日曜日, 11月 9, 2025
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洛北高(京都)が初優勝 科学の甲子園つくば開催

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表彰式で金メダルを胸に優勝旗、トロフィーを掲げる洛北高(京都)=つくば国際会議場

4年ぶりのつくば開催となった第10回「科学の甲子園全国大会」(科学技術振興機構主催)は21日までに全競技を終了し、京都府立洛北高校が初優勝した。茨城代表、並木中等教育学校(つくば市並木)は入賞ならなかった。

並木中等は入賞ならず

大会には47都道府県の代表校が出場。1、2年生の6~8人から成るチームで、科学に関する知識とその活用能力を駆使してさまざまな課題に挑戦し、総合点を競った。従来4日間の競技日程で行われてきたが、昨年は新型コロナ感染症の影響で中止。今年も開催が危ぶまれたが、日程を3日間に短縮、同市竹園のつくば国際会議場、つくばカピオの両会場では無観客での催行となった。

理科4科目(物理、化学、生物、地学)と数学、情報にまたがる複数分野からの課題をチームワークでこなす。大会2日目の20日は、実技競技が行われたが、最終種目のシャトルウインドカーを製作して往復走行させる競技が午後6時過ぎ、宮城県で震度5強の揺れを観測した地震の揺れで中断。2回目の試技がキャンセルとなって、勝敗の綾となった。

筆記競技、実技競技3種目の得点を合計した総合成績により、洛北高が優勝、渋谷教育学園幕張高(千葉)が2位、浜松北高(静岡)が3位となった。表彰式で洛北高の関子龍君は「集まることも難しく実技の練習など苦しみながら、大会が開催できるのかずっと気懸かりだった。開催してもらえたことに感謝したい。このメンバーで優勝できてうれしい」と喜びを語った。

表彰式に臨んだ並木中等教育学校チーム=同

並木中等教育学校は5年生(高校2年)8人のチームで挑んだ。途中までは手応えを感じていたが、地震発生前の1回目の試技を失敗し、2回目を準備中にキャンセルとなって万事休した。須藤永遠キャプテンは「開催地の代表なのに申し訳ない気持ちもあるが、全国のいろんな学校の優秀な生徒と知り合えて、研究者をめざそうとしている自分には意義深かった。もっともっと知見を深めようと思った」と感想を語った。

「科学の甲子園全国大会」はこの先、2023年の第12回大会まで、つくば開催が決まっている。(相澤冬樹)

筑波大教授が空を飛ぶ 25日に卒業祝うフライト

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卒業式の日、上空を飛行する筑波大学石の広場

筑波大学(つくば市天王台)の卒業式が行われる25日に、上空をフライトして卒業生らを祝おうとしている教員がいる。筑波大学人間系の岡田昌毅教授だ。新型コロナの影響で昨年の卒業式は中止、卒業生に修了証書を郵送するだけでとても寂しいものだったという。卒業式が行えなかった昨年の卒業生、大学院の修了生、そして今年の卒業生、修了生のために祝賀飛行に挑む。

コロナ禍が後押し

岡田昌毅筑波大学教授

企画した岡田教授は現在、東京キャンパス(東京・大塚)にある大学院で社会人に心理学などを教えており、今年大学を卒業する心理学類の4年生の担任でもある。

2019年に自家用飛行機操縦士の免許を取得。これまでに何度も飛行練習を行っている。「空を飛ぶことは子どものころからの夢だった。自家用飛行機の訓練を受けて2年目くらいのときに今年卒業する心理学類学生のクラス担任になった。そのころからこの子たちが卒業するころに飛べるようになっていたら、卒業のタイミングで祝賀飛行をしたいと思っていた」

祝賀飛行計画の実行をコロナ禍が後押しした。「閉塞感が漂う1年だったと思う。大学に行くこともなく、色々なことを取り止めなければならないこのような状況で、少しでも明るい話題になれば」と話す。

空には子供の頃から憧れがあり、いつか自分の手で飛んでみたいと思っていた。「55歳ころに(操縦士の免許を)取ってみようと思い、4年間自家用飛行機の訓練を受けた。練習はシビアだったが、実際に飛行してみると自分の手で自分の夢を実現することができた。もちろんしっかりとした計画がないと飛行はできないが、自分の手で空を飛ぶということはとても自由で日ごろ見えない世界を見ることができる」と飛行機操縦の魅力を語る。

エンジニアから、人と関わる仕事がしたいと教育ビジネス、現場での人材育成を経て、大学院へ進学と幾度も大きなキャリア転向の経験を持つ岡田教授。人に関わる仕事がしたいとかじを切るとき、大学3年で進路に迷ったときのことを思い出したそうだ。「今考えるといろいろなところに伏線があった」

意思決定にはポジティブな面もネガティブな面もある。「物事はやってみないと分からない。意思決定をすることは時に難しいかもしれないが、自分の生きていく道を一歩一歩歩んでほしい」

おめでとう〇と無限大∞

「人生まだ始まったばかり。おそらくコロナのような大変なことは今後も全社会的、個人レベルでも起きうる。この先様々な苦労があるかもしれないが、めげずに頑張ってほしい」と卒業生に向けてエールを送る。

卒業祝賀飛行は25日午前11時~11時30分の間の15分程度。場所は筑波大学石の広場付近の上空。

空の上から岡田教授が卒業生に贈る旋回メッセージは、「本当におめでとう」という意味のマル(○)と「かがやかしい未来は無限大」という意味での∞の字を描く。当日は上空からの映像もZoomで中継する。視聴は主に卒業生等が対象。(渡邉由貴)

正岡子規『水戸紀行』追歩 (5) 《沃野一望》25

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ハス田からの筑波

【コラム・広田文世】
灯火(ともしび)のもとに夜な夜な来たれ鬼
我(わが)ひめ歌の限りきかせむ とて

年末休暇を利用しての、正岡子規『水戸紀行』追歩は、どうやら土浦市へたどりつく。これより土浦市の標識の建つ地点に、荒川沖の一里塚が残る。正真正銘の水戸街道を歩いていることになる。

往時の姿をよくとどめる市指定史跡の一里塚をすぎ、荒川沖入り口で旧水戸街道と別れ、6号国道を進む。自然に足が速くなる。帰心はやはり矢のようだ。原の前からふたたび旧水戸街道へはいる。

通りすぎる中村集落には、荒川沖の一里塚の次の一里塚が崩れ残っている。集落の民家のほとんどが、街道にたいし直角の向きで並び、旧街道の面影をとどめている。ゆっくり味わいながら歩きたい街道筋だが、歩道の区分が整備されていない道は、脇を走り抜ける車が怖い。道の狭さが、当時の様子を伝えている。

東小学校の脇を下り、さらに直進。大聖寺まえを経て永国の坂を上がる。この辺までくると、子規先生の水戸紀行追歩をわすれ、自宅の風呂とビールばかりが去来する。中高津の土浦四中脇をすぎ、無事自宅へ到着となる。風呂を沸かし、どっぷり浸かって、とりあえずのビール。うまい。ありがたいことだ。子規先生の水戸紀行に比べれば、なんと恵まれた条件の歩みの1日。これも、時代の差。

土浦の印象は芳しくない

明けて、12月29日。

午前6時、土浦市中高津の自宅から、水戸紀行追歩後半へ出発する。日の出前の東の空が幻想的な朱に染まり、前途を祝福している。上空は、まだ暗い。本日は6号国道を北へ向かい、まずは石岡を目指し、足や膝と相談しながら水戸まで、歩けるか。どうか。

黎明(れいめい)の土浦市内を通過する。早朝の街は、ひっそりと静まりかえっている。

さてその土浦、どうも子規先生の印象は芳しくない。それとなく昼食を断られたり、まずい食事の曖昧(あいまい)屋から、ほうほうのていで逃げ出したり、車屋に法外な料金を吹っ掛けられたりの散々な目をのろっている。

そんなことでしたら、我が家にお立ち寄りいただき、ゆっくり鰻など召し上がっていってほしかったものをと嘆く市内の旧家の方もいらっしゃるだろうが、今となっては取り返しのつかないこと。

ちなみに子規が土浦を通過した明治22年(1889)は、土浦の老舗料亭「霞月楼」が開業した年。「霞月楼」については「NEWSつくば」で連載記事を掲載しているから、ご参照を。貧乏書生の子規は、もとより霞月楼の開業を知らなかっただろうし、知っていても支払いにたる懐具合ではなかったにちがいない。

子規は、真鍋の高台へ上ってゆく。(作家)

「福島に輝く夜空と豊かな暮らしを知ってほしい」 つくばエキスポセンターで写真展

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「ふくしま星・月の風景写真展」会場の様子=つくばエキスポセンター2階多目的ホール

福島の自然と暮らしをダイナミックに捉えた公募写真展「ふくしま星・月の風景写真展」が20日から、つくば市吾妻、つくばエキスポセンターで開催されている。

展示写真は、郡山市ふれあい科学館が主催する「第5回ふくしま星・月の風景フォトコンテスト」の受賞作品。コンテストは、福島がもつ豊かな人の暮らしと、その頭上に輝く月や星の姿を、写真を通じて全国に紹介したいと、2008年に第1回の公募が始まった。18年の第5回目は、106人による351点の作品が全国から集まり、その受賞作品による全国巡回展が19年から開催されている。北は秋田、西は兵庫までを巡回し、今回のつくば市で47カ所目になる。

大賞には、満月をバックに遊ぶ母子を幻想的に捉えた丹野順子さんによる「月と遊ぶ」が選ばれた。「今までの(応募)作品にはない発想」だと審査員が絶賛した。特別賞の「仲夏の輝き」(田中 祐二さん)は、夜の田んぼを舞う蛍を長時間露光で捉え、その背景の暗がりに浮かぶ一軒家から漏れる光を対比させ、肉眼では見逃してしまう農村の美しい一面を視覚化した。その他、ダイナミックに満点の星や月を捉えた写真や、人の息吹を感じる作品が全40点展示されている。

大賞に輝いた丹野順子さんの「月と遊ぶ」

つくばエキスポセンターでは、これまで年に数回企画展を開催してきた。例年は体験型のイベントが中心だったものの、新型コロナウィルス感染防止の観点から、人との接触が少ない写真展開催となった。企画を担当する、つくば科学万博記念財団の徂徠裕子さんは、「美しい福島の写真を大人の方も一緒に楽しんでもらいたい」と来場を呼びかける。

また、コンテストを主催する郡山市ふれあい科学館学芸員の安藤享平さんは、「福島には『本当の夜空がある』といわれるほど、美しい夜空を見ることができます。県内外の方々に、今の福島の人の暮らしとともに、自然の美しさを知ってもらえたら」と企画に対する思いを話した。(柴田大輔)

◆会期は3月20日(土)から4月18日(日)、開館時間は午前9時50分~午後5時。同センター2階多目的ホールにて開催されている。入場無料。

つくばエキスポセンター

食いしん坊だからマテが出来る 《続・気軽にSOS》81

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【コラム・浅井和幸】私がボランティアに参加している保護犬のシェルター。そこには、殺処分をギリギリ免れた犬、虐待で人にたたかれ続けた犬、短いひもでつながれて雨にぬれていた犬、車上生活であまりエサを与えられなかった犬、人とほとんど接したことのない野犬など、様々な生い立ちの犬たちがいます。

人が近づくと震えて固まる犬、ほえる犬、かむ犬、ずっと人にくっついていたい犬など、人に対する態度も様々です。人間は好きだけれど犬が嫌いな犬もいます。

その中に、食べ物に執着し、エサを飲み込むように食べる犬Hがいます。下手に空いた餌箱を取り上げると、エサを取られると勘違いしてかみつかれた人もいます。エサを持っていくと、喜んでいるのか必死に奪い取ろうとしているのか、分からない態度を取ります。それなりに慣れた人でも、怖いと感じてしまうほどです。

エサを持っていくときは、焦らせずにさっと置いてくることが大事と言われるぐらいです。シェルターに来る前に飢えていた時期が忘れられないのかもしれません。

しかし、その食いしん坊犬Hに、私が待てと言うと、餌箱を置いても食べずに我慢します。皆さんに見せると、あのHがと、かなり驚かれます。自分のときは餌箱を見ただけで飛びかかってくるのに、頑張って、よだれを垂らしながら待っているのですから。

犬は一生懸命に考え工夫している

そこで出てくる言葉は、浅井のことは信頼しているから待てるけれど、自分はHにバカにされているから、待たずに飛びかかってくるのだ、と。だから、犬になめられないようにするには、どうしたらいいかと質問されます。質問する人はましな方で、もともと自分は犬になめられる人間なんだと諦めている方もいることでしょう。

もちろん相性もありますし、それぞれの時間がありますから、諦めることは悪いことではありません。無理をしてかまれてしまう方がよほどまずいことです。食いしん坊犬Hに、かむことを覚えさせてしまうからです。

私の解釈ですが、Hは食いしん坊だから待つことができるのです。というのも、私は、飛びついてきたり、「よし」という前に、食べようとしたりしたらエサを取り上げます。(よしと言ってエサを与えるイメージで、取り上げたらかまれるでしょうね)

Hにとっては、浅井の場合は待った方が早くエサを食べられると考えるから待つのでしょう。

他の方は、飛びついて怖がらせた方が早くエサを食べられると、Hに思わせるような接し方を繰り返したのでしょうね。バカにするかしないかではなく、いかに早くエサを食べるかに対して、Hは一生懸命に考え工夫しているのだと私は考えています。

もちろん、それをうまく行うにはちょっとしたコツが要りますので、無理は禁物です。慣れた人の支持を仰ぐのをお勧めします。もちろん、人間に対しても同じことが当てはまるので、お試しあれ。(精神保健福祉士)

さまざまな光で見せる、ふるさとの湖 せきごうさん写真展「北浦・霞ケ浦百景」

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作品を見ながら話し合う、生畑目さん夫妻とせきさん(左)=アルカス土浦1階、土浦市民ギャラリー

土浦市在住の映像ディレクター兼写真家、せきごうさんの写真展「北浦・霞ケ浦百景」が17日から土浦駅西口前のアルカス土浦1階、土浦市民ギャラリーで開かれている。展示作品は50点ほど。季節や気候、時間帯などで千変万化する湖の姿をとらえた。

会場で迎えてくれるせきさん

せきさんは霞ケ浦をテーマの一つに据え、長年撮り続けてきた。始まりは「汚い湖というイメージが定着し、美しかったかつての姿を取り戻そうと、多くの人が活動してきた。それに写真で関わるには、とにかく霞ケ浦の美しい面をとらえなくてはと考えた」ことだった。

国土交通省が定義する霞ケ浦は、西浦・北浦・外浪逆浦という3つの湖をつなぎ、常陸利根川が利根川に合流する常陸川水門(逆水門)までを含んだ広大なエリア。湖面積は220平方キロで琵琶湖の約3分の1だが、周囲長は琵琶湖よりも20キロほど長い約250キロ。この全域をぐるりと囲むように、景色の良い場所を選びながら、まんべんなく撮り歩いた。

2017年に前著「平成土浦百景」を刊行した後、どうせなら霞ケ浦でも百景をやろうと意識し始めたそうだ。

展示の中心は、マジックアワーと呼ばれる日没前や日の出直後の時間帯を長時間露光で撮ったもの。朝焼けや夕焼けで湖面がドラマチックな色に染まり、風による表情の変化も大きい。風がつくる波のうねりが縞模様として現れ、風のないときは水鏡となって空や周囲の景色を映し出す。

日が沈んだ後の薄明かりのころも大好きだそうだ。空と湖面に美しいグラデーションがかかる。日の出直後の時間も太陽を外して撮ることで、画面にふんわりとした淡いグラデーションが生まれる。

穏やかなグラデーションが美しい「鏡面」

「牛堀権現山」と題した1枚は、葛飾北斎が富嶽三十六景「常州牛堀」で描いた場所を撮った。左端に富士山、右端に筑波山を置き、その間に秩父連山、浅間山、日光連山などが並ぶ。「このように遠景まですっきりと見えることは珍しい。たいてい、上空は晴れていても地平線近くに雲がかかってしまう」とせきさん。20回以上も足を運んだ中で、これほど鮮やかに撮れたのは、わずかにこのときだけだった。

遠くまで澄み切った、めったに見られない絶景「牛堀権現山」

会場を訪れた土浦市の生畑目久さん(75)、政子さん(69)夫妻は「いろんな光を上手に取り入れている。なかなか撮れない写真。ぱっと心の中に飛び込んできて、癒されるし、気持ちがすっきりする」などと感想を語った。

同ギャラリーでは21日まで開かれ、その後他館を巡回する。展示作品数は会場によって異なる。

今後の展示予定は以下の通り。その後さらに、霞ケ浦周辺の市町村を巡回したい考え。
3月17日~21日 アルカス土浦(土浦市大和町)1階、土浦市民ギャラリー
3月24日~28日 新治ショッピングセンターさん・あぴお(土浦市大畑)2階、あぴおギャラリー
4月21日~25日 香丸資料館(石岡市府中1丁目)2階、市民ギャラリー

写真集「北浦・霞ケ浦百景」も21日に発行される。写真展会場およびオンライン(ヤフーショップやアマゾン)で先行発売し、その後、土浦市内など一部の書店にも並ぶ予定だ。(池田充雄)

濃厚接触者も陽性 つくば市役所

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つくば市役所

つくば市は19日、本庁舎1階に勤務する正職員が、新型コロナウイルスに感染していることが分かったと発表した。市ワークライフバランス推進課によると、18日に感染が判明した、3階に勤務する正職員の濃厚接触者という。

新たに感染が分かった1階正職員の濃厚接触者は6人おり、いずれも同じ1階に勤務する職員という。6人は今後、PCR検査を受ける。

一方、1階正職員に症状があったかや、いつまで出勤していたかについて市は、公表しないとしている。相次いで感染が分かった正職員2人は、職場での濃厚接触者ではないという。

1階正職員が勤務する部署は、消毒を実施し、通常通り業務を実施する。

「最年少」の後任に「初の女性」 つくば市副市長に松本玲子市長公室長

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副市長選任の同意を得て市議会であいさつする松本玲子市長公室長(中央)

全国最年少の副市長として26歳で就任し3月末で退任するつくば市の毛塚幹人副市長(30)=3月10日付=の後任に、市長公室長の松本玲子氏(62)が4月1日就任する。同市初の女性副市長となる。市議会3月定例会最終日の19日、本会議が開かれ、五十嵐立青市長が提案した。全会一致で同意を得た。

松本玲子氏

本会議であいさつした松本氏は「市政運営では議員の皆様から様々な意見をいただき、多くの課題を抱えていると認識している。議員の皆様とのコミュニケーションを大切にしながら、課題の一つひとつに丁寧に取り組み、五十嵐市長が掲げる『世界のあしたが見えるまち』の実現に向け、誠心誠意努力していきたい」などと決意を話した。

五十嵐市長は「松本公室長は市役所の総司令塔。男女の分け隔てなく働く環境を切り開いてきた」と評した。

任期は4年間。就任後は、毛塚副市長が担当した政策イノベーション部、保健福祉部、こども部、教育局などを担当するという。

取材に対し松本氏は、市の課題について、旧総合運動公園用地の利活用、中心市街地の活性化、学校建設などをしっかり進めていきたいとした。女性職員の活躍促進については「市の職場環境に男女の差はないので、女性職員のモチベーションや意欲をより高めることを一緒にやっていきたい」などと話した。

松本氏はつくば市出身。筑波大卒、同大学院修士課程環境科学研究科を修了し、都市計画などを学んだ。1983年に合併前の旧桜村役場職員となり、合併後はつくば市職員として、環境都市推進課長、国際戦略総合特区推進部次長、科学技術振興部次長などを歴任。つくばエクスプレス(TX)沿線開発、シティプロモーション、環境モデル都市構想や筑波山地域ジオパーク構想の策定などに取り組んだ。

2016年4月から市長公室長を務めている。(鈴木宏子)

「謎解きやボードゲームの魅力伝えたい」 元スタッフら土浦に開店し1年

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JOKER PROJECT代表の矢口優希さん(中央)、コンテンツディレクターの櫻井知得さん(左)、店長の井上恵さん(右)。後ろの棚に並べられたボードゲームは世界各国から取り寄せている=土浦市川口、「AsoVIVA JOKer」店内

県内唯一とされる謎解き・ボードゲームカフェが、土浦駅西口近くのモール505(同市川口)にある。「AsoVIVA JOKer(あそびばジョーカー)」という店だ。つくば市内にあった体験型ゲーム店の元スタッフたちが昨年1月、オープンした。筑波大出身のスタッフらが、同店オリジナルのゲームや謎解きを制作している。

運営するのは土浦市のイベント制作団体、ジョーカープロジェクト(JOKER PROJECT、矢口優希代表)だ。店内には400種類を超えるボードゲームや謎解きなどが並び、いずれも時間制で利用できる。「脱出ゲーム」も常設されている。

同団体は、2016年4月に閉店した脱出ゲームの常設店「アジトオブスクラップつくば」の元スタッフたちが「こんなに楽しい場所が無くなるなんてもったいない」と結成した団体だ。結成後、数年間はイベント制作を行いながら事業を準備し、昨年1月、念願の店舗営業をスタートさせた。

店内の様子

ボードゲームは専用のボード上で駒を動かしたり置いたりして遊ぶゲームの総称だ。「ボードゲームと言われるとよく分からないかもしれないが、日本だと『人生ゲーム』『人狼』『モノポリー』と言われればピンとくると思う。コロナ禍で自宅にいる時間が増える中、家族が顔を合わせてコミュニケーションをとる道具として再注目されてきている」と話すのは、店長で土浦市在住の井上恵(めぐみ)さん。

同店に常設されている脱出ゲームも、ルールは簡単だ。実際の部屋に閉じ込められ鍵をかけられる。密室の中には「謎」がちりばめられており、謎を一つずつ解いていくと部屋の鍵を手に入れて外に出ることが出来る。制限時間20分以内に密室から「脱出」するゲームだ。「本格的なものでは制限時間が一時間のものもある」という。

「僕たちはつくば市にあった脱出ゲーム店の元スタッフ。ずっと店を持ちたいという気持ちがあって、昨年やっと店舗を構えた。その矢先に新型コロナがきて、お客さんの出足が遠のいてしまったけど、なんとか店を存続させることができている。脱出ゲームや謎解き、ボードゲームなどはまだまだマイナーだが、魅力を伝えていきたい」と代表でつくば市に住む矢口優希さんは語る。

オリジナルのボードゲームの数々。店舗でプレイできる

オリジナルのボードゲームや謎解きも制作している。主に制作を担当するのは筑波大出身の桜井知得さん。「僕らはオリジナルのゲームや謎解きを作ったりもしている。お店に来れば一人でも、グループでもゲームを楽しむことができる。ぜひ足を運んで、ボードゲームの楽しさを知ってもらえたらうれしい」と桜井さんはいう。(山口和紀)

◆スペースの利用料金は1時間ごとに400円(学生300円)。謎解き、脱出ゲームは別料金。同店ホームページはこちら

精神安定剤を見つけよう 《くずかごの唄》82

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【コラム・奥井登美子】

「去年はコロナで緊急事態宣言、お花見行けなかった」

「今年こそ、行きたいけれど…無理でしょうね」

「コロナが収まらなくて困りましたね」

「何か落ち着かないのよ、どうしたらいいの」

「楽しいニュースがないんですよ」

「家にいてテレビのニュースは、10年前の大津波、ミャンマーの軍事政権、コロナばかり」

「怖いのは、コロナの変異種が出てきたの」

「死亡率が高いんですってね…」

「うつ病」まではいかないものの、「コロナノイローゼ」気味の人は多い。

友達とのばかみたいなおしゃべり

うちの薬局に来てくれるお客様は、老人の1人暮らしの人が多い。薬をお渡ししてもなかなか帰らない。外に行かれない。旅行にも、娘の家にも行かれない。友達とのおしゃべりができない。もろもろの憤まんがみなぎって爆発する。

友達とのばかみたいなおしゃべりが、主婦たちの精神安定剤だったのだ。私は自分が精神安定剤になったふりをして、おしゃべりに付き合う。

個性的で明るい人を観察してみると、上手下手には関係なく、それぞれ家でできる個性的な創造を試みている人たちだ。

斬新な手作りマスク、折紙、お料理、俳句、川柳、短歌、読書、ケーキ作り、アクセサリー作り、犬の服作り―などなど。コロナ禍を乗り越えるために、自分で自分の精神安定剤を見つけてみよう。(随筆家、薬剤師)

つくば市職員が新型コロナ

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つくば市役所

つくば市は18日、市役所本庁舎3階に勤務する正職員が同日、新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表した。本庁舎に正職員の濃厚接触者が1人おり、今後PCR検査を実施する。

市ワークライフバランス推進課によると、感染が判明した正職員は12日まで出勤し、15日以降は休んでいた。18日、医療機関を受診し、陽性が分かった。正職員は、すでに感染が判明した人の濃厚接触者ではないという。

市は、正職員が勤務する部署の消毒作業を行い、通常通り業務を実施する。

桜が開花 つくば市農林団地

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桜が開花したつくば市観音台、農林団地の桜並木=18日午後

つくば市の桜の名所、同市観音台、農林団地のさくら通りで、ソメイヨシノが18日までに開花した。午後4時30分ごろ、愛犬と散歩に訪れた近くに住む主婦、山口文子さんは「桜が咲いていて、びっくり」と話した。

開花した桜=同

農業関係の研究施設が並ぶ同さくら通りは、約1.5キロにわたってソメイヨシノや八重桜、山桜などが植えられ、約500本の桜並木が続く。

水戸地方気象台によると18日のつくば市の最高気温は17.6度と平年より4.4度高く4月中旬並み。前日の17日は最高気温20.4度と、連日、暖かい日が続いている。

桜の季節がくると例年、同さくら通りには市内外から大勢の花見客が訪れ、交通渋滞が起こるほどにぎわう。毎年、満開の桜の下で愛犬の写真を撮るという山口さんは「去年は新型コロナの影響で花見客が少なかった」と話し、「去年も開花が早く、3月24日ごろはほぼ満開だった。今年は『宴会なしで』という看板も出ていて、今年の花見はどうなるんでしょうね」などと話していた。

水戸市三の丸、県三の丸庁舎のソメイヨシノを標準木とする水戸地方気象台の桜の開花日は、平年が4月2日なのに対し、昨年は3月21日だった。県は、21日から4月10日までの21日間を「県まん延防止警戒期間」とし、花見で宴会や会食をしないよう呼び掛けている。(鈴木宏子)

災害対応に過去と未来のクロスビュー 防災科研がWebサイト刷新

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防災クロスビューの一例。2月13日、福島県沖を震源とする地震の震度運否=防災科研のサイト

防災科学技術研究所(つくば市天王台、林春男理事長)は18日、Webサイト「防災クロスビュー」を一般公開した。水害や地震などの災害発生から進行、復旧までの各局面に関わる情報をはじめ、過去の記録、未来の予測に至る災害情報を集約し、防災にフル活用する。これまで災害時の「対応」を主に発信していた「防災科研クライシスレスポンスサイト(NIED-CRS)」を「予防」と「回復」にも拡張する形でリニューアルを図った。

防災科研と日立製作所が2014年から共同で研究開発を進めてきたSIP4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)などにより、災害対応に必要な共有された情報をまとめ、統合的に発信するサイト。臼田裕一郎総合防災情報センター長によれば、災害時には、官公庁や研究所、企業などからの情報発信が活発化するが、分散して大量に出てくるため災害の全体像が見渡せない。これらの情報を集約して、予防・対応・回復の各局面を通じて活用できるシステムを目指した。

例えば、今年2月13日夜に発生した福島県沖を震源とする地震(マグニチュード 7.3)についてみると、面的推定震度分布や建物被害推定などの解析、家屋の被害状況、断水や給水支援などインフラ状況、防災科研Hi-netによる震源分布などの観測データ、気象庁が発表している災害の危険度分布など19の情報をサイトにまとめている。気象災害では1時間降水量分布など解析雨量、浸水・土砂災害などの発生危険度のリアルタイム評価結果などの情報が得られる。

平常時は過去の記録や現在の観測、未来の災害リスクを表示、災害時は発生状況、進行状況、復旧状況、関連する過去の災害、二次災害発生リスクなどの災害情報を重ね合わせて見える化(ビュー)した。表示される地図は市町村単位になったり、河川ごとになったり、詳細を確認し、避難に役立てられるものもある。

「防災クロスビュー」サイトはこちら、スマホ版も用意されている。ツイッターはこちら。(相澤冬樹)

10年目も被災企業に影 第2期復興・創生期間へ

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つくば駅前

信用調査機関、帝国データバンクは、東日本大震災発生直後の2011年3月から21年2月末まで10年間の倒産動向調査結果をまとめた。

震災被害が、直接または間接的な要因となった倒産は、10年間で県全体で122件発生し、負債総額は累計で478億4100万円となった。復旧・復興が進む中、8年目と9年目に各2件、10年目になっても1件の倒産が発生するなど、大震災と原発事故が現在でも企業経営に影を落としていることが分かった。

震災倒産のうち、累計件数で最も多かったのは「小売業」の26件、次いで「建設業」「製造業」「サービス業」が各21件、「卸売業」が18件と続いている。「小売業」の約半数(12件)は飲食店関係。

この傾向を同バンクは「震災による設備損壊や(原発事故による)風評被害で客足の落ち込みが長引き、借入金の返済猶予など資金繰り支援を受けながらも、売上回復や収益環境の改善につながらず倒産に至ったものと考えられる」と分析している。

今後の取り組みについては、政府は3月末に終了する「復興・創生期間」を引き継ぎ、第2期「復興・創生期間」を2026年3月まで定めるが、被災企業でも今後は本来の自主経営を求められることになる。

ただ現在は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営環境が激変している。これらの要因を背景に同バンクは「業界によっては震災前の水準まで回復しないことも想定され、11年目以降も震災に起因した『息切れ型倒産』のリスクがくすぶり続けるのでは」と予測している。(山崎実)

本当は楽しかった高校時代 《電動車いすから見た景色》16

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【コラム・川端舞】私は小学校から高校まで、普通学校に通い、体に障害があるのは自分一人だけという環境で育った。高校の卒業式の夜、「友達がほしかった。養護学校に行きたかった」と、母の前で大泣きした。でも、それは勘違いだったと、11年の歳月が経った今思う。

高校時代、本当は私には友達がいたし、楽しい思い出もたくさんあった。卒業時にそれを思い出せなかったのは、嫌なことだらけだった中学時代の記憶が強すぎて、人間不信になっていたせいだろう。高校3年生の1年間は受験勉強で必死になり過ぎていたのかもしれない。でも、高校3年間は大変なこともあったけれど、楽しかったことも同じくらいあった。

中学時代まで、私が学校にいるときは常に介助員がそばに付いていて、必要なサポートは全て介助員にやってもらうように言われていた。教科書を開いてもらうなど、簡単なことでも近くの友達に頼むと、「介助員にやってもらいなさい」と言われた。

高校に入学すると、介助員は付かなかった。その代わり、「困ったことは友達に手伝ってもらいなさい」と、それまでとは正反対のことを言われた。最初は同級生にどう頼んだらいいか分からなかった。特に教室から体育館に行く廊下に段差があり、数人に車いすを持ち上げてもらわないと体育館に入れなかった。入学したばかりの頃は、誰にも声を掛けられず、置いていかれてしまうこともあった。しかし、だんだんスムーズに声を掛けられるようになり、同級生からも「一緒に行こう」と声を掛けてもらえるようになった。

私も参加できるルール

体育の授業でバドミントンやバレーボールをするとき、私も一緒にできるような特別ルールを教員が考えてくれ、私も他の生徒と対戦する機会をつくってくれた。それを参考に、どうやったら私も学校行事である球技大会に参加できるか、クラスメートと話し合い、休み時間に体育館で練習をした。

避難訓練のとき、エレベーターが使えないことが分かり、誰が私をおんぶして逃げるかをシミュレーションしたこともあった。さすがに生徒同士でのおんぶは危険だと注意され、クラスメートが職員室に教員を呼びに行くことになったが…。

今振り返ると、卒業式の夜になぜ思い出せなかったのか不思議なほど、全部が大切な思い出だ。あの夜、大泣きしていた自分に言ってあげたい。「大丈夫。この高校に通ってよかったと思える日が来る。高校時代のあなたは大切にされていたよ」と。高校時代に受けた教育が、私にとってのインクルーシブ教育なのかもしれない。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

土浦の老舗と女子高生がコラボ「Wこんにゃく釜めし」新発売

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商品発表会の様子=2月17日、水戸市五軒町の大成女子高

つくだ煮とうなぎの老舗、土浦市大和町の小松屋食品(柳生剛社長)が、大成女子高(水戸市五軒町)と共同開発した新商品「Wこんにゃく釜めし」の発売が、3月から始まった。県北地域に伝わる伝統食材「凍みこんにゃく」を手軽に食べてもらおうと、レトルトパックの炊き込みご飯の素として考案された。

凍みこんにゃくは、厳冬期の外気と天日でこんにゃくを凍結乾燥させた珍しい食材。江戸時代に県北の山間部に伝わり、今では3社だけが製造を続けている。

これに着目したのが、大成女子高で「地域デザイン」を受講する3年生20人。地域デザインは、将来の自分に必要な能力を、社会と関わりながら身に付ける、同高独自の教科「キャリアデザイン」の中の1コース。地域の魅力を再発見し、発信するための一つの手段として、特産品を使った商品開発をしている。

生徒たちは2年次から、凍みこんにゃくを製造するクリタ(大子町上岡)の栗田晋一社長に話を聞き、製造の様子などを実際に見学し、歴史や食べ方、苦労や課題などを学んできた。

その後、イノベーション教育で習得したアイデア発想方法やプレゼンテーション技術を活用し、さまざまな商品プランを考えて栗田さんに提案、その中から「これはぜひ」と選ばれたのが「Wこんにゃく釜めし」だった。

右手に凍みこんにゃく、左手に「Wこんにゃく釜めし」を持つ柳生さん=土浦市大和町の小松屋店舗

このアイデアを形にしたのが小松屋食品の柳生社長。生徒たちの要望を基に試作を重ねて期待に応えた。「今回はコロナ禍の中、直接会うことが難しく、試作品を送って学校で炊いてもらい、試食した感想を送り返してもらって詰めていった」という。

凍みこんにゃくの独特な食感を生かし、普通のこんにゃくも入れて「しっとり」と「ぷるぷる」という2種類の食感を味わえるようにした。ほかにニンジン、シイタケ、ゴボウ、鶏肉などの具材が入っている。こんにゃくの存在感が引き立つよう、機械を使わず職人が手で刻んでいるものもある。

味付けは醤油とみりんだけで、原材料由来以外の添加物は不使用。シイタケの戻し汁でだしを利かせ、風味豊かに仕上げた。凍みこんにゃくのほど良いかみ心地が楽しく、食事としての満足感を高めてもいる。

「凍みこんにゃくは低カロリーでカルシウムや食物繊維が豊富。ヘルシーな食品としても注目を集めている。煮物や揚げ物、炒め物などさまざまな料理に使えるが『食べ方が分からない』などと言われ、手が出にくいようだ。この商品があることで、家庭料理にも取り入れてもらいやすくなる」と栗田社長。

小松屋の柳生社長は「今回初めて食べたが面白い食材。地域の食文化を再発見するきっかけにもなった。県内には魅力ある食品がほかにもさまざまあるので、もっと知られてほしい」と話す。(池田充雄)

◆「Wこんにゃく釜めし」は2合炊き用1パック入り、税抜き770円。土浦駅前の小松屋店舗およびオンラインショップのほか、水戸駅構内の「常磐・水郡 MADE STATION」、大子町池田の「道の駅奥久慈だいご」で販売されている。

高校進学阻む言葉の壁を越えたい つくば市国際交流協会が日本語勉強会

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日本語勉強会で漢字を勉強する外国人生徒(左)=つくば市吾妻、市産業振興センター

つくば市国際交流協会(布浦万代理事長)が昨年11月から、外国にルーツを持つ小中学生を対象に週2回、無料の「こども日本語勉強会」を開催している。日本人中学生の高校進学率は約97%だが、外国人の高校進学率は6割から8割しかない。日本語の習得が難しいため高校進学の壁があるといわれることから、日本語を習得するための新たな支援をスタートさせた。

これまでは長期休暇に勉強会を開催していた。新たに認定NPO法人リヴォルブ学校教育研究所(つくば市、本山裕子理事長)と協働し、年間を通して定期的に勉強会を開催する。「それぞれの子どもに合わせた支援ができるようになった」と、同協会の中村貴之さん(48)は話す。

日本語の支援必要な子 200人以上

市内には、幼稚園や小中学校に通う外国人の子どもが現在約700人いる。そのうち、日本語を理解するための支援が必要な子どもは200人以上という。

同協会では4年前から、夏休みなどの長期休暇に日本語勉強会を開催してきた。だが長期休暇のみでは5日間程度しか子どもたちに関わることができず、一人一人にどのような支援が必要か把握できなかった。

一般的に外国人が生活に必要な日本語を習得するのに4年、学習に必要な日本語を習得するのに7年かかるといわれるため、日本語を身に付けるためには継続的な支援が必要だった。

長期休暇のみの勉強会に限界を感じていた時、異文化交流等で親交があった同NPOから、「国籍に関わらず、様々な子どもたちを支援したい」と声を掛けられた。

同NPOは昨年10月から、同市吾妻の市産業振興センターで、市と協働し不登校児童生徒の学習支援事業「むすびつくば」を実施している。「むすびつくば」の活動が終わった夕方に、同じ教室を使い、国際交流協会が日本語勉強会を開催する。同勉強会は県の提案型共助社会づくり支援事業の助成金を受ける。

現在、勉強会に通っているのは、同市吾妻地区に住む小学生6人と中学生4人。インド、マレーシア国籍や、どちらかの親が外国出身である子どもなどだ。

勉強会では、それぞれの子の要望に沿って、学校の宿題をしたり、漢字や算数などの勉強をする。例えば、「満月」などの漢字を学ぶ際、日本語としての理解が難しい場合は、理科の教材を使い、月の形を確認しながら、言葉の理解を深めていく。

中村さんは「今後は、小中学校内の日本語教室やボランティアとも連携しながら、子どものニーズを多面的に把握し、より適切な支援ができるようにしたい」と話す。

新1年生にサバイバル日本語

3月中には、市内の小中学校に在籍する外国人児童生徒に加え、春に小学校に入学する外国人児童を対象にしたオンライン勉強会を、市教育委員会と共催する。

特に新小学1年生や転入生は、「先生」「友達」などの学校生活でよく使う日本語や、「おなかが痛い」など学校生活を生き抜くためのサバイバル日本語を勉強したり、学校生活の様子を説明したりする。高校進学を希望する中学生には、小中学校との違いや入学試験の情報を伝えるという。(川端舞)

コーヒー専門店「とむとむ」《ご飯は世界を救う》33

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【コラム・川浪せつ子】県独自の新型コロナ緊急事態宣言も解除されてヤレヤレです。ですが、期間中いろいろな行動が制限され、閉塞(へいそく)状態から、私はかなりウツウツになりました。

2月は私の誕生日。この歳まで生きた自分にご褒美をあげたくて、お誕生日に閉塞感を少しでも取っ払いたくて、1人で「COFFEE HOUSE とむとむ」つくば店さん(つくば市高野台)に行き、ささやかにハッピバースデー。これって、今はやりの「ソロ活」かな。

おいしいものを選ぶときほど、幸せなことはないですね。私は、特にメニュー表が大好きです。注文し終わっても「メニュー、見たいので置いておいて下さいますか」。じっくり眺めて「次はどうしようかなぁ」「コレって家でも作れるかしら?」「〇〇さんと来たら一緒に食べたいな」。メニュー表で、空想、妄想のてんこ盛り。

ここは、朝早くからモーニングもやっています。行ったことはないのですが、かなり好評のようです。午前11時半までやっているので! そして、お値段がお手軽の割にはリッチ。あ、あ、行きたい~。

ランチもオシャレで、セットにするとコーヒーはサイホンで入れたもので、カップ2杯分になります。スイーツセット(この絵のほかいろいろ)でも、2杯飲めるので、ユックリ、マッタリ、天井の高いログハウスの空間で、時間を過ごせます。命の洗濯~!!

コロナ禍で「ソロ活」を楽しむ

そしてコロナ時代。こちらのお店は、大きなテーブルにアクリル板がたくさん立ち、仕切られています。だから、今回も安心してお寄りしました。お手ふきも「感染予防のため、ご自分で会計の所のダストボックスにお願いします」と説明されて。

うんうん、頑張っていらっしゃるよね。座席数も半分になっているし、大変と思いますけど、これからもおいしいお店でいてくださいね。

「ソロ活」とは、あえて1人で行動し、楽しむこと。「ぼっち」「おひとりさま」とは、少し意味合いが違います。(イラストレーター)

県全域に「まん延防止警戒期間」 21日から4月10日まで

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茨城県庁(イラストは「いばらきアマビエちゃん」)

新型コロナウイルスの感染防止対策として大井川和彦知事は16日、県全域を対象に、21日から4月10日までの21日間を「県まん延防止警戒期間」とすると発表した。3月下旬の年度末や4月初旬の年度初めに人の移動や会食の機会が増え、第4波につながると予想されることから、感染防止対策の徹底を改めて呼び掛ける。

歓送迎会は4人まで 花見は宴会無し

①卒業式や入学式後に家族以外と会食や歓送迎会をする場合、いつも近くにいる4人までとする②花見は宴会無しとし会食を控える③春休みの旅行は、国の緊急事態宣言地域やまん延防止重点措置区域との往来を自粛するーなど3点を要請する。

大井川知事は、これまでの感染拡大傾向を踏まえると、4月中旬以降に第4波が到来し、第3波の2倍のスピードで感染が拡大、現在の新規感染者数(1日当たり30人程度)の6倍に当たる、180人の新規感染者が出る恐れがあるとした。

1月の第3波は、年末年始の大規模な人の移動により到来したこと、1都3県の緊急事態宣言が21日に解除された場合、人出が増えると予想されること、ワクチンの本格的な接種は高齢者も含め5月にならないと進まないことなどから、変異株の懸念もある第4波の到来を前に対策を打つ。

現在の県内の感染状況は、感染が概ね抑制できている状態のステージ2(県の判断指標)で、新規感染者は1日30人程度で下げ止まっているという。(鈴木宏子)

協力団体が支援 コロナ禍の学生に食品無料配布 筑波学院大

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学内食堂に並べられた食品や日用品を受け取る学生=つくば市吾妻、筑波学院大学

コロナ禍でアルバイトが減り生活に困っている学生を支援しようと、筑波学院大学(つくば市吾妻)で16、17日の2日間、学生に食品や日用品を無料で配布する「フードパントリー」が開かれている。

つくば青年会議所OB有志(小椋直樹代表)と市民団体「竹園土曜ひろば」(毛利正英代表)の協力を受けて開設した。両団体は、学生が地域に出て社会活動を実践する同大の教育プログラムの学生受け入れ団体として、長年、同大と関わってきた。

今年1月、同青年会議所の関係者から、教育プログラムを担当する同大教員に「筑波大生を対象とした食料支援はやられているが、学院大生は大丈夫でしょうか」などの問い合わせがあったのがきっかけ。

教員らは、昨年9月から市内で大学生への食糧支援を実施してきた「竹園土曜ひろば」に支援方法のノウハウなどを尋ね、同大地域連携センター(高嶋啓センター長)が取り組むことになった。

無料配布する食品や日用品は、飲料水、野菜、コメ、レトルト食品、カップ麺、トイレットペーパー、生理用品など約100品目。事前に申し込みを受け付けた30人分を含め計50人分を2団体が準備し、提供した。イスラム教徒の留学生もいることから、豚肉などを使用していない加工食品なども特別に用意した。

16日、同大の学内食堂に食品や日用品がずらりと並べられ、訪れた学生は必要な食品や日用品をそれぞれ持ち帰った。

市内に住む同大4年の女子学生は「バイトしようと、去年、飲食店の面接を3~4社受けたが、1社しか受からなかった。今年1月、面接に受かったお店で仕事を始めた途端、県の緊急事態宣言が出て、『お客さんの予約がある日だけ来て』といわれた。アルバイトが減って大変」だと語った。

市内の4年男子学生は「4月から都内で一人暮らしをする。引っ越し費用がかさむので、生活必需品がもらえて、ありがたい」などと話していた。

食品や日用品の無料配布は同大生を対象に17日も実施される。(鈴木宏子)