月曜日, 4月 21, 2025
ホーム ブログ ページ 17

ダイオウイカ再登場 県自然博物館 開館30周年企画展

2
国内唯一というダイオウイカの含浸標本=坂東市の県自然博物館

ミュージアムパーク茨城県自然博物館(坂東市大崎、横山一己館長)の開館30周年を記念する企画展「ミュージアムパーク30年のありったけ」が2日から始まる。1日には関係者を招き、オープニングセレモニーと内覧会が開かれた。

1994年の開館以来30年にわたって収集、蓄積してきた展示資料の「ありったけ」を公開する。見せるだけでなく、触ったり体験もできる企画内容で、2月に展示を入れ替えながら来年6月1日まで続くロングラン展開となる。

第91回となる今回の企画展は特設会場に10のコーナーを設け、同館の過去、現在、未来それぞれの「おもしろさ」にスポットを当てる。植物、動物、地学の分野から選りすぐりの収蔵資料を展示する。

オープニングセレモニーであいさつする横山一己館長(左端)



過去に人気を集めた展示を再登場させるベストセレクションコーナーでは、ダイオウイカの再標本化による展示を見ることができる。

2019年に石川県七尾市の定置網にかかったダイオウイカで、採集時の体長は約3.2メートル。同館で液浸標本とし、20年の企画展「深海ミステリー」に展示すると人気となったが、会期終了後に展示ケースから液漏れを起こしてしまった。

今回は資料課の池澤広美さんらが中心となり、含浸標本としての再標本化に取り組んだ。生体の水分や脂質を高級アルコール(蝋状の固体)に置き換える措置で、採集時のふっくらとした標本に仕上がった。ダイオウイカの含浸標本は国内唯一という。

同館は今年累計の入場者数が1300万人を突破。横山館長は「16ヘクタールにも及ぶ広大な敷地ながら交通の便がいいとは言い難い立地だが、今年度入場者は50万人を突破しそうで、コロナ禍以前の水準にまで回復した。団体のお客様が多く、県内ばかりでなく広い地域の皆様に満足いただいている。今後TX沿線で移動博物館を開くなど計画していきたい」としている。(相澤冬樹)

開催を中止 土浦全国花火競技大会

19
土浦の花火

土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・安藤真理子土浦市長)は1日、あす2日開催予定の第93回土浦全国花火競技大会を中止すると発表した。台風21号の影響により大雨が予報されているほか、雲底の高度が低いことが予報され、安全な打ち上げと競技花火としての観覧環境が確保できないとして中止の判断をしたとしている。

予報では雲底は高度300メートル以下となる。10号玉花火は300メートル上空に上がり、直径300メートルの大きさに開くため、花火の上半分が雲に隠れてしまうとみられるという。

一方大会要項では、荒天の場合は延期とし、3日または9日に順延する予定だった。しかし警備会社の労働者不足が想定より深刻な状況で、観客の安全を確保する警備が困難となり雑踏事故の発生などが懸念されることから、関係機関と協議の上、観客の安全を第一に考え、今大会は中止を決定したとしている。

同大会事務局の市商工観光課花火のまち推進室によると、今大会の警備は警備会社2社と契約し、500人弱の警備員を配置する予定だった。延期する場合、少ない人数しか警備員が確保できないという。延期の場合、これまでは警備会社と再調整して警備員が確保できていた。来年以降、延期の場合も想定してあらかじめ警備員確保の費用を負担するかどうか、課題になる。

大会中止は、コロナ禍で中止になった2020年と21年以来。同推進室は「ひじょうに残念。楽しみにしていただいた方に大変申し訳なく思っています」としている。

大会実行委員会会長の安藤土浦市長は「大会関係者間で協議・検討を重ね、安全な大会開催を最優先に考え、苦渋の決断となったが、中止することとした。開催を心待ちにしていた皆様、煙火業者の皆様を始め、大会開催に向けてご協力をいただいた関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます」とするコメントを発表した。

福来みかん狩りなど体験を【筑波山麓秋祭り】下

3
黄色く色づいてきた筑波福来みかん園の福来みかん=つくば市臼井

つくば市の筑波山麓や宝篋山周辺で開催中の「筑波山麓秋祭り」では、秋祭り後半の2~4日、3連休に合わせて特産の福来みかん狩りやジャム作り体験などが催される。福来みかんは近年、茨城大学農学部や県産業技術イノベーションセンターなどの研究で機能性成分が含まれていることが分かり、注目されている。2回目は福来みかんに関するイベントなどを紹介する。

今年は豊作 筑波福来みかん園

かつて筑波山神社の参詣道だった「つくば道」沿いの同市臼井にある「筑波福来みかん園」では2日から4日、所有者で田井地区に住む鮏川和行さん(68)が、福来みかん狩りのほか、自作の七味、温州みかん、ネギ、サツマイモなどの農産物を販売する。

自宅工房で七味を作る鮏川さん

福来みかんは18年前に苗木を植え、現在122本ある。鮏川さんは「老後のひまつぶしを社会人時代に準備し、福来みかんの木を植えた。筑波山麓秋祭りには第1回から参加している。今年は豊作でたくさん福来みかんが出来ている。筑波山の秋の味を楽しみに来てほしい」と話す。

みかん狩りは、採れても採れなくても1キロ500円。3日午前11時からは、地域で活動するオカリナ奏者、さかたかなこさんのコンサートもある。スタンプラリーでは七味をプレゼントする。

鮏川さんはみかんの栽培のほか、つくば道沿いに花畑を作り維持管理している。四季折々の花は登山客やサイクリストなどの目を癒してくれる。昨年まではウクライナ支援の募金活動をみかん園や花畑で開催するなど地域活動にも積極的に取り組んでいる。

◆筑波福来みかん園は、同市臼井678
 

収穫しジャム作り 旧大越邸

筑波山神社近くの古民家「旧大越邸」では、11月1日と3 、4日、福来みかんのジャム作り体験と古民家回遊ツアーを開催する。

かつて旅籠屋だった旧大越邸

旧大越邸は約140年前の明治時代まで旅籠屋だった古民家で、2013年~19年にかけて法政大学赤松研究室の手によって修理された。その後筑波大学システム情報系の山本幸子准教授が指導する建築・地域計画研究室が維持管理をしている。

秋祭りでは筑波大生たちが福来みかん関連のイベントを催す。利用する福来みかんは、筑波山神社脇で土産店を営む渡辺美代子さんの畑から譲ってもらっている。イベントでは、福来みかん狩りをして、その後、収穫したみかんでジャム作りを体験する。

古民家回遊ツアーは、筑波山神社近くのつくば道から、福来みかん畑、旧郵便局、旧小林邸ひとときや椿庵まで、福来みかん畑と古民家をめぐる約30分ほどのコースだ。ツアーは予約制で、3日間で50人が目標という。1日現在予約を締め切った。

打ち合わせをする筑波大生ら。右端が岡野勇太さん

同大4年の岡野勇太さんは「筑波山にある歴史ある建物を見てもらい、福来みかんにも興味をもってもらいたい。筑波山地域がもっと活性化するように協力していきたい」と話す。

◆旧大越邸は同市筑波688-1

筑波山麓秋祭りは2008年の国民文化祭開催を機に始まり16年目となる。20年と21年はコロナ禍で中止となり、今年は14回目の開催。スタンプラリーも催され、参加店に行くと各店の趣向したプレゼントがもらえる。(榎田智司)

◆筑波山麓秋祭り公式アカウントはこちら

終わり

見どころ「土浦の花火2024」《見上げてごらん!》33

11
土浦全国花火競技大会実行委員会の許可を得て筆者が加工

【コラム・小泉裕司】晩秋11月2日、土浦市内を流れる桜川河畔に全国56の煙火業者が集結、内閣総理大臣賞を目指し、匠(たくみ)の技を披露します。10号玉の部45作品、創造花火の部22作品、スターマインの部22作品の3部門で競技が行われ、各部門の優勝者には経済産業大臣賞などの権威ある賞も授与されます。

今年、煙火業界は、火薬や玉皮などの部品の高騰により、厳しい経営環境であったにもかかわらず、全国各地で見事な花火大会の開催を支えてくれました。そんな1年の集大成として、「土浦の花火」に出品される89作品は、花火師の魂が込められた見事な花火作品が披露されます。

創造花火の部

昨年、創造花火の部の上位3作品は、近年にない見事な創造性を発揮され、私たちを感動させてくれました。

北日本花火興業(秋田県)の「夜空にしんちゃん!オラは人気者」は非対称の型物花火が見事でした。芳賀火工(宮城県)の「軌跡を見せます!!~トライ&ゴール~」は、時差式花火を応用したボールの軌跡に驚かされました。北陸火工(石川県)の「ジュワッと揚げたて! えびFLY」のしゃれっ気あるタイトル付けと奇想天外なアイデアは、今でもその感動が薄れることはありません。

今年のプログラムタイトルも、ワクワク感が高まります。田端煙火(静岡県)の「もぐらファイト」は、目の見えないモグラが夜空で何をする? 北陸火工の「見てくれ!鍛え抜かれた俺の腹筋」は、今年も女性花火師のアイデアか? 北日本花火興業の「赤いキツネと緑のタヌキ」も気になります。

10号玉の部

10号玉の部は、やはり「五重芯」の6作品に注目しています。昨年優勝の山﨑煙火製造所(茨城県)や好成績を残す野村花火工業(同)の茨城県勢と小松煙火工業、響屋大曲煙火の秋田県勢の戦いに、昨年、内閣総理大臣賞を受賞した菊屋小幡花火店(群馬県)が加わり、激戦が繰り広げられるに違いありません。

スターマインの部

スターマインの部は、速射連発の「迫力系」と、しっとりゆったりの「芸術系」に2極化しています。全作品が音楽付きで、コンピュータプログラムされた花火とのシンクロが見ものです。精魂込めた400発余の傑作に順位を付けることは審査員におまかせし、私たちは、夜空を彩る美しい芸術の世界に没入しましょう。

土浦花火づくし

競技開始から1時間後の午後6時30分、大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」の打ち上げ開始。幅500メートル、9カ所から2.5号~8号玉を約7分間、約2000発を打ち上げます。

このプログラムが終わると腰を浮かす観客が見受けられますが、後半の打ち上げは、昨年の大会の成績上位の煙火業者ですので、余りにもったいなさ過ぎます。どうか最後までご覧いただくことをおすすめします。

鑑賞士による花火セミナー

大会当日、土浦駅前のアルカス土浦1階にある市民ギャラリーを会場に、日本花火鑑賞士会主催による花火セミナーを開催します。時間は、午後2時からと3時からの2回です。2人の花火鑑賞士がそれぞれ、土浦の花火を一層楽しめるよう、大会の特徴や今年の見所などを映像や画像を使いながら、わかりやすく解説をします。

大会の無事開催を祈り「ドーン ドーン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

<ネットで生中継>当日会場に行けない方にはネットでのライブ配信がお勧めです。

土浦全国花火競技大会実行委員会YouTubeチャンネ(解説:穗戸田勇一さん、花火鑑賞士・小泉裕司)

Lucky FM茨城放送(上と同じ)

J:COMいばらき(解説:花火鑑賞士・村上貴哉さん)

※11月2日の土浦全国花火競技大会は台風などの影響で中止となりました。

再生した古民家をお披露目【筑波山麓秋祭り】上

1
秋祭りでの公開に向け部屋を飾り付ける「つくば椿庵」=つくば市筑波

つくば市の筑波山麓や宝篋山周辺など筑波、田井、北条、平沢、小田の5地区で秋祭り「筑波山麓秋祭り」が26日始まり、後半3連休の11月2~4日は体験ツアーやコンサート、特産品農産物販売などさまざまなイベントが催される。5地区の26団体が、それぞれの特徴を生かし、秋の山麓をにぎやかにする。秋祭りの見どころの一部を上下2回に分けて紹介する。1回目は、新たに山麓や中腹の古民家が姿を変え、新しい持ち主によって生まれ変わった場所を案内する。

大学生が風呂を建築し公開 旧小林邸ひととき

筑波山の中腹「旧小林邸ひととき」(つくば市筑波)では、法政大学デザイン工学部建築学科、赤松佳珠子教授率いる赤松研究室の学生が、風呂「ゆりやら」の完成を記念して11月2日と3日に見学会を実施する。邸内のコワーキングスペースを利用し、風呂建築に関わる模型を展示し、活動の様子を動画で紹介する。

建築作業をする法政大学デザイン工学部建築学科、赤松研究室の学生ら=つくば市筑波、10月6日撮影

風呂は4年前に設計され、施工から3年目で完成となった。作業に関わったのは延べ45人。建築学科の学生が1日に3、4人、都合が付く日に代わる代わる工事に当たったためかなりの日数がかかった。脱衣所と浴室の面積は計9.9平方メートルで3人程度が利用できる。11.3平方メートルの中庭も造成され、庭には竹灯ろうがともる。

建築に携わった同大大学院の法兼知杏(のりかね・ちあ)さん(23)は「力仕事が多くて大変だった。携わった4年間の成果を、歴史のある建物と合わせて是非見にきてほしい」と話す。

旧小林邸ひととき。 標高約250メートルの見晴らしの良い場所にある

旧小林邸は、筑波山ケーブルカーや筑波鉄道(現在は廃線)建設に関わった地域の資産家、小林氏の生家で、約130年前の明治時代に建てられた。しばらく空き家となっていたが、地方創生や観光コンテンツの開発などに関わるGoUp社長の野堀真哉さん(39)さんが2020年に購入し改装した。現在、宿泊施設やコワーキングスペースなどとして運営している。

◆「旧小林邸ひととき」はつくば市筑波937、電話029-866-0003。 

地域活動支援の場に「つくば椿庵」

旧小林邸から山道を下ると立派な塀が見える。同市筑波の古民家空間「つくば椿庵」は今回が秋祭り初参加だ。古民家の空間を味わって欲しいと、秋祭りに合わせ邸内をきれいに飾った。お休み処として26~27日と11月2~4日に邸内を公開し、コーヒーなどが味わえる。

椿庵の塀

「つくば椿庵」は155年前の1869(明治2)年に建てられた古民家で、元教員だった神奈川県の増渕広美さん(66)が3年前に取得した。現在、作品発表や教室、コミュニティの場として貸し出し、地域での活動を支援している。

かつては武家屋敷だった。持ち主だった最後の当主は55代目で、千年も続く家系だったという。増渕さんは古民家に住みたいと、いろいろ場所を探した末に購入した。完全移住ではなく神奈川県との2拠点生活となる。「古民家は大き過ぎて直すところが多く、まだまだ発展途上」だ。DIYが得意な夫が少しずつ修繕しているところだという。

つくば椿庵代表の増渕広美さん

購入した当初は、家族でゆっくり過ごしたいという考えだったが、由緒ある建物であることから、登山客が訪れたり、催しを開くようになった。今年9月には「重陽の節句」の展示会を開くなどした。

増渕さんの祖母が筑波山神社近くに住んでいたことから、幼少だった1960年代から70年代に筑波山で夏を過ごし、にぎわっていた頃を記憶している。「学園都市が出来てから若い方たちの多くが学園に移り、随分様子が変わった。地元の小学校も(廃校になり)今は校舎が残っているだけで子どもたちの声はない。しかし筑波山にはたくさんの魅力があるので、その魅力を多くの方に知ってもらい、かつてのような活気が戻ることを願いたい」と語る。「地元の人が住まなくなっても外から新しい人が入ってくる現象があり、筑波山も少しずつ新しいものが出来て変わってくるかも知れない」と語った。(榎田智司)

◆「つくば椿庵」はつくば市筑波878、電話090-8455-2935。受付時間は平日午前10時~午後5時。

◆筑波山麓秋祭り公式アカウントはこちら

大腸がんの手術治療《メディカル知恵袋》7

0
筑波メディカルセンター病院

【コラム・松村英樹】皆さん、大腸がん検診を受診されていますか? 検診は2日分の便を採取し、便に混じった血液を検出する検査です。がんやポリープなどの大腸疾患があると、大腸内に出血することがあり、その血液を検出します。1日分でも便潜血(せんけつ)検査陽性となったら、精密検査(大腸内視鏡検査)を受ける必要があります。今回は、罹患(りかん)者の多い大腸がんの手術治療についてお話しさせていただきます。

大腸と大腸がんの患者数

大腸とは1.5〜2メートルほどの臓器で、結腸と直腸に分けられます。結腸は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。直腸は、直腸S状部、上部直腸、下部直腸に分けられます。

大腸がんと診断された患者さんの数は、男女合わせた総数で第1位となっています。食生活の欧米化や運動量の減少などが関係していると考えられています。

大腸がんの広がり方

a 浸潤】大腸がんは腸の一番内側の粘膜で発生した後、だんだん大きくなり、最後に腸の壁を突き破って周囲の臓器に広がります。浸潤(しんじゅん)の度合いを深達度と言います。

【b リンパ行性転移】リンパ管は血管のように体中に張り巡らされています。途中にリンパ節という節目があり、リンパ管に侵入したがん細胞はここで増殖します。これをリンパ行性転移といいます。

【c 血行性転移】がん細胞が細い静脈に侵入し、大腸から離れた臓器に流れ着いて、そこで増殖することを血行性転移といいます。大腸からの血流はまず肝臓に集まることから、大腸がんで最も血行性転移の頻度が高いのが肝臓です。次に頻度が高いのは肺転移です。

【d 腹膜播種】腹腔内にがん細胞が散らばった状態を播種(はしゅ)と言います。進行すると、がん性腹膜炎となります。

広がり具合のステージ

がんの広がり具合(進行度)をステージ(病期)で表します。ステージは深達度、リンパ節転移、遠隔転移によって決まります。手術を行った後、組織を顕微鏡で調べた結果で病理分類ステージが決定します。これによって術後に補助化学療法を施行するか決まります。

手術治療では取り残しがないように、がんが広がっている可能性のある腸管とリンパ節を切除します。結腸がんは、がんから10センチ離れた部位で腸管を切ります。腸管を切除した後、腸管を吻合(ふんごう)します。(図1)

直腸がんは、肛門側はがんから2〜3センチ離れた部位で腸管を切除します。腸管を切除したあと、結腸と直腸を吻合します。通常器械(自動吻合器)を使って吻合します。(図2)

がんが肛門近くにある場合、肛門を含めてがんを切除する必要があり、その場合は人工肛門になります。看護師による人工肛門の管理・教育や患者会など、ケアシステムに対する様々な取り組みが行われています。

腹腔鏡による手術

炭酸ガスで腹部を膨らませ、お腹の中を見る内視鏡(腹腔鏡=ふくくうきょう)で観察しながら数カ所の小さな創から鉗子(かんし)を入れて手術を行う方法です。創が小さく体の負担が少ないため、急速に普及してきました。しかしながら、従来の開腹手術とは異なる技術であるため、医師はトレーニングが必要となります。当院では内視鏡外科技術認定医が在籍しており、安全に腹腔鏡手術を行っています。(図3)

術後の補助化学療法

手術でがんをすべて切除したと判断しても、一定の頻度で再発が起こります。再発を抑える目的で手術後に追加で行う抗がん剤治療を補助化学療法といいます。リンパ節転移があった場合、またはリンパ節転移がなくても再発の可能性が高いがんに行います。

毎年、大腸がん検診を

大腸がん検診は毎年の受診が推奨されています。残念ながら全国の受診率は男女ともに50%を下回っています。大腸がんは比較的治りやすいがんです。怖がらずに大腸がん検診を受け、精密検査となった場合は必ず大腸内視鏡検査を受けていただくことをお薦めします。(筑波メディカルセンター病院 消化器外科 診療科長)

蚕影山神社と金色姫伝説 養蚕が支えた千年の営み思う絵画展

0
作家の加藤真史さん=神奈川県相模原市のCRISPY EGG Gallery (加藤さん提供)

11月1日からつくばで

養蚕にまつわる歴史を調べ、関わる地域で見た風景を独特の作風でキャンバスに描き込む東京都町田市在住の画家、加藤真史さん(41)の個展「穹窿(きゅうりゅう)航路ー蚕神、彼の地より来訪し桑海を渡り帰還す」が、つくば市千現、ギャラリーネオ/センシュウで11月1日から始まる。横浜市と相模原市に続く3カ所目の開催となる巡回展で、アクリル絵の具や色鉛筆で描いた作品15点ほどが展示される。茨城に残る養蚕にまつわる「金色姫伝説」と、全国の養蚕農家の信仰を集めたつくば市神郡にある「蚕影山(こかげさん)神社」の歴史などを通じて、養蚕が支えた千年以上にわたる人々の営みに思いを寄せる展示になる。

加藤さんは今回の作品作りのきっかけを、かつて関東一円で栄えた養蚕地をつなぐ街道を「シルクロード(絹の道)」と呼んだのを知ったことだと話す。江戸末期から第二次大戦末期にかけて、各地で作られた生糸は東京・八王子市に集められ、貿易港のある横浜市へと運ばれた。養蚕業は明治期、外貨獲得のため国を挙げて進められ、産業に関わる一帯は経済的に繁栄し、近代化する日本を支えてきた。しかしその後、ナイロン製品の普及などにより衰退し、1929年に約220万戸を数えた養蚕農家は、2023年には全国で146戸にまで減少している。

展示作品の一つ「郊外の果てへの旅と帰還#15(横浜本牧八王子鼻)」(加藤さん提供)

「郊外」の広がりと、消える養蚕のある風景

加藤さんは以前から、自身が暮らす街の成り立ちに関心を持ってきた。瀬戸物の産地として知られる出身地の愛知県瀬戸市は、歴史ある街並みが残る一方で、加藤さんが育った地域には、コンビニやファミリーレストランが国道沿いに並ぶ「どこにでもあるような、いわゆる郊外風景」だった。加藤さんは、故郷で見る風景が、全国で同じように広がることに疑問を感じ、各地の歴史を紐解きながら「郊外」について考えることが作品作りの大きなテーマとなった。養蚕にまつわる今回の作品は、加藤さんが2022年から作り続ける「郊外」を巡るシリーズ作「郊外の果てへの旅と帰還」の一環でもある。

「『郊外風景』は敗戦後、都市部の住宅不足から、国が団地を建てて周辺地域に人々を誘導してできたもの」だと加藤さんは説明する。「外貨獲得のために国策として拡大したのが養蚕業。桑畑が一面に広がる風景が各地にあったが、養蚕業の衰退とともに『郊外』が台頭した。各地を歩いて実感したのは、日本中で桑畑が『郊外住宅』に置き換わっていった歴史だった」と語る。

インドとつくばをつなぐ伝説

こうした養蚕と郊外の関係を調べる中で出会ったのが、各地に点在し、養蚕農家が信仰する「蚕影神社」と、その総本社でつくば市にある「蚕影山神社」だ。さらに、現在のインドにあたる天竺(てんじく)とつくばを養蚕にまつわる物語が結ぶ「金色姫伝説」の存在だった。伝説は、金色姫という天竺の王女が現在の日立市沿岸に流れ着き命を落とすと亡骸が蚕となり、筑波山の麓にたどり着いて養蚕が始まったというものだ。加藤さんは、養蚕の「創世記」となる伝説と、近代日本の起こりとなる「シルクロード」の物語を結びつけ、今回の絵画作品とした。

「国を支える主要産業として、多くの人が関わった養蚕業だが、開発が進みその痕跡を見つけるのも難しくなった。養蚕に携わる中で共有されていた文化や、劣悪な環境で働いていた女性の存在を知った。労働するにあたって必要とされた心の拠り所、信仰というものがあったはず」だと加藤さんは言い、「養蚕業に携わってきた多くの人々の内面を、私の個人的な作品を通じて見る人につなげる橋渡しにしたい」と作品への思いを語る。

今回の展示を企画した同ギャリーの山中周子さんは「筑波山麓の方は、蚕を『お蚕さん』と、『お』をつけるくらい養蚕を生きる糧にし、強い思いを持っていた。全国からつくばに関係者が参拝に来ていたという話も残っている。知らない人には知って欲しいし、知ってる人にも是非、新しい気持ちで作品を知って欲しい」と来場を呼び掛ける。(柴田大輔)

◆加藤真史個展「穹窿航路ー蚕神、彼の地より来訪し桑海を渡り帰還すー第Ⅲ期 筑波巡礼篇」は、11月1日(金)~17日(日)の金・土・日曜、千現1-23-4 101、ギャラリーネオ/センシュウで開催。月~木曜は休館。開館時間は金曜が午後3~7時、土日は午後1~5時まで。入場無料。展示に関する問い合わせは、メール(info@neotsukuba.com)で。

初の自主公演 筑波大ストリートダンスサークル

1
茨城6大学ダンスサークル連盟主催のダンスイベントの様子(Realjam提供)

11月9日 つくば国際会議場

筑波大学の学生ストリートダンスサークル「リアルジャム(Realjam)」が11月9日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で同団体初となる自主公演「跡影」(あとかげ)を開催する。

今年で設立30周年となる同団体は、同大1〜3年生を中心に卒業生も含め約160人が所属している。今回の自主公演では、ヒップホップやロック、パリ五輪2024大会で新競技として正式採用されたブレイキンなど7つのジャンルで9チームに分かれ、約130人が参加する。

当日観客は、9つのチームによるダンスパフォーマンスを間近で見ることができる。これまで団体をまとめてきた3年生にとっては引退前最後の大舞台となる。

2023年度筑波大学学園祭ステージでのパフォーマンスの様子(同)

初となる自主公演を企画し実演することは、引退を控える3年生の集大成を披露する場を作り、同団体のさらなるステップアップにつなげる狙いがある。自主公演名「跡影」は13人の幹部メンバーで考えた。由来には「積み重ねてきた練習や努力の軌跡(跡)を未来の世代に繋げる(影)」という意味が込められている。

自主公演開催の背景には、引き継ぎの不備や確認不足などにより毎年11月に行われる同大学園祭の出演時間を十分に確保することができかったことがある。500〜1000人の観客の前で披露される予定だった学園祭に代わるステージを模索した結果、今回新たに最大で900人の観客の前でダンスを披露できる舞台が実現する。

2023年度筑波大学学園祭ステージでのパフォーマンスの集合写真(同)

本番に向けて、メンバーは週2日各2時間の全体練習に加え、毎日自主的に練習を積み重ねている。同団体副代表で社会・国際学群社会学類3年の大本裕陶さん(20)は、当日の見どころの一つについて「照明や音響などの演出にこだわっている。ストリートダンスの良さを前面に打ち出し、見た人に感動を与えられるステージにしたい」と話した。

同団体代表で理工学群物理学類3年の長谷川碧杜さん(20)は「ダンスに大学生活を捧げてきた。学生ならではの若さや強さを表現して、観客に活力やエールを伝えたい。当日はぜひ会場に足を運んでほしい。」と来場を呼び掛ける。(上田侑子)

◆同団体は、自主公演開催にあたり、新たに資金調達のためのクラウドファンディングにも取り組んでいる。寄付への返礼品には、オリジナルグッズのほか、筑波山山頂でオリジナルメッセージを叫ぶ特典やメンバーからのビデオメッセージなど多岐にわたる。

◆自主公演Realjamスペシャルステージ「跡影」は、11月9日(土)午後4〜6時、同市竹園2-20-3、つくば国際会議場Leo Esakiメインホールで開催。開場は午後3時30分、入場料は500円。イベントに関する情報は、公式インスタグラムやクラウドファンディング公式ページへ。

花火見物客を歓迎 土浦の音楽家がウエルカムフェス

6
ウエルカムフェスティバルを主催する宇津木紘一さん=土浦駅前のアルカス土浦ステップガーデン(屋外階段)

11月2日と3日

土浦市出身・在住のサックス奏者 宇津木紘一さん(43)が、土浦全国花火競技大会が催される11月2日と翌3日、花火を見に来る観光客を歓迎するウエルカムフェスティバルを開催する。土浦駅西口前のアルカス土浦広場とうらら大屋根広場で音楽ライブやダンスなどを披露するほか、イベントブースやキッチンカーを出店し土浦の物産をPRする。

土浦をアピールしたい

宇津木さんは「約60万人もの人が訪れる土浦全国花火競技大会は素晴らしい観光資源。観光客はもちろん、地元の人たちに喜んでもらえるイベントを開きたい」と語る。

昨年、宇津木さんは土浦商店街連合会の依頼で野外コンサート「サウンド蔵つちうらムーンライトコンサート」のプロデュースをした。その際「このようなイベントを花火大会の日にもやったらどうかと思い立った」。元々、日本三大花火大会である大曲の花火大会、長岡の花火大会では音楽ライブなど様々なイベントを催している。しかし土浦ではこれまで開催されておらずもったいないと考えていた。

そこで昨年、同商店街連合会や同市商工課などに相談し、土浦花火大会実行委員会の後援を得て川口町バス停前広場(土浦市川口町)で第1回目のウエルカムフェスティバルを開催した。「準備期間が短く音楽の生演奏だけだったが、観客が多く手応えがあった。次回はもっと大きな規模でやりたい」と実感した。

土浦全国花火競技大会ウエルカムフェスティバルのポスター(同実行委提供)

今年は土浦駅前で花火大会当日と翌日の2日間かけて開催する。主催は同ウエルカムフェス実行委員会で、土浦商店街連合が共催する。市内でコミュニティバス「キララちゃんバス」を運行するNPOまちづくり活性化土浦や、楽器店「島村楽器イオンモール土浦店」など様々な団体や企業が協力する。地元の若い世代にも活躍してほしいという思いでポスターのイラストは土浦一高美術部の生徒に、題字は土浦二高書道部の生徒に依頼した。「土浦の花火」のロゴは、花火大会のオフィシャルポスターと同じ文字の使用許可を得ている。

高校生も出演

2日は、宇津木さんのサックス演奏のほか、つくば市のマリンバデュオMS.MALLETSによるマリンバ演奏、和太鼓、琴の生演奏などを催す。土浦一高吹奏楽部も演奏を披露する。土浦二高書道部は、宇津木さんとMS.MALLETSの生演奏に合わせてパフォーマンスを行う。

3日は音楽ライブのほか、イベントブースでは、子供たちが「にれ工房」(つくば市平塚)のサポートで竹を使った打楽器作りを体験できる。出来上がった楽器を使って土浦吹奏楽団の演奏に参加もできる。物産展では、知的障害者施設「土浦市つくしの家」が手作りのレンコンコースターやレンコンキーホルダーを販売し土浦のレンコンをアピールする。

にれ工房のワークショップで作る打楽器(にれ工房提供)

宇津木さんは「ウエルカムフェスティバルで土浦の魅力を多くの人にアピールしたい」と意気込みを語る。(伊藤悦子)

◆土浦全国花火競技大会ウェルカムフェスティバル2024は、花火大会当日の11月2日(土)は午前11時~午後4時、アルカス土浦広場で、翌3日(日)は前11時~午後7時、うらら大屋根広場で開催。参加費無料。問い合わせは同実行委員会のメール(tsuchiurahanabi.welcomefes@gmail.com)へ。

農協よ、どこへ行く─農協全国大会を傍聴《邑から日本を見る》170

14
農協全国大会であいさつする山野徹全中会長(写真は筆者)

【コラム・先﨑千尋】今月18日、東京都内で第30回全国農協大会が開かれたので、末席で傍聴した。農協大会は3年に一度開かれ、今回は全国の農協代表者ら1500人が出席し、2025年から3年間の農協グループの方針を示した決議を採択した。

今大会のテーマは「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力─協同活動と総合事業の好循環」。戦略として、食料安全保障への貢献に向けた地域農業の実践、次世代の確保や持続可能な農業の実現、組合員の豊かなくらしの実現、組合員の参画推進、農協・農業への理解醸成などを掲げている。

農協は、経済的には弱くて小さな農家が手をつなぎ、協同の力で所得と暮らしの向上を目指す組織で、消費者の暮らしを守る生協も同じ仲間だ。農協は、農業生産に必要な資材を購入し、生産された農畜産物を共同で販売する。それだけでなく、今では信用(金融)、共済(保険)、農産加工、医療、葬祭など、農家の暮らしに必要なあらゆる事業を行っている。

私はこの農協に約60年前に職員として入り、最後は常勤役員を務めた。これまでの大会議案を所持しているので、その変遷過程を知っている。農協の事業は農業、農政の動きと不即不離なので、その時々の世相と、農協がどう進もうとしているのかが分かる。

今年は、夏に突然、スーパーの棚からコメが消える騒動(?)が起き、消費者をあたふたさせた。原因は、生産費が上がっているのに米価は30年前の半値近くまで下がり、農家の手取りは1時間当たり10円にしかならない、コメを作っては暮らしていけないということにある。

では農協はこの事態にどうするか。急にそんなことになっても(そんなことを言われても)即座に対応できないということなのか、今回の議案はそうしたことには一切触れていない。「食料・農業への貢献」のところで「農業所得の増大と国内農畜産物の安定供給」が方向として示されただけだ。「農協は食と農を支える」という抽象的な文言だけでは、生産者も消費者もどうしていいのか分からない。

大会に参加した茨城県代表者(同)

議論のない大会

前回の大会では「農業者の所得増大」を支え、「消費者の信頼」にこたえる、と決議した。しかし、今回の突然のコメ価格の上昇は農協のおかげではないし、消費者の信頼も損ねてしまった。今回の議案では、農家の手取りがなぜ時給10円にまで落ち込んでしまったのかなどには触れていない。全体として前回の決議を総括していないのだ。

農協はこれまで「決議すれども実行せず」の組織だと批判されてきた。それだけでなく反省すらしない。私のような内部からの批判は異端者の言うことだと極端に毛嫌いされる。

カラフルな大会資料。整然とした進行。ダラダラと長い来賓のあいさつ。意見表明もあらかじめ決められた人だけが行い、異論も闊達(かったつ)な議論もない。

これでいいのだろうか。歌を忘れたカナリア、運動を忘れた農協は、どこへ行く。そう思いながら会場を後にした。茨城県の農協大会は今月30日に水戸市で開かれる。これも、のぞいてみよう。(元瓜連町長)

目標は新Vリーグ初代王者 サンガイア都澤理事長に聞く

4
インタビューに応じる都澤理事長=つくば市竹園、サンガイア事務局

昨季まで日本バレーボール機構が主催していたVリーグは、この2024ー25シーズンから、世界最高峰のバレーボールリーグを目指すSVリーグ(SVL)と、その下部組織でジャパンバレーボールリーグが主催する新Vリーグ(JVL)に改編された。旧Vリーグ2部に属していたつくばユナイテッドSunGAIA(サンガイア)は今季からJVLに所属、新リーグ初代王者を目標に戦いを繰り広げる。

東地区で28試合戦う

今季初開催となるJVLには、旧Vリーグ2・3部のほとんどのチームが参戦。さらにカンファレンス制を導入し、東西2地区に分かれた。今季は東地区が8チーム、西地区が10チーム。レギュラーシーズンは4回戦の総当たり制だ。

「つくばは東地区なので28試合を戦う。長いリーグを戦い抜けるよう戦力の充実を図り、選手の起用や作戦などを練っているところだ」と都澤みどり理事長。

大会方式は完全ホーム&アウェー制に変更。昨季までホームゲームは3大会ほどだったが、今季は7大会14試合に拡大され、選手の活躍を間近で見られる機会が増える。アウェーゲームも北海道と長野以外は全て関東近辺なので、応援に足を運びやすくなる。

ホームタウンはつくばと土浦

「ホームゲームが増えるだけでなく、遠征の際の移動距離も短くなった。去年までは帰りが夜中の12時を回ることも多く、連戦の疲れが残ったまま次の試合に向かっていた。それに比べると少しは体も楽になり、良いパフォーマンスをお見せできると思う」

大会は土・日曜日の2連戦で行われ、2日間とも同一カードを戦う。

「1日目の結果を受けて出方を変えたり、相手の予想の裏をかく場面なども出てくると思う。またチーム状況の変化により、シーズンの前後半でも戦い方が変わってくる可能性もある。そういった点も見どころの一つ」

つくばのホームタウンはつくば市と土浦市で、ホームアリーナにはつくばカピオ(つくば市竹園)と霞ケ浦文化体育会館(土浦市大岩田)を申請。ほかに桜総合体育館(つくば市流星台)と池の川さくらアリーナ(日立市東成沢町)も使う。カピオと池の川は、SVリーグ女子のAstemo(アステモ)リヴァーレ茨城との合同開催だ。

「リヴァーレとはリーグが異なるので別料金の入れ替え制になるが、それでも一緒にできるメリットは大きい。男女それぞれのバレーの面白さを来場者に知っていただける。池の川という5000人規模の会場でできることも魅力」と都澤理事長。

なお、今季から牛久市とつくばみらい市がフレンドリータウンに加わったため、来季はそれらの街でのホームゲーム開催も検討していくそうだ。

選手は13人から16人にアップ

今季の目標はJVL優勝。初代王者のタイトルを目指し、そのために何をどうすべきなのか、日々チーム一丸となって考えているという。選手数は昨季の13人から16人に大幅アップ、顔ぶれも大きく入れ替わり、新規加入選手が9人を占める。

「新メンバーもチームにマッチしてきている。どういうプレーを見せてくれるのか、ぜひ期待してほしい。人数が増えたことでポジション競いも熾烈(しれつ)になり、切磋琢磨(せっさたくま)できている。迫力あるプレーをお見せして、選手が一生懸命取り組んでいる姿を生で感じていただきたい」

11月16・17日 ホーム開幕戦

今季JVLは10月19日に開幕。10月26・27日東京ヴェルディ、11月9・10日長野GaRonsとアウェー2大会を戦い、11月16・17日の富士通カワサキレッドスピリッツ戦でホーム開幕を迎える。会場は霞ケ浦文化体育会館。

なお11月16日は土浦市民デー、17日は牛久市民デーとして、それぞれ市民50組100人を無料招待する。応募方法は各市報10月上旬号に掲載。また両日とも、土浦市報10月上旬号を持参した人は、小学生無料などの特別料金で入場できる。問い合わせはつくばユナイテッドサンガイア事務局(電話029-879-7345)へ。(池田充雄)

2024-25 Vリーグ男子 東地区 レギュラーシーズン
つくばユナイテッドSunGAIA ホームゲーム日程
2024年11月16日(土) つくば-富士通 霞ケ浦文化体育会館 ※土浦市民デー
    11月17日(日) つくば-富士通 霞ケ浦文化体育会館 ※牛久市民デー
    11月30日(土) つくば-東京V 桜総合体育館
    12月1日(日) つくば-東京V 桜総合体育館
    12月7日(土) つくば-R栃木 桜総合体育館
    12月8日(日) つくば-R栃木 桜総合体育館
2025年1月18日(土) つくば-北海道YS 霞ケ浦文化体育会館
   1月19日(日) つくば-北海道YS 霞ケ浦文化体育会館
   2月8日(土) つくば-千葉 池の川さくらアリーナ ※同日開催Astemo-刈谷
   2月9日(日) つくば-千葉 池の川さくらアリーナ ※同日開催Astemo-刈谷
   2月22日(土) つくば-長野GR つくばカピオ ※同日開催Astemo-姫路
   2月23日(日) つくば-長野GR つくばカピオ ※同日開催Astemo-姫路
   3月8日(土) つくば-埼玉 池の川さくらアリーナ ※同日開催Astemo-東レ
   3月9日(日) つくば-埼玉 池の川さくらアリーナ ※同日開催Astemo-東レ

28人の当選者決まる つくば市議選

62
衆院選から始まった開票作業は翌朝にまで及んだ=つくば市金田の桜総合体育館

つくば市議選の開票が27日行われ、28人の当選者が決まった。内訳は現職が18人、新人が10人、政党別は自民1人、公明3人、共産1人、市民ネット4人。定数を18人上回る46人が立候補していた。当日有権者数は19万7088人。投票率は60.97%だった。

【つくば市議選】(定数28)選管確定

当 8634 塚本 洋二 52 自現⑤
当 7643 川久保皆実 38 無現②
当 5123 市原 琢己 32 無新①
当 4407 飯岡 宏之 62 無現⑦
当 4160 川田 青星 25 市新①
当 3867 山中 真弓 46 共現③
当 3399 小森谷佐弥香 50 市現③
当 3399 神谷 大蔵 51 無現④
当 3314 小久保貴史 51 無現④
当 3214 木村 修寿 70 無現④
当 3190 塩田  尚 74 無現⑨
当 3155 篠内 幸代 46 公新①
当 3108 梅沢 尊信 41 公新①
当 3100 青木 真矢 45 無新①
当 3029 川村 直子 52 市現②
当 3001 田代  優 33 無新①
当 2891 木村 清隆 60 無現④
当 2835 小村 政文 30 無現②
当 2802 渡辺 峰子 55 公新①
当 2802 浅野英公子 63 市現②
当 2766 五頭 泰誠 56 無現④
当 2713 酒井  泉 75 無新①
当 2650 黒田 健祐 43 無現④
当 2434 樋口 裕大 36 無新①
当 2426 中村 重雄 54 無現②
当 2290 榊原アリーゼ 29 無新①
当 2212 高野 文男 61 無現③
当 2194 伊藤 文弥 36 無新①

・ 1922 野崎 裕二 37 無新
・ 1861 橋本けい子 70 共現
・ 1756 佐藤せつ子 71 共新
・ 1548 長塚 俊宏 62 無現
・ 1263 桜井 裕基 41 無新
・ 1146 木村 芳美 61 無新
・ 913 齊藤 新吾 49 無新
・ 817 薮下(鎌田)典子 49 無新
・ 793 砂坂 善成 73 無新
・ 653 田島 由紀 39 無新
・ 408 金岡  誠 38 無新
・ 385 藤木  潤 45 無新
・ 306 加藤  豊 62 無新
・ 248 黒崎  博 42 無新
・ 213 荘司 信之 49 無新
・ 212 広石 恒生 57 無新
・ 204 恩田  肇 61 無新
・ 95 山崎 健介 49 無新
 ※政党名は自=自民 公=公明 共=共産 市=市民ネット、無=無所属

【つくば市議当選者一覧】

届け出順(氏名・敬称略、年齢、職業、政党・政治団体、現職・新人・元職の別・過去の当選回数)

塚本 洋二(つかもと・ようじ)52 飲食店 自現④
【略歴】県立土浦産業技術専門学校自動車整備科卒。御食事処三丁目個人事業。社会福祉法人博愛会理事。信輝インターナショナル顧問。つくば市出身。花畑在住
【公約】①近隣自治体との連携した公共バス整備②身近な公園・緑地の整備と遊具の充実
③体育館などへエアコン設置(避難所対応も含め) 

川久保皆実(かわくぼ・みなみ)38 弁護士 無現①
【略歴】東京大法学部政治学研究科修了。つくば市議会議員。弁護士。シンプルウェイ取締役。つくば市出身。松代在住
【公約】①子育て支援を中心とした政策20件の実現②各政策の進歩状況の徹底的な見える化③子育て目安箱・ごみ拾い交流会を通じた広聴

市原 琢己(いちはら・たくみ)32 医師 無新
【略歴】東京医科大医学部卒。医療法人健佑会理事長。つくば医師会理事。社会福祉法人健誠会理事。つくば市出身。吾妻在住
【公約】①教育日本一のつくば②もっと住みたくなるつくば③医療DX化を推進し、安心な街つくばを目指す

飯岡 宏之(いいおか・ひろゆき)62 建設会社職員 無現⑥
【略歴】日大理工学部卒。飯岡建設。元・アイ・エヌ・エー筑波研究所。元・筑波学園企画 つくば市出身。上野在住
【公約】①周辺部と中心部との格差是正②子育て支援の施策に力を注ぎ好循環なまちづくり③緊急通報システム事業の拡大

川田 青星(かわだ・あおる)25 政治団体運営委員 市民ネット新
【略歴】日本大法学部卒。つくば・市民ネットワーク運営委員。元・県内金融機関勤務。つくば市出身。高見原在住
【公約】①相談体制の拡充をはじめ、子育て支援を強化②周辺地域のまちづくりを活性化
③子ども一人ひとりの多様な学びを実現

山中 真弓(やまなか・まゆみ)46 党役員 共現②
【略歴】東京農工大大学院連合農学研究科修了。政党役員。元・ツムラ社員。栃木県市貝町出身。上ノ室
【公約】①学校給食費ゼロ・県立高校増設②水道料金値上げストップ③高齢者へのタクシー・民間路線バスの運賃補助

小森谷佐弥香(こもりや・さやか)50 薬剤師 市民ネット現②
【略歴】富山医科薬科大薬学部卒。保険薬局薬剤師。元・製薬会社MR(医薬情報担当者)勤務。群馬県前橋市出身。研究学園在住
【公約】①情報公開と市民参加をもう一歩前へ②人間にも環境にも健康的なまち つくばへ③TX沿線に市民が集える居場所を

神谷 大蔵(かみや・だいぞう)51 卸販売業社長 無現③
【略歴】霞ケ浦高校卒。つくば観光コンベンション協会副理事長。筑波山地域ジオパーク推進委員会委員長。つくばフェスティバル実行委員会委員長。筑波物産代表取締役。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。沼田在住
【公約】①災害や危険に強い街づくり②誇れる周辺地域の街づくり③子どもや高齢者が明るく元気に暮らせる街づくり

小久保貴史(こくぼ・たかし)51 農業法人代表 無現③
【略歴】八ケ岳中央農業実践大卒。筑波農場代表取締役。つくば市筑波土地改良区副理事長。つくば市監査委員。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。小田在住
公約】①道の駅や産業集積拠点整備で地域活力の向上へ②子供や高齢者がいきいき暮らせるまちづくり③市中心部と周辺地域の格差是正の取り組み

木村 修寿(きむら・しゅうじ)70 元つくば市役所職員 無現③
【略歴】土浦日大高校卒。つくば市議会議員。つくば市島名地区まちづくり協議会会長。つくば市保護司。つくば市・福田坪区画整理審議会委員。総務文教常任委員長。元・谷田部町役場職員。元・つくば市役所職員。つくば市出身。島名在住
【公約】①香取台・みどりの・研究学園地区へ地域交流センターの整備②高齢者・障害者福祉の充実③圏央道地域への道の駅の整備

塩田 尚(しおた・ひさし)74 行政書士 無現⑧
【略歴】神奈川大法学部卒。つくば市議会議員。行政書士。元・谷田部町議会議員。元・茨城県議会議員。愛媛県四国中央市出身。真瀬在住
【公約】①学童保育の待機児童をゼロにする②全ての学校にフリースクールを設置する③ヤングケアラーの子どもを支援する制度を作る

篠内 幸代(しのうち・さちよ)46 政党役員 公新
【略歴】創価大教育学部卒。公明党副支部長。元・美浦村立大谷小非常勤講師。元・つくば市立谷田部東中学校サポーター。つくば市出身。小野川在住
【公約】①幼児期の発達相談体制・多様な学び・学校教員への支援体制の充実②帯状疱疹ワクチンの公費助成③高齢者のゴミ出し等の生活支援

梅沢 尊信(うめざわ・たかのぶ)41 塗装業会社経営 公新
【略歴】筑波研究学園専門学校卒。梅沢塗装工業代表取締役社長。つくば市商工会青年部副部長。つくば市出身。君島在住
【公約】①「車が無くてもどこにでも行ける」街づくり②生活道路・通学路の整備と道路環境整備③区域指定の拡大

青木 真矢(あおき・しんや)45 農業団体代表 無新 
【略歴】京都芸大情報デザイン学科卒。アオニサイファーム代表。ワニナルプロジェクト。ファストユニオン。EAT and kamiGo実行委員会代表。京都府京田辺市出身。島名在住
【公約】①市民全員が住みやすい環境を整備する②観光を通じて街を盛り上げる③幅広い世代が輝ける街にする

川村 直子(かわむら・なおこ)52 社会福祉士 市民ネット現①
【略歴】日本福祉大社会福祉学部卒。つくば市議会議員。元・日本聖公会名古屋学生青年センター主事。新潟市出身。花園在住
【公約】①LGBTQ等生きづらい人が自分らしく生きられる地域づくり②あらゆる場面でのジェンダー平等推進③気候危機対策の積極的推進

田代  優(たしろ・ゆう)33 飲食店職員 無新
【略歴】聖徳大学附属聖徳高校卒。麺屋こうじ。龍ケ崎市出身。学園の森在住
【公約】①教育環境の充実(給食無償化、病児保育の強化)②安全なまちづくり(通学路整備、親子防災)③優しい地域のつながりづくり

木村 清隆(きむら・きよたか)60 団体理事 無現③
【略歴】日本大法学部卒。つくば市議会議員。公益社団法人国際IC日本協会理事。つくば市立豊里中学校評議員。TISつくばインターナショナルスクール学校評議員。元・日本ファイリング。元・日本労働組合総連合会茨城県連合会副会長。元・ものづくり産業労働組合JAM。つくば市出身。上郷在住
【公約】①中小企業振興基本条例を制定し、地域経済活性化に取り組む②教育予算拡充③2025年問題対応、高齢者と共に次世代を大切に考える

小村 政文(こむら・まさふみ)30 観光業 無現①
【略歴】筑波大生物資源学類卒。勝手につくば大使。北海道網走市出身。花畑在住
【公約】①子育て当事者として、産みやすい・育てやすいまちを推進②議会の情報を分かりやすく見える化③筑波大学の存在を活かし、スポーツでつくばを盛り上げる

渡辺 峰子(わたなべ・みねこ)55 政党役員 公新
【略歴】東京スチュワーデス専門学校卒。公明党つくば支部副支部長。元・味の素勤務。元・つくば市立高崎幼稚園勤務。元・ママMATE社。美浦村市出身。高見原在住
【公約】①ワークライフバランスにおける支援政策を推進②防災減災対策を徹底し、安心安全な地域づくり③車がなくても困らない街づくり

浅野英公子(あさの・えくこ)63 元・高校講師 市民ネット現①
【略歴】東京外国語大卒。元・学習塾。元・高校講師。元・オーガニック検査員。富山市出身。吾妻在住
【公約】①市民意見が尊重されるまちに②こどもがホッとできる場をふやす③特に高齢者の生活支援の情報が確実に届くようにする

五頭 泰誠(ごとう・やすまさ)56 建設業 無現③
【略歴】つくば市議会議員。保護司。五頭産業。元・つくば市産業育成協議会代表理事。元・つくば秀英高校PTA会長。元・土浦三高PTA理事長。栃木県小山市出身。吉瀬在住。
【公約】①スマートICによる周辺道路の整備②河川敷に新たなグランド整備③犬と共存共栄の地域づくり

酒井 泉(さかい・いずみ)75 市民団体代表 無新 
【略歴】東北大工学部卒。桜中部まちづくり協議会副会長。つくばのまちづくりを考える会代表。元・福井大学教授。元・高エネルギー加速器研究機構准教授。つくば市出身。上境在住。
【公約】①「科学と教育と集落の緑」つくば市のブランド化②「情報の共有と対等な議論」民主主義の徹底③「個人の尊厳を守る」福祉社会の実現

黒田 健祐(くろだ・けんすけ)43 元会社員 無現③
【略歴】学習院大文学部哲学科卒。つくば市議会議員。元・ネクシィーズ(派遣元フルキャストグループ)、元・シティバンク(派遣元グッドウィルグループ)、元・アンパス勤務。つくば市出身。東平塚在住
【公約】①定住促進(選ばれるまちづくり)②産業創出(強いまちづくり)を進める③持続可能な発展と財政力を維持し、住民福祉の向上に努める(住み続けたいまちづくり)

樋口 裕大(ひぐち・ゆうだい)36 ファイナンシャルプランナー 無新
【略歴】敬愛大学国際学部卒。Doitプランニング社ファイナンシャルプランナー。千葉市出身。みどりの南在住
【公約】①高校進学の不安を解消します②こどもたちの安心・安全の確保③みんなが主役の居場所作り

中村 重雄(なかむら・しげお)54 米穀店代表 無現①
【略歴】東洋大附属牛久高卒。つくば市議会議員。中村米穀店代表取締役。つくば市商工会理事。つくば市消防団谷田部支団指導員。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①消防団の組織強化と地域防災力の強化②農商工の連携をはかり地域経済の好循環③安心安全な教育環境の実現

榊原アリーゼ(さかきばら・ありーぜ)29 政治団体代表 無新
【略歴】水戸南高校卒。政治団体縁粋会代表。元・タクシー運転手。元・運転代行。かすみがうら市出身。中根在住
【公約】①子育て・教育支援の充実②高齢者支援の強化③安全で安心な街づくりと市民還元

高野 文男(たかの・ふみお)61 損害保険代理店代表 無現②
【略歴】県立藤代高卒。損害保険代理店代表。牛久茎崎ライオンズクラブ監査。つくば中央倫理法人会相談役。くきざき夢まつり実行委員長。つくば市出身。上岩崎在住
【公約】①子育て支援と教育環境の整備②防災・災害対応に充実した街づくり③農業環境の充実と新たなる産業の創出

伊藤 文弥(いとう・ふみや)36 農業福祉法人代表 無新
【略歴】筑波大理工学群科学類卒。NPO法人ユウアイフィールドつくば代表理事。保護司。元・NPOつくばアグリチャレンジ副代表理事。愛知県碧南市出身。並木在住
【公約】①障害のある人の就労支援と環境整備②特別支援教育の充実と教育環境の改善③学校給食の地産地消化推進

五十嵐氏が星田氏破り3選 つくば市長選

38
3選を果たし支持者らと万歳三唱する五十嵐氏(中央)=つくば市上横場の選挙事務所

任期満了に伴うつくば市長選は27日即日開票され、現職で3期目を目指した五十嵐立青氏(46)=無所属=が、新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=を破り、3選を果たした。当日有権者数は19万7088人。投票率は60.97%だった。

【つくば市長選】(選管確定)
当 61,604 五十嵐立青 46 無現②
  54,580 星田 弘司 50 無新

  (無効3,976 持ち帰り5)

五十嵐氏は、2期目の公約135項目は86.1%進ちょくしたなど実績を強調、3期目に向け99の公約を掲げた。マニフェストなどを連日、新聞折り込みなどで配布。街頭演説や市内TX各駅でのあいさつを重ね、市議会最大会派などの応援を得て選挙戦を展開した。

星田氏は、がん対策や性暴力根絶条例の策定など県議4期の実績を強調。街頭演説やTX各駅でのあいさつを重ねた。推薦を受ける自民党の応援を得て、片山さつき参院議員、いばらき自民党の県議のほか、大井川和彦知事らが応援に駆け付けて選挙戦を実施した。

「99の公約をしっかり実現」五十嵐氏

同市上横場の選挙事務所には、衆院選茨城6区で勝利した青山大人氏、大部勝規高萩市長、大塚秀喜桜川市長、ヘイズ ジョン県議らが駆け付け、28日未明まで開票を待った。

開票がなかなか進まない中、午前3時前、星田氏が敗戦の弁を述べたことが五十嵐陣営に伝わると、3時15分、雨が降りしきる中、傘をさして祝勝会を開催。五十嵐氏は「大変厳しい選挙戦だったが3期目の当選をすることができた。(後援会の)青風会の皆様お一人おひとりが各地で全力で活動してくださったお陰で、私の思いを市民に伝えることができた。99の公約をしっかり実現していくため全力で仕事をしていきたい。今回、星田さんに投票した市民の気持ちもしっかり受け止めて、誰一人取り残さない市政を前に進めたい」などと話した。

「国政選挙の影響を受けた」星田氏

「不徳の致すところ」と敗戦の弁を述べる星田氏=つくば市西大沼の選挙事務所

星田氏は28日午前2時40分、1回目の開票結果を待たずに、集まる100人ほどの支援者に向けて敗戦の弁を述べた。同市西大沼の事務所敷地に設けた選挙報告会場には、小選挙区で敗れ、比例で復活当選した国光文乃衆院議員も応援に駆けつけた。開票会場に詰める関係者からは、星田氏が5万1000票程度、五十嵐氏が6万票程度との見込み情報が入っていたという。

星田氏は「多くの皆様に支援、協力をいただき全力で闘ったが、残念ながら、私の不徳の致すところで敗戦となった」と述べた。「8月19日に出馬表明をして以来、各地区で多くの方に支援・協力をいただいた」とし、「市議会で6年、県議会で20年間にわたる政治活動をしてきた。これからは、いち民間人になるが、これまでの経験をかてに、皆様と共にがんばっていきたい」と深々と頭を下げた。

支援者からは、「結果的には国政選挙の影響を受けて残念な事態になった。市長選にも影響したというのが見方。若いので、これからもがんばってほしい」と激励の声が上がった。

五十嵐立青氏

五十嵐 立青(いがらし・たつお)46 市長 無現
【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。つくば市長。つくば観光コンベンション協会会長。いがらしコーチングオフィス代表。茨城パラスポーツ協会理事。元・NPO法人つくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住
【公約】①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉

立憲 青山氏が自民 国光氏制し当選 衆院選茨城6区

14
支援者らと万歳をする青山氏=土浦市下高津の選挙事務所

衆院選は27日、投開票が行われた。つくば、土浦などの茨城6区は、立憲前職で3期目を目指した党副幹事長の青山大人氏(45)が、自民前職で3期目を目指した元総務政務官の国光文乃氏(45)、共産新人で元つくばみらい市議の間宮美知子氏(77)を破り、3選を果たした。青山氏は前回、前々回と比例区で復活当選しており、小選挙区で国光氏を破ったのは初めて。

【茨城6区】(選管確定)
当 120,434 青山 大人 立憲前 45
当 107,305 国光 文乃 自民前 45
  16,586 間宮美知子 共産新 77

「即効性のある物価高対策進める」青山氏

土浦市下高津の選挙事務所には大勢の支持者が詰めかけた。午後9時15分過ぎ、当選確実の報が伝わると、集まった100人を超える支援者らの歓声と拍手が会場を包み込んだ。挨拶に立った青山氏は「本当にたくさん方の力で初めて小選挙区で勝つことができた」と感謝を述べた。選挙区で落選した前回(2021年)衆院選を振り返り、「深夜3時過ぎ、北関東比例区最後の枠で復活当選することができた。あれから3年、(選挙区当選の)光景を何度も夢見てきた」とし、「今日が新たな一歩。初心を忘れず、生まれ育った茨城6区、日本のために日々精進していきたい」と思いを語った。

選挙戦で訴えてきた物価高対策については、「即効性のある法案、対策を進めていく」とし、教育費の負担軽減や子育て支援の拡充については、「私自身、2人の子育てをする父親として、同世代の皆さんの大変さを聞いている。教育の負担軽減、子育て支援に取り組んでいきたい」と述べた。

会場には堂込麻紀子参議院議員や、宮嶋謙かすみがうら市長ら周辺自治体の首長、支援団体の代表ら支援者が多数詰めかけた。土浦一高で同級だった五十嵐立青元つくば市長も祝福に駆けつけた。

青山大人氏

青山大人 45 立憲前② 党副幹事長
【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書、県議2期、2017年比例復活で初当選。党県総支部連合会代表、党幹事長部局副幹事長
【公約】①時限的消費税減税など内需主導型経済対策②危機管理に投資しリスクを最小化②教育無償化、看護・介護・保育・教育現場の処遇改善など人への投資

「政治とカネの問題に厳しい目線感じた」国光氏

つくば市吉瀬の前事務所には午後8時前から支持者らが集まり、テレビの開票速報を見守った。午後8時30分、青山氏優勢が伝えられると、会場はざわめいた。青山氏の当選確実が報じられた後、午後9時15分前、国光氏が会場に姿を見せ「私の力不足で小選挙区の当選を果たすことが出来なかった。何が足りなかったのか、国民の審判をしっかり受け止めたい。暑い日も寒い日も、私と歩いていただき、いい時も悪い時も伴走していただいた皆様に感謝したい。皆さんのお困りごとを少しでも前に進め、これからも頑張って参ります」とあいさつし、頭を下げた。

敗因については「政治とカネ、2000万円を非公認に振り込んだことは私自身も驚いた。選挙戦は今までと異なり、非常に厳しく白けた目線を感じた。私自身、地盤、看板、かばんが無い中で声を上げるべきだったかもしれない」などと話した。

国光氏は日付変わって28日午前0時過ぎ、重複立候補していた比例区での当選が決まった。

「これからも頑張る」とあいさつする国光氏=つくば市吉瀬の選挙事務所

国光あやの 45 自民前② 元総務政務官 公明推薦
【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。勤務医、厚労省医系技官、同保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉氏の後継者として初当選。第2次岸田内閣で総務政務官。
【公約】①物価等に連動した年金受給額のさらなる引き上げ②国道6号バイパスの整備促進➂霞ケ浦医療センターの整備実現

愛犬とのダンスなど披露 わんわんランドで学園祭 つくば国際ペット専門学校

3
パートナードッグと一緒にパフォーマンスを披露するドッグトレーナーコースの2年生ら=つくば市沼田、つくばわんわんランド

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田、東郷治久理事長)が26日、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」を1日貸し切りにして、学園祭「第15回犬友祭(けんゆうさい)」を開催した。犬の訓練士や美容師、動物看護師などを目指す学生たちがさまざまな企画を用意した。

ドッグトレーナーコースの2年生42人が、学生生活を一緒に過ごしてきた1人1頭のパートナードッグと、ダンスや曲芸を見せた。「オンリーワン(only wan)」と題したパフォーマンスで、それぞれのパートナードッグと1年半向き合った成果を披露し学園祭のフィナーレを飾った。成功すると観衆から大きな拍手が沸き起こった。

混雑を避けるため一般参加を取り止めて、卒業生や家族など関係者だけでの開催となり、2000人ほどが集まった。在校生は約500人おり、卒業生らの同窓会の要素もあるという。

卒業生や家族などでにぎわった犬友祭の様子

犬の美容師を目指すドッグトリマーコースの2年生は、犬と一緒に写真を撮影したり、愛犬に付けるスタイ(よだれかけ)や自分に付けるアクセサリーを作る体験会を企画した。

愛玩動物看護師コースと動物衛生看護コースの2年生は「ワォーン!!びっくりハウス」と題し、付属の動物医療センターでお化け屋敷を催した。同コース3年生は、自宅の愛犬に合わせた大きさのおもちゃを作り、「犬と遊ぼう」という企画を開催した。

ペットケア総合コース2年生は、毎年来園者から好評を博しているドッグレースを企画。同校の学生らが毎日共に過ごしているパートナードッグの中から選ばれた愛犬が出場し、レースが催された。

園内では、ハンバーガーやおでん、ラーメンなど12チームがそれぞれの模擬店を出店するグルメコンテストなども開かれた。

愛犬を連れて家族と共に筑西市から参加した卒業生の本城亜瑚さん(22)は「3年前卒業して、とても懐かしい。当時はコロナ禍で大変だったが、トレーナーとして良い仕事ができるよう頑張っていきたい」と話した。(榎田智司)

愛犬と写真撮影に応じる卒業生の本城亜瑚さん(右)と飯村亜美さん

親子で里山を楽しむ《宍塚の里山》 118

1
写真は筆者

【コラム・西川菜緒】6年前の話になりますが、幼稚園児だった娘が持ち帰ってきた「宍塚大池のお知らせ」をきっかけに、親子で里山散策がはじまりました。初めて参加した月例テーマ観察会「きのこ」で見つけたのが、大きなアカヤマドリ(食用キノコ)。「これ食べたい」という娘の熱意に押されて持ち帰り、切るたびに出てくる白い虫と格闘しながら作った天ぷらを、目をキラキラさせながら食べていた娘を思い出します。

その後も、月例テーマ観察会と里山子ども探偵団に参加し、専門家やベテランスタッフとの交流を通して、娘はたくさんのことを学び、自然への興味を深めています。里山にはマムシやスズメバチなど危険な生き物もいます。逆に、毛虫でも毒のない種類もおり、触ってみるとフサフサと心地よい感触だったりします。

里山には、食べることのできる山菜もたくさんありますが、勝手に採取してはいけない場所もあります。会のイベントに参加することで、里山のルールを学ぶことができますので、初めは親子で参加することをお勧めします。

目で見て触って耳を澄まして

今の時期、娘の楽しみは、山芋のつるについたムカゴ取りです。角度を変えながらじっくり眺めて、無心で取っていきます。ムカゴはご飯と一緒に炊くと、ホクホクとした食感がおいしいです。

親子で里山を楽しむコツは、①汚れることを気にしない=ぬかるみも多いので長靴は必須、②時間を気にしない=道端に生えているノビルを見つけ、引っ張っては抜いて、イモムシのお食事タイムを観察、③持ち帰った山菜は子供と一緒に調理する=自分で採取して作った料理の味は格別―です。

里山を歩いていると、独特の匂いを放つスッポンタケの香りを感じて鼻をくんくんさせたり、コンコンと木をつつくコゲラを見つけたり、いろいろな楽しさを味わうことができます。

スマホでなんでも調べることのできる時代ですが、目で見て触って、耳を澄まして、深呼吸しながら匂いを感じて、里山の恵みを味わう。素敵な体験のできる宍塚の里山に親子で遊びにきてください。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

2人の宇宙飛行士がつくばデビュー JAXA特別公開で

3
宇宙飛行士2人の楽しいおしゃべりに沸く=筑波宇宙センター

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が26日、つくば市千現の筑波宇宙センターで開いた特別公開で、2人の宇宙飛行士がつくばデビューを飾った。21日に日本の新たな宇宙飛行士として認定されたばかりの米田あゆさん(29)と諏訪理さん(47)。月探査計画を含む将来の宇宙プロジェクトに向けて意気込みを語り、イベント参加者からの質問に答えた。

この日約4800人を集めた特別公開には40を超すイベントが用意された。注目を集めたのは「宇宙飛行士候補者 基礎訓練報告会」。2人は昨年、宇宙飛行士の候補者に選ばれたあと、約1年半の基礎訓練を経て21日、JAXAから正式に宇宙飛行士として認定された。このため「候補者」の肩書が外れて、一般向けに初のお披露目となる晴れ舞台になった。

米田あゆさん

報告会では、4つの分野からなる基礎訓練の内容が紹介された。飛行機に乗って無重力に近い環境を体験したり、自衛隊のサバイバル訓練に参加するなどの経験を積んだ。そのうえで宇宙実験に必要な科学的な知識などを問う試験があり、合格の報に2人は「ワクワクしている」(米田さん)、「一歩一歩頑張ってやっていきたい」(諏訪さん)と決意を新たにした。

2人は今後、渡米してNASA(アメリカ航空宇宙局)で宇宙飛行士としての訓練を受けることになる。アメリカが主導する国際月探査プロジェクト「アルテミス計画」など国際的な月探査計画に参加して、日本人として初めて月面に降り立つことも期待されている。

諏訪理さん

質疑応答で「月で何をしたいか」を問われた2人は「空気のない月では影が暗く映ると聞くので、かくれんぼをしたらどうなるか試してみたい」(米田さん)、「太陽系がどうやってできたか、地球がどうやってできたか、月がどうやってできたか分かるような石を探したい」(諏訪さん)などと答え、会場を沸かせた。

JAXAでは13年ぶりの宇宙飛行士の誕生で、これで古川聡さん、星出彰彦さんら7人の陣容になる。報告会は事前予約制で参加者を募ったが、新たな飛行士誕生を知った多くの宇宙ファンが会場に詰め掛けた。

千葉県柏市から来た中学2年と小学5年のきょうだいの兄、中村凌さんは「旅客機のパイロットを目指しているので飛行機での無重力訓練の話が興味深かった」、妹の葵さんは「米田さんはかっこよくて堂々としていて憧れの存在になった」という。(相澤冬樹)

あす投開票 衆院選、つくば市長・市議選

13
街頭演説するつくば市議選立候補者

解散に伴う衆院選と、任期満了に伴うつくば市長・同市議選(定数28)は27日午前7時から午後7時まで、市内76カ所で投票が行われ、午後8時30分から同市流星台の市桜総合体育館で即日開票される。開票は衆院選小選挙区、同比例区、最高裁国民審査、市長選、市議選の順で行われ、すべての大勢が判明するのは翌28日未明ごろになりそうだ。有権者数は19万9711人(19日現在)で、4年前より約1万2000人増えた。25日までの期日前投票の投票率は15.94%だった。

衆院選小選挙区茨城6区(つくば、土浦、石岡市など)に立候補しているのは、立憲前職で3期目を目指す党副幹事長の青山大人氏(45)、共産新人で元つくばみらい市議の間宮美知子氏(77)、自民前職で3期目を目指す元総務政務官の国光文乃氏(45)の3氏。

つくば市長選に立候補しているのは、現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と、新人で前県議の星田弘司(50)=無所属、自民推薦=の2氏。

同市議選には定員を18人上回る46人が立候補している。内訳は現職が19人、新人が27人。政党別は自民1人、公明3人、共産3人、市民ネット4人、無所属35人。

市長選に立候補している五十嵐氏は「ともに創る。誰一人取り残さない」をスローガンに掲げる。告示後は主に、応援を得る市議会最大会派の市議選立候補者らと連日、市内各所で街頭演説に立ち、市内TX線各駅でのあいさつを重ねてきた。26日は午後7時から、つくば駅前の商業施設BiViつくば前で最後の訴えをする。

星田氏は「市政を再起動」をスローガンに掲げる。大井川和彦知事、いばらき自民党の県議、片山さつき参院議員など自民党国会議員らの応援を得て、連日、市内各所で街頭演説と、市内TX線各駅でのあいさつを重ねてきた。26日は午後5時から、同市上横場のシティマーケットうおまつ本店駐車場で最後の訴えをする。

選挙ポスター掲示板=つくば市小茎、茎崎交流センター

【つくば市長選立候補者】届け出順

五十嵐立青氏

五十嵐 立青(いがらし・たつお)46 市長 無現②
【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。つくば市長。つくば観光コンベンション協会会長。いがらしコーチングオフィス代表。茨城パラスポーツ協会理事。元・NPO法人つくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住
【公約】①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉

星田弘司氏

星田 こうじ(ほしだ・こうじ)50 自新
【略歴】明治大公共政策大学院ガバナンス研究科修了。星田建設工業社員。茨城県パワーリフティング協会会長。茨城県行政書士会顧問。茨城県建設業協会顧問。元・つくば市議会議員。元・茨城県議会議員。つくば市出身。西大沼在住
【公約】①地域産業支援と「つくばブランド」の発掘・確立・セールス②市民の命と生活、雇用を守り抜く③「教育日本一」の実現と徹底した「子育て・女性支援」

【つくば市議選立候補者】(定数28)届け出順
篠内 幸代 46 公新 小野川
川村 直子 52 市現 花園
渡辺 峰子 55 公新 高見原
田代  優 33 無新 学園の森
薮下(鎌田)典子 49 無新 上横場
齊藤 新吾 49 無新 吾妻
飯岡 宏之 62 無現 上野
小村 政文 30 無現 花畑
広石 恒生 57 無新 牧園
桜井 裕基 41 無新 玉取
野崎 裕二 37 無新 竹園
田島 由紀 39 無新 横町
小森谷佐弥香 50 市現 研究学園
黒田 健祐 43 無現 東平塚
高野 文男 61 無現 上岩崎
五頭 泰誠 56 無現 吉瀬
青木 真矢 45 無新 島名
樋口 裕大 36 無新 みどりの南
木村 修寿 70 無現 島名
恩田  肇 61 無新 桜が丘
川久保皆実 38 無現 松代
市原 琢己 32 無新 吾妻
川田 青星 25 市新 高見原
神谷 大蔵 51 無現 沼田
佐藤せつ子 71 共新 上ノ室
藤木  潤 45 無新 横町
木村 芳美 61 無新 西高野
榊原アリーゼ 29 無新 中根
金岡  誠 38 無新 学園の森
砂坂 善成 73 無新 みどりの
長塚 俊宏 62 無現 谷田部
荘司 信之 49 無新 松栄
浅野英公子 63 市現 吾妻
小久保貴史 51 無現 小田
梅沢 尊信 41 公新 君島
塚本 洋二 52 自現 花畑
酒井  泉 75 無新 上境
木村 清隆 60 無現 上郷
中村 重雄 54 無現 谷田部
山中 真弓 46 共現 上ノ室
伊藤 文弥 36 無新 並木
橋本けい子 70 共現 自由が丘
塩田  尚 74 無現 真瀬
加藤  豊 62 無新 東光台
黒崎  博 42 無新 緑が丘
山崎 健介 49 無新 梅園
 ※政党名は自=自民 公=公明 共=共産 市=市民ネット、無=無所属

【つくば市議選立候補者一覧】

届け出順(氏名・敬称略、年齢、職業、政党・政治団体、現職・新人・元職の別・過去の当選回数)

篠内 幸代(しのうち・さちよ)46 政党役員 公新
【略歴】創価大教育学部卒。公明党副支部長。元・美浦村立大谷小非常勤講師。元・つくば市立谷田部東中学校サポーター。つくば市出身。小野川在住
【公約】①幼児期の発達相談体制・多様な学び・学校教員への支援体制の充実②帯状疱疹ワクチンの公費助成③高齢者のゴミ出し等の生活支援

川村 直子(かわむら・なおこ)52 社会福祉士 市民ネット現①
【略歴】日本福祉大社会福祉学部卒。つくば市議会議員。元・日本聖公会名古屋学生青年センター主事。新潟市出身。花園在住
【公約】①LGBTQ等生きづらい人が自分らしく生きられる地域づくり②あらゆる場面でのジェンダー平等推進③気候危機対策の積極的推進

渡辺 峰子(わたなべ・みねこ)55 政党役員 公新
【略歴】東京スチュワーデス専門学校卒。公明党つくば支部副支部長。元・味の素勤務。元・つくば市立高崎幼稚園勤務。元・ママMATE社。美浦村市出身。高見原在住
【公約】①ワークライフバランスにおける支援政策を推進②防災減災対策を徹底し、安心安全な地域づくり③車がなくても困らない街づくり

田代  優(たしろ・ゆう)33 飲食店職員 無新
【略歴】聖徳大学附属聖徳高校卒。麺屋こうじ。龍ケ崎市出身。学園の森在住
【公約】①教育環境の充実(給食無償化、病児保育の強化)②安全なまちづくり(通学路整備、親子防災)③優しい地域のつながりづくり

薮下(鎌田)典子(やぶした・のりこ)49 健康支援業役員 無新
【略歴】筑波大大学院博士課程体育科学研究科修了。THF取締役。日本リハビリテーション学会会長。NPO日本介護予防協会理事。NPO法人まる理事。元・医療法人八千代会八千代病院。愛知県知多市出身。上横場在住
【公約】①ITによる介護・認知症予防システム整備②障がい者・退職者の学びたい・働きたいを叶える仕組みづくり③多世代交流ハウス整備

斉藤 新吾(さいとう・しんご)49 障害者福祉法人理事長 無新
【略歴】筑波大日本語日本文化学類中退。NPO法人サラダボール理事長。青森県弘前市出身。吾妻在住
【公約】①早朝延長保育の拡充②気候変動対策と健康維持のために、学校、既存住宅の断熱化③インクルーシブ社会、ジェンダー平等の実現

飯岡 宏之(いいおか・ひろゆき)62 建設会社職員 無現⑥
【略歴】日大理工学部卒。飯岡建設。元・アイ・エヌ・エー筑波研究所。元・筑波学園企画 つくば市出身。上野在住
【公約】①周辺部と中心部との格差是正②子育て支援の施策に力を注ぎ好循環なまちづくり③緊急通報システム事業の拡大

小村 政文(こむら・まさふみ)30 観光業 無現①
【略歴】筑波大生物資源学類卒。勝手につくば大使。北海道網走市出身。花畑在住
【公約】①子育て当事者として、産みやすい・育てやすいまちを推進②議会の情報を分かりやすく見える化③筑波大学の存在を活かし、スポーツでつくばを盛り上げる

広石 恒生(ひろいし・こうせい)57 運送会社職員 無新
【略歴】中央大法学部政治学科卒。運送会社会社員。千葉県君津市出身。牧園在住
【公約】①無花粉杉の苗木生産を推進②芝生生産からの転作を支援③アクアポニックス(陸上養殖と水耕栽培を一緒に行う)の推進

桜井 裕基(さくらい・ゆうき)41 飲食店経営 無新
【略歴】県立土浦第三高卒。飲食店経営。橋梁点検会社役員。つくば市出身。玉取在住
【公約】①市の公共事業で地元企業を優先的に選定し活性化②市民相談窓口をもっと身近に③特産物や観光資源がある周辺地域の活性化

野崎 裕二(のざき・ゆうじ)37 大学客員教授 無新
【略歴】東京工業大理工学研究科修了。電気通信大人工知能先端研究センター客員教授。元・日本電気。元・東京工業大精密工学研究室。千葉県千葉市出身。竹園在住
【公約】①科学的な政策議論の推進と行政の透明化②子育て世帯の支援と大学生への給付型奨学金③高齢者の予防医療の促進と運転支援措置の助成

田島 由紀(たじま・ゆき)39 政党員 無新
【略歴】国際航空専門学校卒。日本維新の会。元・マリーナ産業。元・ワーキングリンク。元・アサンテ。千葉県野田市出身。横町在住
【公約】①塾や習い事の助成制度の拡充②介護を受ける側、する側の経済的負担を軽減するための助成制度の実現③誰もが安心して相談できる場を設けたい

小森谷佐弥香(こもりや・さやか)50 薬剤師 市民ネット現②
【略歴】富山医科薬科大薬学部卒。保険薬局薬剤師。元・製薬会社MR(医薬情報担当者)勤務。群馬県前橋市出身。研究学園在住
【公約】①情報公開と市民参加をもう一歩前へ②人間にも環境にも健康的なまち つくばへ③TX沿線に市民が集える居場所を

黒田 健祐(くろだ・けんすけ)43 元会社員 無現③
【略歴】学習院大文学部哲学科卒。つくば市議会議員。元・ネクシィーズ(派遣元フルキャストグループ)、元・シティバンク(派遣元グッドウィルグループ)、元・アンパス勤務。つくば市出身。東平塚在住
【公約】①定住促進(選ばれるまちづくり)②産業創出(強いまちづくり)を進める③持続可能な発展と財政力を維持し、住民福祉の向上に努める(住み続けたいまちづくり)

高野 文男(たかの・ふみお)61 損害保険代理店代表 無現②
【略歴】県立藤代高卒。損害保険代理店代表。牛久茎崎ライオンズクラブ監査。つくば中央倫理法人会相談役。くきざき夢まつり実行委員長。つくば市出身。上岩崎在住
【公約】①子育て支援と教育環境の整備②防災・災害対応に充実した街づくり③農業環境の充実と新たなる産業の創出

五頭 泰誠(ごとう・やすまさ)56 建設業 無現③
【略歴】つくば市議会議員。保護司。五頭産業。元・つくば市産業育成協議会代表理事。元・つくば秀英高校PTA会長。元・土浦三高PTA理事長。栃木県小山市出身。吉瀬在住。
【公約】①スマートICによる周辺道路の整備②河川敷に新たなグランド整備③犬と共存共栄の地域づくり

青木 真矢(あおき・しんや)45 農業団体代表 無新 
【略歴】京都芸大情報デザイン学科卒。アオニサイファーム代表。ワニナルプロジェクト。ファストユニオン。EAT and kamiGo実行委員会代表。京都府京田辺市出身。島名在住
【公約】①市民全員が住みやすい環境を整備する②観光を通じて街を盛り上げる③幅広い世代が輝ける街にする

樋口 裕大(ひぐち・ゆうだい)36 ファイナンシャルプランナー 無新
【略歴】敬愛大学国際学部卒。Doitプランニング社ファイナンシャルプランナー。千葉市出身。みどりの南在住
【公約】①高校進学の不安を解消します②こどもたちの安心・安全の確保③みんなが主役の居場所作り

木村 修寿(きむら・しゅうじ)70 元つくば市役所職員 無現③
【略歴】土浦日大高校卒。つくば市議会議員。つくば市島名地区まちづくり協議会会長。つくば市保護司。つくば市・福田坪区画整理審議会委員。総務文教常任委員長。元・谷田部町役場職員。元・つくば市役所職員。つくば市出身。島名在住
【公約】①香取台・みどりの・研究学園地区へ地域交流センターの整備②高齢者・障害者福祉の充実③圏央道地域への道の駅の整備

恩田 肇(おんだ・はじめ)61 中学校非常勤講師 無新
【略歴】法政大文学部第二部英文学科卒。常総市立水海道中学校夜間学級非常勤講師。元・吾妻中学校校内フリースクール支援員。元・西佐倉印西病院デイケア精神保健福祉員 つくば市出身。桜が丘在住
【公約】①公立学校給食費無料化、35人学級早期実現②会計年度任用職員、弁護士・保育士の処遇改善③水海道中学校夜間学級通学者交通費補助

川久保皆実(かわくぼ・みなみ)38 弁護士 無現①
【略歴】東京大法学部政治学研究科修了。つくば市議会議員。弁護士。シンプルウェイ取締役。つくば市出身。松代在住
【公約】①子育て支援を中心とした政策20件の実現②各政策の進歩状況の徹底的な見える化③子育て目安箱・ごみ拾い交流会を通じた広聴

市原 琢己(いちはら・たくみ)32 医師 無新
【略歴】東京医科大医学部卒。医療法人健佑会理事長。つくば医師会理事。社会福祉法人健誠会理事。つくば市出身。吾妻在住
【公約】①教育日本一のつくば②もっと住みたくなるつくば③医療DX化を推進し、安心な街つくばを目指す

川田 青星(かわだ・あおる)25 政治団体運営委員 市民ネット新
【略歴】日本大法学部卒。つくば・市民ネットワーク運営委員。元・県内金融機関勤務。つくば市出身。高見原在住
【公約】①相談体制の拡充をはじめ、子育て支援を強化②周辺地域のまちづくりを活性化
③子ども一人ひとりの多様な学びを実現

神谷 大蔵(かみや・だいぞう)51 卸販売業社長 無現③
【略歴】霞ケ浦高校卒。つくば観光コンベンション協会副理事長。筑波山地域ジオパーク推進委員会委員長。つくばフェスティバル実行委員会委員長。筑波物産代表取締役。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。沼田在住
【公約】①災害や危険に強い街づくり②誇れる周辺地域の街づくり③子どもや高齢者が明るく元気に暮らせる街づくり

佐藤せつ子(さとう・せつこ)71 政党役員 共新
【略歴】県立水海道一高卒。日本共産党茨城県南部地区委員。元・日産自動車勤務。元・国立公害研究所勤務。元・無認可まつぼっくり保育園長。元・社会福祉法人みどり会まつぼっくり保育園。つくば市出身。上ノ室在住
【公約】①水道料金値上げ中止②学校給食費ゼロ③県立高校増設

藤木 潤(ふじき・じゅん)45 食品酒類卸販売業代表 無新
【略歴】大阪外国語大卒。be a good friend社。大阪府泉大津市出身。横町在住
【公約】①経済の地産地消サーキュラーエコノミーの実現②自然と生態系に配慮した街づくり③つくバス拡充・つくタクアプリ化推進

木村 芳美(きむら・よしみ)61 行政書士 無新
【略歴】県立石下高校卒。行政書士。大穂町出身。西高野在住
【公約】①暮らしやすいまちづくり②子供たちにオーガニック給食を③上下水道の早期整備

榊原アリーゼ(さかきばら・ありーぜ)29 政治団体代表 無新
【略歴】水戸南高校卒。政治団体縁粋会代表。元・タクシー運転手。元・運転代行。かすみがうら市出身。中根在住
【公約】①子育て・教育支援の充実②高齢者支援の強化③安全で安心な街づくりと市民還元

金岡 誠(かなおか・まこと)38 自営業 無新
【略歴】愛知県立小田高校卒。自営業(ドローン撮影)。愛知県内子町出身。学園の森在住
【公約】①市内の渋滞緩和②子どもたちが遊べる屋内遊具施設の建設③県立高校の設立

砂坂 善成(すなさか・よしなり)73 市民団体代表 無新
【略歴】鹿児島県立加治木工業高卒。カモメと雀の会代表。政治団体チーム砂坂代表。元・建設会社工事管理者。元・ビル・ハウス建設会社設立。鹿児島県種子島市出身。みどりの在住
【公約】①ひとりでも安心して住めるまちづくり②生活基盤の公共交通利便性を高める③地域資源の活用による産業の活性化

長塚 俊宏(ながつか・たかひろ)62 会社員 無現②
【略歴】私立茨城高校卒。つくば市議会福祉保健委員長。茨城県環境保全協会副理事長。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①周辺教育環境の整備の第一歩谷田部小建て替え②多様な子育て環境に対応する支援の充実③自動追従ロボットの普及でごみ捨て難民解消

荘司 信之(しょうじ・のぶゆき)49 自動車関連会社代表 無新
【略歴】関東理工自動車専門学校卒。Leopard motor’s代表。栄小PTA副会長。松栄自治会会長。つくば市出身。松栄在住
【公約】①古い学校設備の改善とグランド整備②各種博士や有識者と共に英語教育支援③ロボットを用いた障害者支援は現在調整中

浅野英公子(あさの・えくこ)63 元・高校講師 市民ネット現①
【略歴】東京外国語大卒。元・学習塾。元・高校講師。元・オーガニック検査員。富山市出身。吾妻在住
【公約】①市民意見が尊重されるまちに②こどもがホッとできる場をふやす③特に高齢者の生活支援の情報が確実に届くようにする

小久保貴史(こくぼ・たかし)51 農業法人代表 無現③
【略歴】八ケ岳中央農業実践大卒。筑波農場代表取締役。つくば市筑波土地改良区副理事長。つくば市監査委員。元・つくば市議会議長。元・つくば青年会議所理事長。つくば市出身。小田在住
公約】①道の駅や産業集積拠点整備で地域活力の向上へ②子供や高齢者がいきいき暮らせるまちづくり③市中心部と周辺地域の格差是正の取り組み

梅沢 尊信(うめざわ・たかのぶ)41 塗装業会社経営 公新
【略歴】筑波研究学園専門学校卒。梅沢塗装工業代表取締役社長。つくば市商工会青年部副部長。つくば市出身。君島在住
【公約】①「車が無くてもどこにでも行ける」街づくり②生活道路・通学路の整備と道路環境整備③区域指定の拡大

塚本 洋二(つかもと・ようじ)52 飲食店 自現④
【略歴】県立土浦産業技術専門学校自動車整備科卒。御食事処三丁目個人事業。社会福祉法人博愛会理事。信輝インターナショナル顧問。つくば市出身。花畑在住
【公約】①近隣自治体との連携した公共バス整備②身近な公園・緑地の整備と遊具の充実
③体育館などへエアコン設置(避難所対応も含め)

酒井 泉(さかい・いずみ)75 市民団体代表 無新 
【略歴】東北大工学部卒。桜中部まちづくり協議会副会長。つくばのまちづくりを考える会代表。元・福井大学教授。元・高エネルギー加速器研究機構准教授。つくば市出身。上境在住。
【公約】①「科学と教育と集落の緑」つくば市のブランド化②「情報の共有と対等な議論」民主主義の徹底③「個人の尊厳を守る」福祉社会の実現

木村 清隆(きむら・きよたか)60 団体理事 無現③
【略歴】日本大法学部卒。つくば市議会議員。公益社団法人国際IC日本協会理事。つくば市立豊里中学校評議員。TISつくばインターナショナルスクール学校評議員。元・日本ファイリング。元・日本労働組合総連合会茨城県連合会副会長。元・ものづくり産業労働組合JAM。つくば市出身。上郷在住
【公約】①中小企業振興基本条例を制定し、地域経済活性化に取り組む②教育予算拡充③2025年問題対応、高齢者と共に次世代を大切に考える

中村 重雄(なかむら・しげお)54 米穀店代表 無現①
【略歴】東洋大附属牛久高卒。つくば市議会議員。中村米穀店代表取締役。つくば市商工会理事。つくば市消防団谷田部支団指導員。つくば市出身。谷田部在住
【公約】①消防団の組織強化と地域防災力の強化②農商工の連携をはかり地域経済の好循環③安心安全な教育環境の実現

山中 真弓(やまなか・まゆみ)46 党役員 共現②
【略歴】東京農工大大学院連合農学研究科修了。政党役員。元・ツムラ社員。栃木県市貝町出身。上ノ室
【公約】①学校給食費ゼロ・県立高校増設②水道料金値上げストップ③高齢者へのタクシー・民間路線バスの運賃補助

伊藤 文弥(いとう・ふみや)36 農業福祉法人代表 無新
【略歴】筑波大理工学群科学類卒。NPO法人ユウアイフィールドつくば代表理事。保護司。元・NPOつくばアグリチャレンジ副代表理事。愛知県碧南市出身。並木在住
【公約】①障害のある人の就労支援と環境整備②特別支援教育の充実と教育環境の改善③学校給食の地産地消化推進

橋本けい子(はしもと・けいこ)70 政党役員 共現⑤
【略歴】成徳短期大保育科卒。政党役員。土浦市出身。自由ケ丘在住
【公約】①給食費の無償化②茎崎給食センターは建て替えに③水道料金の値上げにSTOPを

塩田 尚(しおた・ひさし)74 行政書士 無現⑧
【略歴】神奈川大法学部卒。つくば市議会議員。行政書士。元・谷田部町議会議員。元・茨城県議会議員。愛媛県四国中央市出身。真瀬在住
【公約】①学童保育の待機児童をゼロにする②全ての学校にフリースクールを設置する③ヤングケアラーの子どもを支援する制度を作る

加藤 豊(かとう・ゆたか)62 元・会社員 無新
【略歴】千葉工業大機械工学科卒。東光台自治会副会長。東光台4丁目区長。東光台祭り実行委員長。岡山県真庭市出身。東光台在住
【公約】①2人目以降の学費免除など子育て支援②防犯カメラ補助金見直しなど地域の犯罪防止③高齢者雇用支援など人にやさしいまちづくり

黒崎 博(くろさき・ひろし)42 塾代表 無新
【略歴】東京理科大理学部卒。理数クリエイト代表。日本理科検定協会理事。つくば理数塾代表。元・ランチママ店員。つくば市出身。緑が丘在住
【公約】①理数教育の推進②STEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学を統合的に学ぶ教育のこと)の推進③生涯学習の推進

山崎 健介(やまざき・けんすけ)49 不動産業経営 無新
【略歴】広島大大学院国際協力研究科修了。元・土木研究所非常勤職員。元・青年海外協力隊隊員。東京都葛飾区出身。梅園在住。
【公約】①議員の票の格差付け②穏健で中道な動物管理政策③離婚権の拡大

田舎暮らしのススメ《文京町便り》33

1
土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】大都市の生活は刺激的だ。若者はそれに魅力を感じる。何を隠そう私も若かった時代は、そうした利便さと刺激を求めて上京した。大学入学以来、東京を拠点とする生活が、定年退職時(70歳)の最近まで続いた。とはいえ勤務先が、勤務形態が四六時中拘束される一般企業・官庁ではなかったので、1年のうち数カ月はふるさと(茨城県)で過ごし、親戚や友人との人間関係を維持してきた。

そこに、退職した翌年(2020年)、新型コロナが出現した。すると、都内での会合が激減した。しかし、これをカバーすべく、インターネットを使ったウェブ会議・ミーティングが全国的に浸透した。そうすると、東京に居住している必然性が低下した。

東京都心部の生活費は相当な高さだ。そもそも利便性の高い高層マンションの購入費・賃貸料・住居費は高い。食材も高級・上質だが、値段は高い。生活の便利さや文化面での新奇さ・刺激・多様性を容易に享受できるのはいいが、心の平静さや自然との触れ合いに制約が生じる。以前からそれとなく想定していた「再度の田舎暮らし」を、コロナ禍を潮に本格化させた。

そもそも、パソコン画面上部のカメラやマイクについては、パソコン使用時の本人確認以外には、インターネットを使っていてもこれまで全く利用してこなかった。ところがウェブ会議が始まってみると、これらは見事かつ十分に使える。というか、ウェブ会議が始まった当初は、(やや高性能の)カメラとマイクを別途用意する必要があるのではないかと危惧したが、それは全くの杞憂(きゆう)だった。

ウェブ会議の有効性は甚大

こうした生活スタイルに馴染(なじ)んでみると、すでにある程度の社会関係・人間関係を確立している人間にとっては、インターネットやウェブ会議を活用すれば、田舎暮らしでもそれ以前に確立した社会生活を十分に維持できることが分かった。

とはいえ、田舎暮らしでの不便さは、利用できる公共交通体系が制約されていて、マイカー移動に全面的に依存せざるを得ないことである。したがって、運転免許証の返上には、現時点では躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない。バス運行の利便性も、東京などと比べると、遅延・頻度のいずれでもはるかに低レベルである。田舎こそ、こうした公共交通システム・運行のきめ細かさが求められている。そのための国・地方自治体の財政措置などは、相当に工夫の余地がある。

コロナ禍を契機にした以上の発見は、グローバルにも成立する。要するに、ウェブ会議の有効性は甚大で、それこそ日本に居ながら、世界中とグローバル・同時につながることができる。現に私も、海外のいくつかのメディア・研究機関・知人と定期的あるいは臨時にウェブ会議の機会がある。これまでであれば、わざわざ海外にお金と時間をかけて足を運ばなくてはならなかった会議も、軽いミーティング感覚で参加できる。この利便さとその効用は圧倒的・抜群である。

ただウェブ会議では、初対面の人柄やニュアンスを味わうのは困難であり、同時進行・体験に関してはとりわけ時差の制約を感じることが多い。また、情報発信に関しては、SNS(ユーチューブなど)のメディアに分がある。いずれにせよ、20世紀末以降のインターネット・ICTの革新・向上もあり、日本国内の都市と農村の格差解消だけでなく、世界各国とのグローバルな共存も同時進行している。(専修大学名誉教授)

茎崎地区、市政満足度 際立って低く 地域格差【アングルつくば市長選’24】下

19
近く改修が始まる茎崎保健センター。隣接する旧茎崎庁舎跡地には庁舎解体から14年ぶりにドラッグストアーが開店した

つくば市政に対する満足度について、市民の意見を把握するため市が2年に一度実施している「市民意識調査」がある。目立つのは、茎崎地区住民の市政に対する満足度が他地区と比べて際立って低いことだ。

調査は市の現状やまちづくりについて42項目を質問している。18歳以上の3000人を対象に、地区や年齢の偏りを無くし無作為抽出で行っている調査で、今後の施策形成と市政運営の基礎資料となる。昨年8月に実施した最新の調査では48.2%が回答した。

つくば市の住み心地を訪ねた設問では「住みやすい」「どちらかといえば住みやすい」と合わせた回答が市全体で83.3%と8割を超えているのに対し、地区別の集計で茎崎地区は63.2%と、市平均より20ポイント低く、地区別では最も低い。住みにくい理由としては、「交通の便が悪い」「日常生活が不便」「公共施設が不足」などが挙げられている。

「つくば市は自分らしく自分のやりたいことができるまちであるか」と設問に対しては、市全体で「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせた回答が56.6%なのに対し、茎崎地区は最も低い42.8%。ほかに豊里、筑波地区も50%を下回っている。つくば駅周辺の研究学園地区が66%、TX沿線開発地区が55.4%であるのと比べると、茎崎地区は12~23%満足度が低い。

「市政に市民の声が生かされているか」の設問に対するしては、市全体で「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせた回答が26.9%。「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」を合わせた回答は市全体で31.2%あり、「わからない」が39%ある。地区別では、こちらも茎崎地区の満足度が最も低く「そう思う」「どちらかといえばそう思う」は17.3%と市全体と比べ9.6ポイント低く、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」が39.1%と4割を占める。

「つくば市には子供を安心して生み育てられる環境が整っているか」に対する回答も茎崎地区が際立って低いのが目立つなど、市政に対する市民の満足度には、地域格差が歴然とあることが分かる。

茎崎地区は、首都圏に通勤する主に団塊世代のサラリーマン世帯が、1970年代から80年代に一戸建て住宅を購入し、移り住んだベッドタウンで、今、高齢化が進んでいる。今年3月策定の第9期市高齢者福祉計画によると、茎崎地区の高齢化率は38.07%で、筑波地区の38.13%に次いで高い。TX沿線地区への人口増加が進む谷田部地区の高齢化率12.48%と比べ、高齢化率は3倍になる。

市民意識調査で際立つ茎崎地区住民の市政満足度の低さについて、同地区の一戸建て住宅団地、桜が丘に住み、地域の通学路の草刈りやごみ拾い、防犯パトロールなどに取り組むNPO桜が丘おはな会の小原利治さんは「茎崎地区は高齢化が進み、外に出ない人が増えている。交通の便も悪く、陸の孤島にいるように感じている人もいるのではないか。空き家対策に取り組み、企業を誘致し、若い人たちが入ってくるようなまちにしてほしい」と話す。

同地区に約60年前に転居し、住民運動などを通して長年まちづくりに取り組んできたてきた女性(90)は「合併前の茎崎町だったころと比べて、ものを言うリーダーが少なくなったように感じる」と話し「茎崎地区は6号牛久土浦バイパスの工事が進み、常磐線とつくばエクスプレスの両方の駅、常磐道と圏央道の両方のインターチェンジが近く交通の便がいい。まちに企業を誘致し、若い人が住みやすい市営住宅を用意するなど、若い人が希望をもてるまちづくりを構想することが必要」と話す。

茎崎地区について▽市長選に立候補している五十嵐立青氏は、給食レストラン整備、茎崎保健センターの市民利用施設への改修、牛久沼の生態系を生かした活性化などを掲げる▽星田弘司氏は、龍ケ崎、牛久、つくばみらいなどとの連携を強化した牛久沼周辺の活用などを掲げている。(鈴木宏子)

終わり