日曜日, 5月 11, 2025
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激しい渋滞、解消策は? 筑波山神社初詣にぎわう

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初詣でにぎわう筑波山神社山門

【鈴木萬里子】つくば市筑波の筑波山神社は正月三が日、大勢の初詣客でにぎわいをみせた。例年約20万人が参拝に訪れ、人出は笠間市の笠間稲荷神社、鹿嶋市の鹿島神宮に次ぎ県内3番目の多さだ。車の渋滞が激しく、車列が長く伸びることでも知られる。何とかならないだろうか。

今年も元旦のみ筑波山ケーブルカー・ロープウェーが早朝運航し、山頂から初日の出を拝もうと、多くの参拝客が押し寄せた。特に女体山山頂から見る日の出の美しさ、神々しさの人気が高い。夜半過ぎの3時頃から暗闇の中を登山する人々も多かったという。

神社境内は破魔矢・鏑矢(かぶらや)、熊手などの縁起物を買う参拝客で混雑した。拝殿前のさい銭箱は昨年まで3つだったが、今年は2つ増やして5つ設置し参拝場所を広くした。拝殿前の混雑がかなり解消され、静かに手を合わせる人々の姿が見られた。拝殿では祈とうを受ける人の長い列ができていた。

土浦市の緒方仁恵さんは東京に嫁いだ娘の田中千恵さん一家ら6人で初詣に訪れた。「久しぶりに参拝に来ました。やはり筑波山神社は立派ですね。でも夫は渋滞でまだ駐車出来ないので車の中です」と少し不安気に話した。

市営駐車場は第1~第4まで計450台が駐車可能だ。そのほか神社付近には民営の駐車場も多い。だが三が日で20万人近くが参拝するので到底間に合わない。特に神社近くの民営駐車場は朝7時にはいっぱいになった。駐車できず参拝を断念する人もいるという。「駐車場に入るのに2時間も待った」とこぼす人もいた。

境内でお守りを選んでいた横浜から訪れた佐藤和夫さん(58)恵美子さん(57)夫妻は「以前から来たいと思っていた筑波山神社に参拝出来て今年は良い年になりそう。来る時すごい渋滞だったけど、今度は帰りの車が渋滞するのかしら」と不安気な面持ちで帰路についた。

正月三が日だけではなく11月の七五三参りも渋滞の激しさは知られ、「朝家を出て参拝し帰宅すると夕方」という話もよく耳にする。麓の広い場所を駐車場にして、バスでピストン輸送するなどの対策を講じてはいかがだろうか。

筑波山神社境内=1月3日

空き店舗につちまる登場 常総学院高生、シャッターに描く 土浦

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空き店舗のシャッターにマンガ風に描かれた絵=28日、土浦市中央1丁目

土浦市中央1丁目の空き店舗で、地元の常総学院高校美術部員によるシャッターアートが完成間近だ。市のイメージキャラクター「つちまる」を主人公にした5コマの作品がお目見えする。

この取り組みは、景観に彩りとにぎわいを生み出そうという市の「中心市街地シャッターアート事業」。賛同した同高美術部員7人が筆を執った。

シャッター4枚の”キャンバス”には、つちまるがプレゼントの箱を見つけて中身が何かを考えて楽しむ物語が描かれ、花火やカレーも登場する。1年深澤透矢さん(16)が中心になり考えた。「多くの人に立ち止まって見てもらえるようにマンガ風にした」という。

制作は26日から下地塗りや下描き、着色とていねいに作業を進めている。顧問の榎本篤教諭によると「シャッターに絵を描くことは部員全員が初めてなので凹凸をきれいに塗るのに苦労していた」という。

1月中に完成予定。部長の2年清水凛さん(17)は「自分たちの絵で土浦が明るく、にぎやかになることを願っています」と話した。(谷島英里子)

シャッターに絵を描く常総学院高美術部員ら

「豊かな正月迎えて」 一人暮らし高齢者におせち配布 土浦市社協ボランティア

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おせち料理を受け取る女性㊧=土浦市内

一人暮らしの高齢者らに豊かな正月を迎えてもらおうと、土浦市社会福祉協議会は28日、手作りしたおせち料理を市内148世帯に届けた。今年で22年目を迎えた年末の恒例行事で、高齢者の安否確認を兼ねている。

この日は、午前8時30分ごろから同市大和町の市総合福祉会館に、日ごろ宅配や会食を実施している食事サービスボランティア8団体36人が集まり、紅白のなますとレンコンのきんぴらの2品を1時間ほどかけて調理した。

ほかに、栗きんとん、だて巻き、かまぼこなどが詰まったおせちを、市内の小学生が「いつまでもお元気でいてください」と書いたイラスト入りの包装紙で包み、ボランティアが高齢者宅に配送した。

おせち料理を受け取った女性(86)は「早速、正月の用意ができた。良い年が迎えられそうです」と喜んでいた。

この配布は1世帯400円で、今年度の歳末たすけあい募金の一部を活用しているという。(谷島英里子)

おかずを盛り付けるボランティアたち=土浦市大和町の市総合福祉会館
小学生が描いたイラスト入り包装紙

いぬ年は愛犬連れて初詣に 木造犬前に赤い鳥居 つくばわんわんランド

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真っ青な冬空の下、鳥居清祓(きよはらい)の儀式に参列する関係者と犬たち=つくば市沼田、つくばわんわんランド
巨大な木造犬の前に設置された赤い鳥居

来年のえとは戌(いぬ)。戌年には愛犬を連れて鳥居をくぐり初詣気分を味わってもらおうと、筑波山の麓にある犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田)に赤い鳥居が設置された。

高さ11mの巨大な木造犬の展望台「モックン」の前につくられ、「わんわん神社」と名付けられた。戌年の来年1年間、設置される。

28日、筑波山神社の権禰宜(ごんねぎ)大久保賢一さんにより鳥居を清める清祓(きよはらい)の儀式が行われた。関係者が参列する中、犬たちも仲間入り。世話係と一緒のせいもあって、どの犬も騒ぐことなく神妙な様子で式の進行を見守った。上着が銀色で、袴(はかま)が金色と和服姿のいでたちのゴールデンレトリバーも参列し、その愛くるしさに見学者らから「かわいい」との声が上がっていた。

栃木県小山市の斉藤公孝さん(62)、世恵子さん夫妻は、娘の未来さんとペキニーズの愛犬こたろー君と来園。「今回が3回目。来年が戌年なので遊びに来た。たまたま来たら式が見られてラッキーでした」と笑顔に。式終了後に参拝し3人揃って鳥居の前で記念撮影をしていた。

つくばわんわんランドは1996年に開園し今年で21年目の体験型テーマパーク。園内には犬や猫500頭が揃い、県内を始め近隣県からの来場者を楽しませている。(鈴木萬里子)

おしゃべりで笑顔に つくば市宝陽台

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たくさんの住民が集い、おしゃべりを楽しんだ=つくば市宝陽台、宝陽台公民館

つくば市宝陽台、宝陽台公民館で2カ月に1回、「おしゃべり・ひろば」(高橋幸子代表)が催されている。

宝陽台は高齢化率が高い茎崎地区にあり、555世帯1,300人が暮らし、自治会活動が活発な住宅地。「ひろば」は自治会活動の一つで、住民同士の親睦を図るおしゃべりがメーンの楽しい会だ。会費は200円でケーキや茶菓子が付く。おしゃべりの合間に毎回オカリナ演奏や日本舞踊などのアトラクションが用意され、華やかさが加わる。

会を運営するスタッフは女性8人、男性5人の13人。自治会の役員を一緒にやった仲間たちで会を立ち上げた。コーヒーカップなど全てスタッフが持ち寄り、ランチョンマットも手作りした。壁に飾ってあるタペストリーは、スタッフの田中みどりさんの91歳で亡くなったお母さんの作品。会場の雰囲気を温かく包んでいる。

12月の会はクリスマスバージョンで行われた。玄関のクリスマスツリーに始まり会場はクリスマス一色、スタッフも工夫した格好で盛り上げる。30人参加の回もあるが、今回は50人もの住民が集った。

この日のアトラクションはスタッフによるギター、キーボード、サクソフォンの「おしゃべりバンド」。クリスマスソングを中心にサクソフォンのソロ2曲があり、計8曲を参加者全員で楽しく合唱した。参加者の新井暁美さんは「皆さんとおしゃべりして、楽しい思いをさせてもらっています」と笑顔に。最後に恒例のじゃんけん大会が行われた。スタッフ持ち寄りの景品で会は大いに沸いて、あっという間の2時間が終了となった。(鈴木萬里子)

スタッフによるおしゃべりバンドの演奏でクリスマスソングを歌う住民ら

つくば市がワイン特区に認定

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つくば市内のワイン用ブドウ畑(つくば市提供)

つくば市が「つくばワイン・フルーツ酒特区」に認定された。小規模な施設でも醸造・販売ができるようになり、新たなワイナリーの建設が期待される。同特区の認定は県内で初めて。

筑波山周辺の花こう岩が風化した土壌はワイン栽培に適していること、民間による遊休農地を活用したワイン用ブドウ栽培が市内で2012年から始まっていることなどを生かして、新たな特産品をつくり、農業や観光業を活性化するのが狙い。

9月29日、国に申請し、12月26日付けで認定された。認定により酒類の製造免許を申請する際の最低製造数量の基準が、ワインの場合6000ℓから2000ℓに緩和される。

市内には現在ワイン用ブドウを栽培している農家が3件ある。そのうち規模が小さい「ビーズニーズヴィンヤーズ」(同市神郡、今村ことよさん栽培)と、「つくばヴィンヤード」(同市栗原、高橋学さん栽培)の2カ所が今回の規制緩和の対象になるという。

将来は県内一の栽培面積があるブルーベリーを活用したブルーベリー酒などの特産品開発も期待されるという。(鈴木宏子)

7万4000人が来館 土浦市立図書館オープン1カ月 貸出者・冊数2倍、新規登録27倍に

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11月27日のオープン以降、毎週末にさまざまなイベントが開かれているアルカス土浦=12月24日

土浦駅前に市立図書館・市民ギャラリー「アルカス土浦」がオープンして27日で1カ月になる。24日までの入館者数は図書館が6万3004人、ギャラリーが1万1000人の計7万4004人。市の人口(約14万人)の半分が来館した計算になる。開館日の1日平均入館者は約2800人。移転前の旧図書館と比べると本などの貸出者数・貸出冊数がいずれも2倍に増え、新規登録者は27倍に増えたという。

入沢弘子館長は「(文京町にあった)旧図書館は本を借りたい人、見たい人に利用が限定されていた。児童書コーナーも3階にありエレベーターが無かったのでベビーカーを押す人たちは利用しにくかった。駅前になり、ベビーカーを押す若い人たちやスーツ姿のビジネスマンなど、これまでなかった利用者層が増えた。夕方は、土浦は高校生がこんなに多いのかと思うくらいたくさん来る。駅前のにぎわいづくりに役立っている施設であることを実感している」と1カ月間を振り返る。

95席ある4階学習室は午後3時以降は高校生などで連日ほぼ満席となり、最大100席ある隣接の研修室を開放しているという。冬休みに入ってからは図書館で静かに勉強する小学生も目立つ。2階児童書コーナー奥の「おはなしのへや」で催されるお話し会も人気で、90人近くが集まったこともあった。新たにスタートした託児サービスの利用者からは「子供が生まれて初めてゆっくり雑誌をめくる時間がとれた」などの感想が寄せられたという。

イベントも好調で、9日催した人気の装丁家、鈴木成一さんのトークライブは約120人の参加者でいっぱいになった。同イベントでは初めてマイクを使用し、にぎわいをつくる場所であることを印象付けた。

利用者の評価も上々だ。4歳の長女を連れてお話し会に参加したという近くに住む薬剤師の女性(39)は「長い時間じっとしていられない子だが、お話し会はじっと聞いている。紙芝居も読みたいと言い出すようになった」と子育てへの好影響を話す。

駅周辺に住む高齢者が通う生きがい対応型デイサービス施設「いきいき館たいこ橋」(同市川口、モール505内)の坂本繁雄館長(59)は「利用者の何人かから『便利でいいよ』という話をよく聞く。今まで高齢者がゆっくりできるスペースがなかった」と語る。

入沢館長は「今年度中は館内のサービスを検証し、体の不自由な人や子ども連れの人たちがもっと利用しやすくなるよう、案内表示や本の並べ方、展示の仕方などを含めて見直し、軌道に乗せたい」と話す。毎週末続くオープニングイベントが一段落する来年度からは「土浦ならではの特徴を出して、図書館から街中にもっと足を運んでもらえる仕掛けをつくっていけたら」という。

街中の反応はさまざまだ。関東最大級の25万冊以上の蔵書がある近くの古書店「つちうら古書倶楽部」の佐々木嘉弘代表(63)は「図書館を利用したお客さんが立ち寄ってくれるなど、初めて来店するお客さんがぽつぽつ来てくれるようになった」と話し「せっかく駅前に図書館ができたので本のまち土浦をアピールできたら」と語る。

一方、経済効果はまだのようだ。中心市街地でつくだ煮店「箕輪」を営む箕輪真澄さんは「(図書館オープニングイベントの一つで街なかを巡ってもらうための)スタンプラリーの利用者がほとんどおらずまだまだPR不足だと思う。駅前に塾や飲食店は増えたが買い物ができる場所がまだ少なく、(図書館ができても)中心市街地としてはまだ物足りないのではないか」と指摘する。(鈴木宏子)

入沢弘子館長

「プレゼン力、活動に生かして」 つくば市民大学で最終講座

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質疑応答では活発な意見が飛び交った(左端が徳田さん)=つくば市東新井のつくば市民大学

12月末で活動を休止するつくば市民大学の最終講座が24日、つくば市東新井、同大学で開かれた。最後の講座は、市民活動に携わる人らがプレゼンテーションの基本技術を学ぶ「市民活動のプレゼン術」。市内外から参加した42人がワークショップを通じて、効果的な伝え方について理解を深めた。

同大学を運営する市民団体「ウニベルシタスつくば」の徳田太郎代表(45)が講師となり進行した。参加者は2021年に再会したという設定で、「今何をやっているか」を聞きあったり、自分の活動を「キーワード(印象に残したい言葉)シート」を作って紹介したりするワークショップを行った。その後の質疑応答では「話が長すぎるのを改善したい」「緊張しないためにはどうすればよいか」などの問いが活発に飛び交った。

徳田さんは、プレゼンテーションについて「論理と感情の両方がそろっていることが大切」と強調。「お金もない、(人の)数も少ない中で、私たちが地域や社会で何かをするには言葉の力を磨くしかない。論理と感情を兼ね備えた言葉の力を紡ぎましょう」と呼びかけた。

参加した認定NPO法人「リヴォルヴ学校教育研究所」スタッフの北村直子さん(40)は「プレゼンテーション技術を一方的に教わるのではなく、その前に押さえるべき核を体感させてもらった」と述べ、「つくば自立生活センターほにゃら」事務局長の斉藤新吾さん(42)は「実戦形式で分かりやすかった。つくば市民大学には今年から行くようになったが、ふだん出会うことがない人と意見交換でき、いろんな視点が学べたので、休止は残念」と惜しんだ。

つくば市民大学は2009年4月に開校。これまで多様性、持続可能性などをテーマに参加・体験型の1220講座を開講し、のべ1万2千人が受講した。徳田さんは「地域や社会の課題解決に向け、具体的な動きにつなげたいと思って運営してきた。地域でいろんな活動をする人同士がつながり、新しい展開が生まれるきっかけが作れたのでは」と9年間を振り返った。(大志万容子)

クレオ再開いつに? 来年2月以降完全閉店 「売却可能性ゼロでない」 議会が財政負担を決議

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西武に続き来年2月までにイオン駅前店の撤退が決まったつくば駅前のクレオ。年末恒例だったクリスマスツリーも今年はない

つくば駅前の大型商業施設クレオ(つくば市吾妻)から来年2月までにイオンつくば駅前店が撤退する。今年2月末の西武筑波店に続く相次ぐ撤退となり、科学万博が開かれた1985年にオープンしたクレオは後継店が決まるまで完全閉店となる。クレオを運営する筑波都市整備(同市竹園)によると西武撤退から10カ月が経ち現在も後継店の誘致を続けているが、再開の見通しはまだ立っていない。クレオ再開はいつになるのか。

クレオ2階では現在、専門店8店も営業している。同都市整備によると8店は来年1月末にそろって撤退する。そのうち呉服店「さが美」は隣接の商業施設キュートに移転、残り7店はキュートへの移転も含め交渉中という。

■引き合い7割も断念

西武が撤退を発表したのは2016年8月。同都市整備は直後から後継店の誘致活動を続けてきた。まず全国規模で展開する百貨店を対象に誘致をしたが難航。続いて家電量販店や家具店などフロア単位で入居する大型店の誘致を行った。入居を希望する大小それぞれのテナントから引き合いがあり、何社かと交渉も進めた。

しかし「(面積の)7割程度の引き合いがあったが、維持管理費などコストを考えると赤字になる」などの判断から再開を断念したと、同都市整備の糸賀徹総務部次長は説明する。「賃料など条件が合わないところもあった」という。

建築から32年経ち設備の老朽化も指摘されている。イオン駅前店店長は閉店に関する顧客からの問い合わせに「開店後32年を経過し、建物や各施設自体に老朽化が進んでいる」(12月18日付け回答)とも言及した。

これに対し同都市整備は「設備の故障や修理はその都度、対応している」とし、設備の更新については「後継店が決まったら投資するが、今のところ見えないのでどうするとは言えない」と話す。

■市が公共施設を

15日閉会したつくば市議会12月議会最終日、クレオなどの再生に市が施策を講じることを求める決議が採択された。多くの市民からクレオ再生を望む声が寄せられ、中心市街地に図書館の拡充や子育て関連施設など公共施設の整備を求める声が高いなどとして①市がクレオ内に公共施設を整備するなど一定の財政負担をする②同都市整備などに拙速にものごとを運ばないよう申し入れることを求める内容だ。背景にクレオ売却への懸念があったとされる。

同都市整備の糸賀次長は売却懸念に対し「建物が大きいので固定資産税などかなりの経費が掛かっている。いつまでも後継テナントが決まらないと支えきれないし、持ちきれない」とし「今後引き続き後継テナントを当たって目途がつかない場合、(売却の)可能性もゼロではない」と語る。

一方で決議に関しては「(市と)できるだけ協議したい」とし前向きに応じる意向だ。ただし7割の引き合いがあっても採算見通しが立たなかったことを考えると、市との協議がすんなり進むと見通せる話ではないのが実情だ。(鈴木宏子)

イブに2組が届け出挙式 土浦駅前、図書館屋外階段

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参列者に指輪を見せる新郎の坂靖明さん、新婦のさやかさん。右は挙式を執り行った中川清市長

クリスマスイブの24日、土浦駅前に先月末オープンしたばかりの市立図書館・市民ギャラリー「アルカス土浦」屋外階段(ステップガーデン)で、2組のカップルの届け出挙式が催された。中川清市長が式を執り行い、両親や友人らが見守る中、2組は永遠の愛を誓い合った。市役所に婚姻届けを提出した後、市が10分程度の簡単な挙式を行う届け出挙式の開催は県内で初めて。

坂靖明さん(29)、さやかさん(26)と、畑仲淳爾さん(38)、恵さん(34)の2組。それぞれ中川市長の面前で指輪の交換や宣誓書への署名を行い、市から花束と市のイメージキャラクター「つちまる」のぬいぐるみがプレゼントされた。図書館利用者やイベントの参加者などが立ち止まって、2人の門出を祝福した。

坂さん夫妻はいずれも地方公務員。挙式費用がかさむこと、準備が追いつかなかったことなどから結婚式を諦めていた矢先、市広報誌で届け出挙式を知り応募したという。2人は「大勢の人に祝福していただいて心からうれしい」などと話していた。

挙式の後、2組は隣接の市役所前うらら広場で開催されていた音楽ライブに参加し、大勢の祝福を受けた。

結婚情報誌「ゼクシィ」の協力で実施した。中川市長は「話を聞いたときはびっくりしたが、やってみるといいですね。オープンして間もない時期にできてよかった」などと話していた。(鈴木宏子)

土浦駅ビルがサイクリングリゾートに 日本最大級、ホテルも 来春第1弾オープン

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JR土浦駅ビル「ペルチ土浦」
1階入り口イメージ図(PLAYatre TSUCHIURA PR事務局提供)

JR土浦駅ビル「ペルチ土浦」(同市有明町)が来春、日本最大級の体験型サイクリングリゾートに生まれ変わる。レンタサイクル、サイクルカフェなどのほか、県内の人気店を集めたフードマーケットやホテルなどが次々にオープンする。

全長180㎞のサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」のスタート地点にあることを生かし、従来の駅ビルの枠を超え、ライフスタイルの発信や体験の提供に軸を移した新しい駅ビルになるという。JR東日本の子会社で同駅ビルを運営するアトレ(東京都渋谷区)が22日発表した。

駅ビルの新名称は「PLAYatre TSUCHIURA(プレイ・アトレ・ツチウラ)」で、第1弾として来年3月29日、核施設となる「りんりんスクエア土浦」が1階と地下1階にオープンする。1階にサイクルショップ、レンタサイクル、洗車・修理コーナー、地下1階にシャワー、ロッカーなどを備えた施設で、延床面積は計約959㎡。県が設置し、アトレが指定管理者として運営にあたる。整備費は約3億1700万円(県と土浦市が2分の1ずつ負担)。

駅直結の本格的サイクリング拠点施設は全国初で、サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポット、サイクリングコース、街の楽しみ方などの情報を提供する。

1階にはほかに、イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」と、コーヒーチェーン店「タリーズコーヒー」によるサイクリングカフェがオープン。コンビニ、ドラッグストアなども開店する。

第2弾として来年11月、人気飲食店の企画・運営を手掛けるバルニバービ(東京都台東区)が、2~3階北側に「ステーション・ロビー・ツチウラ」を出店。学びや体験を充実させたカフェ、レストラン、クッキングスタジオなどを開く。

第3弾は2019年5月、2階南側に、地ビールや日本酒、パン、スイーツなど地元茨城の人気店を集めたフードマーケットがオープンする。

第4弾は19年秋以降、3~5階に、サイクリングを気軽に楽しむ人のためのカジュアルなホテルが誕生する。

土浦、つくば市など地域住民や駅利用者のほか、1000万人いるといわれる全国のサイクリング愛好者、アジアやヨーロッパなど海外のサイクリング愛好者の利用を想定しているという。

ペルチ土浦は地下1階地上6階建て、延床面積は約1万7400㎡。(鈴木宏子)

1階サイクルショップイメージ図
1階フロアイメージ図

新たに3カ所が落下の危険 筑波大渡り廊下 通行禁止に

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「通行禁止」のバリケードが立てられた筑波大学平砂学生宿舎8号棟~9号棟間の渡り廊下。所々にさびが目立ち、専門外の人間が見ても老朽化していることが一目で分かる。宿舎の掲示板には連絡通路通行止めに関する告知書が貼られていた=21日夕

筑波大学(つくば市天王台)で連絡通路(渡り廊下)の屋根が崩落した問題で、同大は21日の定例記者会見で、落下の危険がある渡り廊下が新たに3カ所で見つかったと発表した。いずれも18日に通行禁止にしたという。

3カ所は▽平砂学生宿舎8号棟~9号棟間の渡り廊下(1975年施工)▽同宿舎10号棟~11号棟間の渡り廊下(同年施工)▽医学エリア4B棟~4C棟間の渡り廊下(2005年施工)。平砂宿舎の2カ所は、10日に崩落した人文社会学系棟などがある第1エリアの連絡通路屋根と同じ42年前に建築された。医学エリアは建築後12年しか経っていない。

いずれも建築基準法が定める3年に1回の定期点検が必要な施設の対象外とされ、これまで特に定期点検は行われなかったという。10日に起きた連絡通路屋根の崩落事故を受けて、構内の連絡通路全77カ所を12日から緊急点検したところ、問題の3カ所でボルトがさびていたり、接合部にすき間が見つかったため通行禁止にした。

一方、10日に屋根が崩落した通路については、屋根の解体・撤去工事や通路破損箇所の修理が終了し、20日から再び通行できるようになった。

同大では今後さらに、連絡通路全77カ所の調査を外部の専門業者に依頼することを検討している。(崎山勝功・ラヂオつくば特約記者)

 

爆発予告に一時騒然 ヤマダ電機つくば店、YOUワールド客ら全員避難 不審物発見されず

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パトカーや消防車が集まり一時騒然となったヤマダ電機とYOUワールド駐車場=21日午後2時ごろ、つくば市下原

21日昼ごろ、つくば市下原、家電量販店ヤマダ電機テックランドつくば店に、爆発予告があり、同店と隣接の温浴施設、つくばYOUワールドの利用客が全員敷地から出て避難するなど一時騒然となった。つくば中央署によると不審物は発見されず、同日午後3時ごろ避難は解除となった。けが人などはなかった。

同署によると、同電機店からの通報を受けて警察官が駆けつけ、同店と隣接の温浴施設の客を敷地外に避難誘導した。さらに約70人態勢で店内や敷地内で不審物を捜したが、不審物は何も見つからなかったという。

同日昼過ぎ、同店駐車場にはパトカーや消防車両などが集まり、警察官や消防署員らが店内や敷地内のあちこちを行き来しながら不審物を探す姿が見られた。同店が面する国道354号土浦野田線は午後1時30分ごろから3時ごろまで通行止めとなり、周辺では渋滞が発生した。

龍ケ崎市からYOUワールドに芝居を見に来たという女性(70)によると、午後0時50分ごろ、劇の座長が舞台に出てきてマイクで「ヤマダ電機に爆発予告があるので、そのまますぐに出てください」と言われたという。当時100人くらいが劇を見に来ていて、全員、避難した。荷物をロッカーに置いたまま出た人もいたという。女性は「びっくりして出てきた」と話し、混乱などはなかったという。

敷地から出されたYOUワールドの客の中には、施設が用意したマイクロバスの中で捜査が終わるのを2時間以上待った人もいた。店の前では、近所の人が、捜査の様子を心配そうに見守る姿が見られた。近くの男性(70)は「パトカーや白バイがいっぱいきて大騒ぎになっていたので何かなと思って来た。爆発物なんて話は今までここで聞いたことがない。私たちには訳がわからない」などと話していた。

近くには市立東幼稚園や市立東小学校が立地する。つくば市教育委員会によると、まだ子供たちが下校していなかった東小では、保護者に連絡し、午後3時ごろまでに児童を迎えに来てもらうなどしたという。(鈴木宏子)

駐車場や店内を行き来し不審物を捜す捜査員や消防署員ら

年末年始の事故・犯罪防げ 土浦・荒川沖で防犯パトロール 冬休み前に小学生約30人も

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自転車の点検の仕方などを確認する子どもたち=土浦市荒川沖西3丁目

年末年始の犯罪や事故の発生を抑止しようと、土浦市荒川沖西3 丁目の「防犯・交通安全パトロール」がこのほど同町内で開かれた。小学生約30人が参加し、パトロールしながら子どもを守る110番の家を確認したり、土浦警察署員から自転車の点検方法を学ぶなどした。

子どもたちが冬休みに入るのを前に、通学路や地域の安全を守る防犯パトロール隊や町内会などが毎年開催している。総勢約50人が参加し2班に分かれて約2㎞をパトロールした。

その後、自転車の点検などを実施。署員は「ブレーキ、タイヤ、ハンドル、車体、ベル」の頭文字を組み合わせた言葉「ぶたはしゃべる」の徹底を呼び掛けた。また、ヘルメットの着用について「ゆるんだりしていると転んだ時に外れてしまう。ヘルメットが動かないか、あご紐で調節を」と説明していた。

このほか、防犯ブザーの点検や交通安全の〇✕クイズ、白バイ展示もあった。

区長の中根宏さん(70)は「子どもたちは地域の宝物なので、今後もしっかりとパトロールを続けていきたい」と話していた。(谷島英里子)

 

「カレーの日」地域の高齢者に人気 第2.4金曜に1食350円 龍ケ崎市社協

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「カレーの日」に集う地元住民たち=龍ケ崎市上町
「野菜たっぷりカレー」と野菜サラダ

1食350円でカレーライスと野菜サラダが食べられる―。龍ケ崎市社会福祉協議会中央支所(同市上町)が毎週第2・4金曜日に開く「カレーの日」が、地域住民の人気を集めている。社協がカレーライスを低価格で提供する取り組みは珍しいという。

月2回午前11時30分から毎回20食限定で「野菜たっぷりカレー」と旬の野菜を使ったサラダを提供。持ち帰りもできる。「毎回午後1時ごろには完売する」(社協担当者)ほど。同支所がある市中心部の商店街には飲食店が少ないため、「カレーの日」開催日には市内中心部に住む高齢者が集まってくるという。

同社協によると「近所の人たちが集まって楽しくおしゃべりしながら食事をしてもらえる場所」をつくろうと利用者などにアンケートを取った。高齢者から「カレーを作ると余ってしまってもったいない」という声が寄せられたため、2014年11月から「カレーの日」を設けた。

当初は牛スジ肉を使った牛スジカレーを提供していたが、利用者アンケートで「野菜のカレーが食べたい」との意見が多かったため、ニンジン、ジャガイモなど野菜中心のレシピに変更。ジャガイモが型崩れをしないようにニンジンと別に下ごしらえをするなどの工夫を重ね、今年6月からリニューアルした。

調理は市内のボランティアが担当し、開催日には午前9時から同支所の調理室で調理に当たる。ボランティアの60代女性は「調理は全然大変ではない。主婦歴何十年で以前は給食ボランティアもやっていた」と話す。

社協の担当者は「たくさんの人に集まってもらうのが一番。家に引きこもっている人が外出してもらう機会になれば」と語った。(崎山勝功)

◆問い合わせ先は龍ケ崎市社会福祉協議会中央支所(電話0297・64・4335)まで。

「カレーの日」ののぼり旗を掲げてPRする龍ケ崎市社会福祉協議会中央支所

初めての劇にワクワク 1~3歳の親子21組 つくば子ども劇場

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けんけんくじらさんとなにぬのやこさんのパフォーマンスに見入る親子=つくば市東新井のつくば市民大学(つくば子ども劇場提供)

初めて舞台劇を観る幼児と家族が一緒に楽しむ「はじめてシアター おっきいのとちっちゃいの」(つくば子ども劇場主催・つくば市社会福祉協議会歳末地域たすけあい募金助成事業)が18日、つくば市東新井のつくば市民大学で開かれた。役者のけんけんくじらさんとなにぬのやこさんの2人による歌や掛け合い遊び、布でつくった絵本の読み聞かせがあり、1~3歳までの子どもと親ら21組が楽しんだ。

大柄なけんけんくじらさんと小柄ななにぬのやこさんが「一緒に遊ぼ!」「いいよ」と掛け合いながら布製の積み木を投げ合うと、母親に抱っこされていた子どもたちはぐっと身を乗り出した。空き瓶を吹いての「きらきら星」の合奏や、布で作った絵本「うれしいさんかなしいさん」を表情豊かに表現する2人のパフォーマンスに、観客席の親子はすっかりひきこまれて、笑ったり拍手をしたりしながら楽しんでいた。

3歳の敬介くんを連れた母親の友常恭子さん(37)は「子どもの年齢的にもちょうど楽しめる内容だったので、子どもはワクワクしながらずっと見ていました」と話した。

「はじめてシアター」は7回目。小さな子どもと家族に良質な作品に出合う場を提供し、子どもと大人が一緒に幸せな時間を過ごしてもらおうと年1回開かれている。

実行委員長の石隈春江さん(58)は「小さいうちからお芝居に親しんでいれば、大きくなってからもすんなりと演劇鑑賞を楽しめる。小さな子どもが身近で良質な作品に出会える場をこれからもつくっていきたい」と語った。(大志万容子)

布製の絵本の読み聞かせに見入る親子(同)

国賠訴訟へ 弁護団が住民説明会 常総・鬼怒川水害被害

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参加した住民に国家賠償訴訟について説明する坂本博之弁護士(左端)=17日午前、石下総合福祉センター

2015年9月の鬼怒川水害被害で市域の3分の1が浸水するなど甚大な被害を受けた常総市で17日、弁護士らによる国家賠償訴訟の住民説明会が開かれた。弁護士らは、水害は治水政策の誤りによるところが大きいとして、河川管理者である国を相手取って国の責任を問う裁判を起こしていくことを住民に呼び掛けた。住民が10人以上集まれば、国家賠償法の時効となる2018年9月までに水戸地裁下妻支部に提訴したいとしている。

つくば市の坂本博之弁護士ら八ツ場ダム(群馬県)差し止め訴訟や水害訴訟の経験がある弁護士が、7日に説明会のちらしを新聞折り込みで市内全戸に配布し、石下総合福祉センター(新石下)と水海道生涯学習センター(水海道天満町)の2カ所で開催した。弁護士4人が手弁当で参加した。

まず水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之代表が国による鬼怒川の治水対策について「上流に大規模ダムを屋上屋を重ねるようにつくり、下流の堤防整備は遅れていた。ダム偏重の河川行政により水害が起こった」と指摘した。

都内から参加した只野靖弁護士は「1984年の最高裁判決以降、住民に極めて厳しい判決が出されている」と水害訴訟の歴史を説明した上で、今回、越水や決壊が起こった2カ所の堤防のうち若宮戸地区について「堤防の役割を果たしてきた自然砂丘が長年にわたって削られていたのに国は保全や築堤の計画を立てず放置していた、特に2014年はソーラーパネルの設置により大規模に削られたのに改修箇所に入れてなかった」などと国の責任を指摘した。

石下福祉センターでは住民約50人が参加した。園芸農家の男性は「ハウスに甚大な被害を被った。若宮戸はもともと無堤地区。山林の砂丘が自然堤防だったのに(砂丘を削るという)業者の開発を認めたのは国。人災だと思っている。国の責任を認めさせるよう闘っていけたらと思う」と話した。

参加者からは「全壊に近いのに半壊しか認められなかった友人がいる。水害のショックが大きく心労が重なったことが原因で脳梗塞になり入院し死亡した。遺族は原告として参加できるか」「自分は裁判をやりたいが家や土地は親の名義になっている。親でないと原告になれないか」などの質問が次々に出された。

今後は、提訴の意向がある住民を対象にアンケート調査をした上で、弁護士が個別面談などを実施する予定という。(鈴木宏子)

二紀会会員ら18人 つくばの画廊で「エテルナ展」

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熱心に作品に見入る来場者=つくば市花室の画廊フラーレン

県内在住の二紀会会員など18人による作品展「第13回エテルナ展」が14日(木)より、つくば市花室の画廊フラーレンで始まった。

エテルナ展は画家・陶芸家の同画廊オーナー川添莞爾さんが13年前に同所でカフェギャラリーを開いた時から始まった。川添さんは東京教育大学(現筑波大)出身で同校出身者や県内在住の画家の知人も多い。今展は二紀会会員・準会員などを中心に18人が出展している。作品は油絵やアクリル画など24点。

作品の一つ、大崎宥一さん作「扉」は、ヨーロッパの街の扉が描かれ、アクリル絵の具の中にいろいろな材料を混ぜ入れ質感を出した作品。扉は外界とを分け隔てるものといわれるが、白を基調とした作品はそれらを強く感じさせる。

来場したつくば市島名の甲斐一成さん(72)、和子さん(66)夫妻は「昨年恐ろしい感じのする絵で気になった画家が、今年はまるでタッチが違ってやわらかい。画家の心境の変化が気になった」と話し熱心に見入っていた。

川添さんは「今年13回で最終回にしたいと思ったが、出展画家らから続けてほしいと言われている」と笑顔。エテルナはイタリア語で永遠の意味。(鈴木萬里子)

◆入場無料、開館時間は午前11時~午後5時。会期は22日(金)まで。問い合わせは画廊フラーレン(電話029・811・6077)

育て、打ち、すする 仲間と味わう新そば絶品 茎崎の森林ボランティア

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真剣にそば打ちをする会員ら=土浦市小野の 体験交流施設、小町の館

高崎自然の森と茎崎こもれび六斗の森を結ぶウオーキングロード「おぐろくの森」で森林整備に当たっているボランティア団体「つくばフォレストクラブ」(福木哲朗会長)の会員らがこのほど、同地区の耕作放棄地で収穫されたソバを使った「新そば試食会」を土浦市小野の小町の館・体験館で行った。

今年は台風や害虫ヨトウムシによる被害が大きく収穫量の大幅減が心配されていた。ところが製粉して44㎏の収穫があり、昨年の49㎏には及ばないものの予想以上で「害虫の被害の割には収穫が多くて良かった」と会員らに笑顔が広がった。

会員で素人そば打ち段位認定者の桂木賢一さん(70)を中心に各自そば打ちが始まった。こね鉢でそば粉と小麦粉をもみほぐし麺棒で均等に大きく伸ばす。初心者のでこぼこ生地を桂木さんが見事に整えてくれる。次は麺切り包丁での仕上げとなった。麺の太さ細さはいろいろだが、自分で打ったそばは絶品に違いなく満足気の顔が並ぶ。

午前中のそば打ちが終わるとお楽しみの試食会が始まった。そばをゆでるかたわらで天ぷらを揚げる者、テーブルを整える者など手際が良い。新そば特有のウグイス色にゆであがったそばを前に、唾液が口の中に広がる。いっせいにそばをすする音がして「おいしい」の声だけが響く。そば好きにはたまらない。

そば打ち担当責任者の一人冨田研二さん(77)は「全員農家出身ではないので本を参考に見よう見まねでした。ソバ栽培に作業時間を取られて本来の森林整備作業がなかなかできないが、楽しい」と笑顔に。料理のスペシャリストと会員らから信頼の厚い山田光子さん(73)は「そばの味もさることながら、このメンバーだからこそおいしい」と話した。

「森林整備作業はやはりきつい」と話す会員もいるが、仲間といると、疲れ以上のごほうびがあるという。(鈴木萬里子)

「体験学習・合宿は福島へ」 キャラバン隊がPR 震災やエネルギー学ぶコースも

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福島県への教育旅行誘致のパンフレットなどを持ってPRするキャラバン隊=つくば市吾妻、筑波学院大学内のNEWSつくば編集部

東日本大震災と福島第1原発事故からの復興を目指し、福島県への体験学習やスポーツ合宿などの誘致を訴える「福島教育旅行・合宿誘致キャラバン隊」がこのほど、つくば市吾妻、筑波学院大学内のNEWSつくば編集部を訪れ「ぜひとも福島県に足を運んでいただきたい」と訴えた。

キャラバン隊は福島県観光物産交流協会の会員ら3人。担当者らは、自然体験や震災学習などをアピールする「福島県教育旅行総合ガイドブック」や「ふくしま復興ツーリズムガイドブック」などのパンフレットを手に「安全、安心の『福島の正しい情報』と、福島の魅力として『福島でしか学べないこと』を伝えていきたい」と語った。

原発事故から6年9カ月経った今も放射能を心配する一部の保護者の声が根強くあることから、全国に専門家を派遣して、各学校の修学旅行説明会で保護者に説明したり、実際に学校の先生に福島県に来てもらい、放射線などを調査してもらった例もあるという。

同県では、2016年7年に震災や原発事故について学べる施設「福島県環境創造センター交流棟 コミュタン福島」(同県三春町)が開所するなど、教育旅行施設の充実を図っている。

モデルコースとして、会津若松市で戊辰戦争の歴史を学んだり、喜多方市で農業体験をしたり、日本ジオパークに認定されている磐梯山で自然を体験する体験学習などがあるという。津波被災地を見学して復旧の様子を実際に見たり、小中学校や高校を訪問して学校間で交流したり、原発や再生可能エネルギーについて学ぶコースなども紹介している。

学校行事の一環として福島県内で宿泊を伴う教育旅行を実施すれば、バス経費の一部を補助する制度もあるという。

同協会によると、震災前の2010年度は教育旅行の来県者数が70万9332人(延べ宿泊者数)だったが、震災から5年後の16年度は43万5648人(同)と、震災前の約6割の回復にとどまっている。

キャラバン隊は計21人。7班に分かれ5日からの計4日間の日程で、茨城県内116カ所の学校や報道機関などを訪問して、福島県への教育旅行・合宿誘致を訴えた。(崎山勝功)