日曜日, 11月 30, 2025
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介護ロボットが部屋に来る日《看取り医者は見た!》46

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写真は筆者

【コラム・平野国美】前回(10月1日掲載)は、コンパニオンアニマル(伴侶動物)が高齢の独居者にとってかけがえのない存在になっているという話をしました。では、彼らの次に私たちの部屋に現れるのは何なのでしょうか? この問いは、高齢化社会を日本がどう乗り切るかという、未来そのものへの問いかけでもあります。

街に出れば、飲食店のスタッフもお客も外国の方が増えました。介護の現場も同様です。一方で、スーパーやコンビニではセルフレジ化が進んでいますが、私の患者さんやご家族の中には、これを受け入れられない方が少なくありません。ある程度の年齢になると、スマートフォンやこうした装置に苦手意識が生まれるのは、仕方ないかもしれません。

この「効率化」と「心情」のギャップは、医療介護の分野でより顕著になります。スタッフ不足で事業所の倒産さえささやかれる昨今、その現場にいる私は「自分が介護される側になったとき、部屋を訪れてくれる人はいるのだろうか?」と考えてしまうのです。

以前から、一部の識者は「介護はロボットに任せる時代が来る」と言っていますが、現場の仕事のどの部分をロボットに移行できるというのでしょうか?

ロボットに心を奪われた友人

先日、ある施設で介護ロボットのデモンストレーションを見学する機会がありました。最初は物珍しそうに集まっていた高齢の入居者たちが、10分後には興味を失い、1人また1人と、その場を離れていくのです。そのとき、ロボットと戯れる自分の姿を想像し、正直、見たくないな―と思いました。人間としての尊厳が削られてしまう感覚を覚えたのです。

しかし、最近、この受け止め方を少し揺るがす出来事が二つありました。一つはある業界紙の記事で、これまでとは少し違う角度からロボット介護を論じる内容でした。もう一つは、長年の友人がロボットに心を奪われた「事件」です。彼は、パートワークマガジン『週刊 鉄腕アトムを作ろう!』を長い時間をかけて完成させました。ある日、70歳になる知的な友人が、少年のような目でこう語るのです。

「スイッチを入れたら、アトムが目覚めて、何て言ったと思う?」

「……?」

「『やっと、会えたね』って言われた。もう胸がキュンとしちゃってね。毎晩、アトムと遊んでいるんだよ」

この二つのことを重ね合わせると、欧米とは違う、日本独自のロボット観のようなものが見えてきます。次回は、この業界紙の記事とアトムの言葉をヒントに、私たちの未来を考えてみたいと思います。(訪問診療医師)

予定通りあす11月1日開催 土浦全国花火競技大会

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土浦の花火(土浦市提供)

長靴や滑りくにい靴で観覧を

土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・安藤真理子土浦市長)は30日、大会開催の是非を決める役員会を開き、予定通りあす11月1日、第94回大会を開催すると発表した。

あす1日の土浦の天気予報は、未明まで雨が降るが明け方からは晴れ。事務局の市商工観光課は、雷が鳴った場合は一時的に打ち上げを中断するなど、天気の急変や安全確保が困難な場合は予定を変更することもあるとする。

観覧者に向けては、①きょう10月31日夕方から雨が降ると予想され、地面がぬかるんだりする箇所があるので、長靴や防水性の高い靴、滑りにくい靴底のものを着用してほしい、②観覧中のかさの使用は視界確保及び安全確保のためご遠慮いただいているので、雨が予想される場合はレインコートやポンチョを持参してほしいーなどと呼び掛けている。

競技開始は午後5時30分、同市佐野子、学園大橋付近の桜川河川敷で打ち上げる。1925(大正14)年に神龍寺の住職、秋元梅峯が初めて花火大会を開いて100周年の記念大会となる。全国19都府県から57の煙火業者が集まり、内閣総理大臣賞を競う。10号玉の部45作品、創造花火の部22作品、スターマインの部22作品の3部門で競技が行われるほか、広告仕掛け花火や、大会提供のエンディング花火としてワイドスターマイン「土浦花火づくし」などが打ち上げられる。

昨年、荒天時の順延日に警備員が確保できず中止としたことを踏まえ、同実行委は今年、順延日も確実に警備員を確保できるようにするなど準備を進めてきた(5月26日付)。

➡今年の見どころはこちら

プロボスト職を配置 筑波大 学長と役割分担し教育研究を統括

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11月1日付で筑波大学のプロポストに就く加藤光保副学長

加藤光保副学長が11月1日就任

筑波大学は30日、学長と役割を分担し教育研究のマネジメントを統括するプロボスト職を、11月1日付で配置すると発表した。永田恭介学長の指名により、現在、教育担当の加藤光保副学長が11月1日で就任する。

学長が大学経営全般を統括し対外的な活動を行う大学の顔であるのに対し、プロボストは大学内部の教育と研究にかかわる基本方針を企画立案したり、教育目的を達成するために行う管理運営マネジメントを担う。具体的には、教育、研究、学生、産官学連携を担当する4人の副学長がもつ組織を束ねて、副学長と共に、部局の垣根を超えたさまざまな方針の立案を行ったり調整を行い、方針が実現しやすいような体制整備に向けた基本的な工程をつくる。

プロボストはもともと米国の大学に置かれており、学長に次ぐナンバー2として、教育研究すべてに権限と責任をもち、各部局との調整役を担っているという。

日本では、10兆円の大学ファンドを通じた世界最高水準の研究大学を目指す「国際卓越研究大学」に認定された大学は、プロボストを置くこととされている。昨年、卓越大学の第1号に認定された東北大学にプロボストが置かれているほか、第2期の今年度申請している京都大学にはすでに置かれている。筑波大も第2期の卓越大学に申請している8大学の一つ。

加藤副学長は「大学の特徴をさらに生かしながら、よりよい大学にしていくために、スーパーマンのような学長がいらっしゃいますので、学長と相談しながら大学運営を行っていきたい」と抱負を述べ、当面の大学の課題として①筑波大が研究学園都市全体の若手研究者育成の重要な拠点としてさらに発展すること②教養教育を改革して、学生が、全学的なさまざまな学問分野から自らいろいろ組み合わせて学んでいくような、与えられた教育内容をこなすだけでない自らつくっていく学習が出来る大学にしていくことの二つを挙げ、「副学長と一緒にやっていきたい」と話した。

加藤副学長は、東北大学医学部助手、財団法人癌研究会癌研究所研究員を経て、2002年に筑波大学基礎医学系教授になり、21年から教育担当の副学長・理事を務める。(鈴木宏子)

【訂正:11月2日午前8時40分】プロポストは「プロボスト」の誤字でした。「プロボスト」と訂正しました。関係者にお詫びします。

つくばのトリマー 篠崎涼太さん 世界大会で個人3位に

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世界大会に出場した篠崎涼太さんとプードルの愛犬グラミス

日本チームは2位

つくば市学園の森のトリミングサロン「カリフォルニアドッグ」のトリマー 篠崎涼太さん(28)が、9月25日にマレーシアで開催されたFCI(国際畜犬連盟)主催のトリミング世界大会「グルーミングワールドチャンピオンシップ」に日本代表5人のうちの1人として出場し、個人3位を獲得した。国別で日本チームは団体2位に輝いた。

篠崎さんは、日頃の犬の被毛管理状態の良さ、犬の取り扱い方、左右対称のバランスのよさ、頭の毛が美しく伸ばせているかなど、トリミングの完成度などを高く評価されて3位に入賞した。「3位はうれしいけれど、もっと上位を狙っていた。目指すのは1位だった」とし「隣でトリミングを行っていた中国と韓国のトリマーが素早かったため、焦ってしまった」と悔しさをにじませる。

世界大会には日本を始め、中国、台湾、韓国、フィリピン、マレーシア、オーストラリアの7カ国から約35人が出場した。篠崎さんは3月に催されたジャパンケネルクラブ(JKC)主催の全日本トリミング競技大会で優秀技術賞を受賞し日本代表メンバーになった。団体1位は台湾、3位はマレーシアだった。

大会の審査はカットの技法などで5つカテゴリーに分けられる。①ミニチュアシュナウザーなど硬い被毛を抜く技術②アメリカンコッカースパニエルなどに施すスキバサミの技術③プードルに限定した技術④プードル以外のビションフリーゼなどの犬種への技術⑤一般的なペットカット技術の五つ。制限時間は2時間で、トリミング技術の他にも犬の日頃の管理や犬の扱い方、道具の扱い方なども審査対象になる。篠崎さんはプードルに限定したカテゴリーで自身の飼い犬(オス、4歳)と出場した。

世界大会で愛犬にカットを施す篠崎さん(本人提供)

犬の健康にも欠かせない

コンテストでのトリミングは、犬種それぞれに設定された基準のスタイルを目指す。一方で日常のペットのトリミングは、さまざまな状況の犬を取り扱う。飼い主の希望を取り入れながら、例えばその犬の胴が長いなどの欠点をカバーしつつ良いところを目立たせてバランスよく仕上げることが大切だという。

さらにシャンプーで汚れなどを落とし、不要になった毛や伸び過ぎた毛をカットすることで、食べ物や排泄物の付着を防ぎ清潔を保つ役割もある。抜け毛を取り除いて皮膚の蒸れを防ぐ目的もある。

全身をくまなく触り、犬の状態をチェックするのもトリミングには重要だ。飼い主だけでは難しい被毛や皮膚などのケアをトリマーが行うことで、犬の健康状態をより適切に管理していくことができるという。

アルバイトし高校生の時 愛犬を購入

篠崎さんは子どもの頃から犬がずっと好きだった。トリマーになろうと思ったきっかけは、高校生の時にアルバイトで得た自分のお金で買ったヨークシャーテリア犬だった。ヨークシャーテリアはトリミングが必要な犬種で、時々トリミングサロンに連れて行った。篠崎さんは「トリミングはただ見た目をきれいにするだけではない。健康に生きていくためにもトリミングは犬にとって必要不可欠だと実感した」と語る。

動物の専門学校への進学が決まり「技術と知識で安心して任せられるトリマーになりたいと思った」と話す。現在、トリマー歴は8年になった。自宅では、トリマーになるきっかけになったヨークシャーテリアと、プードル2匹を飼っている。

「トリマーとしてうれしいのは、飼い主さんに犬が篠崎さんに会うのを楽しみにしている、カットのもちが違うと言われること」だと笑顔で話す。今後は「さらに信頼してもらえるトリマーになり、日本一、そして世界一を目指す」とし「そのためにも技術を磨く訓練はもちろん、セミナーなどにも積極的に参加し、視野を広げるためにも海外にも勉強しに行きたい」と抱負を語った。(伊藤悦子)

九州大の安達千波矢氏に江崎玲於奈賞 有機LEDを高性能化

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左はつくば賞の高田和典フェロー、中央が江崎玲於奈賞の安達千波矢主幹教授、右は上段がつくば奨励賞のウー・ラダー主任研究員、下段が海老原格准教授

ナノサイエンスやナノテクノロジー、量子化学の分野で、顕著な業績を挙げた研究者を顕彰する2025年度の江崎玲於奈賞に、九州大学工学研究院の安達千波矢主幹教授(62)が選ばれた。茨城県科学技術振興財団(つくば市竹園、江崎玲於奈理事長)が28日発表した。安達氏は、スマートフォンや薄型テレビの表示画面に用いられている有機LEDの研究者で、新しい発光分子をつくり出し、有機LEDの高性能化に取り組んだ。第三世代の有機LEDの実用化に向けた道を開く研究だと評価された。

同賞は2004年度に創設され、いずれもノーベル賞を受賞した江崎理事長のほか、白川英樹氏、野依良治氏、小林誠氏らが審査委員を務める。受賞者には副賞として協賛の関彰商事から1000万円が贈られる。今年ノーベル化学賞を受賞した京都大学の北川進氏は2013年に第10回江崎玲於奈賞を受賞している。江崎賞の受賞者がノーベル賞を受賞したのは初めてで、江崎理事長は「今後も(江崎賞受賞者の中から)ノーベル賞受賞者が出ることを期待している」と語った。

安達主幹教授が研究する有機LED(有機EL)は、有機材料に電気を流した時に発光する現象を利用した表示デバイスで、1987年に米国で、薄い有機材料の膜を二層重ねる構造が考案されて実用化が実現した。一方、発光効率が最大25%であるなどの課題があり、効率を高めるための研究が続けられている。

安達主幹教授は1988年、薄い二層の膜の間に、三層目の膜を入れた構造を初めて実現し、材料選択の自由度を広げた。さらに発光層の分子を量子化学に基づいて分子設計して創製し、90%を超える発光効率を達成した。続いて蛍光材料など三つの材料で発光層を構成すると、ハイパー蛍光と呼ばれる高効率の発光が得られることを示した。

白川氏は「ナノサイエンス、ナノテクノロジー、量子効果を駆使した研究で、省エネ効果が高い」とし、野依氏は「安達さんは旅する科学者。九州大学で学位を取得してから六つの研究施設に移り、移籍するたび新しい着想を手にしたのではないか。若い研究者のロールモデルとなるさっそうとした科学者」だと語った。小林氏は「従来の発光メカニズムとは違う、発光効率を飛躍的に上げることを緻密(ちみつ)な分子設計で実現した。将来の有機LEDの道を切り開くと大いに期待している」と評価した。協賛の関正樹 関彰商事社長は「授賞式でご家族と一緒にお会いできるのを楽しみにしている」などと話した。

一方、顕著な研究成果を収めた県内の研究者に贈る「つくば賞」(副賞は500万円)は、全固体電池の研究開発に取り組む物質・材料研究機構の高田和典フェロー(63)が選ばれた。若手研究者が対象の「つくば奨励賞」(副賞100万円)は、断熱材技術の展開と社会実装に取り組む物質・材料研究機構のウー・ラダー主任研究員(44)と、水中における通信と測位を実現する音響無線技術の研究に取り組む筑波大の海老原格准教授(39)に授与されることが決まった。

つくば賞の高田フェローは、現在使われているリチウムイオン電池が、可燃性の有機溶剤を用いているため大型化によって安全性が低下することから、不燃性の固体電解質を用いる全固体リチウム電池の開発に取り組み、全固体電池のエネルギー密度と出力特性を現行のリチウムイオン電池に匹敵するまでに向上させた。間もなく実用化されようとしている車載用電池の開発や再生可能エネルギーの貯蔵に大きく貢献すると期待されている。

つくば奨励賞のウー主任研究員は、微粒子を利用して粒子間の空間を制御し、ひじょうに低い熱伝導率を有する断熱材の開発に成功した。断熱材は安全で安価なアモルファスシリカ材質の流動性固体で、材料を微細化して粉体を作製し、断熱性を制御し熱伝導率を低減した。使用可能温度が-253℃~1300℃と広範で、従来の断熱材と比べて優れた性能と経済性を兼ね備えた材料であることから、自動車、家電、建築物など多岐にわたる分野での応用が見込まれている。

海老原准教授は、海中でロボットやセンサー、カメラなどをインターネットに接続して通信し、海洋環境をモニタリングしたり、海洋資源を管理したり、災害を予測などする海中IoT実現の基盤技術である水中音響通信を研究する。電波がほとんど伝わらない水中で、電力対策やドップラー対策を確立し、音波を利用した効率的で安定した通信技術の開発に取り組んでいる。(鈴木宏子)

田井ミュージアムでアートパフォーマンスや作品展 筑波山麓秋祭り㊦ 

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田井ミュージアムシアターで公演の準備をする「ももんが」の2人

筑波山麓の歴史と文化を楽しむ秋祭り「筑波山麓秋祭り2025」が山麓のつくば市北部で開かれている。山麓で活動する21の団体がそれぞれの特徴を生かし、古民家や石蔵などで11月3日までイベントを開催する。

スウェーデンとの共同作品を公演

同市神郡の田井ミュージアムでは、山麓を拠点に知的障害者たちと共同生活をしながら有機農業や表現活動に取り組むNPO法人「自然生(じねんじょ)クラブ」(柳瀬幸子代表)が「秋の芸術祭2025」を開催する。

田井ミュージアムは地域の米蔵だった大谷石造りの建物で、自然生クラブがシアターとアトリエとして活用し、知的障害者たちが創作活動をしている。絵画や音楽、パフォーマンスなど世界的に評価を得ているたくさんの作品が生まれ、今回の展示で見ることができる。同NPOは山麓秋祭りに当初の15年前から参加している。

田井ミュージアム

同ミュージアムのシアターでは11月2日、子ども向けの詩的パフォーマンス&ワークショップが開催される。箏奏者の中川果林さんとスウェーデン人音楽家のロッタ・ヒューリン・セダーブロムさんによるパフォ-マンスユニット「ももんが」が、スウェーデンと日本の共同作品「想像してごらんTÄNK OM」を上演する。「ももんが」は詩と音楽を融合させた作品で知られる。「想像してごらん」はスウェーデンで初演されており、日本ではつくばのほか、東京、沖縄、京都などで上演される。

見たり、聞いたり、想像したりできる時の世界へ招待する作品という。中川さんは「これからの時代を生きる子どものために作られた作品。『普通は普通でない』という疑問を持つこと、『普通が普通ではない』と気付いた時に葛藤が生まれ、どうしてという疑問が生まれる。どうしてなのかということを自分の頭で考える練習をする必要がある。考えて相手を理解する。そうすれば争いがなくなる。今回そんなことがわかるパフォーマンス」だと話す。

「ももんが」の(左から)ロッタさんと中川さん

11月2日と3日開催される自然生クラブ所蔵作品展では、田井ミュージアムで生まれた知的障害者たちの絵画のうち「昼と夜ー宇宙と私」をテーマにセレクトした作品が展示される。「楽市」と題し、野菜やコメ、ヒマワリ油の加工品、無農薬もち米で作ったおかき、焼菓子、ジャム、アート・グッズ、陶芸作品を販売するほか、メンバーが手作りした独楽(こま)を展示即売する。カフェもオープンし、自家製カレー、パスタ、自家焙煎コーヒー、焼菓子などを提供する。

3日は自然生クラブのメンバーが演技する「自然生サーカス」と、参加型企画として来場者とのフリーセッションもある。

「自然の優しい色を生活に」 染色作品を展示

同ミュージアムのアトリエではほかに、筑波山麓で活動する草木染めグループ「むくろじの会」(沼尻久子代表)が11月2日と3日、藍染めや柿渋染め、身近な素材で作られた花びら染めなどを展示する。販売もするが、購入したい場合は、作者と個人交渉となるという。

同会は30年ほど前から、山麓の自然体験施設、筑波ふれあいの里の染色施設で活動してきた。現在メンバーは50代から90代の女性8人で、月に3回、作品作りをしている。代表の沼尻さんは「自然から生まれる優しい色を生活の中に取れ入れたいと作品を作っている。今回は新作だけでなく、これまでに作った作品も掘り起こし展示する。気持ちをこめて作ったものなので、ぜひ見に来て欲しい」と話す。(榎田智司)

「むくろじの会」の染色作品

◆「ももんが」の子ども向け詩的パフォーマンス&ワークショップは11月2日(日)は午後1時~3時。開場は0時30分。入場料は中学生以上1000円、小学生500円、未就学児と同伴保護者は無料。予約は自然生クラブのメール(jinenjo@dance.ocn.ne.jp)、または申込フォームへ。「ももんが」のプロモーション動画はこちら。「自然生クラブ」による3日の自然生サーカス×ゲスト×来場者フリーセッションの参加費は500円。

終わり

ゴミ処理の戦略 水戸とつくばの違い《水戸っぽの眼》6

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リサイクルセンターや資源化施設を擁するつくばサステナスクエア(写真は筆者)

【コラム・沼田誠】2年前に初めてシンガポールを訪れたとき、不思議に感じたことが3つあった。「エネルギー」「水」、そして最も不思議だったのが「ゴミ処理」だ。入店したファストフード店ではゴミ箱での分別がなく、すべてのゴミが一緒に捨てられているのを見て驚いた。

シンガポールは東京23区ほどの面積しかない。清掃工場のようなNIMBY(Not In My Back Yard=必要性は理解しても自分の近くには建てたくない)施設をつくる余地は限られているはず。調べてみると、最終処分場の残余容量が逼迫(ひっぱく)し、ゴミ減量化とリサイクル率向上が国家的課題になっていた。

新清掃工場:市民参加型

つくば市と水戸市のリサイクル率はどうだろう。環境省の調査によると、つくばは26.6%(2023年度)、水戸は26.3%(2022年度)。数字上はほぼ互角だ。しかし、この「似た数字」の裏側には、両市のまったく異なる戦略がある。

水戸のリサイクル率は、2018年度18.3%から20年度以降に25%超へと急伸した。その背景にあるのが、20年稼働した新清掃工場「えこみっと」だ。ゴミ焼却施設の処理能力は330トン/日。最新の設備だけあって、最大発電能力9550kW、発電効率20%超を誇る。年間約6万MWhを発電し、一部を売電して年間約8億円の収入を得ている。

特筆すべきは、焼却灰(主灰)の再資源化。従来は埋め立て処分していた燃え殻をセメント原料や建材に再利用し、最終処分量を大幅に削減した。排ガス処理も最新式で、白煙防止装置や無放流の排水循環システムを導入。環境負荷の低い「高効率・高環境性能」型プラントとなっている。

一方、つくばは、1997年に稼働したクリーンセンター(焼却施設)を基幹改良しながら使い続けている。処理能力は375トン/日。改修で省エネ化を図り、発電効率を約16%まで高めた。発電電力の一部は市内41施設へ自己託送され、年間約6900万円の電力コスト削減とCO2排出1900トン削減を実現している。

リサイクルの要は、2019年に稼働したリサイクルセンターだ。粗大・不燃ごみの破砕選別(26トン/5h)に加え、びん・缶・ペット・プラスチック容器包装など資源ごみの処理能力34トン/5hを持つ。家庭系プラごみの分別収集を2019年から開始し、啓発を重ねて2023年度にはリサイクル率26.6%に到達。家具の再生・展示コーナーも設け、市民参加による「リユースの文化」を根づかせている。

つくばで特徴的なのは、分別データを可視化して市民にフィードバックするしくみだ。「どんなごみが多いのか」「資源化できるものがどれほど混ざっているか」を分析し、広報紙やウェブで共有している(筆者は「もっと知りたいつくば市かわら版」で「雑がみ」という区分の存在を初めて知り、以降分別を行うようになった)。その結果、2016年以降、リサイクル率は着実に上昇している。

技術優先型:リサイクル重視

簡単に言ってしまえば、水戸の26%は技術で押し上げた数字、つくばの26%は市民の分別行動で積み上げた数字だ。どちらも循環型社会を目指すために必要なアプローチであり、互いの課題も補完関係にある。技術でリサイクル率を押し上げた水戸は市民に対するリサイクルの啓発と市民協働を今後より一層進める必要がある。

一方、つくばは市民協働を基盤にしつつも、技術の更新などを踏まえながら、今後生じる清掃工場の更新を見据えていく必要がある。つくば市戦略プラン第3期(2025~29年度)」ではリサイクル率目標を30.7%とし、「市民・事業者の行動変容が十分でない」と課題を挙げている。しかし、さらにリサイクル率の向上を図るためには、市民の努力だけに依存しない取り組みにも着手することが必要だろう。

シンガポールでは、最終処分場延命のためにリサイクル率70%を目標にしている。最終処分場を持たないつくばでは、さらなる発想転換が求められるだろう。資源循環の次の段階を目指すために、「スーパーサイエンスシティ」に関する議論の中に、技術なアプローチによってリサイクル率向上を目指す取り組みを含めてはどうだろうか。(元水戸市みとの魅力発信課長)

報酬改定の加算分を5年間未払い 障害児放課後デイサービス つくば市

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つくば市役所

45事業所に901万円 

障害児を対象とした放課後デイサービスで、つくば市は28日、同事業を実施している障害児通所支援事業所45事業所に、5年間で計約901万2458円の未払いがあったと発表した。2021年度に障害福祉サービスの報酬が改定され加算があったにもかかわらず、事業者に加算分を支払っていなかった。

市障害福祉課によると、未払いがあったのは放課後デイサービスの個別サポート加算で、食事やトイレ、移動などの際、より手厚い介助が必要な障害児に対する支援。

2021年度から障害福祉サービスの報酬改定があり、併せて障害児に対する支援や介助の状況を判定する調査票の指標の一部が見直された。市は新しい様式の調査票で調査すべきだったにもかかわらず、改定前の旧来の調査票を使い続けたことから一部判定を誤り、加算分の未払いが生じた。判定指標の見直しに関する厚労省の通知は市に届いていたが、確認が漏れていたという。

今年3月、他の市町村から、報酬改定後の新しい様式の調査票を使っているかどうかを確認する問い合わせがあり、改定前の旧来の様式の調査票を使い続けていたことが分かった。これを受けて同課は、報酬改定後の2021年度から25年度まで5年分、計6000件の調査票について、新しい様式の調査票で再判定を実施した結果、5年の間に複数の事業所を利用した障害児を含めて、計36人の障害児が利用した放課後デイサービスについて、加算の未払いがあったことが判明した。

45事業所に対しては、8月から順次、未払い分の支払いを実施しているという。再発防止策として同課は、国の通知や関係法令を再度確認し、チェック体制を強化して、適切な運用を徹底するとしている。

古民家開放しカフェやコンサート 筑波山麓秋祭り㊤

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11月2日に古民家ギャラリー&カフェが開かれる神郡塾の美六山荘。写真は10月19日に開かれた午餐会の様子

筑波山麓の歴史と文化を楽しむ秋祭り「筑波山麓秋祭り2025」が、山麓のつくば市筑波、田井(神郡、臼井)、北条、平沢、小田地区で開かれている。地域で活動する21団体が、古民家を開放したり、コンサートや体験ツアーを開いたり、地元特産の福来みかん狩りを開催するなど、29会場で39の企画を開催し、秋の山麓をにぎやかにする。開催は10月25~26日と11月1日~3日の5日間。

今年で15回目となる。新たな企画として、10カ所のスタンプ台で手ぬぐいに秋祭りスタンプスタンプを押して自分で記念てぬぐいを作る「手ぬぐいスタンプめぐり」や、賞品付きフォト・動画コンテストなども開催される。

神郡塾生が作品展示 古民家「美六山荘」

同市臼井にある古民家、美六山荘では、飲食チェーン、坂東太郎の青谷洋治会長が塾長を務める「神郡塾」が11月3日に「古民家ギャラリー&カフェ」を開催し、塾生による作品を展示したり、絵手紙体験、味噌玉作り体験などを催す。

神郡塾は教育者、経営者、地域のリーダーを育成することを目的とした塾で、毎月セミナーを開催、著名人を講師に招いて歴史、文化、芸術など様々な分野で講演会を開いている。塾生は県内外から100人を超える。

塾長の青谷洋治さん(右)

当日展示されるのは、同塾理事で彫刻家の磯山芳男さん(70)による発泡スチロールや真ちゅうで作られた二つの作品で、毎月のセミナーの中で実施された講座で、塾生が作った文人画・刻字なども並べられる。同塾理事の猪瀬愛子さんは絵手紙体験講座を開く。猪瀬さんは県内外の小中学校などで、絵手紙教室を開くなどしている。

磯山さんは「今回は普段使わない材料でいつもと違う作品を作ってみた。色々な形の芸術作品があることを知ってもらい、ぜひ見にきてほしい」と話す。

つくば道沿い4カ所で地区住民が中心

江戸時代につくられた筑波山神社の参詣道、つくば道沿いの神郡地区では、地区住民が古民家や石倉、寺院など4カ所で11月3日に「田井の里の秋祭り」を開く。山麓秋祭りの参加団体は有志や企業が多いのに対し、神郡だけは2008年に開催した「田井の里の秋祭り」を継続する形で地区住民が中心になり祭りをつくる。

コンサートなどが開催される普門寺

会場の一つで、元は農協の米倉だった「石倉Shiten:」前では、神郡地区の生産者が福来みかん、白菜、大根、柿、ユズなどの農産物を販売する。古民家、武井邸では囲炉裏を開放し、抹茶が楽しめる。古民家、佐治右衛門邸は庭を開放、古い家のたたずまいを見ながらくつろぐことができる。鎌倉時代に建てられた普門寺では古刹(こさつ)拝観とクラシックやポップスなどのミニコンサートが開かれる。

同地区の小松崎丈幸区長(72)は「地区をまとめるのが大変だった。それでも徳川家光の時代から続く古い町並みを多くの人に見に来てもらい、まつりを楽しんでもらえたら」と話している。(榎田智司)

神郡の小松崎丈幸区長

◆筑波山麓秋祭り2025はつくば市北部、筑波山麓の筑波、田井(神郡、臼井)、北条、平沢、小田の5地区で10月25日(土)、26日(日)と、11月1n日(土)~3日(月・祝)の5日間開催。詳しくは同秋祭りのホームページへ。

続く

高校総体大会新、アジア選手権で三つのメダル 平泳ぎ 常総学院 中澤心暖選手

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(左から)常総学院高の壁谷校長、飯嶋教諭、中澤選手、土浦市の安藤市長、入野浩美教育長

目標は「世界と戦える選手」

常総学院高校(土浦市)水泳部3年の中澤心暖(こはる)選手が、8月の全国高校総体女子200メートル平泳ぎで大会新記録で優勝、9月にインドで開催された水泳のアジア選手権で三つのメダルを獲得するなど輝かしい成績を残した。24日に土浦市の安藤真理子市長らを表敬訪問しこれまでの成績を報告。安藤市長は「今後の活躍に期待します」などと激励した。

中澤選手は、高校総体(水泳競技は8月17~20日、広島市ひろしんビッグウェーブほか)の女子200メートル平泳ぎに出場し2分24秒63で優勝。大会新のこの記録は、日本記録に4秒98差で迫る。「高校3年間で一番気合いが入ったレースだった。すごく狙っていたので優勝できてうれしかった」と感想を述べた。ほかに女子400メートル個人メドレーで2位、女子4×200メートルフリーリレーで5位の成果も上げている。

第11回アジア選手権(9月28日~10月1日、インド・アーメダバード)では女子200メートル平泳ぎで2位、女子400メートル個人メドレーで2位、女子100メートル平泳ぎで3位に輝いた。「日本とは違った環境で、周りの選手の強みやレースプランなども分からず心配だったが、レースが進む中で調整でき、いい経験になった」と中澤選手。具体的には「自分の持ち味である後半の強さを生かし、ストロークテンポを上げ過ぎず、落ち着いて自分のペースで泳げた」と振り返る。

中澤選手は古河市出身。保育園の時、古河あかやまスイミングスクールで水泳を始め、古河三中3年時には全国中学大会の女子200メートル平泳ぎで優勝するなど頭角を現した。得意種目の平泳ぎだけでなく、昨年のジュニアオリンピックでは400メートル個人メドレーで優勝しており、どちらでも戦えるような強い選手を目指している。

同校水泳部監督の飯嶋弥生教諭は「レース前は普段通りで、緊張もあるはずだが顔には出さず、控え室でみんなとわいわい楽しくやっており、競技になるとまた別な顔で、闘争心むき出しではないけれど、集中した表情も出てくる」と話す。「あまり緊張し過ぎても硬くなるので、リラックスしつつも緊張感を持ってレースに臨んでいる」と本人の弁。

現在は大学進学を控え「文武両道でどちらも怠ることなく頑張り、世界と戦える選手になっていきたい」と目標を語る。壁谷恵校長も「これから世界に羽ばたく人材。人間的にも大きく成長してほしい」とエールを送る。(池田充雄)

色彩とリズムの饗宴 フランス音楽研究会がサロンコンサート

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フランス音楽研究会のメンバー=つくば市豊里の杜、夢工房

11月9日 つくば 夢工房

つくばを中心に活動するフランス音楽研究会(阿部理香代表)が11月9日、同市豊里の杜、ギャラリー「夢工房」でサロンコンサートを開く。今回は「色彩とリズムの饗宴」と題し、シャブリエ、ドビュッシー、イベールら19世紀末から20世紀初頭のフランスの作曲家の作品と、同時代の印象派などの絵画作品を合わせて鑑賞する。ピアノ、フルート、歌唱による生演奏と生解説。

ドビュッシーに代表される19世紀末~20世紀初頭のフランス音楽は、ロマン派から印象主義への移行期で、色彩的な響きとモダンなリズムが特徴。手法としては全音音階や不協和音などを取り入れて、よりあいまいな気分や雰囲気を音楽に持ち込み、光や水など自然の情景も生き生きと描き出した。またアメリカやアフリカ、アジアなどの原初的でパンチの効いたリズムにも目を向け始めている。

フランセ「ルノワールによる15の子供の肖像画」楽譜表紙

今回のコンサートの趣向である絵画との取り合わせでは、シャブリエの「幸福の島」「小さなあひる達のヴィラネル」にはルノワールの「ぶらんこ」を合わせる。シャブリエ自身も印象派の画家たちと親しく、何気ない日常を描くセンスも両者に通じるところがある。ドビュッシーの「子供の領分」にはドニの「赤いエプロンドレスを着た子ども」。ドビュッシーとドニも楽譜の挿絵や、舞台音楽と背景美術などで直接の交流があった。イベール「物語」にはバルビエの「マケダ、シバの女王-エチオピア年代記」で異国情緒を、プーランク「村人たち」にはマチス「花と果物」で繰り返す明るいリズムを漂わせる。

プログラムの最後を飾るのはフランセの「ルノワールによる15の子供の肖像画」。ルノワールの絵からインスピレーションを受けた小曲集だ。フランセが選んだ15枚の絵にはあまり表には出てないものも多く、なぜこういうチョイスになったのかは長年の疑問だったが、元になった画集があることを今回フランス音楽研究会が明らかにした。

その画集とはミシェル・ロビダが編纂した「ルノワール―子供たち」。ロビダはフランスのジャーナリストで、ルノワールの伝記も著している。彼の大伯母は印象派の大パトロンであるシャルパンティエ夫人で、ルノワールを社交界に紹介し肖像画家としての道を開いた人物だ。

ロビダが選んだルノワールの絵には、良家の子女ばかりでなくルノワール自身の子どもの絵なども含まれ、いずれもかしこまった姿ではなく、普段の生き生きとした姿や、伸び伸びと自由に遊ぶ子供たちの一瞬の様子を捉えている。「天真爛漫な子どもたちへの愛と、描くこと自体の喜びや幸せが、こうした魅力的な表情を生み出す秘訣なのかもしれない」と阿部さんは推察する。

ロビダ「ルノワール―子供たち」表紙

フランセの曲にも子どもたちへの愛が込められている。今回演奏されるのはピアノの連弾のバージョンだが、低音部を先生、高音部を生徒が弾く練習曲としての側面もある。特にユーモラスなのは12曲目「ピアノに向かって」で、ちょうど絵の中の子どもたちのように、習いたてのたどたどしい姿を再現しており、しっかりと譜面通りに弾かないと作曲者の意図がうまく伝わらない難曲でもある。

フランス音楽研究会は2003年結成。近代フランスの作曲家を中心に音楽、美術、料理、文学などジャンルを超えて研究し、その中から新たなムーブメントが生まれることを目指している。毎年秋のサロンコンサートでは、ホールコンサートとは異なる自由な発想で、観客との歓談の時間なども設け、より密に交流することができる。(池田充雄)

◆フランス音楽研究会サロンコンサート「色彩とリズムの饗宴」は、11月9日(日)、つくば市豊里の杜2-2-5、夢工房で開催。開場は午後1時30分、開演は2時。料金は2000円(お茶付き)。申し込み・問い合わせは電話029-852-7363(阿部さん)へ。

➡フランス音楽研究会の過去記事はこちら

「自然共生サイト」に認定されました《宍塚の里山》129

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自然共生サイト認定証など(写真は筆者)

【コラム・森本信生】この9月、環境省、農林水産省、国土交通省から、土浦市の「宍塚の里山」、つくば市の「奥村組技術研究所ビオトープ」と「洞峰公園とその近隣公園」が自然共生サイトに認定され、30日に東京で認定式が行われました。

自然共生サイトは、国内だけでなく国際的にも位置づけられる制度です。2021年のG7サミットで採択された国際目標「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」では、30年までに世界の陸域・海域の30%を「健全な生態系として効果的に保全・管理された区域」とすることが掲げられています。

この目標を達成するため、国は23年度に「自然共生サイト」認定制度を創設し、25年度には「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」を施行しました。今回の認定は、この法律に基づく初の認定です。自然共生サイトは、既存の保護区を除き、OECM(Other Effective area-based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)として、国際データベースに登録されます。

これまでに認定された自然共生サイトは、茨城県内で14カ所。土浦市では宍塚の里山が唯一の認定地です。つくば市は7カ所と多く、全国の市町村の中で第4位となっています。

環境教育の場として高い評価

今後、私たちの会は「自然共生サイト増進活動実施計画」に基づき、「生き物と歴史遺産に恵まれた宍塚の里山を次世代に伝える保全活動実施計画」を立て、次世代に向けた保全を目指します。認定にあたり評価された生物多様性上の価値は、次の4点です。

(1)公的機関によって生物多様性保全上の重要性がすでに認められている場
(2)里地里山といった二次的自然環境に特徴的な生態系が存在
(3)伝統工芸や伝統行事など、地域の伝統文化を支える自然資源の供給の場
(4)希少な動植物が生息・生育している、またはその可能性が高いこと

有識者による認定審査委員会からは「本サイトが学生などの活動拠点となり、環境教育の場として活用されている点を高く評価する」とのコメントが寄せられました。

宍塚の里山はすでに、環境省の「生物多様性上重要な里地里山」に指定されています。また、100年間にわたり全国1000か所の自然環境をモニタリングする環境省のプロジェクト「モニタリング1000」における第1号調査地「里山コアサイト」としても知られており、日本を代表する貴重な里山の一つです。

今回の「自然共生サイト」認定は、この地域の価値が国際的にも認められたことを意味します。宍塚から吉瀬(つくば市)に広がる里山の保全活動が、さらに大きな力を得て進展することを期待しています。(宍塚の自然と歴史の会 理事長)

わんわんランドで愛犬と学園祭 つくば国際ペット専門学校

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愛犬と一緒にパフォーマンスを披露するつくば国際ペット専門学校ドッグトレーナーコースの2年生=つくば市沼田、つくばわんわんランド

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田)が25日、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」を1日貸し切りにして、学園祭「第16回犬友祭(けんゆうさい)」を開催した。犬の訓練士や美容師、動物看護師などを目指す学生たちがさまざまな企画を用意し、日頃の勉強の成果を披露した。

混雑するのを避けるため今年も卒業生や家族などを含めた関係者だけでの開催となった。午後からはあいにくの雨になったが、2000人ほどが参加し、駐車場は満杯となった。

ドッグトリマーコース2年生は、来園者が連れてきた愛犬と一緒に写真撮影をしたり、愛犬に似合うリボンの色を選んでオリジナルアクセサリーを作るなどした。愛玩動物看護師コース2年生は、犬や猫の生態などに関する謎解きゲームを実施した。制限時間内にクリアすると脱出出来るという試みだ。ペットケア総合コース2年生は、犬猫や学校をテーマにクロスワードパズルとビンゴを組み合わせたゲーム「クロスワードビンゴリー」を実施。犬3頭の合計体重を当てるゲームなども催された。

つくばわんわんランドのシンボル、世界最大の木造犬のモニュメント「モックン」前で学園祭を楽しむ来園者ら

フィナレーレを飾ったのは、ドッグトレーナーコース2年生によるドッグ・パフォーマンスショー。同校では、学生が1人1頭の子犬を飼育し、学校での授業を始め、放課後や学生寮、自宅で一緒に生活するパートナードッグ制度を実施している。学園祭では、それぞれのパートナードッグと1年半向き合った成果を、大勢の家族や関係者の前で披露した。学生が「待て」「お預け」「進め」などの指示を出すと、パートナードッグはそれぞれ、指示を出した学生の周りを回ったり、ダンスや曲芸を見せたり、投げたディスクを空中でキャッチしたり、ステージ上に設けたトンネルなどの障害物を駆け抜けたりしていた。

栃木県壬生町から来た玉田豊さん(76)は「孫がドッグトレーナーコースの2年生で、今日のショーに出演するので見に来た。あいにくの雨だけど頑張ってほしい」などと話していた。(榎田智司)

入替戦 第1戦は敗れる つくばFCレディース なでしこ2部復帰目指し

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前半9分、つくばFCレディースの石黒璃乙(青いユニフォーム)がシュートを放つも、得点にはならなかった

2025プレナスなでしこリーグ2部入替戦の第1戦が25日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで行われ、つくばFCレディースは、なでしこリーグ2部11位の南葛SCウイングス(WINGS、東京都葛飾区)に5ー0で敗れた。つくばは昨シーズン、なでしこリーグ2部から降格し今シーズンでの復帰を目指す。入替戦はホームアンドアウェーで2試合が行われ、2試合の合計得点で勝負が決まる。第2戦は11月2日にアウェーのAGFフィールド(東京都調布市)で行われる。つくばは次のアウェーで6点以上の差を付けて勝てば逆転で2部昇格が決まるが、5点差なら同点となり、勝っても4点差ならば、南葛のなでしこ2部残留が決まり、厳しい戦いとなる。

つくばFCレディース 0 ー 5 南葛SC WINGS
   0 前半 1
        0 後半 4
 【得点】前半=5分 南葛・菅野永遠、後半=33分 南葛・石倉花純、42分 南葛・佐藤幸恵、43分 南葛・石倉花純、90+2分 南葛・佐藤幸恵

前半16分、左サイドからドリブル突破する加登友佳

つくばFCレディースは前半5分、南葛の菅野永遠から右コーナーキックを直接決められ、失点する。つくばも4分後、石黒璃乙が中央からドリブルで突破してシュートを放つが得点ならず。石黒は高校卒業後の今季から新加入しチーム最多得点を挙げている。

31分には、ケガで出場できない高橋萌々香に代わってキャプテンを務めた鏡玲菜が、中央から左足でミドルシュートを放ちゴールを捉えるが、相手キーパーに弾かれた。39分には再び鏡がフリーキックを直接狙ったが、わずかにゴールをとらえることができず、得点を奪うことは出来なかった。鏡は「相手のサイドが上がってきているところにロングボールを入れた。あの位置からのシュートは得意なので常にゴールを狙っていていたが悔しい」と残念がった。

前半31分、中央からミドルシュートを放つ鏡玲菜(中央)

前半は0ー1とリードされて折り返した。志賀みう監督は「やるべきことは徹底してやったが1失点はもったい失点だった」と前半を振り返った。後半は「もう一度やるべきことを徹底出来るよう確認し、相手が狙ってくる部分や自分たちの狙いを確認して選手に指示をした」。

後半は開始直後、南葛の細かなパス回しでゴールに迫られるが、つくばはデフリンピック日本代表のGK伊東美和を中心にDF陣が必死で守る。すると徐々に流れをつかみ、後半14分に石黒がシュートを放つ。GKが弾いたところを穂谷颯季がシュートを放つが、惜しくもゴール右に外れる。31分にも中央からパスを受けた石黒がドリブルで持ち込みシュートを放つが、またしても相手GK米満布貴に弾かれた。

後半25分、穂谷颯季がシュートを放つ

一方南葛は、後半34分に途中出場の石倉花純がゴールを決め2点目を挙げると、後半42分には同じく途中出場の南葛、佐藤幸恵が決定的となる3点目を奪う。ホームで意地を見せたいつくばも、両サイドの攻撃から果敢にゴールを狙うが、その後は運動量が落ちて足が止まってきたところを押し込まれて、さらに2点を追加され5ー0で敗れた。

試合後、健闘を称え合う両選手

鏡は「自分たちのサッカーは(戦術として)体力を使うので、体力面だったり改善するところはたくさんある。あと1週間で準備していきたい。次の試合はアウェーで厳しい戦いになるが、相手の嫌がることをたくさんやって、5点、6点取って勝ちたい」とリベンジへの意欲を語った。石黒は「自分たちへの流れはあったが、そこで自分が決められなかったのが悔しい。リーグ戦の後半からは入替戦に向けて調整してきたので、力を発揮出来るようにしてきたが、もっとやれたなって思いが強い。得点力、シュートの回数も上げるべきで、最後まで動き続けるのが大事だと思った。あと1週間で足りない部分を補えるようにしっかり準備していき、絶対に昇格出来るように勝ちにいく」と話した。 

今季キャプテンを務めた高橋萌々香は、試合後サポーターに向けて「まだ後半戦があるので、切り替えて、次は勝てるようにまだまだ諦めずに戦う」と誓った。志賀みう監督は「正直悔しい。選手は、伝えたこと、これまで積み上げてきたものをしっかり発揮してくれた」と選手を称え「自分(監督)自身が足りないから結果を出せなかった。本当に悔しい」と涙を浮かべながらも「まだ終わっていない。次は5ー0以上で勝ちに行く。皆さんも諦めずに一緒に戦って下さい」とサポーターに後押しを頼んだ。

試合後、サポーターにあいさつする志賀みう監督

今季、関東女子サッカーリーグ1部のつくばは、9月に福島県のJヴィレッジで行われたなでしこリーグ2部の入替戦予選を3勝1敗の2位で終え、入替戦の権利を得ていた。入替戦は、一つの上のカテゴリーであるなでしこリーグ2部の下位2チームと、予選会1位と2位のチームが戦う。予選会2位のつくばは、なでしこリーグ2部12チーム中11位の南葛と対戦し、予選会1位のレノファ山口FCレディースは、なでしこ2部最下位のFC今治レディースとホームアンドアウェーで2試合行う。合計得点で勝ったチームが来シーズンのなでしこリーグ2部に昇格または残留する。25日行われたレノファ山口FCレディースとFC今治レディースの第1戦は0-0の引き分けだった。(高橋浩一)

試合後、サポーターとハイタッチをするつくばFCレディースの選手たち

「外国人差別に反対」国道沿いで抗議行動 常総市議ら呼び掛け

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歩道で反差別を訴える入江赳史さん(左から2人目)と 堀越道夫さん(左端)

「デマを信じて差別に加担しないで」ー。

外国人への差別や偏見に反対する抗議行動が25日、常総市で行われた。市内外から集まった参加者が、国道沿いでメッセージボードを掲げて「差別をなくそう」と訴えた。同市議の入江赳史さん(36)が呼び掛けた。入江さんは「夏の参院選で候補者が『外国人が増えて治安が悪くなる』と事実に基づかない主張をした。非常に許しがたい発言だし危機感を覚えた」と動機を語る。

12%が外国籍住民

午後4時前、常総市内を走る国道294号線沿いに10人余りが集まり、それぞれが手にするボードには「人間にファーストもセカンドもない」「あらゆる差別に反対」などの言葉が並んだ。

入江さんは6月から街頭で差別反対を訴えてきた。今回、初めて他の人にも行動を呼び掛けた。SNSで発信したところ市内外から反応があり、参加者の都合を踏まえて前日の24日にも市内で活動を行った。

常総市は県内で最も人口に対する外国人住民の比率が高い。昨年12月末現在、約6万人の人口のうち、約12.2%にあたる7153人が外国籍の住民だ。人数は、つくば市(外国籍1万4275人、人口比5.5%)に次いで県内2位で、ブラジル、フィリピン、ベトナムをはじめ、スリランカ、インドネシア、中国など50カ国余りの出身者が暮らしている。

「国際結婚をする方もいる。友人や職場などで日常的に外国人と関わる市民が多い地域だからこそ、事実に基づかないデマが広がるのは危険だ。差別を受けやすい外国人が事故を起こしたなどだけでも注目されてしまう。市民としてこのまちで声を上げる必要があると思った」と入江さんは話す。

差別はどこでも起きうる

この日の行動には、東京から駆けつけた金正則さん(71)の姿もあった。在日コリアンの金さんは「選挙に出て世の中を変えたい」と68歳で日本国籍を取得し、6月の都議選に出馬した経験を持つ。選挙期間中、出自を元にした誹謗中傷を受けた。

「差別に反対する人は多いが、声に出して表現する人は少ない。『どっちもどっち』という中立の姿勢は差別への加担と同じこと。市民が『差別はダメ』だと明確に伝え、地域を超えて連帯することが大切だ」と訴えた。

東京から参加した 金正則さん

常総市議の堀越道夫さん(74)は「市内ではごみの出し方など、日常の中で感じる外国人住民への不満などは確かにある。今の時代はそうした印象が過度にあおられてしまっている。市民として、なんとかしなければいけない」と語った。

入江さんは「選挙のたびにデマが拡散され、差別の被害を受ける人がいる。これは常総市だけでなく、どこでも起きうる全国的な問題。ネット上のデマを信じて差別に加担するのを止めてほしい」と訴え、「街頭活動をしていると『日本人を差別するのか』と言われることがある。しかし人権に国籍は関係ない。これからも外国籍の方々とこのまちでも共に暮らしていけるよう、差別に抗い続けたい」と語った。(柴田大輔)

福島第1原発の廃炉作業を視察《文京町便り》45

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】10月初め、茨城新聞 政経懇話会の主催により、福島第1原発の廃炉作業を視察する機会を得ました。

2011年3月の東日本大震災の後、宮城県石巻や岩手県釜石などの地震・津波被災地には何度か足を運ぶ機会がありました。同地に所在していた石巻専修大学は、地震・津波の被害をほとんど受けていなかったこともあり、被災直後から復旧・復興に向けての基地としての役割を果たしていたため、そのネットワークに頼った部分もありました。

加えて、当時、私が代表を務めていた研究プロジェクト「持続的発展に向けての社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)の多様な構築」(2009年度~13年度)が文科省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に選定されていて、この復旧・復興プロセスがその研究テーマそのものであるとの認識もありました。

石巻や釜石などの被災地には、東北新幹線の仙台発着が復旧した2011年5月の連休明けに訪れ、その後5年ほどは半年ごとに現地訪問を重ねました。しかし、福島第1原発の現場および被災地には訪問する機会がありませんでした。私自身、体力面での自信もなくボランティアなどでお手伝いできる見込みが薄く、現地訪問でかえって足手まといやご面倒をお掛けするのではないかと危惧したためです。

そうしたところ、冒頭のように茨城新聞からの提案・打診があり、この機会に現地をぜひ訪ねたいと考えた次第です。そもそもこの視察会に参加する際は、本人確認の身分証明書(運転免許証等)の提出を事前に求められるなど、当然ながら気持ちを引き締められました。

誰にも見通せない最終的な廃炉

ともあれ、集合地・水戸をバスで出た後、富岡町の東京電力廃炉資料館に到着し、そこで全体状況の説明を担当者から伺い、構内バスに乗り換えて、協力企業棟(被災後建設された、ほとんど窓のない長方形の建物群)の一棟に入り、そこで、線量計(施設内での累積線量を計測)や立入許可証を貸与されました。これは、われわれのような単発の視察者だけではなく、現地で日常的・継続的に作業している関係者(現在は毎日4000人程度)も同様な手続きを踏んでいました。

現地では、海抜35メートルの崖上から、廃炉作業を進めている(海抜10メートルに設置された)1~4号機での進捗(しんちょく)状況を確認しました。1号機の大部分はカバー壁で覆われているため、内部を視認することはできませんが、望見できるわずかな部分や撤去されていない箇所や周辺の部材からも、被災の深刻さ・復旧作業の大変さに身をつまされる思いでした。

現在の廃炉作業では、循環注水冷却に連動する汚染水処理に相当注力していますが、最終的には燃料デブリの取り出し・保管管理が目標のハズです。しかし、この燃料デブリに関しては、試験的取り出しが2回ほど行われただけです。しかもそのサイズは、小指の爪ほどの大きさにすぎません。この作業を進めるためにも、隣接の(過酷事故に至らなかったけれども稼働していない)5~6号機をあえて解体せず、試行・事前調査用に活用しているようです。

粛々と進んでいる廃炉作業ですが、最終的な廃炉がいつどのような形で達成できるのか、実は誰にも見通せないのではないか、とため息が出ました。帰路に立ち寄った、双葉町の東日本大震災・原子力伝承館の見事なレイアウトの施設とのコントラストにも呆然としました。(専修大学名誉教授)

小田氏の一族郎党 435年ぶり居城跡に参集 つくば

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小田城本丸跡で、本殿のあった遺構を囲みあいさつを交わす参加者一行=つくば市小田

一族郎党が集まるのは435年ぶりー。鎌倉時代から戦国時代まで常陸国南部に一大勢力を築いた大名家の一族や家臣の子孫ら約30人が25日、つくば市小田の小田城跡に集まり、地元関係者らと交流を持った。

小田城跡歴史ひろばを拠点に、ボランティアガイド活動を展開する常陸小田城親衛隊の会(小島幹男会長)が企画、関東一円の子孫に参加を呼び掛けた。小田城最後の領主、15代小田氏治(うじはる)から数えて28代目という、東京都に住む小田治嗣さん(42)らが参集した。

親衛隊の会の懇話会として開催した。同会の会員にも地元在住の子孫がおり、総出で一行を出迎えた。家系図などで系譜がはっきりしている子孫もいれば、姓が小田というだけで「歴史的な興味をもって色々調べさせてもらっている」という小田大二さん(千葉市)もいた。参加者同士の交流では、正室と側室の子孫が互いの素性を確かめ合って歓談する場面もあった。

常陸小田城親衛隊の会メンバーから、居城跡近くの案内所で小田城の概要説明を受ける一行

小島会長によれば、小田氏治は佐竹氏の侵攻を受けて居城を失ったが、奪還を図るべく反旗をひるがえした1590(天正18)年の戦いが豊臣秀吉の逆鱗(げきりん)に触れる形で所領を没収された。以来一族郎党は全国に散り散りになり、400年以上が経過したという。

小田城跡が1935(昭和10)年に国の史跡指定を受けてから今年90周年、本丸跡を貫通していた筑波鉄道の廃線(1987年)後、一帯を復元整備して2015年に歴史ひろばが開設されてから10年となることから、「10年の間に歴史ひろばを訪れた人の記帳などから、全国に散らばった小田一族の所在が少しずつたどれるようになった。いい機会だから、市のホームページなどを介し、参加を呼び掛けた」と小島会長。

懇話会は今回が初開催。小島会長が「国史跡指定から100周年になる10年後には市の方で開催を検討してほしい」と言うと、参加していた森田充教育長は「小田城の認知度が上がるよう一致して取り組みたい」と応じた。

一行は午後、8代孝朝(たかとも)の供養塔がある小田地内の龍勝寺にお参り。座禅と焼香で、先祖を供養する儀式に臨んだ。

曹洞宗の龍勝寺で座禅に臨む一行

小田治嗣さんは「つくばには40年前から来ていて、おぼろげながら筑波線の記憶もある。畑になっていた本丸跡も見ている。それがここまで立派に保存してもらい、小田氏が今もって地元の人に愛されているのを感じることができた。感謝しかない」と語った。(相澤冬樹)

土浦の花火100年と大会の見どころ《見上げてごらん!》45

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第1回会場付近の現在(筆者撮影)

【コラム・小泉裕司】11月1日(土)に予定されている今年の「土浦の花火」は初回から数えて100周年。そこで、その歴史に簡単に触れたあと、今大会の見どころを花火鑑賞士の視点から解説しておきたい。

1回の会場

土浦の花火は、100年前の1925年9月5日、霞ケ浦湖畔の岡本埋立地で始まった。10万人を超える観客が土浦の町中にあふれたそうだ。ただ、当時のプログラムが残存せず、競技の内容、出品作品や花火師の名前は確認されていない。プログラムがあったのかどうかもわかっていない。

ちなみに、湖畔の埋め立ては、当時霞ケ浦で盛んだった汽船業を起業した故岡本儀兵衛氏が行ったもので、現在の川口運動公園エリア(第1回会場付近=Googleマップ)になる。

2回の会場

大会公式パンフレットによると、桜川河畔に会場を移転したのは6年後の1931年とあるが、その3年前の「いはらき新聞」は、開催地について桜川岸と報じている。「土浦町内ものがたり」(本堂清著、常陽新聞社)にも、第2回には常磐線踏切の警備上の問題で移転したとある。

異常な混雑の中、安全な大会を確保するための警備体制の強化など、人的にも費用的にも大変な苦労があるのは今も同じ。そういえば、踏切の横にあった跨線(こせん)橋を渡った記憶がかすかによみがえる。

移転先は、匂橋付近の桜川右岸の土手。対岸の現桜町地区は、土浦町が「土浦百年の構想」として1922年から進めた耕地整理事業が完成し、1925年に土浦町内に散在していた花街がこの地に三業指定地区として強制移転させられ、地区名を「栄町」とした。

花火見物客はさらに増え、街の商店街はうるおったようだ。現在、土浦市立博物館で開催中のテーマ展「土浦の花火百年」(本サイト記事は10月12日掲載)に展示中の第2回プログラムによれば、大会に共催した店舗は、飲食店や旅館が並んでいることからも、第2回移転説は信憑(しんぴょう)性が高いように思う。

第2回大会プログラムの表(土浦市立博物館所蔵)
第2回大会プログラムの裏(土浦市立博物館所蔵)

会場の今後

その後、霞ケ浦湖畔に移ったが、安全対策を勘案し、1971年には現在地「桜川大曲」に移り、100年の半分以上をこの地で開催し、今日に至っている。残念ながら、現在地周辺の急激な環境変化を勘案すると、この地での永続性は考えにくい。土浦の花火200年に向け、会場のあり方を早期に方針を固めることが、今を生きる私たちの役割に違いない。

今大会の見どころ

今大会は、全国19都道県から57の煙火業者が一堂に会し、内閣総理大臣賞を目指し、匠(たくみ)の技を披露する。10号玉の部45作品、創造花火の部22作品、スターマインの部22作品の3部門で競技が行われ、各部門の優勝者には経済産業大臣賞などの権威ある賞が授与される。ちなみに、参加業者数57は国内の競技大会日本一を誇る。

スターマインの部

最近の傾向は、速射連発の「迫力系」と、しっとりゆったりの「芸術系」に2極化しており、全作品が音楽付き。0.03秒単位でコンピュータプログラムされた花火とのシンクロが見もの。精魂込めた、夜空を彩る400発余の光と音の傑作に没入しよう。

創造花火の部

前大会は、時差式花火の応用など、近年にない創造性豊かな作品が私たちを感動させてくれた。

田端煙火(静岡県)の「もぐらバトルロイヤル」は、夜空でモグラたたき? 北陸火工の「見てくれ!鍛え抜かれた俺の腹筋」は、今年も女性花火師のアイデアか? 前大会「しんちゃん」で優勝した北日本花火興業の「赤いキツネと緑のタヌキ」も、大いに気になる。今年の作品タイトルも、ワクワク感いっぱい。

10号玉の部

前回よりも1作品増えた「五重芯」7作品に注目だろう。完璧な四重芯や三重芯も美しいが、匠の究極の技と言われる五重芯による優勝争いが繰り広げられることは必至。観客席のみなさんは動体視力の限界に挑戦しながら、夜空を凝視してほしい。

土浦花火づくし

競技開始から1時間後の午後6時30分、大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」の打ち上げ開始。幅500メートル、9カ所から4号、5号、8号玉を約7分間、2000発を打ち上げる。

このプログラムを楽しみに訪れる来場者が多いのはうれしいが、終わると帰りを急ぐ方が多いのはとても残念。後半の打ち上げは、昨年の大会の成績上位の煙火業者。余りにもったいなさ過ぎるので、どうか最後までご覧いただくことを切願する。

撮影減衰効果

大会を間近に控え、毎年、要らぬアドバイスを繰り返しているが、今回はスマホによる花火撮影について一言申し上げる。

感動して写真や動画に残したいと思うのはやまやま。一方、撮影することに集中するあまり、その瞬間の感動と記憶が薄れてしまうことは学術的に立証済。花火師によると、今夜打ち上げた花火と同じ花火を打ち上げることはできないとのこと。いわば一期一会の世界を、スマホの画面越しではなく、目視でしっかりと脳裏に焼き付けてほしい。

今年こそ、大会の無事開催を祈り、「ドーン ドーン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

▼ラジオ特番&ネットで生中継:会場に行けない方にはFMラジオやネットでのライブ配信がお薦め。土浦全国花火競技大会実行委員会YouTubeチャンネル

つくば市職員2人を失職及び懲戒処分

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つくば市役所

つくば市は24日までに、同市職員2人をそれぞれ失職及び停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。

スマホ見ながら運転し歩行者にけが

失職となったのは、こども部の30代一般職員。市人事課によると同職員は、今年1月31日、勤務時間外に土浦市内で、自家用車で買い物をし、帰宅途中、スマートフォンを見ながら運転し、赤信号で交差点に進入。横断歩道を渡っていた歩行者に衝突し、けがを負わせる交通事故を起こし、過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕された。

その後7月30日、水戸地検土浦支部から過失運転致傷罪で起訴され、10月8日に水戸地裁土浦支部で禁固1年4カ月執行猶予3年の判決が言い渡され、同22日、刑が確定した。

禁固以上の刑に処せられた場合、地方公務員法により自動的に公務員の職を失うことになり、22日付で失職となった。同課によると本人は、事故を起こしけがを負わせたことに対し真摯(しんし)に反省しているという。

無断欠勤含め37回理由なく欠勤

一方懲戒処分となったのは、市民部地域交流センターの50代一般職員。市人事課によると同職員は、今年2月から10月の間、体調不良を理由に休暇を取得する中で、与えられた年次休暇20日と夏季休暇5日の計25日をすべて取得した上で、無断欠勤を含め計37回にわたり正当な理由なく欠勤したとしている。

職員には療養休暇などの制度があり、所属部署などから「医療機関を受診し適正な休暇手続きをすること」「勤務できない場合は所属部署への連絡を入れること」について繰り返し指摘を受けていたにもかかわらず、適正な手続きをとらなかった。

市職員分限懲戒審査委員会が23日開かれ、同職員に対し、24日から停職2カ月の懲戒処分が決まった。市人事課によると、本人は申し訳ありませんと述べているという。

職員2人の処分について五十嵐立青市長は同日「自動車の運転については公私問わず交通法規を遵守し細心の注意を払うよう再三にわたり注意喚起していたにもかかわらず、このような事故が起きてしまったことは誠に遺憾であり、事故の被害者に対して心から深くお詫びし、体調の回復を強く祈念します」とし、「職員の欠勤については、職員として必要な手続きを怠っただけでなく全体の奉仕者たる公務員として市民の信頼を損ねる行為であり、深くお詫びします。今後、市民の不信を招くことが無いよう、職員に対し改めて安全運転や服務規律を徹底させ綱紀粛正に努めます」などとするコメントを発表した。

筑波大 岡城選手 阪神がドラフト3位指名

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川村監督と記念撮影に応じる岡城快生選手(右)

「ファンに負けない熱い選手に」と目標

今年度のプロ野球ドラフト会議が23日開かれ、筑波大学硬式野球部の岡城快生選手が、阪神タイガースから3位指名を受けた。大学構内の野球・ソフトボール室内練習施設「Invictus athlete Performance Center」(インヴィクタス・アスリート・パフォーマンス・センター)で吉報を聞いた岡城選手は、野球部の同期の仲間らに胴上げされるなどして喜びに浸り、「筑波大を背負ってプロの世界で戦うので応援よろしくお願いします」とあいさつした。

指名を受けての感想は「こんなに早く選ばれるとは思ってなく、正直ほっとした。指名を待つ間は緊張が抜けなかったが、後ろに同期の仲間がいたので気持ちが楽になった」と岡城選手。阪神についての印象は「ファンと球団の心理的距離が近く、一体感があるチーム。ファンも熱い人が多いので、自分も負けずに熱い選手になりたい」。プロ野球選手としての目標は「具体的な目標や理想の選手像などはないが唯一無二の選手になりたい。強みである走力を生かして走攻守オールラウンダーなバランスとれた選手になり、けがなく長く選手を続けたい」と話した。

発表の瞬間、川村監督と握手を交わす

岡城選手は岡山県出身。進学校の岡山一宮高校へ進み、ショート兼投手としてプレー。最高成績は県大会2回戦止まりだった。進路は「将来が広がるよう野球が強い国公立へ」と考え、筑波大学に進学。「ストレスがない環境で、心も体もゼロから積み上げることができた」と成長を実感できたという。

同部監督の川村卓教授は「肩と足は入学時から良かったが、特に目立った選手ではなかった。課題を一つ一つ克服でき、積み上げによってここまで伸びることができた。特に打撃が伸び、課題としていたインコースを打てるようになった」と評価するほか、練習中の様子や試合中のベンチからの声掛けなど、人柄の部分でもスカウトの目に止まったようだと話した。

同期の仲間に囲まれる岡城選手(中央)

俊足強肩を生かして大学1年時に外野手として抜擢され、2年春からベンチ入り、3年春から中堅手のレギュラーとして定着。3年冬には大学日本代表候補にも選出された。身長183センチ、体重83キロ、右打ちで右方向へも放つことができ、走力では1塁到達タイム約4.2秒と高い能力を誇る。(池田充雄)