金曜日, 9月 11, 2026
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つくば市バースセンター全面運用開始へ 筑波大附属病院に専用フロア

助産師が中心となる院内助産システム「つくば市バースセンター」の専用フロアが1日、県内唯一の特定機能病院である筑波大学附属病院(つくば市天久保)内B棟6階に開設された。妊婦が陣痛から産後までを同じ部屋で過ごせる機能を持つ個室が12床整備され、19日から運用が開始される。出産に関するリスクが低い健康な妊産婦が対象で、家族の立ち会い出産が可能。

同センターは、同市北条の市立病院が2011年に休止し、産科医療の充実を求める市民の声が高まったことを受け、つくば市が協力して、同附属病院の周産期病棟内に2013年9月から部分的に6床で運用が開始されていた。当初の計画では全面運用開始は昨年12月の予定だった。

陣痛から分娩、出産後まで同じ部屋で

一般的に出産を控えた妊婦は、陣痛の間を陣痛室で過ごし、分娩を行う際には、分娩室まで移動する。同センターでは、陣痛が始まってから、LDR室=メモ=と呼ばれる個室に入院し、出産を経て、その後5日間を新生児と共に過ごす。陣痛から分娩、出産後の期間を同じ部屋で過ごすことができるため、妊婦は自力で移動することなく、負担や疲労を抑えることができる。

同センターに整備される12床全てが、LDR室仕様の完全個室で、専属の助産師15人が妊婦健診からお産まで主体となって関わり、出産までのプランを妊婦と共につくる。

同センターに入院を予定する妊婦は、少なくとも医師による健診が2回行われ、出産の際には必ず産科医師が立ち会う。

妊娠中や出産時に妊婦に異常が発生した場合は、同大産科・婦人科の医師、助産師による産科体制に移る。階下には、24時間体制で治療を行う新生児集中治療室(NICU)や新生児回復治療室(GCU)が設けられており、同じ建物内で速やかに同線が確保できる仕組みになっている。

LDR室の様子。クローゼットには生まれたばかりの赤ちゃん用の医療ベッドが収納されている

1室当たりの広さは30平方メートルほどで、正方形型と長方形型の2つのタイプがある。分娩台としての機能も併せ持つ妊婦用のベッドや、新生児用のベッドのほか、授乳するための専用の椅子、シャワーやトイレなどを完備し、医療機器はクローゼットの中に収納され、目立たないようになっている。分娩室に患者個人が自由に過ごせるスペースが加わった形で、暖色系の照明や木目調の床とインテリアで内装を揃え、落ち着きのある空間を提供する。

同室の内装に構想段階から中心として携わった、同附属病院看護師長の本多裕子さんは「内装をアースカラーで整え、リラックスできる環境をつくり出すことにこだわった。妊婦の方が持つ産む力を助産師全員で引き出し、元気に退院してもらえるように丁寧にケアをしていく」と話す。

同センター部長で、同大医学医療系産科婦人科学の濱田洋実教授は「日本は妊婦や赤ちゃんの死亡率が世界レベルで見ても低い。これまで積み上げてきた安全性を維持しながら、より安心して快適に過ごせる環境作りを目指す」と述べる。

同大の永田恭介学長は「つくば市は人口が増加している地方都市であり、出産するための場所を確保することが喫緊の課題。高齢出産やハイリスク出産などの問題も踏まえて、誰もが安全に安心して子どもを産み、育てられる環境を実現すべく、努力していく」と話している。(上田侑子)

【メモ】LDRは、陣痛、分娩、出産後の回復を意味する英単語の頭文字をとった略語。

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