月曜日, 3月 2, 2026
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6年間で消費税780万円未払い 障害者相談支援事業でつくば市

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つくば市役所

市町村が実施している「障害者相談支援事業」に対し、全国で消費税の未払いが発生している問題で、つくば市は14日、2018年度から23年度まで過去6年間の消費税780万6020円を、委託先の4事業者に支払っていなかったと発表した。市障害者地域支援室によると、同事業には消費税がかからないと市が誤認していたことが原因という。

今後、市は委託事業者に、修正申告できる過去5年間にさかのぼって18年度までの消費税を支払う。事業者は修正申告し税務署に未納分を納付する。延滞税については税額確定後、市が負担する。

同事業は、障害者福祉サービスの利用方法などについて相談に応じたり、必要な情報を提供する事業で、市は市内の民間4事業者に委託して実施している。23年度の委託費は2000万円ほどで、1事業者当たり平均約500万円。

2011年度までは非課税の事業だったが、12年に障害者総合支援法が施行され、同相談支援事業は消費税の課税対象になった。しかし市は引き続き非課税対象事業として扱っていた。

消費税未払いが全国で発生しているのを受けて国は昨年10月、同事業は消費税の課税対象であること、市町村が民間に委託する場合は委託料に消費税を加えた金額を支払うよう改めて通知した。国の通知を受け、つくば市も消費税未払いだったことが分かった。

通知を受けて市は、税務署に連絡し修正申告について説明を受け、委託4事業者に対し修正申告額の算出を依頼した。再発防止策として市は、国の通知や関係法令の確認を徹底したいとしている。

旧茎崎庁舎跡地にドラックストア開店 「ようやくここまでこぎ着けた」

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オープン初日、カートいっぱいに買い物をしてレジの順番を待つ買い物客たち=ウエルシアつくば小茎店

2010年4月に閉庁になったつくば市小茎の旧茎崎庁舎跡地に14日、ドラッグストア「ウエルシアつくば小茎店」(清水竜也店長)がオープンした。

高齢化が進む茎崎地区で旧庁舎跡地の利活用は長年の懸案だった。跡地の活用検討がスタートしてから市に4回要望書を提出してきた茎崎地区区会連合会の小原正彦会長は「ようやくここまでこぎ着けた。かつて小茎は茎崎の中心部だった。店がまちににぎわいをもたらし生活が便利になってくれれば」と話した。

店舗面積は約1100平方メートルで、調剤と医薬品のほか、日用品、精肉、冷凍食品、介護用品、ペット用品など、スーパーマーケットと見間違う充実した品揃え。朝9時の開店に合わせて多くの住民が入店し、飲料水などを箱買いする客で混雑し、レジの順番を待つ長蛇の列ができた。

茎崎地区にオープンしたウエルシアつくば小茎店の外観

出入り口に近い一角には無料で利用できるコミュニティスペースが設けられた。休憩したり、隣接するバスターミナルの待合所としても利用できる。

3人連れで買い物を楽しんでいた近くの城山団地に住む70代の女性らは「ここなら歩いても15分で来られて便利。オープンを待ちわびていた」と口をそろえた。ベビーカーを押していた近くに住む40代の女性は「いつでも離乳食が買えるのがうれしいし、子どもはすぐに熱を出すので薬局ができて安心」と語り、高齢男性は「店の立地が良く、バスを利用して買い物できるので助かる。欲を言えばお弁当コーナーが欲しい」と話した。

店内に設けられたコミュニティースペース

茎崎地区のスーパーは牛久市に隣接するマスダ茎崎店のみだった。2013年から同市の委託で食品スーパーのカスミが地区内各所で移動販売を行なっている。

誘致計画見直し経て

閉庁した旧茎崎庁舎は2016年に解体され、敷地約2700平方メートルは更地のまま活用方法が検討されてきた。跡地利活用について市は20年8月の住民説明会で、跡地に隣接する茎崎保健センターも同時に解体して一体化し、商業施設を誘致して商業施設内に公共施設を併設する案を示した。住民からは施設誘致に賛成する意見と、茎崎保健センターの存続を希望する声が上がった。

その後、市は方針を見直し、22年6月の住民説明会で茎崎保健センターを存続させ、庁舎跡地に食料品や日用品を販売する小売店を誘致する方向に変更した。同年9月に公募型プロポーザルの候補者選定委員会が開催され、ドラッグストア「ウエルシア」の開業を提案した大和ハウス工業茨城支社と土地賃貸契約を締結した。

一方、行政サービスの継続を求める住民の要望に応えて解体を免れた隣接の茎崎保健センターは、築40年以上経っていることから改修が決まっている。市市民部によると、改修後は会議室や多目的室を備えた地域コミュニティー施設として利活用する方針で設計が進められており、25年度中にリニューアルオープンを目指している。(橋立多美)

◆ウエルシアつくば小茎店はつくば市小茎288。営業時間は午前9時から深夜0時まで。無休。電話029-875-8483。

つくばでハンセン病記録の上映会を開く元教員、村井さとみさん【ひと】

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村井さとみさん=つくば市内

「命が大事にされる社会に」

筑波大学学生の村井さとみさん(58)が15日、つくば市内で、ハンセン病患者と家族の記録映像 上映会を開催する。大阪府泉佐野市で小学校教員を務めていたが早期退職し、昨年4月つくば市に転居してきた。現在、科目履修生として同大情報学群 知識情報図書館学類で図書館の経営や情報について学ぶ。

現場に行き、自分で考えたいと、教職の傍ら、ライフワークとして国内や海外の図書館と、原発、ハンセン病療養所を巡ってきた。小学校教員3年目に自身の身に起こったうつ病と2020年のコロナ禍の経験から、ハンセン病の問題に関心を持ち、患者たちの気持ちを自分ごととして考えるようになった。

上映するのは、東日本大震災直後、いちはやく福島県に入り福島原発事故の放射能汚染地図を作成した放射線衛生学者の木村真三さんが、ハンセン病患者だった親族の存在を偶然知り、記録を探し、過去を掘り起こしていくドキュメンタリーだ。

村井さんは「衝撃を受け、多くの人に伝え一緒に考えたいと思った。ハンセン病への差別や偏見は私たち一人一人の心の中にあり、いろいろな社会問題の根っこにつながり、命を軽視することにつながっていると思う。すべての命が大事にされる社会への一歩として上映会を開きたい」と話す。

うつ病、コロナ禍経験し、孤独や孤立を考えた

村井さんは徳島県出身。愛媛大学を卒業後、中学と高校で理科教員を務めた。結婚をきっかけに退職し専業主婦に。子育てが一段落して大阪の小学校教員に復職した。

学生時代にチェルノブイリ原発事故が起こり、原発に関するさまざまな本を読んだ。子育て中は絵本や児童書に興味をもち、司書の資格を取得した。

小学校教員に戻って3年目。学級崩壊と保護者からのクレームに加え、離婚など家族の問題が重なり、うつ病を発症した。1年近く休職した中、独りぼっちだと感じ、孤独について考え、ボランティアでハンセン病の療養施設に通う友人のことを思い出すなどした。

復職後、東日本大震災が発生。「それまでは本を読むだけで自分の生活を優先していたが、もっと考えないといけない」と、旅先で各地の原発を巡るようになった。

2020年、新型コロナが流行、大型客船で患者が集団発生したニュースが連日伝えられる中、村井さんにも、息苦しさやだるさなどの症状が現れた。学校を休み、検査を受けたいと保健所や病院に電話をしたが、熱が出なかったため断られ、しばらく自宅待機。自分が感染しているのか、いないのか分からない中、迷惑をかけて申し訳ないという気持ちと同時に、孤独と孤立を味わい、かつて本で読んだハンセン病患者の気持ちが分かった気がした。その後は旅先で、各地のハンセン病療養所を訪ねるようになった。

コロナ禍を経験し「人生、何が起こるか分からない」と、教員を早期退職。昨年4月、図書館学の分野で憧れだった筑波大学で学び始めた。つくばに転居後の昨年7月、群馬県草津町のハンセン病の療養所栗生楽泉園があった重監房資料館を訪ねた際、同館で見た学芸員制作のドキュメンタリーに衝撃を受けた。同館からDVDを借りて15日、つくばで上映会を開く。

村井さんは「ハンセン病の歴史を経験してもなお、コロナ禍で差別や偏見があった。立ち止まり、一緒に考える機会になれば」と話し、「上映会を第一歩として、その人がその人らしく、ありのままに生きていける、つながることができる場をつくりたい。大学では、北欧を例に、市民活動の拠点になっている図書館を研究テーマにしており、重なる部分がある」とも語る。(鈴木宏子)

◆上映会「仙太郎おじさん!貴方は確かにそこにいた 蘇るハンセン病患者とその遺族」は15日(金)午後1時~3時、つくば市天久保のBARKスタジオで開催。参加費500円。主催はPlace for lifeー命を守る」。詳しくはこちら

「汚した環境 未来に…」放流体験通し標語 つくばの児童16人表彰【桜川と共に】11

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県知事賞を受賞し、表彰される桜井琴乃さん=つくば市役所コミュニティ棟

県内の小学4年生が河川での体験活動を通して学んだことを標語にする「『水辺に親しむ野外体験学習』標語コンクール」で、つくば市内の小学生16人が県知事賞など5つの賞に選ばれ13日、同市役所で表彰式が催された。

16人は栄小、栗原小、秀峰筑波義務教育学校の4年生で、桜川でフナの稚魚を放流し、体験を通して学んだことを標語にした。今年度は237人の応募があった。

県知事賞に選ばれたのは、栗原小の桜井琴乃さんの「よごしたかんきょう 未来のわたしたちにかえって来る」、つくば市長賞は秀峰筑波の井上結衣さんが作った「フナつかみ 子どもをはなし ふやしてこ」、同市教育長賞は同校の植松瑞希さんの「フナのち魚 全員むれてぼうけんだ」など3句が選ばれた。ほかに県内水面漁業協同組合連合会長賞に3句、桜川漁業協同組合長賞に8句が選ばれ、それぞれ表彰状を受け取った。

県内水面漁協連合会(高杉則行会長)が主催する標語コンクールで、県内の河川や湖沼で実施された漁協主催の「水辺に親しむ野外体験学習」に参加した児童から標語を募る。1996年から始まり、桜川漁協は2005年から参加。桜川流域の小学校に通う児童が毎年夏に体験を行って、学習したことを標語にまとめている。

表彰式には五十嵐立青つくば市長や森田充教育長、県内水面漁協連合会の八角直道専務理事、桜川漁協の鈴木清次組合長らが出席した。

県知事賞に選ばれた桜井琴乃さんは「受賞してびっくり。体験学習で桜川にゴミがあることを知った。水をきれいにしたいと思い、家ではお皿の油を紙で拭いてから洗うようにしている。これ以上汚すことのないよう、私たちが川をきれいにしていきたい」と話した。つくば市教育長賞に選ばれた植松瑞希さんは「受賞してうれしい。フナの放流体験で、魚が群れになって泳いでいくのを見て標語を作った」と述べた。

桜川漁協の鈴木清次組合長は「70年前、桜川は清流だった。魚が群れになって泳ぐ様子を夢にみるくらい。あの頃の清流に戻すためには皆さんの力を借りないといけない」などと話し、児童らの受賞を祝った。県農林水産部水産振興課の土屋圭巳技佐は「今年度は県で309人が屋外学習に参加した。川の環境を守り将来に引き継いでほしい」とあいさつし、児童らに表彰状を手渡した。(田中めぐみ)

郷愁を感じる商店街のアーチ《看取り医者は見た!》15

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写真は筆者

【コラム・平野国美】初めての道を歩いていると、前方に商店街があるとか、ここから商店街に入るのだとわかるときがあります。商店が並ぶさまを見て、自分の中で認識する場合と、ある種の構造物を見て確認する場合です。初めての土地を歩いていて心がときめき、10年ほど前から、そういった「昭和の残影」を探すようになりました。

今回の写真をご覧ください。左は商店街の入り口にあるゲートです。ここをくぐれば、その向こうに何かが待っているような気がして、引き込まれていくのです。あちこちで見ますので、昭和の時代にはかなり設置されていたと思います。その残骸も見つけるときもありますし、取り外されたときにニュースになるゲートもあります。

私はアーチとかゲートと呼んでいますが、法律では「屋外広告物」として扱われ、看板、のぼり、横断幕、アドバルーンなどと同じだそうです。「屋外広告物法」によって、大きさ、高さ、内容(景観に配慮しているか)、設置禁止区域などが条例で定められています。

アーチは各自治体の条例で呼び方が異なりますが、「アーチ」「アーチ看板」「アーチ広告」「アーチ型広告物」などと呼ばれています。「ゲート」「商店街ゲート」「ゲートサイン」といった言い方もあるようです。

「純情商店街」「駅通り商店街」

法律や条例のルール内で制作されるので、奇抜なものは作れないと思いますが、そこは看板職人が腕を振るって制作しているのでしょう。商店街を歩いていると、制作された時代が形態や看板のフォントから感じられます。そして、その土地の風土や文化も感じられます。

左の写真は高円寺純情商店街のゲートです。下にある垂れ幕に「キング オブ コント 14代王者 空気階段 鈴木もぐらさん おめでとう」と書かれています。この街を愛して住んでいる芸人の受賞を祝っているのです。この後、「高円寺芸人」と呼ばれました。

元々、「高円寺純情商店街」という名は存在しませんでした。本当の名前は「高円寺銀座商店街」でしたが、この街の乾物屋の家に生まれた「ねじめ正一」さんの「高円寺純情商店街」が直木賞(1989年)をもらった後、今の名称になりました。風土、文化、サブカルをうまく生かした商店街とゲートなのです。

こんなゲートを近くで楽しみたい方は、常総市にある「水海道駅通り商店街」のアーチが参考になります。右側の写真です。各地にある古典的スタイル、昭和を感じる手書きのフォントなどが見られます。私は時々、夕暮れ時、ここで黄昏(たそがれ)ています。商店街のゲートはなかなか奥深いものがあります。(訪問診療医師)

筑波大で4年遅れの入学式 在校生らが感謝伝える

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式典の最後に同大のメッセージソングを合唱する4年生ら

新型コロナウイルスの感染拡大で入学式が中止となった2020年度入学の筑波大4年生と同大学院2年生のための入学式が13日、同大大学会館(つくば市天王台)で催された。4年前に入学した大学生と大学院生計約4700人のうち約200人がスーツに身を包み参加した。2週間後の3月25日には4年生らの卒業式が催される。

入学式には永田恭介学長や副学長らも出席し、同大管弦楽団の演奏で4年生らを出迎えた。式辞を述べた永田学長は「大学生活最初の年はとてつもなく予想外のものであったはず」と振り返り、「皆さんのコロナ禍での4年間の歩みは無駄ではない。学士としての力を備えているはず。卒業前の2週間に学生生活を振り返ってみてほしい」と話した。

式辞を述べる永田恭介学長

先輩たちに感謝の気持ちを伝えたいと、学生組織「全学学類・専門学群・総合学域群代表者会議(全代会)」が主催した。全代会議長で理工学群社会工学類3年の林凜太郎さん(21)が企画を提案し、昨年12月から本格的に準備を開始した。

式典のあいさつで林さんは「大学1年目で思うような活動ができない中、私たち後輩に対しては、新歓活動や学園祭の運営などを精力的に行ってくれた。そのおかげで充実した学生生活を送ることができている。皆さんの今後のご活躍を祈る」と在校生代表として感謝の気持ちを述べた。

上級生に感謝の気持ちを述べる全代会の林凜太郎さん

同大大学院に進学予定の社会工学類4年の星野明日美さん(22)は「思い描いた以上の入学式で驚いた。行動が制限されていた私たちの学生生活に寄り添った言葉を学長が投げかけてくれていたのが印象的だった」と話した。同大学院に進学予定の理工学群工学システム学類4年、男子学生(22)は後輩からの誘いで参加し「せっかくの機会をいただけてうれしい。初々しい気持ちになった」と語った。

式典の最後に、同大のメッセージソング「IMAGINE THE FUTURE~未来を想え」の合唱も行われた。(上田侑子)

元校長が個展 震災・コロナ禍経て ふるさとへ「祈りのバトン」 

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卒業制作のスクリーンタペストリー「光と空間のイメージ」の前で作品を紹介する沼尻さん=つくば市吾妻、県つくば美術館

沼尻正芳さん

筑波山や板橋不動院などをモチーフに描く画家で、元つくばみらい市立伊奈東中学校校長の沼尻正芳さん(73)による個展「ふるさと・祈りのバトン沼尻正芳展」が12日から、県つくば美術館(同市吾妻)で開かれている。学生時代から現在に至るまで、約56年間の主な作品119点を展示する。開幕初日は100人以上の人が訪れ、作品に見入っていた。

コロナ禍をきっかけに連作したという仏像の油彩画は、油彩ならではの陰影でその迫力を捉えながらも、沼尻さんの温かいまなざしを感じる作品群となっている。沼尻さんは「東日本大震災やコロナ禍を経て、自分にはどうしようもないが、なんとか早く収束してほしいという祈りしかなかった。平和、平常を長くつなげていきたいという思いから個展のタイトルを『祈りのバトン』とした」と制作への思いを語る。

筑波山や地元に自生するヤマユリなどを題材とすることについては「ふるさとに育てられたという思いがある。関連するものを描きながら、ふるさとを大事にしたい、愛する思いを描きたいという気持ちがある」と話す。

17歳の自画像も

17歳の時に描いた自画像や武蔵野美術大学時代に卒業制作したスクリーンタペストリーを始め、つくばみらい市出身の江戸時代の探検家、間宮林蔵を描いた80号の油彩画や、同じく80号で冬の筑波山を描いた「雪景色」など、昨年から今年の新作も展示する。

スクリーンタペストリー「光と空間のイメージ」は麻糸と毛糸で鮮やかに幾何学的な模様を織り込んだ作品で初公開となる。ステンドグラスのように光が透過する縦270センチ、横360センチの大作だ。

沼尻さんは、水海道一高の高校生だった時に絵を始めた。理数系クラスに所属していたが、ある日、美術教師に放送で呼び出され、美術部にスカウトされたことをきっかけに絵を始めた。「放送で呼び出されたときは何か悪いことをしたのかなと。行ってみると美術部にスカウトされて、先生がそう言ってくれるのならやってみようと思った」と話す。武蔵野美術大学造形学部に進学し、卒業後は教職に就いて茨城県南の小中学校で美術教諭を務めた。伊奈東中学校校長を最後に退職した。

去年発足した「つくばみらい市美術作家協会」の代表でもある。2018年から19年にはNEWSつくばにコラム「制作ノート」を執筆していた。沼尻さんは「筑波山などを描いているので、地域の人にぜひ見に来てほしい。子どもたちにも見てほしい」と語った。

会場の様子=同

会場を訪れたつくば市在住の鈴木智子さん(37)は沼尻さんの教え子で、中学校で美術部に所属していた。美術部長を務め、美大に進学した。「しばらく絵を描くことからは離れていたが、先生の絵をグループ展で何回か見て描く気持ちに火が付き、最近また描くようになった。この個展をずっと楽しみにしていた」と話し、作品の作り方やモチーフについて熱心に質問していた。

つくば市在住の野本恵美子さん(65)は、木や石で制作した壺や笛を鑑賞し「ユーモラスな作品があり、おもしろい。友人を連れてもう一度見に来ます」と話していた。沼尻さんは、笑顔のように見える装飾の壺や、丸みを帯びた鳥笛などの造形を紹介しながら「本来の自分が表れているのはこういうユーモラスな作品かもしれない」と語る。つくばみらい市立図書館の元館長で美術評論家の秋田信博さんも「邪心とは無縁の、動物愛護への精神が連綿と伝わってくる」と講評を寄せた。(田中めぐみ)

◆「ふるさと・祈りのバトン 沼尻正芳展」は17日(日)まで。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで)。入場無料。

確定申告をe-Taxで済ませました《ハチドリ暮らし》35

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写真は筆者

【コラム・山口京子】所得税の確定申告をe-Taxで済ませました。4年前の確定申告の際に、税務署でID・パスワード方式の届出をしたのがきっかけです。

年末調整で終了する場合や、公的年金の収入金額が400万円以下の場合では確定申告は不要です。ですが給与を2カ所以上から受け取っている人など、確定申告をしなければならない人がいます。また還付手続きや雑損控除、医療費控除、寄付金控除は年末調整ではできないので確定申告が必要です。

入力を終え申告内容確認票を見ることで、所得税徴収の流れがわかります。最近まで源泉徴収票を見ても所得税がどのような仕組みで徴収されるのかわかりませんでした。

確定申告の流れ

私の場合での、おおまかな確定申告の流れをお伝えします。

①収入金額を入力します:給与所得の金額と源泉徴収税額、雑所得の年金額や講演料の収入額と源泉徴収税額などを入力し、「所得の内訳書」がでます。

②所得金額が自動的に計算されます:▽給与は給与所得控除額が引かれて出ます▽年金は公的年金などに係る雑所得の計算方法によります▽65歳以上の方は年金額が110万円を超えると年金額に応じて所定の計算のもとに所得金額が出てきます▽講演料は必要経費を入力することでその額を引いた金額が所得金額となります。

③所得から差し引かれる金額が出ます(それぞれの控除金額を入力しますが、本人基礎控除の48万円は前もって記載されています):▽年金保険料や健康保険料、介護保険料などの社会保険料控除額▽生命保険料や地震保険料の控除額▽扶養控除、基礎控除など▽医療費の控除額(医療費控除とセルフメディケーション税制からの選択)

医療費控除に関しては、一般的にかかった医療費から10万円を引いた額と言われていますが、正確には10万円または所得金額の5%のどちらか少ない額です。ですので、所得金額が少ない場合は控除される金額が下がるので、自分の所得金額で計算することが大事です。計算方法は「1年間に支払った医療費-保険などで補てんされる金額-10万円または所得金額の5%=医療費控除額」です。

①②から③を引くことで、課税される所得金額と税額がでます。そこから税額控除されるものを引いて、納めるべき所得税と復興特別所得税額が確定します。所得税は超過累進課税で、税率は課税所得金額に応じて5%から45%となっています。

税金は収入にダイレクトにかかるのではないこと、様々な控除があること、社会保険料の額が思った以上に大きいことに気づきました。そして、控除の種類や金額がどういう根拠で決められているのかが気になりました。(消費生活アドバイザー)

次女、入籍する!《続・平熱日記》153

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絵は筆者

【コラム・斉藤裕之】話は半年前にさかのぼる。「次女にだれかいい人いないかなあ…」なんてこぼしていたら、「私なんか、ある日宅配便で彼氏が送られてきましたよ…」。

「?!」。 内容は思い出せないが、彼氏と宅配便という言葉が新鮮で、要は彼氏も宅配されるご時世だということか。しかし、冗談抜きで次女のことで少々気がかりなことがあって、こんな時に男親はからっきし役に立たねえなあ…。

それから間もなく、「彼氏ができた!」という次女からの報告。そして、それからすぐに「結婚する!」という電話。事の次第を簡潔に言えば、次女のアパートにツタが生い茂って困っているという話を飲み屋でしていたら、植木屋だという若者が、それなら俺に任せろと。

すると、次の日に「ピンポン」とその若者がやってきて、ツタを切ってさっさと帰ってしまった。それがきっかけ。いやいや、本当に宅配便の話じゃないけど、まさかねえ。

次女だから書けることもあるのだけれど、次女だから書けないこともある。よくある話ではあるが、分かっているつもりだったのだけれども、次女のことを分かっていなかった、ということが分かったのはそれほど前のことではない。いわゆる多様性の時代と言われる、多様の中のひとりというか。

差し障りないところでいうと、なぜか彼女だけが家族の中でRHマイナスで、足の人差し指が長くて…。飲み屋で、他の客に「植木屋で一番大事なことはなんだ?」と聞かれ、「掃除ですかね」と答えた彼に、掃除のできない次女はしびれたらしい(そのとき彼は植木屋を辞めて無職だったらしいのだが)。

しかし、もうとにかく、もらってくれる人がいれば「どうぞ、どうぞ」というのが私の正直な気持ちで…。

私とではなく地中海旅行

閑話休題。先日、コーヒーを飲みに行きつけのカフェに行こうと思ったら、その日は牛久シャトーのイベントに出店しているというので、寄ってみた。

実は、カミさんは亡くなる前まで、このシャトーの日本遺産登録に関わる仕事をしていたこともあって、無意識にここに来るのを避けていた(というのもご存じのようにシャトーの運営は市の悩みの種でもある)こともあって、来るつもりもなったのだが。しかし、天候にも恵まれ、日本遺産に関係するイベントは朝から多くの人出で賑わっていた。

同じく日本遺産に登録され出店していた笠間のテントブースに、何気なく立ち寄った私は、栗羊羹(ようかん)を見つけた。次女は栗が大好きで、カミさんは面倒くさがりながらも渋皮煮を作ってやっていたことを思い出した。私は次女の結婚祝いにその栗羊羹を買って帰ることにした。

近い将来次女と行こうと約束していた海外旅行は、どうやら私とではなくハネムーンという名目に変わりそうだ。次女はなぜか地中海の国に行きたいという。フランス留学から帰国する直前に、お腹の大きい妻と小さな長女と共に南仏を旅したことを思い出した。

もちろん本人は憶えているはずもないが、そのときお腹の中にいた次女はちょうど30年の時を経て、地中海を臨むことになる。(画家)

原発震災「若い人たちに伝えなくては」 つくば駅前で市民集会

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「さよなら原発!守ろう憲法!」などと書かれた横断幕を掲げ、つくば駅周辺をパレードする参加者ら

震災13年

東日本大震災から13年経った11日、「さよなら原発!守ろう憲法!」と題した市民集会がつくば駅前のつくばセンター広場で催された。東海第2原発の運転差止めを求め住民訴訟を起こしている原告団共同代表の大石光伸さんが登壇し「若い人たちに原発震災の実態を伝えていかなければならない」などと話した。

市民団体「9条改憲NO!市民アクションつくば連絡会」(山本千秋代表)と「『東海第2原発いらない首都圏ネットワーク』つくば」(阿部真庭代表)が主催した。原発と憲法をテーマにした市民集会は震災翌年の2012年3月11日から毎年、つくば駅前で開催されている。市民約60人が「福島を忘れない」「憲法9条は日本の宝」などのプラカードを手に参加した。

ステージでは歌も披露された=つくばセンター広場

大石さんは、岸田文雄首相が原発推進政策に転換したことについて「22年6月の最高裁判決で国の責任を認めない判決が出され、一気に原発にかじを切った流れがある。これに対し私たちがどう闘っていくかが問われている」と話し、「13年前、私たちは日本の原発をなくしていこう、世界の核兵器をなくしていこうと決意したが、若い子は『さよなら原発』でなく『こんにちは原発』と茶化して言う子もいるなど、国の宣伝が強くなっている。今、原発の在り方が根底から覆されようとしており、若い人たちに伝えていかなくてはならない」などと述べた。

さらに「13年前、つくばでも放射能汚染を経験し、当時、3月15日朝、東海村の研究所では高濃度の放射能プルームが通過したことが分かって、国や県に通報したが、国も県も何もしなかった。こういう状態の中で再び原発事故が起きた時、自治体に対応できるだろうか」と問い掛けた。その上で「1月1日の能登半島地震は、再び原発を動かすことに対する自然の警告だと受け止めざるを得ない。原発震災の中では避難などできないことを改めて訴えていきたい」などと語った。

市民集会ではほかに、東海第2原発再稼働の是非を問う県民投票の2回目の直接請求を呼び掛ける「いばらき原発県民投票の会地域支部つくば原発投票の会」共同代表の小林納深子さん、「憲法9条の会つくば」共同代表の石上俊雄さんなど10の市民団体や政党関係者がそれぞれ震災から13年を迎えた思いや課題などを話し、「実質改憲や東海第2原発再稼働の動きに反対する。まともな政治を取り戻すために力を合わせて活動する」などの集会アピールを採択した。

集会アピールを拍手で採択する参加者

続いて「地震津波国の日本に原発はいらない」「古くて危険な東海第2原発は再稼働するな」などのスローガンを訴えながら、同駅周辺約2キロをパレードした。

初めて参加したつくば市に住む村井さとみさん(58)は「昨年4月、大阪からつくばに引っ越してきた。大阪でもデモに参加していたが、大阪に比べると人数が少なく、楽しく、仲良くやっているなと思った。原発や憲法など、いろんな団体が一緒になってやっているところがいいと思う。憲法を守ろうというのは大事なメッセージになると思う」と話していた。(鈴木宏子)

この国の農業をどうする?《邑から日本を見る》155

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荒れ地がまもなく飼料畑に

【コラム・先﨑千尋】政府は先月27日、農政の憲法と言える「食料・農業・農村基本法」の改正案を閣議決定し、国会に提出した。同法の前身は、1961年に制定された農業基本法。経済の高度成長に合わせた法律だったが、99年に、経済と農業・農村の激変に対応するために現行の法律になった。

法の制定から25年経ち、世界では食料争奪が激化し、国内では人口減少が進んでいる。今回の改正は、食料安保の確保を基本理念に掲げ、紛争に伴う食糧危機や地球温暖化、人口減少に対応し、環境と調和のとれた食料システムの確立を目指すというもの。来年度予算の成立後に衆参各院で審議がなされる見通しだ。

改正案では、食料安保を「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ国民一人一人がこれを入手できる状態」と定義している。食料自給率のほか、肥料や飼料など農業資材の確保などを念頭に複数の目標を設定し、達成状況を年に1回調査する。また、環境と調和のとれた食料システムの確立や多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興、水産業及び林業への配慮も条文に盛り込まれている。

では農業の現状はどうか。

同法制定時と比べて、農業の基盤である農地面積は57万ヘクタール(12%)減少し、基幹的農業従事者は234万人から116万人と半減している(23年)。農家の手取り収入となる生産農業所得は3兆1051億円(22年)と、大企業1社の売り上げにも満たない。この間、食料自給率はエネルギー換算で40%から38%にダウンしている(22年)。

この基本法案はわが国の農業のあるべき姿を示しているのだが、掲げている「環境と調和のとれた食料システムの確保」や「多面的機能の発揮」などは、現状がそうはなっていないことを証明しているものだ。どうしてそうなってしまったのかの検証がなされなければ、為政者の希望、願望にすぎない。

農業では食えない現実

国全体の数値や法律のことはさておき、私が住んでいる地域の周りを見てみよう。やはり遊休農地が年々増えており、後継者もいない。イノシシがワガモノ顔に田畑を荒らしている。空き家も増えている。

その根本原因は何か。訳は簡単だ。農業では食えない、生活できないから。弥生時代以来、日本人は全体として米を腹いっぱい食べることを夢みてきた。それが達成できたのが1970年頃。まだ50年前のことだ。喜んだのは束の間。すぐにコメ余りになり、減反政策が始まった。米価もどんどん下がり、農水省の統計でも大幅赤字だ。

変化の兆しもある。すぐ近くで花づくりをしているI君。石岡市八郷地区で有機農業・里山農業に取り組んでいるY君。いずれも農家の出身ではない。2人とも明るい。遊休農地を借りて干し芋用のサツマイモを作付けしているK君。隣町のM農場は、昨年から牛の飼料となるデントコーンを一面に作付けしている。常陸大宮市では、市が率先して有機農業に取り組み、学校給食にも有機農産物を提供している。

県内では農業でゆったりと暮らしている地域もある。鹿行地域や坂東市岩井地区などだ。あちこちの直売所もにぎわっている。ぼやくだけでは何も生まれない。生産者が変わるだけでなく、消費者も変わらなければ、とつくづく考えている。わが国の農業がなくなれば、詰まるところ、国民全体、消費者の皆さんも困るのではないか。法律以前の話だ。(元瓜連町長)

小中学生に野球を指導 筑波銀行野球部 手本見せ、きめ細かく

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子供たちにアドバイスする筑波銀行野球部の選手(右)

関東代表、茨城代表として昨年の国体と天皇杯に出場した強豪の社会人野球チーム、筑波銀行軟式野球部が10日、笠間市の北山グランドで開かれた野球教室で、小中学生を対象に野球を指導した。

同行野球部は東日本大震災後、県内の被災地を中心に北茨城、日立市、大洗町などで野球教室を開催してきたが、新型コロナの影響で中止になっていた。子供たちに野球を指導したのは新型コロナが5類に以降後初めて。

デイサービス事業者のBESLOPE(ビースロープ)が主催し、笠間市近隣の少年団やクラブチームに所属している小中学生計約60人が参加した。

午前の小学生の部は、キャッチボール、ゴロの捕球、正確な送球、走塁の指導をした後に、チームに分かれて打撃を指導した。

筑波銀行の選手(左)から投球のアドバイスを受ける中学生

午後からの中学生の部は、技術力をアップさせるため投手には同行の選手が手本を見せて、ボールの握り、投球ホームなどをきめ細かくアドバイスした。野手には監督がバットを持って指導しながらシートノック、シートバッティング、ベースランニングを行った。

参加した水戸市のサムライベースボールクラブ、村田塁さん(小4)は「筑波銀行の選手が細かい所まで優しく教えてくれて勉強になった。楽しかった」と微笑んだ。笠間市の佐藤志武騎さん(中2)は「レベルの高い選手に教えてもらい良い経験が出来て楽しかった。今日学んだことを6月の中学校の総体に生かして優勝目指し頑張る」と力強く語った。

筑波銀行野球部監督らの話を聞く中学生(手前)

同行野球部でひたちなか市出身(水城高校、常盤大学)の根本拓真選手(25)は「楽しかった。小学生に基本を教えるのは大事なこと。口に出して教えることで自分も改めて基本の大切さを思った。地域の人に支えられているので、恩返しして貢献したいし、子供たちにはこれをきっかけに野球を楽しんで続けてほしい」と話した。(高橋浩一)

今年の高校入試 土浦一受験者が大幅減《竹林亭日乗》14

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雪が積もった筑波山

【コラム・片岡英明】県立高校入試が2月28日にあり、発表は3月12日である。今年は、土浦一高が4学級に募集減、牛久栄進高が1学級増、筑波高が進学コースを設置―などがあり、注目している。

報道によると、土浦一高は募集160人に対して受験が208人で、倍率が1.3倍と高くなった。昨年は募集240人に対して受験283人と1.18倍だったので、倍率は上がった。しかし、受験者は昨年より75人減っている。今回はこの受験者減について考えたい。

土浦一高に附属中学が設置される前の2020年は、320人の募集に対し受験したのは417人だから、今年の受験者は20年の半分である。募集が半分だから受験者減は当然で、その分、競合校の受験が増えたとの見方もある。

そこで、昨年のつくば市在住生徒の県立高進学数を見ると、多い順に、竹園高200人、牛久栄進高129人、土浦二高113人、土浦一高88人だった。ちなみに、この6年間のこれら4校への総志願者数は以下の通りだ。

<定員>
▽2020年まで: 4校とも定員320人           合計1280人
▽2021年:土浦一が中学設置で1学級減280人      合計1240人
▽2022年・23年:土浦一がさらに1学級減240人    合計1200人
▽2024年:土浦一が2学級減160人、牛久栄進が40人増 合計1160人

最近4年で、つくばからの進学者の多い県立4校の定員が120人削減されたことになる。これら定員削減に伴って総受験者数も減少している。

<4校の総受験者数>
▽2019年:募集1280人 受験者1653人 倍率1.29倍
▽2020年:   1280人    1671人   1.31倍
▽2021年:   1240人    1512人   1.22倍
▽2022年:   1200人    1549人   1.29倍
▽2023年:   1200人    1496人   1.25倍
▽2024年:   1160人    1483人   1.28倍

4校の平均倍率は毎年1.2~1.3倍とほぼ一定で、人気校といえる。そういった高校の定員削減によって、受験者が1600人台から1400人台に減少していることがわかる。

志願先変更数からのメッセージ

この受験減から、高倍率の人気校を避けざるをえない受験生の苦労を読み取ってほしい。それは、いったん出願した後の志願先変更にも表れている。

今年の4校の当初志願者数と志願先変更後の差は、竹園16人減、牛久栄進2人減、土浦二12人減(昨年1人)、土浦一14人減(昨年8人)である。

竹園は320人募集に、昨年の395人から40人増加し435人、志願先変更で16人減の419人。牛久栄進は募集が320人から360人に増加したが、受験者が449人から440人に減少。志願先変更では2名減の438人と倍率が低下し、定員増の効果が出ている。

一方、土浦一は募集が240人から160人に削減され、受験者が283人から222人と61名減少。志願先変更でさらに14名減の208人となった。土浦二は320人募集に昨年369人から430人と61人増加したが、志願先変更で12名減少し、418人。土浦一・土浦二の志願先変更数の多さから受験生の声を読み取りたい。

定員削減のために発生した高倍率を避ける動きが竹園・土浦二・土浦一で生まれ、結果として志願先変更で4校の受験者は44人減少した。土浦一には、門を狭めずに地域の伝統校として多くの受験者が集まる魅力ある学校になってほしい。

県には、人気校の定員削減が、全体として今回取り上げた4校の総受験者数の減少につながっていることを理解してほしい。また、受験生がいったん志願した高校を変更するときの心情を受けとめてほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

「勇気を持って次の大きな目標へ」170人巣立つ つくば国際ペット専門学校

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記念写真に笑顔を送る卒業生たち=つくば国際会議場

つくば国際ペット専門学校(同市沼田、東郷治久理事長)の卒業式が9日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で行われた。170人の卒業生を前に高橋仁校長は「今日みなさんは憧れの職業へのスタートラインに立った。勇気を持って次の大きな目標へと立ち向かってほしい」とエールを送った。

同校は1997年にトリミングスクールとしてスタートし、県内初の動物分野の専門学校として2006年に開校した。現在は「ドッグトリマー」「ドッグトレーナー」「ペットケア総合」「愛玩動物看護師」「動物看護福祉」の5コースと、22年4月に開設した日本初となる通信制コース「通信制ペット学科(3年制)」に約450人が在籍している。生徒1人に1頭の子犬がつく「パートナードッグシステム」や、隣接のグループ企業による犬のテーマパーク「つくばワンワンランド」(同市沼田)で実習を積める-などが特色だ。

挨拶に立った東郷理事長は「(在学中に)実際に動物にふれあいながら動物への愛情と根気を身につけられたと思う。胸を張って社会へ巣立ってほしい」と卒業生に祝辞を述べた。

答辞を述べる卒業生代表の沼田美里さん

卒業生代表としてペットケア総合コースの沼田美里さんは答辞で、学校生活を「一瞬のように感じたが、充実していた」と振り返った。「新型コロナの5類移行で、これまで規制されていたイベントが通常通りに行われ、楽しみながら学校生活を送ることができた。入学前の高校生活の大分がコロナ禍によって妨げられ、思うようにいかない生活を送ってきたが、その困難な状況を突破し再び学校という場で学べたことは、未来へ向けて力強く進むことの大切さと、今まで当たり前だと思ってきたことが当たり前ではないことを再確認するきっかけになった。多くの方の支えがあって今日を迎えることができた。私たちに真摯(しんし)に向き合ってくれた方たちに感謝を伝えたい」と力強く語った。

式典では、文部科学省後援によるビジネス能力検定3級と共に、日本国内におけるイヌの品種の認定、血統書の発行とともに、公認トリマー、公認ハンドラー、公認訓練士などの公認資格試験の実施と公認資格発行などを行っている一般社団法人ジャパンケネルクラブの別所訓理事長らから、同法人によるトリマーB、C級、ハンドラーC級、愛犬飼育管理士の合格者へのライセンス授与が行われた。式典の最後には、在学中の思い出を振り返る映像が流され、参加した保護者らからも卒業生に向けて拍手が起こった。

妖しい輝き、密林の宝石を紹介 実験植物園で「つくば蘭展」

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色や形もさまざまなジュエルオーキッド(宝石ラン)約30種の寄せ植え

10日から 500点を実物展示

約3000種の貴重な野生ランを栽培し、世界有数の保全施設として知られる国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保)で10日から「つくば蘭(らん)展」が開催される。同園のコレクションから開花中の野生種約200点に、協力団体が育てた園芸品種など約300点を加え、約500点を実物展示する。また今展の目玉として、熱帯雨林の奥で妖しい輝きを放つ「ジュエルオーキッド」について紹介する。

ジュエルオーキッド(宝石ラン)は、葉がきらめいて見える珍しいランの総称。シュスランの仲間を中心に約800種が知られている。漆器装飾の沈金のように葉脈が際立って見えるものや、ビロードのように葉全体が鈍く輝くもの、斑点や市松模様のようなパターンが浮かび上がるものなど、多様な姿がある。

ジュエルオーキッドのパネル展示。拡大写真が、花に吸い寄せられる虫になった気分にさせてくれる

輝いて見えるのは、葉の表面にレンズ状の構造があり、そこで光が乱反射するからだという。だが、何のために輝くかは明らかになっていない。仮説はいくつかある。森の奥に射し込むわずかな光を効率的に利用して光合成をするため、強い光から葉の細胞を守るため、葉を擬態させて動物や昆虫などの食害から身を守るためーなどだ。網目状のものはクモの巣や落ち葉を模したと言われており、斑点状のものは傷んだ葉に見せかけたという説もある。

「ランの魅力の一つは多様性。世界中のさまざまな環境で暮らしており、生き様によって花の色や形、匂いなどもそれぞれ違う。一つ一つの個性を味わってほしい」と、担当研究員で植物研究部多様性解析・保全グループ長の遊川知久さん。今回ジュエルオーキッドを取り上げた狙いについては「何かにフォーカスすることで、今まで気付かなかった面白さが見えてくる。花とは違って、じっくりと眺めながら微妙な違いを楽しんでもらえると思う」と話す。

遊川さん(左)と鈴木さん

ジュエルオーキッドの展示は、正門を入ってすぐの教育棟が会場。特に約30種を集めた寄せ植えは、ラン科の栽培を担当する技能補佐員、鈴木和浩さんの労作だ。「花でも葉でもきちんとした姿を、この時季に良いコンディションでお見せするのが一番重要なこと。小さいものも大きいものも、よく見るとそれぞれに美しい。その多様性を体感してほしい」と呼び掛けている。(池田充雄)

◆「つくば蘭展」は3月10日(日)~17日(日)、つくば市天久保4-1-1、筑波実験植物園で開催。開園時間は午前9時~午後4時30分(入場は4時まで)。会期中無休。入場料は一般320円、高校生以下と65歳以上は無料。障害者手帳所持者とその介護者1人無料。問い合わせは電話029-851-5159(同園)。

展示に先立ち、植物園ボランティアに解説する遊川さん(右端)

阿見町の茨城大学農学部《日本一の湖のほとりにある街の話》21

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イラストは筆者

【コラム・若田部哲】人はパンのみにて生くるものにあらず。しかれども、パン無かりせばそも生くること能わず。

我々生き物に必要不可欠な食物。阿見町にある茨城大学農学部では、食料の生産・品質の向上改善のための様々な研究がなされています。今回、同大国際フィールド農学センターの小松﨑将一教授に、土浦市・美浦村・阿見町―3市町村連携による、生ごみリサイクルによる地域環境改善と食物生産向上の研究について、お話を伺いました。

地球温暖化対策ならびに廃棄物の抑制は、現代における喫緊(きっきん)の課題となっています。そうした中、土浦市の日立セメントでは、生ごみの発酵処理によるメタンガスなどのエネルギー生産と、発酵残滓(ざんし、残りかす)による堆肥生産を行っています。しかし、この堆肥は栄養成分バランスの偏りという問題がありました。

一方、JRAトレーニングセンターを擁する美浦村では、連日大量の馬糞(ふん)が発生し、この成分の地中への溶脱による水質低下などが問題視されていました。

生ごみ発酵残滓に糞を混ぜる

ここで、阿見町・小松﨑教授の出番です。教授は日立セメントの発酵残滓に、鶏糞・牛糞・馬糞をそれぞれ混合し、その育成効果の研究を行いました。その結果、残滓に対し50%の馬糞を混ぜることにより、コマツナの育成実験において、5.9倍の生育向上という目覚ましい成果を確認したのだそうです。

もともとの発酵残滓は、さらに2次発酵をさせれば肥料としての性能は向上するものの、そのためには新たな設備を追加せねばならず、割高なものになってしまいます。それに対し同研究は、発酵残滓に馬糞という地域資源を混ぜるだけで劇的に肥料効果を高めるという、簡便かつ地域が連携して問題を解決していくという、実に素晴らしい内容です。

実学の極みたる農学のお話は、伺いつつワクワクが止まらない、素晴しいひと時でした。余談ですが、つねづね定年退職したら、改めて大学で勉強し直したいと思っています。芸術をやり直す、経営を学ぶなど考えていましたが、農学も素敵だな…と、新たな悩ましい選択肢が浮かぶ取材となりました。(土浦市職員)

<注> 本コラムは「周長」日本一の湖、霞ケ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。

→これまで紹介した場所はこちら

13カ国49人が巣立つ 日本つくば国際語学院で卒業式

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卒業証書を手に笑顔の卒業生ら(後列)=山水亭

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長)の卒業式が8日催された。13カ国49人の卒業生が出身国の民族衣装などの上に青いガウンをまとい、学士帽をかぶって笑顔で式典に臨んだ。

卒業生の出身国は中国、ネパール、スリランカ、ウズベキスタン、ミャンマー、韓国、イラン、ガーナなど13カ国。卒業式は同校に隣接する料亭、山水亭(つくば市小野崎)で催され、恩師、在校生、関係者らが見守った。卒業後はそれぞれ大学、専門学校、就職とそれぞれの専門分野に進む。

式典では、精勤賞、皆勤賞の表彰に加えて、筑波大学大学院システム情報工学研究群に進む中国出身のウェイ・マンマンさん(24)が難関大学合格者として表彰された。ウェイさんは2年前に来日、市内の産業技術総合研究所で働きながら同校に通い日本語を勉強した。

筑波大学大学院に進む中国出身のウェイ・マンマンさん

日本語でスピーチしたウェイさんは「学校生活は最初、日本語が分からなくて辛かったが、次第にたくさんの国の方と知り合えて良かった。異なる文化を理解し、多様性を認め、異文化に対するお互いの驚きを語り合ったりするのは、文化の成り立ちなどを理解する上で大変良かった」と語り、「現在産総研で人工知能の研究をしている。大学院でもしっかりと勉強したい。将来、日本で仕事をするか中国で仕事をするかは決めていない」と付け加えた。

東郷理事長は「昨年までは(新型コロナによる)水際対策の影響もあり卒業生が6人だったが、今年は49人とにぎやかになった。来年度はすでに71人の入学が決まっており、日本語学校の需要は拡大している。国際化する社会に役立ちたい」と述べた。(榎田智司)

V奪還へ、春季キャンプ始動 アストロプラネッツ 

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ノックを受ける投手陣

プロ野球独立リーグ、ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツ(本拠地・笠間市、フレンドリータウン・土浦市など)が7日、笠間市民球場で春季キャンプを開始し今シーズンに向けてスタートを切った。

2022年に南地区で優勝を果たしたが、昨年は22勝43敗1分けと最下位に終わった。チームの再建を託されたのは22年から投手兼任コーチとして在籍する巽慎悟(たつみ・しんご)監督(37)だ。「昨年は若い選手が多く、開幕当初から苦戦した。特に栃木にはなかなか勝てず、苦手な球団をつくってしまった。今年は昨年からの若い選手プラス新たな新戦力が加わったので、上手く機能すれば昨年の最下位からの巻き返しを図り、優勝を狙える」と話す。「チーム自体もすごく明るいので不安はあまりなく楽しみ」という。

選手の輪に入りミーティングする巽監督

さらに「ファンの皆さんには開幕からシーズン終了、ドラフトまで1年間楽しめる野球、分かりやすい野球、速い球を投げ、遠くに飛ばすスケールの大きな野球を見せていきたい。見に来てくれた子供たちに『独立リーグってすごい』と思わせる野球をしたい」と語った。

巽監督は08年から8年間福岡ソフトバンクホークスでプレーし24試合に登板、その後はBCリーグの栃木ゴールデンブレーブス投手コーチを経て、現在、茨城の選手兼任コーチ。今シーズンも投手兼任としてマウンドに立つ。

選手に指示をしながらノックをする巽監督

キャンプ初日は海外調整組を除く25人が参加した。ミーティング、ウオーミングアップの後に、投手と野手に分かれて練習し、続いて巽監督が自らバットを持ち実践を想定したシートノックを行った。

巽監督は、キャンプでは練習試合を多く入れたいとする。「実戦の中で自分の力をどう使うか、練習試合の中でチャレンジして、成功するところや失敗するところを何回もトライしてもらうのが目的」だ。

ブルペンで投げ込む浅野投手

昨年チーム最多となる44試合に登板した浅野森羅投手(25)は「昨年はいろんな経験をさせてもらった。右打者に対してインコースを責めきれず打たれることが多かったので、今年は真っすぐのスピードと、右にも左にも強気にインコースに攻めていきたい。自分のピッチングで打撃陣に勢いが付き、火が付くような流れをもってこられるようなピッチングをしていきたい」と抱負を語った。

昨シーズン途中からキャプテンとしてチームを引っ張り全試合に出場した坂東市出身(守谷高校)の滝上晶太外野手(22)は「全てにおいて昨年以上の成績を残し優勝してNPB(プロ野球)入りを目指したい」と意気込みを話した。

打撃練習をする滝上選手

今年のスローガンは「奪取 DASH」。 優勝しドラフト指名を目指し駆け抜ける意味が込められている。

笠間でのキャンプは4月1日まで。翌3、4日は遠征し練習試合を行う。開幕戦は4月6日、埼玉県のレジデンシャルスタジアム大宮で埼玉武蔵ヒートベアーズと対戦する。ホーム開幕戦は翌7日、ノーブルホームスタジアム水戸で、神奈川フューチャードリームスと対戦する。(高橋浩一)

集合写真(海外調整組は不在)

63カ所にミモザ彩る 国際女性デーに関彰商事

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黄色いミモザとラナンキュラスのアレンジメントを前に笑顔を見せる同社総務部の斉藤弘美主任=つくば市二の宮、関彰商事つくば本社1階受付

ジェンダー平等社会の実現願い

3月8日は国連が定める「国際女性デー」。各地で女性の生き方や地位向上について考えるイベントが催される。ジェンダー平等社会の実現を願って関彰商事(本社・筑西市、つくば市、関正樹社長)は同日、県内外63カ所の拠点や店舗に、黄色いミモザの生花を使ったフラワーアレンジメントを飾っている。ミモザは国際女性デーのシンボルとして親しまれている。

国際女性デーの趣旨に賛同し2021年からスタートした。ミモザの装飾は今回で4回目になる。飾っているのはつくば本社(同市二の宮)、東京事務所(千代田区)など9拠点と、グループ会社の自動車販売店「メルセデス・ベンツつくば」(同市研究学園)、「ポルシェセンターつくば」(同市学園の森」のほか、ガソリンスタンドや携帯電話ショップなど54店舗。

総務部の斉藤弘美主任は「彩り豊かなミモザの姿を通して、女性の活躍を願う人が増えるとうれしい。花がある空間は社員同士の会話のきっかけにもつながる」と話す。

同社は女性活躍推進の一環として、女性の積極採用や職域の拡大、管理職登用などを行っており、現在女性役員が2人、女性管理職が21人いる。このほか、子どもの授業参観や体調不良のため年3回の特別有給休暇や有給取得推奨日を設けて社員の有給取得を促すなど福利厚生の拡充も図る。女性社員の育児休業取得率、休業後の復職率はいずれも100%で、女性全員が復職する一方、女性に比べると男性の取得率は少ないという。

斉藤主任は男性の育児休暇の取得率の向上を目標に掲げ「男性社員の取得率の増加が女性の子育ての負担軽減と働きやすさにつながり、おのずとジェンダー平等社会の実現に結び付くと思う」と期待する。 

国際女性デーは1904年、米国で女性労働者が婦人参政権を求めてデモを起こしたことが起源とされており、75年に国連が制定した社会参画と地位向上を願う記念日。イタリアでは女性へ感謝の意を込めてミモザの花を贈る習慣があることから「ミモザの日」とも呼ばれている。(泉水真紀)

マルハラと言葉の豊かさ《遊民通信》84

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【コラム・田口哲郎】

前略

昨今、マルハラなる言葉が世間に流通しています。若者がLINEなどで、文末に句点の「。」をつけるのをためらい、つけられて送られてくると威圧感を感じるというもの。たとえば、やりとりの中で「わかりました。」と送ると、キッパリと言っているように思われて、怒ってるのかな?と心配されることのようです。マルハラと受け取られないように、「わかりました〜」とか「わかりました(^^)」などとソフトな印象を与える必要があるようです。

でも、文末につける絵文字に気をつけて、顔文字を並べすぎないようにしないと、おじさん構文と言われます。「おっけー!!わかったよ〜(^^)(^^)(^^)/」などとついつい過剰に飾り立ててしまうと、若者に揶揄(やゆ)されるのです。オジサンなので、末尾をデコってユルい雰囲気をかもし出したくなる気持ちはよくわかるのです。

あまりに素っ気ないとハラスメントと言われ、マルハラを回避すべく無理してテンションを上げるとオジサンぽいと言われる。どうすればよいのだという気持ちになります。

これは、日本人の繊細さが引き起こすものだとか、若者のナイーブさはいつの時代も変わらないとか、オジサン、オバサンを茶化(ちゃか)す文化は今に始まったことではない(たとえばオバタリアンの強烈なキャラクターやサラリーマン川柳の自虐のセンス)とか、理由はさまざま考えられるし、言おうと思えばなんとでも言える気がします。そしてマルハラについて何を言おうと言い古されていることの繰り返しになるでしょう。

効率化がまねく、文章の簡素化

ひとつこうした現象について思うのは、いくらコミュニケーションツールが変わっても、人間同士の意思疎通の基本は変わらないのだなということ。そして、意思疎通の表現が簡素化されて言わば貧弱になっているということです。

文末に「。」をつけるかつけないか、というミニマリズムが極まるまでに、効率化が進行しているのではないでしょうか。飾り立てることはできても、これ以上は削れないレベルで選択を迫られる。他人と関わることを省エネするために言葉を簡単にしてしまったら、最後に句点の有無にまできてしまった。

紙の手紙ならば、文末につける決まり文句は多彩です。たとえば「時節柄、どうぞご自愛くださいませ」。手紙のやりとりではよく書きますが、LINEの了解伝達ではなかなか書かない文句です。できるだけ用件のみを伝えようというのではなく、相手を思いやる気持ちが定型ながら込められています。

そうすると、「。」で締めくくられていても、マルハラだ!とはならない。心の栄養みたいなものをきちんとつけてあげれば、ひもじくはない。人間の気持ちはカンタンに済まそうとしても思い通りにはならないようにできているようですね。

ごきげんよう。

(散歩好きの文明批評家)