火曜日, 11月 11, 2025
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県議選告示 つくばに4人超の9人、土浦に1人超の4人が届け出

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出陣式で、立候補者の決意表明に拍手する支持者=30日、つくば市内

【鈴木宏子】任期満了に伴う県議選が30日告示された。人口増に伴って定数が1増えるつくば市区(定数5)は4人超の9人、土浦市区(3)は1人超の4人が立候補を届け出た。有権者数は、選挙権年齢が18歳以上となったことにより、つくば市区が4年前より約1万5000人増えて18万2082人、土浦市区が約3000人増えて11万8986人(29日現在)。

立候補者(届け出順)は以下の通り。

◇つくば市区(定数5ー9)

野口修 63 団体職員 立憲民主 新
【略歴】東京電気大附属高中退。ジャズライブハウス経営。つくば市議2期。つくばみらい市筒戸。
【公約】①情報を公開し市民参加で基本政策をつくる②温暖化対策など環境問題を最優先に③芸術・文化を育み生かす茨城に④東海第2原発を廃炉に


田村けい子 64 政党役員 公明 現③
【略歴】神戸市外国語大卒。ファッション、流通企業勤務。マーケティングプランナー。党県本部副代表。沼田。
【公約】①子育て世代包括支援センター設置②つくば発の世界をリードする産業創出③東海第2原発の再稼働に反対し再生可能エネルギーの導入促進


塚本一也 53 大曾根タクシー社長 無所属 新
【略歴】東北大学工学部建築学科卒。筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員。一級建築士。花畑。
【公約】①TXの茨城空港や羽田空港延伸②つくばに新たな産業を生み出す③少子化時代に対応したつくばの特色を生かした教育環境の構築


飯岡英之 58 飯岡建設社員 無所属 元④
【略歴】日本大学生産工学部卒。中堅ゼネコン・村本建設社員。つくば市桜地区防犯連絡員協議会会長。流星台。
【公約】①世界トップレベルの学力と規範意識を持つ子供たちをつくばに育む②農業を守り所得を安定させる③福祉・医療の複合拠点を設置


鈴木将 46 県議 自民 現②
【略歴】米国サフォーク大中退。元県議秘書、元つくば市長秘書。寺具自衛消防団団長。寺具
【公約】①結婚・妊娠・出産・育児・教育への切れ目ない支援②TXの北部、東京臨海延伸③道徳心を高め地域でも海外でも活躍する国際人を育てる教育


山中たい子 67 政党役員 共産 現③
【略歴】日本大学二部卒。旧桜村議1期・つくば市議4期。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。
【公約】①危険な東海第2原発の運転延長ストップ②暮らし第一の県政に転換し、国保・介護の負担軽減、県水道料金引き下げ、待機児童ゼロ


後藤吾郎 39 理学療法士 無所属 新
【略歴】県立医療大理学療法学科卒、筑波大大学院フロンティア医科学専攻終了。元筑波記念病院勤務。梅園。
【公約】①女性、若者、子育て世代が働きやすい環境づくり②茨城型地域包括ケアシステム構築③病気やけがでも変わらず生活できる仕組みづくり


星田弘司 44 星田建設工業社員 自民 現②
【略歴】東海大卒、英国シェフィールド・ハラム大学院修士修了。つくば市議2期。党県連青年局長。西大沼。
【公約】①茨城やつくばの情報発信を強化しイメージアップ②横断歩道、信号機設置など通学路の安全対策③マル福対象年齢拡充など子育て環境改善と支援


八代克彦 61 作家 無所属 新【略歴】筑波大学体育専門学群中退。警備会社社員。小説「反さとり」を自費出版。上横場。
【公約】①茨城県の魅力度ランキングを上昇させる②首都をつくばに移転する③日本標準時間を明石からつくばに変更する

◇土浦市区(定数3ー4)

伊沢勝徳 48 県議 自民 現④
【略歴】明治大学大学院修了。参院議員・狩野安秘書。県剣道道場連盟顧問、常総学院評議員。真鍋。
【公約】①出産・子育てに希望の持てる環境の整備②陸・海・空の交通ネットワーク整備・利活用③魅力とやりがいがあり儲かる農林水産業の確立


安藤真理子 58 社会福祉法人俊真会理事 自民 現①
【略歴】成城短期大学卒。総合介護福祉施設「プラザマアム」会長。土浦商工会議所女性会会長。大町。
【公約】①健康寿命日本一など健康・医療・福祉の充実②子育て支援など男女共同参画推進③生産日本一のレンコンなど農水産物のブランド力強化


柏村忠志 75 無職 無所属 新
【略歴】日本大学法学部卒。水郷土浦をつくる会代表。土浦市議5期。2015年市長選に出馬し敗退。中高津。
【公約】①自公の3議席独占によるマンネリ政治を変える②霞ケ浦を汽水湖に戻し天然ウナギ・ヤマトシジミを復活③東海第2原発の再稼働中止


八島功男 62 政党役員 公明 現②
【略歴】創価大学法学部卒。常陽銀行土浦ローンプラザセンター長、筑波支店長。党県本部副幹事長。永国。
【公約】①18歳までの医療費無料に②防災アプリで緊急時情報を発信し最善の行動を支援③医療・介護・生活支援・住まいが一体のケアシステムづくり

【シルバー団地の挑戦】9 老朽化課題も再生困難 スーパー・商店街撤退(下)

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空き店舗が居並ぶ元商店街には今にも崩れ落ちそうなシャッターも=つくば市森の里

【橋立多美】住宅団地の中心からスーパー・商店街が撤退した後のつくば市茎崎地区、森の里では、空き家になった長屋式集合タイプの商店街の老朽化問題が浮上している。

1階を商店、2階を住居とする「げた履き住宅」の商店街がシャッター街となっておよそ15年。シャッターやひさしが壊れたり、軒先が腐食するなど老朽化が著しい。店を畳んだオーナーたちは空き家にしたまま新天地で開店したり、2階の住居部分を貸したりしている。

空き店舗のままなのには訳がある。壁一枚で隣り合う長屋式の店舗兼住宅の一部を売却するのが難しく、所有者全ての合意が必要になるからだという。また、高齢化で地域が衰退し新たな店舗が出店することは期待できず、居抜き譲渡されたケースは皆無だ。

森の里自治会の倉本茂樹会長は「以前、生協や市シルバー人材センターが注文品配送センターや弁当配送の拠点として利用できないかと検討され、私も相談に乗ったりしたが、2階部分に入居者が居ること等が障壁となって実現しなかった」と振り返る。

「腐食した建物の一部が強風で吹き飛ばされて災害になる可能性があり、市の空き家対策室に対応を要請しているが、所有者に連絡がつかないのか、ついても所有者が対応しないのか、未だに解決していない」とも。

今年7月に異例の進路をたどった台風12号接近に備え、危険防止のために朽ち果てて強風で吹き飛ばされそうなシャッターの一部を撤去したり、土のうを積んだりしたそうだ。「他人の所有物を破壊するのは違法行為で、責任をとる覚悟だった」と、その時の心情を語った。

出店者が用意するお茶コーナーは住民と出店者の交流の場。後ろの駐車場にはかつてスーパーがあった=同

店舗の所有者と粘り強く交渉して空き店舗の解消を図る必要に迫られているが、所有者も高齢化し所有権が他の人に渡るとさらに交渉が難しくなるのは必至だ。「所有者の行方が分からないと聞く元店舗もあるし、自治会としては現に2階に人が住み、その人達が会員であることを考えると対応は極めて難しいのが現実」と倉本さんは苦渋の表情を浮かべる。

シャッター通り商店街は閑散として猫1匹通らない。スーパーは取り壊され、100台を収容する駐車場に変わった。(おわり)

【シルバー団地の挑戦】8 運営は主婦から出店者に スーパー・商店街が撤退(中)

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土曜朝市の出店者たち=つくば市森の里の元商店街

【橋立多美】つくば市茎崎地区の住宅団地、森の里では、スーパー・商店撤退後、主婦が始めた定期市がスタートから6年目に存続の危機を迎えた。

発起人の主婦3人のうち2人が引退。また魚屋の店主が高齢のために出店を取りやめた。発起人で1人残った田辺くるみさん(69)が踏ん張り、定期市を続けた。

引退した1人は夫婦で定期市運営に取り組み、夫君がフリーマーケットの商品を移動したり、コーヒーショップの中心的役割を担っていた。この夫君が病にかかって介護のために引退。もう1人は元々足が悪く、毎週の活動で足への負担が大きくなったことが原因で引退した。

田辺さんは「軌道に乗っていたしボランティアもいて続けることにしましたが、二本の柱を失い、フリマとコーヒーショップをやめるなど、規模を縮小せざるを得ませんでした」と淡々と話してくれた。

2013年3月には同市から委託を受けた食品スーパーカスミの移動販売が始まり、不便な生活解消という役目を終えたと解散することになった。

しかし、出店者側から「利用客から続けてほしいという要望があってやめられない」の声が挙がり、「里の市」オープンから12年経った14年春、出店者の希望で定期市は継続されることになった。

名称を「土曜朝市」と改め、運営は主婦たちから出店者に移った。開催日時は里の市と変わらず毎週土曜の午前10時から。里の市の発起人だった田辺くるみさんと松浦悦子さん(70)、松元栄子さん(同)がボランティアで世話係を務めている。

待ってくれている客がいる間は続ける

朝市に並ぶのは肉と和菓子、野菜の3品目。1320平方㍍の畑を借りて野菜と落花生を育てている団地住民の土屋達夫さん(66)は「にぎわいの一つになればと思って出店している。売上500円の日もあるが種と肥料代の足しになればいい」。

定期市のスタート時点から出店している土浦市の精肉店店主の村山勉さん(73)は「客は少なくなって今は多くて15人ほど。もうけを考えたらやっていけない。待っていている人とのつながりは切れないし、客が一人でもいるうちは続ける」と話す。暮れには和菓子店が正月用の餅を、精肉店がハムやすき焼き用牛肉などを販売するという。(つづく)

国は全面的に争う姿勢 鬼怒川水害国賠訴訟 裁判始まる

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第1回口頭弁論終了後の住民側報告集会で意見交換する住民と弁護士ら=下妻市内

【鈴木宏子】常総市に甚大な被害をもたらした2015年9月の鬼怒川氾濫で、水害が発生したのは国交省の河川管理に瑕疵(かし)があったためだとして、住民32人と企業1社が国を相手取って総額約3億4400万円の損害賠償を求めた国家賠償訴訟=8月7日付け=で、第1回口頭弁論が28日、水戸地裁下妻支部(伊藤一夫裁判長)で開かれた。国側は訴えの棄却を求め、全面的に争う姿勢を見せた。ただしどのような主張を展開して争うかについては、次回以降の準備書面で明らかにするとした。

この日の裁判は傍聴者の抽選が行われ、法廷は住民や支援者らで満席となった。法廷では住民側弁護団がプロジェクターを使い、法廷に設置されたスクリーンに、水害が発生した原因や国の河川管理の問題点などを大写しにして、国の責任を改めて追及した。

続いて原告住民2人が意見陳述をした。常総市の赤羽武義さん(78)は水害の翌年2月、妻を災害関連死で亡くした経緯を話し、時折言葉を詰まらせながら「水害が無かったならば私の妻は死ななくてすんだ。水害は防ぐことができた」と話した。

花き園芸会社を経営する同市の高橋敏明さん(64)は、水害で花や観葉植物など10万株を失ったと話し「国は責任から逃げている」などと訴えた。

訴状によると鬼怒川水害の原因は、国が若宮戸地区の無堤防状態を放置し河川区域に指定しなかったことから規制が及ばず、ソーラーパネル事業者によって自然堤防の砂丘林が削られたこと、堤防が決壊した上三坂地区は、地盤沈下が進み堤防の高さが年々低くなっていたが国は改修を後回しにしたこと、市中心部の水海道地区は、排水河川である八間堀川の排水機場の運転再開が操作規則に違反して遅れたことなど国の管理に瑕疵があったためだなどと主張している。

次回第2回口頭弁論は2019年3月20日午後3時から行われる。

【シルバー団地の挑戦】7 シャッター通りで続く定期市 スーパー・商店街が撤退(上)

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土曜朝市で野菜を買う主婦=つくば市森の里の元商店街

【橋立多美】つくば市茎崎地区の大型住宅団地、森の里(1300世帯)では、団地内のスーパーや商店街が近隣にできた商業施設に客を奪われて撤退・廃業した後も、主婦3人が始めた定期市が規模を縮小しながらも続けられ、「買い物難民」化に歯止めをかけている。

同団地は筑波学園都市建設に伴って建設された。1979年に入居が始まり、入居者がそろって高齢化している。入居当初、活気があった団地内のスーパーは駐車場になり、商店街は現在1店舗だけが営業している。

秋晴れの11月17日午前10時、元商店街で「土曜朝市」が始まった。60代の主婦が、ざるに並べられた一皿100円の朝採り野菜の中からジャガイモに目をとめた。「おいしそう。どれにしようかな」。店主の土屋達夫さんが「どの皿も同じ数だけど、こっちがいいかな」。

ジャガイモと葉物を入れたビニール袋を下げて、隣のテーブルの和菓子をのぞきながら肉販売のコーナーへ。ラッピングして値付けされた豚や鶏肉などが保冷車から下ろされると待ちかねたように次々に売れていく。一人で数パック買う人もいて、ボランティアの田辺くるみさんらが電卓で合計金額を出したり袋詰めをする。

待ちかねた主婦たちが精肉を購入する=同

両手にビニール袋を下げて帰っていく人もいれば、日なたにしつらえたテーブルと椅子で茶飲み話に花を咲かせる人もいる。70代の主婦は「買い物してからここでおしゃべりするのが楽しみ」と笑顔で話した。

3人の主婦が定期市を発足させた

かつて団地の中心には大型スーパーと電器、肉、薬局、玩具、美容室、飲食店など15の店舗があった。同地区の住民も訪れ、暮れには正月用品を買い求める人の車で商店街周辺の道路が渋滞した。ところが牛久駅前に商業施設が開業したころから陰りが見え始め、2002年春に商店街の核だったスーパーが撤退。店舗も次々にシャッターを下ろした。

こうした状況では、高齢者が食料品等の日常の買い物が困難な状況に置かれる「買い物難民」になりかねない。同年9月、不便な生活を解消し活気を取り戻そうと、3人の主婦が発起人となって毎土曜開催の「里の市」をスタートさせた。

場所は現在と同じ元商店街の一角。市には3人が奔走して出店をとりつけた乾物、魚、肉、パン、野菜の5業種がそろった。ボランティアがフリーマーケットやコーヒーショップを運営し、毎週数十人の団地住民でにぎわった。露店のため天候に振り回されつつも豪雨以外は休みなく続けられた。

しかし6年目の08年、3人の発起人のうち2人が健康上の理由で引退。開催規模の縮小を余儀なくされた。(つづく)

最弱武将落城の跡か 小田城で焼け跡発見 つくば市発掘調査

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大規模火災の跡とみられる焼け跡が見つかった本丸北側出入口前の発掘調査現場=つくば市小田、小田城跡

【鈴木宏子】「戦国最弱の武将」としてNHKの歴史番組で紹介され人気となっている、つくば市小田、小田城の戦国武将、小田氏治(うじはる)が、戦乱に見舞われ、大規模火災に遭ったとみられる焼け跡の一部が、つくば市の発掘調査で発見された。12月1日の現地説明会で一般公開される。

焼け跡は焼土や炭を大量に含む層で、本丸外側の北側出入り口前の調査区画で見つかった。16世紀半ば、上杉謙信連合軍に攻められた際にあった大規模火災跡とみられるという。火災跡は本丸の調査でもすでに確認されており、今回は本丸の外側で見つかった。

火災に見舞われた後、焼け跡では大規模改修が行われ、新しい堀と土塁が造られたことも新たに分かった。城の出入り口を守るため三方を土塁で囲み「馬出(うまだし)」と呼ばれる区画に造り替えたという。市文化財課は「小田城が度重なる戦乱に見舞われ、落城と奪還が繰り返された末、城が作り替えられていった歴史を反映するもの」と説明している。

小田城の土塁の存在が新たに確認された

今回の調査は、1997年度から21年間にわたって続けられた発掘調査の最終年度になるという。今年度は、焼け跡が見つかった本丸北側など本丸外側の3カ所計約400㍍で発掘が行われた。

本丸西側では、江戸時代末期の絵図に描かれ、これまで存在が確認されてなかった内堀外側に幅約10㍍の土塁があったことが新たに確認された。小田城で堀の両側に土塁が築かれていたことが分かったのは今回が初めてで、本丸西側が唯一の場所という。

さらに西側の中堀を調査した結果、堀の底の深さに段差があることも分かった。初めに造られた堀が、その後、拡張された跡とみられるという。中堀跡からは当時の下駄や漆椀の一部など珍しい木製品も出土した。

深さに段差があることが分かった本丸西側の中堀跡=同

市文化財課の山本賢一郎課長は「20年以上にわたる発掘調査で、鎌倉時代から戦国時代まで約300年間、何度も造り替えられた小田城の変遷が明らかになった。現地に来て、小田城跡歴史ひろばで開催中の『小田氏治と戦国時代の城館』展=10月4日付けを併せて見ていただき、400年前の歴史に触れていただきたい」と話している。

◆発掘調査の現地説明会は12月1日(土)午前10時30分からと午後1時30分からの2回、つくば市小田2377、小田城跡で催される。焼け跡など発掘現場が公開されるのは今回が最後になる。参加費無料。事前申し込み不要。問い合わせは電話029ー883ー1111(つくば市教育局文化財課)。当時の問い合わせは電話029ー867ー4070(小田城跡歴史ひろば案内所)。同日は国指定史跡「真壁城」(桜川市真壁町古城)の発掘調査現地説明会も行われる。

本丸西側の中堀跡で発見された長さ18㌢・幅9㌢の下駄と漆椀

※メモ
【小田城跡】鎌倉時代から戦国時代に県南部で勢力を持った小田氏の居城跡。1935年に国指定史跡となった。1997年から城跡保存のための発掘調査が始まり、2016年4月、成果をもとに「小田城跡歴史ひろば」として復元された。史跡の広さは21.7㌶。

宇宙ビジネス創出 県が後押し つくばでサミット

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「いばらき宇宙ビジネス創造プラットホーム」で相談に応じる、いばらき宇宙ビジネスコーディネーターの一人、今井孝司さん=つくば市千現、つくば研究支援センター1階

【山崎実】茨城の経済をけん引する産業の育成、強化を目指す県は「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を立ち上げた。宇宙ビジネスへの企業の新規参入、事業創出の積極支援に向け動き出している。

同プロジェクト初の支援事業(補助制度)として10月末に4社の採択が決まり、順調な滑り出しをみせている。12月18日にはつくば市で「いばらき宇宙ビジネスサミット」が開催されるなど、宇宙産業集積への布石が着々と進んでいる。

人工衛星製造の民営化や、衛星データの活用による新ビジネスの創造など、いわゆる宇宙産業市場は民需を中心に拡大傾向にある。成長産業と捉えた県は、全国に先駆けていち早く名乗りを上げた。

プロジェクトの支援事業は、宇宙ビジネス参入企業に試験設備の利用料、販路開拓費用、衛星データを活用した開発費等を補助するもの。

初の募集、審査の結果、今橋製作所(日立市)▽ワープスペース(つくば市、筑波大発ベンチャー)▽Yspace(石岡市)▽リモート・センシング技術センター(つくば市)の4社に決まった。このうち、ワープスペースは、自社で開発した低価格の移動式衛星管制地上局をブータン王国内(政府機関等)に設置する販路開拓を目指している。リモート・センシング技術センターは、光学衛星データを用いて、サツマイモのデンプン含量を推計するモデルと、ほ場別診断シートと出荷適期をマップ表示するソフトウエアを開発した。

宇宙ビジネスの相談にエキスパートが対応

また宇宙ビジネスに特化した企業・個人の各種相談にワンストップでサービスを提供する「いばらき宇宙ビジネス創造プラットホーム」が、つくば市千現の県産業戦略部いばらきサロン内(つくば研究支援センター1階)に設置された。衛星の設計や軌道計算、地球観測衛星データの利活用等、宇宙関連に関わる各分野の5人のエキスパートが、宇宙ビジネスコーディネーターとして、アイデア段階から起業まで対応、相談に応じている。

プロジェクトの一大イベントとして実施されるのが、12月18日、つくば市吾妻、オークラフロンティアホテルつくばで開催される「いばらき宇宙ビジネスサミット」だ。民需を中心に年々拡大するビジネス市場の先駆的役割を果たすことを目的に、内閣府、経産省等と共同で開く。

当日は大井川和彦知事のほか、支援事業を受けたワープスペースの亀田敏弘CEO、Yspaceの日高萌子代表らが出席し、パネルディスカッションが行われる。同時に、会場では専門家への個別相談会も開かれる予定。

宇宙ビジネスの立ち上げについて県は「企業の関心は確実に高まってきている。本県を代表するリーディング産業として育成、支援していきたい」(科学技術振興課)と期待している。

問い合わせは同課国際戦略総合特区推進室(電話029ー301ー2515)。

アートの力で「ほうき」の魅力発信 筑波大生 27日から「つくろう展」

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昨年、つくば市民ギャラリーで開催した展覧会の様子(速水さん提供)

【鈴木萬里子】「大穂のほうき」=メモ=として知られる、つくばの伝統工芸ほうき作りを、素材作りから制作過程まで紹介する展覧会「ほうきをつくろう展」が筑波大学の学生らにより、27日から、同市吾妻、つくば市民ギャラリーで開かれる。

ほうき作りは、筑波大芸術専門学群クラフト領域、宮原克人准教授のプロジェクトとして取り組まれている。アート・デザインの力による東日本大震災の復興支援として始まり、昨年から、アート・デザインが地域にどのように貢献できるか、様々な実践をする創造的復興プロジェクトの一環として、「ほうきをつくろうプロジェクト」活動が展開されている。

ほうきは主にホウキモロコシ(ほうき草)とコキアから作られる。授業では、つくば市大穂でほうき工房を構える酒井豊四郎さんの畑を借り、酒井さんの指導のもと、学生らがホウキモロコシの種まきから収穫まで取り組んだ。コキアは坂東市の県農業大学校で育ててもらった。

さらに全国各地でほうき作りのワークショップを開いてきた。岐阜県白川郷にも出掛け、主婦グループと白川郷のカヤでほうきを作り土産にするアイデアを話し合った。「昨年は各地でワークショップを開き、たくさんの人にほうき作りを知ってもらった。今年はほうき作りを根付かせることを目標にしている」とメンバーの一人、芸術専門学群4年生の速水一樹(22)さんは話す。ほうきの作り方も研究を重ね、簡単に作れて丈夫、使いやすいほうきを紹介している。自然の素材を使った、自分だけの道具作りをする楽しさがあるという。

展覧会は昨年に続き2年目。今展のテーマは「ほうきづくりの過程を知ってもらおう」。ホウキモロコシやコキアのほうき約50点のほか、ほうき作りの材料や道具を展示する。来場者が体験する「ほうきづくりワークショップ」も開かれる。速水さんは「手間暇をかけて自分の手で一から作り上げると、愛着がわいて使うのが楽しみになる」と話し、多くの人の来場を呼び掛けている。

◆会期は12月2日(日)まで。開館時間は午前10時~午後5時(初日は午後1時開館、最終日は午後1時閉館)。ほうきづくりワークショップは12月1日(土)午後1時~3時(受付午後12時30分~1時)。問い合わせは宮原さん(電話029・853・2843、メールmiyahara@geijutsu.tsukuba.ac.jp)

※メモ
【大穂のほうき】つくば市大穂地区で作られているほうき。県の郷土工芸品に指定されている。明治時代後期、栃木県鹿沼で奉公をしていた中島武平が、ホウキモロコシの種を持ち帰り、栽培と生産が始まった。大正から昭和には全国に出荷されていたが、電気掃除機の普及で需要が大きく減少した。

昨年のほうき作りワークショップの様子(同)

読書の履歴「通帳」に記録して 土浦市立図書館でスタート

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本の通帳に借りた本の書名を印字する子ども=土浦市立図書館

【谷島英里子】小中学生が、自分が図書館で読んだ本の履歴を、銀行の通帳のような手帳に記録できる「本の通帳」を土浦市立図書館が23日から導入した。専用機を使って通帳に印字する仕組みで、子どもの読書の意欲を高めることが狙い。

本を借りた年月日、書名、作者名、出版社が印字された通帳=同

開館1周年記念事業の一環。対象は市内在住か在学の小・中学生と義務教育学校生で、同館の利用カードを持っていること。通帳は5000冊作成した。

使い方は、初めに通帳を窓口で発行してもらう。通帳を専用機に入れ、本のバーコードを読み込むと通帳に印字される仕組み。通帳には本を借りた年月日、書名、作者名、出版社が印字され、銀行や郵便局の預貯金通帳にそっくりだ。通帳1冊で366冊の本が印字できる。

23日は祝日ということもあり、開始の午前10時30分から10人ほどの列ができた。同館によると午後5時ごろまでに86人が利用し、子どもたちから「うれしい」「どんどん読みたくなる」と喜ぶ声が聞かれたという。

通帳の制作費と記帳機の購入費用の合計120万円は、常陽銀行、筑波銀行、水戸証券、めぶきリースが協賛企業として協力した。

同館は「子どもたちの中で本の通帳が話題になって、図書館に来たくなるきっかけになれば」と話している。

「日本の風景 感動共有したい」 土浦の異色画家 洞峰公園で油彩画展

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「茅葺き農家」の前で加賀さんの説明に熱心に聞き入る来場者ら=つくば市二の宮の筑波新都市記念館

【鈴木萬里子】定年を迎えた10年前に絵を描き始めた土浦市在住の異色の画家、加賀宏義さん(78)の油彩画展がつくば市二の宮の洞峰公園筑波新都市記念館で開かれている。県内など近隣の自然美を追い求めた作品を中心に、50号の大作3点を含む57点が展示されている。

50号の大作「怒涛の海」

洞峰公園の紅葉を描いた作品などが、激しい色彩や、たおやかな色使いで描かれている。入口正面に飾られた50号の大作「茅葺き(かやぶき)農家」「怒涛(どとう)の海」の2作は特に圧巻だ。会場中央の40号「せせらぎの音」は森の中から流れ出る水を、幾重にも広がる緑を背景に描いた。

加賀さんは独学で絵を描き始めたが、3年後の2011年に初めて新極美会の公募展に30号「廃墟」を出品した。「その作品で新人賞を得たことで自信がつき、今につながっていると思う」と話す。

東京で勤めの傍ら、絵画展や銀座のギャラリー巡りを趣味にして、画家の筆使いを熱心に観察したのが、今の土台となっているという。いとこが著名な日本画家、信太金昌(しだ・きんしょう=故人)なのも画家を志すのに影響した。

これまでに個展やグループ展などを多数開き、精力的に絵を描く姿勢が評価されている。今展について「日本の美しい風景、感動する風景を自分なりに描いている。観た人と感動を共有したい」と話した。

来場したつくば市の60代男性は「見ている人の心をわしづかみする絵だと思う。大胆なのに、きめ細やかさ、色の出し方など、すべてを極めていて作者の感性のすごさを感じる」と話した。

◆会期は28日(水)まで。入場無料。開館時間は午前9時~午後5時(最終日は午後3時)問い合わせは加賀さん(電話080・2066・8567)。

「せせらぎの音」の前に立つ加賀さん=同

つくば駅前で23日からワングーフェス アーティスト、筑波よさこい連らが出演

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ワングーフェスのフリーライブに登場する倉木麻衣さんと加藤ミリヤさん(ワンダーコーポレーション提供)

【谷島英里子】TXつくば駅前のつくばセンター広場で23~25日に、ワンダーコーポレーション(本社つくば市)が創業30周年を記念したフリーライブ「ワングーフェス」を開催する。アーティストの倉木麻衣さんや加藤ミリヤさん、BOOWY(ボウイ)のドラマーとして知られる高橋まことさんなど総勢65組が登場し、駅前を音楽で盛り上げる。

フェスではつくばセンター広場に2カ所のステージを設置。ワンダーコーポレーションに関わりのあるアーティストのほか、地元で活動する筑波大学生や「筑波よさこい連&筑波和弘」「関隆浩from NEVER SAY NEVER」なども出演する。出演アーティストの対象商品を購入した人にはステージ前方の優先エリアの入場券を限定販売する。

このほか会場周辺で、家族連れでも楽しめるようにアニメ「ポケットモンスター」のピカチュウとイーブイが登場するイベントや、約100店舗の食と物販が出店する。フェスを担当する管理本部の石井達也さんは「豪華アーティストが無料で見られます。ご家族みんなんで楽しめるイベントもありますので、ぜひ3連休はワングーフェスにお越しください」と話している。

同社は1988年に設立。エンターテインメント複合専門店のWonderGOOや音楽・映像ソフト専門店の新星堂、総合リユース専門店のWonderREX、音楽・映像ソフトレンタル専門店のTSUTAYAなどの事業を展開している。

詳しくはワングーフェスのホームページで。

「車が自宅に来るので助かる」と好評 高齢者の買い物支援始まる 土浦

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「買い物支援サービス」を利用し商品選びを楽しむ高齢者=土浦市内のスーパー

【谷島英里子】交通手段が乏しく買い物が困難な高齢者を無料で送迎する「買い物支援サービス」=10月30日付け=の利用が21日、土浦市内で始まった。市内34の福祉施設で構成する土浦市民間社会福祉施設協議会の取り組みで、利用者からは「車で安全に行けるので助かる」と好評だ。

利用したのは、同市南部の土浦三中地区にそれぞれ1人で暮らす98歳と82歳の女性2人。98歳の女性は、野菜は宅配サービス、肉は近くの精肉店を利用するが、魚屋が近くになくて困っていた。自転車で近くの店まで行っていたが、体力が衰え、別居の子どもに心配されていたという。回覧板でサービスを知り、自ら申し込んだ。

午後1時30分すぎ、買い物を支援する特別養護老人ホーム「もりの家」のワゴン車が各家に到着すると、「ありがたいですね、待っていました」と一言。車には市社会福祉協議会ボランティアの櫻井忠男さん(77)が添乗し、スーパーで何を購入したいかを話すなど和やかな雰囲気となった。約1㌔離れたスーパーに到着すると、軽快な足取りで約30分間、買い物を楽しんだ。

利用した2人は「車が自宅に来るので安全で助かる。また利用したい」「初めて行ったスーパーだったのでどこに商品があるのか戸惑ったが、他の店と違うお薦め商品を見つける楽しさにつながる」と満足した様子だった。

市社協によると、11月に入り回覧板でチラシを配布したところ、数件の問い合わせがあった。今後は、各中学校区にある公民館の市社協職員(地域ケアコーディネーター)や地域の民生委の協力で高齢者に利用を呼びかけていく。

新規就農者 県南で増加が顕著 400人目標 県が就農支援態勢強化

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ちぢみほうれん草を収獲する中村淳さん。葉に泥が付かないよう雑草を生やしているという=つくば市自由が丘

【山崎実】新たに農業で生計を立てる新規就農者数が県南地域で増加していることが県の調査で分かった。12月15日にはつくば市で「農場見学&就農相談会in県南」が開かれる予定で、「新規就農者の確保は茨城県農業の維持、発展に不可欠な施策」(農業経営課)と、県は就農支援態勢を強化していく考えだ。

調査結果によると、昨年度の県全体の新規就農者(16~44歳)は、前年度比18人増の346人。うち新規学卒・Uターンなど主に後継者は122人。県内に807組織がある農業法人の雇用就農は163人、新規参入(就農)は61人だった。特に新規参入では県南地域が30人と全体の半数を占め、しかもここ数年は右肩上がりの傾向にある。

なぜ県南地域なのか。同課によると、就農者は脱サラ、IT系企業からの離職者などが含まれ、地理的に消費地に近いことや、首都圏からの交通の利便性が高いことなどが要因になっているのではと、背景を分析する。

脱サラし、7年前からつくば市自由が丘の農園約3㌶で年間50品目の野菜をつくる中村淳さん(35)は「都内のレストランや直売所に卸しているので、東京に近いつくばはメリットがある」と話す。

さらに就農時の年齢が45歳未満で、独立・自営農業などの条件はあるが、国の就農支援制度で年間最大150万円が生活保障として最長5年間交付されることも後押ししている。

経営類型の新規就農者数では、野菜が圧倒的に多く、県全体で346人中、222人と6割以上を占めている。「水稲などの普通作と異なり、野菜は初期投資が少なくて済む分、入りやすいのではないか」(同課)という。

2020年度に県全体で新規就農者数400人を確保するのが目標だが、雇用情勢が好調なことから他業種への流出が考えられ、新規学卒の参入減少も懸念される。それだけに、担い手確保は喫緊の課題で、同課は「支援は惜しまない。県南の動きが全県的な波及効果につながれば」と期待している。

◆「農場見学&就農相談会in県南」は12月15日(土)午前9時、JAつくば市桜支店集合(古来1630)。2014年に新規就農しネギの周年栽培をしている吉沼宏幸さんの農場などを見学するほか、就農就職に関する個別相談も行われる。問い合わせは同課・農業参入等支援センター(電話029ー301ー3846)。

土浦市立図書館開館1年 入館者60万人に 21日から18の催し

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図書館フェスのイベントポスターを紹介する入沢弘子館長=土浦市立図書館2階情報ステーション

【鈴木宏子】土浦市立図書館(同市大和町、入沢弘子館長)が昨年11月27日、同駅西口前のアルカス土浦に移転・開館して1周年を迎える。1年間の来館者数は約60万人になると見込まれ、県内トップクラスとなる見通しだ。1周年を記念して、21日から27日まで「図書館フェス」が催され、6日間で18のイベントが繰り広げられる。

同館によると、18日までの来館者数は58万660人。1日平均1821人が来館し、年間来館者数は目標だった40万人の1.5倍となる見込みだ。昨年度、県内の図書館で最も入館者数が多かったのはつくば市立中央図書館の51万5000人。つくばを上回るとみられる。

1日当たりの平均貸出者数は587人、貸出冊数は1969冊。一人当たりの貸出冊数は移転前の旧館(文京町)と比べ2.2倍に増えた。年齢別では16~18歳の貸出冊数が旧館と比べ6倍、19~22歳が4倍と若い世代の利用が急増したのが特徴という。

来館者の内訳は、利用者アンケートに回答した792件を分析すると、高校生など10代の学生が40%を占める。利用頻度は全体で週に1~2回通う人が最も多く34%に上った。

同館は駅前のにぎわいを創出するというもう一つの役割を負う。市都市計画課が11月上旬に実施した1日交通量調査では、駅ビル西口前地点の人通りは市役所が駅前に移転してきた2015年と比べ、休日が1.32倍の8722人、平日が1.17倍の9913人に増え、通行量増加が数字で示された。

できることはすぐ改善

館内の利用環境は、利用者アンケートをもとに改善が図られてきた。開館当初は「持ち込んだ自分のパソコンをどの席で使えるか分からない」「近くの人の話し声がうるさい」などの意見があったという。意見をもとに、パソコンを使う席、高校生が勉強する席、図書館の資料を閲覧する席などに分けて、より利用しやすい環境を整えた。「いすを引く音がうるさい」という声には、いすの脚にクッションを付けるなどして対応した。

入沢館長は「アンケートはスタッフ全員に毎日、回覧している。改善できることはすぐやってきたのことが満足度につながっているのではないか」と話す。「『いい図書館。これからも頑張って』『受け付けの対応が良い』など励ましも寄せられるので、スタッフのモチベーションも上がる」という。

2年目を迎えるのを前に入沢館長は「引き続き図書館に来ていただけるよう努力し、まだ図書館に来てない市民の方もおられるので足を運んでいただけるよう工夫したい」と話す。21日からの「図書館フェス」ではカフェ、映画、コンサートなど図書館としては異色のイベントを開く。「まだ来館したことのない人に足を運んでもらうきっかけにしてもらい、駅前のにぎわいをつくれれば」と話す。

図書館フェスのイベントは以下の通り。

▽高野史緒講演会「図書館の天使たち—図書館で夢と出会う方法」=23日(金・祝)午後2時30分~4階研修室。土浦市出身で江戸川乱歩賞を受賞したSF作家。10月16日に発行された土浦を舞台にした作品「グラーフ・ツェッペリン夏の飛行」についても話を聞けるという。

▽映画鑑賞会「生誕100年—いわさきちひろ~27歳の巣立ち」=27日(火)午後1時30分~、4階研修室。日本を代表する絵本画家の知られざる人生に迫ったドキュメンタリー映画を上映。

▽渡辺大輔フォルクローレライブ「晩秋に楽しむフォルクローレの世界」=25日(日)午後1時30分~1階ラウンジ。かすみがうら市出身で元土浦市職員でもあるケーナ奏者。

▽リサイクルブックマーケット=25日(日)午前10時~4階研修室。図書館で不用となった雑誌などを無料で譲渡する。1人10冊まで。当日整理券を配布し入替制。

▽1日限定!図書館カフェ=23日(金・祝)午前11時~2階ヨムカフェラウンジ。図書館でバリスタのいれたコーヒー(250円)を楽しむ。

▽おとなのための朗読会=22日(木)午後1時30分~4階研修室で、土浦朗読の会による朗読会。

▽ちいさなおはなし会=21日(水)午前11時~2階おはなしのへや。0~3歳児と保護者向けおはなし会。

▽おはなし会=25日(日)午前11時~2階おはなしのへや。幼児~小学生対象のお話し会。

▽こども映画会「チップとデール」=23日(金・祝)午後1時~2階おはなしのへや。

▽腹話術&マジックショー=23日(金・祝)午前11時~2階おはなしのへや。けんちゃんとゆかいな仲間たちによるショー。

▽学校対抗!ビブリオバトル=24日(土)午前10時30分~1階プラザ、市内高校生がお勧めの本を紹介し観戦者の投票でチャンプ本を決める学校対抗書評合戦。学祭土浦とコラボ企画。

▽「貸出0回本」=21日~12月15日、2階展示棚。開館以来1年間、1回も貸し出されていない本を展示。

▽小林じん子展関連図書展示=1日~12月28日、2階情報ステーション。土浦市出身の漫画家、小林じん子さんが影響を受けた本を展示。市内で開催中の「小林じん子展」との連携企画。

▽親力アップ講座「こどものケンカ!その時親は!?」=21日(水)午前10時15分~2階おはなしのへや。乳幼児と保護者が対象。

▽本の通帳サービス=市内小中学生を対象に図書館で借りた本の履歴を銀行の通帳形式の手帳に印字できるサービスを23日(金)からスタート。

ほかに1階広場で▽ビバマルシェ=23日▽キッチンカー大集合=24日▽あおぞらマルシェが開催される。

県民先行エントリー 21日午前10時開始 かすみがうらマラソン

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昨年の第28回かすみがうらマラソンのスタートの様子=土浦市川口2丁目

【谷島英里子】来年4月14日に土浦市などで開催される「かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン2019」(土浦市、かすみがうら市など主催)の県民先行エントリーが21日午前10時から始まる。

一般エントリーが12月5日から始まるのを前に、県民の出場申し込みを先行して受け付ける。同事務局によると、県民先行は昨年から始めた。県民ランナーを増やし、同マラソンをさらに盛り上げようという狙いがあるという。

来年で29回を数え、昨年は全体で1万6509人が出走した。川口運動公園周辺(土浦市川口2丁目)をスタート地点とし、フルマラソンはかすみがうら市歴史博物館先を中間点として、同公園をゴールとする湖岸周回コース。

種目と参加費は▽一般の部=フルマラソン7000円、10マイル5500円、5㌔3500円▽5㌔チーム対抗レース=1万円。特典として東京マラソン2020年フルマラソンへの出走枠寄与(抽選で3人)のほか、つくばマラソン2019フルマラソン・10㌔の出走権付与(フル・10マイルの県内男女各1位)、完走した人から抽選で豪華賞品贈呈がある。

申し込みはインターネットの「大会公式ホームページ専用エントリー」で。期間は21日午前10時から30日午後5時まで。問い合わせは、かすみがうらマラソン大会事務局(電話03・6869・1096)まで。

貴重な野生ラン、最新の園芸品種など500点公開 世界有数 筑波実験植物園で企画展

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最新の園芸品種や貴重な古典品種などのランを楽しむ来場者=つくば市天久保、筑波実験植物園内の温室

【鈴木萬里子】世界有数の野生ラン保全施設として知られる国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保)で18日から「つくば蘭展」が開かれている。温室では、同園が収集した品種の中から、開花中の世界の珍しい野生ラン約200点が公開されている。ほかに協力団体の会員が育てた最新の園芸品種や貴重な古典品種など約300点、計約500点が展示されている。

昨年同園は、絶海の秘境、南硫黄島で自然環境調査を実施し、約80年前に絶滅したと思われていたシマクモキリソウとムニンキヌランを再発見した。発見の経過や南硫黄島のランの最新研究の成果などがポスター展示されている。花茎が2㍍以上伸びる巨大なニューギニアのランも今回、国内で初めて公開された。

初日の18日は朝から来場者がひっきりなしに訪れ、にぎわった。蘭展は「きのこ展」と並び同園で最大の人気を誇り、毎回シニア世代を中心に4000人近い来場者があるという。

世界の貴重な野生ランが公開されている温室で、展示を熱心に見ていた下妻市の70代の女性2人は「こんな貴重なランを知ることが出来て良かった。研究者の皆さんの努力の結果ですね」と感心した様子で話した。

絶滅危惧種の説明を読む来場者=同

つくば洋蘭会と水戸市植物公園蘭科協会の会員が丹精込めて育てた、最新の園芸品種や失われつつある貴重な古典品種なども展示されている。入り口では福田初枝さんが栽培した色鮮やかなカトリアンセの花が出迎える。温室内は色とりどりのランが咲き誇り、その艶やかな色彩と香りでむせ返るほど。龍ケ崎市の50代の夫妻は「友達に勧められて初めて来たが、こんなにたくさんのランがあって驚いた。これから栽培を始めてみたい」と話し、1点1点丁寧に見て回っていた。

大塚初枝さんのカトリアンセ=同

◆会期は25日(日)まで、開館時間は午前9時~午後4時30分。会期中は毎日開園。会期中、イベントが多数用意されている。入園料は一般310円、高校生以下と65歳以上は無料。問い合わせは同園(電話029・851・5159)

主な関連イベントは次の通り。▽多目的温室では「らん蘭ガイド」(平日午後3時より30分間)が開かれ、つくばコレクションの中から「世界に1つだけの花」をめぐる物語を聞くことが出来る。予約不要▽20日(火)と21日(水)はランを使ったテーブルディスプレイを参加者と一緒に作る「テーブルディスプレイを楽しむ」が催される。事前予約必要。材料費500円▽講演会「クモキリソウの仲間を徹底分析」が23日(金・祝)午後1時30分から(事前予約必要)、「南硫黄島の自然とラン」が24日(土)午後1時30分から(予約不要)、いずれも研修展示館3階セミナー室で開かれる▽つくば洋蘭会(斉藤正博会長)は会期中の土日祝日にデスクを設け栽培相談を受け付ける▽香りの専門家が展示品を使ってランの香りの魅力を紹介する「ランの香りを感じるツアー」が24日(土)午前11時から多目的温室で催される。事前予約必要▽ランを木や岩に付けて野生の姿で育てるノウハウを紹介する「ナチュラルスタイルでランを楽しむ」が25日(日)午前10時30分から開かれる。予約不要など。

24万球の光で別世界へ 霞ケ浦総合公園でイルミネーション

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約24万球のLEDライトで彩られたイルミネーション=土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園

【谷島英里子】土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園で17日、光がつくる”Art”水郷桜イルミネーションが点灯した。来年2月中旬まで毎夜ともされる。

約24万球のLEDライトで公園のシンボルとなる高さ25㍍、羽直径20㍍の「オランダ型風車」を中心に、土浦の地域資源である桜、霞ケ浦、花火、ハス田、帆引き船、筑波山、桜川をモチーフに演出された。恒例の手作り「竹あかり」のほか、会場入り口に霞ケ浦に浮かぶ虹をイメージした「水と虹のアーチ」が設置された。

帆引き船や花ハスも演出された霞ケ浦湖岸=同

午後5時から点灯式があり、中川清市長や子どもたちがカウントダウン。電飾が浮かび上がると、花火が打ち上がり、大勢の市民らが幻想的な雰囲気を楽しんだ。

主催は市民・企業有志で組織される水郷イルミネーション推進委員会。今年で7回を迎えた。代表の広瀬英敏さんは「回る風車や光る羽などを楽しんでほしいです」と話していた。

期間は2019年2月17日まで、点灯時間は午後5時から9時。入場無料。問い合わせは市産業文化事業団(電話029・823・4811)まで。

▽イルミネーション点灯のようす

つくば市職員が酒気帯び運転で検挙 停職5カ月の懲戒処分

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つくば市役所2016 夏

【鈴木宏子】つくば市は16日、酒気帯びで乗用車を運転したとして、こども部幼児保育課主事の男性職員(24)を、同日付けで停職5カ月の懲戒処分にしたと発表した。

市人事課によると、男性職員は今月2日、同課の新入職員歓迎会に出席し、その後有志6人による2次会に参加、お開きになった午後11時30分ごろ、市役所の職員駐車場に停めてあった自家用車で1~2時間、仮眠をとった。

目が覚め、自家用車を運転して帰宅しようとしたところ、3日午前1時28分、同市天久保2丁目の天久保公園近くで、巡回中のパトカーに停止を求められ、酒気帯び運転で検挙された。

職員は1次会でビールやハイボール計4杯ほどを飲んだ。2次会ではハイボールに口を付けた程度だったという。市の調査に対し、職員は「仮眠をとり気分がすっきりしたと思い込んだ」などと話し、酒気帯び運転を認めているという。

1次会には課長らが出席していたが、2次会は管理職は参加しなかった。

市は、管理監督責任があったとして、こども部長と同次長を口頭で厳重注意、幼児保育課長と同課長補佐を文書による厳重注意処分とした。

ほかに、7月31日午後10時10分ごろ、同市上横場の県道で、市生活環境部次長の男性職員(56)が、飲食店駐車場から片側3車線の道路に右折で出る際、右から来たバイクと衝突した事故で、相手方が全治3カ月以上の重傷となっていることから、市は16日付けで、同次長を給料1カ月分に付き減給10分の1の処分とした。

五十嵐立青市長は「市の職員が市民の信頼を裏切り、多大なる迷惑を掛け、心からお詫びします。今後、再発防止に万全を期し、市民の不信を招く行為を厳に慎むよう、綱紀の保持を徹底させます」とするコメントを発表した。

農業テーマパーク、芸術活動拠点など提案 筑波地区の廃校利活用 つくば市

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14日から18日まで筑波地区9カ所で開かれている市と地域住民との廃校跡地利活用意見交換会=14日、つくば市中菅間、旧菅間小

【鈴木宏子】廃校になったつくば市筑波地区の小中学校跡地10校の利活用について、地域住民と市担当課の意見交換会が14日から18日まで同地区9カ所で開かれている。具体的な利活用案について市側から、旧筑波東中学校(北条)跡地にファーマーズビレッジの誘致とジオパーク拠点施設設置、旧田水山小(水守)跡地に文化芸術活動拠点施設整備、旧小田小(小田)跡地を文化財収蔵施設として利用する案などの提案があった。

10校のうち9校は今年4月、7小学校と2中学校が統廃合され、市立秀峰筑波義務教育学校(同市北条)が開校したのに伴って廃校となった。すでに2013年3月に廃校となった1校を含め計10校の利活用について今年度から市の検討が始まっている。今回は市役所内の各課と市民、民間事業者から要望や意見を集め、実現可能性などを検討した結果について、地域住民に示された。

旧東中のファーマーズビレッジは、民間事業者を誘致して、イノシシなど野生動物の食肉や地場産物を食材にしたレストラン、スイーツやワインを提供するカフェ、農産物加工施設、体験型施設などつくり、農業のテーマパークにしようという構想。併せて教室棟の一部を利用し、筑波山地域ジオパークに関する情報を提供して各ジオサイト巡りの拠点となるジオパーク拠点施設を設置する案が示された。

ファーマーズビレッジの誘致とジオパーク拠点施設設置の提案があった旧筑波東中=同市北条

旧田水山小の文化芸術活動拠点施設は、教室や体育館、グラウンドなど廃校全体を活用して、アトリエ、スタジオなどをつくり、作家と市民が芸術活動に親しむ拠点にしようという構想。芸術家が滞在しながら創作活動をしたり、プロを目指す芸術家の卵を応援したり、市の収蔵作品を展示したり、芸術文化に関する講座を開くなどを計画しているという。

文化芸術活動拠点施設整備の提案があった旧田水山小=つくば市水守

旧小田小の文化財収蔵施設は、現在、市内各所に分散して収蔵されている、市内で出土した土器片などの埋蔵文化財や、寄贈された民具などの民俗文化財を集約して収蔵しようという構想。

14、15日に5カ所で実施された意見交換会では、住民から「地域には公民館が無い。公民館や交流センター的な利用と避難所とするのが一番いい」「自然や歴史、農業体験ができる場にしてほしい」「高齢者が健康づくりを施設にしてほしい」などさまざまな意見が出た。市の提案と地域のニーズとに隔たりがある地区もあった。

市の方針として、廃校を地域の集会所にすることについては「区会等に補助金を出して整備することになっているため新たな集会施設は必要ない」「学校の財産区分を今後、教育財産から普通財産に変更すると、使用料が有料になる場合がある」などの説明があり、住民からは不満の声が出た。廃校になってから現在も、各校とも警備や保安、草刈りなどに年間各300万円程度の維持管理費が掛かっているという。

一方、校舎や体育館などが耐震基準を満たしていないため使用を続けられない廃校があったり、市から目立った利活用提案がない廃校もあった。

民間事業者からは、広域通信制高校、消防車など特殊車両組立工場、ペット終末期ケアセンター、日本語学校兼寄宿舎、イチゴ工場、インターナショナルスクール、ベンチャー企業立地支援施設などを整備する提案があったことなども紹介された。

市は引き続き地域住民と協議を重ね、半年とか、地区によっては数年掛けて方向性を決めたいとしている。利用者の優先順位としては、まず市の方針を優先し、さらに地域の要望を取り入れ、市も地域も利用提案がない場合は民間の利活用を検討するという。

◆筑波地区学校跡地の利活用提案に関する意見交換会の日程は以下の通り。

14日(水)▽午前10時~筑波小学校(会場は同小校舎)▽同午後2時~菅間小(同校舎)▽同6時30分~小田小(同校舎)

15日(木)▽午前10時~田水山小(同校舎)▽午後2時~山口小(同校舎)

16日(金)▽午前10時~田井小(同校舎)▽午後2時~作岡小(同校舎)▽午後6時30分~北条小(同校舎)

18日(日)▽午前10時~全校対象(筑波交流センター2階多目的室)

筑波地区廃校跡地10校の主な利活用提案

市の提案 地域の提案
筑波東中 民間事業者によるファーマーズビレッジの誘致/教室棟の一部にジオパーク拠点施設/体育館・武道場は市民に貸し出し/グラウンドは秀峰筑波義務教育学校のイベント時駐車場として利用など
北条小 プール用地に北条保育所の職員駐車場整備/敷地の一部に消防団分団の詰所と消防車車庫新設など 北条まちづくり振興会が生活芸術体感施設として活用(文化・芸術に関するギャラリー、ネット販売を主とした店舗、創作活動のアトリエ、カルチャースクール、イベントの利用)など
小田小 教室棟の一部を文化財収蔵施設として利用 まちづくり勉強会を通して今後、利活用策を検討
山口小 高齢者の体操教室開催など区会が地域交流の場として利用中/一般財団法人が2教室を会議室として利用要望
田井小 敷地の一部に消防団分団の詰所と消防車車庫新設など 地域住民が運営する放課後児童の居場所「里山わんぱく館」の整備(体育館、グラウンドと隣接する民有地の里山の一角を借りて冒険遊び場「プレイパーク」を整備するほか、子連れの親子や高齢者の居場所を併設し相互交流する地域拠点として整備
筑波小
筑波西中 体育館・柔剣道場を一般市民に貸し出しなど
田水山小 文化芸術活動拠点施設など
菅間小 敷地の一部に消防団分団の詰所と消防車車庫新設など
作岡小 敷地の一部に消防団分団の詰所と消防車車庫新設など
※ほかに場所は未定だが、市が1校に教室を利用した認知症カフェを月1回程度設置など

元数学教師と美術教師 油絵2人展 つくば

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「雪の日(不動院)」に見入る来場者=つくば市二の宮の洞峰公園筑波新都市記念館

【鈴木万里子】つくば市二の宮の洞峰公園筑波新都市記念館で、千葉県柏市在住の毛利敏雄さん(89)とつくばみらい市在住の沼尻正芳さん(67)とによる「第4回絵画二人展」が、開かれている。毛利さんの油彩画26点と沼尻さんの油彩画46点、計72点が展示されている。

2人は同じ公立中学校の教員だった。数学教師だった毛利さんと美術教師だった沼尻さん。教科は違うがウマが合った。毛利さんが退職後、子ども向けに数学を解説した本を出版し沼尻さんが表紙とさし絵を描いた。その後毛利さんが独学で絵を描くようになり、今回4回目となる2人展を開いた。

毛利さんは「来年は卒寿を迎えるが、描こうという気持ちは衰えないし、皆さんに観てもらえる幸せがあるから絵が描ける」と話した。出展した26点中18点はこの1年間に描いた作品だという。日光や会津などの風景画が多く、緻密な作風にファンも多い。千葉県流山市と埼玉県所沢市から訪れた2人は「丁寧に描き込む作風が好きです。つくばは遠いけど毛利さんの新作を観るのが楽しみ」と作品に見入っていた。

筑波山、筆を加えて進化

沼尻さんも自然を描写した作品で四季折々の筑波山を描いた9点が目を引く。「5、6年前から筑波山を描いてきた。同じ絵でも筆を加えて進化させている。楽しんで観てもらえればうれしい」と話した。7点あるヤマユリの絵は、自宅や付近の林の中に点在して咲くヤマユリを描いたもの。自生して咲く、力強い花の生命力を感じさせる。

展示作品の中でも迫力ある「雪の日(不動院)」は、沼尻さんの地元に鎮座する板橋不動尊を描いた作品。柏から訪れた60代と80代の女性2人は「初めてつくばに遊びに来て、偶然この絵画展に出合ってラッキーだった」「寺が雪化粧されていて故郷の北海道を思わせる。冷たい風景なのに、なぜか暖かさが感じられる絵で不思議です」と感想を話した。

沼尻さん作「山百合」(左)と毛利さん作「林の中のログハウス」

◆同展は21日(水)まで。入場無料。開館時間は午前10時~午後5時(最終日は午後3時)。問い合わせは毛利さん(電話04・7143・5754)、沼尻さん(電話090・7277・2328)まで。