月曜日, 3月 2, 2026
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県に請求書送付を つくば市の高校通学費補助《吾妻カガミ》177

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茨城県庁(左)とつくば市役所

【コラム・坂本栄】つくば市は洞峰公園の維持管理を県から押し付けられましたが、県立高校問題では県の施策にはまりました。本来は県が負担してしかるべき費用を市の予算案に盛り込んだからです。この半年の間に、市民は知事の巧みさと市長の拙さを相次いで目撃したことになります。

遠距離通学に年間3万円補助

つくば市は2月1日に発表した来年度予算案に、土浦市、牛久市、常総市、下妻市など、遠距離の高校に通う生徒にバスや鉄道の通学費用を補助する予算を挿入しました。1億6152万円を計上し、通学に年間10万円以上かかる生徒には3万円を補助するという内容です。

この善政について、市は「急増する市内在住の高校通学者数と市内立地の高校定員数との不均衡により生じる遠距離通学負担に対して、経済的負担の軽減を図る」と説明しています。簡単に言うと、市内の県立高不足のために市外の高校に通学しなければならない学生の持ち出しを少し軽くする施策です。

つくば市は、学生数と定員数の不均衡を解消する策として、市内に県立高を新設するよう県に要求してきました。しかし県は、県全体の少子化・人口減を理由に、県全体の傾向とは逆に人口が増えているつくば市での県立高新設にも消極的です。

そして、(A)市内にある既存県立高の学級増(高校経営予算の節約)、(B)近隣市の県立高への通学奨励(広域化による問題解決)―の2代替策で、高校新設を見送ろうとしています。

市長は新設実現を諦めたわけではないと言っていますが、遠距離通学補助によってTX沿線エリアに県立高を新設せよという声が弱まらないか心配です。

高校新設<既存高活用+広域通学圏

県の考え方(新設を渋る理由、代替策、高校教育の目玉)を整理すると、こういうことです。

▼少子化・人口減で県内の高校入学者は減っており、県立高は統合・廃止で減らす。

▼県全体の傾向とは逆のTX沿線についても県立高の新設は極力避ける。

▼これで生じる学生数と定員数の不均衡は既存高学級増と通学圏広域化で乗り切る。

▼上位の既存県立高については中高一貫併設によって学生のレベル・アップを図る。

県がこういった県立高経営の枠組みにこだわるのであれば、市が通学補助の窓口業務を代行するとしても、その費用は県に出してもらうべきです。県の仕掛け(B)に追随していると、県立高不足問題の解決は既存高学級増と通学圏広域化で進みます。

新設までの暫定措置として県ないし市が遠距離通学費を補助するにしても、年3万円では少な過ぎます。実際にかかる費用の3分の1以下ということですから。県に送る請求書は、少なくとも1億6152万円✕3=4億8456万円にする必要があるでしょう。

通学補助を大幅県に請求書送付

高校生徒数と定員数のミスマッチ解消は、人口が増えているTX沿線市の重要課題です。それなのに、県も市も目先の対策でごまかそうとしています。生徒に遠距離通学の時間的負担を強い、保護者には経済的負担を強いるのを放置し、微々たる通学補助金を出す「善政」で取り繕うとする市長も困ったものです。

市議会は来年度予算案を否決し、総額4億8456万円の修正案を出し直させ、県に同額の請求書を送らせる議案を決議すべきでしょう。研究学園市=高校過疎地では「世界に笑われるまち」TSUKUBAになってしまいます。(経済ジャーナリスト)

<参考>

▽記事「…市の新年度予算案 過去最大を…連続更新」(2024年2月1日掲載

▽コラム139「上り坂の市と下り坂の県のおはなし」(2022年8月15日掲載

▽コラム118「つくば学園都市は公立高の過疎地」(2021年10月18日掲載

「花火を聴く」視覚障害者の花火鑑賞《見上げてごらん!》24

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第92回土浦全国花火競技大会ワイドスターマイン「土浦花火づくし」(実行委員会提供)

【コラム・小泉裕司】花火を季題とした風景や心象を描写した名句は数多い。人生や季節の移ろいを、儚(はかな)く消える花火に重ねるのだろうか。

盆などの慰霊行事であったことから、「初秋」の季語だったようだが、現代は納涼行事として「夏」が主流のよう。「遠花火(とおはなび)」も同様。たった3文字にもかかわらず、打ち上げ場所から遠く離れたところから「見る」花火への、切なさや愛(いと)おしさが心に沁(し)みる季語である。

花火鑑賞の多様性

 昨年の土浦市議会第4回定例会では、「土浦全国花火競技大会時の障害がある方の観覧」についての一般質問に対する答弁で、佐藤亨産業経済部長は「花火会場で、視覚障害者に花火の魅力を感じてもらうことができた」という希有(けう)なエピソードを披露した。

大会当日の朝まで行くかどうか迷ったあげく、意を決し、会場を訪れた視覚障害のある男女2人は、打ち上げが始まるころには、桟敷席近くに到着することができたという。

杖(つえ)を持った2人に気付いた桟敷席担当の係員は、業務の傍ら、土手にたたずむ2人を気にかけていたそう。周知のとおり、打ち上げ終了後の道路は、超過密な状況と化し、視覚障害者には危険きわまりない。これを察知した係員は、土浦駅行きのシャトルバス停まで誘導し、無事帰路に着いたのこと。

2人は、花火の真下に来たことで、まぶたの奥に光を感じることができたという。音や振動を体感することや、音楽、場内アナウンスも聴くことができた。何よりも、観客と一緒に拍手をすることができたことに感動。「ここまで来て本当によかった。ありがとうございます」と涙を流し、花火を堪能した喜びを係員に伝えたそう。

この報告を聞いた部長は、障害者も花火の思い出をつくることができる、土浦の花火は様々な人たちに感動を与えることができることを実感したという。筆者も、土浦の花火ファンが、また2人、増えたことが実にうれしい。 一方で、本稿でこの話題を書くことに躊躇(ちゅうちょ)したのも事実。

つまり、主催者にとっては、来場者の安全を確保することが最優先の使命であって、身動きもままならぬ雑踏や道路面の不備も想定される中で、係員まで巻き込んだ身勝手な行動と非難されないか。

さらに、係員の対応は業務範囲を逸脱しているのではないかなど、大いに逡巡(しゅんじゅん)した。実行委員会は、会場から1.5キロ離れた安全な場所に「身障者用駐車場」を確保して、会場への誘導を勧めることはしていない。

しかしながら、今回の2人の行動によって、新たな気付きを得たことも事実。それは…「花火を聴く」。

「花火の光を感じたい、心に響く音を聴きたい。こんな欲求を満たしてくれる環境づくりの必要性、誰ひとり取り残さないとの観点からも大切なことであり、これからもあらゆる面でみがきをかけて、多様な観客に楽しんでいただける大会づくりにまい進したい」と、部長答弁を括(くく)った。

まさに、安藤市長が標榜(ひょうぼう)するダイバーシティの考え方に沿った、崇高な精神である。 

「亡き人を思い遠花火に耳澄ます」

このエピソードの対極にあるのが、Oi café 20「亡き人を思い遠花火に耳澄ます」(平野国美、常陽リビング、2017/8/19、6ページ)。

介護ベッド上で目を閉じ、遠くに響く土浦花火の音を聞きながら、母親代わりの亡き姉への郷愁、その姉と会話した花火への情念が動画のごとく流れる。訪問診療医で本サイトのコラムニストでもある平野氏ご本人から、以前に送っていただいたコラムを、読み返している。

「いつか一緒に、あの花火の真下で眺めたいねって話してたの。そのお姉ちゃんが行けないのに、今さら私だけ見に行くってわけにはいかないの」。昭和期の俳人鈴木真砂女の句が添えられていた。「死にし人 別れし人や 遠花火」

真下で体感するもよし、遠花火に耳澄ますもよし。本日は、この辺で「打ち留めー」。「ドドーン キラキラ!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

佐野治さんの受勲祝う 元JA土浦・県中央会会長

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花束を受け取る佐野治さん夫妻

土浦農業協同組合(現 水郷つくば農業協同組合)組合長や県農業協同組合中央会会長を務め、昨年秋に旭日双光章を受章した佐野治さん(77)の受章祝賀会が17日、霞ケ浦湖畔の土浦市川口「ローブ・カスミガウラ」で開かれ、国会議員、県議、経済団体や農協(JA)関係者など約130人が出席し、佐野さんの受章を祝った。

佐野さんは土浦市宍塚の出身。1977年にJA土浦に入り、2008~17年にJA土浦の組合長を務めたあと、17~20年に県内のJA関連組織を束ねるJA県中央会の会長を務めた。

良質な県産農畜産物を安定供給

あいさつする八木岡努・県JA中央会会長

祝賀会発起人を代表して八木岡努・県JA中央会会長があいさつし「佐野氏は、サンフレッシュつくば店の開設や産直事業専門の専門部署を設置するなど、新しい販路拡大と地産地消の推進に取り組んだ。また『安心・安全な農産物の供給』を第一に考え、生産履歴記帳の定着化や、JAブランドの確立に努め(レンコン粉末入りうどんの)『れんこんめん』の開発・販売に取り組んだ」などと、JA土浦時代の功績を紹介した。

さらに「県中央会の会長の時は茨城県との連携協定を結び、ブランド力ある良質な県産農畜産物の安定供給に取り組んだ。県産品の輸出拡大、低価格モデル農機の共同購入などによる生産コストの低減にも尽力した」と、県中央会時代の活躍もたたえた。

産総研の石村理事長もあいさつ

祝賀会には、葉梨康弘、永岡桂子、国光あやの、青山大人、田所嘉徳衆院議員、上月良祐、加藤明良参院議員、伊沢勝徳、八島功男、葉梨衛、白田信夫、飯塚秋男、星田弘司、中山一生、金子敏明県議、安藤真理子土浦市長、宮嶋謙かすみがうら市長、千葉繁阿見町長、萩原勇龍ケ崎市長、上野昌文・県農林水産部長(知事の代理)らが出席した。

このうち、葉梨衆院議員、上月参院議員、葉梨県議、上野部長が祝辞を述べ、国や県の農業政策とJAの活動との関連を取り上げながら、佐野さんの活躍ぶりを紹介した。

佐野さんと親戚筋の石村和彦・産業技術総合研究所理事長もあいさつに立ち「出席者の顔ぶれを拝見すると、私は完全にアウエー(部外者)。実は、毎年末に(土浦産の)レンコンを佐野さんから送ってもらっている。それを薄く切ってフライパンで焼いて食べると、ビールがいくらでも飲める」と笑いを誘ったあと「産総研も乾燥に強い野菜とか果物の糖度センサーなどの研究をしており、今後、JAとのコラボも検討したい」などと述べた。(岩田大志)

受章祝賀会の会場

昭和にトリップできる郷愁の商店街《看取り医者は見た!》13

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写真は筆者

【コラム・平野国美】私は休日に商店街を歩くのが好きです。ショッピングとかでなく、ただ、何かあれば店に入ってみたり、古い純喫茶に入ってみたり―と。外国にはそれほど行ったことはありませんが、自分も商店街育ちのせいなのか、日本の商店街が好きなのです。そこでは、その町の庶民文化を味わえますし、「昭和」にトリップができる気もするのです。

しかし、シャッター通り=歯が抜けたように消えていく商店街=が、最近では目立つどころか、ほとんどが消えていくのです。今、日本で活性化している商店街は、以前の数パーセントと言われています。最近では、シャッター通りは取り壊されか、かつて商店街であったとは思えないような住宅街へと変わりつつあります。昔の「商店街」は博物館入りになるのでしょうか?

こういった痕跡を歩くのは、趣があって楽しいものです。先日、四国のある商店街を歩いていると、聞きなれない天地真理の歌がスピーカーから流れてきました。歌詞をスマホで調べると、「若葉のささやき」(1973年3月21日発売)という曲で、小学2年生だった50年前にトリップできました。

フランスなどの洗練された商店街も美しいのですが、どこか物足りなさを感じます。それは、文字表記がアルファベットということだけではありません。今、海外のしゃれた商店街と日本の猥雑(わいざつ)な商店街を比較すると、構造的にも文化的にも、日本らしさというものがいくつも見えてきます。

「町中華」「純喫茶」「レトロビル」

以下、私の「商店街」論です。昭和の人情商店街は消えていく運命なのか?についても、考えたいと思います。

残るものか?残らぬものなのか? それはわかりません。しかし数は減少していくでしょう。歩きながらその現実を見ると、消えていく運命なのだと思えてきます。一方で、「町中華」とか「純喫茶」とか「レトロビル」といった言葉が生まれてくる背景は何なのでしょうか?

商店街の見方、楽しみ方はいろいろあると思います。私は、その空間や形態に魅力を感じております。また、その発祥や由来など歴史的な流れに目を向けると、見えてくるものもあります。それがわかると、消えていく理由も見えてきます。

一方で、活気がある商店街の裏側を眺めることができたとき、「そういう商店街の存在の仕方もあるのだな」と感心するのです。上の写真は、私が好きなアーケード街(左、市場由来の那覇市の中央通り)、曲線が美しい商店街(右、瀬戸市の銀座通り)です。(訪問診療医師)

メタバース「バーチャルつちうら」17日公開 アバターで疑似体験を

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「バーチャルつちうら」の実演の様子

パソコンやスマートフォンを使って、自分のアバター(分身)がインターネット上にある三次元の仮想空間の中に入り、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」を走ったり、湖畔から霞ケ浦を見渡したり、花火を鑑賞したり、施設の中に入って写真展を見たり、観光情報を探すなど、土浦の観光を疑似体験できるメタバース空間「バーチャルつちうら」が17日、公開される。

80種類の中から自分のアバターを選んで入室する。りんりんロードのサイクリングは360度の3D動画で疑似体験できる。仮想空間の中で名産品を販売したり、展示会やセミナーを開催したり、市政情報を発信したりもする。仮想空間にいる他のアバターと会話することも可能だ。

「自転車のまち土浦」など同市の魅力を発信し来訪のきっかけにしてほしいと、土浦市とNTT東日本茨城支店がNTTスマートコネクトと連携して構築した。メタバースを活用する自治体は、愛知県瀬戸市、山梨県北杜市、東京都江戸川区、福岡県福岡市に次いで全国で5番目という。

2022年12月、土浦市とNTT東日本が高齢者のデジタル活用を支援する連携協定を締結したのがきっかけ。その中で、メタバース空間の構築や360度の動画制作に実績のあるNTTスマートコネクトと連携して「バーチャルつちうら」の構築に取り組んだ。仮想空間はプラットフォームの「DOOR」を用いている。

公開を前に16日、土浦市役所で公開イベントが行われ、安藤真理子市長とNTT東日本の松木裕人茨城支店長のアバターが「バーチャルつちうら」に登場、企画の狙いやコンテンツの紹介をした。

その後、それぞれ別室から本人が現れてあいさつ。安藤市長は「土浦の発展のため、たくさんの人が訪れてくれるようにコンテンツを充実させていきたい」と述べた。自分のアバターについては「少し若くてかわいすぎた」と感想を話した。

画面のアバターと一緒にポーズをとる安藤真理子市長(左)と松木裕人茨城支店長

「バーチャルつちうら」には同市のホームページから入室することができる。(榎田智司)

最低制限価格に誤り 入札やり直しへ つくばジオミュージアム清掃業務

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つくば市役所

つくば市は16日、同日開札を実施したつくばジオミュージアム清掃業務委託の一般競争入札で、最低制限価格に誤りがあり、入札を不調にしたと発表した。入札をやり直す。

市ジオパーク室によると、1月29日に入札情報を告示し10社が参加した。電子入札が実施され、開札日の16日、市が予定価格と最低制限価格を開封したところ、最低制限価格が誤っていることが分かった。同価格を算出する際、担当者が予定価格を誤って入力してしまったのが原因という。

市は同日、入札に参加した10社全てに電話で説明し謝罪。再発防止策として、最低制限価格の作成と封入前に、複数での確認を徹底したいとしている。今後、再入札を手続きを進める。

同ミュージアムは筑波山地域ジオパークの体験型展示施設で、昨年11月3日、廃校となった同市北条、旧筑波東中学校校舎西側にオープンした。清掃業務は今年4月から来年3月まで、1階の展示スペースと2階の事務スペース計1200平方メートルを週2回と年2回清掃する業務で、予定価格は178万6966円だった。

紅梅は満開、白梅5分咲き 筑波山梅林

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遠足に来て、梅の木の下でお弁当を食べる子どもたち

17日 梅まつり開幕

最高気温が4月中下旬並みと暖かさが続く中、筑波山中腹にある筑波山梅林(つくば市沼田)では15日、紅梅が満開、白梅が5分咲きとなっている。白梅が満開になるのは2月下旬ごろになると予想されている。今年の筑波山梅まつりは明日17日開幕する。

同梅林は、関東平野を見渡す標高約250メートルに位置し、暖かい日差しが当たる南斜面にある。広さ約4.5ヘクタールに白梅や紅梅などが約1000本植えられており、筑波石といわれる斑れい岩の巨石と梅のコントラストに独特の趣があるとされる。晴れた日は富士山を見渡すことができ関東の富士見百景に選ばれている。1970年に開園、2005年にリニューアルした。

観梅を楽しみながらおしゃべりする観光客

15日は春一番が観測され、同市の最高気温は21.4度と4月下旬から5月上旬並みを記録した。平日にもかかわらず梅林には多くの観光客が訪れ、上着を脱ぎ園内を散策する人の姿が見られた。

地元の沼田地区から訪れた男性(73)は「梅林には散歩がてらにかなりの頻度で来ている。暖冬なのであっという間に満開になりそうだ」と話していた。中国から訪れたという観光客が梅の花をバックに自撮り写真を撮影したり、地元の園児が遠足に訪れるなど、にぎやかな声が響き渡っていた。

17日開幕する第51回筑波山梅まつり(筑波山梅まつり実行委員会主催)は3月17日まで。会期中は、つくば観光大使の出迎え、筑波山名物ガマの油売り口上の実演、3月3日は筑波山水系の地酒を新酒で楽しめる「新酒DE筑波山地酒フェス」が催される。山麓の廃校には昨年11月、筑波山ジオパークの拠点施設「筑波山ゲートパーク」がオープンし、周遊観光による市北部地区の活性化が期待されている。(榎田智司)

◆筑波山梅まつりの問い合わせは電話029-869-8333(つくば観光コンベンション協会)

生きて、社会に抵抗せよ《電動車いすから見た景色》51

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イラストは筆者

【コラム・川端舞】「生きるのは苦しい」。子どもの頃からずっと感じてきたが、なかなか表出できなかった言葉が堂々と書いてあることに、私は心底安堵(あんど)した。社会を変えたいと望みながら、本当の自分をさらけ出す勇気すらない私に、そっと寄り添ってくれるような言葉だ。

1995年生まれのライター、高島鈴さんの初エッセイ集『布団の中から蜂起せよ―アナーカ・フェミニズムのための断章』(人文書院)。

高島さんは本書で、家父長制、異性愛規範、資本主義をはじめとする、弱い個人を追い詰める権力や差別を否定し、社会を変える働きかけ全てを「革命」と呼ぶ。「革命」と聞くと、行動力のある強い人がすることだと思いがちだが、著者によると、日常の中で自分を脅かすものに少しでも抵抗しながら生きることそのものがすでに革命への加担なのだ。

私は、世間のつくった「あるべき障害者像」を恨みながら、少しでもそれに近づこうとする自分が嫌いだ。窒息しそうなほど苦しいのに、誰かに褒められようと、笑顔で頑張る矛盾だらけの自分が大嫌いだ。そんな私に、「生きるのは苦しい」と断言しながら、それでも、たとえ布団から起き上がれなくても、今いる場所で生き延びることが「社会を変える力」だとする高島さんの言葉は響いた。

あなたという存在を伝えて

大げさなことはしなくてよい。家の近くの学校に、心地の良い服装で通う。ほしい情報を自分にとって分かりやすい方法で受け取る。周りから自分らしい名前で呼ばれる。愛し合った人と家族になる。そんな、あなたの望む生き方をすればいい。

しかし、この社会は、健常で、日本語が母語で、自分の性別に違和感がなく、異性愛で…、世間から見た「普通の人」しかいない前提でつくられている。そんな社会で自分という存在が無視されていると感じたときは、ほんの少し勇気を出して、この社会であなたという人間が生きていることを周囲に伝えてほしい。

伝える手段は何でもよい。具体的な行動をするエネルギーがないなら、今を生き延びるだけでいい。生きていれば、誰かがあなたの存在に気づくかもしれない。でも、あなたが死んだら、何も伝わらない。

社会は呆(あき)れるほどゆっくりとしか変わらない。それでも、誰かに生きづらさを押しつける社会を変えたくて、私は文章を書き続ける。私の言葉が小さな波紋となり、会ったこともないあなたと共鳴し合いながら、いつか社会を変える巨大な渦に合流することを願う。(障害当事者)

道路工事中に重機と接触 歩行者の胸骨にひび つくば

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つくば市役所

つくば市は15日、市が発注した同市栗原の道路改良工事で、12日午後4時35分ごろ、道路工事現場に歩行者の60代男性が入り、重機のショベルと接触して胸骨にひびが入るけがを負ったと発表した。

市道路管理課によると、歩行者の男性は散歩中で、業者が道路を通行止めにして工事をしていた。工事現場のバリケードに50センチ程度の隙間があったことから、通れると思って男性がバリケード内に入ったところ、重機が左に旋回し、ショベルが男性の胸に当たって、後ろに倒れた。

男性は救急車で病院に搬送され、胸骨にひびが入っているのが分かった。入院はせず、その日のうちに帰宅したという。

市によると、バリケードに隙間があったほか、現場に「工事関係者以外立ち入り禁止」の表示がなかったこと、交通誘導員は配置されていたが注意を怠り男性に声掛けしなかったこと、さらに重機を運転していた作業員も注意が不足していたことが原因としている。

けがをした男性に対しては、工事の受注業者が謝罪、さらに補償についても業者が対応するとしている。

再発防止策として市は受注業者に対し、工事現場の交通規制方法の再確認のほか、道路誘導員と作業員に安全対策の再教育をするよう指示すると共に、現在、市の工事を受注している全ての業者に対して安全対策に関する指導を徹底するとしている。

事故当時の状況に誤り

【3月5日訂正】つくば市は3月5日、事故当時の現場の状況について誤りがあったと発表した。2月15日の発表時点では、工事業者は現場を通行止めにして工事を実施し、現場のバリケードに50センチ程度の隙間があったと広報したが、再度、状況を確認した結果、事故発生当時は、重機の出入りのためバリケードが一時撤去され、通行止めの状態ではなく、通行止めの看板についても被害男性が歩いてきた方向からは確認できない状況だったとした。

市道路管理課によると、2月17日に被害男性の自宅で同15日付の事故の広報について説明したところ、被害男性から、事故当時の状況が異なる内容で発信されているとの申し出があった。同課が工事受注業者に再度確認したところ、被害男性の申し出通り、誤っていたことが分かったとしている。

市は誤った内容を広報してしまったことに対し被害者に謝罪すると共に、工事業者に対し正確に状況を報告するよう求めたとしている。

災害時の迅速な初動対応へドローン購入 土浦市新年度予算案

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2024年度当初予算案を発表する安藤真理子市長=土浦市役所

土浦市の安藤真理子市長は15日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比2.6%増の567億3000万円、特別会計などを含めた総額は同2.1%増の989億4000万円となる。主な新規事業は、水害や土砂災害発生時などに素早く初動対応ができるよう、俯瞰(ふかん)的な視点で情報を収集するため、消防本部がドローン1基を購入するほか操縦者の育成などを進める(2145万円)。

一般会計は過去4番目、総額は過去3番目に大きい額となる。3月5日開会の同市議会3月定例会に提案する。

モール505 歩行空間を再構築へ

中心市街地では、つくば科学万博が開催された1985年に高架道と併せて整備され、現在は空き店舗が目立つ土浦駅西口近くの川口ショッピングモール505について、街路空間を、人々が集い多様な活動を繰り広げる場にしていく「ウォーカブルシティ」の取り組みを国交省などが推進していることなどから、650万円を計上し、安全で魅力ある歩行空間の再構築に向け構想案を策定する。

つくばエクスプレス(TX)県内延伸構想の具体化に向け県が検討を始めたTX土浦駅延伸に向けては、昨年9月、国交省の準備段階調査箇所に採択された常磐道・土浦スマートインターチェンジ(IC)整備と併せ、交通ネットワークの形成を見据えて、約850万円を計上して沿線開発候補地となる可能性調査などを実施する。

常磐道・桜IC周辺の開発については、産業発展を促す拠点整備に向けて、23年度に地権者組織の発起人会が立ち上がったことから、24年度は6394万円を計上し、組合の前身となる準備委員会の設立に向けて地権者の合意形成を図るほか、詳細な事業化検討調査を実施する。

コミュニティバスの実証運行については8368万円を計上し、21年10月に運行を開始した中村南・西根南地区と22年10月運行開始の右籾地区に加えて、24年度は新たに乙戸南地区と並木・板谷地区で実証運行を開始する。

ヤングケアラーにヘルパー派遣

子育て支援は、病気や障害のある親などに代わって子供が家事やきょうだいの世話をしているヤングケアラーや支援が必要な子育て中の家庭に、食事の準備や掃除、洗濯などの家事援助をするヘルパーを派遣する子育て世帯訪問支援事業(約70万5000円)を実施する。

不登校児童生徒の支援は2700万円を計上、23年度に6つの中学校に設置した校内フリースクールを24年度はさらに2校増やし、市内8つの中学校すべてに校内フリースクールを設置する。

児童数が減少し学級数が適正規模に満たない小学校がある上大津地区については1億940万円を計上し、上大津地区統合小学校の28年4月の開校を目指し、新年度は基本・実施設計などを実施する。

昨年10月にスタートした小中学校の給食費無償化は新年度も継続する(約4億4500万円)。

道路交通法改正により昨年4月から着用が努力義務となった自転車利用者のヘルメットについて、小学生以下の着用率が73%、中学生は89%なのに対し、高校生は8%、65歳以上の高齢者は8.4%にとどまっていることから、高校生相当と65歳以上を対象にヘルメット購入費の2分の1を補助する(約80万円)。

文化財の保存と活用については、21年12月に土地・建物の寄贈を受けた登録有形文化財「一色家住宅主屋」について729万円を計上し、23年度に策定した市文化財保存活用地域計画に基づき保存活用に向け、耐震調査や利活用の市場調査などを実施する。

図書館、花火100年

ほかに、市立図書館は1924(大正13)年6月1日に開館してから今年で100周年を迎えることから、これまでの歩みを振り返り次の100年に向けて新たな一歩となるイベントを開催する(450万円)。

1925(大正14)に始まった土浦全国花火競技大会が来年の第94回大会で100年、7年後に第100回大会の節目を迎えることから、花火のまち土浦を発信していくため機構改革を実施し商工観光課の花火対策室を花火のまち推進室に改編する。

一方歳入は、経済の改善などにより個人と法人の住民税が増加し、市税全体で前年度比3.0%増加すると見込む。歳出の増加に伴って財源不足が生じることから、財政調整基金から23年度と同額の15億円を繰り入れる。これにより24年度末の基金残高は135億円になる見込み。

安藤市長は「厳しい財政状況だが『夢のある、元気のある土浦』に向けて、給食費の無償化を継続し、認定こども園での英語教室など特色ある保育を実施するなど子育て支援をさらに充実させる。常磐道スマートインターチェンジの1日も早い整備や、TXの土浦延伸に向け県と連携するなど、選択と集中を図る予算を編成した」などとしている。(鈴木宏子)

筑波学園病院内の「レストラン サンテ」《ご飯は世界を救う》60

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】サーロインステーキを初めて描きました。今まで、サーロインステーキって数えるほどしか食してないです。息子3人のお腹を、どうやって安価で栄養あるもので満腹にさせるか―こればっかり考えていました。そして、どうにかでっかくなりました。

筑波学園病院(つくば市上横場)にはめったに行かないですが、今回は連れ合いが整形外科を受診。かつては息子がはやり病とかで色々お世話になりました。でも、院内の「レストラン サンテ」は横目で見ても、毎回バタバタとスルーでした。それで、前々から一度入ってみたいと思っていました。今回ちょっと勇気。

病院ですから、優しい感じの麺類や和食かと思っていたら、サーロインステーキが「おすすめ」となっていて…。なんだか不思議ですよね。サーロインステーキが病院レストランのお勧め? お値段も超お得! それで、描くことに。いえ、食べることに。

病気でなくても、また行きたい

それが、食べつけない、つまり経験値が低いものは、描きにくいことが判明。育児後、まぁ、食べられれば食べたのですが、食べ慣れたものばかり食べるって、ありますよね。それに、上手に焼けないし…。

結構、描くのに苦戦です。お手軽価格の、とてもおいしいこのステーキ。もっと、おいしそうに描きたかったなぁ~。病気でなくても、また行きたいレストランです。

色々な方がランチなさっていました。病院のスタッフさん風の方。車いすでお連れの方に食べさせてもらっている方。多分、皆さん病院にご飯だけ食べに来ているのではないでしょう。

ご飯を食べないと生きていけない。そのたった1回の食事でさえ、長く診察の順番を待って、やっと終わって、結果がどうであれ、とにかくご飯を食べることができる。そんな何でもなさそうなことが、貴重で幸せなのではないかしら。

その一食が「おいしい!!」となったら、最高。サンテさん、これからも幸せな時間をつくってくださいね。(イラストレーター)

◆「レストラン サンテ」は2月19日から内装工事に入り、3月21日再開予定です。

サイバー攻撃の最新手口を紹介 関彰商事が対策セミナー

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セミナーの様子。講師はキヤノンマーケティングジャパンの佐藤英明さん=つくば市竹園、国際会議場大会議室

企業の経営者やセキュリティー対策担当者向けに、サイバー攻撃の最新の手口や対策を解説する「サイバーセキュリティ対策セミナー」が14日、つくば市竹園、つくば国際会議場で開催された。関彰商事(本社筑西市、つくば市、関正樹社長)が主催し、会場とウェブから約200人が参加した。実際の事例を元にサイバー犯罪の実態と被害防止対策について学んだ。

関彰商事は昨年12月にも水戸市で同セミナーを開催し、今回で2回目となる。セミナーは3部制で、警察庁関東管区警察局、茨城県警本部、キヤノンマーケティングジャパンから講師を招いた。セミナーではランサムウェアへの対策を中心にセキュリティ意識の啓発が行われた。ランサムウェアは、端末に保存されたデータを使用できない状態にし、復元と引き換えに金銭を要求するソフトウェアや悪質なコードの総称で、近年サイバー犯罪の中で最も被害が多いという。

関東管区警察局はランサムウェアによるサイバー攻撃の実演を行い、加害者側のパソコンと被害者側のパソコン2画面を示して、被害者の1クリックからパソコンが遠隔操作され、情報が次々と盗まれる過程を解説した。

県警本部は、サプライチェーンへのサイバー攻撃の事例を挙げ「何の対策もせずにインターネットを使うのは雪山に薄着で行くようなもの」と話し、セキュリティー対策を常に最新の状態で更新、継続していくことや、被害に遭った時の対処法を社内で決めておくことなどの重要性を強調した。

キヤノンマーケティングジャパンは、実際に起こった被害の事例を挙げ、データのバックアップをオフラインで保存しておくことの必要性を話した。また、ウイルス感染の警告が表示されるなどマルウェアが実行された可能性があれば、すぐにネットワークを切断し、画面をカメラで撮影して警察に通報するといった具体的な対処法についても解説した。

水戸市での第1回開催では、参加者から「実際の画面を見るデモンストレーションを通じて、ハッカーの具体的な手口を知ることができたのは有意義だった」「フィッシング詐欺メールの文面が巧妙になってきていることを知り、それに対する従業員への啓蒙も今後さらに必要になると感じた」といった声が聞かれたという。

主催した関彰商事ビジネストランスフォーメーション部の小林進さんは「社内でも常に新しい情報を取り入れ、サイバーセキュリティー対策をしている。役立つ情報を提供できればと考えセミナーを開催した。今後も継続して開催していきたいと考えている」と話した。

2022年の1年間で、県警へのサイバー関連の問い合わせ件数は3789件あったという。情報処理推進機構(IPA、東京都文京区)によると、ランサムウェアによる被害は2018年頃から確認されている。被害件数が毎年増加しており、同機構が毎年発表している「情報セキュリティ10大脅威」ではランサムウェアによる被害が4年連続1位となっている。政府は、2月1日から3月18日までを「サイバーセキュリティー月間」と定め、サイバーセキュリティーに対する取り組みを推進している。(田中めぐみ)

「人生100年時代」というけれど…《ハチドリ暮らし》34

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畑のレタスに霜がかかっています

【コラム・山口京子】「人生100年時代」ということは、老後の時間が延びるということ、すると、体力や気力はどうなるのか? 長寿にどう心構えをするのか、しないまま歳を重ねてしまうのか…。

80歳まで生きるとは予想していなかった母。自身の母を自分が4歳のころに亡くしており、母親の顔は覚えていないと言います。母が35歳のとき、父親は65歳で亡くなりました。父が亡くなった年を超えたとき、感無量だったと言います。60代から80代前半までは旅行と趣味で日々忙しく、先のことは頭になかったと。

その母が90歳になったころ、「こんなに長生きするなら、お金のことをちゃんと考えておくべきだった」と言うのです。現在の日本では90歳以上の人が200万人を超え、その7割は要介護認定を受けているそうです。年齢を重ねるほど個人差が大きいように思われますが、やはり誰もが老いていきます。

母の老いを見ていると、85歳で体力がガクンと落ち、要支援1に認定され、90歳でガクガクガクンと落ち、要支援2と認定されました。1人暮らしで食事作りもままなりません。

私たち子どもが、月に数回、買い出しや病院通いのために実家に帰省していました。その後、カゼを引き体調を崩してから、呼び出される回数が増えます。体調が悪く、気持ちも落ち込んでいるときは「もう1人暮らしは無理だから施設に入ろうかな」と言い、体調が良くなれば「まだまだ1人暮らしを頑張れる」と気持ちが揺れます。

干し柿、うな丼、チョコレート

鼻が利かない母は、自分が漏らしているおしっこの臭いに気付きません。ですが、私たちからすると強烈な臭いです。加えて大便を漏らすようにもなりました。自分で箸をつかってご飯を食べることはできるけれど、調理や片付けは難しくなっています。1人でお風呂に入ることはできません。洗濯をすることも難しくなっています。

腰の痛みが尋常ではないと言うので、整形外科で診察していただきました。このままでは寝たきりになると言われました。施設入所を考えケアマネジャーさんに相談すると、入所に不本意な母に対して「今は寒い時期だから施設に入ろう。暖かくなったら家に戻ればいいよね」と言葉がけ。

母も納得し、施設に入ることにしました。施設に入る前の夜、干し柿、うな丼、チョコレートを食べ切りました。「長生きなんかしたくない」と言いつつ、不調があれば医者通い…。長生きとその代償との折り合いをどう付ければよいのでしょう。(消費生活アドバイザー)

市議報酬30%引き上げへ 4月から つくば市

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つくば市議会

つくば市議会議員の報酬が4月から約30%引き上げられそうだ。13日開会の同市議会3月定例会に五十嵐立青市長が引き上げの条例改正案を提案した。可決されれば、議長は現在の月額54万7000円から27.6%増の69万8000円、副議長は48万円から30.4%増の62万6000円、議員は44万7000円から30.6%増の58万4000円になる。

期末手当などを含む年間支給額は、議長が1102万4910円、副議長が988万7670円、議員が922万4280円になる。

県内市の中で、つくば市の議長報酬は現在、水戸、日立、土浦市に次いで4番目、副議長と議員は水戸、日立、ひたちなか、土浦市に次いで5番目に高い。引き上げ後は、議長、副議長、議員いずれも水戸市に次いで2番目となる。

つくば市の議員報酬の引き上げは1994年以来、30年ぶり。昨年12月、市特別職報酬審議会(会長・前田聡流通経済大学教授)から出された答申に基づいて引き上げる。五十嵐市長は議員報酬引き上げを2年前にも同審議会に諮問したが、当時はコロナ禍だったため「現在の社会経済・雇用情勢、市民感情を総合的に勘案し、現時点では据え置くことが適当」だとする答申が出ていた。

今回の答申は、つくば市の人口、予算規模は増加しているのに、議会費は変化しておらず、市議の報酬は県内他市や全国の特例市、財政規模が同程度の他市と比較しても低くなっているなどとし、「適格者を引き付けるために他市と比較した報酬水準を考慮する必要がある」とした。金額については「年間支給額で県内の人口上位3自治体(水戸、つくば、日立市)の均衡を考慮した額に増額することが適当」だとした。

報酬の在り方として委員からは「兼業が可能とは言え、会社員として勤めながらは難しい。議員活動に専念でき、議員自身も生活できる額であるべき」との意見が出た。審議会に提出された資料によると、2020年1月から12月まで1年間に、本会議や委員会など議会活動のみに要した時間は、行政視察や議員勉強会などを除いて137時間50分だった、

一方「市民の平均給与が大きく上昇していない中で、報酬額を上げることは市民の反感を生む可能性がある」との意見も委員から出された。全国の民間給与の平均は30年前の1994年が年間455万5000円なのに対し2021年は443万3000円だった。

審議会では「定期的な見直しが行われていなかったことが今回の大幅改定につながっている」「30%増というのは結構大きな増額。市民から見たときに変動の幅を見るとちょっと大丈夫かなと心配なところはある」などの意見が出て、今後について「いきなり上げるのではなく、この審議会を2年後や定期開催とし、その時に再検討するのがよい」との意見も答申に盛り込まれた。(鈴木宏子)

明菜と聖子が市長選挙に出たら?《映画探偵団》73

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】「中森明菜と松田聖子がつくば市長選挙に出たら、どちらが選ばれるだろうか?」と考えた。2月4日、ホテルグランド東雲で開催した『新春つくこい祭ツアー/80年代の中森明菜を舞い歌う』第1景の本番中だった。

明菜の80年代のヒット曲に合わせ、フラメンコと日本舞踊を次々に披露。参加者の手拍子、足拍子、掛け声でグングン盛り上がった。圧巻は『二人静』の曲によるフラメンコと日本舞踊の競演。扇を短刀に見立て、2人がグサッと刺すしぐさにはどよめきが起きた。

第2景であいさつに立った来賓は「見ていて、青春時代を思い出し涙ウルウルになりました。現在では娘がカラオケで歌っています」と話されていた。明菜再ブ一ムが起きていると知ってはいたが、眼前の40代以上の女性の反応を見て、本当にそうなのだなと実感させられた。

80年代の明菜の曲とつくばの歴史を重ねた構成(映画探偵団72)を理解していただけるか心配だったが、第2景の民謡版『少女A』が終わったあと、長年つくばで暮らす人がわざわざ私のところにいらして、構成が良いとほめてくれた。どうやら分かってくれたようだ。

今回のイベントで明菜のことを調べると、明菜より2年前の80年にデビューし同時期に活躍した松田聖子の存在が浮き上がってきた。

何人かの女性に明菜と聖子のことを尋ねると、皆熱心に2人のことを語ってくれた。髪型、衣装、振付などにこだわりセルフプロデュースする明菜を支持する派とぶりっ子と揶揄(やゆ)されながらも海外での飛躍をめざしていた上昇志向の聖子支持派に分かれる。また、2人とも大好きだという女性も多くいた。

薬師丸ひろ子と原田知世は?

2024年2月はつくば史にとって特別な月になる。2月1日、洞峰公園が茨城県から無償譲渡された。2月12日には、つくばセンタービルに市民センターと消費生活センターと市国際交流協会が入った「コリドイオ」(イタリア語で回廊の意味)がオ一プンするからだ。

明菜派、聖子派がどんな反応を示すか興味がある。洞峰公園を無視しコリドイオのことを語るのか? コリドイオよりも洞峰公園の維持管理に関心を示すのか? 2つの出来事を分けて考えるのか? だが2つの場所は都市の中心軸として一つにつながっている。別のものではない。

つくばセンタービルができた年、筒井康隆原作、大林宣彦監督、原田知世主演の角川映画『時をかける少女』(1983)が公開された。未来から植物採集にやって来た若者に女子高校生が恋をしてしまうというお話。未来人は念波を用い関係者の記憶を書き換える。

この年、先に角川映画でデビューしていた薬師丸ひろ子と原田知世のアイドル競争が始まった。音楽業界の明菜と聖子、映画業界の薬師丸ひろ子と原田知世の活躍も同時期だったのだ。また明菜は角川映画のファンでアルバムを作っている。

今秋にはつくば市長選挙を控えている。鍵を握るのは80年代に明菜と聖子の歌声で育った女性たち、ひろ子と知世の映画を見ていた女性たちである。 だからであろうか、2人が市長選に出たら、どっちが勝つかなどと不埒(ふらち)な妄想が湧いてしまったのだろう。

次のイベントも80年代の女性を対象にするつもりである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

市民活動の新拠点がオープン つくばセンタービル

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広々としたフリースペースと図書コーナー

新しい市民活動の拠点「コリドイオ」が12日、つくば市吾妻のつくばセンタービル南側にオープンした。吾妻交流センターと市民活動センターの機能を合わせた新施設「つくば市民センター」、市国際交流センターと市が連携した「国際交流拠点」、「消費者センター」の3施設が入居する。

市の担当者は「個別にあった施設が1カ所に集まったことで、情報が集まり利便性が向上する。新たな市民活動の拠点として多様な活動が生まれることを期待している」と話す。コリドイオはイタリア語で「回廊」を意味し、市民の公募で決められた。

この日開かれた開所式には、市民活動に関心のある市民50人余りが参加した。あいさつに立った五十嵐立青市長は、名称について「(センタービルの設計者である)磯崎新氏によるポストモダン建築の金字塔となったのがこのセンタービル。この世界的に有名な施設のモチーフがローマのカンピドリオ広場であることから、この施設がそこへ続く回廊となる」と語り、「磯崎氏の意匠と、そこにある理念をどうすれば形にできるかを考えた。長年の課題だったセンタービルが、人が集まりいろいろな活動を通じて価値を生み出す拠点になればと願っている」と話した。

テープカットをする五十嵐市長(左から2番目)ら

1階は入居する3施設が事務所を構える。さらに、新たにA1サイズまで印刷可能になった印刷作業室、約1800冊の蔵書を揃える図書コーナー、ベビールームや授乳室、調理実習室、フリースペースなどが並ぶ。音楽室にはドラムセット、ピアノ、アンプなどが用意され、市民のバンド練習やダンスレッスンなどに利用できる。1階は以前はノバホールの小ホールと市民活動センターがあった。

2階はノバホール「小ホール」が移転し、リニューアルオープン。照明や防音性能を向上させた。

3階には大・小会議室がそれぞれ2室ずつ用意され、国際交流拠点による多文化共生ルームは日本語教室など文化イベントに利用される。

昨年12月末に閉館しコリドイオに移転した吾妻交流センターがあったつくばセンタービル4階は、同ビル1階にシェアオフィスなどを構えるco-en(コーエン)の運営会社「つくばまちなかデザイン」が管理する。(柴田大輔)

移動用小型車をシェア つくば駅周辺で実証実験始まる

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立ち乗りの移動用小型車に試乗する、つくばスマートシティ協議会理事の鈴木健嗣筑波大学教授(右端)ら=つくば市吾妻、つくばセンター広場

歩く速さで走行し歩行を補助する1人乗り移動用小型車のシェアリングサービス「つくモビ」の実証実験が10日からつくば駅周辺で始まった。駅周辺の7カ所で貸し出し、返却用もできる。だれでも無料で借りることができ、最大4時間まで貸し出す。実証実験は3月24日までの約6週間。

つくばスマートシティ協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)と関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)、つくばまちなかデザイン(茨城県つくば市吾妻、内山博文社長)が実施する。

貸し出すのは、いずれもトヨタ製の立ち乗り用「C+walkT(シーウォークティー)」2台と、座り乗り「C+walkS(シーウォークエス)」4台の計6台。つくば駅から半径3キロ圏内での利用を推奨している。

トヨタ製の立ち乗りの1人用モビリティ「C+walkT(シーウォークティー)」(左)と座り乗りの「C+walkS(シーウォークエス)」=つくば市提供

移動用小型車は昨年4月の道路交通法改正で新設され、歩道を走行できるようになった。電動車いすに準じて歩行者扱いとなり、車道は走行できない。最高時速は6キロで、運転免許は不要、ヘルメット装着の必要はない。電動のためボタンの操作で簡単に運転することができる。利用対象は身長140~185センチ、体重100キロ以内であれば年齢制限もない。

今回の実証実験では、シェアリングサービス「つくモビ」のサービス向上に向け、利用時間、利用経路、滞在場所などのデータをGPSなどで取得し、検証するのが目的。データは、つくば市でのシェアリングサービス実装に向けたニーズ調査や、ビジネスモデル構築の検討のために活用する。

つくば市は、政府が進めているスーパーシティ国家戦略特区に指定され、先進的サービスを実装して課題解決や新たな価値の創出につなげる「つくばスーパーサイエンスシティ」の実現を目指している。つくば駅周辺を「スマートモビリティエリア」とし、鉄道、バス、タクシー、次世代モビリティなどの乗り物がつながり、次世代モビリティや自動運転バスが途切れなく走行する未来図を描く。シェアリングサービス「つくモビ」の実証実験は、市民やつくばを訪れた人が快適に移動できる環境を実現する一歩として開始した。

貸出場所で運営を担う、つくばまちなかデザインの小林遼平専務によると、今月1日から予約を開始し、10日、11日で25件の利用があった。12日以降も60件の予約が入っているという。「つくば市は車社会ということもあり、公共交通で移動しづらいという声もかなりある。若者の車離れや高齢化を考えると、ストレスなく移動できる環境を作ることが重要。たくさんの方に使ってもらい、たくさんの声をもらい、サービスのブラッシュアップにつなげたい」と小林専務は利用を呼び掛ける。

予約は事前であれば、当日受け付けも可能だという。(田中めぐみ)

茨城の干し芋 最近の話題《邑から日本を見る》153

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干し芋づくりの体験

【コラム・先﨑千尋】茨城県の冬の風物詩は干し芋。と言っても、県南や県西地区の人はあまり関係ないと思っているかもしれない。私が県北地区に住んでいるからそう思うのだろうか。

誰にも好かれるその干し芋。全国の干し芋の産出額(生産額)は2021年のデータで130億円(1万910トン)。うち茨城が129億円。先進地だった静岡県などすべてを足しても1億円にすぎないのだから、ダントツ、独壇場だ。

その茨城の中でも、ひたちなか市、東海村、那珂市で90%を占める。他では、鉾田市、茨城町、那珂市などで生産量が多い。

干し芋は県内や首都圏などでは知られていても、全国レベルでの知名度は高くない。そこで県は1月10日を「ほしいもの日」と制定し、認知度の向上をめざすことにした。この日にしたのは、芋という字が草冠(くさかんむり)の下に一と十が入っているからだそうだ。

そうした県の動きに合わせて、干し芋加工業者の中にも新たな試みが見られる。そのうちの一つに、ひたちなか市阿字ケ浦町のマルヒがある。同社ではこの1月から、「あなただけの特別な干し芋を作りませんか(MAKE HOSIIMO  YOURSELF)と消費者に呼びかけ、干し芋の手づくり体験ができる施設を作った。

会場は同社が海水浴シーズンに営業しているビーチガーデンの一室で、同社専務の黒澤一欽さんが、最初に干し芋の歴史や作り方を映像で紹介する。その後、エプロンや手袋、帽子などの作業着を身に着けてもらい、作業にとりかかる。

体験では、あらかじめ蒸しておいた約2キロのサツマイモを使う。イモの種類は、古くからある「玉豊」か、人気の高い「べにはるか」で、体験者が事前に選んでおく。作業は、ナイフでイモの皮をむき、スライサーを通して薄く切り、用意されたすだれに並べる。

すだれに並べたサツマイモは同社で預かり、1週間ほど天日で干し、完成した干し芋を体験者の名前が入ったパックに袋詰めし、届けられる。体験できるのは、1月から4月までの金・土曜日。申込者は県内や首都圏の干し芋が好きな人が多く、大阪からも来ている。

干し芋の皮で焼酎造り

マルヒのもう一つの話題は、蒸したサツマイモの皮や、大きくなりすぎて干し芋に適さないサツマイモなど、干し芋の製造工程でこれまで捨てられてきた残渣(ざんさ)を利用して3種類の焼酎を製造し、販売を始めたことだ。

干し芋の残渣を利用した焼酎

大量に出る干し芋の皮の処分は、放置しておくとクサくなり、これまで生産者の頭痛のタネだった。焼酎は3種類ともサツマイモの甘い香りが楽しめ、品種やサツマイモの状態の違いから生じる味の差を感じ取るのも楽しみの一つだ。

干し芋焼酎はこれまでにもひたちなか農協(現常陸農協)の「へのかっぱ」などがあるが、残渣を利用しての焼酎づくりは、干し芋産地の課題解決の新たな手法として注目されよう。

黒澤専務は2009年にスタートした「ほしいも学校」の最初からのメンバーだ。ほしいも学校のコンセプトは、コミュニケーション、商品開発、教育、広報、農業、志気。干し芋の体験教室や残渣を利用した焼酎造りは、ほしいも学校の目指す方向に沿った活動と言える。拍手を送りたい。(元瓜連町長)

◆問い合わせ先は㈱マルヒ(電話0120-028056)

サンガイア、ホームでトヨタに連勝

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第2セット、サンガイア主将の濱田(白いユニフォーム)がミドルからスパイクを決める(撮影/高橋浩一)

今季7勝目

バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地つくば市)は10・11日、つくば市流星台の市桜総合体育館でトヨタ自動車サンホークス(本拠地豊田市)との2連戦を行い、10日はセットカウント3-0、11日は同3-1で2連勝を果たした。つくばの通算成績は7勝9敗、10チーム中8位。

2023-24 Vリーグ2部男子(2月11日、つくば市桜総合体育館)
つくば 3-1 トヨタ自動車
25-21
20-25
25-23
25-21

今季7勝目を挙げ、全員で7のサインで記念撮影(同)

両チームとも2連戦の2日目とあって「昨日と同じ試合では勝てない」と、手の内を変えて臨んだ試合。つくばは勝利をつかんだものの「サンガイアらしいバレーをさせてもらえず、今季の7勝の中で最も苦しい勝利だった」と加藤俊介監督は明かす。

第1セットは互角の競り合いから、終盤につくばが堀夏央哉と鎌田敏弥の投入を機に得点を重ね、セットを奪った。第2セットは序盤に5点のビハインドを負い、途中追い上げはしたものの最後まで点差を引きずり、落としてしまう。第3セットは中盤に相手にリードを広げられるが、終盤につくばが架谷也斗や松田康河の得点で取り返した。第4セットは中盤から濱田英寿や架谷、鎌田らの攻撃でリードを広げ、逃げ切った。

第2セット、架谷が相手のブロックを上から抜く(同)

「試合の前半から中盤にかけては、相手のブロックやレシーブが粘り強く、攻撃が決まらなかった。後半は整理して、相手の守備隊形を見てコースの打ち分けなどをリセットできた」と濱田主将。

「サーブとブロックが機能せず、うちの強みであるレシーブからの得点につなげられなかった。途中からサーブの狙いを変え、ブロックやレシーブで対応して崩すことができた」と加藤監督。

つくばは前日と比べて攻撃の多彩さも増した。ミドルからは十文字龍翔のBクイックが威力を発揮。「相手のブロックも高かったが、空中でトスを待ってコースを突くことができた」と10本のアタックを決めたほか、ブロックやレシーブでも貢献した。バックアタックでは鎌田、濱田、架谷の3人で10本を決めた。「どこからでも得点できるチームを目指しており、バックアタックに関しても攻撃陣で意識して練習に取り組んでいる」と濱田主将。

第4セット、スパイクを決めて喜ぶ十文字(中央)=同

これでつくばは開幕7連敗の後を7勝2敗と盛り返してきた。「監督に就任してすぐ開幕を迎え、準備ができないまま11月は連敗を重ねてしまった。12月の中断期間にチームの方向性を確認して練習を重ねたことが今の好調につながった」と加藤監督。狙いを持たせたサーブから相手の攻撃の先を読み、ブロックやレシーブで対応して攻撃へ展開していく。これは大学時代、恩師の都澤凡夫監督に学んだバレーそのものだという。

「都澤先生の思いを継ぎ、先生が目指した形でのチーム作りがしたい」との思いから、今季つくばの監督に就任。「勝つことだけでなく、地元に愛された上で強いチームを作りたい。選手一人一人が全てのことに一生懸命取り組むことで、身近なところからファンを増やし、応援したいと思ってもらえるチームにしたい」

試合中、選手を鼓舞する加藤監督(同)

加藤監督は1978年生まれ、群馬県出身。深谷高校で春高バレー優勝、筑波大学でインカレ4連覇を経験。指導者としては桐蔭学園高校(神奈川)バレー部を19年間率い、関東大会出場9回という強豪校に育て上げた。「バレーを教えるに当たっては高校生も大人も大きな差はない。一つ一つのミスを減らし、1本1本のパスをつなぐ。誰かが目立つのではなく、みんなが一生懸命やる。それは日本のバレーが目指す方向でもあると思う」と話す。(池田充雄)

せっかちでやせ我慢《続・平熱日記》151

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絵は筆者

【コラム・斉藤裕之】小さい頃からずっと冬はこたつのある家だった。しかし、この冬はこたつを出したものの入らないでいる。始めは節約を心がけて寒さが厳しくなったらいずれは入ろうと思っていたのだが、羽毛布団に潜り込んでテレビを見たりしているうちに、とうとうこたつなしで年を越してしまった。

よく家族に「せっかち」だと言われる。確かに行列が大嫌いだし、請求書の類いはとにかく早く払ってしまいたい。しかしこれが私の気質なのかというと、意外に教育されたものでないかと最近思うようになった。

思えば、小学校の頃から体操服に着替えるのも計算ドリルも教室の移動も、とにかく手早くやるように言われ続けた。のろまで愚図(ぐず)は悪であるかのように教育されたのだ。

それと同じように教え込まれたのが「やせ我慢」。特に、寒さに対してのやせ我慢は善とされた。冷たい水で雑巾がけ。休み時間は校庭をぐるぐる走らされ、「子供は風の子、元気な子」作戦。乾布摩擦なんて今では見かけなくなったが、このような心頭滅却型のやせ我慢教育は少なからず私の身に沁みついている。

だが、そろそろやせ我慢も限界。毎月の光熱費の請求額にびくびくしながら暮らすのもうんざりだ。

貧乏性の男の春はまだ遠い

多分歳のせいか、こたつは我慢できても風呂には入りたい。以前は冬に2~3日風呂に入らなくとも平気だったのに、この頃は風呂に入って温まりたいと思うようになった。ちなみに、去年は節約チャレンジャーのつもりで真冬でもシャワーで済ませていたが、今年は考え直した。

毎日銭湯に行くことを考えれば、また冷えた体のまま風邪を引いたり免疫力が落ちることを考えれば、熱い風呂に入った方が結局安く上がるというものだ。さらばやせ我慢! どうせなら、少し熱めの湯に入浴剤などを入れて温泉気分を楽しむことにしよう。ここはせっかちな性分を封印して、ゆっくりと湯につかる。身も心も温まって、体の冷えも疲れも取れた気がする。

スーパーでは半額で買えるペットボトル飲料をコンビニで平気で買うのに、1円でも安いガソリンスタンドを探してしまう。歯磨き粉は親の仇(かたき)でもあるかのように最後まで絞り出すくせに、普段の買い物はどんぶり勘定である。全く何をケチっていくら節約しているというのか。

というか、そもそも1人暮らしなのがよくない。自分1人のために風呂に湯を張るのはもったいないという話だ。だから、今日も夕方になると風呂に入ろうかどうしようかと悩む。よし、今日は寒いし風呂に入ろう。たまった洗濯をするのに、残り湯を使うから。言い訳がましいのも歳を取ったせいか。

暮れに指をけがしたことで、洗い物にゴム手袋をするようになった。まさにけがの功名というか、毎年悩まされていた親指のぱっくり割れもないし、お湯を使わなくて済むのが何よりうれしい。せっかちでやせ我慢の上に貧乏性の男の春はまだ遠い。(画家)