日曜日, 4月 20, 2025
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オオヒシクイの生態を再現 モニュメント制作へ 土浦 大聖寺住職

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一部完成し本堂正面入り口に設置された、稲波干拓地のオオヒシクイの生態を再現した彫刻

【鈴木宏子】絶滅の危機にひんするオオヒシクイの保護活動を長年続けてきた土浦市永国、大聖寺の小林隆成住職(79)が、稲敷市の稲波干拓地で越冬するオオヒシクイの生態を再現したモニュメの制作に取り組んでいる。3月までに同寺の本堂や境内に5つのモニュメントがそろう。

羽を広げたり水面に首を突っ込んで水を飲む様子などを再現した生態彫刻、親子3羽の実物大の石像、オオヒシクイの姿が彫刻された手水舎(ちょうずや)、実物大のバードカービング(鳥の彫刻)、オオヒシクイが彫刻された仏具、馨台(けいだい)の5つ。

生態彫刻は、富山県南砺(なんと)市井波地区の伝統工芸「井波彫刻」の第一人者、南部白雲氏が彫り、大聖寺本堂正面の屋根が張り出した向拝(ごはい)に設置する。すでに一部が出来上がり、3月までに残りが完成する。

石像は中国の作家が制作中で、参道脇の参拝者が手などを洗う手水舎近くに2月に設置する。手水舎には4羽のオオヒシクイの姿が彫刻される。

バードカービングは、鳥の工房つばさ(静岡県伊東市)を主宰する作家の鈴木勉さんがオオヒシクイの姿を忠実に再現した。16日に完成、本堂内に設置された。馨台には、首を伸ばし周囲を監視し危険を知らせる群れのリーダー、奴雁(どがん)が彫刻され、すでに完成している。

小林住職は山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)理事、日本鳥類保護連盟専門委員などを務める。1985年ごろから稲波干拓地に通い、2001年にはオオヒシクイの調査・保護団体「稲敷雁の郷友の会」(当時は江戸崎雁の郷友の会」の設立に関わった。

2007年2月、山階鳥類研究所総裁の秋篠宮さまが稲波干拓地でオオヒシクイを観察し大聖寺に立ち寄った折、「将来、稲波干拓地のオオヒシクイの生態を南部白雲師の手で再現したい」と夢を語って以来、準備を進めてきたという。

小林住職は「人の住めないところに鳥はすめても、鳥のすめないところに人は住めない。モニュメントが、野鳥を通して地球環境を考えるきっかけになれば」と話している。

オオヒシクイの実物大バードカービング。左端が小林隆成住職。左から2人目がバードカービング作家の鈴木勉さん

つくば、土浦で12人がけが 雪で転倒やスリップ

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朝から雪かきに追われる住民=23日午前9時ごろ、つくば市谷田部地区の住宅団地

22日、つくば市で16㎝、土浦市で5㎝の積雪があった雪の影響で、歩行中の転倒や車のスリップ事故などが相次ぎ、23日午後4時までにつくば市で8人がけが、土浦市で4人がけがを負い病院に救急搬送された。

つくば市消防本部によると、22日夕方から夜にかけて市内5カ所で雪による事故などが発生し5人がけがを負った。午後4時30分過ぎ、同市今鹿島で乗用車同士がスリップし衝突、双方の車を運転していた男性(46)と女性(24)がそれぞれ頭や腰を打つけがを負った。午後5時過ぎ、同市上郷で、自宅敷地内で除雪作業をしていた男性(57)が転倒し腰を打つけがをした。

午後7時過ぎ、同市北条で、軽乗用車がスリップし道路脇の田んぼに落ちた。運転していた男性(43)にけがはなかった。同市高野では、男性(56)が自宅玄関先で滑って転倒し頭を打った。同市松代では、男性(49)が職場の階段で足を滑らせて転倒し左足の関節を骨折するけがを負った。

23日は市内3カ所で事故が発生し3人がけがをして救急搬送された。午前9時過ぎ、同市六斗で、車がスリップして道路脇に落ち、運転していた男性(40)が左頭部に打撲を負った。同市吾妻では、女児(5)がアパートの外階段から6段滑り落ち転倒した。午前10時過ぎ、同市妻木で、建設現場の様子を見に行った男性(47)が転倒し、腰を打撲するけがを負った。

土浦市では22日に3件の事故があり3人がけが、23日は1件の転倒事故があり1人が救急搬送された。土浦市消防本部によると、22日夕方、同市田中で乗用車の事故があり男性(48)がけがを負った。同市板谷と中村南ではそれぞれ歩行者の転倒事故があり、50歳と62歳の男性2人がけがを負った。23日は80歳男性が自宅庭で足を滑らせて転倒しけがを負う事故があった。

凍結した池の辺りで雪遊びをする子どもたち=23日午前8時50分ごろ、つくば市竹園、竹園東公園
スリップしないよう速度を落として走る車=23日午前7時ごろ、土浦市小松、国道125号

フリージア生産者ら 花屋のプロから「消費者好み」学ぶ 土浦

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フリージアは人気のある花という店員の話に、興味深く耳を傾ける生産者たち=19日、土浦合同庁舎

【斎藤茂】卒業や入学シーズンを控え、何かと花束を贈る機会が増える中で、県南地域のフリージア生産者らがこのほど、県土浦合同庁舎(土浦市真鍋)にフラワーショップの店員を講師に招き、フラワーアレンジメントの実演を通してフリージアの魅力を学んだ。一般消費者がフリージアにどのような印象を抱いているのかを探り、生産拡大につなげようというもの。

牛久市やつくば市、つくばみらい市などの生産者らで組織する県フリージア研究会(大山勝久会長、12人)と、稲敷地方農業改良普及センターが初めて開いた。会場には生産者の他、花き市場、種苗会社、県農業総合センターの職員ら20人が出席した。

講師に招かれたのはグランステージ山新の「創花」の大塚香菜子さんと美浦村のフラワーショップ「花りん」の仁井田圭子さん。2人は色とりどりのフリージアを使ってフラワーアレンジメントを実演。その過程で大塚さんはお客に人気のある花束を、仁井田さんは節分などの行事にちなみ、枡(ます)を使った花飾りやブーケなどを製作し、フリージアの特徴や扱い方を説明した。

製作の様子を興味深げに見守っていた生産者らは、花束を長持ちさせる工夫やその他の花の組み合わせ、消費者が好む色などについて矢継ぎ早に質問。大塚さんは房の形をしたフリージアの独特の姿に「小さくかれんな花は他の花にもなじむので、花束の定番として人気がある。お客さんは赤系を好むなど多様している」などと店頭での感想を話した。

景気低迷のあおりなどを受けてフリージアの生産者数は年々減少を続けているが、それでも東京市場への出荷量は関東エリアではトップを維持。東京中央卸売市場のデータでは、2016年出荷本数は216万本強で、2位の山形75万本を大きく引き離している。ちなみに3位は埼玉62万8000本、4位千葉62万7000本と続いている。

大山会長は「後継者を育てるにはもっと消費を拡大していかなければならない。そのためにはどうすればフリージアの魅力をより多くの消費者に知ってもらうか、お店の話を参考にして生産現場に活かしていきたい」と話している。

閉店まであと10日切る イオンつくば駅前店 31日午後8時営業終了

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閉店まで10日をきったイオンつくば駅前店のカウントダウン看板=つくば市吾妻

【大志万容子】つくば駅近くの大型商業施設、イオンつくば駅前店(つくば市吾妻)が31日午後8時に閉店する。同店2階の入り口付近にはカウントダウンの看板が設置され、22日は営業終了まであと10日を切り「あと9日」の文字が掲示された。

同店を運営するイオンリテール(本社・千葉市)によると、閉店セレモニーなどの予定はないという。

31日まで「閉店売り尽くし」セールが開催されている。22日現在、紅白幕を巡らせた衣料品の売り場では、婦人や紳士の衣料品が20%~半額オフ、肌着が40%オフなどで販売されている。22日は雪模様ということもあり、70%オフのビニール傘を買い求める人の姿も多く見られた。

同市春日在住の60代の女性は「20年前から利用していただけに残念。ほとんどの買い物を頼っていたので、これからどうしよう」と途方に暮れていた。

同店は1985年3月ジャスコつくば店としてオープン。筑波都市整備が運営するクレオ内の1、2階に入居、33年にわたり営業してきた。

つくば、土浦に大雪警報 最大15㎝の積雪

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駅に急ぐ高校生ら=22日午後3時過ぎ、つくば市吾妻、TXつくば駅前

【谷島英里子】22日、つくば、土浦などは雪に見舞われ、水戸地方気象台は同日午後2時27分、県南地域に大雪警報を出した。23日未明までに最大で15㎝程度の降雪があるという。大雪警報の発令は昨年の2月9日以来。

前線を伴った低気圧が発達しながら伊豆諸島付近を東に進み、雪を降らせた。つくば市では22日午後5時、7㎝の積雪を観測した。

降雪により、つくば市教育委員会は22日、市立小中学校の下校時間を繰り上げ、給食後の午後1時30分に下校させた。土浦市は通常の月曜日と同じ午後3時までの下校となった。23日朝はつくば、土浦両市とも小中学校の登校時間を2時間ほど遅くし午前10時ごろとする。

首都圏の鉄道に一部運休や遅延が出ている中、22日午後5時現在、JR常磐線、つくばエクスプレスいずれも平常運転となっている。

22日午後3時過ぎ、つくば駅周辺では、下校する高校生らが駅に急ぐ姿が見られた。横から吹き付ける雪に傘を斜めにしたり、傘を差さずコートのフードを頭にかぶって肩をすぼめながら足早に急ぐ生徒らもいた。

23日は強い冬型の気圧配置となり、晴れ時々曇りの予報となっている。

来館者10万人達成 開館45日目、土浦市立図書館

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10万人目の来館者となり市のイメージキャラクター「つちまる」と記念写真を撮る板羽美帆ちゃん(中央)。左は父親の浩之さん、右は入沢弘子館長

【鈴木宏子】土浦市立図書館(同市大和町)の来館者数が21日、10万人になった。昨年11月27日、JR土浦駅前、アルカス土浦内にオープンし45日目(開館日)の達成となる。同館は年間40万人の来館者を目標としており、開館2カ月弱での10万人達成は、目標より1.5倍速いペースとなる。

21日午後、10万人目の来館者となった市立土浦第2小学校1年、板羽美帆ちゃん(7)に、入沢弘子館長から、市のイメージキャラクター「つちまる」のぬいぐるみと、同市出身の力士、高安関の切手シートなどの記念品が贈呈された。美帆ちゃんは「びっくりした。(10万人目になって)うれしい」などと話していた。

絵本を返却するため、父親の会社員、浩之さん(55)とやって来た。5回目の来館という。浩之さんは「(移転前の旧館と比べ)本も増えたし、ジャンルも分かりやすく、居心地のいい場所になった。面白い本を探して、子どもにいろいろな本に親しんでもらえるようにしていきたい」などと語っていた。

同館のこれまでの1日平均来場者数は約2200人で旧館の3.5倍。貸出冊数は1日平均2228冊で同2.25倍。1階市民ギャラリーの来館者数と合わせるとアルカス土浦全体の来館者数は計約11万5000人になる。

入沢館長は「駅前立地になり、気軽に立ち寄る方が増え、利用の仕方にも変化を感じている」とし「10万人達成は一つの節目になる。これからも多くの方が本に親しみ利用しやすい図書館づくりを目指し、駅前活性化に寄与できる施設として地域と連携を図り貢献していきたい」などとしている。

第70回土浦市美術展開幕 市民ギャラリーで初 力作374点一堂に

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19日開幕した第70回土浦市美術展覧会=アルカス土浦1階、市民ギャラリー

【鈴木宏子】県内で最も歴史がある市民公募型の美術展「第70回土浦市美術展覧会(市展)」が19日、JR土浦駅前、アルカス土浦1階の市民ギャラリーで開幕した。日本画、洋画、彫刻、美術工芸、書、写真など市民の力作374点が一堂に展示されている。

昨年11月末オープンした同ギャラリー第2弾のオープニング展として開催された。市展が同ギャラリーで開催されるのは初めてとあって、昨年度より約2割(55点)多い作品の出展があった。市内のほか県南の高校生から80代まで365人の作品が展示された。主催は同市美術展委員会(平田洋香委員長)など。

書家の平田委員長は「今年はそれぞれの部門で大きな作品が増えるなど、力の入った作品が増え、意気込みが感じられる。書の部門では(掛け軸などの)表具の仕方にも工夫が感じられ、(巻物にした)巻子(かんす)のかな作品も初めて登場した」と今年の特徴を話した。彫刻家の磯山芳男委員は彫刻作品について「等身大の作品や、木で魚を彫った木彫、漆を使った乾漆の技法、難しい技術がいる鋳造ブロンズ、テラコッタ(素焼きの塑像)など、いろいろな技法を使ったバラエティーに富んだ特徴ある作品が出てきている」と語っていた。

同展は戦後直後の1947年に始まった。市展を目指して日ごろの制作活動に励む市民も多いという。

友人と訪れたつくば市の無職、唐沢聰さん(70)は「個性を出した、いろいろな表現、技法、技術、描き方があると感じた」などと感想を話していた。

◆入場無料。会期は28日(日)までの10日間。開館時間は午前10時~午後6時(最終日は午後3時まで)。会期中の土日曜(20~21日、27~28日)はギャラリートークが催され、市展委員を務めるプロの作家が会場で鑑賞のポイントなどを解説する。

油絵などが展示されている会場
展示されている彫刻作品

農業法人みずほ、訪日外国人狙い新たな展開 成田空港に直営店、つくば周辺で民泊・収穫体験も

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成田空港土産コーナーでイチゴを試食するインドネシア人

【斎藤茂】訪日外国人の増加が年々見込まれる中、つくば市の農業法人「みずほ」(長谷川久夫社長)が日本航空(JAL)と業務提携して新年からさまざまな取り組みを始めている。日本の農産物を外国人にもっと知ってもらい、消費拡大につなげようというのが狙い。

成田国際空港(千葉県成田市)では15日から主に東南アジアからの旅行客が往来する第2国際線ターミナルのJAL直営店で、みずほが用意した茨城産トチオトメや栃木産スカイベリーなどイチゴの販売を始めた。JALによると農産物の常設販売コーナーの設置は初めて。お土産を買い求めるインバウンド(訪日)旅客らに試食としてふるまったところ「甘い」と大好評。朝穫どりの新鮮なイチゴは1パック(10粒前後)1500円と高めだが、用意した60ケース(2パック入り)はあっという間に完売した。

バンコク(タイ)に直営店を持つみずほは、1月下旬から成田空港のJAL貨物便を使って果物の輸出を新たに始める。JAL専用の貨物便屋上に直接搬入することで迅速な輸送が可能となり、収穫した翌日にはバンコクの店頭に並べられるという。これまで他社の旅客便を使っていたが、店に届くまでに日数がかかり、輸送コストも高くついたという。

さらにJALと手を組んで、訪日外国人を対象につくば周辺の農場で果物の収穫体験をしてもらうグリーンツーリズムも企画している。日程は具体的ではないが、関連農場でイチゴをはじめ、メロンやブドウ、ナシなど旬の果物を民泊を兼ねて収穫体験をしてもらい、日本産果物のファン層拡大につなげていきたいとしている。

長谷川社長は「日本の農産物は迅速な空輸ができず、現地で新鮮なまま食べてもらうのが難しかった。訪日客だけでなく、海外でも可能になれば消費は伸び、輸出拡大につながる。ひいては農家の後継者育成にもつながる」と、今回のJALとの提携に夢を膨らませている。(終)

JALとの提携について話す農業法人みずほの長谷川久夫社長=成田空港

新たな5品認証 つくばコレクション

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認証品のマーク㊧と新たに認証された5品の一つ、男女川 TSUKUBA100プレミアム

【橋立多美】つくばエクスプレス(TX)つくば駅自由通路にある「つくば市物産館」と「つくばの良い品」に、新たな「つくばコレクション」が加わる。両店には、市内の物産品の中でも特に優れた物産品として市が認証した「つくばコレクション」が主に陳列されている。

つくばコレクションは、地域経済の活性化と同市のイメージアップにつなげることを目的に、2011年から始まった取り組み。材料や製造などの産地や安全性、品質に応じた買いやすい価格、オリジナリティ、パッケージデザインといった基準に適合した商品が認証される。

2017年度、新たに5品が認証されて合計26品目の食料加工品が「つくばコレクション」として認証を受けている。学識経験者やスーパーマーケットの商業者、観光業者などで構成される選定委員会が審査を行うが、今年度は消費者である市民たちが一部の審査を担い、その結果を前提に5品目が認証された。

「つくばコレクション」はTXつくば駅構内の2店の他、カスミの市内各店舗でも販売されている。

新たに加わった5品は以下の通り(写真はつくば市提供)。

○男女川 TSUKUBA100プレミアム(製造・稲葉酒造)
米は筑波農場産の五百万石を用い、筑波山の湧き水で製造。圧力をかけずに一滴一滴自然の重みで落とす袋吊り製法で生まれた「雫酒」。4320円(税込み)。

○七福来ギフトBOX(エコファーム飯島)

福来みかんを使った「七味とうがらし」と「筑波八ツ房とうがらし」、瀬戸内海で精製された厳選塩と七味とうがらしを調合した「塩七味」を詰め合せたギフトボックス。1280円(同)。

○元祖つくば餃子(龍神)

材料から調味料まで、地元の農産物にこだわった手作りギョーザ。1080円(同)。

○つくば豚無添加ボンレスハム(筑波ハム)

研究者の指導を受けて誕生した「つくば豚」を高い技術力で無添加で提供。無添加ハムは美味しくないという概念を覆す。4500~5500円(同)。

○つくば大吟醸バターカステラ(コート・ダジュール)

つくばの名酒「霧筑波」の大吟醸酒粕を練り込み、酒粕の香りが残るカステラ(アルコールは飛ばしている)。2160円(同)。

 

 

 

 

画家と彫刻家「二人展」開幕 牛久のギャラリー

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自作について語る画家の横須賀幸男さん

【鈴木萬里子】水戸市在住の画家、横須賀幸男さん(63)と城里町在住の彫刻家、槙野匠(48)さんによる「二人展―Asyl(アジール)」が16日、牛久市ひたち野東のギャラリー「ART SPACE ある・る」で始まった。

アジールはドイツ語。ギリシャ語を語源とし、聖域、自由領域など特殊なエリアのことを意味する。横須賀さんは二人展のコンセプトについて「美術は、囲まれた幸せな領域ではなくなった。さまざまな制約を取り払って自分たちの自由な生活を作り出したい」と語った。

横須賀さんはアクリル画11点を展示。うち大作3点は昨年10月に描いた連作。「雲、風、霧が感じられる作品に仕上げ、上から見たエリア(聖域)を感じさせる画にしたかった」と話した。30年前からアクリルで製作しているのは、水を流したキャンバスに何層も絵の具を入れ、日本的な墨絵に近い表現にするためだという。

槙野さんの作品は8点のうち大作の「小さな川を渡る」が会場中央に置かれている。この橋を渡り横須賀さんの3連作の1番目「門をたたく」に至るよう工夫された展示となっている。

◆開館時間は午前11時~午後6時、入場無料。20日(土)午後3時から同会場で「ギャラリートーク&ドリンクパーティ」が開かれる。会期は28日(日)まで。22日(月)休廊。問い合わせは電話029・871・7007(同ギャラリー)

中央に置かれた槙野匠さんの作品「小さな川を渡る」

愛国学園高のリンゴ型コロッケが優勝 龍ケ崎でコンテスト

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優勝した「AIRYUコロッケ」を手にする、愛国学園大学付属龍ケ崎高校チームのメンバーたち=龍ケ崎市上町のにぎわい広場

【崎山勝功】コロッケによるまちおこしに取り組んでいる龍ケ崎市で、おいしくて、見た目もユニークなコロッケを競い合う「第5回コロッケコンテスト コロリンピックin龍ケ崎」(同市商工会主催)がこのほど、同市上町のにぎわい広場で開かれた。具にリンゴを練り合わせたリンゴ型コロッケを考案した愛国学園大学付属龍ケ崎高校チームの「AIRYUコロッケ」が優勝した。

同市は県内で最初に、ご当地グルメによるまちおこしに取り組み始めた。コンテストには市内外から計16組がエントリーし、書類審査を通過した10組が出場した。審査員や会場の市民らが「見た目」と「試食」の2点から審査を行った。

優勝したリンゴ型コロッケを考案した愛国学園高1年の和田奈津希さんは「たくさん練習して、みんなで頑張って、優勝できて本当に良かった」と笑顔で答え、同1年の高橋園花さんは「味付けが大変だった」と、納得のいく味を出すまでの苦労を語った。

惜しくも2位となったのは市立城南中学校チームの「ぎょうざコロッケ」。同中2年の菅原千聖さんは「味の審査で高い評価をいただけてうれしかった。入賞も難しいと思ったけど、2位になれてよかった」と述べた。同2年の信田レイナさんは「準優勝したことはうれしい。できれば優勝したかった」と悔しさを見せた。

3位は、調理師を目指す若者らが学ぶつくば栄養医療調理専門学校(牛久市ひたち野)1年の松田黎奈さん(19)=常総市=。同市のマスコットキャラクター「まいりゅう」をかたどったコロッケを出品した。松田さんは「もう一度チャレンジしてみたい」と再戦への意欲を見せた。

2位、城南中の「ドンと伝わる城南魂!うますぎぎょうざコロッケ」
3位、つくば栄養医療調理専門学校1年、松田黎奈さんの「ギョウザコロッケ」

 

第5回コロッケコンテスト審査結果
順位 参加者・コロッケ名
優勝 愛国学園大付属龍ケ崎高チーム「AIRYUコロッケ」
2位 龍ケ崎市立城南中チーム「ドンと伝わる城南魂!うますぎぎょうざコロッケ」
3位 つくば栄養医療調理専門学校・松田黎奈さん「ギョウザコロッケ」
4位 一般・牧野朋子さん「いがくりコロッケ」
5位 一般・北島文男さん「ジィジィコロッケ」
6位 県立竜ケ崎二高・伊藤萌音さん「さつマロンチーコロッケ」
7位 県立竜ケ崎二高・山崎優衣さん「とろ~りとまらんトマトライスコロッケ」
8位 つくば栄養医療調理専門学校・平野理花さん「おでんコロッケ」
9位 つくば栄養医療調理専門学校・木村瑞紀さん「ミルフィーユコロッケ」
10位 一般・佐々木浩子さん「佐々木さんちのキャベツコロッケ」

「落ちない、滑らない」 マンホールカードで合格祈願を つくば市

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(左から)マンホールカードと合格祈願カード、缶バッチのセット

【大志万容子】受験シーズン本番を迎え、つくば市は、合格祈願のお守りとして「マンホールカードと缶バッチ」300セットを、市役所(同市研究学園)1階水道お客様センターで無料配布している。

マンホールはふたが丸くて構造上穴に「落ちない」、しかも表面が凸凹していて「滑らない」ことことから、マンホールカードは全国的に合格祈願のお守りとして人気を集めている。

セットには、マンホールカードと直径38㎜の缶バッチ、市職員が合格祈願の願いを込めて作ったカードが入る。12日に市のホームページに告知し、新聞に掲載されたこともあり、16日午前までにすでに約50人がもらいに訪れたという。

同課では「受験生のお守りにしていただくと共に、少しでも下水道に興味を持ってもらえれば」と話している。

マンホールカードは、各地のデザイン性の高いマンホールのふたを全国統一規格のカードで紹介し、下水道事業のPRを図るもの。筑波山や宇宙船を配したつくば市のカードは2016年8月から配布をスタート、17年4月に開始した英語版も含め、これまで約5000枚を配っている。

◆配布期間は3月31日(土)まで。午前8時30分~午後5時15分。先着順。問い合わせは、つくば市下水道管理課:029・883・1111(代表)

缶バッチは縁の色が5色ある

無料塾が資金集めバザー 市内に2カ所目の開設目指す つくば

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バザーの商品を見定める来場者たち=つくば市上横場、つくばショッピングセンターアッセ

【崎山勝功】つくば市内で学童保育と低所得・ひとり親家庭向けの無料塾を運営するNPO法人「居場所サポートクラブROBE(ロベ)」が14日、チャリティーバザーを同市上横場のつくばショッピングセンターアッセで開いた。収益を、無料塾の運営費用と同市内に2カ所目の無料塾開設費用に充てようと開催した。

会場には、同クラブに寄付された衣類、運動靴、羽毛ふとんなどの生活用品や、ランドセル、ピアニカなどの学用品が出品された。値段は一律1点100円以上、買い物をする側が値段を決めるというルールで、来場者たちが品定めをして購入していった。

バザーを主催した同クラブの森美智子理事長によると、今年の夏ごろをめどに同市吾妻地区に2カ所目を開設する予定という。同クラブでは2016年7月から同市谷田部地区で無料塾を開設している。運営する中で、他地区の子どもたちを受け入れる場をつくる必要性が出てきたという。「(つくば駅に近い)吾妻地区はバスなどの公共交通機関で通えるし学習指導ボランティアの筑波大生も来やすい」と話す。

現在、谷田部地区の無料塾には、約30人の小中学生が通っており、週2回「おにぎりボランティア」がおにぎりなどを差し入れし、学習と食育の両面で支えている。開始当初は「つくば市は税収が高い地域だから、そんなに困窮した世帯がいるのか」との声もあったという。開始当初は7人だった生徒がわずか1年半で約30人に増加。無料塾の開講で潜在化していた貧困が可視化された現実がある。

バザーは、2月12日と3月ごろにも同ショッピングセンターで開く予定。

ロウバイが見頃 筑波山梅林

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筑波山梅林で見頃を迎えたロウバイ=14日、つくば市沼田

【谷島英里子】筑波山中腹(つくば市沼田)にある筑波山梅林で、ロウバイが見頃を迎えている。斜面に数十本が植えられ、ろう細工のような黄色い花を咲かせて、甘い香りを漂わせている。訪れた人たちは、顔を近づけて香りをかいだり、写真撮影で青空とのコントラストを楽しんだりしていた。

同市観光コンベンション協会によると現在5分咲き。暖冬だった昨シーズンと比べ今年の冬は寒い日が続いているが、開花状況はほぼ平年並みという。園内では、開花が始まったばかりの早咲きの紅梅もちらほら見られた。

筑波山神社に夫婦で参拝に来たついでに梅林に立ち寄ったという筑西市の会社員女性(32)は「ロウバイは初めて見ました。一つ一つの花が小さくてかわいいですね」と話していた。

標高約250m付近にある梅林は広さ約4.5ha。白梅、紅梅、緑がく梅など約30種約1000本が植えられ、中腹からの眺望と筑波山の巨岩、梅とのコントラストが独特の景観をつくっている。今年の筑波山梅まつりは2月14日開幕する。

青空と筑波山の巨石とのコントラストが映えるロウバイ

小田地区でどんど焼き つくば 「伝統残したい」

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餅を刺した竹の棒を一斉に火にかざす参加者=つくば市小田

【鈴木萬里子】第30回小田地区どんど焼き(小田二十日会主催)が14日、つくば市小田、小田城跡歴史ひろばで催された。午後4時、日枝神社(土浦市澤辺)神主のお祓いの後、やぐらに火が放たれると、グォ~というものすごい音と同時に天まで届くかのような火柱が立ち、観客から大きな歓声が上がった。火の勢いが少し収まると参加者らが餅を刺した竹の棒を一斉に火にかざす姿が見られた。

どんど焼きは小正月(1月15日前後)に正月の松飾り、しめ縄、書き初めなどを長い竹やわら、茅(かや)で作られたやぐらに積み上げて燃やし、無病息災や五穀豊穣を祈る行事。この火にあたると若返る、焼いた餅を食べると病気をしない、燃やした書き初めの紙が高く舞い上がると習字が上手になり勉強もできるなどいわれている。

小田地区では30年前に地元の商人や事業主が中心となり同二十日会を結成、その会員らが立ち上げた。当初は12人ほどいた会員も現在は結束幸男さん(71)、小林宏さん(71)、河合満雄さん(67)ら3人になった。14日は友人、知人ら20数人がボランティアで参加し、クレーンを使い、高さ10mのやぐら作りや、豚汁作りなどに取り組んだ。

昨年から「小田城冬の陣」(つくば市教育委員会など主催)が同時開催され、和楽器演奏などのイベントも行われた。好評の豚汁は1日3回500食以上を無料配布した。火の回りではつくば市消防本部の職員が多数待機し、飛び火の消火に当たっていた。

■「分別徹底し土浦も再開して」

伝統行事のどんど焼きだが、最近は担い手不足や、プラスチックなどを燃やすことなどから減少傾向にあるという。土浦市もプラスチックの分別が難しいことから今年から廃止となった(NEWSつくば1月12日配信参照)。

つくば市中心部から来場した30代の夫妻は「是非残してもらいたい。分別は個人の意識の問題、行政の徹底した周知が必要だと思う」と話した。近所の60代の男性は「周りが何もないところなので気にしない」ときっぱり。やぐら作りをした男性は「伝統を残していきたい。(プラスチックの分別の問題は)これから考えていかなければならないが」と話した。土浦から孫2人と来た60代の女性は「毎年土浦のどんど焼きを楽しみにしていたのに廃止になって残念。市民も分別を徹底して再開してほしい」と語尾を強めた。

お祓いをする日枝神社の神主
火柱が立ち燃え上がるやぐら

県南5市町の司書が対決 土浦図書館で書評合戦 1位は―

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お気に入りの1冊を紹介する阿見町立図書館の山下裕美子さん=土浦市大和町の市立図書館

【谷島英里子】本を紹介し合い、どの本が一番読みたくなるかを投票で競う書評合戦「ビブリオバトル」が13日、土浦駅前の市立図書館(同市大和町)で開催された。県南5市町の司書5人がそれぞれ本の魅力をアピールした。

本に親しんでもらおうと、開館記念イベントの一つとして土浦市立図書館が主催した。土浦のほか、かすみがうら、石岡、牛久市、阿見町の司書が出場し、読みたいと思った本を参加者約100人が投票で決めた。

第3次世界大戦後の未来を描いたフィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」や、奈良時代の史実をもとにした久保田香里の青春ストーリー「駅鈴(はゆまのすず)」などが紹介され、司書が5分の持ち時間で面白さを解説した。

発表後、参加者から「何年前に発行された本ですか」、「ネタばれにならない程度に、一番怖いところはどこですか」などの質問が出ていた。

投票の結果、阿見町立図書館の司書、山下裕美子さんが紹介したウィリアム・グリルの児童書「シャクルトンの大漂流」が1位のチャンプ本に選ばれた。20世紀初頭、南極をめざして出航した乗組員たちの実話にもとづく冒険物語だ。山下さんは「うれしいです。本のすばらしさが(皆さんの)心に残ったのだと思います」と話していた。

 

「労苦の記憶」60点 阿見予科練記念館でシベリア抑留者展

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抑留者の生活の様子が描かれたパネルなどが展示された「シベリア強制抑留関係展示会」で、5735人の死亡者名簿を閲覧する見学者の男性=阿見町、予科練平和記念館

【鈴木宏子】第2次世界大戦後、シベリアなどに抑留された体験者が、当時の労働や生活の様子を描いた絵画や、身に着けていた防寒着など計約60点を展示した企画展「シベリア強制抑留関係展示会~労苦の記憶」が阿見町廻戸、予科練平和祈念館で開かれている。

約5万5000人が死亡したとされる抑留者のうち、旧ソ連政府から1991年に日本に引き渡された全9冊の死亡者名簿なども展示され、5735人の氏名、生年月日、軍人階級、死亡年月日が記されている。モンゴルの首都ウランバートルで道路舗装作業に従事する抑留者の様子を描いた当時のビデオなども上映されている。

同館が全国強制抑留者協会(東京都千代田区)に協力を依頼し開催した。同館でシベリア抑留者展を開催するのは初めて。

奈良県大和高田市出身の吉田勇さんが引き揚げ後に描いた、雪の中で樹木の伐採をする作業の様子や、日々の生活の様子を描いたパネル絵のほか、当時、伐採作業で使用されたのこぎり、おの、抑留者が作業の合間に手作りした木製のマージャンパイなども展示されている。

同館の豊崎尚也学芸員は「一般には1945年8月15日の玉音放送で太平洋戦争は終わりを迎えたといわれているが、それ以降も、戦争が続いていた抑留者の方々がいたことを知ってくれたら」と話している。

3月18日まで。月曜休館。同企画展のみは入場無料。常設展の入場は一般500円。問い合わせは電話029・891・3344(同館)

国保改革めぐり、つくばの乱 議会が意見書可決 「他市町村分も負担」

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11日開かれたつくば市臨時議会で国保事業費納付金の見直しを求める意見書を提案する橋本佳子文教福祉委員長

【鈴木宏子】国民健康保険(国保)の運営が今年4月、市町村から県に移行する制度改革をめぐって、県が昨年11月に市町村に示した保険料などの仮算定の数値が波紋を広げている。「(県が示した数値は)到底市民の理解が得られない」などとして、つくば市議会は11日、見直しを求める意見書を全会一致で可決した。

仮算定でつくば市は、2018年度に必要な保険料総額(国保の全体事業費)が一人当たりに換算して3117円増加し、一人当たりの年間額が県内一高い13万191円になるという数値が示されたことを受けた動きだ。

意見書は市議会文教福祉委員会の橋本佳子委員長が提案した。市民が払う国保税を現行のままと推計した場合、一般会計からの繰り入れの著しい増加が見込まれるなどとして、県に対し、積算根拠を明確に説明すること、保険税の引き上げとならないよう財政措置を講じることなどを求めている。議会では「つくば市が他市町村分を負担している」などと仮算定を批判する意見も出た。市も議会と足並みをそろえ、見直しを求める要望書を共に15日に県に提出するという。

一方、市民が実際に支払う国保税がいくらになるかはまだ決まっておらず市は3月議会に提案するとしている。

新制度への移行に向けて、県は昨年3月、県国民健康保険制度移行準備委員会(委員長・兪和茨城大教授)を設置し、市町村代表も加わって、保険料や運営をどうするかについて検討を続けてきた。保険料は県内統一でなく市町村ごとに算定していくことが決まり、昨年11月28日の第4回会合で各市町村の保険料を仮算定した数値が示された。

2018年度に必要な保険料総額が17年度より増加する市町村はつくばのほか龍ケ崎、常陸太田、那珂、牛久の5市で、39市町村は減少する。一方、一人当たりに換算すると保険料が増加するのが33市町村、減少するのは11市町村となる。つくば市は保険料増加額も県内で最も大きい約9632万円となる。

ただしあくまでも仮算定で、今後、1月下旬までに本算定が示され、各市町村は一般会計からいくら繰り入れるかを決めて国保税を算出する。

2018年度国民健康保険料総額の仮算定の数値
市町村 一人当たりの必要保険料総額(円) 前年度と比較した18年度の増減額(円)
1 つくば 130,191 3,117
2 八千代 130,005 ▲4,074
3 守谷 128,813 ▲3,885
4 境町 128,570 2,110
5 かすみがうら 126,011 ▲1,291
6 坂東 125,508 3,005
7 稲敷 124,694 ▲14,049
8 大洗 124,339 2,977
9 行方 122,994 ▲6,841
10 神栖 121,989 1,495
11 筑西 121,636 2,912
12 美浦 121,397 ▲6,107
13 古河 121,075 2,899
14 下妻 120,572 2,887
15 鉾田 120,062 356
16 茨城 119,515 2,861
17 東海 119,429 2,859
18 小美玉 119,008 ▲4,510
19 水戸 118,977 2,849
20 常総 118,605 2,839
21 土浦 117,540 2,814
22 桜川 117,523 2,814
23 五霞 117,509 2,813
24 ひたちなか 116,841 2,798
25 那珂 116,371 2,786
26 結城 113,885 2,726
27 北茨城 113,401 ▲1,861
28 鹿嶋 112,733 1,354
29 笠間 111,682 1,649
30 石岡 111,278 2,664
31 日立 111,262 ▲28
32 常陸大宮 111,171 559
33 つくばみらい 110,143 2,637
34 潮来 109,948 2,632
35 阿見 109,128 2,612
36 高萩 108,574 2,600
37 河内 108,186 ▲21,369
38 常陸太田 107,175 2,566
39 大子 106,596 ▲11,536
40 龍ケ崎 106,002 2,538
41 利根 101,519 2,430
42 取手 99,263 2,377
43 牛久 98,851 2,366
44 城里 97,311 2,330
県平均 116,719 1,304
※激変緩和措置実施済み
※第4回茨城県国民健康保険制度移行準備委員会資料より作成

どんど焼き、今年から廃止 土浦 「プラスチックすべて分別できない」

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昨年、土浦市の桜川河川敷で行われた「どんど焼き」の様子を伝える2017年1月14日付け常陽新聞

【谷島英里子】毎年、1月上旬に土浦市の桜川河川敷、学園大橋下で行われてきた正月飾りを燃やす伝統行事「どんど焼き」が今年から廃止される。土浦市立博物館は、正月飾りにプラスチックなど屋外で燃やせない素材が多く使われるようになり、すべてを分別して燃やすことが困難になってきたためとしている。

小正月に正月飾りを燃やし、餅を焼いて食べ、1年の無病息災を祈る行事。「とりおい」「ワーホイ」などとも呼ばれ、かつては農村部を中心に市内各地で行われた。高度経済成長期に都市化の進展とともに徐々に消えていったが、1980年に市郷土資料館(現・市立博物館)が中心となって復活させた。

昨年は1月14日に催され、500~600人の市民が訪れた。先着200人に紅白餅が配られ、正月飾りを燃やした火で餅を焼いて食べ無病息災を祈った。伝統行事とあって写真愛好家も毎年撮影に訪れる風物詩でもあった。

同館によると、正月飾りはプラスチック素材を多用した製品が多く、ダイオキシンなどの有害物質が発生する危険性が避けられないという。市民が持ち寄った正月飾りを受け付る際、職員がペンチやハサミを使ってプラスチックを分別してきたが、接着剤で固定されていたり、塗料が塗ってある飾りも多く分別が困難な状況だったという。

どんど焼きは近隣では、取手市の利根川河川敷で13日、つくば市小田で14日に催される。今年で48回目となる「どんどまつり」を開催する取手市産業振興課は「市民に呼び掛けてプラスチックを分別してもらっている」としている。

土浦市のどんど焼き廃止はすでに、市広報紙や市のホームページ(HP)などで市民に周知しているという。正月飾りの処分について同館は、市の分別方法を確認して、各自で対応してほしいとし、「神様の依り代(よりしろ)となったので塩を振り清めてから紙などにくるんで大きなものは小さく切るなどして出しましょう」と呼び掛ける神社本庁のHPの一部なども紹介している。

「復興に役立ちたい」 福島出身の橋本航太さん 自衛隊霞ケ浦駐屯地で成人式

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マイクスタンドの前に立ち新成人の抱負を述べる橋本航太3等陸曹(20)

【崎山勝功】中学1年生のとき東日本大震災で被災した福島県三春町出身の橋本航太さん(20)が10日、陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地(土浦市右籾)で成人式に臨んだ。橋本さんは3等陸曹。「災害派遣や訓練で辛い状況に置かれても屈しない強さを持った自衛官になりたい」と抱負を語った。きょう11日は震災から6年10カ月目。

震災直後、被災者の救護支援活動に従事する自衛隊員を目の当たりにし「身近に姿を見て憧れた」。中学卒業後に陸上自衛隊高等工科学校(神奈川県横須賀市)に迷わず入校し、卒業後、正式に入隊を果たした。

「環境が変わり最初は慣れるのに時間が掛かって、訓練が大変だったけど、2年間ここ(霞ケ浦駐屯地)にいて慣れてきた」と語り、「将来的には地元(福島県内の駐屯地)に帰って親を支えられたらと思う」と抱負を述べた。福島県の復興に役立ちたいという。

霞ケ浦駐屯地では今年、自衛官と事務官計47人が成人の仲間入りをした。式典には任務などによる欠席者を除く38人が出席し、1人ずつマイクスタンドの前に出て「成人としての自覚と自信を持ち業務に励んでいきます」などと抱負を述べた。

同駐屯地司令の山内大輔陸将は「心身ともに健康で明るく、楽しく、地域から信頼される自衛隊員として、一日一日を大切に生き、輝かしい明日を期待して日々精進することを期待する」などと訓示。新成人者代表の澁山虎留(たける)3等陸曹(20)は「いついかなる任務が与えられようとも、完遂できる隊員となれるよう使命を自覚し、若さとあくなき情熱を持ってまい進する覚悟」と答辞を述べた。