日曜日, 8月 9, 2026
ホーム土浦CD「日本の名城」に土浦音頭が収録

CD「日本の名城」に土浦音頭が収録

【鈴木宏子】5月23日発売されたCD「日本の名城を唄う」(日本コロムビア発売、税込2500円)に、土浦城跡(現在の亀城公園)などを歌った「土浦音頭」=メモ=が収められた。霞ケ浦や桜川などの名所や風物を歌った新民謡で、昭和初期に下妻市出身の詩人、横瀬夜雨が作詞した。戦後活躍した歌手、照菊が歌う。1960年代後半に発売されたレコードが音源で、半世紀ぶりにCDでよみがえった。

土浦の歴史や文化を掘り起こしまちおこしに取り組むつくば市の脚本家、冠木新市さん(66)らが2016年9月、亀城公園前の古民家カフェ、城藤茶店(同市中央)で土浦音頭をテーマにした演劇公演「桜川芸者学校」を開催し、新たな踊りで復活させるなど注目された曲だ。

CDは日本の城と、城にまつわる武勇伝や悲喜劇などを歌った全17曲の歌謡曲集で、美空ひばりの「千姫」、村田英雄の「白鷺の城」などと並んで、17番目に収められている。小唄調で、照菊が格調高く歌い上げている。

16年の公演に出演し新たな踊りを復活させた国際美学院(つくば市)の恩田鳳昇学院長(86)が、日本コロムビアの振付専任講師を務めていることから、公演後、同社幹部らに土浦音頭をPRした。今年1月には静岡県熱海で開かれた同社の新年会で、当時公演した桜川芸者学校のメンバーが、全国から集まった振付専任講師らを前に同曲の踊りを披露するなど印象付けた。

同CDを企画した同社伝統邦楽ビジネスユニット特別顧問の吉田輝之さんは「歴史やお城に興味を持つ若い女性が増え『お城ブーム』と言われる中、名城を集めて一枚のCDを作りたいと企画した」と語り「全国のいろいろなお城を探り、関東で名城がないか探していた中、今は建造物がほとんど残されてないが、城にまつわる歌が残っている土浦音頭を取り上げてみようということになった」と選定の理由を話す。

恩田学院長は「まさかCDに入るとは思わなかった。うれしい。土浦のお役に立たせていただければ」と話し、土浦音頭を掘り起こした冠木さんは「土浦音頭がようやく知られるようになり、公演して良かった。踊りたいという若い人が出てくれれば」と述べ「土浦は新しいものと古いものが融合するまちなので、中心市街地で土浦音頭の踊りを披露したい」と話している。

7月7日と16日に披露

CD収録を祝って7月7日、16年に公演した桜川芸者学校の出演者らが「粋な七夕まつり―土浦音頭で愛の夜明けを」と題し、土浦市中心市街地の7カ所で、演劇を織り交ぜた土浦音頭の踊りを披露する。街頭で前触れなく踊るフラッシュモブ風になるという。さらに同16日、筑波銀行つくば営業部(つくば市竹園)で開催される舞踊イベント「チャリティー真夏の饗宴」(国際美学院、つくば舞踊研究会主催)でも披露する予定という。

2016年9月4日、土浦市の古民家カフェ、城藤茶店で催された演劇公演「桜川芸者学校」で、土浦音頭の新たな踊りを披露する恩田鳳昇さん(常陽新聞提供)

メモ
【土浦音頭】昭和初期に制作された。当時の土浦芸者組合見番(けんばん)頭取、桜井留吉や、三業組合長、堀越正雄らが制作し、当時、土浦で一番人気の名妓だった君香(きみか)らが歌い踊ったとされる。完成直後は7人の芸者が東京に出向き、三越や松坂屋ホールで開かれたイベントに出演し好評を博したといわれる。作曲は「鯉のぼり」や「靴が鳴る」などを作曲した弘田竜太郎。歌詞は1~4番まであるが、CDは1、3、4番が収録されている。

土浦音頭  横瀬雨作詞/弘田竜太郎作曲

1、船が見えそろ 霞ケ浦の

千艘萬艘(せんぞばんぞ)の帆曳船

船がみえそろ 土浦入りに

風をはらんだ 帆曳の船が

恋知り初めし 十六七の

娘心は 白魚か海老か

人は知らじな 公魚(わかさぎ)は

恋のやまいに よしとかや さて

2、十六七は 砂山のつゝじ

寝いろとすれば 起さるゝ

逢いたさ見たさ 夢見てばかり

ねざめすぐれぬ 暁かけて

手枕近き プロペラの音

れんじあくれば 燕がえし

伸ばすは翔けるは 飛行機の

道をさえぎる 雲とてもなし

3、松になりたや 有馬の松に

藤にまかれて ねとござる

藤にまかれて 巻かれて藤に

藤にまかれて ねたというた

有馬の松は こちや 知らねども

お城の址に 大きな大きな

榎の木 宿して ぬっと立つ

松を見しゃんせ あれ男松

4、男山(おやま) 女山(めやま)の しづくを受けて

淵となりたる 桜川

月よし雪よし さをさしゃとどく

屋形屋形の あのさんざめき

船はヤハでも 炭薪ゃつまぬ

春はうれしや 霞とともに

花がはらりと 咲くならば

さぞや弥生の なあ人心

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

県の対応に変化 つくばの県立高問題《竹林亭日乗》43

【コラム・片岡英明】7月21日、つくばエリアの県立高不足の解決を求め、つくば市選出の山本県議、うの県議、ヘイズ県議が見守る中、つくば市の小森谷市議会副議長、松本副市長、松本総務部長らの参加のもと、総勢13人で柳橋県教育長に9回目の要望書を提出した(7月21日付)。 副市長からは、地域の子ども急増、小中学校の建設状況、県立竹園高学級増への市支援などについて説明。副議長からは市議会の意見や市民の声が紹介され、県議からは県執行部に不足問題を解決するよう要求してもらった。県側も、山口学校教育部長が「貴重な声として受けとめたい」と懇談の最後まで同席した。また、海老沢高校教育課長、片見改革推進室長らも出席し、ていねいで率直な意見交換ができた。今回はこの対話で感じた新しい可能性について報告したい。 懇談では、生徒・保護者の願いが県担当者の心に届き、県執行部内に大きな変化が生まれているのが分かった。つくばエリアの県立高不足の実状が県に伝わり、解決の土台ができてきたと思う。懇談では、つくば市の人口は県内1位となったが、このままでは県立高不足がさらに悪化すると県資料で説明、「水戸市の水準は求めていない。せめて県平均並みにしてほしい」と県の決断を促した。 そして、つくばエリアの県立高不足解決には、まず2019年改革プランの積み残しを解消するために、竹園高校の学級増を求めた。また、現在県が作成中の2027年改革プラン(2027~33年)で、つくばエリアの県立高定員を県平均水準にするよう求めた。つくばエリアの問題点を県が理解し対応すれば、この地域の人口・生徒増を県の発展に生かすことができる。 「迷い」から「見直し」に 今まで県のつくばエリアの県立高不足対策には迷いがあった。それを簡単にまとめると、以下のような流れになる。 ▽2022年11月の県議会:教育長「進路選択に影響が出ないように計画を示す」と、前向き答弁。 ▽2024年10月の県試算:「2030年に3学級増必要」と「土浦・牛久・下妻を加えた拡大つくばエリアを設定すれば学級増は必要ない」と、2つの矛盾した試算を発表。 ▽2025年の高校審議会:「入学者数と募集学級数の展望」で、生徒が増えているつくばエリアの学級数を2033年には57学級に逆に削減するとの展望を提示。 生徒増の中でつくばエリアの学級減という不自然な2025年「展望」に対しては、懇談の場で事実に基づいて質問したところ、県は事前に検討した上で「見直し」を明言した。県の対応は、今までの「迷い」から「見直し」に転換したと思う。これは改善の一歩であり、評価したい。県議・市議・市執行部「オールつくば」の願いが通じたのではないか。 この姿勢転換の延長上で、現在作成中の2027年改革プランで、つくばエリアの県立高定員を県平均水準まで引き上げるよう改善してほしい。私たちは今後も市民の多くの声を県に伝えていきたい。(元高校教師、つくば市の小中学校の高校進学を考える会 代表)

先端技術の社会実装支援へ つくば市がファンド創設

「地方は収益化に課題」 自動運転バスや遠隔医療など、先端的な技術やサービスを社会実装する「つくばスーパーサイエンスシティ構想」の取り組みを、実証実験に終わらせることなく社会実装につなげようと、五十嵐立青つくば市長は7日開かれた定例記者会見で、新たなファンド(基金)を6日付で創設したと発表した。 つくばスーパーサイエンスシティファンドという名称で、最大9割の税負担軽減を受けることができる企業版ふるさと納税を活用して、市外に本社がある企業などから新たな寄付を募る。寄付金は、6割を市の社会実装事業に活用し、4割を大学や研究機関に補助金として交付する。 背景には「郊外型スマートシティではマネタイズ(収益化)の課題がある」と同市の小田切美穂政策イノベーション部長は説明する。都心部では、カーシェアリングやシェアサイクルなどのシェアモビリティは単独で収益化できているのに対し、地方では自動運転バスも構造的に赤字が見込まれている。同サイエンスシティ構想の全体統括者を務める鈴木健嗣筑波大教授は「地方のスマートシティは、実証実験で終わってしまうもの、補助金が切れたら終わってしまうものなど苦戦している」と話し、小田切部長は「つくばは大学や国立系研究機関が集積しているのが最大の強みなので、連携しながらマネタイズの課題を克服していこう」という試みになると説明する。 4割の交付対象となる大学や研究機関については、同市と連携協定を締結した上で、市に事業提案してもらい、市が地方創生の効果などを審査した上で補助金として交付する。さらに連携協定を締結した大学や研究機関は、市と連携して寄付の募集を行う。企業にとっては、大学などに直接寄付する場合の税負担の軽減効果は約3割なのに対し、つくば市の企業版ふるさと納税を活用すると最大6割の税額控除を受けられるため、併せて、企業の税負担が最大9割軽減される。 五十嵐市長は「企業にとってもメリットが大きいので、社会実装を進めたいと思っている企業にメッセージが届き、先端技術やサービスの社会実装を社会課題の解決につなげていきたい」と話した。ファンドの目標金額については「目標は設定していないが、昨年度はスーパーサイエンスシティに関する企業版ふるさと納税が3件、計1350万円あった。ファンドを創設したので今年度はその金額を上回っていただければ」と述べた。 4割の交付対象となる第1号の連携機関に筑波大学が決定し、連携協定の締結が行われたことが併せて発表された。(鈴木宏子)

「気持ちが世捨て人だった」ときに考えたこと《ハチドリ暮らし》64

【コラム・山口京子】抗がん剤治療中、「気持ちが世捨て人だった」ときに思ったことがありました。自分は直にいなくなるけれど、子どもや孫たちの暮らしは続いていく。これからの暮らしはどうなるのかしら…と。とりあえず、現在を捉えるにあたって、三つのことが頭に浮かびました。 文化なき文明、不公正な法律… 一つは「文化なき文明」。確かに文化は存在しますが、ここの文明には文化が見えない…。この文明は地下資源に依存しており、大量の生産・消費・廃棄・汚染システムは強力です。「便利で楽」は、私たちが自ら求めたものでしょうか? それとも、どこか別のところからやってきたものでしょうか? 足るを知ることが大事と言われますが、消費の場面では買わせる広告があふれています。 二つ目は「借金(債務)が成長の燃料」というシステム。多くの国々が巨額の借金を抱えています。これまでは機能したとしても、これからどうなるのか?インフレ・金利上昇・増税が不可避なのか?と。金利が上昇すれば債務返済に負担が課されます。歳出構造が変わってしまうのでは? インフレでお金の価値が目減りすれば、実質的に家計から政府へ所得が移転されると指摘されています。 三つめは「不公正な法律」が成立しているという疑念です。表向き法律は国民のためと言いながら、実際は反対のことが起きているのでは? 改正労働者派遣法は働く人の立場を低下させたのではないか? この法律は個人よりも市場の利益優先では? 「法律ができて、それで利益を得る人と、損を被る人はだれなのか、調べることが大事だ」と、ある本に書かれていました。 自立・自給・自尊がつながる暮らし そもそも、国会が国民の代表機関であり得ているのかと、疑問視する専門家もいます。戦後の米国との関係、勝共連合との関係はどうなのか? また、「主権者は国民ではなく市場である」という説もあります。AIの覇権競争はどうなるのでしょう? 防衛費アップや武器輸出でGDPが上ると言いますが、そういうGDPとは何なのでしょう? 今の時代は大きな転換期だと言われます。自立・自給・自尊がつながりあった暮らしのかたちができないものか―次のシステムを考えています。(消費生活アドバイザー)

筑波大生が夏休みの宿題応援 小学生ら絵画や書道に挑戦

夏休み中の小学生が、筑波大で芸術を学ぶ大学生らのアドバイスを受けながら、夏休みの宿題の絵画や書道に挑戦するイベント「夏休み宿題応援」が7日、つくば市二の宮のギャラリー、スタジオ’Sで催された。ギャラリーを運営する関彰商事(本社 筑西市・つくば市、関正樹社長)と筑波大による取り組みで、この日は午前9時半からと11時から書道教室、午後1時からと3時から絵画教室が開かれ、つくば市や近隣地域から小学生計約70人が参加した。今年は前日の6日に筑西市でも同様のイベントが開かれ、小学生約40人が参加した。 スタジオ’Sで午後1時から始まった絵画教室には保護者に付き添われた17人の小学生が参加し、それぞれが、ポスターコンクールに出展する製作途中の「防犯」「交通安全」などの作品を持ち寄った。講師になったのは筑波大芸術専門学群の大学生と大学院生の計5人。小学生らは五つのテーブルに分かれて作品を広げ、大学生らが、下書きの描き方、構図の作り方、絵の具の塗り方などを、それぞれの進行状況をみながらアドバイスした。 ひたちなか市から参加した小学5年の上田ももなさんは、昨年出展した交通安全のポスターを持参して参加した。「今年はもっとうまく描いて入選したい」と意気込みを話し、大学生から、下書きの構図を変えることをアドバイスされ、早速描き直していた。つくば市立東小2年の子どもの付き添いで参加した母親の二階堂里万子さんは「普段はユーチューブなどを参考にしながら子供に教えているので、専門的に学ぶ大学生から教えてもらえるのはとてもありがたい」と話していた。 講師を務めた筑波大大学院生の稲田来瞳(くるみ)さんは「子供たちに教えるのはとても難しいが、何を伝えたいのかを思って描くことや、自分だったらこんな風に描くだろうと想像して指導した」と語った。 当日は県つくば美術館のスタッフが、トイレットペーパーの芯を使った作品などを持参して参加し、同美術館で15日に開催される、とび出すカード作りのイベント「つくぞう つくるぞう!」や、火~金曜の午後と日曜・祝日の午前中に開催中の、だれでも自由に創作活動ができる「つく美でつくり場」などを紹介をした。 書道と絵画を対象とした今回の企画は、2016年からスタジオ’Sと筑波大が毎年開催している子ども向け企画「キッズアート体験」の中で好評だった二つの科目に特化し、18年から独立した形で始まった。20年からは県近代美術館も協力している。 関彰商事広報の石井雅也さんは「『夏休み宿題応援』は好評で、人気が高く、すぐに定員いっぱいになる」とし「今後も同様の企画を続けていきたい」と話した。(榎田智司)