【鈴木宏子】つくば駅前の商業施設クレオ(つくば市吾妻)が今春リニューアルオープンする。クレオを取得した日本エスコンによると、旧西武棟の1~3階は商業フロア、4~6階はオフィスなどの業務フロアとなる。
クレオ旧西武棟は2017年2月末に西武百貨店が撤退して以来、空き店舗となっていた。4年を経て中心市街地の新たな商業施設が始動する。一方、旧イオン棟跡は2022年11月の入居開始に向け18階建て218戸のマンション建設が進む。
当初、20年秋のオープンを目指していたが、新型コロナの影響で商業フロアに出店予定のテナントの足並みがそろわなくなり、半年遅れとなる。一方、4階オフィスは一足早く、2020年11月から入居が始まった。
商業フロアは、1階がスーパーマーケットとデパ地下型の食の専門店街。2階は家電、家具、衣料品など生活関連用品と教育施設。3階は体験型アミューズメントとスポーツ施設となる。計30~40店が入り、県内初出店の店も多いという。
オフィスとなる4~6階は3700坪(約1万2000平方メートル)と大規模。今後、IT系や外資系企業のほか、研究開発型企業の入居を進めていきたいとする。まだ空きスペースが残っており、入居企業を募集している。
さらに旧イオン棟跡に建設中のマンション2階にもカフェを新たにオープンさせる計画だ。
「よりファミリー層寄りに」
日本エスコンは、2018年12月に隣接の商業施設キュートとモグ、19年3月にクレオを取得しており、建設中のマンションと合わせ「商・食・住一体の複合開発により、新しいにぎわいを創出し、暮らしやふれあいをつくる」としている。
新しい商業施設の名称は「トナリエ クレオ」「トナリエ キュート」「トナリエ モグ」となる。商圏は近隣地域で、同社開発事業本部東京商業開発部の庄司元康マネージャーは「暮らしをサポートし、地域の人に喜んでいただけるようにしたい」と話す。客層のターゲットは「よりファミリー層寄りとなる」とする。
一方つくば市は、隣接のつくばセンタービルのリニューアル計画や、中心市街地の活性化を目指すまちづくり会社の設立計画などを発表している。中心市街地のまちづくりについて日本エスコンは「ぜひ市と連携を取りたい」としている。
クレオをめぐっては、18年9月に五十嵐立青市長が、まちづくり会社をつくって土地と建物を当時の持ち主の筑波都市整備から取得する計画を発表したが、市民説明会で異論が相次ぎ、議会の理解も得られなかったことから、五十嵐市長は取得を断念した。その後、日本エスコンが取得し再開発を進めてきた。