月曜日, 7月 27, 2026
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中国の歴史と人材・知恵に向き合うには?《文京町便り》54

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】第2次天安門事件(1989年6月)後の90年代初頭、鄧小平が外交・安全保障関係組織に発したとされる「24字戦略」(6つの四文字熟語)の中では、4番目の「韜光養晦」(とうこうようかい=力を隠して周りを油断させ、その間に力を蓄える)が人口に膾炙(かいしゃ)している。

それ以来、中国外交のこの基本路線は、江沢民、胡錦涛らの後継政権に引き継がれてきた、と私は見ていた。中国政治に疎いこともあり、「大国・礼節の国」中国の最高権力者には節度と余裕はあるのだと、その低姿勢ぶりに感心したものである。

ところが事態はそうは単純ではなく、この韜光養晦路線は、文字通り、一朝事ある時までの偽装だったようだ。事実、2008年の北京オリンピックの成功や、同年のリーマン・ショック後の世界経済低迷を中国経済が下支えしたことで、中国内の国粋主義的ナショナリズムが覚醒された。

2009年7月、日本に対中親和・対米離反の民主党政権が登場したとみるや、10年9月には、尖閣諸島周辺の領海で、中国漁船が海保巡視船に意図的に衝突する事案が発生した。尖閣諸島はその後、当時の石原都知事の購入宣言(12年4月)を受けて国有化された。そして同年11月には、胡錦濤国家主席が中国共産党第18回代表大会で「中国は海洋強国になる」と宣言するに至った。

こうした準備段階を経て、2013年3月に跡を継いだ習近平は、対外的には慎重な鄧小平路線をかなぐり捨て、中華思想満載の「中国の夢」の実現を掲げ、「一帯一路」戦略を進め、果ては「戦狼外交」を展開している。こうした攻撃的な外交スタイルは、3期目に入って政権基盤の固まった習近平体制になってから展開され始めたというより、中国の伝統的な対外発信のスタイルと見たほうがいい。

大戦中には宋美齢が反日演説

1933年2月に国際連盟からの脱退を表明した松岡洋右・主席全権(後に外相)のスピーチと、太平洋戦争中(1943年)に全米各地で演説した宋美齢(中華民国総統・蒋介石の夫人)のスピーチは、全く対照的である。ファナティックな松岡演説は当時の日本国民の多くには胸のすく思いだったようだが、対外的には日本の選択肢を狭め、外交的孤立(ナチス・ドイツとの運命共同体)をもたらした。

これ対して宋美齢演説は、対日批判を見事な英語で展開し、米国の対日批判感情を引き上げ、日本への圧力をさらに高める効果があった。その時点でのそれぞれの国内的な評価は双方とも同等かもしれないが、国際的なインパクトおよびその後の影響は比較にならない。

歴史と人材・知恵の宝庫、中国を相手にするときは、当面の対処だけではなく、中期的な視点と影響を見据えて取り組まなくてはならない、と自戒したい。(専修大学名誉教授)

霞ケ浦が優勝、決勝で常総学院を倒す【高校野球茨城’26】

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校歌を斉唱し、応援席へ駆け出す霞ケ浦ナイン(撮影/高橋浩一、池田充雄)

第108回全国高等学校野球選手権茨城大会は最終日の25日、ノーブルホームスタジアム水戸で決勝戦が行われ、霞ケ浦が常総学院を9-7で破り、2年ぶり4回目の優勝を飾った。同校は8月5日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催される全国大会に出場する。

25日 決勝戦 ノーブルホームスタジアム水戸
霞 ケ 浦 001141110 9
常総学院 000020500 7

終盤、追い上げる常総学院を霞ケ浦が突き放した。「茨城の高校野球を牽引してきた常総学院を破って甲子園へ行くという願いを達成できてうれしい。常総は決勝では負けないという印象があったが、3度目の挑戦で勝てたのは感慨深い」と霞ケ浦の高橋祐二監督。

3回表霞ケ浦1死一・二塁、加藤の中前打で菊地が生還、1点を先制

霞ケ浦の先制点は3回。先頭の7番・菊地勇一が常総学院の先発・高橋幸聖から中前打を放ち、8番・渡邉航太の犠打と9番・相田歩希の死球で1死一・二塁、1番・加藤龍の中前打で生還した。4回には5番・秋山櫻介、6番・野口空真、菊地の3連打で1点を追加した。

4回表霞ケ浦1死一・二塁、菊地の右前二塁打で1点を追加

5回には常総学院の2番手・箕輪蒼を攻め立てた。先頭の村上が右中間へ二塁打を放ち、3番・佐藤大亜の犠打は箕輪が野選(フィルダースチョイス)、4番・西野結太は死球で無死満塁。2死後、菊地の右前打で2点を加え、渡邉の左翼線二塁打でさらに2点を加えた。

5回表霞ケ浦2死満塁、菊地の右前打で2者生還。2人目の西野(左)が雄叫びを上げる
5回表霞ケ浦2死一・二塁、渡邉が左翼線に二塁打を放ち秋山、菊地の2者生還

霞ケ浦の先発投手は準決勝に続き小林将大。1、2回は順調に抑えたが3回、2四球で1死一・二塁としたところで稲山幸汰に交代。「調子は悪くなかったのでもう少し引っ張りたかったが、安打ではなく四球で出した走者だったので替えた」と高橋監督。このピンチを稲山はたった1球で三ゴロ併殺に切り抜けた。

常総学院の反撃は5回。1番・水口煌太朗の中前打、2番・荒生結太の内野安打、3番・吉澤颯大の内野安打で1死満塁、4番・幸田元希の中前打で2点を返した。7回には4安打と1四球で2点を加えなおも2死満塁、ここで水口の三ゴロは一塁への悪送球を呼び一挙3点を追加した。

5回裏常総学院1死満塁、幸田の中前打で水口(背番号6)、荒生の2者生還
7回裏常総学院1死満塁、佐藤の右前打で1点を追加

この時点でスコアは8-7とわずか1点差。次の得点が流れを大きく左右する。ここで大事な仕事を果たしたのが霞ケ浦の菊地だ。8回表2死二塁の場面、常総学院の4人目、坂本篤睦から中前打を放ち1点を追加。カウント2-2からの5球目、やや内寄りのカーブを捉えた。「まっすぐを狙っていたが、カウントを取りに来たのは2球ともカーブだったので、狙わずに来た球を打った。少し詰まったが飛んだコースが良かった。稲山がねばり強く投げていたので、楽にしてやろうと思った」と菊地の振り返り。菊地はこの日5打数4安打4打点の活躍。「もともとポテンシャルは高いが気持ちが前に出てこない選手だった。一度メンバーから外すことで奮起を促した。今日大活躍してくれてうれしい」と高橋監督。

7回表霞ケ浦1死満塁、村上のスクイズで1点追加

次はいよいよ甲子園。霞ケ浦は一昨年の大会で初の1勝を挙げた。今年はそれを上回る成績を目標にしているという。「いままで通り、目の前の一つ一つの試合に集中し、守備からリズムをつくって全員野球でやっていく」と村上主将は意気込む。(池田充雄)

試合終了、マウンドに集まり歓喜の霞ケ浦ナイン

素人の私が竹細工の指導員に《宍塚の里山》138

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写真は筆者

【コラム・松島忠久】神奈川県川崎市多摩区の生田緑地に、1967年に開園した野外博物館「川崎市立日本民家園」があります。私の母、祖母ともに農村出身で、家はもちろん古い農家作りでしたので、古民家を集めた民家園にはしょっちゅう出入りしていました。

1972年、近隣の古老が講師となり、民具作り講座(わら細工、機織り、竹細工)が民家園で開かれ、私はわら細工に参加しました。講座終了後、「これらの技術は今廃れているが、ある時期は多くの庶民がやっていた仕事だ。何とかこれを残そうではないか」ということになり、幾人かの同志が発起人となり、翌年「民具製作技術保存会(略称 民技会)」を立ち上げました。

初期の会員は30人ぐらい。ところが、多くの人がわら細工(一部は機織り希望)で、竹細工希望者はゼロということもあり、竹細工の講師(本職は籠屋さん)が寂しそうな顔をしていました。そこで私は「ここで竹細工を始めれば1対1で教われるぞ」と考え、竹細工を教わることにしました。

ここで言う竹細工とは竹トンボや竹馬作りではなく、本格的な籠(かご)や笊(ざる)編みです。先生が用意した材料で籠を編むのは簡単ですが、その材料を用意するのが大難関。籠屋に弟子入りして毎日練習をしても、自在に裂けるようになるまで3年かかるということでした。

でも竹細工グループは私1人。サボることはできず、家でも練習して、2年後には午前中に下準備「竹拵(そろ)え」が終わり、午後から「籠編み」をし、何とか1人で籠が作れるようになりました。さらに数年して、初心者が会員に教えるようになり、数年前まで続きました。

「民具の作り方」シリーズを出版

半世紀以上経った今、民技会の会員数は100人弱。うち竹細工グループは約40人と最大グループになり、多くの人が私よりうまく作れるようになっています。その間、各地の古老から聞き取りをし、「民具の作り方」シリーズとして50冊以上の本を出版し、今では民技会は全国の民具関係者に知られるようになりました。

1987年、勤務していた研究所のつくば移転に伴い、私はつくばに単身赴任しました。その後、「宍塚の自然と歴史の会」を知って入会しましたが、毎日曜日には指導のため、川崎に行かねばならなかったこともあり、宍塚の会の方は長い間、幽霊会員でした。

同会がある土浦市は霞ケ浦に面しており、実用品を作る籠屋さんが何人か健在だったので、定年後に教わろうと思いましたが、高齢などのため次々と廃業しました。私が定年を迎えた1995年には、教えられるのは私1人となり、あちこちの公民館から講師依頼が来るという異常事態となりました。

70歳代まではなんとか応じていましたが、手先の力が無くなり、80歳で竹細工をやめました。現在、近隣で竹細工を生業としている人は2人の女性のみとなっています。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

黄色い花の絨毯 霧ケ峰・車山《鳥撮り三昧》15

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ノビタキ幼鳥(筆者撮影)

【コラム・海老原信一】20数年前、長野県に住む娘の誘いで、母、妻、息子、娘、私の5人で霧ケ峰の車山を訪れた。そのとき、頂上のロープウエイ駅で下車したら、目の前に見たことのない黄色い花が広がっていた。背丈の低い草地の斜面を埋める「黄色い絨毯(じゅうたん)」だった。

圧倒されて見入っていると、絨毯の中に出ている岩の上で、軽やかにさえずる小鳥を発見。黄色い花はニッコウキスゲ(ゼンテイカ)、小鳥はビンズイと分かったが、まさか毎年、ここを訪れることになるとは…。

その後も黄色い花を思い描き、記憶だけを頼りに車を走らせた。ナビを持たないドライブで目的地に着いたときは、妙な達成感がある。そこには黄色い花畑が広がり、ビンズイだけでなく、カッコウ、オオジシギ、ホオアカ、ノビタキ、ウグイス、アオジ、コヨシキリなどが迎えてくれた。

グライダーの滑空場もあり、パイロットたちは鳥とは違う「飛ぶ楽しさ」も見せてくれた。彼らは一様に日焼けをしていて、「上空は日焼けしやすいんです」と、楽しそうだった

シーズンを避け、のんびり鳥撮り

通い続けるうち、ある変化に気付いた。黄色い絨毯の広がりが狭くなっている。そのうち、草原に電気柵が据えられようになった。花が鹿の食害で減っており、柵は予防策ということ。ここでも生態系バランスが崩れている。でも、電気柵は冬期入り前に取り外され、黄色い絨毯は順調に復活しているようだ。

通い始めのころはそれほどでもなかった「鳥見・撮影」人が、花が減少し始めたころから目立つようになった。それがどうも気になった私は、黄色い花の季節を避けるようになっていた。花の季節は鳥たちの繁殖期と重なり、花を取り込んだ撮影は巣に出入りする鳥たちに圧力を掛ける。このことも撮影を避ける一因になった。

シーズンを避けると花は少なくなるが、人の数も少なくなり、のんびりと鳥を見て鳥たちの表情を楽しめるよさがある。そんなスタイルが私には合っているようで、飽きることなく鳥撮りが続いている。(写真家)

霞ケ浦が決勝進出、相手は常総学院【高校野球茨城’26】

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3回裏霞ケ浦1死二塁、加藤の中前打で渡邉が生還

第108回全国高校野球選手権茨城大会12日目の23日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われた。第2試合では霞ケ浦が水戸商と対戦し、小林-稲山の継投により5-1で勝利。25日行われる決勝の組み合わせは常総学院-霞ケ浦に決まった。

23日 準決勝 ノーブルホームスタジアム水戸 第2試合
水戸商 000000100 1
霞ケ浦 00101003X 5

霞ケ浦の先発投手、小林

霞ケ浦は先発投手の小林将大が面目躍如、7回途中まで8奪三振1失点の好投で試合をつくった。「初戦と2戦目は緊張して腕が振れず、自分の本来の投球ではなかった。今日は覚悟が決まって緊張がほぐれ、初回をゼロで切り抜けてからは少しずつ自分の投球ができるようになった」との振り返り。メンタル面の変化の要因は「今まではピンチになったとき、自分のことばかり考えていたが、チームのためにベストを尽くそうと考えられるようになり、自然と緊張しなくなった」という。

この日の小林の投球は、最速135キロのストレートのキレが良く、「球威があるから少し甘くなっても大丈夫」との監督のアドバイスにも背中を押され、スライダーやカーブで追い込んでストレートで空振り三振を奪っていった。

3回裏霞ケ浦1死二塁、加藤の中前打で1点を先制する

打線の援護もあった。3回には先頭の8番・渡邉航太が敵失で出塁、9番・相田歩希の犠打と1番・加藤龍の中前打で1点を先制。「先輩がつないでくれて、チャンスで1本打てて非常にうれしい。カーブが多い投手なのでそれを狙いつつ、まっすぐにも反応しようという構え。二遊間が空いていたのでカーブを引き付けて中堅を狙った」と加藤。5回には渡邉の中前打と相田の内野安打などで2死二塁とし、2番・村上聖の左前打で1点を加えた。

5回裏霞ケ浦2死一・三塁、村上の左前打で渡邉が生還

小林は6回無死三塁からのピンチも無失点で切り抜け、7回に暴投と2安打で1点を失ったところで交代。「小林は良かった。いいリズムで強い球を投げてくれた。あとは打線がもう少し早くセーフティリードをつくれていれば」と高橋祐二監督。マウンドを引き継いだのは稲山幸汰。抜群の安定感で、残りイニングを1安打4三振で締めくくった。

6回表水戸商2死二・三塁、代打・柏を中飛に打ち取りチェンジ。笑顔でベンチに戻る霞ケ浦の小林
8回表水戸商2死一塁、走者・高橋を挟殺する霞ケ浦の二塁手・渡邉(左端)

待望の追加点は8回。まず村上の中前打、4番・西野結太の左前打、暴投で1点を追加。続いて5番・佐藤大亜の四球、6番代打・野口空真の右前打で1点。7番・菊地勇一の四球と渡邉の中犠飛でもう1点を追加した。

8回裏霞ケ浦1死一・三塁、6番代打・野口が右前へ適時打を放つ

これで霞ケ浦は2024年以来2年ぶりの夏の決勝進出となる。「決勝で常総学院と対戦するのは今回で3回目。過去2回はいずれもサヨナラ負けなので、3度目の正直にしたい」と高橋監督。村上主将は「下級生がつないでくれたおかげ。また、ここまでは投手陣が頑張ってきたので、次は野手が頑張って点を取り、先輩たちの成績を上回りたい」と意気込む。決勝戦は25日午前10時から、ノーブルホームスタジアム水戸で開催される。(池田充雄)

8回裏霞ケ浦1死満塁、渡邉の中犠飛で三走・佐藤が生還

常総学院、延長逆転サヨナラで決勝進出【高校野球茨城’26】

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延長10回、常総学院 宮原のタイムリーで吉澤颯大が生還して同点に追いつく

第108回全国高校野球選手権茨城大会は12日目の23日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われ、常総学院は昨年の覇者、明秀日立と対戦し、延長10回タイブレークの末、9ー8の逆転サヨナラ勝ちで2021年以来、5年振りの決勝進出を決めた。明秀日立は準々決勝で優勝候補土浦日大を破り、勢いに乗っていたが敗れた。

23日 準決勝 ノーブルホームスタジアム水戸 第1試合
明秀日立 2100010004 8
常総学院 3000000105× 9

常総学院先発投手の七村佑聖

常総学院は初回、先発投手の七村佑聖が、2死後3連打を浴び、2点を先制される。「それは想定内」と、その裏、明秀日立先発のエース徐上力から、先頭の水口煌太朗がレフト前ヒットで出塁。「絶対に塁に出る気持ちでファーストストライクを打ち、しっかりいいスイングが出来た」と水口。続く荒沼暖人のバントで、水口が二塁に進むと、吉澤颯大の内野安打と、明秀日立サードの坂上大地の失策で水口が生還。さらに幸田元希と高瀬啓睦のタイムリーで初回に逆転した。しかし七村は2回、2死3塁で明秀日立の脇山琉維にタイムリーを打たれて同点とされる。

1回常総学院1死一、三塁で高瀬啓睦が逆転となるタイムリーヒットを放つ

常総学院は3回からマウンドに上がった2番手高橋幸聖が、5回に1死二、三塁のビンチを招くが、明秀日立の白旗桜芽をセカンド併殺打に仕留め、ピンチを切り抜ける。しかし高橋は6回、1死3塁で宮楠到弥にスクイズを決められ勝ち越される。

5回明秀日立1死二、三塁で、白旗桜芽のセカンドゴロを常総学院の水口がタッチアアウトにし併殺打に仕留める

常総学院は、初回途中からマウンドに上がった明秀日立の2番手でアンダースローの山田悠月を打ちあぐねていた。が、1点を追う8回。ヒットで出塁した荒沼を二塁に置いて、幸田のタイムリーツーベースで試合を振り出しに戻すと、4ー4の同点で試合は延長タイブレークに突入した。

8回常総学院1死二塁で幸田元希がタイムリーヒットを放つ

常総学院は10回表、水口の失策で勝ち越され、さらに明秀日立、田淵侑真のタイムリーと白竹浬久虎の犠牲フライで4失点とピンチに立たされる。

島田直也監督はベンチに帰ってきた選手たちに「相手ができるならこっちも出来る。しっかりつないでいこう」とナインに声を掛けた。するとその裏、荒沼と吉澤のタイムリーで1点差に迫ると、1死一塁で宮原悠守が「絶対に打つ気持ちで打席に入った」とストレートを3塁線にタイムリーツーベースで同点に追いつく。

延長10回常総学院1死一塁で宮原悠守が同点のタイムリーツーベースヒットを放つ
吉澤が生還して盛り上がる常総学院のベンチ

さらに明秀日立のワイルドピッチと四球で満塁とし、最後は佐藤泉里が「いい当たりではなかったが何とか落ちてくれて良かった」と、レフト前に執念のサヨナラタイムリーを放ち、延長までもつれ混んだ接戦に終止符を打った。佐藤は「監督から『気持ちだ』と言われ、自分が決めるつもりで打席に入った」と振り返り、「決勝まで来たら実力の差はないと思うので、最後はチーム一丸となって気持ちで戦って必ず優勝します」と力強く宣言した。

延長10回常総学院1死満塁で佐藤泉里がレフトへサヨナラタイムリーヒットを放つ

水口煌太朗主将は「最後はチーム一願となり、応援してくれた人たちのお陰で勝ちにもっていくことができ、チームが成長できた。自分は延長でミスをしてしまったが、声を出して、つないで、つないで、諦めない気持ちが強かったし、スタンドからの声援が力になった。決勝戦も最後は全員が一つになって勝ちきりたい」と意気込んだ。

島田直也監督は「延長に入って4点取られ、(選手たちは)笑顔でベンチに帰って来たけど、プレッシャーは相当あった。それでもこういう試合が出来るのだから、次もやることをやれば勝てる。一戦一戦、力が付いてきている。守備もいいプレーがあったし、このまま守備でリズムをつくって攻撃につなげるのがうちの野球なので、決勝戦でもそれをやりたい」と話した。2016年以来10年振りの夏の頂点まであと1勝。常総学院ナインが全員野球で一願となり悲願の甲子園出場を目指す。(高橋浩一)

世界一臭い花 ショクダイオオコンニャクが開花 筑波実験植物園

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23日開花した高さ2メートル38センチのショクダイオオコンニャク=国立科学博物館 筑波実験植物園

独特の悪臭を放ち世界一臭い花といわれるインドネシア・スマトラ島原産のショクダイオオコンニャクが23日、つくば市天久保、国立科学博物館 筑波実験植物園(遊川知久園長)で開花した。見頃は2~3日で、その後は枯れてしまう。

この株が開花するのは同園で7回目。2023年に開花し人工授粉によって実を付けて以来の開花となる。実を付けたら枯れてしまうことが多い中、結実後に開花したのは日本で初めて。世界でも珍しいという。

上から見たショクダイオオコンニャク

世界で最も大きな花の一つで、23日開花した花は、高さ2メートル38センチ、直径は93センチ。世界最大の花として、高さ3.1メートルのものがギネスブックに登録されている。

開花後、ろうそくのような突き出た部分を発熱させて、食べ物が腐ったような臭いを放つ。本来、夜に開花し、昼は花びらの役割をする花序(かじょ)を閉じる。開花中の深夜、独特の臭いを1キロ先まで発散させて、昆虫や動物の死骸をえさにする夜行性の甲虫、シデムシをおびき寄せる。花序(かじょ)の内側に雌花と雄花の集まりがあり、シデムシの体に花粉を付けて媒介させる。

花びらの役割をする花序の内側の雌花の集まり(赤紫の部分)と雌花の上の雄花の集まり(黄色い部分)

しかし同園での今回の開花は昼夜逆転となり、23日午前7時ごろ出勤した職員が、開花が始まっているのに気付いた。朝方に開花が始まったのは同園で初めて。今回なぜ朝開花したのか、原因は分からないという。ただし、昼夜逆転により、来園者は今回初めて、開花した状態を見ることができる。

独特の強烈な臭いは、今回、昼夜逆転の影響なのか、「今年の臭いは本来より弱め」だと同園育成員の小林弘美さん。「いつもは服ににおいが染み付くぐらい臭い」という。

ショクダイオオコンニャクは絶滅危惧種で、原産地のスマトラ島では、限られた森の中だけに生える。今回開花した株は、2006年に東京大学の小石川植物園(東京都文京区)から譲渡を受けた。筑波実験植物園ではこれまで2012年5月に初めて開花して以降、2~3年に1度、計7回開花している。同実験植物園では、京都府立植物園(京都市)から譲り受けた別の株も2023年と25年に2回開花しており、ショクダイオオコンニャクの開花は筑波実験植物園で9回目となる。

一緒に展示されている世界一小さなタイ原産のコンニャク

展示している熱帯雨林温室には、開花中のショクダイオオコンニャクと合わせて、タイ原産の高さ約7.5センチの世界一小さいコンニャクの花も展示している。遊川園長は「世界最小のコンニャクも日本ではほとんど咲いたことがない希少種。どういう虫に花粉を運んでもらうかという進化の過程で、こんなにも変わる。両極端の個体を同時に見てほしい」と話す。(鈴木宏子)

◆開花中のショクダイオオコンニャクは、つくば市天久保4-1-1 国立博物館 筑波実験植物園 熱帯雨林温室内で25日(土)か26日(日)ごろまで見ることができる。開花に合わせて同園は24日(金)の開園時間を通常より30分早めて午前8時30分から開園する。閉園時間は90分延長し、午後6時30分に閉園する(入場は午後6時まで)。通常の開園時間は午前9時から午後4時30分(入場は午後4時まで)。入園料は一般・大学生320円、小中高校生と65歳以上、障害者などは無料。

カリキュラムと教育活動の連携《よぎさんの眼》3

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【コラム・よぎ(P.ヨゲンドラ)】日本の学校教育には、長年続いてきた大きな課題がある。それは、授業、考査、学校行事、探究活動、部活動、校外学習などが、それぞれ独立して存在していることである。本来、教育とはすべての活動がつながり合い、生徒の人格形成や実践力育成へ向かうべきものである。しかし現実には、「授業は授業」「行事は行事」と分断され、生徒自身も「何のためにやっているのか」を理解できないまま、学校生活を送っている場合が少なくない。

生徒と宿泊行事に参加した際、企画運営を担当した生徒に「この活動から何を学んだか」と尋ねたことがある。最初、生徒は答えられなかった。そこで「社会人になって似たような企画を任されたら再現できるか」と問い直すと、「人を集め、計画し、役割分担をして、必要な情報を調べる」と、具体的に説明し始めた。つまり生徒は実践的な力を身につけていたにもかかわらず、それを“学び”として認識できていなかったのである。

「授業だけの学校」から脱却せよ

ここに、日本の教育の大きなヒントがある。学校行事や探究活動は単なる思い出づくりではない。本来は、理解力、応用力、分析力、創造力、実行力、協調性を育成する重要な教育活動なのである。

だからこそ学校全体で「学びのストーリー」を設計する必要がある。例えば、情報の授業で学んだプログラミングを文化祭の受付システム開発に活用する。経営理論を学んだ生徒が、学校行事の予算管理や企画運営を担う。探究学習で調べた地域課題を、地域イベントや行政提言へとつなげる。このように、授業と実社会を接続してこそ、生徒は「学ぶ意味」を理解し始める。

私が校長を務めた土浦一高では、中高一貫6カ年構想のもと、学習・考査、特別活動、探究学習、課外学習、校外学習、学校行事の6領域を相互に連携させる改革を進めてきた。探究活動では、DX、ビジネス、マネジメント、中国語などを導入し、外部専門家や大学との連携を進めた。また模擬国連、模擬議会、海外研修、起業家講演などを通じ、生徒が教室外で社会と接続できる環境づくりを推進した。

学びの可視化、目的や目標の確認

さらに重要なのは、「学びの可視化」である。高校3年間で何をどの順番で学び、それがどの活動や実験とつながるのかを示さなければ、生徒は学習の目的を見失う。カーナビのない運転が不安であるように、学びにも道筋が必要なのである。そのためにも年度当初、学年ごとに、科目ごとに具体的なオリエンテーションを行うべきである。これから1年をかけて学ぶ内容、どこで山場がくるのか、参加する行事とその意義を確かめるとよい。保護者にも参加してもらうことで、二人三脚が実現できる。

教育とは、知識を点で覚えさせることではない。教科、活動、体験、人間関係を線と面でつなぎ、「生きる力」に変えていく営みである。日本の教育改革に必要なのは新しい科目を増やすことだけではない。学校全体を「ひとつの大きな学びのシステム」として再設計することなのである。(土浦一高・付属中学校 元校長)

154人のマイナカード署名用電子証明書が無効に つくば市が作業誤り

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つくば市役所

つくば市は22日、現在政府が進めている、自治体の基幹的な業務の情報処理システムを全国の自治体が統一した仕様に合わせる作業の一環で、人名などの複雑な漢字(外字)を、デジタル庁などが定めた標準文字に合わせる更新作業を実施したところ、作業工程に誤りがあり、154人のマイナンバーカード搭載の署名用電子証明書が失効してしまったと発表した。

自治体の基幹事務システムの統一・標準化は、全国の自治体がそれぞれ個別に構築してきた住民基本台帳、住民税、介護保険、児童手当て、選挙など20の基幹的な事務処理システムの仕様を、2025年度末をめどに、国が決めた標準仕様に合わせるもの。つくば市は、統一の仕様に合わせる作業を昨年12月末までに終え、今年1月から標準仕様に切り替えていた。

その後7月8日、来庁した市民から、5年に一度更新が必要なマイナンバーカードの署名用電子証明書の更新手続きを、自身のスマートフォンからも出来るようにしようとしたが出来なかったなどと申し出があった。

市情報システム課によると、原因を調査した結果、市が業務を委託して、人名などの複雑な漢字を標準文字に合わせる作業を実施した事業者が、複雑な文字を、デジタル庁が決めた約7万字に合わせる作業の中で、そのうち71字について、文字のデザインを若干太くするなど、標準文字のデザインを若干変更したことが原因と分かったという。戸籍の氏名にふりがなを記載する制度が始まったのと合わせて、システム上で、住民基本台帳ネットワークに登録されている氏名が変更されたと認識され、氏名の一部に71文字を使用している154人のマイナンバーカードの署名用電子証明書が無効になったという。

署名用電子証明書は、本人であることを確認する電子的な印鑑証明書として、税金の申告(e-Tax)やパスポート申請、住宅ローンの控除、オンラインバンキングの口座開設などに利用されている。市市民窓口課によると、標準文字の更新作業の誤りが原因で、マイナンバーカードの署名用電子証明書が利用できなくなった市民がこれまで何人いたかは不明という。一方、マイナ保険証として利用や、住民票など証明書のコンビニ交付、行政手続きのオンライン申請、年金や医療費など自分の情報を確認するマイナポータルへのログインなどは引き続きできる。

署名用電子証明書が無効になった場合、再発行手続きが必要になる。市は今後154人に対しお詫びの通知を出し、市役所本庁舎や各窓口センターに来庁の上、手続きをしてもらうよう通知するとしている。

委託事業者に対しては、市から、各作業の適切な履行の徹底と再発防止を図るよう要請したとしている。市によると、この事業者は他自治体からも標準文字の更新作業を請け負っていて、この事業者による作業の誤りが原因でマイナンバーカードの署名用電子証明書が無効になったのが分かったは初めてという。

森の7日間《短いおはなし》53

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イラストは筆者

【ノベル・伊東葎花】

夏休み、彩は初めてママの故郷に来た。そこは深い森の中。
ママと並んで、木漏れ日の中を歩いた。空が遠くて、夏を忘れるほど涼しい。

「気持ちいいでしょう」

「うん。涼しい。だけど昼間も暗くて、ちょっと怖いね」

「怖くないわよ。ママの遊び場だもん。あっ、でも一度だけ、不思議なことがあったわ」

ママは、大きな木の下で立ち止まった。

「ママが小学生のとき、この森で迷子になったの。毎日のように遊んでいた森で、7日間も迷子になっていたの。不思議でしょう」

「7日も?」

「そう。7日後に、この木の下で発見されたの」

「7日も何をしていたの?」

「まるで覚えてないの。神隠しにあったのだと、大人たちは言ったわ。昔からそういう言い伝えがあるの」

「神隠し?」

「そう、神隠し」

彩はその夜、なかなか眠れなかった。
田舎の家の天井が怖かったり、お線香の匂いが気になったり、そして何より、ママから聞いた神隠しの話が頭から離れない。
神隠しにあうと、どうなるの?

次の朝、彩は何かに導かれるように森に入った。もちろんすぐ帰るつもりだった。
だけど森に入ったとたん、方向がまるで分からなくなった。おばあちゃんの家は見えるのに、歩いてもたどり着けない。
次の瞬間、彩は木の上にいた。木の幹にしがみつき、大声で鳴いていた。
彩は、蝉になっていた。

「ごめんね、彩ちゃん。7日間だけ体を貸して」

下を見ると、彩がいた。蝉になった彩に向かって大きく手を振った。

「あなたはこの先、何10年も生きるでしょう。私はたった7日の命なの。だから、あなたの7日間を私にちょうだい。7日後に返すから」

彩になった蝉がくるりと背を向け、森の中を駆けて行った。

ママが探しに来た。おばあちゃんも来た。
近所の人や捜索隊、知らせを受けた東京のパパもやってきた。
みんなで彩の名前を呼びながら、必死で探している。
「ここにいるよ」と叫んでも、それは懸命に鳴く蝉の声だ。誰も気づかない。
2日、3日、4日…彩になった蝉は、森の中を見つからないように走り回っている。
彩は、木にしがみついて時が過ぎるのを待つしかなかった。

7日後、ママに肩を揺すられて目覚めた。
大きな木の下で眠っているところを発見された。

「ああ、よかった」

ママとパパ、おばあちゃんと捜索隊。みんなに見守られて目覚めた。
となりで、蝉が死んでいた。

迷子だった7日間のことを聞かれ、何も覚えていないと答えた。

「神隠しだわ。あの日のママと同じ。あなたも神隠しにあったのね」

ママが「もう大丈夫」と抱きしめた。
ママの手をぎゅっと握って、わたしは、かすかに笑った。

あのね、ママ、同じじゃないよ。
だってわたし、本当は7日間のことをよく覚えているの。
楽しくて、楽しくて、この子に体を返すのが嫌になったの。

ごめんね、彩ちゃん。
彩になったわたしは、死んだ蝉にそっと土をかぶせた。

(作家)

「人口県内一なのにつくばの県立高は水戸の3分の1」 市民団体が9回目の要望

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県教育庁の山口英司学校教育部長に要望書を手渡す、「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」の片岡英明代表(左から3人目)。右端は松本玲子つくば市副市長=県庁

「通学にお金と時間かかる、フェアでない」

つくばエクスプレス(TX)沿線の人口が増加し、つくば市の人口が水戸市を抜いて県内一になった一方、つくば市の県立高校は水戸市の3分の1しかないなどとして、市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)は21日、柳橋常喜 県教育長宛てに、TX沿線の生徒数増に応じたつくばエリア(つくば、つくばみらい、守谷、常総市)の県立高校の新設や学級数増を求める要望書を出した(7月14日付)。県立高校の新設や学級増を求める要望書の提出は2021年5月の会結成以来、9回目になる。要望書を受け取った県教育庁の山口英司 学校教育部長は「貴重な意見としてお受けしたい」と答えるにとどまった。

同席した市民団体のメンバーからは「(子供の)高校進学を考えたくてもつくば市内に通える高校が少ない。知り合いの子が土浦市の高校に通っていてバス代が月3万円くらいかかると聞く。水戸市と比べて通学にお金がかかり、時間がかかる。フェアではない」などの意見が出された。

要望書提出には、つくば市の松本玲子副市長、山本美和、うののぶこ、ヘイズ・ジョン県議らも同席した。

要望書提出後の意見交換の様子

考える会の試算によると、つくば市の人口は県内一になったが、水戸市内の全日制県立高が7校50学級あるのに対し、つくば市内は3校17学級しかない。中学卒業者数100人当たりで比較すると、水戸市は生徒100人当たり2.05学級(1学級は定員40人)あるのに対し、つくば市は3分の1の0.66学級しかないとしている。さらに県平均でも生徒100人当たり1.75学級になるなどとして、県平均水準まで改善されるよう、つくばエリアに県立高校の新設や学級増などを行うことや、スクールバスの運営費を補助し通学支援を行うことなど5項目を要望した。

要望に対し、県高校教育改革推進室の片見徳太朗室長は「県立高校の配置は(市単位ではなく、県内を12地区に分けた)エリアを基本にしている」「つくばエリアについては2024年10月に(現時点では定員増が必要との判断には至ってないという)見解を示している。つくばエリアに土浦、下妻、牛久を加えた対象の7市17校は充足していると試算している」など、これまでの見解を繰り返した。

考える会やつくば市議会などがこれまで要望してきた竹園高校2学級増について(24年5月28日25年6月27日付25年7月5日)、五十嵐立青つくば市長が一昨年、増設する校舎の建設費用を市が負担すると表明したことについて、つくば市の松本副市長が検討結果を県に尋ねたところ、県の片見室長は「市に(県立高校建設費の)負担を負わせることは財政法の原則からできない。財政法を理由に拒否するわけではないが、財政支援の有無にかかわらず、県の責任でつくるのが大原則」だなどと、竹園高の2学級増の要望も突っぱねた。

一方、県高校審議会が答申を出した2027年度以降の県立高校教育改革の方向性に基づいて(25年12月25日付)、現在、県教育庁が策定を進めている新たな県立高校改革プランの基礎資料となる将来の県立高校の入学者数と募集学級数の展望について片見室長は「将来的な見通しの数字は毎年見直している」と述べた。高校審議会で示された資料では、つくばエリアの学級数が25年度と比べ30年度に1学級増としているのに対し、33年度は30年度から2学級減としていることについて、確定しているわけではなく毎年見直しているなどと言及した形だ。(鈴木宏子)

東日本大震災の記憶を継承 詩人・和合亮一さんらによる追悼企画

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ポスターには、つくば市在住の写真家、齋藤さだむさんが福島県南相馬市で撮影した写真が使用されている

8月8日 つくば

詩の朗読や音楽を通じて15年目を迎える東日本大震災の記憶を継承する「15年目の『いのり』2011–2026『詩の礫(つぶて)』」が8月8日、つくば駅前のコンサートホール、ノバホールで開かれる。登壇するのは、自身も被災経験を持つ福島県出身の詩人で高校教員でもある和合亮一さん、震災以降、被災地への思いを込めた楽曲を作るロックバンド・アジアン カンフー ジェネレーションのボーカル後藤正文さん、筑波大出身の舞踏家で山海塾の岩下徹さん、土浦市で生け花教室を主宰する華道家の小春丸さん。ステージ上には、つくば市在住の写真家で、震災直後から東北や関東の被災地域の撮影を続けてきた齋藤さだむさんの作品がスクリーンに投影される。

主催団体で、県南地域で芸術文化活動を企画・運営するウォーミングアップアートプロジェクト代表(5月25日付)の野口修さんは「会場では、公募した詩を、作った方が登壇して朗読する市民参加のステージもある。8月は祈りの季節でもある。1000人を収容できる空間で、観客も参加する企画を通じて、会場にいるすべての人が祈りを通じて他者との時間を共有する機会になる。震災から15年がたつ中で、来場する観客を含めた空間そのものが作品になるはず」と思いを述べる。

詩人の和合亮一さん( ウォーミングアップアートプロジェクト提供)

「自分自身と向き合う場」 

今回の企画の出発点について、野口さんは「震災後ずっと、いつか和合さんをつくばに呼びたいと思っていた」と振り返る。これまで何度も打診してきたが、実現には至らなかった。震災から15年という節目を迎えた今年、「今やらなければ難しい」と考え、本格的に企画を動かしたという。

「できるだけ多くの人に、自分自身の思いを持って会場に来てもらいたい。お盆の時期に、言葉を聞き、花を見て、身体の表現に触れ、音楽を聴く。その中で、自分のことを考える時間が生まれるんじゃないかと思った」

アジアン カンフー ジェネレーションの後藤正文さん(ウォーミングアップアートプロジェクト提供)

野口さんが重視したのは、震災を「知識として学ぶ」場ではなく、表現を通じて自分自身と向き合う場にすることだった。きっかけの一つは、水俣病に関するイベントに参加した経験だという。「水俣の話を聞いているのに、気づくと自分のことを振り返っていた。あれは何なんだろう、とずっと考えていた。震災についても、和合さんの朗読を聴きながら、聴く人が『自分も当事者として考える』ような時間をつくれないかと思った」

会場では、和合さんと後藤さんのセッションに加え、公募で集めた詩の朗読も行われる。応募者の中から選ばれた10人ほどが自ら登壇し、自分の詩を読む予定だ。「市民の声を聞きたい。プロの表現ももちろん大切だが、普通の人が自分の言葉を読むことも観客の心にしみいるのではないかと思っている」

朗読の間には、華道家の小春丸さんが花をいけ、背後のスクリーンには出演者や会場の様子、そして齋藤さんの写真が映し出される。最後には、出演者全員による即興のフリーセッションも予定されている。野口さんは、このイベントを「完成された作品の鑑賞会」ではなく、「会場にいる人全員でつくる空間」だと考えている。「お客さんが表現を見ながら、自分自身を考えることができればいい。記憶を振り返るだけでなく、これからどう生きていくか、その『いのり』につながってくれたら」と語る。

被災地に向き合う写真家・齋藤さだむさん

写真家の齋藤さだむさん

会場で、被災地を撮影した写真によるスライドショーを上映するつくば市在住の写真家・齋藤さだむさん(77)は、震災直後から東北沿岸の撮影を続けてきた。2011年3月、震災発生直後に県内の被災地を訪れ、その後、福島県南相馬市出身の詩人・若松丈太郎さんに関する書籍制作に関わり、福島県内から、さらに青森から千葉まで広範囲の被災地を巡った。「南相馬の原町駅から海の方へ向かっていくと、普通の風景だったものが、だんだん建物が減って、崩れていく。その変化が本当に衝撃的だった」と振り返る。テレビで見た津波の映像とは違い、現地では「人の目の高さ」で破壊を体感したという。

1977年から現在のつくば市に暮らす齋藤さんは、筑波研究学園都市の形成のほか、ダム、原発、石油備蓄基地など、国内外の巨大エネルギー関連施設を長年撮影してきた写真家でもある。人間がつくり上げた巨大構造物を見続けてきたからこそ、津波によって一瞬で消し去られた沿岸の風景は特別な意味を持った。「人間の力があれば何でもできる、という世界を見てきた。でも津波は、人間の意志とは関係なく、冷徹にすべてを消滅させてしまう。その対比を強烈に意識させられた」

震災から15年がたった現在も、撮影は続いている。今回の上映に向けて、15年間の写真を改めて見直していると話す。

野口さんは「観客を含めた空間そのものが作品になる」と語る。震災を直接経験していない世代も増えている。15年前に生まれた子どもたちは、今では中高生だ。「震災を経験していない人にとって、想像力の問題は大きい。東日本大震災という未曾有の出来事があり、その後の社会の中で私たちは生きている。だから何度でも『生きる』ということを考え直す必要があるはず」と語る。(柴田大輔)

◆「15年目の『いのり』2011–2026『詩の礫』」は、8月8日(土)午後6時から、つくば市吾妻1-10-1 ノバホールで開催。出演は、和合亮一さん(朗読/詩人)、後藤正文さん(ボーカル・ギター/アジアン カンフー ジェネレーション)、岩下徹さん(ダンス/元山海塾)、小春丸さん(生け花)、齋藤さだむ(写真)。入場は一般4000円、学生・障害者3000円、高校生以下2500円。チケット販売は、ノバホール窓口のほか、イープラス、主催団体のウォミングアップへ。また専用サイトでは7月21日(火)まで、震災にまつわる詩を募集している。詳細はイベント公式サイトへ。

つくばの緑《デザインを考える》34

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竹園2丁目樹木調査図

【コラム・三橋俊雄】つくば市における公務員宿舎売却に伴う緑被率(樹木や草地などの緑で覆われる面積が占める割合)の低下は、単なる景観の問題ではなく、筑波研究学園都市が育んできた良好な都市環境の将来を考える上で重要な課題です。

上の図は、筆者が2019年に竹園2丁目公務員宿舎で実施した樹木調査の一部です。この調査は、公務員宿舎の豊かな緑を守り、次世代へ引き継いでほしいという思いから、アカシデ、ケヤキ、クスノキ、シラカシ、アキニレ、メタセコイヤ、クヌギなどの大木18本を対象に、その位置、本数、幹周(地上130センチ地点で計測)を記録したものです。

研究学園都市として計画的に整備されたつくば市では、広い敷地に低層の公務員宿舎が配置され、その周囲に豊かな樹木や緑地が整備されたことから、「緑の中に集合住宅が点在する」特徴的な景観が形成されてきました。とりわけ竹園、吾妻、並木、松代などの宿舎地区は、豊かな緑とゆとりある住環境を備えた地区として知られ、研究学園都市の景観を象徴する空間の一つとなっていました。

緑のエコロジカルネットワーク

しかし近年、公務員宿舎の廃止や跡地売却が進み、それに伴う樹木の伐採や土地利用の転換が進められています。再開発後も一定の緑地は確保されるものの、宿舎時代に形成された豊かな樹林環境がそのまま維持されるとは限りません。こうした変化により、長年にわたり地域の良好な景観や都市環境を支えてきた緑環境が失われる可能性が指摘されています。

緑被率の低下は、夏季の気温上昇や日陰の減少、雨水浸透機能の低下、生態系ネットワークの分断など、私たちの生活環境にさまざまな影響をもたらす可能性があります。また、樹林地や草地は多様な動植物の生息・生育の場となっており、その減少は生物多様性の低下にもつながるおそれがあります。

さらに、子どもたちが自然豊かな環境の中で健やかに成長し、将来も住み続けたいと思えるつくばであり続けるためには、身近な緑の存在が不可欠です。豊かな緑は、遊びや学びの機会を提供するだけでなく、地域への愛着や郷土意識、豊かな感性を育む貴重な地域資源でもあります。

つくば市は、「緑のエコロジカルネットワークと緑を楽しむ暮らしが息づいたまち」の実現を目指しています。宿舎跡地の再開発が進む今こそ、研究学園都市の特徴である豊かな緑を次世代に継承し、緑被率の維持・向上を視野に入れたまちづくり、まちのデザインを進めることが求められています。(ソーシャルデザイナー)

稲山がまたも完投、霞ケ浦 準決勝へ【高校野球茨城’26】

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この日は102球を投げて完封した霞ケ浦の稲山


第108回全国高校野球選手権茨城大会11日目の20日、準々決勝4試合が行われた。ノーブルホームスタジアム水戸の第2試合では霞ケ浦が鹿島学園と対戦し、エース稲山の好投で3-0と完封勝ちを収めた。

20日 準々決勝 ノーブルホームスタジアム水戸 第2試合
鹿島学園 000000000 0
霞 ケ 浦 300000000 3

今年の春大会、霞ケ浦は3回戦で鹿島学園と対戦、エース前田渓斗に完投を許し敗れている。そのリベンジの機会がここで巡ってきた。

1回裏霞ケ浦2死満塁、小磯の右前打で2点を先制

1回裏霞ケ浦の攻撃、1番・加藤龍がいきなり中前打で出塁。後続も前田の制球の乱れを突いて粘りを発揮、2番・村上聖と5番・佐藤大亜が四球を選んで2死満塁。ここで5番DH(指名打者)小磯陽希が2球目のスライダーを右前へ運び2点を先制。「大事なところでここぞの1本が打て、チームの役に立てたのがうれしい」と喜びの声。

小磯のこの打席、初球もスライダーだったが空振り。これが相手投手にどう映ったかと小磯は考えた。「タイミングが合ってないので、もう1球行けるのでは」と再びスライダーを投げてくるとヤマを張り、今度は完全にアジャストして振り抜けた。

1回裏霞ケ浦2死一・二塁、菊地の中前打で佐藤が生還、3点目

小磯に続いて7番・菊地勇一も中前へ適時打を放ち、3-0とリードを広げた。「相手投手も疲労が見られ、思い切り投げられない。カウントを取りに来る変化球を狙えと指示していた。1年生の加藤や小磯がよく打ってくれた」と高橋祐二監督。

3回表鹿島学園1死一塁、一走が盗塁を狙うも佐藤の送球で阻止。遊撃手・加藤

霞ケ浦の先発投手、稲山幸汰も連投で一昨日に140球を投げたばかり。「肩の張りなどもなく、いつも通りに投げられた」と話すが、変化球のキレなどは甘さも見られた。それでも9回を2安打10三振2四死球という好投。安打で出した走者は2人とも捕手・佐藤の送球で盗塁を阻止した。

「投手の良さを生かすのが自分の役目。稲山は序盤の緊張が徐々にほぐれ、後半は低めに球を集めていい投球ができた」と佐藤。「2年生捕手だが落ち着きが出て、周りが見えるようになった。打者としても大事なところで打ってくれる」と、高橋監督の佐藤評。

9回表2死、三振振り逃げの打者を一塁送球でアウトにする佐藤

次は23日の準決勝。霞ケ浦はノーブルホームスタジアム水戸の第2試合で水戸商と対戦する。「やるべきことをやって一つずつ勝っていきたい」と話す高橋監督だが、悩みどころは投手起用だ。疲労が懸念される稲山で行くのか、それとも2、3回戦のように小林将大と稲山の継投で行くのか。いずれにしても稲山は「監督に任された通りで行くだけ。中2日しっかり休んで自分の投球をする」とサバサバした表情だ。(池田充雄)

試合終了、本塁前でタッチを交わす稲山(中央右)と佐藤(同左)

常総学院、常磐大に勝利しベスト4【高校野球茨城’26】

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9回、本塁打を放った常総学院 幸田元希が生還してガッツポーズ

第108回全国高校野球選手権茨城大会は11日目の20日、準々決勝4試合が行われた。 ノーブルホームスタジアム水戸では常総学院が常磐大高と対戦、7−3で勝ち、準決勝進出を決めた。8回までは接戦だったが、9回に常総学院が突き放した。常総学院の準決勝進出は2年連続。

20日 準々決勝 ノーブルホームスタジアム水戸 第1試合
常総学院 030000004 7
常磐大高 002000000 2

2回常総学院無死二塁、三塁、荒沼暖人がセンターにタイムリーツーベースを放つ

常総学院は2回、常磐大の先発投手 高倉聖翔から、宮原悠守、高瀬啓陸の連打で無死二、三塁とすると、荒沼暖人がセンター前にタイムリーツーベースを放ち2点を先制した。「自分がランナーを返す強い気持ちで打席に入った」と荒沼。さらにバントと四死球で満塁としチャンスを広げると、続く吉澤颯大の内野安打で1点を追加した。

常総学院先発投手の高橋幸聖

常総学院先発の高橋幸聖は「先輩方が援護してくれるのを信じて、思い切って腕を振って投げた」と、1回、2回、常磐大打線を完璧に抑える。が、3回は「常磐打線にタイミングを合わされてしまった」と2本のヒットを打たれ、1死二、三塁で常磐大の河村光、横瀬琉利から連打を浴び、1点差とされる。さらにピンチを招くが後続を抑えた。

3回、常磐大の平山涼太のショートゴロで、橘内俊人をホームタッチアウトにする

5回は2番手 七村佑聖が、自らの失策で1死満塁のピンチを迎えるが、常磐大の宮崎渉真をショート併殺打に仕留め、ピンチを切り抜ける。

6回途中からは3番手 箕輪蒼が「絶対に抑える気持ちで1人、1人抑えるつもりで腕を振って投げた」と、ストレート、スライダー、チェンジアップを巧みに投げ分け、7回、8回と常磐打線を無安打、1死球に抑えた。

6回のピンチを切り抜けハイタッチ。背番号4が荒沼、背番号 1が3番手の箕輪

打線は9回、4番幸田元希が、常磐大の3番手、仲本寛のインコース真ん中を、レフトポール際に本塁打を放ち、欲しかった追加点が入った。「1試合で1球あるかないかの甘い球を仕留める事が出来た。打った瞬間入ると思った」と幸田。さらに満塁から、ワイルドピッチと水口煌太朗のタイムリーでダメ押しの3点を追加し、7−2とリードを広げた。

9回常総学院2死満塁、水口煌太朗がレフト前に2点タイムリーヒットを放つ

その裏、1死満塁のピンチを迎えるが、常磐大の横瀬をサード併殺打に仕留めた。

9回ダメ押しのタイムリーを放った主将の水口煌太朗は「先制点を取れたのが良かったし、守備も我慢強く守れたのは良かったが、バントミスと中盤から後半にかけてチャンスであと1本が出なかったので、そこを反省して改善していきたい。次の相手にも全力で、勝つことだけに集中してやっていきたい」と語った。 
3番手で登板し好リリーフした箕輪蒼は「昨年は準決勝で負けてしまったので今年は必ず勝ち切って甲子園に行きたい」と意気込みを語った。

3番手の箕輪蒼

常総学院の島田直也監督は「9回に代打も考えたが、幸田が良く打ってくれたのが大きかった。次の試合でも一つ一つ、やることをしっかりやって準備していきたい」と話した。準決勝は23日、明秀日立と対戦する。(高橋浩一)

つくばと土浦が中心になる大都市圏構想《吾妻カガミ》221

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茨城県庁(左)とつくば市役所

【コラム・坂本栄】前回コラム「つくばエリアの『独立』を考える」(6月15日付)で、つくば市を中心にして政令市(人口要件50万以上)あるいは特別市(道府県から独立)を設置したらどうかと提案しましたが、大井川県知事が記者会見(6月19日)で「つくば市と土浦市が中心となる大都市圏」の形成をぶち上げました。私の提案と重なるところもありますので、その構想を紹介しておきます。

知事:政令市規模の人口塊が必要

知事の大都市圏構想は、東京圏に近い県南エリアに茨城県の核になるような50万都市をつくるのが望ましいという内容です。単なる経済圏なのか、それとも行政圏も展望しているのか、以下の発言から読み取ってください。

「今、世界的に人口は都市に集中し、都市化が進んでいる。一定の人口規模の都市にはさまざまな利便性、例えば交通網、文化娯楽施設などが集積する。自立的に人口を集める規模は最低でも50万と思う。茨城県の大きな課題の一つは、50万人規模以上の都市がないこと。TX土浦延伸がきっかけになり、つくばと土浦が中心となる大都市圏の形成を目指せればと思う」

「TX沿線に人口が集積している側面は二つある。一つは、東京のベッドタウンになっていること。仕事で首都圏に行き、住む場所はTX沿線という、利便性の観点からの方が結構いる。もう一つは、つくばにはしっかりした職場があること。研究所や大学など、この地で仕事をして、生活を成り立たせる基盤がある」

「地方の県としては、ベッドタウンを増やすことではなく、職と住の中核となる自立的な経済圏を増やしていきたい。学園都市つくばと商業都市土浦を核とした都市圏をつくれば、県にとって非常にプラスになる。その起爆剤になるのがTXの土浦延伸。TXと常磐線が接続されることによって、利便性が向上するからだ」

「(人口50万人規模=政令市を想定しているのかとの質問に)政令市かどうかは別にして、政令市規模ということ。状況次第で政令市になるかもしれないし、ならないかもしれないが、大きな人口の塊(かたまり)を、今、都市化が急速に進む中でつくることは、茨城県にとって非常に重要と思う」

市長:合併による政令市には反対

この知事発言について、五十嵐つくば市長に「知事は政令市も想定しているようだが、何か感想は?」と、記者会見(7月14日)で聞いたところ、以下のようなコメントが返ってきました。

「知事の発言は、政令市ではなく、都市圏をつくりたいということであり、政令市とは違う話と思う。合併して一つの都市になることと、広域都市圏として連携していくことは、天と地の違いがある。今、つくば市は周辺自治体と、交通を中心にさまざまな連携をしている。そういう意味では、広い都市圏がすでに存在している」

「(合併による政令市移行は考えないかとの質問に)今の時点で、周辺自治体との合併は考えていない。最近、近隣の自治体で合併話が持ち上がっていることは把握しているが、合併の申し出を受けた市の首長コメントを見ると、慎重な態度を示している。合併は、その場でサッと決められるようなものではない。一番大事なのは、住民の合意形成、地域がどういうビジョンを共有するかということ」

「つくば市は、6町村が合併して形成された市であり、その課題を感じながら市長職に取り組んでいる。それらの課題をつくば市で解決できなければ、広域で仮に他市と合併したとしても、同じことが繰り返されるだけになる。今回の知事発言についても、私あるいは市から知事や県庁に問い合わせなどはしていない」

攻めの知事VS.守りの市長

要するに、土浦延伸TXを大都市のツールと位置付ける攻めの知事=明確な構想による50万都市形成(必要なら政令市)、つくば市の現状維持と自市第一でいきたい守りの市長=現在の延長上の都市圏形成(政令市は不要)―という対立の構図です。強いパワーを持つ政令市あるいは特別市の形成を夢想する私の提案に比べると、いずれも行政実務者の思考上の制約を感じます。(経済ジャーナリスト、坂本栄)

土浦の花火100年の紡ぎ⑺《見上げてごらん!》54

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土浦の花火オフィシャルカレンダー2026の表紙と7月の暦

【コラム・小泉裕司】土浦の花火が誇る圧倒的な質の高さ、それを支えているのは全国から集結する花火師たちの存在である。1926(大正15)年の第2回大会には、すでに日本各地の名工たちが土浦に集っていた。今や国内屈指の花火師たちが最新の技と魂を込めて競い合う「品評会」へと進化した。

花火の格調を支える審査員

このように発展してきた背景には、花火師たちのたゆまぬ努力はもちろんであるが、厳正に作品を評価し、日本一の花火師を選ぶ「審査員」の存在抜きに語ることはできない。昨年の第94回土浦全国花火競技大会の審査委員会は、学識経験者、火薬専門家、行政担当者、芸術家など10人で構成され、横浜国立大学上席特別教授の三宅淳巳氏が委員長を務めた。

実は、この審査委員長には、長年にわたり東京大学の火薬・安全工学系の専門家が務めてきた歴史がある。1968年の疋田強氏(元東大教授)を皮切りに、吉田忠雄氏、田村昌三氏、そして前委員長の越光男氏へと続く系譜は、半世紀以上に及ぶ。昨年の三宅氏も越氏の弟子にあたり、その伝統が引き継がれている。

同様の傾向は、秋田の「大曲の全国花火競技大会」(委員長=元東大教授の新井充氏)にも見られる。

なぜ東大の先生なのか? 市役所には明確な記録は残っていないが、かつて国の役人などの「あて職」中心だった審査員構成に、専門性と権威性を取り入れるための人選だったと推測される。ちなみに、第2回の審査長・高瀬清二郎氏が元軍人であったように、大会創設の経緯(航空殉職者の慰霊)や時代背景を踏まえると、戦前は軍関係者がその役割を担っていたようである。

審査員を40年続けた村井一氏

競技開始前の審査打合会で説明する村井一氏(筆者撮影)

こうした審査体制のなかで、第36回(1967年)から第75回(2006年)まで、40年にわたり審査員を務めたのが村井一氏(1919~2009)である。

村井氏は、花火に欠かせない火薬の原料販売を行う第一薬品興業(現在の日本カーリット)の創業者であった。煙火業界の生き字引的存在から、新しい原料の情報を全国の花火業者に伝え、火薬の配合などをアドバイス。元日本煙火協会の顧問として、わが国煙火産業の安全と技術水準の向上に寄与した功績により黄綬褒章を受章している。

土浦市においても、厳正な審査で大会の格調を高め続け、さらに安全と技術面から運営全般に携わるなど、審査員の枠を超えて大会の発展に大きな足跡を残した。これらの尽力に対し、1995年には市政功労賞が授与されている。村井氏は、大曲大会においても同時期に25年間審査員を務めていた。

筆者は土浦市役所に在職中、審査員係として事前打ち合わせや現場での審査に立ち会った。その際、村井氏の一見穏やかでありながらも、一本芯の通った「花火哲学」に深く魅了された。今の「花火な自分」があるのは、村井氏のおかげであると言っても過言ではない。

現在の土浦の花火は、村井氏のように技術と安全の両面から支えられ、大曲と双璧をなす競技大会として全国に知られるまでになったのである。本日はこれにて打ち留めー!(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

<参考文献>
「日本煙火協会参拾年史」(日本煙火協会、1993年)
「新訂現代日本人名録2002」(紀伊國屋書店、2002年)
「大曲の花火 100年の魅力」秋田魁新報社、2010年)
「花火と土浦」(土浦市、2018年)
「土浦の花火パンフレット」(土浦全国花火競技大会実行委員会、1959年以降)

優勝候補の土浦日大、明秀日立に敗れる【高校野球茨城‘26】

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試合後、グラウンドに崩れ、涙を流す土浦日大の選手たち

第108回全国高校野球選手権茨城大会は10日目の18日、4回戦が行われた。ノーブルホームスタジアム水戸の第2試合では、春の大会を制した土浦日大が、昨夏の覇者、明秀日立と対戦、3―4で敗れた。今大会優勝候補の土浦日大は4回戦で姿を消し、3年ぶりの優勝はならなかった。

18日 4回戦 ノーブルホームスタジアム水戸 第2試合
土浦日大 110000001 3
明秀日立 300000001× 4

ここまで明秀日立は2試合で42得点。強力打線を相手に土浦日大の小菅勲監督は「受け身にならずに自分たちの野球をやろう」と選手たちに伝えた。土浦日大は1回、伊勢山暖が、明秀日立先発投手の山田悠月からレフト前ヒットで出塁すると、藤沢佑樹がバントで送り、3番吉田惺南がストレートをレフト前にタイムリーヒットを放ち先制した。

1回土浦日大、1死二塁で吉田惺南がレフト前に先制タイムリーヒットを放つ

しかしその裏、土浦日大先発の板橋悠希は、明秀日立打線に4安打1死球で3失点した。この回、1死二塁のピンチで、エース小池陽斗がマウンドに上がり、後続を抑えた。「板橋が先発だと前日から言われていたので、いつでも行ける準備はしていた」と小池。

土浦日大は2回、四球で出塁した林悠哉を二塁に置いて、高石涼太がライト線にタイムリーツーベースを放ち、1点差に迫る。

2回、土浦日大 高石のタイムリーで林悠哉が生還し寒田絢太とハイタッチ

エース小池は2回に1死一、二塁のピンチを招くが、白竹浬久虎を併殺打に打ち取りピンチを切り抜けると、その後はスライダー、チェンジアップ、ストレートを軸に、ランナーを出すも気迫のこもった粘り強い投球で明秀日立打線を抑え、味方の反撃を待つ。

2回1死一、二塁、明秀日立の白竹がショート併殺打となりピンチをしのぐ

土浦日大は5回2死後、明秀日立2番手の徐上力から、藤沢佑樹と吉田惺南の連打で一、三塁とするが、根津然斗がセカンドゴロに倒れ無得点。

9回、土浦日大2死二塁で伊勢山暖がセンター前へ同点タイムリーヒットを放つ

9回、土浦日大は2死から、河津直登がツーベースヒットで出塁すると、続く伊勢山暖がセンター前へタイムリーヒットを放ち、土壇場で同点に追いつき、意地を見せる。

9回2塁から代走の森陽希が生還

しかしその裏、2死三塁、明秀日立の宮楠到弥の打席で、小池がワイルドピッチで中澤祐誠が生還し、サヨナラ負けとなった。

最速149キロの速球を記録した小池は「自分のせいで負けてしまって申し訳ない気持ちでいっぱい。一球の怖さを改めて知った」と涙ぐんだ。

土浦日大のエース、小池陽斗

小菅監督は「1点差の勝負になると思っていたが、初回の3点が大きかった。打線の流れ、勢いが重くなってしまい、普段の力を出し切れなかった。9回に追いついたのは、ここまでやってきた練習の成果。これを乗り切れば甲子園へのターニングポイントになったが残念」と述べ「最後までチャレンジャーの気持ちは失わなかった。夏は勝ったチームが強い。改めて高校野球の難しさを味わった試合だった。3年生にはベンチに入れる選手、入れない選手といたが、全員が一体、一丸となってよくやってくれた」と選手たちをねぎらった。(高橋浩一)

霞ケ浦、下妻二に勝利しベスト8【高校野球茨城’26】

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5回表霞ケ浦1死二・三塁、スクイズで5点目を挙げる村上

第108回全国高校野球選手権茨城大会は10日目の18日、4回戦8試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第2試合では霞ケ浦が下妻二と対戦、5-3で勝利し準々決勝に進んだ。同球場の第1試合では常総学院が東洋大牛久に4-2で勝利した。

18日 4回戦 J:COMスタジアム土浦 第2試合
霞ケ浦 00005000 5
下妻二 00000003 3

下妻二は昨年秋季大会の優勝校で、今大会もAシードに座る強豪。試合は序盤から両エースの投げ合いとなった。4回終了時点で、霞ケ浦は下妻二の鶴見航の前に無安打、下妻二は霞ケ浦の稲山幸汰から2安打を放つものの5三振を食らっていた。

5回表霞ケ浦無死、西野が右前へチーム初安打を放つ

試合が動いたのは5回。霞ケ浦は4番・西野結太の右前打から始まり、1死をはさんで6番・佐藤大亜、7番・菊地勇一、8番・渡邉航太、9番・相田歩希が左右へ打ち分ける4連打。これで2点を先制し満塁にすると、1番・加藤龍の右翼線への二塁打で2点を加えた。

5回表霞ケ浦1死二・三塁、菊地の右前打で西野が生還

この回先頭で口火を切った西野は「稲山が完璧なピッチングをしていたので、流れを持ってきたかった。打球は出ていたし、打者一巡して相手投手の傾向もつかめてきたので、ここからはつながりを持ってバッティングしようと話していた」と振り返った。具体的な話として村上聖主将は「相手投手は、前の打者に打たれると、次の打者には別の球から入ることが多かった。そうした傾向をつかみ、一人一人が狙いを絞って打っていった」と明かした。

加藤の二塁打を浴びたところで相手先発の鶴見は降板、2番手の秋葉泰晟がマウンドへ上がった。ここで霞ケ浦の打者は2番・村上。高橋祐二監督の指示はスクイズだった。「4点では安心できないし、村上はバントが得意中の得意。替わりたての相手投手を揺さぶる意図もあった」と高橋監督。「ここで取ると取らないでは1点の重みが違う。狙った2球目は相手投手に外されたが、絶対決めるぞという執念が結果につながった」と村上。

5回表霞ケ浦1死二・三塁、村上のスクイズで相田が生還

これで5-0となり、「援護をもらって楽にピッチングできた」と稲山。テンポ良い投球で、厳しい場面では1段階ギアを上げながら相手打線を討ち取っていった。だがすんなりと勝たせてもらえないのも強豪相手の難しさか。9回2死一塁から暴投と死球、失策で満塁とされ、代打・中尾の左中間三塁打で3点を奪われた。

稲山は完封を逃したものの、最後の一人を三振に取って試合終了。140球を投げて被安打6、奪三振12という成績だった。追加点があればもっと楽に勝てたはずだが、2併殺や3つの盗塁失敗など拙攻が目立った試合でもあった。

先発完投した霞ケ浦の稲山

4回戦はこの日1日で終了し、ベスト8が出そろった。準々決勝は20日行われ、ノーブルホームスタジアム水戸の第1試合では常磐大と常総学院が、同じく第2試合では霞ケ浦と鹿島学園が対戦する。(池田充雄)

市立保育所の給食に異物混入 つくば市

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混入していたビニール片=つくば市幼児保育課提供

つくば市は17日、同日昼に市立保育所1カ所で出された給食のスープの中に、ビニール片が混入していたと発表した。担任の保育士が食べたスープの中に混入していた。園児の給食に異物混入は確認されず、17日夕方時点で健康被害の報告もないという。

市幼児保育課によると、ビニール片は縦横1センチ×2センチくらいの大きさで、ビニール包装の一部とみられるという。担任の保育士が給食を食べていて、ビニール片に気付いた。当時、すでに給食を食べ終わっていた園児がほとんどだったが、まだ食べ終わっていない園児については、いったん食事を中止し、スープに異物が混入していないか確認して食事を再開した。

市立保育所の給食は施設内で調理する自校方式で、出来上がった給食は、担任の保育士などが園児の分を取り分けて配膳するという。当日は園児と保育士など合わせて115人分の給食が調理された。

同課によると、現時点で異物の混入経路は不明。同園は17日、保護者に謝罪の通知文を出した。