月曜日, 6月 22, 2026
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土浦一高野球部 伝説の選手たち《文京町便り》53

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】1925年秋季から本格的に始まった東京六大学野球の2026年春季リーグで、天覧試合(天皇陛下と敬宮愛子さまが御臨席)の早慶戦があった翌日の6月1日、慶應大野球部は5季ぶり、41回目の優勝を手にしました。今回は、慶應大、土浦一高に関わった高校野球の「伝説」の人、木内幸男監督たちのお話です。

優勝案内人、木内幸男氏

土浦一高野球部は1957年夏、一度だけ甲子園に出場し、1回戦で和歌山商業に勝利したものの、2回戦で岐阜商業に敗北しました。そのときの主力選手は、ピッチャー・五来孝輔、ショート・安藤統男らで、彼らは土浦一高第10回卒(甲子園出場時は3年生)でした。小学生の私は、その試合を土浦市内の亀城公園に設けられた特設TVで背伸びしながら見ました。

このときの一高野球部の部長は遠藤俊夫先生(後の同校校長、茨城県教育次長)で、私の父と旧制土浦中学で同窓でした。わが家は、甲子園まで応援に出向くことはなかったものの、このときの甲子園出場はとても身近でした。その後、遠藤家と我が家は親戚関係になりました。

土浦一高野球部の監督は、彼ら主力選手が高校2年になるまでは、7歳上の木内氏でした。彼は一高卒業後、慶應大進学をキャンセルして、一高野球部のコーチに没頭しており、甲子園進出時の監督は島田実氏でした。彼は、早稲田大野球部で広岡達朗(後のプロ野球阪神の監督)らとプレーした人です。

木内氏は、1957年4月に取手二高の野球部監督に異動、その後、同校は木内氏の指導の下、何度も甲子園に出場し、全国優勝したことはご存知と思います。同氏は常総学院野球部でも全国優勝しています。周知のことと思いますが、専修大松戸高校野球部の持丸修一監督は木内氏の「野球教え子」です。

阪神監督、安藤統男氏

1957年夏の甲子園での岐阜商業のピッチャーは「超高校級」の清沢忠彦氏でした。同校に敗れた土浦一高としては、「とてもかなわなかった」という感じでした。しかし、土浦一高の安藤統男と岐阜商業の清沢氏が進学したのは慶應大野球部でした。彼らは慶應大野球部でチームメートになったのです。

その上、1960年秋季の六大学リーグ戦で、早慶6連戦をやり遂げました。このリーグ戦では早稲田大が優勝したのですが、安藤氏と清沢氏は慶應大野球部の仲間として、高校時代からのつながりを感じたのではないでしょうか。この伝説的な早慶6連戦は、それから約10年後、私が慶應大に入学したころも、先輩たちの間で語られていました。

この伝説の早慶戦のときの早稲田大野球部の監督は石井連蔵氏(水戸一高出身)で、「一球入魂」のフレーズで有名な高校野球の父、飛田穂州の薫陶を受けていたようです。安藤氏はその後、阪神タイガースに入り、同球団の監督になっています。(専修大学名誉教授)

92校84チームの対戦カード決まる 7月4日開幕 高校野球茨城’26

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土浦日大の吉田惺南主将

第108回全国高校野球選手権茨城大会の組み合わせ抽選会が18日、水戸市千波のザ・ヒロサワ・シティ会館(県民文化センター)で開かれ、出場校92校84チームの対戦カードが決まった。大会は7月4日から、ノーブルホーム水戸、ひたちなか市民球場、J:COM土浦、笠間市民球場の4球場で行われ、8月5日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する全国大会出場を掛けた熱戦が繰り広げられる。

昨秋と今春の成績で16校にシード校の権利が与えられた。29年ぶりに春の県大会を制し関東大会でベスト8になったシード校の土浦日大は、2回戦から登場し、開会式直後の第1試合、日立工ー茨城キリストの勝者と対戦する。吉田惺南(せな)主将は「どこが相手でもやることは変わらないので、一戦一戦戦っていく準備をしていきたい。夏の大会に優勝して、甲子園でも勝って、日本一を取ることが自分たちの目標」だと意気込みを語った。

組み合わせ抽選会に参加する各校の主将、教員ら

開会式は7月4日にノーブルホーム水戸で行われる。選手宣誓は26番の札を引き当てた勝田工業の仁平晃祐(こうすけ)主将に決まった。 大会が順調に進めば、決勝は7月25日午前10時にノーブルホーム水戸で行わる。

熱中症対策として、第1試合の開始時刻を昨年より30分早めて午前9時に変更する。3回、7回終了後に3分間の給水タイムと、5回終了後に5分間のクーリングタイムを設ける。延長10回からはタイブレーク(無死1、2塁の状態)が採用される。 また指名打者(DH)制が茨城大会として初めて導入される。 

連合チームは、今大会から新たに加盟したわせがくPURE、2年ぶりに出場する岩瀬、茎崎、茨城東、結城一、総和工、笠間の「茨城連合」、那珂湊と茨城高専の「那珂湊・高専」、麻生とつくば国際大の「麻生・国際」の3チーム。部員不足により、玉造工、神栖、竜ケ崎南、真壁、明野、三和、石下紫峰、坂東清風が不参加となった。

「昨年以上の成績を」

昨年3回戦に進出し、18年ぶりとなる過去の最高の成績を残した土浦工業は今年、2回戦から出場し、藤代ー石岡商の勝者と対戦する。助川誓哉主将は「皆で明るく楽しく協力しながら戦い、昨年以上の成績を残したい。」と語った。 

土浦工業の助川誓哉主将

学校名がつくば工科から変更になって2年目を迎えたつくばサイエンスの初戦は石岡一。前田泰輝主将は「10人の部員数でも最後まで諦めず全員で戦い、一戦必勝でサイエンスとして初めての初戦突破を目指す」と話した。

つくばサイエンスの前田泰輝主将

つくば国際は、部員不足で2003年の部創立以来初めて、麻生高と連合チーム「麻生・国際」をつくり挑む。初戦は、昨年19年ぶりに出場した茎崎を含む「茨城連合」と対戦する。川口翔大主将は「(連合として)初めての経験なので、日々練習を重ね、1勝を目指す」と力を込めた。

「麻生・国際」の菅沢蓮 麻生高校主将

入場料は一般800円。中学生以下は無料で、高校生は学生証を提示すれば無料。(高橋浩一)

主催者の県高校野球連盟と朝日新聞社提供

かすみがうら市、土浦市に合併協議・検討の場設置を要請

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かすみがうら市の宮嶋市長(左)から合併協議・検討の場設置の要請書を受け取る土浦市の安藤市長

土浦市長「内容を精査し検討」

土浦市との合併に向けた協議・検討の場の設置を求める決議が16日、かすみがうら市議会で全会一致で可決されたのを受けて(6月11日付)、かすみがうら市の宮嶋謙市長と来栖丈治市議会議長が17日、土浦市役所を訪れ、土浦市の安藤真理子市長と勝田達也市議会議長にそれぞれ、合併協議・検討の場の設置を求める要請書と要望書を手渡した。

宮嶋市長の要請書は「土浦市との合併は長年の悲願で(2003年の)任意合併協議会が、議論の入り口である合併方式をめぐって対立し、協議が途絶えてしまったことは大変残念」だとし、両市は「単に行政境界が接しているばかりでなく、歴史的にも生活圏域でも一体的で、これまでの経緯を踏まえるなら市議会の要望書は、市全体の要望」だとした上で、「現在政治に携わっている者は、若い世代や新しく生まれてくる命に重い責任を負っている」「(両市が)抱えるまちづくりなどの共通の行政課題の解決に向けては合併協議が極めて有効な解決の処方箋」で「将来的には県南の50万人の中核拠点都市の実現を目標とし、2市合併に向けた協議・検討の場を設置」するよう要請している。

来栖市議会議長の要望書は「急激な少子高齢化を伴った人口減少が社会経済や行政運営に及ぼす影響が懸念される」とした上で、両市は「神立駅西口の土地区画整理事業などを共に推進してきたほか、通勤・通学、買い物、医療など住民の生活圏域も一体化が進んでいる」とし、さらに「つくばエクスプレスの県内延伸では、(両市は)延伸構想を実現し、整備効果を県内全域に波及させていく上で鍵となる重要な地域」で、「厳しい財政状況下にあって将来を展望した時、今この時期を逃さず、共通する行政課題や一体的なまちづくりを検討することが不可欠で、合併協議・検討を抜きに語ることはできない」などとしている。

(左から)宮嶋かすみがうら市長、安藤土浦市長、勝田土浦市議会議長、来栖かすみがうら市議会議長

要望書を受け取った後、記者団の取材に応じた土浦市の安藤市長は、今後の対応や進行について「内容を精査し検討したい」を述べ、その上で「広域連携は今後も進めていきたい。将来的には合併が必要になるかも知れないが、両市民の生活に影響を与える大きなテーマであり、大事なのは市民生活を低下させないこと」だなどと語った。市議会の勝田議長は「明日議会があるので、議会運営委員会に諮問し、検討したい」とした。

一方、かすみがうら市の宮嶋市長は、要請書としたことについて「要望書から要請書に変えたのは、一方的なものから協力関係にあるものにしたいと思いから」だとし「規模からいっても土浦市に編入という形になると思うが、これがスタートであり、つくば市まで含めた広域的なものになっていくのが良いのではないか」と語った。

昨年10月時点の国勢調査人口速報によると、かすみがうら市の人口は3万8413人で減少傾向が続く。一方土浦市は14万1588人で微減となっているが、かすみがうら市の3.7倍の人口規模がある。面積は、かすみがうら市が約156平方キロメートル、土浦市が約123平方キロメートルで、かすみがうら市の方が1.27倍広い。(榎田智司)

野菜の地産地消《ご飯は世界を救う》73

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】今回は飲食店ではなく、野菜販売のお話です。1日の野菜摂取量は、緑黄色野菜120グラム+淡色野菜230グラムで、合計350グラムといわれています。多いかな?とも思いますが、茨城県は農業大国。つくば市は、研究学園都市ですが、農業都市といってもいいほど、JAの直売所などが多いところです。

私が都内から茨城県に移って来たとき、初めてニンジンの葉っぱを見て、感動したことを覚えています。それまでは野菜の全容を知らずに食していました。

直売所は、朝採りの新鮮さ、お手頃価格だけではありません。直売所によって、置いてあるものの種類が違います。スーパーでは見かけない野菜にも、出合うことがあります。驚いたのが「そうめんカボチャ」。見た目は普通のやや細長いカボチャですが、皮をむいてゆでると、そうめん!になっちゃっています。

また、形の不ぞろいな野菜は、土がついたままひと山=ワンコイン。出合ったときは、どうやって食べようかと楽しみです。お花やお米、それらに関連した加工食品も。今、道の駅が人気ですが、もう一つ、身近な感じのお店がJAなどの直売店ですね。

1回の青空市

今、私の大のお気に入りは、週1回開かれる青空市です。始まってから40年以上になるそうです。開始時間前には行列! 並ぶのは嫌いなのですが、この場所だけは「今日は何があるかな?」と楽しみです。そこでは、農家の方々とのコミュニケーションと、列をつくるお客さんと野菜料理の話もできます。

最近、農家の方からのレシピは「新玉ねぎのレンチン」。新玉ネギを縦に切り、バター、だし醤油をかけて、ラップして電子レンジでチン。仕上げにカツオ節を。直売所は、地域の台所だけではなく、交流の場。そして、血液サラサラ。また、野菜から季節感を感じることができ、大好きな場所です。(イラストレーター)

砲丸投 森下大地選手が日本選手権2連覇 関彰商事で祝勝会

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選手たちを囲んで健闘を称える関彰商事の社員ら。前列左から3人目が2連覇を達成した森下大地選手=つくば市二の宮、関彰商事つくば本社

筑波大出身

関彰商事(本社 筑西市・つくば市)のアスリート社員で男子砲丸投の森下大地選手(31)が、6月12~14日、パロマ瑞穂スタジアム(愛知県名古屋市)で開催された「第110回日本陸上競技選手権大会」で昨年に続き優勝し、2連覇を達成した。16日、所属する関彰商事つくば本社で祝勝会と報告会が催され、社員らが健闘を称えた。

森下選手は、自己記録を2センチ更新する18メートル69を投げ、日本歴代4位となる記録をつくった。祝勝会で森下選手は「昨年は優勝したが記録があまり良くなかった。今回は自己記録を出すことができて、満足するものとなった。この競技のピークは30歳から35歳。今週末は韓国オープンに日本代表として出場する。19メートル台、さらには日本新記録を目指して頑張っていきたい」と抱負を語った。日本選手権はアジア大会の予選も兼ねていたが、アジア大会に名を連ねることはできなかった。

森下選手は兵庫県出身、中学生で砲丸上げを始めた。神戸市の進学校、私立滝川高校(神戸市)から筑波大学に進学した。大学では、同じ兵庫県出身で、砲丸投げで実績のある大山圭悟・同大陸上競技部部長の指導を受け、記録を伸ばしてきた。一時期、拠点を出身地の兵庫県に移したが、今季からつくばに戻り、大山部長の指導を受けながら競技を続けている。関彰商事には今年4月に入社、広報部広報課に所属している。

16日の祝勝会と報告会は、つくば市二の宮、関彰商事つくば本社で催され、森下選手のほか、同じアスリート社員で男子100メートルの東田旺洋選手、先本貴一朗選手、女子やり投の兵藤秋穂選手、弓道の菊地凜選手も参加した。同社スポーツアドバイザーでサッカー男子日本代表(U-23)の大岩剛監督も同席、会場には関正樹社長ほか社員約100人が集まった。それぞれのあいさつのほか、同社の部活動の野球、サッカー、弓道の紹介も行われた。

関彰商事の関社長は「当社は様々な部門がある。それぞれが頑張ることも大事だが、交流することに価値があると思う」と述べ、「アスリートの活躍について、当社に所属してから記録が伸びているという話を聞く。職場環境の問題からもうれしい」と付け加えた。(榎田智司)

マリリン・モンロ一は生きている《映画探偵団》101

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】つくば駅のバス停留所ベンチから見上げるセンタービルの景色が好きだ。正確にはホテル日航つくばだが、ここにはマリリン・モンロ一が生きている。設計者の磯崎新は、モンロ一の身体をかたどったモンロ一定規を作り、このビルにモンロ一の身体の曲線(モンロ一カ一ブ)を組み込んだ。だからセンタービルは、マリリン・モンロ一の象徴ともいえる。

モンロ一が好きな人は、センタービルが好きだと思う。だが、ここで問題がある。映画の金髪で少しおバカさんのキャラクタ一が好きか?女優モンロ一の生き方が好きか?で分かれると思う。私はどちらも好きなのだが、映画のキャラクタ一が嫌いな人は、センタービルは苦手なのではなかろうか。

今年6月1日、モンロ一は生誕100周年を迎えた。1月に「北条芸者ロマンの唄が聞こえる」を公演したあと、モンロ一のイベントを予定していたが、急きょサンフランシスコ講和条約75周年記念の詩劇コンサート「憎しみは愛によって止む」が飛び込んで来て、企画を延期することにした。

私がモンロ一を評価するのは、演技は別にして、原水爆を嫌悪した女優だからだ。また、同じ役どころしか与えない映画会社に抵抗して、モンロ一プロダクションを作り、独自に映画製作に乗り出したことだ。「モンロ一は戦う芸術家」なのである。

1954年、新婚旅行で来日した際、広島で原爆ドームから原爆記念館、原爆傷害調査委員会を訪れ、何度もため息をついたという。米国が落とした原爆の現実を知り、反対の思いを抱いたと思われる。

M・モンローの「バス停留所」

モンロ一プロダクションの第1作は「バス停留所」(1956)だ。クラブ歌手シェリーが酒場で唄う場面があるが、ヘタクソなのだ。いや、ヘタに唄っているのだ。ヘタクソに唄うことがどれほど難しいことか。モンロ一の演技力に驚かされる。

また、作品中に自分の人生を暗示してもいる。シェリーは同僚に1枚の地図を見せる。そこには赤い一本の線が引かれ、生まれた場所から、ハリウッドまで一直線で結ばれている。シェリーはハリウッドの女優を目指していた。しかし、ラストではその路線を拒否し、牧童の妻になる道を選ぶ。

もう一つ語っておこう。「バス停留所」は、山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズに強く影響を与えている。第1作で、おいちゃん(森川信)が寅さん(渥美清)にげんこつを加える場面が出てくる。これの元ネタと思える場面が「バス停留所」にある。さらに、寅さんと恋仲になるクラブ歌手リリー(浅丘ルリ子)の元ネタは「バス停留所」のシェリーではないのか。

磯崎新と山田洋次は東大同級生

となると、日本的なものは排除して造られたセンタービルには、寅さんの影がほのめく。磯崎新と山田洋次は東大で同級生だった。センタービルのモンロ一と寅さんはオーバーラップしている。

渥美清は浅草六区の小屋出身の芸人。浅草六区の礎を作った根岸浜吉は旧筑波町の小田出身。筑波と浅草は歴史的に縁がある。つくばエクスプレスで浅草と結ばれている。35年近くセンタービル付近を観察していると、つくばは浅草化して庶民的な雰囲気になってきているように感じてならない。

つくば駅バス停留所で待ち合わせしていて、そんな妄想が次々と湧いてきた。これから、「世界のつくばセンタービル物語/マリリン・モンロ一は生きている」(仮)の打ち合わせがある。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

<映画とお話:つくばセンタービルについて>
・日時:6月27日(土)午後1時〜3時、参加費無料
・場所:つくばカピオ小会議室2
・主催:一般社団法人スマイルアップ推進委員会
・次回作のスタッフ・キャスト募集中

つくばエリアの「独立」を考える《吾妻カガミ》220

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つくば市の人口(9日開かれた市長記者会見の説明ボードから)

【コラム・坂本栄】人口が増えている「つくばエリア」は人口が減っている県から独立し、独自の行政区を結成したらどうか、と私は考えています。5月、この持論を補強する情報が二つ飛び込んできました。一つは、つくば市の人口が水戸市を抜いたというニュース。もう一つは、日本経済新聞電子版の「政令市が道府県から独立…」というタイトルの記事です。

下り坂の県と上り坂のつくば

つくば市の人口が水戸市を上回ったとの国勢調査速報は、皆さんご存知と思います。本サイトの記事「つくば市の人口、水戸市を抜いて…」(5月29日掲載)によれば、「つくば市の昨年10月1日時点での人口は26万8991人となり、水戸市の26万5773人を3218人上回って、県内一に…」なりました。

同じ調査で分かった県全体の人口減、つくば市の人口増(水戸とつくばの人口逆転はこのシンボリックな表現)は、水戸を拠点にして県全体を見ている県庁をおかしな行動に走らせています。少子化を踏まえて県立高のリストラを進める県が、つくばエリアの児童増に目配りせず、同エリア内での県立高新設を渋るのもその一つでしょう。

私はこういった傾向を「下り坂の県」と「上り坂の市」と定義、139「…のおはなし」(22年8月15日掲載)の中で、「県と市が置かれている状況と方向が違うのだから、つくば市は県から『独立』したらどうか」と提案しました。さらに、202「つくばの県立高問題は動く?」(25年2月17日掲載)では、「…『上り坂』のつくば市を中核とする人口50万人以上の政令指定都市を設け、『下り坂』の県から『独立』するアプローチも考えられます」と書きました。

政令指定都市による独立構想でイメージしていたのは、神奈川県における横浜市(県庁所在市)や宮城県における仙台市(同)などの大都市です。つくば市に県庁は存在しませんが、県庁所在市は政令指定都市の必要条件ではありません。

「特別市」という独立の形

驚いたのは、日経電子版の「政令市が道府県から独立、『特別市』再び議論…」(2026年5月27日19:00)という見出しの記事です。そのリードでは「地方制度調査会(地制調)は2027年度中にも『特別自治市(特別市)』の制度に関する答申をまとめる。…大都市を県から独立した位置づけにする特別市について税のあり方などを検討する」と報じています。

県内の政令指定都市(人口要件50万以上)は県の行政下に置かれますが、「特別市」の行政権限は県から切り離され、より強い形で独立できるそうです。国レベルでいえば、イタリア国内にあるバチカン市国のイメージでしょうか。川崎市(非県庁所在市)の福田紀彦市長のコメント「地域での核となる都市を成長させ、多極分散型を実現することで日本全体にも効果を還元できる」は、とても説得力がありました。

つくばエリア(県の分類では、つくば、土浦、つくばみらい、守谷、牛久、常総、下妻の7市)の人口は合計約70万ですから、政令指定都市になる条件を満たしています。でもそこにとどまらず、一気に「特別市」に移行(県から完全に独立)、北関東の「核都市」を目指すのも面白いと思います。(経済ジャーナリスト、坂本栄)

名門バレエダンサーが直接指導 子供たちが基本動作に挑戦 つくば

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参加した子供たちに、姿勢をまっすぐに伸ばして、つま先立ちする動作のこつを教えるバレエダンサーの関剛多さん(左端)とへネス・ユンさん=つくば市天久保、筑波大学中央体育館

アジアを代表する名門「香港バレエ団」所属のバレエダンサーが直接指導する「セキショウこどもバレエ教室」が13日、つくば市天久保、筑波大学中央体育館で催され、つくば市などに住む4歳から12歳の子供たち46人が初心者クラスと経験者クラスに分かれてバレエのレッスンを受けた。

バレエを通じて体を動かす楽しさを体感してもらおうと、関彰商事(本社 筑西市・つくば市、関正樹社長)が主催した。同社とつくば市が締結している「SDGsの推進に係る包括連携協定」に基づく事業として初めて開催し、同市が後援した。

同バレエ団に所属する香港出身のへネス・ユンさん(29)と、つくば市出身の関剛多さん(25)が来日し、優雅な演技を子供たちの間近で披露したり、基本動作を手ほどきしたり、音楽に合わせて一緒に踊るなどした。

子供たちの間近で優雅な演技を披露するへネスさん(右)と関さん

初心者クラスには30人が参加。子供たちは、両足のかかとを付けてつま先を左右に開いてまっすぐ立つ「一番ポーズ」と呼ばれる基本姿勢に挑戦したり、つま先で立って小幅で足踏みしながら回ったり、ひざとつま先を伸ばして片足を上げるなど、バレエの基本動作に挑み、最後に、基本動作を組み合わせて音楽に合わせて踊るなどした。

友達3人で参加した市立竹園西小6年の筒井英(はな)さん(12)は「Kポップのダンスをやっているので、柔軟体操に生かしたいと参加した。つま先立ちが難しかったが、やってみたら興味がもてた」などと話していた。

つま先で立ち両手を上げてポーズをとる子供たち

子どもたちとの質問の時間も設けられ「きれいな姿勢を保つこつはありますか」との子供たちの質問に、へネスさんは「毎日毎日練習していると、きれいな姿勢になってくる。きれいな姿勢をしてないと体が痛くなることもある」などと答えていた。

指導した関さんは「バレエを通して、体を動かすことが楽しいと子供たちに伝えることができたら」と語り、へネスさんは「何かに興味をもつということは、楽しみだけでなく、自分の性格を知ったり、大人になった時の自分の芯をつくるものでもあると思う」と話していた。(鈴木宏子)

2026年初夏の裏磐梯《鳥撮り三昧》10

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ノジコ(筆者撮影)

【コラム・海老原信一】4月下旬~5月中旬の3度の裏磐梯通いが、今シーズンの高原探鳥の始まりになりました。昨冬は雪が少なめでしたが、今冬はそれ以上に少なめでした。例年なら、残雪が低木を地面に押し付け、暖かくなった陽射しで雪が緩み、木々が軽くなった雪を跳ね上げる。その「バサッ」という音で季節の変わり目を感じたものです。

ところが、今年は大分勝手が違っていました。森に残雪はなく、木々は早くも薄緑の葉を茂らせ、森の見通しは効かない―すでに初夏そのものです。そうなると、不安が頭をもたげます。これじゃ~鳥が見えない、少し距離をとっての観察ができない、葉の茂る中からひょいと現れたらレンズを向ける暇もない、と。

その上、「今シーズンの夏鳥の飛来が少ない気がするなあ」との鳥見仲間の声も聞こえてきて、不安が一層募ります。森の入り口に立つとキビタキのさえずりが響いてくるはずなのにそれもなかったし、コサメビタキなどの姿も見ない、アオジがやぶ中を歩き回る姿もなかったし、と。

肩にした機材を重く感じながら、両側の緑が濃くなりつつある森の中の野鳥を探して、定められた散策路をいつもの観察場所へと向かいます。そこは森の高台に近く、視界が開けて木々の中腹が視線の高さに近いので、野鳥たちを見上げないで観察できる「よい場所」なのです。

14年ぶりに会えたノジコ

さて、3度通った結果ですが、3度とも不安がそのままの結果となりました。今回ほど鳥たちの観察数が少なかった裏磐梯通いは、初体験です。さえずり声が聞こえないのは、「飛来数が少ないから縄張り争いが必要ないのだろうか」なんて考えました。

それでも、オオルリ、クロツグミ、コムクドリと、それぞれ一度だけですが会えました。それに、キビタキ、コサメビタキ、サンショウクイ、ゴジュウカラ、アカゲラ、オオアカゲラ、アオゲラ、ニュウナイスズメなども、数は少ないなりに観察できました。一方、ウグイスの元気さは別格です。あの「ホウー、ホケキョ」を聞くと元気が出ます。身を絞るようにしてさえずる様子は、生きるための必死さを感じます。

今回の裏磐梯行で最もうれしかったのは、14年ぶりに観察・撮影できた種に会えたことです。それはノジコ。アオジによく似た種で、降雪の比較的多い平地や山地の林に生息する種で、裏磐梯以外では奥日光で観察した記憶があります。「もう会えないだろう」と思っていただけに、うれしさは格別でした。(写真家)

高校進学を考える集いの可能性《竹林亭日乗》41

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桜川市真壁町の塙世橋から見た筑波山(筆者撮影)

【コラム・片岡英明】つくば市の高校進学を考える第7回市民の集い(つくば市の小中学生の高校進学を考える会主催)が5月24日、つくば市役所コミュニテイー棟で行われた(5月18日付)

第1部で、筑波、サイエンス、茎崎、牛久栄進、竹園の各県立高の校長先生から、各高校の魅力などについて説明してもらった。つくば市の副市長、市議の方々、市が選挙区の県議をはじめ、約90人の参加者が熱心に聞き入る様子を見て、市内高校不足問題から始まった小さな会の運動が、新しい段階に入ったと感じた。

夏休み前に各地で高校説明会を

各校長先生による学校の魅力説明は昨年から始まった(25年6月6日付)。それは、「つくばの県立高不足の解明だけで受験生の応援になるのか」という世話人会での問いから生まれた。

2回目の今回は、5校の校長先生の説明は生徒の学びが有機的につながり、ひとつのストーリーとなっていた。そして、参加した受験生の学習スイッチも入った。話を聞きながら、生徒の学びのために、このような高校の魅力説明会を各地で開いてほしいと感じた。

以前は、中学で高校説明会を行っていた。それが夏休みに生徒個人が学校説明会に参加する形になった。そのため受験校が定まらず、説明会に参加しない高校を受験する生徒も多い。これからは、夏休み前に各地域で公私連携して高校説明会を開いてほしい。説明会を通して、学校と地域の連携が強まれば、高校も魅力アップに力が入り、生徒の学びの応援にもなる。

高校不足と定員割れの混在

5月30日公表された2025年国勢調査で、つくば市の人口が水戸市を抜いて県内1位となった。それによると、つくば市の人口は5年前の調査よりも2万7000人(約11%)増えた。TX沿線の人口増に伴い、つくば市の中学卒業者数は2023年に水戸市を超えた。今年3月の県全体の中卒者数は2万4555人だったが、つくば市はその10.4%を占め、2562人に達した。

この生徒増に見合う県立高が、つくば市に配置されているだろうか?

現在、全日制県立高は県内に84校と1分校がある。生徒割だと、つくば市には8校が必要となる。しかし、1989年の市合併時には6校41学級あったのに、現在は3校17学級と大幅に減ってしまった。この数字は、水戸市の7校50学級の約3分の1であり、大問題なのは明らかといえる。そのため、多くの中卒者が市外の高校に入学しており、通学上の問題も深刻である。

一方、市内3校のうち筑波高校とサイエンス高校の2校が定員を満たしていない。つまり、つくば市は生徒が増えているのに高校が不足している、現在ある県立高の魅力をアップさせる必要がある―という2つの課題を抱えている。「地域にとって必要な学校とは何か」を探求している街とも言える。

つくばの課題、その解決策

今回の集いでは、各校の魅力は十分に光っていた。自信を持って、もっと前に出てほしい。これからの課題は、各校の魅力をどのように地域の人たちに届けるかだ。

今回の集いでは、①TX沿線の人口増に見合う高校学級増~学級増と高校審議会資料の疑問解消②県立高の魅力アップ~地域との連携強化③スクールバスへの県の支援~全額個人負担から県の通学支援を―の必要を提案した。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

かすみがうら市 土浦市に合併要望へ

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合併要望に乗り出すかすみがうら市役所

2005年以来の激震

平成の大合併によるかすみがうら市誕生以来、地域に戸惑いが生じている。かすみがうら市議会が16日に、土浦市との合併を前提とした市政の転換と、合併相手となる土浦市と同市議会への要望を進める議案を議員提案することが明らかとなったためだ。

合併はかつて土浦市、旧霞ケ浦町、旧千代田町、旧新治村の4自治体間で協議されたが合意に至らず、2005年3月に旧千代田町と旧霞ケ浦町の2町がかすみがうら市に新設合併、翌年に旧新治村が土浦市に編入される形で現在に至る。

かすみがうら市の宮嶋謙市長は今年7月の任期満了で引退を表明している。市議会発の今回の合併要望は、宮嶋市長続投無しという状況により、7月に行われる市長選を見据え、新市長への最大の継承となる。

広域連携の基本姿勢を重点課題に

かすみがうら市でこの課題の矢面に立つ経営企画課は「トップレベルの対話があったようだがまだ何の指示も降りてきていない。冷静に対処しなくてはならない」と語る。

折しも2026年度は、市政の根幹政策である第2次総合計画・後期5カ年計画の総仕上げの年度でもある。同課では市民アンケートをとり、今後ワークショップなどを通じて、2027年度スタートの第3次総合計画策定作業に入っている。合併協議が現実のものとなれば、この一大事業は大きく影響を受ける。

「総人口、財政規模から、当市が土浦市に編入される形を変えることはできないだろう。しかし、かすみがうら市のまちづくり理念は次期総合計画内でも重要なテーマ。当市だけでは乗りきれない、解決しなくてはならない課題というものがあり、広域連携を掲げて市民生活の支えにしようとしている」(経営企画課)

この広域連携というテーマを土浦市に提案する合併要望の柱とすることで、「まさかの寝耳に水」に同市職員は取り組もうとしている。

「市の総人口は緩やかに自然減をたどっているが、産業支援やまちづくり政策を通した社会増もある。合併によって将来の居住地受け皿や豊かさを誇れる自然環境といった地域資源を、どのように生かしていくかも考えていくことになるだろう」

市民は冷静に事態を受け止めているようだが、「約20年、かすみがうら市という名称に慣れ親しんできた。これが消えていくと寂しさを禁じ得ない」といった声が聞かれた。

商都のカンフルになるのか

中心地の再生を目指す土浦市。写真は土浦駅前

かすみがうら市議会で議案が可決されれば、同市の要望を受け取る形となる土浦市政の現場は、困惑の表情だ。土浦市は9日「現時点ではかすみがうら市議会の動向を注視している段階であり、コメントを差し控える」と発表した。同市政策企画課は「上層部からの指示通達は何もない。今は動向を見守るだけ」と述べる。

2006年に旧新治村を編入し、市域の拡大と工業団地など産業誘致基盤を得た土浦市は、半面、歴史を積み重ねてきた中心市街地の地盤沈下という課題を抱えている。市政策企画課は「(合併のメリットや効果を)今は語る時ではない。中心市街地の活性化と、将来延伸してくるつくばエクスプレスの受け皿づくりといった課題に向き合わなくてはならない。合併の先にある可能性を、どこに見出していくべきかはこれからのテーマと認識している」「(両市とも)互いに人口減の問題がクローズアップされているが、土浦市における人口の社会増も地道な取り組みの持続によるもの。合併のための議論が始まれば、真剣に受け止めていかねばならない」とする。

かすみがうら市でも「社会増減は年度によって異なるが、2024年度に民間の人口戦略会議で分析された『消滅可能性自治体』には名を連ねなかった。条件付きで持続可能な分類という可能性は、かすみがうら市が守り継承すべき財産」と未来を見つめる。持続性という問題は、茨城県内では大半の基礎自治体が内包している。(鴨志田隆之)

市長「事業者は共生ガイドライン当然守る」【つくばに日本最大級のデータセンター】

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記者会見する五十嵐つくば市長=9日、市役所

つくば市、五十嵐立青市長の定例記者会見が9日開かれた。同市大穂地区で建設が始まったデータセンターからの莫大な排熱など専門家が環境影響に懸念を示している問題について(5月19日付同20日付)五十嵐市長は「日本データセンター協会が5月に地域共生ガイドライン(※メモ)をつくった。共生ガイドラインは事業者としても当然守っていきたいということ。今、環境を無視したり、地域住民を無視して事業を進めることは基本的に起こりえない」との見方を示した。

大穂地区のデータセンターは、グッドマンジャパン(東京都千代田区)の特定目的会社が同市開発公社から約46ヘクタールの用地を取得し建設を進めている。将来的に国内最大級の100万キロワットのデータセンターを建設する見通し。これに対し専門家は、100万キロワットのデータセンターが完成すれば、現在のつくば市全体の排熱量の2倍が同市大穂の予定地から排出され、夏の猛暑時などは周辺住民の健康影響が懸念されるなどと指摘している。

9日の定例会見で五十嵐市長は、100万キロワットのデータセンターから排出される排熱量が、現在の市全体の排熱量の2倍になると専門家が試算していることについて「電力量から想定すれば排熱量はこれぐらいになると当然計算できる」とする一方、「最新の施設を導入すると事業者から聞いており、周辺に悪影響にならないようモニタリングを継続していくことも事業者から聞いているので、きちんと進めていってもらえると思っている」とした。

一方、具体的な設備の冷却方法や周辺環境への排熱量について事業者からヒヤリングしているのかとの記者の質問に対し五十嵐市長は「正確な数字は実際に稼働してみないと分からない。現時点でこれというものは示されていない」と答えるにとどまった。

その上で五十嵐市長は「市とさまざまな形で協議してくためにも、(事業者と)協定締結などをする方向で進めている。市が言わなくても、企業価値の面で、事業者が環境投資をした方が企業としての相対的な価値が高まると日本だけでなく世界中でなっていると思う」などと話した。

一方、大穂地区の住民団体が住民説明会の開催を要望し現在、署名活動をしていることについては「データセンターの地域共生ガイドランの中で、コミュニケーションをとるということはひじょうに重要だとしている。地域にきちんとていねいに説明してほしいということは、われわれとしても(住民団体の)署名の話を伺う前から継続してしている」とし、市として前向きに対応する姿勢を見せた(6月8日付)。

住民団体「『ガイドライン守ってくれるはず』は無責任」

五十嵐市長の見解に対し、事業者による住民説明会の開催を求め現在、署名活動を展開している地元大穂地区の住民団体「データセンターから市民を守る会」(6月8日付)の柳町弘幸会長は「データセンター開発は、つくば市が土地を売却し、用途地域を変更し、開発許可を出したことで実現した。いわば、つくば市自身がこの計画の起点となっている。その行政のトップである市長が、法的拘束力のないガイドラインを根拠に『事業者が守ってくれるはず』と述べることは極めて無責任。本来であれば、市が事業者に対して住民説明や環境配慮を求め、その履行状況を確認する立場にある」と話す。

さらに「現時点で地域住民との共生が実現しておらず、住民から不安や懸念の声が上がり続けているにもかかわらず、市はグッドマンジャパンに対して説明会の開催や追加的な環境調査を求める行政指導を行ってこなかった。その結果として住民との信頼関係が構築されず、不信感だけが拡大している。開発許可権者として適切な指導を行わなかった行政の責任は重く、その行政を統括する市長には監督責任があると思う」とし、さらに「市長は排熱が巨大になることは認めたが、その影響は調べていない。これは大きな問題」だなどと指摘している。(鈴木宏子)

※メモ
【データセンター地域共生ガイドライン】データセンターの事業者団体、NPO日本データセンター協会(東京都千代田区、理事長・田中邦裕さくらインターネット社長)が今年5月に策定したガイドライン。地域とのコミュニケーション、データセンターが周辺の気温に与える影響、騒音、景観や地価など、地域との共生のためにデータセンター事業者が遵守すべき事項などについて記している。つくば市大穂でデータセンターの建設を進めるグッドマンジャパンも、同協会の正会員になっている。一部のデータセンターで環境や防災上の懸念をめぐり近隣住民との関係が悪化するなど問題が顕在化し始めていることなどをめぐり、総務省と経産省の有識者会議が「データセンターの整備にあたっては、地域との共生は大前提で、事業者は近隣住民にていねいな説明の機会を設けるなど適切な対応を進めていくことが重要」との方針が示されたことを受けて策定された。

がん治療を始めてから5カ月《ハチドリ暮らし》62

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写真は筆者

【コラム・山口京子】がん治療のため抗がん剤を半年使いますと言われてから、5カ月がたちました。3泊4日の抗がん剤点滴入院と、退院して10日間の静養という、2週間を単位とした抗がん剤治療を繰り返し、10回目の治療を終えて退院。直近の腫瘍マーカーのCEAは5.2。医師からは、この状況でMRIなどの検査で腫瘍が小さくなっていれば、手術を検討しましょうとのこと。

長いような、あっという間であったような…。やっぱり冷静ではない自分がいました。そもそもがんの状態は? 体に入れた薬剤はなんだったのか。薬名は? 効果や副作用は?

初診の見立てで、肛門縁より3センチの場所に出来ており、2センチ程度の大きさで腸管の半分くらいを塞(ふさ)いでいるとのこと。その後の検査で、がんは腸管の外にはみ出ていて肝臓に3つのがん、両肺には小さながんが10ケ以上、リンパへの転移。診断はステージⅣの末期がん。

治療後のことはイメージできない

受けた治療は、「アバスチン+FOLFOX」といい、アバスチン(一般名ベバシズマブ)とエルプラット(成分名オキサリプラチン)、5-FU(成分名フルオロウラシル)という抗がん剤と、レボホリナートという5-FUの作用を強める薬剤との組み合わせでした。アバスチンは血管新生阻害剤という分子標的治療薬。エルプラットはアルキル系白金製剤で細胞分裂を阻害するもので、蓄積毒性があります。5-FUは代謝拮抗薬で、やはりがん細胞の増殖を防ぐものです。

治療は、がんを小さくする、広がりを抑える、がんによる症状を軽くするという効果が見られる一方、正常な細胞への副作用も見過ごせません。効果も副作用も個人差が大きいと言われました。自分が治療を受けてどうなるのかは、実際に治療をしてから事後的にわかるものです。事前に分からないということは、賭けの要素が大きいのでしょう。

やってみての効果は、マーカー値の低下、がんの縮小。肛門の違和感が消え、血便もなくなりました。現れたのは、脱毛、手足の指の変色やしびれ、足裏の違和感、嗅覚と味覚の異常、口内の渇き、疲労や食欲不振、気持ちの悪さ、倦怠感…、そうした身の置きどころのなさ。そして、血液検査の数字に現れるシグナル。抗がん剤により骨髄の機能が抑えられることで、血液の中の白血球や赤血球、血小板などの減少。肝臓や腎臓の機能低下。ただし、そうした症状は軽い方だったと思います。

治療が終わる後のことはイメージできていませんでしたが、手術ができるなら、次の展開に進めるのでしょうか。(消費生活アドバイザー)

高規格救急車を導入 筑波大附属病院 都市開発が寄贈

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新規導入された高規格救急車の前で、都市開発の塚田純夫社長から車両キーを受け取る筑波大学の永田恭介学長(左)

筑波大学附属病院(つくば市天久保、平松祐司病院長)は新たに高規格救急車を導入した。8日、同病院救急外来前で、導入披露式が催された。不動産開発会社、都市開発(つくば市吾妻、塚田純夫社長)が寄贈した。

高規格救急車は。車内で救急救命処理を行うための広い空間と専用資機材を備えている。近年、大きな病気やけがなど急性期治療後の患者を大学病院から地域の医療機関に搬送するケースが増えていることなどから導入した。

さらに、重症の小児症例などで、大学病院の急性期診療チームが地域の医療機関に赴き、安全に大学病院に広域搬送したり、災害時には災害派遣医療チーム(DMAT)が医療支援活動にも取り組むという。

寄贈された高規格救急車

導入された車両は、トヨタ・ハイエースをベースとした8人乗りで、車幅が広く、電動ストレッチャーの導入により一人でも楽に患者を搬送することが出来るという。感染対策としては、運転席との間にガラス戸を設け、車内で隔離出来る仕組みになっている。車体の上部には筑波大病院のマークが表示され、ヘリコプターから確認出来る。価格は約3000万円。

8日の導入披露式には永田恭介学長、平松病院長、寄贈した都市開発の塚田社長らが出席した。

高規格救急車の車内

永田学長は「都市開発さんには日頃から大学の教育研究事業活動や社会活動にも協力いただいている。地域医療は公的な支援だけでなく地域や社会からの支援を受け初めてその活動を最大にすることができる。開学50周年にも合わせた新救急車の寄贈ということに大変感謝している」と話した。

塚田社長は「自分は地元出身で、筑波大学病院にもお世話になったことがある。地域医療は、地域にとって大変重要なことであり、なんとかしたいという思いがあった。これからも地域のために貢献していきたい」と語った。

「終わりなき難事業」に挑む霞ケ浦浄水場《日本一の湖のほとりにある街の話》37

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イラストは筆者

【コラム・若田部哲】土浦市大岩田に位置する霞ケ浦浄水場は、土浦市、つくば市、阿見町のほか、県南水道企業団(龍ケ崎市)を通じて計4市町に水を供給する、県南の水道事業の要所です。現在は1日あたり約12万立方メートルの水を供給しており、これは500ミリリットルのペットボトル換算で約2億4000万本分にもなる、途方もない水量です。

取材に先立ち、浄水場の外周を歩いて一周してみたところ、所要時間は実に25分。建ち並ぶ工場のような建屋群に、巨大なコンクリート構造物と、そこから突き出た巨大配管は、「工場」というより、ダムにも通じる「土木」のスケールと言った方が適切かもしれません。

今回は、同所職員に、この浄水場の意義についてお話を伺いました。取材を進めるうちに見えてきたのは、単なる「大きな施設」ではなく、「霞ケ浦の水を、39万人が365日、途切れることなく安心して飲める水に変え続ける」という、極めて困難なミッションです。

「沈殿処理」「砂ろ過処理」

まず、水源である霞ケ浦は、浄水という観点では決して扱いやすい湖ではありません。職員によれば、少しでも良い水を求め、取水は約10キロ離れた美浦村木原付近で行っているといいます。

それでも、霞ケ浦の水は、利根川などの河川水と比べて濁度やCOD(有機物による水質汚濁の指標)が高く、高濃度のかび臭原因物質を含むことがあります。除去が不十分な場合、水道水からカビや墨汁のような臭いを感じる原因になるとのことでした。

つまり霞ケ浦浄水場は、単に「湖の水をきれいにする」ものではありません。条件としては決して良好とは言えず、しかも1年を通じて水質が変化する湖水を、複雑な工程を経て、常に安全でおいしい水道水に変え続ける「終わりなき難事業」なのです。

意外だったのは、かび臭が主に冬から春にかけて発生するという点でした。夏場のアオコの印象が強かったのですが、むしろ低水温期に藻類由来の高濃度かび臭が発生するそうです。一方、台風時でも河川と比べれば濁度上昇は穏やかであるなど、「湖ならでは」の特徴もあるとのことでした。

浄水処理では、「沈殿処理」「砂ろ過処理」など、多段階の工程が行われており、どの工程も欠かすことはできません。霞ケ浦の水が取水されてから、浄水場内の巨大設備群を通り抜け、ポンプで送り出されるまでには、およそ半日を要するそうです。

私たちは普段、何気なくコップの水を飲んでいます。しかし実際には、その水は巨大な装置群を経て、まるで工業製品のように緻(ち)密に作られているのです。

全国初の「オゾン促進酸化処理」

そして2024年、この浄水場に全国初となる「オゾン促進酸化処理(AOP)」施設が導入されました。高濃度カビ臭が発生した際、従来の粒状活性炭処理では頻繁な活性炭再生作業が必要でしたが、この新技術により長年の課題だった、冬から春にかけて発生する高濃度かび臭への対応安定性がより一層増したそうです。

もっとも、ここに至るまでには長い試行錯誤がありました。霞ケ浦浄水場では、2000年から03年にかけてオゾン処理の実証実験を行ったものの、原水に含まれる臭化物イオンとオゾンが反応し、水質基準対象である臭素酸が発生してしまうため、当時は導入を断念した経緯がありました。

その後、2009年から民間企業と共同研究を重ね、「少ないオゾン量で臭素酸発生を抑えつつ、臭気原因物質を効率的に分解する」オゾン促進酸化処理の有効性を確認。20年から施設整備を進め、24年にようやく供用開始に至りました。

今回のAOP導入は、単なる新技術導入ではなく、長年にわたり霞ケ浦という難しい水源と向き合い続けてきた、その積み重ねの到達点なのだと感じます。

「水を粗末に扱うな」

「水罰(みずばち)が当たる」。現代ではほとんど使われなくなった言葉ですが、水が貴重な天の恵みであった時代、水を粗末に扱わないよう戒めるために使われた言葉だといいます。

飲料水ができるまでの過程を知ると、現代においても、水をおろそかには扱えない。そんな、背筋が伸びる取材となりました。(土浦市職員)

<注> 本コラムは周長日本一の湖、霞ヶ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。

◆これまで紹介した場所はこちら

住民団体結成、署名集め説明会開催要望へ【つくばに国内最大級のデータセンター】

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近隣住民にアンケート用紙と署名用紙を手渡す柳町会長(左)。写真左上はデータセンター建設予定地の巨大クレーン

つくば市大穂で今年2月、1棟目の建設工事が始まったデータセンターに対し、事業者のグッドマンジャパンから「説明を受けていない」「納得のいく説明がほしい」などとして、大穂地区の周辺住民が今年4月、住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸会長)を結成した。

これまでに周辺約1600世帯にアンケート用紙を配布したほか、住民説明会開催を求める署名を集めており、5月末までに288人(5事業所含む)の署名が集まっている。今後、周辺住民を対象とした説明会を開催することを事業者に働き掛けるよう、市長と市議会に要望書を提出する意向だ。

アンケートは①事業者から説明を受けたことがあるか②説明を受けた場合、時期や回数、方法はどのようものだったか、などについて調査を実施している。

開発許可の手引きに規定

住民説明会の開催については、都市計画法に基づくつくば市の開発許可の手引きに「1000平方メートル以上の開発行為にあたっては、(敷地境界から)周辺の概ね100メートル以内の居住者及び土地所有者に対し住民説明会を開催する」などと規定されているほか、「隣接する土地所有者に、敷地境界を確認し、計画について説明しなければならない」などと定められている。

市開発指導課は、住民説明会の開催方法は、住民自治組織の代表などと協議し対象範囲、開催方法を決めると同手引きで定められていることなどから、「事業者から提出された報告書では、住民説明会は書面開催とし、事業計画の概要を書面で個別配布し、意見を求めたと事業者から市に報告されている」などとしている。事業計画の概要は2023年10月中に事業者から周辺住民や土地所有者に配布され、その結果を記した住民説明会開催報告書は同年11月1日に市に提出されたという。

投函したり郵送しただけ

これに対し守る会の柳町会長(63)は「これまで返信があったアンケート結果をみると、単に事業者が各戸の郵便受けにお知らせを投函したり、郵送したりしただけで、その後、住民から事業者に連絡がなかったことをもって同意を得たと判断したのではないか」と疑問を呈す。

これまでに守る会のアンケートに回答を寄せた100メートル以内の住民のほとんどが「資料は送られてきたような気がするが、(住民側から)連絡しないことが同意となることに疑問」「(事業者から)訪問を受け資料が投函されていたが説明はない」「工事の資料が郵送されたが、開発計画の資料ではない。隣地なのに説明がなく同意したと判断されることに疑問を感じる」などの意見が寄せられている。さらに「データセンター周辺は気温が上昇してしまうのではないか」「周辺は土地の価格も下がってしまうのではないか」などの不安も寄せられているという。

何の説明もないと相談

柳町会長は「去年12月、開発地近くの知人から『大規模な工事が始まるが何の説明もないので不安を感じている』と相談を受けたことがきっかけになった。大型クレーン4基を使った大規模工事が進む現在に至っても近隣住民に対する正式な説明会が一度も開かれていないため、守る会を立ち上げた」と話す。

その上で「専門家が、つくばのデータセンターは日本最大級になり、市全体の3倍の電力を消費し、2倍の二酸化炭素を排出し、2倍の排熱を出すという問題を指摘している。これほど大きな影響が想定されるのに、近隣住民や周辺施設、学校、保育園などに十分な説明が行われていないことに強い危機感を抱く」とし、「データセンターそのものを否定したいわけではないが、周辺住民が安心して生活できる環境を守るため、十分な住民説明会の開催、情報公開、環境影響評価の実施、計画内容の見直しなどを求めていきたい」と話す。

柳町会長は、地元、大穂地区に住み、現在、副区長を務める。守る会のメンバーは地域住民や地域の事業者で働く約20人という。

データセンター建設予定地は、グッドマンジャパンの特定目的会社が2022年につくば市土地開発公社から取得し、今年2月、1棟目となる受電容量5万キロワット(50メガワット)のデータセンターの建設が始まった。将来的には20倍の受電容量100万キロワット(1000メガワット)のデータセンターを建てる計画だ。これに対し、専門家は、将来的に100万キロワットの施設が完成すれば、国内最大級のデータセンターとなり、現在のつくば市全体の排熱量の2倍が同市大穂の予定地から排熱され、夏の猛暑時などは周辺住民の健康影響が懸念されるなどと指摘している。(5月19日付同20日付)。一方、市開発公社が約46ヘクタールを民間に売却するにあたって、つくば市議会高エネ研南側未利用地調査特別委員会(当時)は2021年6月、「周辺環境へ影響を及ぼさないことを利活用の基本とすべき」だなどする提言書をまとめている。

住民説明会の開催について、NEWSつくばは5月中旬、グッドマンジャパンに対し、、データセンターの排熱や冷却方法などと合わせて質問した。同社からは「回答を控える」(5月19日付)などの回答があった。(鈴木宏子)

◆「データセンターから市民を守る会」の問い合わせはメールkoe800757@gmail.com

男女ホームゲームを同日開催 つくばFC

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【女子】後半32分、つくばFCレディース(青いユニフォーム)の穂谷がゴールを決める=撮影/高橋浩一

つくば市を本拠地とするサッカークラブのつくばFCが7日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで「つくばFCファミリーデー&スポーツフェスデー」と銘打ち、男女各トップチームのホームゲームを同日開催した。なでしこリーグ最短復帰を目指す関東女子サッカーリーグ1部のつくばFCレディースは後期第1節を迎え、神奈川大学(本拠地・神奈川県横浜市)に1-0で勝利した。関東サッカーリーグ2部の男子、ジョイフル本田つくばFCは、COEDO KAWAGOE(コエドかわごえ)F.C(本拠地・埼玉県川越市)に0-1で敗れた。

女子は勝利

第32回関東女子サッカーリーグ1部 後期第1節(6月7日、セキショウチャレンジスタジアム)
つくばFCレディース 1-0 神奈川大学女子サッカー部
前半0-0
後半1-0

【女子】後半29分、加登がボレーでミドルシュートを狙う

女子は相手の攻撃を受ける時間が長く、難しい試合になった。「自分たちのプレースタイルを相手がよく研究し、ボールを持てる時間が少なかったが、守備ラインを中心に無失点で抑えたのが勝因。後半は修正できた」と志賀みう監督。ハーフタイムの交替では、坪井茉凛と高橋萌々香を下げて﨑山里緒と金子結愛来を入れ、穂谷颯季をトップ下に戻した。前からプレスをかけることで相手のビルドアップを防ぐ策だ。

得点は後半32分。中盤で金子が戻したボールを加登友佳が浮き球で前線へ送り、走り込んだ穂谷がゴールへ突き刺した。「相手の守備ラインとGKの間が大きく空いていたので、穂谷がそこへ走ってくれると信じて、金子から呼んだボールをダイレクトで出した」と加登。「加登がいいボールを裏へくれたので落ち着いて決めようと思って、GKが動かなかったので後はタイミングだなと、左へ打つと見せかけて右へ流し込んだ」と穂谷。

「この場面ではプレートレーニングの成果が出た」と志賀監督。ゴール前の状況をシンプルな形で作り、「相手がこう食いついてきたらこう行こう」などと、相手を認知して崩しに行くやり方を選手に伝えているという。

【女子】勝利を祝う記念写真

男子は敗れる

第60回関東サッカーリーグ2部 第7節(6月7日、セキショウチャレンジスタジアム)
ジョイフル本田つくばFC 0-1 COEDO KAWAGOE F.C
前半0-1
後半0-0

男子はこの試合、押久保弘人と海津遼馬の2トップを選択。体の強さがあり一人でも行ける押久保と、裏抜けが得意で左右どちらの足でも撃てる海津を軸に、3人目の動きで攻撃を組み立てようという作戦だ。だが立ち上がりから相手に押し込まれ、守備でリズムを作れず攻撃にも影響してしまった。そして前半23分に失点。左サイドからのクロスをゴール脇で収められ、戻したマイナスのパスに走り込んだ選手が合わせ、結局はこれが決勝点となった。

【男子】前半40分、ヘディングシュートを放つ海津

「相手のロングボールを跳ね返すクリアの質が悪く、セカンドボールを拾われ再び攻撃につなげられた。守備の影響から攻撃でも選手間の距離が広がり、相手が待ち構えているところへ攻める形になった」と楠瀬章仁監督。

今季COEDO KAWAGOEから移籍してきた海津は「相手は個々に技術があり、守備がシンプルに堅い。前半途中からはボールを持てるようになったが、長所であるパスをつなぐサッカーができず、決定的なところまで攻め込めなかった。自分としても古巣に成長した姿を見せたかったが、ゴールが遠かった」と振り返った。

【男子】後半29分、長島の豪快なヘディングシュート

つくばは後半途中、海津に替えて長島グローリーを前線に投入。ロングボールのターゲットとして攻撃の流れを呼び込んだが、相手側もそこへ守備固めのポイントを絞って対応してきた。長島はつくばに移籍加入して2年目。昨季よりコンディションが上がって出場時間も伸び、「もっと自分の特徴を出してプレーの質を高め、チームを勝利に導きたい」と意欲を見せる。

【男子】後半アディショナルタイム、押久保がゴールに迫る

次は14日、共にトーナメント戦

次の試合は男女とも6月14日。女子は第32回茨城県女子サッカー選手権大会兼皇后杯関東予選3回戦。JAいばらきスポーツパーク/IFAフットボールセンターBで、KASHIMA-LSC(県リーグ1部)と対戦する。勝てば準決勝で筑波大学(関東大学リーグ2部)と茨城フットボールアカデミー(関東U-18リーグ2部)の勝者と戦う。「強いチームが揃っているので1週間しっかり準備し、次につながる試合がしたい」と志賀監督。

男子は第62回全国社会人サッカー選手権大会関東予選の2回戦、全国地域サッカーチャンピオンズリーグにつながる重要な大会だ。対戦相手は関東リーグ2部のライバルでもある東京国際大学FC。「前回対戦ではロスタイムに失点して引き分けに持ち込まれた。相手の出方は分かっているので対策を立て、いい準備をしたい」と楠瀬監督。共に負けたら終わりのトーナメント戦に、いい緊張感で臨んでいく。(池田充雄)

令和の「米騒動」の現在地と今後の展望《邑から日本を見る》195

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マイクを持ち研究大会で報告する常陸農協の秋山組合長

【コラム・先﨑千尋】田植えから1カ月余り。どの田んぼも青々してきている。我が家の田んぼを見ていると、「今年も米が食べられるナ」、とホッとした気分になる。

この2年、この国では米をめぐって異常な事態が続いた。いわゆる「米騒動」。スーパーの棚から米が消え、米が入らなくなり、商売を止めた米屋が出るニュースも。備蓄米を買い求め、朝早くから行列。どこにも騒動が起きていないのに「米騒動」。日本人にとって米とは何かを問い直すきっかけでもあった。

5月23日、私も役員になっている「農業協同組合研究会」が、東京で「令和の米騒動の現在地と今後の展望」というテーマで研究大会を開いた。今回はその報告をする。

今年の秋も波乱含み

日本大学の西川邦夫教授(3月まで茨城大学教授)は「令和の米騒動と米政策」と題して報告した。西川氏は、令和の米騒動の要因は、事前対策としての生産調整の失敗と、事後対策としての流通対策の不備だとした。

長期的には主食用米の需要は減少していく傾向が続いているが、コロナ過で需要が大きく減り、在庫が膨らんだこともあって、政府は生産調整の強化を続けた。しかし、2023年から需要が回復し、24年までの2年間で78万トン不足した。備蓄米が59万トン放出されたが、生産現場では農協と業者の集荷競争が過熱化。米価が急騰し、店頭でも5キロで5000円以上になるまでになった。

25年産米は増産になり、輸入米も増え、現在では96万トンの供給過剰になっている。26年産も増産が見込まれており、今年の秋には米があふれかえることになる。

西川氏は最後に今後の政策の方向について、事前対策(生産調整、転作)から事後対策(流通対策)へ、主食用米に対する支援は適正価格+生産者への直接支払いの二段構えへ、反収の上昇のために新たな品種改良、既に開発されている品種の普及の3点を提言した。

続いて、米専門記者の熊野孝文氏(元米穀新聞記者)は「米価変動の実態と今後の行方を大胆に展望する」と題した報告をした。

同氏は農水省の米に関する統計データに疑問を示し、「需給見通しは主食用と非主食用を分けるべきでない。米の生産者が2030年には25万人、平均年齢は74歳になり、生産基盤が弱体化していく中、これまでと同じような政策を続けることはできない。今回の米の高騰で米を買わなくなった消費者が9%もいる調査結果は驚くべきことだ」と話した。

さらに「価格の安定については先物市場の活用が合理的。先物取引を活用して価格変動リスクを回避しなければ農家経営も難しい。農協は何故やらないのか」と指摘した。

揺さぶられた共計・概算金制度

最後に立った常陸農協の秋山豊組合長は「揺さぶられた共計・概算金制度と今後の対応」を報告した。

「昨年産米の概算金は農協にとって修羅場だった。概算金とは、農協がやっているコメ販売の無条件委託・共同計算のことで、出来秋に農家から出荷された米を1年から1年半かけて売る。集荷時点で支払額の7~8割、清算時に残りを払うという仕組みだ。常陸農協管内では民間業者の数が多く、昨年の早い時期から1俵3万円を超えた。農協もそれにあおられた。農協が業者との競争に対抗し、組合員の手取りを増やす対策として、和食大手チェーン店や東京の生協と契約取引を始めている」と、苦悩と展望を語った。(元瓜連町長)

ラヂオつくば社長に就任した立川記子さん【キーパーソン】

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立川記子さん

つくば市内をエリアにしているコミュニティFM「ラヂオつくば」を運営する「つくばコミュニティ放送」の社長が5月下旬に交替し、新社長に立川記子さん(52)が就任した。つくば市に住み、大学受験の個人塾を経営、イベント企画や広報の仕事もしている。立川さんに、学園都市に向けて電波を発信するFM放送の役割などについて聞いた。

開局から18年、4代目の社長

ラヂオつくばが開局したのは18年前の2008年。筑波大学内にアンテナを立てさせてもらい、国が割り当てた周波数84.2MHzの電波を使って、つくば市内に情報や音楽を発信している。茨城県内にはほかに、「FMぱるるん」(水戸市)、「FMかしま」(鹿島市)、「FMひたち」(日立市)、「FMうしくうれしく放送」(牛久市)、「FMだいご」(大子町)の5局がある。

立川さんは創業から4代目の社長。どうして5月下旬にトップが交替したのか聞くと、「私は取締役としてFMラジオ局にも関わってきたが、当社の決算期は前年6月~今年5月になっており、経営上の区切りがよかった。それから、弁護士をしている前任の堀越智也さんから、そろそろ法律事務所の仕事に専念したいとの申し出があった」とのこと。

「気軽に立ち寄れる」スタジオ

立川さんはラジオパーソナリティとして、この8年間、昼2時間の帯番組も担当してきた。

「コミュニティ放送のスタジオは誰でも気軽に立ち寄れる場所。スタジオを市内のいろいろな情報が集まって来るところにし、そういった情報を発信する基地として運営していきたい。スタジオがハブ(車輪の中心)になり、人と人のつなぐ部屋になればと思う」

「市内の区長さんや地域で活躍する方にも出演していただき、地域のイベントなどの話題を話してもらいたい。そういった、市民の皆さんが主役になれるような放送局にしたい。また、コミュニティ放送として、市が発信する災害情報も伝え、防災面でも役に立つ局にしようと考えている。84.2MHzあるいはホームページにアクセスすれば、市内のことは何でも分かるような放送局にしていく」

T.S Builの1階にあるスタジオ

「聞こえる・見える」スタジオ

以前、ラヂオつくばのスタジオは広場に接するつくばセンタービルの2階にあった。その後、トナリエクレオ(元西武百貨店)の3階に移ったが、場所が分かりづらいこともあり、昨年7月、クレオ前のT.S Buil(元ライトオン本社ビル、つくば市吾妻1-11-1)の1階に引っ越した。幅の広い歩道に面しており、仕切りガラス越しにスタジオ内の様子をのぞくことができる。

立川さんによると、放送の音声をラジオやスマホなしでも聞けるように、近く、スタジオの外側にスピーカーを取り付ける。また、ペデストリアンデッキに面するT.S Builの外壁に設置されている大スクリーンでも放送中の影像を映してもらえるよう、同ビルを所有する「都市開発」と交渉中という。これらの仕掛けが実現すると、スタジオの発信力が強化され、つくば駅近くの名所になりそうだ。

【たちかわ・のりこ】1996年、法政大学文学部卒。EIDAI合同会社(大学受験個人塾と広報イベント企画)代表社員、NPO法人子どものための救命教室理事、茨城県地球温暖化防止活動推進員。東京都港区赤坂出身、つくば市在住。家族は、中学3年の長男、小学6年の長女、勤務医の夫。

【インタビュー後記】私も放送が好きだった。小中では放送部に属し、冷蔵庫ぐらいのアンプ、小型スーツケースぐらいの録音器、分78回転SPレコードをかけるプレーヤー、音声をコントロールする操作盤をいじるのが楽しくて仕方なかった。校内連絡では自分がアナウンス、シナリオを書いて番組も作った。大学構内に電波塔があるFM局は学園都市にとてもよく似合う。(経済ジャーナリスト、坂本栄)

引退後の「環境の喪失」と継続する力《看取り医者は見た!》52

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写真構成は筆者

【コラム・平野国美】長年、つくば市で訪問診療医として患者さんのご自宅にうかがう中で、定年退職後の過ごし方がその後の認知機能にいかに大きな影響を与えるかを実感しています。

先日、私の高校時代の担任であった恩師と再会する機会がありました。御年91歳。足腰の弱りは少し見えてきたものの、認知症の兆候は全く見られず、その矍鑠(かくしゃく)としたお姿に驚かされました。「定年後はどのように過ごされていたのですか?」と尋ねると、先生は笑って教えてくれました。

定年前から趣味で中国語を学び始め、退職後は中国国内の日本人学校の国語教師として単身赴任されたそうです。現地で語学力にさらに磨きをかけ、帰国後も都内で中国人留学生向け日本語学校の教師を72歳まで続けられたとのこと。教えること、そして言葉という「自分の武器」を持ち続け、自ら新しい環境へ見事に移行されたロールモデルでした。

この恩師の例は、いわゆる文系的な強みを生かしたケースと言えます。文系の研究者や教育者は、「文献と机と自分の頭脳」があれば、退職後もライフワークを継続しやすく、知的環境をシームレスに保ちやすい特徴があります。

実験系研究者が直面する喪失

一方、研究機関が集積するこの街で気がかりなのは、理科系の「実験系」研究者たちが直面する「環境の喪失」の規模の大きさです。 彼らの仕事は、個人では維持できない高額な機器や特殊な実験室、そして日々議論を交わすチームがあって初めて成り立ちます。定年退職とは、こうした「物理的インフラ」と「指導者としての役割」をある日突然、一気に喪失することを意味します。

高度な知的職業に就いていた人は、脳の衰えを補う「認知予備能」が非常に高いとされています。しかし、強固な居場所を失い、フル回転していた脳への刺激と複雑なコミュニケーションが突然ゼロになると、その反動でダムが決壊したように認知機能の低下が急加速してしまうケースを少なからず目の当たりにするのです。

恩師のように、自ら新しい舞台を見つけることが理想ですが、それが難しい場合、地域社会がどう受け皿となるかが問われます。戦術を練りながら多世代と交流できる軽スポーツの場など、彼らの知的好奇心を満たし、新しい「役割」を持てるサードプレイスの創出です。

失われた環境の穴を埋め、その人らしい人生のストーリーを生き生きと紡ぎ続けられる仕掛けづくりこそが、これからの公衆衛生的な予防医療の大きな鍵になると感じています。(訪問診療医師)