水曜日, 6月 24, 2026
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「常陸小田氏の土浦市展示に事実誤認あり」に応える 市立博物館

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「八田知家と名門常陸小田氏」展が開かれている土浦市立博物館=同市中央

【寄稿】先般、本サイトに「常陸小田氏の土浦市展示に事実誤認あり」と題するコラム(4月20日掲載)が寄せられました。ここでは主に、1.八田知家の「筑後改姓」は誤り、2.知家と小田氏の評価に違和感がある、というご意見をいただきました。今回は、この場をお借りして、寄せられたご意見に応えてみたいと思います。

1.「八田知家の『筑後改姓』は誤り」について

筆者・高橋恵一氏の趣旨は、八田知家に始まる一族は「筑後」に「改姓」したという『土浦市史』の説は誤りであり、展覧会はこれを踏襲している、というものでした。

しかし、本展覧会では、『土浦市史』の記述を受け継いではいません。私たちも「改姓」したとする『土浦市史』の記述は誤った認識であると考えています。

まず、知家の氏(うじ)は藤原、姓(かばね)は朝臣(あそん)です。これらはいずれも変えていません。本展覧会では、「筑後」を「苗字」ではなく、「名乗り」として紹介をしています。この「筑後」の「名乗り」は、『吾妻鏡』にも登場しますが、極楽寺に寄進された鐘(現土浦市等覚寺所蔵・国指定重要文化財)の「筑後入道尊念」という銘や、茂木文書に「故筑後入道」という記載にも表れます。特に、極楽寺の鐘銘は、知家自身が寄進者ですので、知家が自ら「筑後」を名乗っていたことが分かります。

この名乗りについて、確認しておくべき前提が二つあります。すなわち、①鎌倉時代の「名乗り」は今日における「苗字」とは異なり、一つではないこと、②武士の名乗り=地名とは限らないことです。

まず、①について。鎌倉時代においては、拠点とする場所(「名字の地」)を冠して名乗りとしたり、就いた役職や官位によって名乗りを改めることは頻繁に行われていました。卑近な例でいえば、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公北条義時を挙げることができます。「北条」を名乗る一門に生まれた義時ですが、江間(現静岡県伊豆の国市)に領地を得ると、「北条」と合わせて「江間」を名乗ります。このように、当時の「名乗り」は時期によって変わるものなのです。

次に②について。たしかに、鎌倉時代の武士は多くが本領とする場所の地名を名乗りに用いていました。しかし、領地とともに大切なのが、官位、すなわち身分の序列でした。これを重んじた場合、名乗りは土地のみならず、官位に連なる役職も含まれます。伊賀守を名乗りとした伊賀氏(のちの飯野氏)や、紀伊守の位を得て豊島氏から改めた紀伊氏などの例があります。常陸国(現茨城県)を例にしてみても、府中(現石岡市)を治めた大掾氏(だいじょうし)は官位に基づく名乗りです。また、国府の役人であった税所氏(さいしょし)の名乗りは、その役職に由来しています。このように、一族の名乗りは、必ずしも土地のみに縛られるものではありませんでした。

問題の「筑後」もまた、官位に由来する名乗りです。当時は官位や土地に由来する名乗りが数多くありました。この時期は名乗りにとって黎明期といえる時代なのです。

当館といたしましては、これまでの研究成果を参照しつつ、今一度史料を読み直した上で、今回の展覧会に至りました。現時点においては、遺された歴史資料に基づいて、当館は知家以降、4代小田時知の登場にいたるまで、一族の名乗りは「筑後」であったという見解を採りました。もちろん、今後新たな中世史料が発見された際には、「筑後」の「名乗り」を見直すことはあるかもしれません。

2.知家と小田氏の評価について

高橋氏は、知家や小田氏をマイナー脚色するものであるとして、本展覧会を評価されました。しかし、本展覧会は、約600年にわたる時間軸の中で、知家から始まる15代の当主、さらにはその子孫の系譜をたどったものです。これほどの長きにわたり、滅びることなく土浦・つくば地域を支配し続けることは容易ではありません。さらに展覧会では、関東の名門武家として認識されていくさまも紹介をしています。本展覧会のタイトルに「名門」の二文字を記した意図は、ここにあります。

また、15代氏治についても、これまでのような「戦に負け続ける武将」というイメージを払拭し、名門武家として生き残りを図った当主という面を評価しています。本展覧会で紹介したのは、難しい時代の変化の中で、一族の栄枯盛衰はありつつも、その系譜を絶やすことなく続けてきた一族の歴史、そして常陸国を離れたのちも、旧家臣との交流を有していた姿です。

未だ謎は多く残されていますが、本展覧会では希少かつ貴重な歴史資料を基にして、一族の歴史を描くことを試みました。展覧会の会期は残りわずかとなりましたが、八田知家に始まる名門武家小田氏につきまして、今後も様々なご意見をいただきながら、これからも検証を深めてまいります。(土浦市立博物館)

もふもふ セントバーナード子犬5匹 つくばわんわんランドに

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抱っこされ来園客の撮影に応じるセントバーナードの子犬=つくば市沼田、つくばわんわんランド

日本最大級の犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田、東郷治久社長)にこのほど、超大型犬セントバーナードの子犬5匹がやってきた。ゴールデンウイーク中の30日から5月7日までの6日間、期間限定で、触れ合いイベントを開催する。

同園の酒井真希人さんは「子犬の時期はあっという間に過ぎてすぐに大きくなってしまうので、今のかわいい姿を多くの人にご覧いただき、癒されてください」と話している。

つくばわんわんランドにやってきたセントバーナードの子犬5匹

生後2カ月の雌3匹と雄2匹で、栃木県生まれ。現在の体重は約11キロ、体長約60センチで、成長すると体重80キロほどになる。

普段は子犬展示館近くの屋内で生活している。隣接する屋外の芝生スペースに出ると、すぐに来園者の人だかりができる。26日、友人3人で来園したつくば市内の女性は「もう、かわいいだけ」「癒される」「抱っこされてパンダみたい」と話し、スマートフォンで写真や動画の撮影をしていた。

将来は園内にセントバーナード専用犬舎と放飼場を新設し、成犬10~15頭と触れ合える場所をつくる予定だという。

昨年、同園では、4歳のセントバーナードももたろうが死んだ。アイドル犬でもあったことから花を供えに来たファンもいた。スタッフも大きなショックを受け、その時からセントバーナードのふれあい施設をつくることが目標になったという。

同園は約90種500匹の犬や猫と触れ合える施設で筑波山の麓にある、コロナ禍の2020年のゴールデンウイークは緊急事態宣言により休園、翌21年は東京都などで緊急事態宣言が発令され来園者が落ち込んだ。外出自粛などの規制がないゴールデンウイークを迎えるのは3年ぶり。

動画はつくばわんわんランド提供

◆セントバーナードの子犬と触れ合うことができる日時は、4月30日(土)、5月1日(日)、3日(火・祝)、4日(水・祝)、5日(木・祝)、7日(土)。時間はいずれも午後0時15分からと2時45分からの1日2回、各30分間、場所は園内のダックン広場。触る際は手を消毒することが必要。子犬の体調などにより内容が変更または中止になることもある。

◆GW特別イベントとしてほかに、つくば国際ペット専門学校現役講師陣によるしつけ方教室、お手入れ教室、ドッグスポーツアジリティー実演のほか、小型犬こいのぼりレースショー、大型犬バトルボール、わんわんレースショーなどが催される。開園時間は午前10時~午後5時。入園料は中学生以上1500円、小学生以下700円など。問い合わせは電話029-866-1001(同園)。

ハーブがいっぱい インド出身親子の畑 《菜園の輪》3

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サナさんとサミラちゃん

【コラム・古家晴美】TXつくば駅から車で10分ほどのところにある、貸し農園を利用しているインド出身の30代女性サナさんとサミラちゃん(5歳)親子にお話をうかがった。来日して長いサナさんは、流ちょうな日本語で、3年前から借りている20坪(66平方メートル、年間使用料1万円)の畑について説明する。

家事育児に忙しいサナさんは、普段は週1~3回、この菜園に来て野菜の手入れをするが、天気がよくなかったり、子どもが春休みだったりで、今回は2週間ぶりだった。

今、畑には何もありませんよと、あらかじめ言われていたが、実際目の当たりにすると、畑は各種のハーブで青々と彩られていた。サフラン、ミント、パクチー、ローズマリー、ディルなど、近くのホームセンターで購入したものだ。ドラムスティック(ワサビノキ、未熟な種ざやをカレーなどに入れる)をホームセンターで見つけたときには、故郷が懐かしくて思わず買ってしまった。

このほか、いつもたくさん採れるホウレンソウ、インドでは使わないが健康に良いので選んだケールやキュウリ、インゲン、トマト、ゴーヤなども作っている。ジャガイモは今年初めて挑戦する。また、秋から冬にかけて、里芋や大根、ネギも作っていた。イチゴ、ラズベリーやグーズベリー(西洋スグリ)、ブルーベリーなどはサミラちゃんのお気に入りだ。

トマト、キュウリ、インゲンなどの夏野菜やケールは、自宅のベランダのビニールハウスで、種をまいてポット苗を作る。バジルのように、すぐに使いたいもの以外はある程度の大きさになってから、こちらの菜園に持って来て植え付ける。

菜園で地域の人たちと交流

無論、インド料理も食べるが、家族がパスタ好きなので、ペペロンチーノに新鮮なバジル、ローズマリーポテトにハーブを使うこともある。サミラちゃんは日本の甘いカレーや肉ジャガが好物だと言う。

昨夏、キュウリとゴーヤが大量に採れた際には、深い穴を掘って土と混ぜて埋め、堆肥を作った。

コロナ禍でどこへも行けなかったので、ここで過ごす時間はとても楽しく貴重だった。時々、姿を見せるキジを眺め、夏にはトンボ、秋にはバッタを捕まえて過ごした。

同じ菜園の利用者である年配の方たちからは、季節ごとに作業や作物について助言をもらい、畑でおしゃべりし、リラックスした気分になる。また、種や収穫物を相互にやり取りすることもあると言う。

異国で、ストレスも少なからずあるであろう生活に、菜園での暮らしが潤いを与え、家族や地域の方々との交流が心のバランスをもたらしているのではなかろうか。(筑波学院大学教授)

高速バス「つくば~羽田空港線」1年8カ月ぶり再開 29日から関東鉄道

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羽田空港を運行するバス=関東鉄道提供

関東鉄道(本社・土浦市、松上英一郎社長)は29日から、高速バス「つくばセンター~羽田空港線」の運行を再開する。成田空港と土浦・つくばを結ぶ路線は、成田空港交通(本社・成田市、田口健社長)が27日から5月31日までの期間限定で運行再開する。

つくばセンターと羽田空港ターミナルを結ぶ羽田空港線は関東鉄道と京浜急行バス(本社・横浜市、野村正人社長)により1日8往復が運行されていたが、新型コロナ感染拡大の影響から20年9月1日以降全便が運休となった。関鉄は今回、「まん延防止等重点措置」の解除により輸送需要の回復が見込めると判断し、1日4往復での再開に踏み切った。京急バスは再開を見送っている。

つくばセンターからは午前6時、9時、午後1時10分、3時50分発の4便、羽田空港(第3ターミナル)からは午前9時20分、午後0時15分、5時05分、7時05分発の4便。2時間前後で発着点を結ぶ。料金は大人片道1900円(消費税含む)。

同社によれば、羽田空港便はコロナ禍以前から国内線乗り継ぎの行楽客が利用の大半を占め、ビジネス客を上回った。運行休止が続いている国際線に比べ国内線は回復基調にあり、ゴールデンウイークの需要を見越してバス運行を決めた。

座席の消毒をこまめに行い、乗客に手指の消毒を求めるなど、感染症対策を徹底する。

石油価格の高騰で、料金据え置きのままでの運行再開には厳しいものがあるが、採算面を含め「しばらく様子を見たい」(関鉄自動車部)としている。

成田空港線は土浦・つくば発が1日2便、成田空港発が同1便の運行。 大人片道2300円(同)、予約制となる。

茨城空港(小美玉市)への高速バスは水戸駅便があるが、つくば方面、東京方面とも20年4月から運行を停止している。こちらは国際線、特に中国からの就航再開が見込めないため「再開の見通しが立たない」(同)ということだ。(相澤冬樹)

あれから30年 《続・平熱日記》108

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【コラム・斉藤裕之】うわさではパリの美術学校はとてもオープンな雰囲気で、もぐりの学生なども結構いて活気があると聞いていた。ところが、学校が始まっても学生の姿をほとんど見かけない。閑散としている。いったいどういうことだ。

ところで、私のフランス語があまりにもひどかったのだろう。留学生担当のマダムは3カ月間の語学研修を私に勧めた。早朝のクラスだったと思う。アナ先生は若くて明るいパリジェンヌ。自己紹介をする段になって、私は少し驚いた。

あまり耳慣れない名前の、それも決して語学を習おうとするには若くない生徒たち。ポーランドでパン屋だったとか、ソ連の原子力施設の研究員だったとか。15人ほどの生徒のうち半数は、東側からの移民だとわかった。私が留学したのは、ちょうどベルリンの壁が崩壊し、ソ連が解体された直後だった。

だから始めはよく分からなかったが、物見遊山の私と違って、自国を出た彼らは死活問題としてこの学校に言葉を習いに来ていたのだ。しかし陸続きの国々にとって、否応なく入ってくる移民は決して歓迎されるものではない。元々アフリカなどの旧植民地からの移民大国であるフランス政府は、彼らに厳しい政策をとった。

当時の担当相の名前にちなんで、確かパスクワ法といったか。美術学校も例外ではなく、部外者に対して厳しい締め付けが行われたのだ。その余波を受けて、留学生は希望する先生のアトリエに入ることに難渋した。私はそんな学校に見切りをつけて、毎日美術館やギャラリー、街中散策を楽しむことにした。

おごれるものも久しからず盛者必衰の

話は現在。友人が企画するグループ展に、今年も小さな作品を出すことにした。テーマは「花」。野の花や食用になる実のなる木の花は描くことがあるが、わざわざ花屋で買った花を描くことはない。ただこの数年、近所の公園にあるヒメシャラの木から落ちた花を拾って帰って描いている。

理由は特にないが、しいて言えば別名「夏椿」というだけあって、花がそのままポトリと落ちるので持ち帰って描くのに便利だ。

それから厳密には違う種類だそうだが、「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声…」の「沙羅双樹(さらそうじゅ)」というのが面白いと思って描いている。古文の時間はよく居眠りをしていたから偉そうには言えないが、要は「枝から落ちた様がいとおかし」というところか。落ちた花をよく思わない人もいるかもしれないが、昨年同様、その花の絵を出そうと思う。

フランスから帰って来て何年経つか? 勘定するのは簡単だ。カミさんは臨月に近い体で誓約書を書いて飛行機に乗って帰国した。だから、次女の年齢が帰国してからの年数だ。つまり30年近く経っているわけだ。

沙羅の花の絵を郵送する箱に入れる。当時KGBにいたという彼も同じ30年を過ごしたはずだ。ねえ、ウラジミール君。「おごれるものも久しからず盛者必衰の…」。(画家)

ポケモンGOで新たな協力者を つくば献血ルーム

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つくば献血ルーム=つくば市吾妻、つくばセンタービル2階

コロナ禍、ひっ迫長期化懸念

つくば駅前の県赤十字血液センターつくば献血ルーム(同市吾妻)が先月23日から、スマートフォンゲームアプリ「ポケモンGO」のゲームアイテムを入手するための「ポケストップ」として登場している。ゲームを通して、新たに献血協力者を確保していくのが狙いだ。現在つくばを含む関東甲信越の献血ルーム45会場がポケストップとして登場している。

コロナ禍、県内では、学校や職場に献血バスが出張する献血会場のキャンセルが増えている。特に平日の献血バスによる献血協力者数が減少し、輸血用血液の在庫がひっ迫している。今年1月時点の県内献血会場キャンセル数は28会場に及び、献血協力達成率は計画の95%と100%を下回った。献血バスでの協力者減が長期化する可能性もあり、厳しい状況が続くという懸念もある。

その中で、つくば献血ルームの400ミリリットル献血協力者は、平日で約60人、休日は90人から100人の申し込みがある。平日の目標数は65人、休日は約95人で、全体を通し目標数を達成している。

2021年度の献血協力者の年代は、50代が最も多く23.9%、40代22.6%、20代12.4%、30代11.4%と続く。さらに同ルームの特徴として、2回目以降の協力者、つまりリピート率が高いという特徴があるという。

献血手順を説明するつくば献血ルーム管理係長の塙宗一郎さん=同

同ルーム管理係長の塙宗一郎さんは「更なる献血協力者の拡大に向けて、広報活動に力を入れていきたい」とする。コロナ禍で学校での献血が中止となった影響により、10代、20代が割合減となっている現状に対しては「献血を知ってもらい、興味を持ってもらうきっかけづくりを大切にしていきたい」と話す。ポケストップは、きっかけづくりの一つでもある。

献血協力者の榎戸勇人さん=同

献血に協力した市内に住む榎戸勇人さん(27)は、看護学生の頃から、献血協力を始めた。輸血が足りない現状を目の当たりにし、献血に参加するようになったという。献血を経験したことがない人に向けては、「直接、自身の血液を必要としている患者さんに提供でき、この取り組みが人助けにつながっていることを伝えたい」と話した。(ドットジェイピー茨城エリアつくば支部インターン生、筑波大学2年 上田侑子)

◆献血予約は、電話での事前予約が必要。問い合わせは同ルーム(0120-298-102)

桜と日本人 《邑から日本を見る》110

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桜と観客を前に水上ステージで歌の競演

【コラム・先﨑千尋】

ねがはくは花のもとにて春死なん その如月のもちづきのころ(西行法師)

世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし(在原業平)

私は、桜の花が咲くとこの2首が頭に浮かぶ。これだけではなく、桜を詠み込んだ歌は無数にある。桜に関する本を見ると、平安時代の頃から日本人は桜に浮かれていたようだ。「桜の樹の下には屍体が埋まってゐる!」という梶井基次郎の小説の一文も刺激的な表現だ。

桜は不思議な花だ。1週間前には枯れ木同然の木のつぼみが急にふくらみ、魔法使いの手にかかったように、木全体が無数の花びらでぱっと覆われてしまう。咲いたと思ったら、10日もたたずに散ってしまう。 

桜の咲く春は、寒い冬から暖かい新たな季節の幕開け。出逢い、別れ、入学、進級、就職、退職など、人の一生で忘れがたい出来事のある季節だ。うす紅色の淡い美しさ、柔らかく小さな花弁、散り際の見事さ。桜は、美しさに感動する繊細な日本人の感性にぴったり合う。

このことが桜と日本人の素晴らしい関係をはぐくんできた。桜は私たちのこころの中にも花を咲かせてくれる。桜に狂う人がいて、桜信仰が生まれるゆえんであろう。

花見は大勢でにぎやかに

桜の語源にはいろいろ説があるようだ。民俗学では、「サ」はサオトメ(早乙女)、サツキ(五月)、サナエ(早苗)といったように、すべて稲霊を表す、とされている。「クラ」はイワクラ(磐座)、タカミクラ(高御座)のように神霊が依り鎮まる座の意味があるという。

わが国では、桜の花の咲くのを見て稲の種もみをまき、桜の咲き具合を見て、その年の豊凶を占うなど、農作業の目安としてきた。私も、田んぼの周りにあるヤマザクラを見ながら田植えの準備をするが、とても気持ちがいい。

平安時代に貴族の楽しみ、遊びとして始まった花見は、江戸時代には庶民の楽しみとなった。落語「長屋の花見」ではないが、花見は大勢でにぎやかになるものなのだ。八代将軍徳川吉宗が飛鳥山、品川、隅田川などに桜を植えたのは、健全な娯楽の場をつくるためだったという。

日本桜名所百選 静峰公園

桜前線が海を渡って北海道に上陸したというニュースが流れた。5月下旬には根室近辺に達する。私の近くの静峰公園は日本桜名所百選に選ばれており、ネットで検索した「お花見桜名所ランキング」では茨城県で第1位。現在、カンザン、ショウゲツ、フゲンゾウなど2000本の八重桜が満開になっている。

先週の日曜日、17日に、静峰公園の水上ステージで3年ぶりにイベントが開かれた。地元出身のエレキ琵琶、尺八の奏者が登場し、おはやし、太鼓、吹奏楽などがにぎやかに演奏され、最後はよさこいソーランの饗宴。夜は25日まで八重桜がライトアップされる。

30年前には、2キロ離れた国道118号から車が数珠つなぎ。桜を見ないで帰った人も多かったが、今はそれほどでもない。この日、私は公園内を一回りし、イベントを楽しみ、桜の木の下で農協女性部の手づくり弁当を広げる。近くでは、いくつかのグループがわいわい楽しんでいる。桜を愛で、つかの間のいのちの洗濯をした。(元瓜連町長)

ウイルス対策ソフト騒動 その後 《文京町便り》3

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】今回はコラム2「恥ずかしながら 私のウイルス体験記」(3月27日掲載)の後日談です。3月23日に家電量販店Kで紹介され、その場で導入したウイルス対策ソフトはカスペルスキーです。前回は特定の企業名を出さないとの配慮で、安全対策ソフトKと表記しましたが、今回は明記します。

米国連邦通信委員会(FCC)は「2019年安全で信頼できる通信ネットワーク法」に基づき、2021年3月に初めて、国家安全保障と米国人の安全に容認できない脅威をもたらし得る対象機器・サービス業者として、中国の華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、ハイテラ、ハイクビジョン、ダーファの5社を公表していました。

そこへ、2022年3月25日に、業者のリストを更新したと発表。追加されたのは、ロシアのウイルス対策ソフト大手カスペルスキー、中国電信(チャイナテレコム)米州<アメリカス>、中国移動(チャイナモバイル)インターナショナルUSAの3社。これにより、同リスト掲載企業は中国企業7社、ロシア企業1社の計8社となったわけです。

FCCは、今回の追加指定はいずれも、他の連邦政府機関による関連の決定に基づくとしています。カスペルスキーに関しては、国土安全保障省が2017年9月に連邦政府機関に対し、情報システムから同社製品を排除するよう命じたことを挙げています。

中国電信米州<アメリカス>や中国移動インターナショナルUSAに関しては、司法省などから成る省庁横断の委員会(大統領令13913号で2020年4月設立)がリスクをもたらすと判断したことが理由のようです。

「カスペルスキー」への日米の差

米国内でカスペルスキー製品への規制は、2017年末に米トランプ政権が、政府機関全体での使用を全面的に禁止する大統領令を出しています。それに対してカスペルスキーは、米政府を相手に「自社が不正を行ったとする公の証拠」はないと、訴訟を起こしています。

カスペルスキーは自社からの反論に対してこれまで、米政府から特段正当な公の証拠が出されていないことから、今回の決定が「地政学的情勢への対応」だと反論しています(2022年3月26日)。

同様のサイバーリスクに対する警告は、ドイツ連邦政府情報セキュリティ庁(BSI)からも2022年3月15日に出ています。日本では、カスペルスキーはすでに公的機関・民間企業や個人(そのうちの1人は私ですが)で使用されていますが、2017年にパートナー契約を締結していたNTTグループは、そのサービスの切り替えを検討しているとの報道もあります(4月8日)。

それにしても日本では官民ともに、この種の問題に対するアクションではどうしても追随型に終始しているようです。他に先駆けた形跡は、ほとんどありません。それはそれで慎重さの表れなのですが、主体性が欠落しているとも見えます。これは私自身の反省の弁でもあります。(専修大学名誉教授)

先月「ナラ枯れ」調査を行いました 《宍塚の里山》88

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【コラム・佐々木哲美】3月10日の午前、ナラ枯れの調査を行いました。当会から4名が参加し、昨年同様、森林総合研究所の升屋勇人主任研究員に指導を仰ぎながら、宍塚里山を一周しました。昨年は立木11本と切株2本に対応しましたが、その後、5本の立木の伐採も終えました。伐採だけでなく、樹木防護、トラップ設置、定期点検などにも取り組んできました。

今回は、新たに約20本程度のナラ枯れを確認しました。ざっと回っての数ですから、詳細に調査したら、かなりの本数になると予想されます。そのような状況下で、何を目的に、誰が、どこまでやるのか―など今後の取組方針を決めなければなりません。

昨年は、①予防:被害区域の拡大を食い止める、②駆除:増加したカシノナガキクイムシの数を減らす、③森の若返り:被害を受けやすい高齢・大径木材の積極的な利用と更新管理―の3つの視点で取り組みました。

里山のナラ枯れ被害を食い止めるといっても、我々の力だけでは無理な話です。根本的な理由は、雑木林が利用されなくなって大木化し、樹勢が落ちた樹木にカシノナガキクイムなどの害虫が入り込むことにあるからです。ある意味、自然の摂理と言えますが、見ているだけにはいかないと思い、取り組んできました。

対応への労力やゴールが見えない

昨年1年間実施し、対応への労力やゴールが見えない大変さも分かっています。金銭的にも労力的にも限界がある当会が、何を目的にどのように進めばよいのか? 3月の運営会議で以下の方針を決めました。

①人命に危険性がある場合を第一に対処:定期的な点検や倒木の恐れのある樹木の伐採など、②調査および予防・駆除対策は対象範囲を決めて実施:対象を鎌倉街道沿いのキャンエコの森周辺とし希望者があれば拡大、③ナラ枯れ対策に取り組む研究者に協力:調査・実験を希望する研究者に協力し情報を共有―です。

余談ですが、指導者の升屋さんの説明では、カシナガキクイムシの数を減らす方法は諸説あるそうですが、カシノナガキクイムシ50匹でミズナラ1本、200匹でコナラ1本を救うことになるそうです。こんなところに子供たちでも気軽に取り組めるヒントがあるのかもしれません。(宍塚の自然と歴史の会副理事長)

気温差による「やまい」 《くずかごの唄》106

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】13日は25℃の異常な暑さだったのに、翌14日は12℃。雨が降って薄ら寒い。1日に気温の差が13℃以上あると、その温度差に、肉体的、体力的についていけない人たちがたくさん出てくる。

気象病、気温差病という病名はまだ一般的でないので、「花粉症」「花粉症の一種」「アレルギー」などと呼んでいる人もいるが、花粉症とは根本的に違うような気がする。

「もしもし、急に寒くなって、血圧が上がったり下がったり、めちゃめちゃなんです。血圧の薬、お宅の薬局からいただいて飲んでいますけれど、こういう時はどうすればいいでしょうか」

「血圧の薬は単に血圧を下げるだけでなく、血管を保護したり、心臓の機能を守る作用もありますので、そのまま、今まで通り飲み続けていた方がいいと思いますが…」

「えっ?」

「ちなみに血圧は何時間おきに測りましたか?」

「心配で、心配で、2時間おきぐらいに測って、1日に7回ぐらい」

うちの薬局に来てくれる人は昔ながらのお馴染みのご近所の人で、1人暮らしのお年寄りが多い。コロナ禍で外に出られない。友達とのおしゃべりも少ない。1日中テレビをみていると、コロナ禍とウクライナの情勢に引き回されて、精神的にも自信がなくなって、どうしたらいいのか、わからなくなってしまうようだ。

真面目過ぎる人を不真面目に導く

そういう時は相手を褒めてあげないといけないのだが、何を褒めたらいいのだろうか。具体的に、何かやるべきことを指示するのもいいのだが、どうすれば精神的に安定してくれるのだろうか、むずかしい問題だ。

真面目過ぎる相手を不真面目に導かなくてはならない。

「気温と気圧に反応が早いのね。敏感だということはいいことだけれど…」

「敏感って、そんなの…、困る?」

「血圧を測るのを1日2回ぐらい、同じ時間に測って、この前さしあげた血圧手帳にキチンと記入して、心配なら、次の診察の時に先生に手帳を見ていただくのはいかがですか」

真面目過ぎる人を不真面目に導くのはむずかしい。(随筆家、薬剤師) 

茨城AP、終盤粘って分ける 対オリックス

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9回裏2死一・三塁、この日のMVP上田が右前へ2点適時打を放つ=J:COMスタジアム土浦(撮影/高橋浩一)

プロ野球独立リーグの茨城アストロプラネッツ(AP)は20日、J:COMスタジアム土浦(土浦市川口)で日本プロ野球(NPB)のオリックス・バファローズと対戦、終盤に粘りを見せ4-4の引き分けに持ち込んだ。交流戦は2試合組まれ、茨城APは19日のノーブルホームスタジアム水戸(水戸市見川)での試合は0-6で敗れたものの、今季ルートインBCリーグ開幕から3連勝中の好調を裏付けた。

茨城は2回裏、1死一塁から6番・ロイ鈴木の左前二塁打と7番・瀧上晶太の中前打で2点を先制。「点が欲しいところで打ってくれた。ロイ鈴木はカナダのトロント育ち、パンチと長打力がある。瀧上は勝負強さが魅力。ここで1点止まりで終わるのとは大きく違う。2点続いたところが良かった」と松坂賢監督。

2回裏1死二塁、瀧上の中前適時打(同)

「相手は強いチームなので、追加点を取って有利に進めたい。チーム的にも自分的にもいい得点だった」と瀧上。球種は落ちるスライダーで「強い球を投げてくる投手だったので直球を待ち、変化球にうまく合わせることができた」との振り返った。

瀧上は坂東市出身、守谷高校を卒業して茨城に入団し3年目。「試合で打つのも大事だが、NPBへ行って初めて地元に恩返しができる。1試合1試合を無駄にせず、自分にできることを続け、シーズンを通して結果を出したい」と意欲を見せる。

投手陣は先発の二宮衣沙貴が2回を投げ、以降は継投で1人1イニングずつ、NPBのバッターのスピードや迫力を経験させた。6回表にマウンドに上がった土浦日大高出身の中村泰成は、相手の4番・園部佳太に左越え本塁打を浴び1点を失った。また9回には森祐樹が、2連打などで1死満塁のピンチを作り、元謙太に右中間への3点三塁打で逆転を許した。

松坂監督は「投手はあらかじめ決めた通りのリレーで、全体的に良かった。中村はいま練習生だが90マイル(約145キロ)近くの速球を強気で投げられる。森も打たれはしたが積極的に攻めていった結果。次はどう投げていけばいいか、マインドセットなどの改善を明確にしたい」と投手陣を総括。

今季オリックスに入団の山中尭之の応援に駆け付けた、つくば秀英高校チアダンス部と応援部の生徒たち(同)

2点のビハインドを負った茨城だが9回裏、2死から打線が粘りを見せた。大生竜万の中越え二塁打と、代打・高橋駿の左前打で一・三塁。ここで上田政宗の右前打が飛び出す。「2死から味方がつないでくれたので、とにかく1点取ろうと思い切って行った」と直球を叩くと、野手が処理にもたつくのを見て一気に三塁へ。その間に走者2人が還り4-4の同点。打者が倒れて9回を終了し、規定により引き分けとなった。

29日、笠間でホーム開幕戦

「投手も打者も守備も、全てのスピードが一段上だった。その相手に互角の戦いができたことは自信になる。投打がかみ合ってきているのを感じる」と上田。この試合のMVPを獲得した。今後3試合はアウェーが続くが、ホーム開幕(4月29日、笠間市民球場)を迎えるのが待ち遠しいという。(池田充雄)

芋たこなんきん、茨城の芋、関西弁 《遊民通信》39

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蔵出し焼き芋かいつか本店(かすみがうら市大和田)

【コラム・田口哲郎】
前略

NHKのBSプレミアムで2006年に放送された朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」の再放送が始まりましたね。大阪の女流作家田辺聖子さんの半生を描いたドラマで、主演は藤山直美さんです。夫役のカモカのおっちゃんには國村隼さんという豪華ペア。毎日泣き笑いしながら楽しく拝見しています。

「芋たこなんきん」と言うタイトルは、江戸時代の上方の作家井原西鶴が、女性が好むものは、芝居、浄瑠璃、芋タコなんきんと書いたことからきています。

なんきんはカボチャのことだそうです。確かに、女性は芋が好きと言うのはよく聞く話ですし、「芋たこなんきん」の前に放送されていた「マー姉ちゃん」の原作者長谷川町子さんのマンガ「サザエさん」でもサザエさんは芋に目がなく、よく焼き芋を買うシーンが描かれています。

芋といえば、茨城は芋王国ですね。干し芋、焼き芋、スイートポテトと茨城産の芋製品が世間を席巻しています。「蔵出し芋かいつか」は人気店ですね。松野木にあるつくば店も、いつもたくさんの人が来ています。つくば店にも行きますが、たまにかすみがうら市の本店に買いに行きます。熟成芋のとろける甘さの焼き芋は衝撃的なおいしさです。

はんなり、やんわり、関西弁

さて、「芋たこなんきん」の話です。豪華俳優、おもしろいストーリーと魅力まんさいのドラマですが、もうひとつの魅力があると思います。藤山直美さんの関西弁です。

ご存じ名喜劇役者藤山寛美さんの娘で、大阪生まれの京都育ち。身についた自然な関西弁は聞いていて心地よいのです。関西弁はケンカしているように聞こえると言われますが、本当にそうでしょうか? 私は幼少期に大阪府で過ごしたことがあります。田辺さんがミナミに比べ文化が乏しいと述べた、北摂の阪急沿線の新興住宅地でしたが、関西弁が周りに溢(あふ)れていました。

子どもなりですが、関東とはタイプの違う関西の人情というものに触れた記憶があります。数年前に京都に旅行したとき、バスに「大原に行きませんか?」と大きな広告が載っていました。奈良線で奈良から京都に向かったときに、途中の木津駅に張り紙がしてありました。「いつもご利用ありがとうございます。すべてのお客さまに快適に鉄道をご利用いただけますよう、禁煙にご協力をお願いします。駅長」と。

これが東京なら、さしづめ「大原に行こう!」「終日禁煙」となるでしょう。慶應大学は関西出身の学生も多いのですが、よく聞いたのは「関東人の言い方はきつく聞こえる」というもの。「なになにじゃん!」と断定されると、ひるむと言うのです(じゃん、は神奈川方言と言われますね)。関西なら「なになにとちゃう?」と否定疑問で聞くそうです。ひとクッションかませる感じです。

ですから、私の関西弁に対するイメージは、はんなり、やんわりなのです。藤山さんの関西弁にあこがれます。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

常陸小田氏の土浦市展示に事実誤認あり 《ひょうたんの眼》47

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特別展のパンフレット(左)と展示図録の一部=土浦市立博物館発行

【コラム・高橋恵一】今、土浦市立博物館で特別展「八田知家と名門常陸小田氏」が開催されている。5月8日まで。現つくば市内に城を構えた小田氏の祖・八田知家(はった・ともいえ)が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の1人であることからも、注目されている。

八田知家の「筑後改姓」は誤り

特別展の説明では、「知家は、『八田』から『筑後』に名乗りを改め、その後、子孫は『小田』を名乗るようになります」とされている。これは、土浦市史(1975年刊)中の「八田知家が、『筑後守』任官を受けて苗字を『筑後』に改めた」という記述を受け継いでいるようだ。

土浦市史では改姓の論拠を、①吾妻鑑(あずまかかみ)に知家の子たちが「筑後六郎知尚」のように記されている、②知家が寄進したと伝わる梵鐘の銘に「筑後入道尊念」とある―などと書かれている。

鎌倉幕府が編纂した史書・吾妻鑑における人名の表記は、「苗字・官位(これがない場合は太郎などの通称)・実名」で記述され、高位の者は、苗字や通称を省略して官職で表記している(官職名で個人が特定できるからだ)。いずれも、筆者が人名表記のルールを踏まえて記述したものであり、本人が官職を苗字として名乗っていたわけではない。

鎌倉武士の本懐(ほんかい)は、本貫(ほんがん)の地を苗字として名乗ることであり、世襲でもない職名を苗字とすることはない。

知家の場合も、任官後は「筑後」「筑後入道(出家後)」と記述されており、知家の子息については「筑後守の子息」という意味で、苗字を略し、親の官職名『筑後』のあとに通称が記されているとするのが、一般的な読解である。例えば、「…13人」の中心人物、北条義時の場合、任官後は相模守や相州と記され、嫡子の北条泰時は相模太郎と記されている。

つまり、土浦市史の「筑後改姓」は吾妻鑑の誤読といえる。ちなみに、八田氏が筑後氏に改姓したといった記述は、土浦市史およびそれを根拠とする関連書の他には見当たらない。

引き継がれる市史記述の間違い

市史刊行時、郷土史の愛好者らは誤りに気付いたものの、専門家が編纂に加わった市史なので指摘するのを遠慮したのではないか。また、市史に「筑後改姓」の誤りはあるものの、知家が小田の地を本拠とし、小田一族が発展した流れに影響することはないので、いずれ修正されるであろうと放置されたのではないか。

しかし、誤った「筑後改姓」を受け継いで、八田(小田)氏は小田に本拠を置けず、4代時知(ときとも)まで小田氏を名乗らなかったとし、その本拠地を小鶴荘(現茨城町から笠間市辺り)や陸奥国(現東北地方)に求めるなど、「筑後改姓」先入観の下に研究が進められた。また、周辺の市町村史や出版物・展示なども、土浦市史の誤った記述に影響されることになった。

こういったことを踏まえ、特別展示の説明内容を訂正すべきではないか。誤読から派生している他の展示内容も直すべきだ。

知家と小田氏の評価に違和感

特別展では、知家を「下野武士…」「八田氏、常陸国へ入り込む」などと、出自のはっきりしない「よそ者」が、頼朝のご機嫌を取りながら、常陸大掾(ひたちのだいじょう)・多気義幹(たけ・よしもと)をだまして失脚させた、下妻広元(しもつま・ひろもと)や阿野全成(あの・ぜんじょう)を殺害した、常陸国での権益を獲得した―などと説明している。

この種の企画は、地元の主人公を引き立て、地元のイメージアップを図るのが普通である。ところが、今回の展示では、知家や小田氏をマイナーに脚色していないだろうか。

知家は、宇都宮神領(うつのみやじんりょう、現在の栃木県中南部・東部)を領した「八田宗綱(むねつな)」の子で、保元の乱では親子で源義朝に従って戦いに参じ、乱の後は京御所で北面の武士を勤めた。血縁の近い、小山氏、宇都宮氏、八田(小田)氏は連携し、初期から鎌倉幕府を支える一大勢力として存在していた。

知家が頼朝の信任を得られたのは、京都での所作や軍団運営に詳しく、神社や仏事にも通じていたからであろう。奥州合戦での捕虜扱いや朝廷使者の接遇などは、知家に任せていたことが、吾妻鑑に記されている。

15代・氏治は人気の戦国武将

小田氏は、有力御家人の大半が北条氏に排除される中、鎌倉末期まで常陸守護を務め、戦国末期まで同じ地方で勢力を保ち続けた。戦国武将「オタク」の間では、人気ベスト10の中に15代の小田氏治(うじはる)が入るそうだ。負けても奪われてもめげず、小田城を取り戻そうとするしぶとさが好評という。

氏治は結城氏に保護されて天寿を全うする。結城秀康(ゆうき・ひでやす)と小田氏治の娘の間の4男直基(なおもと)が結城松平氏として分家し、幕末は前橋藩17万石になる。氏治の娘の子孫が大名家の当主となっていたのだ。しぶとい御屋形様(おやかたさま)・小田氏治の面目躍如だ。(地図と歴史が好きな土浦人)

ネット配信に工夫凝らし 24日まで科学技術週間 つくば

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心臓の模型に触れる視覚に障害のある学生(筑波技術大学提供)

「発明の日」の18日に始まった科学技術週間は24日まで。つくば市内の教育・研究機関でも、各種イベントが展開中だ。新型コロナ感染対策から、施設公開やトークイベントなどをオンラインで行う一方、研究開発に取り組む現場の映像を配信するなど、工夫を凝らしたインターネット上での紹介が大半を占めている。(橋立多美)

宇宙と物質の謎配信 高エネルギー加速器研究機構(KEK)
22日に東海村からサイエンスカフェ「大強度陽子加速器施設(J-PARC)で探る宇宙と物質の謎」を生中継する(午後6時~8時、要事前申し込み)ほか、つくばキャンパスの常設展示施設「コミュニケーションプラザ」にある霧箱を使って「宇宙からやってくる自然放射線を観察する」(午後5時半~8時)。23日は量子を題材にしたアニメの紹介や加速器のオンラインツアーが企画されている(午後1時~3時半)。いずれも参加は無料。配信はYouTube(KEKチャンネル)1日目=https://youtu.be/3muAqQSO04E 2日目=https://youtu.be/POV1rikg284   
https://www.kek.jp/ja/

ショートムービー&トークライブ配信 産業総合技術研究所(AIST)
日々研究に奮闘する現場にカメラを持ち込んで仕上げたショートドキュメンタリームービーを21日まで連日配信。題して「研究の日常は、非日常だ」。ムービーは研究部門ごとに編集され、驚きとワクワクにあふれた非日常空間を楽しめる。22日午後7時半からはムービー出演の研究者たちによるトークイベントが開催され、研究成果を生み出すための地道な作業などが語られる。ショートムービーは産総研公式 Twitter(https://twitter.com/AIST_JP)または YouTubeで。トークイベントの視聴はサイエンス・スクエアつくばのホームページから。参加無料。

研究現場を伝える産総研のショートムービーのワンシーン。「0.03ミリまで岩石をけずる」 (産総研提供)

食と農の科学館オンラインツアー 農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)
「食と農の科学館」をバーチャルで体験できるオンライン特設サイトを5月8日まで開設する。2021年度に新たに展示された植物工場の模型、超極細シルクドレス、農作業事故体験VR(バーチャルリアリティー、仮想体験)を動画で紹介などする。クイズやプレゼント企画などもある。特設サイトはこちら

非常識な『ミカタ』~材料の科学者はこう考えた~ 物質・材料研究機構(NIMS)
24日午前10時から、最先端材料開発の現場から装置や技術をYouTube、ニコニコ動画で配信する。非常識な「ミカタ」から生まれた材料がいっぱいのNIMSのラボからラボへと生潜入。最先端材料開発の現場から、研究者のユニークな視点・発想で生まれた材料・装置・技術を紹介する。登録なしで誰でも視聴できる生放送「ラボぶら」はこちらから。

特設サイトで発信 国際農林水産業研修センター(JIRCAS)
一般公開用の特設サイトを設け、農業や食料をテーマにした6人の研究者によるミニ講演や、360度カメラで撮影した「動物目線から見た景色」、スタンプラリークイズなど、子どもから大人まで楽しめる企画を用意。24日午後1時からパネルディスカッション「変わりゆくアフリカ~研究者が現地で見たアフリカの農業・食料」のライブ配信が行われる。視聴は国際農研一般公開特設サイトで。

オンラインでつながろう! 国際協力機構(JICA)筑波国際センター
21日午後6時半~8時、「国際協力のおしごと座談会!」(対象:高校生・大学生・一般、定員50人)。23日午前10時~11時45分。「つくってみよう世界の料理!~ガーナ“ジョロフライス”」(対象:小学生=保護者同伴=から一般、定員15組)、ZOOMによるオンライン開催。内容はこちら

視覚障害に配慮した学び体験 筑波技術大学春日キャンパス
視覚と聴覚障害者のための国立大学法人・筑波技術大学が科学技術週間のイベントとして、視覚に障害のある学生たちが勉強している春日キャンパスを一般公開する。キャンパスには視覚障害の学生が在籍する保健科学部があり、障害に配慮された学習環境を見学するだけでなく、触覚を用いる教材や音声読み上げソフトウエアなど、さまざまな支援機器を体験できる。公開は22日午後1時~4時半、正面玄関脇の図書館入り口で受付。団体の場合は大学総務課広報・情報化推進係に問い合わせ(電話029-858-9311)を。https://www.tsukuba-tech.ac.jp/department/hs/

このほかの主な公開は次のとおり。

▽筑波大学 スーパーコンピューターと学際計算科学の最前線など研究室紹介の動画配信。宇宙史研究センターによる「宇宙の誕生から銀河の形成」は力作。宇宙の始まりから銀河の形成、さらにその先まで、宇宙の歴史の5日の場面でとらえ、その最新研究の様子を届ける。視聴はこちらのメニューから。

▽JAXA筑波宇宙センター 科学技術週間期間中、館内休憩室でJAXAの取り組みや最新の情報をショートムービーで紹介する。現在、一般見学は事前予約制、見学の案内サイト(https://visit-tsukuba.jaxa.jp)

▽産総研・地質標本館 2021年に発信した特筆すべき研究成果14件をまとめてウェブ会場から紹介。地質標本館は3月16日深夜の地震により一部不具合が生じ、点検と必要な修繕のため臨時休館中。6月末までの新たな来館予約を停止している。

▽国立公文書館つくば分館 春の企画展「ゆっくら温泉ー江戸時代の湯めぐり」は終了した。新旧憲法、終戦の詔書(しょうしょ)などのレプリカ展示は常設で行われている。午前9時15分~午後5時、土日祝日休館。

▽国土技術政策総合研究所 津波越流に対する海岸堤防に関する実験や、災害時の道路交通維持に貢献する道路基盤実験施設など、Webでの公開のみ。視聴はhttp://www.nilim.go.jp/

▽土木研究所 研究所の紹介、免震橋や津波でも流出しにくい橋などの実験を配信。Webでの公開のみ。

▽NTTアクセスサービスシステム研究所 細いガラス製の「光ファイバ」でさまざまな情報を伝える仕組みや、通信基盤を支える技術を紹介する。

▽国土地理院「地図と測量の科学館」 企画展「緯度経度 世界共通の正確な『ものさし』へ」を開催。測量用航空機くにかぜの内部公開は21日午前10時~午後3時、雨天中止。

▽つくばエキスポセンター=企画展「錯視の世界~あなたは今度もかならずだまされる」、科学のポスター展、科学技術映像祭など科学の不思議を体験できる。科学技術週間中は入館料が割引(大人200円、子ども100円)。

▽筑波実験植物園=24日まで「さくらそう品種展」。100種類を超えるサクラソウの園芸品種を、江戸時代から続く伝統的な方法で展示する。一般320円(税込み)、高校生以下・65歳以上は無料。入園は午前9時~午後4時半。https://tbg.kahaku.go.jp/

土浦一高副校長で着任 インド出身のプラニクさん【キーパーソン】

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プラニク・ヨゲンドラ副校長=14日、土浦一高・付属中校長室(土浦市真鍋)

茨城県の県立高校長公募で、県内きっての進学校である土浦第一高校・付属中学校(土浦市真鍋)の校長に、インド出身のプラニク・ヨゲンドラさんが選ばれた。今年度は副校長として勉強し、来年4月から校長になる。教育についての考え方は? 土浦一高・付属中はどう変わるのか? 旧常陽新聞のインタビューシリーズ「キーパーソン」をネット上に復活させ、その初回に登場してもらった。

名刺には姓(プラニク)名(ヨゲンドラ)のあとに「よぎ」と書かれている。名前を覚えてもらえるように、ヨゲンドラを日本風の愛称にしているという。

多様な国際社会には教育基盤が必要

一番聞きたかったのは、下の経歴にあるように、数学と経済を勉強し、金融・IT系企業で仕事をしてきた「多言語スキルを持ったテクノ・ビジネス・プロフェショナル」(経歴書)が、政治家(東京都江戸川区議→都議に挑戦)を経て、どうして教育の分野に転じたのか?

「自分は、大学、大学院、ビジネス校などで継続的に勉強してきた。仕事に就いてからも、語学を習得した(インドのヒンディー語・マラティー語のほか、英語・日本語は母国語並み、中国語は初級)。教育は自分が育つために必要なツール。多様な国際社会をつくるには教育の基盤が大事。日本もその方向を目指す必要がある」

「インドで3年働いたあと、日本に来て22年になる。仕事生活の90%は日本。そこで思ったのは、日本人は国際社会で自信を持って働けていない。国際感覚を持つ必要がある。企業勤めのあと、江戸川区議になり、都議選で落ちたあとも、都や区に、日本人・外国人半々の国際学校を設けるよう働きかけていた。そんなとき、茨城県が校長を公募していると聞き、応募した」

県の「クリアなメッセージ」3

次の仕事は教育と考えていたとき、公募を知ったというわけだ。公募要項や面接などで求められた校長の要件とは何だったのか?

「県のクリアなメッセージの第1は、学生の国際性を伸ばしたいということ。第2は、公募校長を充てるのは優秀校であり、外国に行ける生徒を育てたい、と。第3は、改革に臨める人を採りたい、だった」「ビジネス界では破壊的改革がもてはやされる。しかし私の考え方は、『壊す』ではなく、今ある基盤を活用して、いかにプラス・アルファを出すか」

留学奨学金制度の一覧表を作成

国際性育成、外国留学、改革志向。いずれも大井川知事の考え方と思うが、よぎさんのキャリアや教育への関心とうまく合ったようだ。土浦一高・付属中に着任してから半月。副校長として何をしているのか? 今考えていることは?

「今のところ、具体的なメッセージは県から来ていない。当面は、校長、先生方、生徒から意見を聴き、学校のことを勉強したい。『これを変えたい』という意見はもちろん」

「県のメッセージにもある留学については、内外あちこちの奨学金制度を調べ、その一覧を作りたい。生徒や保護者がもらいに行けるように。それは他校にも役に立ち、県全体の財産になる」「私の息子も中学2年のとき、奨学金を取って英国に留学させた。今、大学1年だが、国連で働きたいと言っている」

【Puranik・Yogendra1977年生まれ、インド西海岸の大都市ムンバイ郊外出身。インド西部プネ大卒(数学・経済)、同大学院修士取得(国際経済・労働経済)。2012年、日本に帰化。みずほ銀行国際事務部調査役、楽天銀行企画本部副本部長などを経て、江戸川区議(2019~21年)。都議選に出るも落選。母は江戸川区でインド料理店経営。近く土浦に移る。

【インタビュー後記】母校でもある土浦一高に、経営と政治の世界にいた44歳のインド人が来ると聞き、ビックリ。でも話を聞いたあと、面白くなりそうだと。旧帝大、医系大、有力私大への進学数を誇ってきた県立高が、数年後、それに英米有力校を加えることになる?  ものごとを柔軟に考える、型にはまらない生徒が育つことも期待。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

ソロ活そして長居 「星乃珈琲店つくば店」 《ご飯は世界を救う》46

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】マスクって…、面倒で、うっとうしいですよね。でも、ちょっとしたメリットも。実は、顔のホクロ、小さいものですが、皮膚科で切除しました。

友人が「ホクロ取ったよ~! マスクしているから、切り取っても治癒するまで見えないしね」。わたしは、全くそんなつもりはなかったのですが、たまたま行った皮膚科で壁に貼ってあるポスターを見て。「あら、思いの外、お安い!」

そこで、唇上とホッペタのてっ辺の1ミリくらいのホクロ、バイバイ。このホクロ2つ、お化粧しても目立つし、気になっていました。それが、オサラバしてくれて。マスク時代も、捨てたものじゃないぞ!

切除方法はレーザーです。ちょっと痛かったけど、大したことない。でも、頑張ったよね、わたし。

今度はランチで来ます

で、帰る途中、前々から気になっていた「星乃珈琲店つくば店」(つくば市西大橋)さんで、ソロ活。

ソロ活とは、家族や友人とお出かけするのではなく、ひとりで楽しむこと。わたしは、昔々の若いころからやっていましたけど。でも、このコロナ禍で、はやっているそうです。TVでも「ソロ活」っていうドラマもあるし。今回のソロ活場所、星乃珈琲店さん、お気に入りになりました。

それで、30年来の友人をお誘い。お孫さんが生まれたということで、メールなどはしていたものの、会うのは2年ぶりです。半ボックス形式の場所もあり、マッタリできます。なんと、3時間も話し込んでしまいました。

2年ぶりのオシャベリだもの、星乃珈琲店さん、長居ごめんなさいね。今度は、ランチしに来ます。(イラストレーター)

納税怠り過去5年分121万円を納付 つくばマラソン実行委

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つくば市役所

つくば市は18日、市が事務局を務める「つくばマラソン実行委員会」(実行委員長・五十嵐立青つくば市長)が、消費税などを納めなければならない課税対象事業者であるにもかかわらず、納めてなかったことが分かったとして、過去5年間にさかのぼり、消費税と源泉所得税計121万8934円を税務署に納付したと発表した。

2017年から21年まで5年間の大会の消費税112万8600円と源泉所得税9万334円で、消費税は、協賛金や広告料など市が受け取った消費税から、物品購入など市が支払った消費税を差し引いた差額分など。源泉所得税は、過去5年間の大会スタッフ約300人の源泉所得税などという。約300人の源泉所得税については、今後スタッフに返還を求めるかどうか、これから実行委員会を開催して検討するとしている。

つくばマラソンは1981年から始まり、例年11月に開催している。2020年はコロナ禍により中止した。21年は参加者がそれぞれ好きなタイミングで好きな場所を走るオンライン大会を開催した。

同実行委の事務局を務める市スポーツ振興課によると、昨年オンライン大会を開催するに当たり、他大会の開催状況を確認する中、他大会の会計には消費税などの支払い項目があるのに、つくばマラソンには無いことに気付いた。

昨年12月8日、税務署に相談したところ、消費税と源泉所得税の課税対象事業者であることが分かり、今年4月8日に源泉所得税、同15日に消費税を納めた。延滞税や無申告加算税、不納付加算税などがさらにかかり、税額が確定後に追加納付するという。

一方、法人税については、同実行委は任意団体であっても「人格のない社団」としてみなし法人扱いとなるが、つくばマラソン大会自体が収益事業ではないため、税務署から法人税は課税対象外と通知があった。

今回、同実行委が新たに課税対象事業者であることが判明したことを受けて、市は、市役所内で同様の事例がないか現在、調査をしている。

さらに再発防止策として市は「税務署からの指摘事項について庁内で周知徹底を図り、税務法令を遵守すると共に、適正な事務処理と再発防止に努めます」としている。

原点「天久保」で音楽イベント 街を耕す30代 つくば

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書店 「PEOPLE BOOKSTORE」店主の植田浩平さん=つくば市天久保

書店主・植田浩平さん & ラッパー・SPRAさん

つくば市天久保で24日、書店「PEOPLE BOOKSTORE(ピープルブックストア)」の開店9周年企画の音楽イベント「PEOPLE’S PARK(ピープルズパーク)」が開かれる。ロックバンド「サニーデイ・サービス」の曽我部恵一さんらが出演する。企画したのは書店主で、イベントやライブを企画・運営する植田浩平さん(39)。会場は、天久保でクラブやレコード店を運営するラッパーのSPRA(エスプラ)さん(34)が提供する。コロナ禍での経験、大きく変化する街の姿に危機感を募らせてきた2人に、イベントに連なるこれまでを聞いた。

コロナ禍で立ち上がった企画

2020年、突然飲み込まれたコロナ禍。先の見えない中で植田さんは、SPRAさんらと「Our Rock Down Party(アワー・ロック・ダウン・パーティー)」と題するトークライブをオンラインで配信した。危機感を共有する音楽ライターやミュージシャンをゲストに招き、毎回テーマを変えて語り合う。初回は「天久保」。2人が拠点を置く街をテーマにした。「天久保1丁目は危機に瀕(ひん)してる。だからこそ、今、力をつけておかなければ」そんな思いがあったと植田さんが振り返る。

天久保地区は、筑波研究学園都市ができて間もない頃に、市街地中心付近につくられた。大学と隣り合わせなことから、学生向けのアパートや店舗が立ち並び、飲食店が集まる歓楽街(通称「食いだおれ」)が形成され、活気を放ってきた。

クラブ「OctBaSS」と「Good Near Records」のオーナーでラッパーのSPRAさん=同

2004年のTX開通と共に、開発が進む研究学園地区に都市機能が移り、街区の中核をなしていた公務員宿舎が役目を終えて廃止となるなど、市街地の変化が顕著になる。天久保で活動するSPRAさんはコロナ以前から、「天久保が、繁華街としてはもう用済みというか、あまりいい扱いを受けていない」と感じてきた。近隣のビルが壊され、住宅やマンションに変わっていく。間近に迫る変化はクラブを営むSPRAさんにとって「この街から出て行けという圧力」にも感じられた。

つくば市内は建設の始まりから変化し続ける街だ。最近では、大型商業施設「LALAガーデンつくば」(同市小野崎)の閉店が報道された。開業から18年で役目を終え、更地となる。SNSには「どんどん知ってるつくばじゃなくなっていく」と戸惑う声が流れていく。市民が憩う洞峰公園(同市二の宮)は「リニューアル」を迫られる。公園が持つ意味も変わろうとしている。そこに横たわるのが「経済性」の問題だ。

「それって金になるの?」。植田さんの活動に対してそんな言葉を投げかける人がいた。「いや、なってない。でも、そうじゃない」と言い植田さんは言葉をつなぐ。「つくばが金になる場所として目をつけられている。それはわかってる。でも、右肩上がりが良しとされる街のあり方には違和感があった。そこで語られる『街の魅力』は、ごめん被りたい」

意志を持つこと

「この街は誰のもの?」植田さんが、一枚の映画チラシに書かれた言葉を見せ、「物差しを他者にゆだねたくない」と話す。

コロナ禍の中で始めたことがある。「店日誌」というタイトルで、書籍の紹介と共にブログに日々の出来事を綴ること。2年前から日々更新し続ける。SNS全盛の時代でブログは、スピード感と拡散力では敵わない。しかし、それでいいという。「他者の速さを強制されない。意味あることを書いておけば必ず誰かが見ていてくれる。スモールパワー。ちっちゃな店の意思表示」。それは街の変化に象徴される「大きな流れ」に負けないためでもあるという。だからこそ、植田さんは「意志」にこだわる。(次ページにつづく)

つくば市長の迷訴訟をミニ紙が総括 《吾妻カガミ》131

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】「つくば市民の声新聞」第6号が発行され、五十嵐市長が同紙を名誉毀損で訴えた裁判について「市長が取り下げ 本紙の完全勝利」との大見出しで特集。この迷訴訟を総括しました。未読の方は「4・1ページ」と「2・3ページ」をクリックしてください。発行人の亀山氏からPDFを提供してもらい、リンクを張りました。

「バタバタ」と「オウンゴール」

五十嵐氏の「完敗」に終わった訴訟について、ミニ紙最新号は「発端」「経緯」「終結」「本紙見解」「読者の声」に分けて総括しています。内容は多岐にわたりますが、市長が1市民を訴えた裁判は「…市長のバタバタに終わった…」(リード)と「…亀山提訴は『オウンゴール』…」(終結)という表現に集約できるでしょう。

というのは、名誉毀損提訴(原告・五十嵐氏)→ 条件付き取り下げを提案(原告)→ 同提案を拒否(被告・亀山氏)→ 別の訴え(虚偽事項公表罪)を追加(原告)→ 無条件取り下げを提案(原告)→ 同提案を容認(被告)と、五十嵐氏の腰が定まりませんでした。裁判に持ち込んだあと、勝てないと気付いたのか、「口外無用」の条件付きで取り下げを図ったり、訴訟の組み立てを強化したり―と、「バタバタ」が続いたからです。

また、五十嵐氏は「(名誉毀損の)立証は困難だった」「(虚偽公表罪も)立証は困難だとの判断に至った」(フェイスブックでの声明)と言っているように、提訴そのものの間違いを認めました。自ら仕掛けたゲームで「オウンゴール」したようなものです。

五十嵐氏は「表現の自由」を侵害

本紙見解の箇所で、亀山氏は五十嵐市長の行為を批判しています。中見出しから引用すると、「(記事が)なぜ名誉毀損なのか!理解できない」、「(ミニ紙が展開した)市政批判を裁判に持ち込むのは異例」、「(追加訴えの)公選法の虚偽事項公表罪も立証できず」、「(市長の提訴は)民主主義の根幹『表現の自由』を侵害」―と。

共通するのは、ミニ紙の記事は虚偽だと決めつけ、発行人を提訴することで、市政批判封じを図った市長への怒りです。訴訟に萎縮したら、市政の点検もできなくなると、危機感を覚えたようです。

私も、コラム126「…市民提訴…を検証する」(2月7日掲載)、同127「…市政批判はウソだった?」(2月21日掲載)で、この訴訟を総括。①五十嵐氏は市長の適格性に問題がある、②組織を率いる大人の常識が足りない、③広報の理念に反する裏工作を行った、④政治家の常識ともいえる「言論の自由」が分かっていない―と指摘しました。

編集を訴訟の経緯に絞ったせいか、6号では「記事は虚偽だ」への反論はあまりされておりません。進行中の市施策への総点検も含め、次号に期待しています。(経済ジャーナリスト)

3年ぶり湖畔に健脚競う 8926人参加のかすみがうらマラソン

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密を避け、ウエーブ方式で行われたフルマラソンのスタート=土浦市川口の発着点(撮影/高橋浩一)

第32回かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2022(土浦市など主催)は17日、土浦市川口のJ:COMフィールド土浦(川口運動公園)を発着点とするコースで行われ、視覚障害者、ウオーキングの各部門を含め計8926人が出場した。新型コロナウイルスの影響で2020年から2年連続で中止になり、3年ぶりの開催となった。

大会は、フルマラソン、10マイル(約16キロ)、5キロの各部門男女と、かすみがうらウオーキング(16キロ)が同時開催で行われた。

フルマラソン男子、元永好多朗のフィニッシュ=土浦市川口J:COMフィールド土浦(同)

男子フルマラソンは、元永好多朗(21=帝京大4年)が2時間17分6秒で優勝した。「フラットで走りやすいコースで、すごく楽しく走ることができた。太鼓を叩く人や家族での応援など、沿道の応援がとてもありがたかった」。茨城を訪れるのは初めてだったが、自然の豊かさと人の温かさを感じたという。

来年の箱根駅伝に向けて強化の一環として参加、「ロードでの実戦の貴重な機会となった」との手応え。出場を勧めた帝京大駅伝競走部の中野孝行監督は「マラソンも走れることを証明できた。箱根では復路の主要区間を任せたい」と太鼓判を押した。

女子は藤澤舞が3連覇 4度目のV

フルマラソン女子、藤澤舞のフィニッシュ=同

女子フルマラソンは藤澤舞(47=札幌エクセルAC)がコース自己ベストを更新する2時間43分57秒で制した。8回目のエントリーで3大会連続4度目の優勝。「オーバーペースで35キロ以降はフラフラになってしまった。課題が残ったものの最低限の目標は達成できた」と感想。この2年間はコロナ禍でロードの大会がなく、トラックの大会でスピードを強化してきた成果が出せたという。

5キロの部は男女とも県勢が制した。男子の伊藤遼佑(25=結城病院)の記録は15分38秒。7カ月前に生まれたばかりの迅隼ちゃんを抱いて表彰台に上った。下妻一高時代から5000メートルを主戦場としてきたが故障がちで記録を出せず、社会人になってから個人で頑張ってきた。「平日は夜にヘッドライトを付けて走ったり、土日は家の周りの田んぼ道などで、一人で淡々と練習してきた」。かすみがうらマラソンには昨年、一昨年もエントリーしたがいずれも中止で、今回が初挑戦。「優勝と大会新を目指してきたが、風があったので前半は抑え、後半勝負で独走に持ち込んだ。来年こそは新記録を狙いたい」という。

5キロ男子、伊藤遼佑(左)と同女子、永井真友美の表彰

女子の永井真友美(59=笠松走友会)は20分43秒で大会初優勝。「いつもはフルマラソンを走ってきたが、昨年9月に右半月板を負傷、やっと走れるようになってきた」と今年は5キロにエントリーした。マラソン歴は22年で、東京国際や大阪国際など過去50以上の大会に出走、2006年のかすみがうら大会フルマラソンの部で3位入賞の経歴を持つ。また、大会事務局が主催する教室「かすみがうらマラソン大学」で、筑波大学駅伝チームの弘山勉監督の指導を受けたことも、自分なりにベストを尽くせた理由の一つという。(池田充雄)

その他各部門の優勝者は次の通り
▽10マイル男子 四釜峻佑(21=順天堂大学)47分55秒
▽10マイル女子 陰山朋佳(19=城西国際大学)59分08秒
▽フルマラソン男子盲人 堀越信司(NTT西日本)2時間21分21秒
▽フルマラソン女子盲人 近藤寛子(滋賀銀行)3時間16分33秒