴漢・盗撮被害防止ポスターを見て「被害者がスカートを履いている、夜道に1人で歩いているなどの状況で被害に遭いやすいと書かれており、被害者の側が特定の服装を控えるよう受け取れることや、被害者に自衛を求める姿勢に違和感がある」と感じ、同じ問題意識を持った仲間に呼び掛けた。

今回のイベントは、痴漢・盗撮被害防止ポスターの提供元であるつくば警察署の協力や、市ダイバーシティ推進室と連携し実現することができた。

参加者はA4の紙を用いて、1人一枚ずつポスターを制作する。参加者のアイデアや意見を参考に、同団体が新たにポスターを作成する予定で、TXの駅構内や、同警察署が管轄するショッピングモールに掲示してもらう予定だ。

ほかに、臨床心理学や犯罪心理学が専門の同大の原田隆之教授、社会学やジェンダー問題が専門の鈴木彩加准教授によるトークセッションを開いたり、性暴力や性差別をなくすために活動する慶應義塾大学の学生団体などが出展する痴漢・盗撮被害に関するブースを通して、参加者は必要な知識や情報を集め、ポスター作成に取り組む。

会場の全員が安心して参加するためのルールを定め、参加者のプライバシーを守り、過去にトラウマを抱えた参加者なども心理的に安心して参加できるよう環境づくりをする。

上田さんは「現状のポスターに違和感を感じない人がいるのも事実。被害者の責任、過失とも受け取れるような現在のポスターや、社会でこれまで形成されてきた痴漢・盗撮被害を軽視する風潮などの問題点を、参加者が認識し見つめ直す機会になれば」と話し、「この問題に本気で取り組み、最終的には注意を呼び掛けるポスターなしでも、痴漢・盗撮犯罪やその予兆が起こらない社会を目指したい」とした。(上田侑子)

◆イベント「ちかん、盗撮 誰のせい?」は、つくばセンタービル1階 co-enのcoイベントスペースで、8月10日(土)午後2時〜4時半まで開催。参加費無料。参加者は先着20人。申し込みは、同団体申込フォームへ。詳しくは同団体公式インスタグラムへ。

新千円札の北里柴三郎《くずかごの唄》141

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明治25年に行われた薬剤師国家試験合格者の集合写真(左)と平沢有一郎(写真とイラストは筆者)

【コラム・奥井登美子】祖父の平沢有一郎(上の写真右)は慶應3年(1867)に生まれた。明治25年(1892)に行われた薬剤師国家試験で茨城県では初めて合格し、26号の合格証がある。その年に合格した全国28人が大事な実験器具の周りに集まって撮った集合写真(同左)も我が家に残っている。

北里柴三郎は明治25年、福沢諭吉の援助で日本初の伝染病研究所を設立した。次の年、芝白金三光町に結核患者の結核療養所をつくった。諭吉は日本で初めてのこのサナトリウムを「土筆ケ岡養生園(つくしがおか ようじょうえん)」と命名した。

柴三郎を尊敬した奧井有一郎

土筆ケ岡養生園の便せんに書かれた平沢有一郎の手紙(筆者提供)

北里柴三郎の人と仕事を尊敬し、その仕事の手伝いをしたかった平沢有一郎は土筆ケ岡養生園に就職し、夢中で働いていたらしい。この養生園の便箋に書かれた手紙(本欄の写真)が我が家に残っている。彼は結婚して奥井家に入り、奥井有一郎になった。

有一郎の孫にあたる奥井勝二は、私からは義兄になる人。手先が超器用な優しい人で、おじい様をとても尊敬していた。義兄は千葉大学医学部の外科医で、働き盛りのころは考えられないほど忙しい毎日を送っていた。

医療用の機械にロボットなどない時代、医者の体力と技術だけが頼りの手術だったので、ものすごく多忙な毎日だった。胃がんの手術500回分のデータをまとめた資料を見せてもらったこともある。

「今日は有一郎おじい様の命日です。お参りに行きたいけれど、行かれない」

「手術を待っている人、たくさんいらっしゃるのだから仕方ないわよ」

「ごめんなさい。おじい様にお花を挙げておいてください」 

新千円札の顔をなでながら

義兄も、96歳の天寿を全うして宇宙に飛び出してしまった。私は千円札になってしまった北里柴三郎の顔を指でなでながら、この人に痛烈にあこがれた2人の人間がこの家にいたという事実をかみしめている。(随筆家、薬剤師)

水道料金平均15%引き上げが妥当 つくば市の審議会が答申 来年4月から

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答申について五十嵐市長(手前)に説明するつくば市上下水道審議会の白川会長

4人世帯 22%増の月2900円から3550円に

つくば市の水道料金について、同市上下水道審議会(会長・白川直樹筑波大准教授)は29日、来年度から平均15%引き上げることが妥当とする答申書を五十嵐立青市長に提出した。9月3日開会の市議会9月定例会議に提案し、答申通り来年4月からの引き上げを予定している。値上げされれば2018年度以来。

市の試算によるとモデルケース別では▷一人暮らし世帯(メーター口径13ミリ、月平均7立方メートルを使用)は現在の月額1200円から15%(180円)増の1380円▷2人暮らし世帯(口径20ミリ、月14立方メートル使用)は2060円から23%(470円)増の2530円▷ 4人暮らし世帯(口径20ミリ、月20立方メートル使用)は2900円から22%(650円)増の3550円になると試算されている。

期間は2029年度までの5年間で、5年後に再び改定を検討する。平均15%の引き上げは、23年3月策定の市水道事業経営戦略の財政シミュレーションと同率で、同戦略は5年後の2030年度にもさらに15%引き上げを見積もっている。ほかに下水道料金の改定についても現在、市下水道事業経営戦略を策定する審議会の中で審議されている。

基本水量を廃止、大口の引き上げ率低く

29日出された答申によると、上水道が普及していない地域の解消や、老朽化している施設や水道管の更新費の財源を確保するため水道料金を引き上げる。引き上げられれば、現在口径13ミリと20ミリを使用している一般家庭などは2022年度の実績で供給単価が給水原価を下回っている状態だが、赤字が解消される。

今回の引き上げにあたっては基本水量を廃止するのが特徴の一つ。基本水量は、口径13ミリ、20ミリ、25ミリの世帯などに対し、使用水量が月10立方メートル以下の場合、現在は使用量にかかわらず0円としている料金を、使用水量に応じて1立方メートル当たり40円とする。代わりに口径13ミリと20ミリの基本料金を50円から100円引き下げる。これにより口径13ミリで月2立方メートル以下しか使用しない世帯や、口径20ミリで月1立方メートル以下しか使用しない世帯などは改定により水道料金が月10円から100円下がる。具体的には、市内に家があるが常時居住していなかったり、空き家などを所有している世帯が引き下げの対象になるとみられる。

さらに2018年度の引き上げの際は、引き上げ率が平均21%、4人暮らし世帯は平均16%引き上げなど、一般家庭の引き上げ率を低くし、大口使用者の引き上げ率を高くした。今回は料金の公平性を高めるため、大口使用者の引き上げ率を、口径50ミリは14%、75ミリは10%、100ミリは9%引き上げなど一般家庭に比べ引き上げ率を低くする。市全体では平均15%、4人暮らし世帯は22%の引き上げになる。

答申を受け取った五十嵐市長は「(答申の)内容を重く受け止め、市民の負担と経営のバランスを考慮しながら計画的に事業を行っていきたい。議会にお示しした上でご意見を伺って、市民の皆さんにも丁寧に理解を得られるような説明を心掛けていきたい」としている。

市民への説明について市水道総務課は、議会で可決されれば、10月から市広報誌やホームページのほか、ちらしを各戸配布して周知したいとしている。(鈴木宏子)

TX研究学園駅に「駅ピアノ」を設置 《けんがくひろば》8

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研究学園駅構内に置かれた駅ピアノ(筆者提供)

【コラム・髙野勝憲】7月1日、TX研究学園駅の構内(改札口外側コンコース)に「駅ピアノ」を設置させていただきました。今回のコラムでは、誰でも自由に弾ける駅ピアノをなぜ研究学園駅に寄贈したのか、私の思いを述べたいと思います。

一つは、駅利用者や近隣住民の皆さんに癒しや潤いを与えることができればと思っています。通勤や通学で研究学園駅を利用される方々は、気分のいい日もあれば気分が乗らない日もあるでしょう。そのとき、誰かが奏でる駅ピアノで前向きな気持ちになってもらえたらと思います。

二つ目は、この駅ピアノが地域のコミュニケーションの場になればということです。老若男女、市在住・在勤を問わず、この新しい街で生活する人たちに触れ合いが生まれる場所になればと思います。学校帰りの子供の演奏を通りがかった方が耳にして拍手を送る、といったように。

そういった思いを込め、ピアノのバックボードには、この地域で活動されている方々の団体名を記載させていただきました。

学園の思い出のシンボルに

もう一つ、研究学園駅が駅利用者や近隣住民の愛される場所となることです。私は生まれも育ちも仕事もつくばで、そしてこの地を愛しています。先祖代々からの地元の方々、学園都市開発のために越して来られた方々、この街に魅力を感じて新たにお住いになられた方々―すべての方々に、この地を愛してもらえたらと思います。

特に子供たちに、です。価値観が多様化している現代社会において、子供たちには様々な経験をし、活躍をしてもらいたいと思います。その上で、この地に縁がある子供たちには、この地を忘れずに愛するふるさとと思ってもらえるよう、駅ピアノがこの地の思い出のシンボルになればと思います。

そういった願いを込め、茨城県出身のデザイナーに駅ピアノの企画を練ってもらい、つくば市出身のアーティストに学園都市にまつわる絵を描いてもらいました。また、1日の開設セレモニーでは、つくば市出身のピアニストに記念演奏をお願いしました。

このピアノが末永く愛され、皆さんの心に潤いを与え続けるとともに、研究学園の心のふるさにとなってくれることを願っています。(株式会社ホテルベストランド 代表取締役)

狛犬さんのお導き《令和楽学ラボ》30

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諭鶴羽神社と狛犬(右側手前)=筆者撮影

【コラム・川上美智子】つくばの保育園園長をこの3月に卒園し、4月からは人生で一番近い職場、関彰商事の水戸オフィスに勤務している。NHKの大河ドラマ「光る君へ」と朝の連続テレビ小説「虎に翼」を見る余裕も生まれた。いずれのドラマも時代に抗して突出した能力を発揮し活躍する女性が主役なので、応援しながら見ている。

「光る君へ」の中では、紫式部、清少納言の2人の才女が源氏物語と枕草子を記すさまも描かれるようであるが、高校時代に少しかじっただけで今まで関心をもつことはなかった。しかし、テレビが縁で頭の中が平安モードになり、がぜん興味が沸いた。筑波山が、常陸風土記や古事記、日本書紀に歌垣(うたがき)の山として描かれていることは見聞きしていたが、源氏物語の「東屋」の冒頭にも登場し、「浮舟」へとつながることを初めて知った。

また、枕草子第15段には、「峰は」として、私の生まれ故郷の淡路島の山がつづられていることを知った。

峰は、ゆづるはの峰。あみだの峰。いやたかの峰。

この「ゆづるはの峰」こそ、淡路島最高峰(と言っても607.9メートル)の諭鶴羽(ゆづるは)山であり、父の実家、現在の南あわじ市灘仁頃と母の実家、洲本の間にそびえ立つ険しい山だった。特に南斜面は、四国から紀伊水道にかけて走る中央構造線に続く断崖層となっており、歩いて登るのは大変である。そのため、古くから山岳信仰の修験道の霊場として発展し、急斜面には修行僧が行く細い古道がつくられ今も残されている。

私は、この年まで一度もこの山に関心がなく、400メートル地点に諭鶴羽神社があることも、この神社がその地域の守護神となっていて、祖父や父が大事にしてきたことも知らずにいた。

由緒ある諭鶴羽神社

ところが、「光る君へ」のご縁か、先日、神社行きがかなったのだ。昔の茶の研究者仲間で静岡在住の元伊藤園の方が淡路島出身で、SNSを通じて私が7月の墓参りの際に神社に行きたがっていることを知り、すぐに連絡をくれて、諭鶴羽神社への案内をかって出てくれた。険しい山道を車で登ると、深い森の中に鳥居が現れた。

諭鶴羽神社は、国生み神話(紀元前、第九代開化天皇の時代)のイザナギ、イザナミの二神が鶴に乗ってこの山に降り立ち権現となったのが始まりとされる由緒ある神社であった。熊野古道で有名な熊野の神は、この諭鶴羽神社から渡っていったという記述があり、平安期には28の大伽藍(がらん)がある大霊場だったという。豊臣秀吉もこの神社を参ったとの記録が残っている。

現在は、諭鶴羽神社と奥の院が残されているだけであるが、羽生結弦選手がオリンピック前後に訪れたこともあって、若い女性たちの人気パワースポットにもなっている。

この神社に関心をもったもう一つの理由が狛(こま)犬である。昭和56年に父と伯母が神社に狛犬を寄進したことが最近わかったのだ。その礎石には「昭和の初めに先代(祖父)が献進した青銅製狛犬が大戦中に供出献納され、改めて石造狛犬一軀を寄進する」と書かれていた。

参拝の折、狛犬のことをご存知の宮司さんにも偶然お会いでき、自分といろいろつながりのある神社に導いてくれたドラマと狛犬さんに感謝している。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)

アニメ「パトレイバー」の聖地 土浦に巨大ロボット出現へ 8月3日夕

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26日から展示が始まった機動警察パトレイバーに登場するロボット「イングラム」の模型=土浦市中央、亀城プラザ1階

キララまつり会場

アニメ「機動警察パトレイバー」の聖地、土浦に8月3日夕、同アニメに登場する高さ10メートルの巨大ロボットが出現する。3日と4日、同市中心市街地で開催の夏祭り「土浦キララまつり」の開催に合わせて、まつり会場の一つ、同市中央、亀城公園前に登場する。ロボット立ち上げイベントに先立って7月26日から、同公園前の亀城プラザで、同ロボットをデザインした4回目となるマンホールカードの配布と、同ロボットの模型などの展示が始まった。

3日登場する巨大ロボットは、実写版映画に登場した実物大の機動警察のロボット「イングラム」で、高さ10メートル、幅4.5メートル。同日午後5時から8時まで、歩行者天国になる亀城公園前のバス停近くで、トレーラーの荷台から立ち上がる。同アニメに登場する土浦研究所で製造された「グリフォン」は、イングラムの敵役という設定になっている。

ロボットの立ち上げイベントを盛り上げるため、同日午後3時30分から4時30分まで亀城プラザで、アニメファンでタレントの喜屋武ちあきさん、ワンピースなどのアニメ作品に出演している声優の千葉繁さん、機動戦士ガンダムなどに関わったメカニックデザイナーの出渕裕さんらのトークイベントやコスプレイベントも予定されている。

立ち上げイベントは、東京・吉祥寺や新宿など各地で開催されており、土浦では初めて。立ち上げやトークイベントなどの事業費は約270万円。

26日からカード配布やフィギア展示

配布が始まったマンホールカード(土浦市提供)

26日から亀城プラザ1Fエントランスホールで配布が始まった新しいマンホールカードは「霞ケ浦総合公園☓バド」と題し、同公園にあるオランド風車を背景に、パトレイバーに登場するイングラム1号機が描かれている。併せて同会場で、イングラムの模型と操縦席、劇場版で登場する建造物「方舟」の模型のほか、歴代のマンホールカードの展示が8月3日まで1週間行われる。

マンホールカードは2016年に配布が始まり、今回が23弾となる。23年の第20弾からはデザインをパトレイバーとしている。今回のマンホールカード配布などについては59万円を計上している。

聖地巡礼を

同市はアニメファンの聖地巡礼など、にぎわい創出に向けて、2022年1月に同アニメ30周年記念企画展を開催した(22年1月13日付)。続いてマンホールのふたをパトレイバーのデザインに変えるデザインマンホールの作成(22年5月28日付23年3月24日付)、土浦で誕生したという設定のグリフォン像の設置(23年12月15日付)など、アニメを活用した取り組みを実施している。

同市の市長公室政策企画課の栄貴尋さんは「パトレイバーを通じて、土浦市の良さをもっと多くの人に知ってもらえれば」と話す。

機動警察パトレイバーは、ロボット技術による歩行式の作業機械「パトレイバー」が普及する近未来が舞台となり、新設されたレイバーの活躍を描く漫画やアニメ。作品には「土浦研究所」が登場している。1988年から劇場版やテレビシリーズが制作され、今も根強いファンがいる。(榎田智司)

◆マンホールカードの配布は7月26日(金)から亀城プラザで。配布時間は午前9時から午後4時。ロボット模型などの展示は、同プラザで7月26日から8月3日まで。

◆巨大ロボットの立ち上げ(デッキアップ)イベントは8月3日(土)午後5時から8時まで、亀城公園前のバス停「亀城公園前」付近で、数回に分けて立ち上げる。トークイベントは予約多数によりすでに満席。

◆土浦キララまつり2024は8月3日(土)と4日(日)の2日間、土浦駅西口前から亀城公園前までの駅前通りを歩行者天国にして開催。3日は市内などの高校10校の高校生による「学祭TSUCHIURA」や「七夕おどり」が実施され、参加者が土浦駅前通りを練り踊る。夜には霞ケ浦湖岸で花火を打ち上げる。4日は山車の競演が行われる。

霞ケ浦が優勝、つくば秀英は涙のむ【高校野球茨城’24】

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優勝を決めマウンドに集まる霞ケ浦ナイン(撮影/高橋浩一)

第106回全国高校野球茨城大会は最終日の27日、ノーブルホームスタジアム水戸で決勝戦が行われ、霞ケ浦がつくば秀英を9-3で破り、5年ぶり3回目の優勝を飾った。8月7日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催される全国大会に出場する。

閉会式で、ダイヤモンドを一周する霞ケ浦の選手たち

霞ケ浦は終盤、緊張と疲れからミスが出たつくば秀英を攻め立て、突き放した。つくば秀英の櫻井健監督は「夏を勝ち切る力が残っていなかった。技術面や精神面のほか体の疲れも大きく、選手の100パーセントの力を発揮させてあげられなかった」と悔やんだ。

準優勝のつくば秀英の選手たち

序盤は霞ケ浦の市村才樹、つくば秀英の羽富玲央の両2年生エースが好投し、3回までともに無失点。試合が動いたのは4回裏、きっかけは霞ケ浦の4番・羽成朔太郎の右前単打を二塁打にする好走塁だった。「当たりは良くなかったが、ライトの守備が深いのを見て、打った瞬間から2つ行こうと思った」と羽成。これには相手投手の羽富も「ただのライトゴロと思って打球から目を切り、気付いたら走者が二塁にいたので、なぜそこにと驚いた」と動揺を隠せなかった。

4回裏霞ケ浦1死二塁、大石健が左前へ先制打を放つ

5番・大石健斗は「羽成の執念を無駄にできない、返さなくてはという使命感で、来た球を余計な感情なくフルスイングした」。と、これが左前への適時打となり1点先制。その後7番・片見優太朗と8番・鹿又嵩翔の連続内野安打などで2点を追加、つくば秀英の羽富をノックアウトした。

大石健の先制打で、羽成が生還

つくば秀英は7回表に反撃、6番・稲葉煌亮の左中間二塁打と、7番・知久耀の左前適時打で1点を返す。さらに代打攻勢に出たが、これが次の回に影響する。羽富の後は中郷泰臣が登板し6回まで無失点に抑えていたが、代打を出したことで彼を下げざるを得なくなり、7回裏のマウンドには三塁手の大石隼也が登った。

大石隼はこれまでに何度もチームの窮地を救ってきたが、打・守・投の3役を一人で引き受けるのは荷が重い。本来の投球内容ではなく、またチームにエラーやミスが続出しこの回3失点。6-1とされる。

8回表つくば秀英1死満塁、吉田泰規の中前適時打でつくば秀英が2点を返す

8回表は、それまで好投を続けてきた霞ケ浦の市村が捕まり、4安打を浴び2失点。ここで眞仲唯歩がマウンドへ。1死一・二塁の場面で大石隼をスライダーで三ゴロ、代打・石井清太郎は見逃し三振で抑えた。眞仲は「大石には打たれてもいいつもりで戦う気持ちを前面に出した。石井にはまっすぐがアウトローに決まり、相手も手を出せなかった」と振り返った。

8回のピンチを切り抜け、タッチを交わす霞ケ浦の眞仲(赤いグラブ)と市村(右)

これで立ち直った霞ケ浦は8回裏にも3点を追加、9回表も眞仲が抑えて試合終了。「8回の守りでは去年の悪夢も頭によぎったが、前半の得点が生きた」と高橋祐二監督。大石隼との対決では「ホームランを打たれても同点止まり。負けないんだから恐れずに行け」と眞仲にアドバイスしたという。

8回裏霞ケ浦2死三塁、羽成が右翼線へ適時二塁打を放ち9-3とする

「甲子園で校歌を歌うためにこの1年間頑張ってきた。みんなで力を合わせて目標を達成したい」(高橋監督)との思いで、霞ケ浦ナインは次のステージに挑む。(池田充雄)

里山子ども探偵団《宍塚の里山》115

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写真は筆者

【コラム・阿部きよ子】私たち「宍塚の自然と歴史の会」は、将来に向け里山を保全していくためには、若い世代が里山の魅力を体験することが欠かせないと考え「環境教育」に力を注いできました。

1989年の会発足時からテーマのある月例観察会を行いましたが、小さな子どもは参加しても、専門の先生の話に集中することは困難でした。そこで2001年から、子ども中心の遊びと観察の会「子ども探偵団」を始めました。以来、雨天以外、毎月第4土曜午前10~12時に実施しています。生物多様性の宝庫、美しい里山景観の中での体験が、成長していく彼らの「ふるさと」体験となってほしいと願って活動しています。

毎回、下見をして主な内容とコースを計画していますが、集まった子どもたちの様子、天気などで変更もします。今年の様子を一部紹介します。

7月は短距離日陰コース

1月:メインは落ち葉のプール作りと「小屋」作り。

2月:前半は梅の花見とアカガエルの卵塊観察。後半は「アスレチック広場」で体を動かす遊び。木登り、ターザンロープ、スラックライン、ゲンコ、ブランコなどなど。ゲンコは地元のお年寄りから教わった昔ながらの遊びです。木の枝の枝分かれしたY字の部分を削って尖らせた「ゲンコ」を地面に投げて突き刺し、さらに倒し合います。

3月:雨天で中止

4月:池に浮かぶ水草のヒシ、雑木林の春の草花の観察。保全活動を兼ねた孟宗竹のタケノコ倒し。

5月:ドングリから育ち始めたコナラの芽と根の観察。ヒバカリ(無毒の蛇)、鮮やかな色のフクラスズメ(蛾の幼虫)の観察。多くの子が怖がらずに触ることができました。

6月:ネムの花の観察、朽ち木の間の甲虫捜し、保全活動を兼ねた真竹のタケノコ倒し。採集した生き物は、毎回観察後、元に戻しています。

7月:猛暑だったので短距離日陰コース。宍塚大池で、ブルーギルが水に落ちたバッタを食べる様子を観察し、水面に広がるヒシが水に浮く仕組みや、葉っぱを食い荒らすハムシの幼虫と卵を観察。セミの抜け殻を拾い集めながら林の中を進む途中、コケに包まれた小鳥の巣が落ちていたのを発見。

思いがけないものを発見

初めて参加する子の中には、とても物知りだけれど、実際の生き物を見つけたり、触れることのできない子がいます。でも、経験ある子どもと接する中で、積極的に生き物に接していく姿がしばしば見られます。また、参加した子が次には友達を誘ってきてくれることもあります。

毎回、子どもたちは思いがけないものを発見してくれるので、スタッフの私もわくわくします。この里山が、将来も、子どもたちの育つ場として生かされることを願っています。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

400人規模の市職員対象に睡眠の質調査へ 筑波大とつくば市が実証研究

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実証研究について説明する筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史機構長

つくば市と筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(柳沢正史機構長)は26日、睡眠の課題発見と解決に向けた連携協定を締結した。400人規模の同市職員を対象に、今年秋ごろから睡眠の質を調査し、さらに改善策を検証する実証研究を共同で実施する。

おでこなどにシールを貼って、自宅で眠っている時に脳波を測ることができる機器を対象者に貸し出し、個々の職員の睡眠の質と量を測定し解析する。さらに睡眠に関する個々の問題点をそれぞれ洗い出して、改善策をアドバイスなどして、再び脳波を測定してもらい、改善できたかどうかを検証する。

脳波の測定は一人に付き眠っている間の5日間ほど。改善策やアドバイスを受けて再び5日間ほど脳波を測定し検証する。

実証研究の対象者や方法など詳細は今後決めるが、一つの職場で400人規模で実施することにより、働く世代の睡眠に関する有病率がどれくらいか分かることが期待されるほか、例えば、測定結果や改善策をすぐにアドバイスするグループとそうでないグループに分けて、自分の睡眠を知ることがどれだけ行動変容につながるのか、本人が自分の睡眠を自覚するだけでどのような変化があるかなどの検証も期待できるという。実証研究の対象職員からは併せて、飲酒など普段の生活習慣や生活パターンなどを聞き取り、睡眠の質や量と突き合わせる。

柳沢機構長が、功績の大きい研究者に贈られる2023年の国際的な学術賞「ブレイクスルー賞」を受賞し、受賞記念講演を聞いた五十嵐立青市長が柳沢機構長に働き掛けたことがきっかけという。実証研究の費用は約970万円で市が負担する。9月議会に提案し、可決されれば、10月か11月ごろから来年3月まで実施する計画。

柳沢機構長は「健康の3要素は食、運動、睡眠といわれるが、睡眠だけは自分で自覚できない。企業の従業員や自治体の職員などが問題を抱えている時の生産性の低下は、睡眠による影響が食、運動に比べて10倍大きいという調査もある。睡眠が悪ければ病気になりやすくなるのに加えて、睡眠不足を含めた睡眠障害は直接に頭や体のパフォーマンスに影響してきて生産性が下がる。感情のコントロールもできにくくなるので人間関係や信頼関係が悪くなりがちということもあって、その辺りを職域で改善することは極めて大事になる」とし「在宅で脳波を測れるデバイスを用いて、客観的に職員の睡眠を測り、高解像度で睡眠を見える化した上で、個人の問題点を洗い出して、改善策をアドバイスするなり、探っていき、さらに改善できたことを検証したい。この手の実証研究は数十人でやるなど、ともするとスケールが小さくなりがちだが、職域を一つのフィールドとして400人規模で自治体が率先して行っていくことに敬意を表したい」と話した。

五十嵐立青市長は「ノーベル賞につながるといわれるブレークスルー賞を受賞した柳沢先生が率いられる機構とご一緒できることはひじょうに価値がある。共同研究の成果は直接的に市民の健康に資する。睡眠が幸福度の大きなカギだと確信しているので、協定をきっかけに市民の幸福度を高める取り組みを進めていきたい」と話す。

飛行機が苦手だけれど《遊民通信》93

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【コラム・田口哲郎】

前略

私は航空機移動が苦手なので、国内は鉄道で旅することにしています。先日、長崎に行かねばならない用事があったのですが、スケジュールの関係でどうしても飛行機を選択せざるを得なくなりました。

飛行機のチケットをとったときから不安になり、それが着陸まで続きます。新幹線があるのに、なぜわざわざ上空1万メートルを飛んでゆく必要があるのかとか、旅客機はまったく近代の産物で、おかげで人類は進歩できたけれども、それは多くの犠牲のうえに成り立っているなどと、余計な思考が頻繁に頭をよぎるようになりました。

軽い鬱(うつ)状態で、機内で離陸時、着陸時にはパニックに陥ってしまうかもしれないと、いま思えば大げさなことを考えて不安をどんどん大きくしていました。

快適な天空の旅

さて、実際に搭乗し、着席し、飛行機が動き出しました。猛スピードが出て、浮揚し、ぐんぐん高度を上げてゆく機体の中で湧いてきたのは、不安というよりワクワク感でした。あの高揚感は技術のフロンティアを築いてきた人々への憧れと尊敬なのでしょうか。とにかく、説明のつかない気持ちでした。

高度1万メートル辺りになるとシートベルト着用サインが消えて、機体は水平になります。窓の外を見やると、雲上の世界。青と白、遠く霞む水平線。陽の光に照らされた明るい、澄んだ景色が目に入りました。不安はどこかに飛び去り、美しい光景に感動し、神の目をもったような気分になりました。

天空の航行を楽しんでいると、キャビンアテンダントが飲み物はいかがですかと笑顔で話しかけてくれます。天女のやさしさを思わせます。リンゴジュースを飲むと、エデンの園のりんごはこんな味だったかと想像するほどに、フライトを心地よく思っている自分がいました。

時速900キロほどの速度ですから、羽田から長崎まで2時間弱で着いてしまいました。無事着陸した時の衝撃音で地上の現実に戻ったことを悟ったときには、天が恋しいとさえ感じました。異国情緒漂う長崎で所用を済ませて、帰るときにも、行きのような心境の変化がありました。多少の不安、離陸の高揚感、天空の夢心地、そして地上の覚醒、着陸した後のひと安心。

成田空港が近い茨城県南では、航空機が飛行するのをよく見かけます。いままでは他人事で気にもかけていませんでしたが、このごろは人類の英知を結集した航空機がクルーの皆さんのたゆまぬ努力で多くの人に快適な翼の旅を提供していることに想いを馳(は)せることができるようになりました。

空の旅は非日常に誘ってくれますね。ごきげんよう。

草々

(散歩好きの文明批評家)

霞ケ浦が守谷破る、決勝はつくば秀英と【高校野球茨城’24】

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7回表守谷1死一・二塁、遊ゴロからのダブルプレーに仕留める。二塁手・森田、遊撃手・鹿又(撮影/高橋浩一)

第106回全国高校野球茨城大会は15日目の25日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝が行われ、第2試合では、霞ケ浦が守谷を6-2で破った。これで決勝戦の組み合わせはつくば秀英-霞ケ浦に決定した。

霞ケ浦と守谷の試合は序盤の点の取り合いから、中盤以降は締まった展開になった。結局、霞ケ浦が3回に奪った4点のリードを守って試合を決めた。

3回裏霞ケ浦1死一・三塁、大石が初球を振り抜き中堅へ運ぶ

3回裏の霞ケ浦の攻撃は2番・森田瑞貴の右前打から始まった。3番・雲井脩斗の三ゴロと4番・羽成朔太郎の右前打で1死一・三塁、打席には5番・大石健斗。勝ち越しがかかる緊張する場面で「初球からフルスイングし、自分の良さを出すことができた」という。インコースのスライダーを中堅へ運び、「外野フライには十分」と思ったところで野手が落球。自分も塁に生きた。続いて2死一・二塁の場面から、7番・鹿又嵩翔の中前適時打と8番・乾健斗の中堅への2点三塁打で3点を積み重ねた。

3回裏霞ケ浦2死一・二塁、鹿又の中前適時打で羽成がホームイン

乾は先発投手としては立ち上がりが良くなかったため、この打席では「取られた分は自分で取り返そう」と臨んだ。打ったのは真ん中のまっすぐ。「打撃ではタイミングの取り方や打つポイントなど、監督に教わったことを意識しながらやっている」という。「今のボールはフライを上げると飛ばないが、乾のように低めに打つとライナーで入っていく。ああいう打球を目指してほしい」と高橋祐二監督は賞賛する。

先発した乾

投手としての乾は3回以降立ち直り、スライダーとチェンジアップが要所要所で決まり、結局8回途中までマウンドを守った。後を継いだのは眞仲唯歩。1死一・二塁の場面で登板し、1人目は一ゴロで打ち取り、2人目はストライクからボールに逃げるスライダーで空振り三振に切って取った。「今日もまっすぐが走り、最速を142キロに更新した。投げるごとに状態が良くなっている」と眞仲の感想。

9回表守谷の攻撃も、眞仲が3者凡退に抑える

「今日は乾が持ち味を出してくれたのが勝因。眞仲も試合ごとに安定感が増し、マウンド上で余裕が出てきた。打線も投手に助けられながら力をつけてきた。ここへ来て選手たちに勝ちたい気持ちが出て、チームがまとまってきている」と高橋監督。

決勝戦の相手はつくば秀英。春大会は1-4で敗れた相手だ。選手たちは口々に「鹿島学園戦に続いてリベンジを果たしたい」と話す。特に大石は「自分たちは今大会、初戦から挑戦者の気持ちで戦ってきた。ぜひ最後まで勝ちきって、(昨年の決勝で逆転負けを喫した)去年の3年生の屈辱を晴らしたい」と意気込みを見せる。

決勝は27日午前10時からノーブルホームスタジアム水戸で開催される。(池田充雄)

つくば秀英 サヨナラで初の決勝進出【高校野球茨城’24】

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9回裏つくば秀英1死一・三塁、佐々木が中堅へ犠飛を放ち、稲葉が生還(撮影/高橋浩一)

第106回全国高校野球茨城大会は15日目の25日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われた。第1試合はつくば秀英が常磐大に6-5でサヨナラ勝ちを収め、夏大会では初の決勝進出を決めた。序盤のビハインドをコツコツと取り返し、ついに9回に試合をひっくり返した。

つくば秀英は1回表に4連打で2点を奪われ、その裏に4番・吉田泰規の右翼への適時打で1点を返すものの、3回表には3点本塁打を浴び、この時点で1-5と大きなビハインドを負った。

1回裏つくば秀英1死一・二塁、吉田泰の右翼への適時打で1点を返す

「点差があっても自分たちの野球をすることを心掛けた。苦しい時間帯もあったが守備からリズムが出てきたので、1イニング1点ずつ取るぞと選手たちに声を掛け、9イニングトータルで勝つことを意識した」と櫻井健監督。

3回裏には5番・大石隼也に2ランが飛び出し、ホームランにはホームランでお返し。「打ったのは真ん中低めのまっすぐ。つなぐバッティングで、鋭い打球で外野の間を抜く意識だったが、結果的に入ってよかった」と大石の振り返り。

3回裏つくば秀英2死三塁、左翼へ2ラン本塁打を放った大石が拳を上げる

4回表からは先発の羽富玲央から中郷泰臣へ投手交代。「羽富はここまでの疲れもあり、気持ちが高揚していたようだ。羽富から中郷への交代は春からのパターン。力のある投手で、本来の仕事をしてくれた」と櫻井監督。結果的に中郷は、7回までの4イニングを2被安打3奪三振1四死球で抑えた。

4回からマウンドに上がった中郷

4回裏には1番・吉田侑真の左前打と2番・小久保良真の中堅への二塁打で1点追加、4-5と1点差まで追い上げた。だがここからが一進一退。6回裏は2死二塁の場面から小久保が左前打を放ち、二走・吉田侑が本塁を狙うがタッチアウト。7回裏は3番・明石理紀斗の中前二塁打と大石の中前適時打でついに同点、続いて四球2つを選んで満塁とし、8番中郷には石井清太郎が代打。中飛からのタッチアップで大石がホームを踏むが、三塁手のアピールプレイでアウト。幻の逆転打となった。

4回裏つくば秀英2死一塁、小久保が中堅へ適時二塁打を放つ

8回表は中郷に代わり大石がマウンドへ。タッチアップのミスを引きずらないよう周りから「しっかり切り替えていけ」と声が掛かったそうだ。2イニングを投げて2被安打1奪三振で無失点。9回表には1死三塁の場面で、一ゴロから打者走者とベースカバーの二塁手・吉田侑が交錯、その間を突いて三走が本塁に向かうが、吉田侑が素早く立ち上がりバックホーム、本塁クロスプレーでアウトにした。

9回表常磐大1死三塁、一ゴロから本塁を狙った三走をタッチアウトにする。捕手・稲葉

そして9回裏最後の攻撃。6番・稲葉煌亮の左前打と敵失などで1死一・三塁、打順は9番・佐々木将人。監督からはスクイズの提案もあったが「自分で打って決めたい」と首を振った。直球に振り遅れないようバットをいつもより短く持ち、2ボール2ストライクからの5球目を中堅へ。外野フライには十分で、稲葉が生還しサヨナラ勝ち。「みんなのおかげ。全員がヒーロー」と勝利のコメント。

9回裏つくば秀英1死一・三塁、佐々木が中堅へサヨナラの犠飛を放つ

櫻井監督は決勝に向けて「やることは変わらない。最後は気持ちの部分。1戦1勝でねばり強く食らいついていきたい」と意気込みを語った。(池田充雄)

イスラエル北端 ハイファでの体験《文京町便り》30

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】ハマスの急襲(2023年10月)に反発したイスラエル・ネタニヤフ首相によるガザ地区への容赦のない攻撃は止まる気配が見えない。双方が採用している戦略や武器類を比べると、宗教対立の域を超え、それぞれの国内政治事情や地政学的対立構図にからめとられている感がする。そんなイスラエルを私は一度だけ訪れたことがある。

2017年7月、イスラエル北部のハイファ大学でのイスラエル日本学会第3回隔年会議『平成時代を振り返って:日本におけるポスト工業化・消費者時代の主要な潮流』に参加したのである。

直前にノルウェー・オスロにいたこともあり、ドイツ・フランクフルト空港からの便を利用したのだが、現地(テルアビブ)到着が当日深夜に大幅にずれ込んだこともあり、入国審査が大いに手間取った。そのため(数名の入国審査官は審査業務をほとんどサボタージュ)、国内移動手段(公共交通機関)が途絶え、タクシーでの長距離・長時間・高額移動を余儀なくされた苦い思い出がある。

この会議で、私は報告「日本におけるウェルビーイング:2015年サーベイ調査から」を依頼されていた。会場・主催はハイファ大学ロテム・コウナー(Rotem Kowner)教授だった。同教授は、近代日本の人種問題・意識を専門領域にしていて、筑波大学で学位(博士論文は「日露戦争の影響」)を取得していたこともあり、われわれ2人の間では会議の合間、つくば・土浦の飲食店や筑波山・霞ケ浦の話題で盛り上がった。

基調講演は『民主と愛国』(新曜社、2002年、1000ページ近くの大著)などで知られる慶應義塾大学・小熊英二教授で、圧倒的な熱量で参加者に語り掛けていた。この会議の報告者には日本文学を専門にするイスラエル人研究者もいて、文学作品の執筆当時の社会情勢と文学作品の同調やズレを指摘していて、社会意識の高さを感じた。

日常と戦時体制のギャップ

このように、イスラエルにおける日本研究の着実な浸透を体験できたことは貴重だった。と同時に、イスラエルの風物にも興味深いものがあった。以下、4点紹介しておく。

第1に、ハイファはイスラエルの北端で、大学は地中海を西方に見る山の頂上付近に立地していた。紺碧(こんぺき)の地中海の夕刻は、爽快そのものだった。キャンパスから北に目を転ずると、国境線を挟んだヨルダンには巨木の点在が視認でき、彼の地の古代森林資源の豊かさを彷彿(ほうふつ)とさせた。

第2に、そのキャンパスに向かうべく、朝、定期バスで通勤・通学客と一緒に乗り合わせた女子中学生たちの騒々しさは、ひどかった。でも、他の一般乗客たちはこうした喧(かまびす)しさには慣れているのか、無視していた。子供はどこでも元気で傍若無人(ぼうじゃくぶじん)なのだ。

第3に、ハイファの街中では、地中海の強い日差しの下、ヒジャブを纏(まと)ったアラブ系(と思しき)婦人たちが三々五々、買い物に出歩いていた。彼の地でのアラブ系との日常的な対立を想定していた私は、このきわめて平穏な風景には驚いた。

第4に、ところが帰路の電車から途中停車駅のホームで見かけた、銃を抱えキッパーをかぶったハイティーンが(軍服姿ではなく普通の身なりで)佇(たたず)んでいて、それを周りの誰もが咎(とが)めるわけでもない様子に、再度の驚きを禁じ得なかった。

こうしたイスラエルにおける当時の日常と現下の戦時体制(内戦状況)のギャップには、大いなる戸惑いと絶望感を禁じえない。(専修大学名誉教授)