水曜日, 11月 12, 2025
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おいしい水の生産拠点「アクアクララ筑波山工場」完成 土浦

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完成したアクアクララ筑波山工場=土浦市真鍋

安心・安全でおいしい水を生産する「アクアクララ筑波山工場」が31日、土浦市真鍋1丁目に完成した。

中川商事(中川清社長)が、近くにあった工場を移転、新築した。クリーンルームなど最新の設備や機器を備え、国際的な衛生管理基準HACCP(ハサップ)の認証を得ている。

新工場は、延床面積1365平方メートル、平屋建て。極小フィルターで水を純水近くになるまでろ過し、カルシウムやマグネシウムなど4種類のミネラルを添加する。1時間当たり288リットルの飲料水を生産できる。

ろ過やミネラルの添加をするクリーンルーム

環境に配慮し容器は回収して再利用するため、プラスチックごみを削減できる。削減量は500ミリリットル入りペットボトル換算で1家族平均、月84本分になる。備蓄をしながら飲んだ分だけ注文する「ローリングストック方式」のため、家庭での備蓄水にもなる。

地元土浦市と、災害時に飲料水を提供する協定を締結しており、災害時は全国約60カ所ある工場から同市に飲料水が提供される。

竣工式であいさつする中川清社長

31日、同工場で竣工式が催され、八坂神社(土浦市真鍋)の鈴木健一宮司が神事を執り行った。中川社長は「たくさんの方々にお世話になって今日がある。これから地域に恩返しできるよう、しっかりとやっていきたい」などと話した。

稼働は6月から。工場見学などもできるという。

【土浦市長会見】7月23日から17日間のキララまつり 山車やパレードは中止

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会見をする安藤真理子市長=31日、土浦市役所

土浦市、安藤真理子市長の定例会見が31日、同市役所で開かれた。新型コロナ感染拡大の影響で昨年度中止したキララまつりについて、7月23日から8月8日までの17日間の会期とし、例年と内容を変更して開催する旨明らにした。

まつりのタイトルは「2021土浦の夏キララ~星空へ願いを込めて~」。日程は東京オリンピックの会期(7月23日~8月8日)と重なり、期間中をキララウィークとし、行事を分散して実施する。

新型コロナ感染に配慮し、パレードなど人が集まって3密を作りやすい行事は中止する。市民山車、歩行者天国実施による七夕おどり、防犯パレード、模擬店などのイベントだ。

実施するイベントは密にならないよう配慮し、町の中を回遊する「まちなかキララリー」、「土浦キララ花火」打ち上げなどが予定されている。

土浦港では霞ケ浦湖上遊覧船の無料乗船会を行い、観光帆曳き船は通常の運行に加え朝夕の増便を行う。

期間中は、土浦駅西口うらら大屋根広場、川口2丁目モール川口バス停付近、駅前目抜き通り商店街などを七夕飾りで装飾する。

市観光課によると2018年は16万人、2019年は14万人の人出があったという。

花き農家を支援の「花の産地つちうら」プロジェクト

グラジオラスやアルストロメリア、ガーベラなど市で栽培されている花を中心とした展示を6月19日から24日まで、市役所1階で行うと発表があった。

「花の産地」としてのPRと新型コロナ感染拡大に伴うイベントや式典の中止や縮小で収益が減少した花き農家の支援が目的。「父の日(20日)に花を送って」というプロジェクトでもあるという。ツイッターやフェイスブックなどのSNSや広報誌を利用したPRも実施する。

県の花き銘柄産地に指定されているグラジオラスの出荷量は、2019年に355万本だったが2020年は313万本まで減少した。(伊藤悦子)

オンライン授業は合理的配慮か 障害ある学生の修学支援 筑波大が初の全国調査

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聴覚障害学生が遠隔で文字通訳を受けながら、オンライン授業を受けている様

障害がある学生に対し大学などが実施している修学支援の効果について、筑波大学(つくば市天王台)人間系の佐々木銀河准教授らは2019年から20年にかけて全国調査を実施した。研究報告書によれば、大学などの教職員ではなく、障害のある学生本人を対象にした全国調査が行われたのは初めてという。

昨年から全国に広まったオンライン授業の影響も合わせて調査された。障害の種類や本人の特性によっては、オンライン授業になることで障害学生が受講しやすくなることが分かった。今後、オンラインでの受講を障害学生への新しい合理的配慮として利用できる可能性が示唆された。

配慮が不要な場合も

調査は、全国の大学・短期大学・高等専門学校に在籍し、学生支援を受けている障害学生431人にアンケートを実施した。調査の結果、オンライン授業では障害学生が特別な配慮を受けなくても、他の学生と同じように受講できる場合があることが明らかになった。

対面授業の場合、聴覚障害学生に音声情報を文字起こしする必要があったり、視覚障害学生が紙の資料を読み上げソフトで読むために、教員から個別に資料をパソコンデータでもらう必要がある。オンライン授業になることで、利用者に応じて自動音声認識による字幕表示ができたり、すべての学生に資料がパソコンデータで送られてきたりするため、障害学生が特別な配慮を求める必要はなくなる。

「障害により体調が悪い時でも自分の家から授業に参加できる」「発達障害により周囲の音に過敏に反応してしまうため、教室で受講するよりオンラインの方が集中できる」など、障害特性のためにオンライン授業の方が受講しやすいという意見もあった。

一方、「対面授業で教員と直接会った方が障害のことを理解してもらえ、配慮を受けやすい」「自動音声認識で字幕を表示すると、専門用語などを誤変換しやすく、理解が難しい」「発達障害により時間の管理が難しく、対面授業の方が課題の締め切りを把握しやすい」など、障害特性のために対面授業の方が受講しやすいという意見もあった。

コロナ禍の現在、筑波大では障害の有無に関わらず、感染予防の観点からオンライン授業が基本だ。コロナが収束すれば対面授業に戻るとみられるが、オンライン授業の方が受講しやすい障害学生もいることから、「障害の有無にかかわらず、参加しやすい授業を大学が作るために、障害学生にオンラインでの受講を認めることも合理的配慮の新しい選択肢の一つになるのではないか」と研究代表である佐々木准教授は話す。

しかし、大学によっては対面授業に戻りつつあり、障害学生であってもオンライン授業を認めないところも出てきているという。

学生の声聞き検討

オンラインでの受講を障害学生への合理的配慮として認めるには課題もある。文部科学省の大学設置基準で、大学の教育課程でオンライン授業が認められるのは60単位までと決まっている。現在は特例としてすべての授業をオンラインで受けても卒業できるようになっているが、コロナ後は以前の規定に戻る可能性がある。障害学生への合理的配慮としてオンライン授業を認める場合、どのように単位として認めていくか、筑波大でも検討している。

佐々木准教授は「大学での支援を障害学生自身がどう感じているかに焦点を当てた調査はまだ少ないため、今後も継続して調査したい」と話し、どのような場合に、オンライン授業を配慮として受けることが合理的だと考えられるかを検討している。障害学生の声を聞きながら柔軟に対応を検討したいとしている。

自分に必要な配慮模索する期間必要

【取材後記】合理的配慮とは、障害者が障害のない人と同等の社会生活を営むために、環境や慣行、制度などを変えること。コロナ後に、障害のない学生は対面授業に戻る一方で、授業中の配慮が少なくて済むという理由で、障害学生だけオンライン授業を受けるのは、障害のない学生と同等の学生生活を営むことになるだろうか。

合理的配慮は基本的に障害者本人からの申し出により始められるが、大学入学当初から自分に必要な配慮を分かっている障害学生だけではない。授業を受け始め、教員や他の学生と相談しながら、自分に合った配慮が分かってくる障害学生もいる。自分に必要な配慮を周囲の人と話し合う期間も、大学卒業後、社会の中で自ら必要な配慮を求めていく準備として必要なことだろう。入学当初から配慮としてオンラインで授業を受けた場合、障害学生自身が自分に合う配慮を模索する機会が減る可能性はないか。

一方、佐々木准教授も指摘しているが、障害による体調不良時など、オンラインでしか授業を受けられない場合もあるだろう。オンライン授業が合理的配慮として認められるまでには、検討すべきことが多くありそうだ。(川端舞)

つくば市農業委会長選びの田舎芝居 《吾妻カガミ》107

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】都市と田園が混在する研究学園つくば市。6つの町と村が合併して生まれた経緯もあり、農業関係でも面白い話があります。多くの方にとって「つくば市の農業委員会って何?」だと思いますが、今回は、このほど変更された農業委員の選び方、この委員の中から選ばれた会長の適格性について、気になったことを取り上げます。

何が引っかかるのか? 本サイトの記事「地区別人数制や農地法違反をめぐり紛糾」(5月20日掲載)が事実関係を伝えています。問題は2つあります。旧町村別の委員枠が地区別のバランスを欠く形に変えられたこと、農地法違反の過去を持つ人が会長に選ばれたこと―です。

記事の付表を使って計算すると、旧谷田部町の農地面積は市全体の24%、農家戸数は26%です。ところが、24人で構成される農業委の地区別枠が変更され、谷田部地区の委員数は25%から17%に減らされました。6人→ 4人です。2人減分は旧大穂町と旧豊里町に1人ずつ配分されています。旧谷田部町が不公平に扱われていないでしょうか?

会長選びも変です。I氏(旧桜村地区)とT氏(旧谷田部町地区)が争い、I氏=13票:T氏=11票で、I氏が選任されましたが、I氏は会長としての適格性に問題がありました。農地を転用する手続きをせずに駐車場として使うという、農地法違反の過去があったのです。農業委の信頼性が揺らぐのではないでしょうか?

市が会長選に実質関与?

なぜこんなことが起きたのでしょうか? 解明する前に、農業委員会とはどんな仕事をする所なのか、簡単にまとめておきます。所有する農地を転売したいとか、住宅用や産業用に転用したいとか、農家から申し出があった際に、YESかNOかを判断するのが主な仕事になります。つまり、環境上も経済上も大切な農地を守る役割を与えられている農業委は、農地の転売や転用を承認ないし否認する公的機関です。

田園→都市が進む学園都市つくばのように、住宅用地や産業用地へのニーズが強いところでは、農業委はとても大事な組織といえます。別の見方をすれば、売り手・貸し手の農家はもちろん、買い手・借り手の事業者、売買・賃貸の仲介者にとっても、気になる組織です。

こういったことを考えると、会長選び=委員の多数派固めが激しくなるのはよく理解できます。この結果に決定的な影響を与えたのが、T氏の出身地区・旧谷田部町の委員枠2人減だったことは言うまでもありません。

気になるのは、地区別枠を変更したのが市であるということです。新地区別枠が会長選任結果の主因になったのか、結果は多数派固めの努力によるものなのか、何とも言えません。しかし、I氏会長就任にプラスに作用する仕掛けを整えた市には、不自然なものを感じます。本サイトの「知らせぬまま『各地区3人以上』に変更」(5月28日掲載)の記事からも、I氏陣営と市の親密度が透けて見えるからです。(経済ジャーナリスト)

つくば市923件、土浦市1283件 コロナ禍1年 生活困窮者支援資金貸付

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総合支援資金の申請件数の推移を示したグラフ。両市から提供された申請件数を元にNEWSつくば作成

新型コロナの影響で生活に困窮している人を支援する「特例総合支援資金制度」の申請件数が、昨年4月からの1年間で、つくば市で923件、土浦市で1283件に達したことが分かった。コロナ禍で収入が減ったり失業した人を対象に、暮らしを立て直す資金を最大60万円(3回まで)貸し付ける制度だ。

つくば、土浦両市とも申請件数は昨年6、7月に大きなピークがあり、以降は減少傾向を続けている。つくば市社会福祉課によれば「緊急小口資金貸付については世帯に対して一度の貸付制度であるため、該当する世帯が少なくなった結果、申請が減少したという可能性が高い」という。

その後、今年の2、3月に若干の増加が見られた。原因は分かってない。

困窮状態1年以上も

今年2月には、同制度を一度利用した世帯であってももう一度貸付を受けることが出来る「再貸付」が始まっている。再貸付の申請件数は2月の制度開始から4月末までで、つくば市が178件、土浦市が216件に達した。制度利用世帯のうちつくば市で19%、土浦市で16%が再申請したことになり、コロナ禍により生活困窮状態が1年以上続いている人がいることを示している。

総合支援資金を再貸付まで満額で借りた場合には、貸付の総額は180万円となる。一時的な収入の減少に対して最大20万円を貸し出す特例緊急小口資金と併用した場合には、総額で200万円の貸付額となる。昨年3月、新型コロナ禍における限定的な措置として始まった特例総合支援資金制度だがすでに5回の期間延長を重ね、今年8月末まで特例措置が継続されることが既に決まっている。

つくば市内で生活困窮家庭の子供の支援などを行うNPO法人「居場所サポートクラブ ロベ」の森美智子理事長は「(関わりを持っている範囲で)特に飲食関連の業種の就労環境が不安定になってしまっている状況がある。特例貸付は返さなくてはならないものなので、可能な限り避けたいものの、生活費で不足する分を貸付でなんとかせざるを得なくなるケースもあることは事実」と話す。(山口和紀)

「つくばインターナショナルスクール」に学ぶ 《令和楽学ラボ》13

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つくばインターナショナルスクール=つくば市上郷

【コラム・川上美智子】茨城県の教育委員は、それぞれ年に6校ほど県内小中高等学校の視察を行っています。つくば市の「みらいのもり保育園」の園長になってからは、できるだけつくば市内の学校を回るようにしています。その番外編として、4月中旬、以前から名前だけは耳にしていた「つくばインターナショナルスクール(TIS)」を見学する機会を得ました。

何の予備知識も無く訪れた学校は、まるで軽井沢の森の中に迷い込んだかのような自然あふれる中にあり、その建物は、アメリカ風の緑色を基調にした木造のおしゃれなものでした。

シェイニー・クロフォード校長先生の大歓迎を受けて、全ての学年の授業を見学することができました。TISには、3歳から18歳までの子どもたち、285名が在籍し、開設12年で生徒数が飛躍的に伸びたと言います。

ダイバーシティー(多様性)の言葉がピッタリの、様々な国の子どもたちがキャンパスに学び、親の国籍は25カ国に上ります。両親が日本人の家庭、片親が日本人の家庭、両親が外国人の家庭がほぼ3分の1ずつで、授業はすべて英語で行われていました。

また、3歳から12歳までを対象とするPYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)、11歳から16歳を対象とするMYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)、16歳から19歳までを対象とするDP(ディプロマ・プログラム)のすべての国際バカロレア(大学入学資格・教育プログラム)が取得できるのは、県内では本校1校に限られるため、東京圏から通学する子もいるなど、大変人気があるとのことでした。

ユニークな国際人材育成カリキュラム

そもそも、国際バカロレアの目標は、①子どもたちが世界の複雑さを理解し、それに対処できるよう育成する ②未来に対し責任ある行動をとるための態度、およびスキルを身につけさせる ③国際的に通用する資格を付与し、大学進学へのルートを確保する―ことにあり、探求する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションができる人、信念をもつ人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスのとれた人、振り返りができる人を育成するとしています。

国際社会で活躍する人材育成のための教育カリキュラムはユニークで、例えばPYPでは、言語、社会、算数、芸術、理科、体育の6教科があり、「私たちは誰なのか、どのような時代と場所にいるのか、どのように自分を表現するか、世界の仕組みは自分たちをどう組織しているのか、地球を共有するとはどういうことか」などを教科横断的に学んで行きます。

私たちや人類にとっての普遍性や実社会の課題を、自分で考える、調べる、表現する、他人の意見も受容し共感する、解決法を探るなど、コミュニケーションを交わしながら学ぶアクティブ・ラーニングが基本のスタイルになっていて、TISでも、クロフォード校長先生の専門であるSDGs(持続可能な開発目標)のテーマで、どの学年の授業もアクティブに展開されていました。

今、日本は国際スタンダードなこの学習スタイルをようやくスタートさせたところです。小学校2年生の女の子の「私たちの体にはもうマイクロプラスティックが入り込んでいるの」の言葉を胸に刻み、学びの多い視察先を後にしました。(みらいのもり保育園園長、茨城キリスト教大学名誉教授)

ボランティアで音楽祭をプロデュース 《塞翁が馬》1

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三浦一憲さん

【コラム・三浦一憲】このコラムに参加することになった私は、「まちかど音楽市場」の代表です。2004年から、音楽をテーマにした企画を立て、ボランティア活動をしてきました。なんで?どうして?音楽イベントを開催することになったのか。その歴史や動機などを話していきたいと思います。

つくば市に来たのは1991

筑波研究学園都市は1963年の閣議了解から建設が始まり、1987年、つくば市が誕生しました。今年で34年という歴史の浅い新しい都市です。私は、両親が1980年にこちらに移住していた関係で、東京からよく遊びに来ました。当時は、富士山や群馬の山並も一望できました。住宅はあまりなく、人も少ない、新興開発地域でした。北風や春風で砂塵が舞い、家の中が砂だらけになることもありました。

1985年につくば科学万博が開催されますが、JR常磐線が唯一の交通手段で、「陸の孤島」とからかわれ、自殺者が話題になっていました。この万博に合わせて、センター地区の複合施設(ホテル、ノバホール、ペデストリアン)が完成し、都市の核になる顔ができました。

私が家族で移って来たのは1991年です。そのころには西武百貨店やダイエーが進出していましたが、センター地区も夜になると寂しいものでした。夜、犬と遊歩道を散歩したときは、誰にも会わないこともあり、これが「学園都市センター地区なのか」と驚きました。

「まちかどに音楽が聞こえる街」

そんな状況を市民レベルで何とかできないものかと思っていたとき、つくば市商工会と市産業振興課が開催したワーキングループに参加、その「まちづくり」部門で、音楽を主体にした地域活性化を提案しました。

その創設チームに、地域まちづくり専門家、筑波大学専門家、音楽専門家、地域スポーツチーム代表などが加わり、「まちかど音楽市場」の前身「つくば・まちかど音楽市場ネットワーク」が誕生、2004年から活動を開始しました。活動テーマ「まちかどに音楽が聞こえる街」がそのまま名前となりました。

つくば市は新しい街なので、試行錯誤を重ねながら、この15年間で113回のライブイベントを開催しました。15年分の膨大な記録や画像を分析・整理し、音楽祭開催のノウハウを次世代につなげられればと考え、今、報告書を作成中です。(まちかど音楽市場代表)

【みうら・かずのり】高校3年生の時に8ミリ映画を自主制作。以来、フリーのフォトグラファー。 電鉄・建築・人物などの撮影のほか、写真館も経営。つくば市市民活動センター・スタッフとして2年間勤務。2004年「まちかど音楽市場」を立ち上げ、代表に就任。現在住んでいる団地内でボランティア環境美化活動(ローズマリーの会)も。1991年、つくば市に移住。1952年、東京都江東区生まれ。

➡まちかど音楽市場ホームページはこちら

知らせぬまま「各地区3人以上」に変更 つくば市農業委員会人数割

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つくば市農業委員会事務局窓口=つくば市役所コミュニティ棟

選考の公正性、透明性どう確保

改選後のつくば市農業委員会委員の地区別人数割をめぐり、総会で農業委員から異議が出された問題で(5月20日付)、農業委員の候補者を選ぶ市農業委員会委員候補者選考会(会長・飯野哲雄副市長)が第2回会合を開いた昨年12月、地区別の農業委員数を一律で「各地区3人以上」と変更していたことが分かった。

同市の農業委員数は公選制だったときも含めてこれまで、地区ごとの農地面積や農家戸数に応じて選ばれ、農家が最も多い谷田部地区は他地区と比べて委員数が多かった。各地区一律で3人以上とする人数割は、市農業委員会設立以来の大きな変更になるが、当事者である農業委員会や、同意を得なければならない市議会にも説明はされなかった。一方、市はホームページに、地区ごとの農地面積や農家戸数などを考慮した地区別人数割の考え方だけを公表していた。

選考会で各地区一律3人以上となったことについて市農業委員の一人は「初めて聞く。選考会にそこまでの決定ができるのか」と憤慨する。

問題になっている認識なかった

同選考会は、農業委員が公選制から市長による任命制に変わったのを受けて、選考過程の公正性、透明性を確保するため設置され、昨年12月、35人の候補者の中から定数の24人を選ぶ選考が実施された。

地区別人数割について、昨年12月7日の第1回選考会では、農業委員は農地転用や所有権移転など許認可の調査を地区ごとに行っていることから、事務に支障をきたさないよう、地区ごとの農地面積、農家戸数、農地転用や所有権移転など農地法の許可申請件数に応じて、谷田部地区6~7人、桜3~4人、大穂3人、豊里3人、筑波4~6人、茎崎2人とすることを、市長への答申書に申し添えることが事務局から提案された。

その後、同月21日に第2回選考会が開かれ、事務局提案とは異なる、各地区一律3人以上とすることが決まったという。

農業委員会事務局によると「各地区3人以上いれば仕事が十分できると(選考会の)話し合いの中で決まった」としている。

ただし第2回選考会の議事録や要約、答申は非公開で、基準を変更するに至った議論の経緯や意思形成過程は説明がないままだ。同事務局は議事録を非公開としている理由について「(採点結果など)個人情報がからむので、第2回選考会開催にあたって、あらかじめ議事録を公開しないことを決定した」ためだとしている。

第2回選考会では答申がまとめられ、五十嵐立青市長に提出された。市長は、答申にもとづき、選考会の採点結果をもとに24人を選んだとしている。24人の地区は、谷田部4人(改選前は6人)▽桜5人(同5人)▽大穂3人(同2人)▽豊里4人(同3人)▽筑波5人(同5人)▽茎崎2人(同2人)。各地区3人以上と決めたのに茎崎地区が2人なのは、候補者が2人しかいなかったためという。

各地区3人以上に変更されたことについてはこれまで、農業委員会に説明されたことはなかった。同事務局は「(農業委員の間で)地区バランスとの隔たりが問題になっているという認識がなかった」ためだと釈明している。

出席せず説明できなかった

農業委員の任命は市議会の同意が必要なことから、市長は3月議会最終日に24人を農業委員に任命する議案を提案した。議会では、本会議開会前に開かれた議会運営委員会で、塚本洋二議員から「地区バランスはとれているのか」などの質問が出されたが、地区別人数を各地区3人以上に変更したことの説明はなかった。

これについて農業委員会事務局は「人事案件を出すのは総務部で、農業委員会事務局は議会運営委員会に出席してなかったので、説明できなかった」としている。

本会議では24人のうち22人が全会一致で、2人が賛成多数で同意となった。

意見聞かれたこと一度もない

農業委員会は、農地法に基づいて農地の売買や貸借の許可、農地転用案件に意見を言うなど、農地に関する事務を執行する行政機関で、「農地の番人」とも呼ばれる。

農業委員の選出方法は、2015年の農業委員会法改正により、選挙で選ぶ公選制が廃止され、議会の同意を得て市長が任命する方式に変更になった。

市長任命制に変更後の選出方法について、農業委員会法規則は「関係者からの意見聴取その他の委嘱(任命)過程の公正性、透明性を確保するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定めている。農水省は、必要な措置について①推薦を受けた者及び募集に応募した者や推薦者の意見を聞くこと②前任の農業委員または推薦委員の意見を聞くこと③パブリックコメントを行うこと④選定委員会を設けること等が考えられるとしている。

選出方法について別の農業委員は「つくば市から意見を聞かれたことは一度もない」と話している。(鈴木宏子)

市立学校教員が新型コロナ 28日まで臨時休校 つくば市

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つくば市役所

つくば市は27日、市立学校教員が同日、新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表した。

教員が勤務する学校は、濃厚接触者が特定される28日まで臨時休校とする。

学校の消毒は27日中に実施したという。

ローカルTV番組がおもしろい! 《遊民通信》17

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J:COM茨城が入る延増第1ビル=土浦市真鍋

【コラム・田口哲郎】

前略

コロナ禍前からですが、在京キー局のテレビ番組を見なくなりました。視聴習慣がなくなったと言われて久しいです。確かに昔は何曜日何時に見る番組が決まっていました。バブル期で番組製作費も豊富でセットが豪華、クセのある文化人が炎上なんて気にせずに個性的な発言をしていました。ありきたりですが、そこには「楽しみ」と「夢」がありました。

今時の若者みたいになんでもYouTubeで見るわけでもなく、偏向報道とゴリ推しあふれるキー局番組の「見せ方」にウンザリしていたとき、ふと見たローカル局の番組に引きつけられました。

うちは有線テレビ局J:COMで受信しているので、J:COM茨城、テレビ神奈川、千葉テレビも視聴できます。ローカル局とはいえ私企業ですから、スポンサー提供があっての番組制作という図式は変わりません。でも、たとえ番組内容が地元企業などのプロモーションであっても、作り込まれていない感じと良い意味の隙が自然なので視聴者はくつろげるのです。

それを知ってから、テレビをつけているときはローカル局を観ています。朝、キー局各社の情報番組は東京のグルメスポット紹介ばかり。一方、チバテレでは「モーニングこんぱす」をやっていて、我孫子の飲食店なんかを紹介している。

昼時、キー局ワイドショーは目新しくもない情報と政権批判ばかり。テレビ神奈川では「猫のひたいほどワイド」で、神奈川全域のおもしろスポットを紹介している。

夕方や夜は、J:COMで「いいじゃん!」「ジモト応援!茨城つながるNews」「マイシティつちうら」が身近な話題、おすすめスポットを伝えてくれる。不思議ですが、近所の情報にはがぜん興味が湧きます。深夜帯はローカル放送激戦区。旅番組「キンシオ」、音楽番組「関内デビル」「吉井さんGOLD」のラインナップで、テレビ神奈川が独り勝ちです。

J:COMの「いいじゃん!」「ジモト応援!」

JCOM茨城の「いいじゃん!」は、お笑い芸人のオジンオズボーンの高松さんと鈴木涼子さんが県南の飲食店やイベントを紹介します。「ジモト応援!茨城つながるNews」は、高松さん、鈴木さんたちがアナウンサーと一緒に地元ニュースを紹介。「見せる」ための情報提供ではなく、茨城に「ある」から伝えるというスタンス。

キー局番組に対しては斜に構えていた私も、ローカル局番組にはうなずいていることが多いですし、紹介されていた店や公園に行ってみたりします。東京中心時代には身近ながら遠かったローカルが段々近くなり、空白が多かった地元地図が埋められていきます。

今後は「いばらき人図鑑」のような、ゲストに話を聞くトーク番組や音楽番組、旅専門番組、歴史番組を制作して欲しいと思います。比類なき学研都市つくば、伝統的中核都市土浦には、ローカルメディアだからこそ発見・紹介できる人材・社会資源があるはずです。

全国に「見せる」情報ではなく、情報も地産地消を目指しましょう。それでいいのです! ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

「イラストで学ぶ過去の災害と地形」を公開 国土地理院

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2015年に水害をもたらした「鬼怒川常総市周辺」。区域図と色別標高図が示され低いところに水がたまることが直感的にわかる(国土地理院のホームページから引用)

高校「地理総合」必修化、活用を

国土地理院(つくば市北郷)は27日、「イラストで学ぶ過去の災害と地形」をウエブサイトで公開した。全国85カ所について水害と地形の関係を直感的に把握できるよう工夫した図をそろえ、できるだけ専門用語を使わずに解説した。

来年度から高校で必修化する地理総合では、地理情報システム(GIS)やハザードマップ、地形図の読み取り方をはじめ、防災教育を柱にしている。国土地理院の小野康・地理情報処理課長は、教育現場での活用や、地域の防災担当者がリスクを判断する際に役立ててほしいとしている。

常総市周辺の鬼怒川も紹介

全国85カ所の中に、2015年9月に大きな災害をもたらした常総市周辺の鬼怒川が取り上げられている。

同サイトから入ると、「山地なし」「平地の中を流れる川」「台地に接する平地」のカテゴリーで紹介されている。

水害が発生した区域を示した区域図と、土地の高低を色分けした色別標高図が示され、低いところに水がたまることが直感的にわかるようになっている。さらに水害と土地の成り立ちとの関係を解説している。

さまざまな地図情報の入り口に

国土地理院はさまざまな情報を地図に整理していて、今回のツールはその入り口としても機能している。「地理院地図で見る」をクリックすると参照した元のデータ図(区域図と色別標高図)のページに飛ぶ。色別標高図の右上にある「地図」をクリックし、さらに「土地のなりたち・土地利用」「地形分類(ベクトルタイル提供実験)」「地形分類(自然地形)」をクリックすると下図のようになる。

土地のなりたち・土地利用、地形分類(ベクトルタイル提供実験)、地形分類(自然地形)をクリックすると出てくる画面(同)

ここで左側にあるバーの「+」を押してある程度拡大すると、下図のように明確に色分けされた図になる。色の違いは地形区分を示しており、見たい色のところにカーソルを合わせてクリックすると、地形区分名・土地の成り立ち・災害リスクの解説を読むことができる。

さらに拡大すると出てくる明確に色分けされた図と地形の成り立ちや災害リスクなどの解説(同)

自分が住んでいる所を見たければ、このまま地図をドラッグする。下記は産業技術総合研究所(つくば市東)の敷地までドラッグした例だ。大部分がオレンジ色の台地で地震の揺れや液状化のリスクは低いが、一部分、揺れや液状化のリスクが大きい、緑色で示された後背低地・湿地だったことが分かる。

つくば市東の産業技術総合研究所の敷地までドラッグした画面(同)

今回の取り組みは、2019年に同院の測量行政懇談会がまとめた地理教育支援検討部会報告書で、国土地理院が有する防災地理情報の教材化支援が求められたことから始まった。

国土地理院では今後、地震や土砂災害についても同様のサイトを作りたいとしている。またこれまでに国土地理院が作成した地理教育ツールは「地理教育の道具箱」でまとめて紹介されており、小野課長は、住民の自助意識を高めたり、防災教育に活用してほしいとしている。(如月啓)

会話のきっかけづくりに コロナ禍、1人暮らし高齢者宅に「ふれあい通信」配布

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手作りの「ふれあい通信」を配布している稲川誠一さん=つくば市茎崎地区

コロナ禍、外出しなくなった一人暮らしの高齢者が会話をするきっかけになればと、つくば市茎崎地区のボランティア団体「通学路の安全を守る会」(稲川誠一代表)が昨年9月から月2回、同地区の一人暮らし高齢者宅に、地域の情報をつづった手作りのかわら版「ふれあい通信」を配っている。

代表の稲川さん(76)によると、昨年春の緊急事態宣言以降、極端に外出しなくなった高齢者が増えた。1週間や10日、人と会わずに過ごしていると、声が出なくなるという話を耳にした。

稲川さんは12年間、民生委員を務めた経験がある。コロナ禍、民生委員すら高齢者宅を訪問することが難しい状況にある中、何か工夫できないかと考えた。

パソコンやスマートフォンがなく、人と会わないため、地域の情報が手に入らない一人暮らし高齢者も多いことから、地域の出来事や健康づくりの情報などをつづった「ふれあい通信」を作って、1人暮らし高齢者宅約70件に配った。

稲川さんの電話番号を記載し、郵便受けに入っていた通信を手に取ったことをきっかけに、電話で会話し、一人暮らし高齢者が声を出すきっかけになればと考えた。

これまでに発行された「ふれあい通信」

通信はA4判数ページつづり。近隣の介護施設がどのようなコロナ対策をとっているかを施設長にインタビューしたり、茎崎地区で開催された筑波大生との地域づくり意見交換会の様子を載せたり、元開業医の室生勝さんによるコロナ禍の健康づくりのアドバイスを掲載するなどしている。近隣の知人から聞いたコロナ禍での親の介護体験談や、PCR検査の体験談なども載せたりしている。現在は30軒ほどにポスティングしているという。

稲川さんは「ふれあい通信をきっかけに気軽に電話してもらって、話をして、声が出るようになれば、目的が達せられたことになる」と語っている。(鈴木宏子)

最弱の戦国大名は超生命力家 《ひょうたんの眼》37

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ヤマボウシ

【コラム・高橋恵一】来年のNHK大河ドラマのタイトルは「鎌倉殿の13人」。鎌倉幕府の2代目執権・北条義時が主人公で、源頼朝の急死後に合議制を敷いて2代将軍・頼家の施政を担った13人の物語のようだ。

合議制と言っても、すさまじい権力争いが生じ、将軍頼家も3代将軍・実朝も周囲に翻弄(ほんろう)され、結局、正統の源氏将軍は3代で断絶してしまい、以降は執権北条氏の政権になるわけだが、13人の実力者が相克を繰り返し、結局、北条義時が権力を獲得する。

この時代を、地元土浦・つくばから眺めると、源頼朝が鎌倉に政権を確立した時に、現在の茨城県南地方に領地を得て登場したのが、八田知家(はった・ともいえ)。常陸守護の大名・小田氏の開祖である。「鎌倉殿の13人」の1人で、頼朝と同年代。13人の中では、長老格になる。

大河ドラマでは、どのように展開するのかわからないが、歴史ファンにはおなじみの、悪役・梶原景時(かじわら・かげとき)をはじめ、比企能員(ひき・よしかず)、畠山重忠(はたけやま・しげただ)、和田義盛(わだ・よしもり)などが滅ぼされ、大江広元(おおえの・ひろもと)のように老齢死去したものもあって、3代執権・北条泰時の時代には、親族でもある三浦泰村(みうら・やすむら)一族も滅ぼされて、有力武将はほぼ打倒されてしまう。

北条氏と一心同体のように幕府で権勢を維持してきた安達盛長(あだち・もりなが)の一族も元寇の後、安達泰盛(やすもり)の時代に滅ぼされてしまう。「霜月騒動(しもつきそうどう)」と言って、有力武士よりも内務官僚が実権を持ってしまった結果であり、政権が長期化するといつの時代にも起こる老化現象である。

地元の名士は郷土自慢の種

そのような情勢の中、若干の盛衰はあったものの、常陸の守護職小田家は、鎌倉時代を生き抜き、南北朝時代は、負け組の南朝に組みしながらも存続し、室町時代、そして戦国時代も常陸南部の有力大名として、存続し続けた。

戦国最末期に、小田城、土浦城を奪われてしまうが、戦国最弱の大名と評される当主小田氏治(おだ・うじはる)は、生き延びている。武田氏や朝倉氏、小田原北条氏のように、当主までが命を取られることなく生き延びたのだ。

2021年のNHK大河ドラマに便乗して、水戸市では一橋慶喜や水戸斉昭で盛り上がろうとしているようだ。歴史では、高萩市が長久保赤水(ながくぼ・せきすい)を押し上げている。地元の名士は、名所や特産品と共に、嫌みのない郷土自慢の種である。筑波山と霞ケ浦の抱える壮大な物語を、大いに売り込もうではないか。(地図好きの土浦人)

皆既月食見たさの天文ファン 土浦・霞ケ浦総合公園で肩すかし

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皆既食が終わった後ようやくにじむような月の姿がほの見えた=26日午後9時01分、霞ケ浦総合公園

満月が地球の影に入って暗くなる皆既月食を見ようと26日夜、土浦市の観察スポット、霞ケ浦総合公園(同市大岩田)に100人を超す人出が繰り出した。午後6時半過ぎの月の出こそ見られたものの、欠け始めから皆既月食の間じゅう、月は分厚い雲にさえぎられ、天体ショーは肩すかしとなった。

日本での皆既月食は2018年7月以来、約3年ぶり。地球と月との距離が近づく分、通常より大きく見えるスーパームーンのタイミングも重なった。

月の出直後に食が始まることから、見物場所を探してお出掛けするイベントとなった。茨城県南では、東南の方向に展望の開けた霞ケ浦のある同公園が格好の見物スポットとなった。

午後6時を回ると、オランダ風車の前庭を中心に、同市内外から人が集まりだした。長距離の望遠レンズを装着したカメラを三脚に据えた天文愛好家から、スマホを構えて撮影ポジションを探すにわかファン、家族連れたちの姿があった。

月の出こそ雲間をついてスーパームーンが垣間見えた=午後7時5分

月の出直後の午後7時前後には雲間から深紅に染まる月が一瞬姿を現し、カメラマンらが活気づいた。しかし、月の出番はそれっきり。事前の情報では午後6時45分ごろから欠け始めるとされたが、スーパームーンはずっと雲に隠れたまま。

皆既月食の時間帯は午後8時時過ぎからの約20分間とされたが、この間も姿を現す気配すらなく、待ち続けた見物客を残念がらせた。

撮影用に構えたスマホを、YouTubeや放送局などのチャンネルが行うライブ配信に切り替えて見入る姿もあった。午後9時ごろになって、雲のベールの向こうににじむような月影が見えたが、月食の様子までは分からず仕舞い。

つくば市の宮本さん夫妻はお弁当持参で見物。「月よりお弁当になってしまったけど、今度こそという気になりました。次のチャンスを待ちます」と空を見上げた。次回日本で皆既月食が起きるのは22年11月8日という。(相澤冬樹)

洞峰公園で動物愛護呼び掛け つくばインターナショナルスクールの子どもたち

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保護者や教員とともにポスターを持って歩くつくばインターナショナルスクールの子どもたち=つくば市二の宮、洞峰公園

「捨てられたワンちゃん、ネコちゃんを助けよう」「新しい家族を探そう」。つくばインターナショナルスクール(TIS、つくば市上郷)に通う4歳の子どもたち14人が25日、手作りのポスターを手に保護者や教員らと洞峰公園内を約1キロ歩き、市民らに捨て犬、捨て猫の保護を呼び掛けた。

ポスターは、A3サイズの色画用紙に、つくば市の動物愛護団体、CAPIN(キャピン、動物愛護を考える茨城県民ネットワーク、鶴田真子美理事長)で保護されている犬の写真と絵を貼ったもの。子どもたちはそれぞれ自分の好きな犬の写真を選んだ。

保護犬の写真を貼った手作りのポスター

子供たちの呼び掛けに、公園でジョギングや犬の散歩をしていた人たちは、立ち止まってポスターを見たり、子どもたちに話し掛けたりしていた。

付き添った母親は「このような動物愛護活動は日本ではあまりなく、有意義。子どもにも良い影響を与えると思う」と語った。活動に参加した男の子は「犬が好き。(活動ができて)うれしかった」と笑顔で話した。

変えたいと思ったら行動を起こす

同スクールとCAPINの交流が始まったのは今年3月。土浦市内にあるCAPINの保護施設で、捨て犬・捨て猫の世話をしているカナダ出身のイングリッド・ロフグレンさんが、同校の教員であることが縁だ。

趣旨に賛同したシェイニー・クロフォード校長は、同スクールで動物愛護活動に取り組むにあたって、保護者には、CAPINの活動内容や譲渡活動の応援、寄付を呼び掛ける手紙を配布した。

校内には捨て犬や捨て猫の支援物資を入れる「ドロップボックス」を2つ設置。子どもたちは、各家庭からタオルや皿などの不用品や、ペットシーツ、鉛筆などを持ってきてドロップボックスに入れるという。週末には5年生が、保護施設の犬猫の世話を手伝うボランティア活動を行っている。

今回の活動は4歳児クラスの教員が「自分たちのクラスでもシェルターにいる犬猫のために、何かやりたい」と企画したことがきっかけだという。

クロフォード校長は「単に犬や猫がかわいそうだと思うだけではなく、世の中を変えたいことがあったら、解決に向け、自分で行動を起こすことの大切さを子どもたちに伝えたい」と語った。(伊藤悦子)

野生イノシシに豚熱ワクチン散布 13市町で

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野生のイノシシ

茨城県畜産課は、野生イノシシに免疫をつけることで豚熱(CSF)感染を防止するため、今月19日から6月10日まで、国や市町村、猟友会などと連携し、野生イノシシに対する経口(餌)ワクチンの野外散布を実施している。

散布市町村は、栃木県境寄りにあり野生イノシシが生息している大子町、常陸大宮市、城里町、笠間市、桜川市、石岡市の6市町と、渡良瀬遊水地から利根川沿い河川敷の古河市、境町、五霞町、坂東市の4市町。

さらに豚熱感染個体が確認された守谷市、取手市、常陸太田市の3市など、県下全域に及ぶ。

経口ワクチンはイノシシが生息する山林等の土中に埋める。トウモロコシなどを材料としたビスケット状の餌の中にワクチンを封印したもので、国の食品安全委員会で安全評価された成分や食品でできているという。

既に県内では野生イノシシに豚熱感染個体が確認されている。このため県は、豚飼育施設に入る予定があり、山林に入った場合は、山林から出る際、消毒液などで靴底等に付着した土を洗い流すなどの防止策を講じてほしいと呼び掛けている。(山崎実)

経口ワクチン散布市町と作業スケジュールは以下の通り。
▽守谷市=5月19日(餌付)、27日(散布)
▽常陸太田市=5月25日と27日(餌付)、6月1日と3日(散布)
▽大子町、常陸大宮市、城里町、笠間市、石岡市、取手市、桜川市、古河市、境町、五霞町、坂東市=6月1日、3日、8日、10日(いずれも散布)

【豚熱】豚やイノシシが感染する病気で、伝染力が強く、致死率が高い。人には感染しない。国内では2018年9月、岐阜県の養豚農場で26年ぶりに感染が確認された。現在、国内で感染が拡大しており、県内では昨年6月、取手市内で感染した野生イノシシが初めて確認された。その後、守谷、常陸太田、常陸大宮市、大子町で12例の野生イノシシの感染が確認されている。一方、県内の養豚場では現在まで感染は確認されていない。

江戸時代の梅酒 《県南の食生活》25

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梅酒

【コラム・古家晴美】この時期、店頭にはチラホラと青梅が姿を見せ始めている。昨夏は梅の土用干しについて記したので(20年7月22日付)、今回は梅酒について見てきたい。現在、水割りや炭酸割梅酒が手軽に飲めるサイズで販売されているが、それでも自家製のものをお作りになる方もいらっしゃるだろう。

以下は「梅酒」の作り方についてしばしば引用される、江戸時代前期に著された『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』の一節である。著者は、庶民の日常生活に用いる食に関して記したと述べている。

「痰(たん)を消し、渇きを止め、食を進め、毒を解し、咽痛を止める。半熟の生梅の大ならず小ならず中くらいのを、早稲草の灰汁(あく)に一晩浸し、取り出して紙で拭き浄め、再び酒で洗ったものを2升用意する。これに好い古酒5升・白砂糖7斤を合わせ拌勺ぜ(かきまぜ)、甕(かめ)に収蔵める。20日余を過ぎて梅を取り出し、酒を飲む。あるいは、梅を取り出さずに用いる場合もある。年を経たものが最も佳い。梅を取り、酒を取りして、互いにどちらも用いる」(人見必大著・島田勇雄訳注『本朝食鑑2』 平凡社東洋文庫 1977年)

現代との違いは、いわゆる薬酒として用いられているが、焼酎ではなく、3年物の古酒の使用を勧め、あく抜きに藁(わら)の灰汁を使用している。慶安期の引き札によると、薩摩焼酎が1升500文なのに対し、酒が40~60文(古酒はこれよりは高いだろうが)で、焼酎は高価だ。庶民にとって、手頃な価格で火入れの技術が発達していなかった当時、3年間腐敗を免れた古酒は、果実酒作りにふさわしかったとの指摘もある。

かなり甘く濃厚 酒というより薬

では、現在の梅酒の分量と比べるとどうなるだろうか。
青梅2升=(中粒の青梅で計量したところ1.2リットルが1キロなので)3キロ
砂糖7斤=4.2キロ
古酒5升=9リットル
―に換算できる。

これを現在の一般的な梅酒レシピの分量である、青梅1キロ、氷砂糖600~1000グラム、焼酎1.8リットルと比較すると、梅:砂糖:酒の割合が、前者は1:1.4:3であるのに対し、後者は1:1:1.8となる。江戸時代の梅酒は、梅の量1に対して、砂糖と酒の割合がかなり高い。江戸前期の砂糖はまだ量産されておらず、高価であったろうが、気前よく使用している。

ただし、前者は氷砂糖を、後者は白砂糖を使用している。糖度の違いが99.95Z°と97.69Z°で多少の違いがあるが、残念ながら、糖度と甘味度の相関性の説明は専門外で難しい。古酒は当時も上等なものだろうが、醸造学の小泉武夫氏によれば、江戸時代の原酒はアルコール度数が17~22度で、アミノ酸度や酸味が高く、糖度に至っては4~5倍で味の濃いものだったので、希釈して飲んでいたと言う。

これらのことから大胆不敵に想像の翼を広げると、『本朝食鑑』の梅酒は、希釈せよ、とも書かれていないので、かなり甘めで濃厚な、「酒」というよりも風邪気味の時に飲む「薬」のイメージだろうか。

現在、いくつかの酒蔵で、江戸時代の日本酒を再現したものや、古酒を醸造している。これを機に、それらの酒で梅酒を作ってみようか。(筑波学院大学教授)

ラムサール登録へ 千葉県との共同歩調に期待 利根川下流と霞ケ浦

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霞ケ浦遠景。土浦市の霞ケ浦総合公園から歩崎(かすみがうら市)を望む

茨城県生物多様性センター(県環境政策課内)は、国の特別天然記念物であるつがいのコウノトリが生息する利根川下流域と霞ケ浦のラムサール条約登録に向けた取り組みを、県境を越え、千葉県と協議を重ねるなど、涸沼に次ぐ県内2カ所目の登録実現を目指している。

同センターによると、涸沼(茨城町、大洗町、鉾田市)がラムサール条約の湿地登録がされた当時も、コウノトリがすむ利根川下流域は、環境庁の潜在候補地に上っていた。

しかし豊かな湿地にもかかわらず鳥獣保護区にも指定されてないなど、多彩な水鳥の保護・保全活動に疑問符がついたことから見送り、涸沼1カ所の登録を働き掛けてきた経緯がある。

その後、生物多様性に対する県民の関心も高まり、2013年、水郷筑波国定公園内の筑波山に生息するサンショウウオが新種であることが判明。「ツクバハコネサンショウウオ」と命名され、2015年には「種の保存法」に基づき環境省から国内希少野生動植物種に指定された。

つがいのコウノトリがすむのは、神栖市の川尻地区で、対岸の千葉県側ともども、水鳥の飛来が多い湿地帯。従来の潜在候補地から何とかラムサール条約の登録候補地にしたいと意気込む県は、千葉県側との共同歩調に期待を寄せている。

内閣府の調査によると、「生物多様性」の認知度は、まだ50%強にとどまる。5月22日の「国際生物多様性の日」をはさみ、県庁(水戸市)では25日まで、啓発活動の一環として、生物多様性にかかわる展示会が開催された。

「生物多様性の保全と、生態系の持続可能な利用を推進するためには、県民の理解、意識の向上を進め、日常の中で豊かな生物多様性に支えられていることを意識し、必要な行動につなげていくことが重要」ー知事の議会答弁(今年3月定例会)だが、言葉通り、県は2カ所目のラムサール条約登録に向け、具体的な行動を促進、加速させている。(山崎実)

【ラムサール条約】特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地を保全する条約。環境省は2010年、ラムサール条約の登録を推進するため、国際基準を満たす全国172カ所の湿地を潜在候補地として選定している。潜在候補地の中から、地元自治体の賛意が得られ、湿地を保護するための法整備などが整った候補地から登録が進められる。

霞ケ浦・北浦と利根川下流はいずれも潜在候補地に選定され、このうち霞ケ浦・北浦は、ガン・カモ類などの水鳥が2万羽以上飛来し、ヨシガモの全個体数の1%以上が越冬するほか、希少な淡水魚の種の多様性が高いとされる。利根川下流は、サケ、太平洋型イトヨ、カワヤツメなど産卵のため河川に遡上する遡河性魚類の南限であり、神栖市高浜にチュウシャクシギの全個体数の1%以上が渡ってくるとされている。

ワクチンなど4つの取組が成果 殺処分 最新集計を検証する㊦

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殺処分をなくすため茨城県動物指導センターで毎週、収容されている犬を保護団体が引き受ける「引き出し」活動をする鶴田真子美さん。収容されている犬1匹1匹の管理カードと犬を確認し記録している=茨城県動物指導センター

【コラム《晴狗雨dogせいこううどく》特別編・鶴田真子美】かつて全国最多だった茨城県動物指導センターの殺処分数はなぜ大幅に減少したでしょうか?

理由の第1は、パルボワクチン接種です。

2015年6月以降、常総市の野犬保護の取り組み時に、センターに収容された野犬が感染症のパルボウイルスに罹患したのを契機に、センターのパルボ撲滅を強く要望しました。このときセンターは、パルボを抑え込んだ千葉県のセンター等に視察に行かれ、全頭接種が鍵であることを聞かれたそうです。間もなく茨城県動物指導センターでも、パルボワクチンがすべての収容犬に接種されるようになりました。

それまでセンターに蔓延していたパルボウイルスにより、健康な犬たちも収容されてすぐに罹患し、血便と嘔吐で弱り、ガス室に入る前にはすでに衰弱していたというのがセンターの状況でした。殺処分前提で収容が行われていたからです。

しかし2015年夏から現在、ワクチンにより、ウイルスから個体を守ることができるようになったため、ボランティアが安心してセンターから犬を引き出せるようになりました。犬の殺処分を減らせた大きな契機はワクチン接種の実現でした。

残念ながら子猫にはまだ充分にワクチン接種がなされておらず、センターでも猫パルボが発生しております。パルボさえ抑え込めたら子猫の収容中死亡率も下がり譲渡が進みます。

これを防止するのは、幼齢の子猫への仮ワクチンの接種です。小さいからワクチンは打てないのでは、パルボウイルスにより命を落としてしまいます。パルボウイルスの体内増殖と競うように1日も早く抗体をあげるには収容時点での速やかなワクチン接種が必要です。

さらに、センターでは環境整備が課題となるかと思われます。子猫は一カ所に集めず、センター内外に小さなスペースを用意し、きょうだいごとに隔離収容することができたら、罹患したひと腹の兄弟猫と、健康体であるひと腹の兄弟猫とを一緒にせずに、より安全に助けられると思います。

また、センターに入れる前に、子猫を預けられるミルクボランティアさんの登録と養成も、猫の延命率を上げるのに有効でしょう。

条例制定で財源確保

なぜ殺処分が大幅に減少したのか? 理由の第2は、茨城県犬猫殺処分ゼロ条例の制定による財源確保です。

2018年12月、茨城県で犬猫殺処分ゼロ条例が施行され、これにより、収容犬猫へのワクチン接種や避妊去勢手術、地域猫活動に予算が下りることになりました。

2015年に常総市で野犬保護問題に取り組んで四苦八苦していたとき「待ってろよ、いまに犬猫を生かすための条例を作ってやるからな」と県議に言われました。保護犬の公示期間も2週間に延長されました。

2019年にはプレハブ猫舎が2棟建設され、古墳ドッグランが出来ました。

また、2020年にはドッグトレーナーが採用され、9月には雑居房にエアコンが入りました。

茨城県動物指導センターに2019年に整備されたドッグラン

センターが直接、一般譲渡

なぜ殺処分が大幅に減少したのか? 理由の第3は、センターが直接、一般譲渡に踏み出したからです。

2019年3月までセンターは、犬猫が欲しい県民を門前で断っていました。必ず登録ボランティア団体を通して譲渡を受けることが義務付けられており、県民は犬猫がほしくてもセンター登録団体をみつけて交渉するか、ペットショップに走るしかありませんでした。

2019年度からはセンターから一般の方に直接譲渡ができるようになりました。

センターが直接一般譲渡する犬が待つ「ふれあい犬舎」

保護団体が毎週引き出し

なぜ殺処分が大幅に減少したのか? 理由の第4は、当会CAPINが、殺処分平均数である週4匹を毎週、センターから引き出す活動を続けているからです。これは県内外のボランティアさんの頑張りによります。

当会CAPINでは、センターから毎週4頭ずつ、野犬、老犬、怖がり犬を中心に引き出してきました。2019年1月から21年5月までの合計で犬398匹となります。

飼い主に返還は少ないまま

センターに収容された後、飼い主に無事返還された数はどうなっているでしょうか。

犬は2016年から20年まで、順に152匹、122匹、128匹、149匹、133匹が返還数です。収容数そのものの減少を考慮しても、相変わらずの返還率の低さです。収容頭数と比べると2016年は7%、20年は12%です。

猫の16年から20年までの返還数は、1匹、6匹、2匹、2匹、9匹という少なさです。負傷していない限り成猫は原則引き取らないセンターに、居なくなった猫を探して足を運ぶ方も少ないようです。

返還率の低さは、個々の猫の飼い主さんに、終生飼養や逸走防止の心得、完全室内飼育が当たり前という意識が育っていないこともあるでしょうが、行政側からの畜犬登録指導や鑑札迷子札の装着徹底の啓発が進んでいないことが背景にあります。

狂犬病予防法に基づく人命救助の観点からも、飼い主不明の犬がこれほどたくさん徘徊していること自体が深刻な問題です。狂犬病予防接種と畜犬登録は市町村の業務であり、市町村も飼い犬の迷子札装着や逸走時の予防線として犬の情報をつかむことが必要と思われます。

迷子や遺棄は後をたたず、収容犬猫は県内外の譲渡ボランティア団体の努力で何とか殺処分を減らしているような現状では、真の解決は遠いと思われます。

水戸市の動物行政は独立

 なお2020年度から、水戸市は中核市として動物行政を独立させ、水戸市動物愛護センターを開設しました。水戸市独自で収容と譲渡を行っているので、こちらの統計は水戸市を除いた数となっています。

水戸市では現在まで殺処分は行われていません。(犬猫保護活動団体CAPIN代表)

名前を考える 《続・平熱日記》86

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【コラム・斉藤裕之】いよいよ出産を控えた長女が戻ってきた。「ところで名前は決まったの?」。長く学校に携わっているので、子供の名前の流行や変遷はリアルタイムで実感してきた。あまりハイカラなのはどうかと思っていたところ、どうやら割と古風な名前が旦那の好みらしい。

孫の名前は?

しかし、日本ほど多種多様な名前をつける、つけられる国も珍しい。西洋をはじめ多くの国では聖人などの先例から選ぶほかないようだし、ある国ではカレンダーに聖人の名前が書いてあって、生まれた日の名前をそのまま命名するなんて聞いたこともある。

そこへいくと、漢字、カタカナ、ひらがな…と、好き放題に、無限に考えられる日本の名前。名前は時代を反映しているというが、音のイメージに当て字というのが今風。でも親が一所懸命考えて付けてくれた名前も、大人になるにつれてあまり呼ばれなくなるのは少し残念。

愛犬の名前は?

さて白い犬が来て3か月が経った。名前は「千と千尋の神隠し」に出てくる「ハク」に似ているという次女の案が採用された。私としては「もののけ姫」の「サン」の方がぴったりだと思ったのだが…。ちなみにもらわれてくる前は、里親の方が8番目に預かった犬ということで、「やえこ」と呼んでいた。これはこれでいい名前だと思った。

このハクだが、水戸あたりでノラをやっているところを保護されたという経験からか、非常に憶病で人見知りが激しい。私とカミさんにはなんとか馴れてきたが、全面的にウェルカムな犬特有の表情は見せない。

呼んでも全く反応がなく、なしのつぶてなので「ツブテ」という名前はどうかとか、散歩のときだけは楽しさ全開なのだが、帰ってくるといつもの階段下の壁際にのノ字に丸まって寝てしまって、うんともすんとも言わないので「ルンバ」というのもいいとか。

極めつけは、雨の日の散歩。マンホールのふたにたまった雨水をなぜか好んで飲むという奇妙な習性を発見。次から次とペロペロする姿がはしご酒をしているようなので、「ハシゴ」というのもありだな。つまり、そう慌てずとも、生まれた後で顔やなりを見てから名前を考えるという手もある。ちなみに、昨年飼われたペットの名前1位は犬猫ともに「ムギ」だそうだ。

私はどう呼ばれる?

長女がやって来てから、しばらくソーシャルいやパーソナルディスタンスを取っていたハク。だがその距離も少しずつ縮まり、この前はやっといっしょに散歩に出かけることができた。ハクは多分、おなかの中のもう1人のこともちゃんとわかっているのだろう。ハクと生まれてくる子の対面も楽しみだ。ハクの正式名は「ニギハヤミコハクヌシ」なんだと。

それはそうと、私自身は「おじいちゃん」と呼ばれるのだろうか。今こそ名前でと思ったが、あちらのお父さんと名前が似ている。なにかよい呼び名を考えよう。(画家)