土曜日, 4月 26, 2025
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里山でオタマジャクシと遊ぶ《宍塚の里山》123

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産卵のために里山からやってきた母ガエル(3月7日、筆者撮影)

【コラム・江原栄治】1月末、冷たい風が吹き抜ける里山の谷津田を訪ねる。うっすらと氷の張った水面を見つめながら、私は毎年のようにニホンアカガエルの産卵初日を探しに来る。このカエルは、真冬、水中に産卵する。冬も水がある宍塚の谷津田は希少な産卵場所となっている。

つえを頼りに、ふらふらと歩き回る老体ではあるけれど、心の中はワクワクと躍っている。だが、そう簡単には出会えない。空振りの日々が続く。

今年の初確認日は例年よりずっと遅かった。待ちわびた3月1日。その日から10日間ほど、首にカウンターを下げて、母ガエルが水中に産み落とす卵塊を数えて歩く。彼女たちは、一つにつき500から1000個もの受精卵を、寒天質に包んで産む。やがて、卵たちは発生を始め、オタマジャクシが孵(ふ)化し、変態へと進む。

出会うたびに、私は驚きと尊敬の念を込めて、心の中でそっと「ワンダフル」と声をかける。命の不思議さに胸を打たれる瞬間だ。

言うまでもなく、母ガエルにとっても、これは宇宙で一度きりの不可逆な時間体験なのだ。産卵の日も、孵化の日も、足が出て、手が出て、尻尾が消える日も、カエルとして水を離れるその日も、そして命を終えるその日も、そのすべてが毎年違う。誰にも予測も確定もできない。

命は、天候や環境、そのすべての「つながり」の中で、一期一会の出会いを繰り返す。私はただ、それに寄り添い、生き、そして死ぬだけなのだ。

田植え前の宍塚の谷津田(4月18日、筆者撮影)

こんなになるとは知らなんだ♪

自分は66歳のときに幸運にも胃がんが見つかり、胃の3分の2を摘出する手術を受けた。その後は、退職後の生きがいを求めて、さまざまな活動に取り組んできた。土浦市の社会福祉協議会が主催する「初めての野菜作り教室」や、我々の会の自然農田んぼ塾や親子が参加する田んぼ学校、古武道の「杖道教室」や「尺八教室」、そして最近は「食生活改善推進委員」としての活動。

気がつけば、もう16年。思い出はたくさんできたが、身についたものといえば…、正直ひとつもない。すべてが「年寄りの冷や水」だったかもしれない。それでも楽しかった。

82歳を過ぎた今、時間は3倍速で飛ぶように過ぎていく。朝夕には「♪こんなになるとは知らなんだ♪」と大きな声で歌いながら、笑い、そして少しだけ嘆いている。何をするにも、孫たちが心配してくれる。「ありがとう」と言いながら、その優しさをうれしさ半分、寂しさ半分で受けとめる。ありがたくも、どこか切ない、そんな日々だ。せめて、周囲には「嘆かない、張り切らない」を心がけて暮らしているつもりだ。

とはいえ、やっぱり私の中の「スズメ」は踊りを忘れない。自分という存在、この不思議な世界への興味と関心は、いまだに手放せない。古語にある「良き言葉で良き人生をつくる」という言葉を胸に、私は今も、「良き言葉」を求めて歩き続けている。命が尽きるそのときまで。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

事業協力者に戸田建設など 桜土浦IC周辺に産業用地開発へ

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基本協定を締結した桜土浦IC周辺地区土地区画整理組合設立準備委員会の中村雄一会長(左から2人目)と戸田建設関東支店執行役員の林和男支店長(同3人目)

常磐道桜土浦インターチェンジ(IC)周辺で土浦市が検討を進めてきた新たな産業用地の創出について、事業計画策定や造成工事、企業誘致などを一括して担う事業協力者が準大手ゼネコンの戸田建設(東京都中央区)など3社でつくる共同事業体(JV)に決まり、25日、土浦市役所で、地権者団体と戸田建設などが基本協定を締結した。安藤真理子市長らが立ち会った。

同ICと国道6号バイパス建設予定地に近接する同市中村西根の約33ヘクタールに物流倉庫や工場などを誘致する。着工は早くて2028年ごろ。同市で工業団地が新たに造成されるのは1996年以来。

桜土浦IC周辺地区 土地区画整理事業の土地利用構想図(紫色の部分に物流倉庫や工場などを誘致する)=土浦市提供

開発事業は、地権者らが今後、土地区画整理組合を設立して実施する。具体的な計画策定、測量、設計、造成工事、企業誘致などは戸田建設など3社でつくるJVが担当する。地権者は84人で、現在97%が農地や山林などの民有地となっている。昨年1月時点で地権者の90.1%の仮同意を得ている。

総事業費は約50億円。ほかに市が道路や公園、水路など公共施設の整備費用として8億円を負担する。事業費に充てるため地権者は自分の土地を平均73%提供する(平均減歩率)。造成後は、33ヘクタールのうち15.5ヘクタール(保留地)を売却して事業費をねん出する。

予定地の一部

事業協力者は戸田建設のほか、物流・商業施設の開発などを手掛けるデベロッパーの日鉄興和不動産(東京都港区)、不動産事業や解体事業などを手掛ける大洋(東京都中央区)の3社。地権者団体の桜土浦IC周辺地区土地区画整理組合設立準備委員会(中村雄一会長)が今年1月、事業協力者を公募し、応募があった2JVの中から選定した。中村会長は、戸田建設が圏央道常総IC周辺の「アグリサイエンスバレー常総」の開発に関わった実績から選んだと説明し「道の駅常総やトマト、イチゴ農園などを視察した。経験ある戸田建設に安心してお任せしたい」と述べる。戸田建設は事業全般、日鉄は企業誘致、大洋は地権者の合意形成などを担当するという。

事業提案で戸田建設らは①広域交通ネットワークを生かした新たな産業拠点の創出②豊かな自然環境との調和を目指す環境共生サステナブル産業都市を掲げた。「環境共生型に特化したまちづくりを行い、地域ブランドとして、他地区と差別化できるまちづくりをしたい」とする。昨今の建築資材や人件費の高騰に対しては「リスクを加味した事業計画をつくりたい」としている。

あいさつする準備委員会の中村会長(左から3人目)

一方、地権者の平均減歩率が73%になることについて準備委員会の中村会長は「70%を超える減歩率は他地区でもなかなかないと思っている。地区は畑が半分ぐらい、山林が半分ぐらいで、畑はほとんど作っていない状態、管理するのに耕して草が生えないようにしている。山林は奥の方に入るとごみの山。山林の中に昔は農道があったが、今は農道なのか分からない状態。そういう状態をこれから先、次の世代まで続けて、残していくかを考えた時に、こういう機会しか、地域をもっときれいにする機会がないのではないか。地域の皆さんに、皆の大切な財産をもっときれいに、有効に使っていきましょうと話している。そういうことだったらと、90%を超える賛同をいただいている」と語った。

同市は、2019年に県が新たな産業用地の開発を推進する「未来産業基盤強化プロジェクト」を発表したのを受けて、20年から検討を開始した。21年にはゼネコン、デベロッパーなど民間事業者を対象にヒヤリングを実施、高い評価が得られたため、桜土浦IC周辺を候補地とし、22年から地元説明会、23年には地権者意向調査を実施してきた。昨年6月には同地区の地権者団体である準備委員会が設立された。(鈴木宏子)

7カ国34人を歓迎 日本つくば国際語学院

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東郷理事長(右から2人目)から学生証を受け取るミャンマー出身のキン・モー・テインさん(中央)。一人一人に学生証が授与された=つくば山水亭

学校法人つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長兼校長)の2025年度4月生の歓迎会が24日、同市小野崎、つくば山水亭で開かれた。ミャンマー、中国など7カ国から来日した18歳から39歳までの34人が、鮮やかで多彩な民族衣装などに身を包み、新たな一歩を踏み出した。

今回は入学式という名称を使わず、かしこまらない形での会となった。新入生の出身国はほかに、ネパール、スリランカ、韓国、ベトナム、インド。今回はミャンマー出身者が15人と最多となった。

記念撮影でポーズをとる新入生と教職員ら

歓迎会では、出席した33人全員が一人一人自己紹介をした。それぞれ習いたての日本語で、年齢、日本でやりたいこと、趣味などを語った。「日本語を学び、大学や大学院で勉強したい」「日本の有名な観光地を回ってみたい」などと話す人が多かったが、「韓国の女性が好きです」と言う新入生もおり、会場を笑わせた。

在校生を代表してネパール出身のサヒ・マンジュさんがあいさつし「最初入学式に出た時は歓迎のあいさつも分からなかった。今ではこの学校で頑張ったかいもあって、自分が歓迎のあいさつをする立場になった。家族のことを思い寂しくなったこともあったが、友人たちのおかげで乗り切れた。自分の力を信じてがんばって欲しい」と新入生に歓迎の言葉を送った。

在校生を代表してあいさつするサヒ・マンジュさん

東郷理事長は「日本語を学ぶことによって日本の文化を学ぶことができる。言葉はつなぐものであり、日本語を通じて世界の友達と話してもらえたらいい。これから、楽しいことと、少し大変なこともあると思うが、困ったことがあったら、学校職員や先輩を頼ってほしい」などと語った。

その後、新入生、全校生徒の順で記念撮影会が行われ、最後は歓迎パーティで盛り上がった。

東郷理事長は記者らの質問に答え「入学者はこれからもっと増えそうな感じがする。世界的に外国人排除の動きがあるが、日本は今でも先進国であり、日本に来たがっている人は大勢いるので、学校もたくさんの留学生を受け入れられよう準備したい。当校では、後楽園や大洗水族館に行ったりするリクリエーションも実施しており、評判も良い」などと話した。(榎田智司)

つくばの素粒子研究施設に2人組アートユニット滞在

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トークショーで語る(左から)岩竹理恵さん、片岡純也さん。右端は浅井祥仁KEK機構長

発表は8月、大阪万博でも

芸術家が滞在して創作活動に取り組むアーティスト・イン・レジデンス(AIR)がつくば市大穂の高エネルギー加速器研究機構(KEK、浅井祥仁機構長)で始まった。23日からは構内でミニ個展も開催されている。

8月のつくばメディアアートフェスティバルと大阪・関西万博での発表に向けて、KEKでの生活をスタートさせたのは、片岡純也さん(42)と岩竹理恵さん(43)の2人組。ともに2010年、筑波大学大学院芸術専攻を修了。2013年のパリでのレジデンスを機に、国内外でユニットでの創作活動に取り組み、作品を発表してきた。

研究者向け宿舎に1カ月

今回はつくば市が隔年で開催する「つくばサイエンスハッカソン2025」の一環として実施されている。科学と芸術の融合を通じて、新たなインスピレーションを得ることが目的。2人は同市の委嘱を受けての活動で、KEKの研究者向け宿舎に1カ月間滞在し、研究者や学生との対話を通じて創作を進める。滞在期間中に得た着想をもとに、滞在終了後、自身のアトリエや筑波大の作業場を借りて作品を完成させる。

日常のささやかな出来事をシンプルな現象で再現するキネティック作品と、印刷物などから想像や類推でイメージを展開させていく平面作品を組み合わせた空間構成が特徴的で、素材や図案の出合いから物語を生み、個々の作品の題材がゆるやかに響き合う手法を用いる。

作品に「対称性の破れ」と感想

滞在初日の18日には研究者や職員らによる歓迎レセプションが催された。2人はこれまでの作品を持ち込んで紹介、浅井機構長を交えてのトークショーが行われた。

片岡さんは「頭でなく手で考えた」という装置型の作品が特徴で、平面上を永久機関のように回り続ける電球に、浅井機構長が「対称性の破れ」という素粒子物理学の概念を持ち出し感想を述べると興味深けな反応を見せた。

岩竹さんは、広い敷地をもつKEKの木々や水辺の「ささやかな日常」をスマホに撮って見せ、こうした素材を滞在期間中に教えてくれるよう研究者らに協力を求めた。さらに天文学の数式や記号に興味があるという。

完成した作品は、8月1日から11日に県つくば美術館(つくば市吾妻)で開催される「つくばメディアアートフェスティバル2025」で発表され、その後8月14日から20日まで、大阪・関西万博の会場(大阪・夢洲)でも展示される。2025年の「国際量子科学技術年」宣言を記念して、内閣府・文部科学省が主催する企画展「エンタングル・モーメント―[量子・海・宇宙]×芸術」にKEKが出展するものだ。(相澤冬樹)

◆回る電球ややじろぐ枝など、トークショーで紹介された2人の作品を紹介するミニ個展は5月9日まで、KEK「多目的スペース」で開かれる。時間は午前11時~午後2時。問い合わせは電話:029-879-6048(KEK広報室)。アートユニット2人の作品はこちら

ロボッツ、ホーム最終戦で千葉に逆転負け

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チームトップの24得点を挙げたロボッツのロバート・フランクス(青いユニフォーム)=撮影/高橋浩一

男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツは23日、今季ホーム最終戦として、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで千葉ジェッツと対戦し70-84で敗れた。これで茨城の通算成績は13勝43敗で東地区7位、B1全体では24チーム中22位。今季は下部リーグへの降格は行われないため、茨城は来季もB1で戦うことが決まっている。

2024-25 B1リーグ戦(4月23日、アダストリアみとアリーナ)
茨城ロボッツ 70-84 千葉ジェッツ
茨城|19|24|16|11|=70
千葉|14|19|20|31|=84

つくば市出身の陳岡流羽(特別指定選手、土浦日大高-白鴎大)がシュートを放つ

茨城は第1クオーター(Q)、立ち上がりから中村功平の3点シュートや平尾充庸の速攻などで千葉を引き離した。第2Qにはロバート・フランクスと陳岡流羽がそれぞれスチールを決めるなど守備からの攻撃が機能し、43-33と10点差に広げて前半を折り返した。だが第3Q、ファウルトラブルからフリースローで点差を縮められ、第4Q開始2分過ぎにまたもフリースローで逆転を許すと、その後は徐々に点差を広げられていった。

第3Q、中村が3点シュートを放つ

「前半は頭から選手が頑張ってしっかりと守れ、攻撃も自分たちの強みであるトランシジョンからスコアを積み重ねた。後半はファウルトラブルで相手にボーナスポイントを与えてしまい、第4QもファウルでDFがプレッシャーをかけにくい状況にされ、自分たちのやりたいバスケができなかった」とクリス・ホルムヘッドコーチ(HC)の総括。ファウルがかさんだ要因については「相手はアタックを強くして、審判にどんどん笛を吹いてもらおうとしたのだと思う。その通りになってしまった」と推察した。

チームの中心選手に成長した久岡

中村は、相手の対応のうまさと自分たちの疲れを指摘した。「相手は第4Qで、攻撃ではビッグマン同士のピック&ロールを多用し、守備ではスイッチディフェンスでずれが見えにくいようにしてきた。疲れが見えてくるとみんなの足が止まったり、ボールの動きが悪くなることが結構ある。止められてもそれを引きずらないよう、攻守の切り替えでしっかり対応し、チームで守って粘り強く戦いたい」

第4Q、遠藤善のジャンプシュート

落慶久ゼネラルマネージャーは、「相手が個の力で打破してくるのは分かっていて、結果としては押し切られたが、強豪相手にもブローアウトせず最後まで戦い抜くことができた」と評価し、「先月半ばあたりから守備的な戦いでの勝ち方が身に付いてきた。久岡幸太郎や駒沢颯ら若手の成長も実感している。今の強度を保って残り試合を一つでも多く勝ちたい」と今季の締めくくりについて展望した。

第4Q、平尾がドリブルで攻め込む

茨城の残り試合は4つ。4月26・27日は越谷市総合体育館で越谷アルファーズと戦い、5月3・4日は札幌市の北海きたえーるでレバンガ北海道と対戦する。北海道戦2試合はパブリックビューイングも開催される。会場は水戸市南町のM-SPO(まちなか・スポーツ・にぎわい広場) ユードムアリーナ、参加無料。(池田充雄)

試合後、満員の観客席に挨拶する選手たち

体験通じ五感で楽しめる施設に ツムラ漢方記念館リニューアル

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新設された模擬調剤コーナーで実演する漢方記念館の職員

漢方薬品メーカー、ツムラ(本社 東京都港区 加藤照和社長)が、阿見町吉原にある同社茨城工場内の医療関係者向け見学施設「ツムラ漢方記念館」を17年ぶりにリニューアルし、22日メディア向けに初公開した。刻んだ生薬を使って模擬調剤を実習できる模擬調剤コーナー「TSUMURA KAMPO LABO(ツムラ漢方ラボ)」などが新設され、実務実習にあたる薬学部の学生らが調剤を体験することができる。

医療学ぶ学生3000人が来訪

同記念館は、ツムラ創業100周年記念事業の一環として1992年に作られた施設。2008年に全面リニューアルした際には、漢方・生薬に特化した世界で唯一の記念館として日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞の公共空間・土木・景観を受賞している。

漢方記念館の外観

延べ床面積1611メートル、2階建ての施設内には、漢方の原料となる生薬や、江戸時代に国内で刊行された中国の古典医学書「傷寒論」「金匱要略」などの歴史的書物、同社で製造する漢方製剤の製造工程や品質管理に関する資料が展示されている。医療を学ぶ学生をはじめ、医療従事者らが関東を中心に毎年3000人ほど訪れているという。

入り口を入ると大きく吹き抜けになった広い空間に、ガラスの筒や小瓶に入った100種以上の生薬が展示されている。風邪に効くとされる葛根(かっこん)湯に使われる「葛根」や、東南アジア原産で独特の清涼感ある香りが特徴の「薄荷(はっか)」、日本特産の多年草でセロリに似た香りを持つ「当帰(とうき)」など植物由来のものから、動物由来の、セミの抜け殻である「蝉退(せんたい)」やカキの殻の「牡蛎(ぼれい)」、鉱物の「石こう」など多岐にわたる生薬を間近に見ることがでる。小瓶に入る生薬はふたを開けて実際に匂いをかぐことができる。

展示される生薬を説明する吉田館長

その他、2階にある大型モニターを使った映像やイラスト、写真を通じて同社の歴史や取り組みを知ることができる。記念館の裏側にある「薬草見本園」では栽培される約300種類の薬用植物を間近に見ることができる。

記念館館長の吉田勝明さんは「今回のリニューアルでは漢方薬やツムラの取り組みを、よりわかりやすく楽しみながら伝えることを目的に、体験コーナーなどを用意した。夏休みには、昨年に続いて今年も、小中学生を対象としたイベントを、ウェブ配信と現地見学の両方で行う予定。現地見学では実際に漢方薬や生薬に触れて、においを嗅ぐなど薬草見本園での植物観察を交えた楽しめる体験を企画する。様々な体験を通じて五感で楽しめる施設にしていければ」と話した。

2階にはツムラの歴史に関する展示が並んでいる

ツムラは1893年創業で、奈良県出身の津村重舎が、東京・日本橋に津村順天堂を開業し、婦人薬である生薬製剤「中将湯」を販売したのが始まり。中将湯は現在も同社で販売されている。医療用漢方製剤における同社の国内シェアは2023年度末時点で84.2%。厚生労働省が認可している医療用漢方製剤148処方のうち、129処方を製造・販売している。従業員数は約4000人で、茨城工場には、研究施設と工場施設を合わせて約1100人が従事している。(柴田大輔)

◆ツムラ漢方記念館は医療関係者向けの施設で、阿見町吉原3586の茨城工場内にある。一般向けにはバーチャル漢方記念館が公開されているほか、夏休みに小中学生向けの見学イベントが開かれる。

➡ツムラ漢方記念館の過去記事はこちら

性的マイノリティ学生を支援するガイドブック 筑波大の研究者らが作成

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ガイドブック「LGBTQ学生支援指標」の表紙(河野さん提供)

誰もが安心できる大学に

大学が、性的マイノリティ学生を支援するためのガイドブック「LGBTQ学生支援指標」を、筑波大学人間系助教の河野禎之さん(45)らによる研究グループが作成した。当事者学生や支援者、専門家から聞き取った経験談などをもとに今年3月に発表した同グループの論文を土台とし、大学内の場面に応じて必要な支援の指針となる47の指標と、課題の具体例を解説する17のコラムからなっている。

研究・作成にあたったのは筑波大助教の河野さんと、同大人間系研究員の渡邉歩さん(35)、同大人文社会系助教の土井裕人さん(48)、立命館大人間科学研究科准教授の佐藤洋輔さん(33)ら4人の研究者。今後、国内の大学が支援方針を策定する際の指針にしたい狙いがある。

河野さんと土井さんは2015年に、国内の大学として初となる性的マイノリティ学生支援の基本理念と対応ガイドラインを筑波大学で作成した経験がある。その後、大学関係者有志のネットワーク「大学ダイバーシティ・アライアンス」をつくり、性的マイノリティ支援の情報を共有するなど取り組みを進めてきた。河野さんは「すべての学生、教職員、大学関係者がそれぞれに尊重され、安心して過ごすことができる大学キャンパスの実現につながることを心から願っている」と思いを語る。

ガイドブックは、A5判、40ページ。大学の「組織」「場」「学生」の三つに分けて構成され、「組織」は大学での学生支援に関する方針や体制に関する7つの指標、「場」は大学の施設や設備、意識啓発、居場所に関するハード、ソフトの環境面に関する12の指標、「学生」は入学してから卒業後までの生活、授業、行事、就活支援など学生のあらゆる場面に関する28の指標が記載されている。

指標は質問形式で、「差別を禁止しているか?」「性的マイノリティの相談担当者は専門的な研修・訓練を受けているか?」など大学が組織として定めるべき事柄や、トイレや寮、更衣室などの学内施設の課題、本人の同意なしに性的指向や性自認を周囲に暴露する「アウティング」やハラスメントに関する防止策などがある。各指標のチェック欄も設けられ、大学は、各項目に付された補足と望まれる取り組み事例をもとに、学内の現状をチェックし改善に繋げられる仕組みになっている。

例えばトイレの利用に関しては、「学生がトイレ利用で困難が生じる際、本人から申し出があれば大学と本人が協議し出来る限り柔軟な対応を行っているか」「多目的トイレなど性別に関係なく利用できるトイレの設置場所を一覧や地図として公開しているか」など2つの指標を設け、発展型として「本人がどのトイレを利用したら居心地が良いか、悪いかを大学が一緒に検討する」「施設を新設または大規模改修する場合、性別に関係なく利用できる多目的トイレなどを設置する方針をもつ」などを提案している。

(左から)筑波大学人間系助教の河野禎之さん、同人間系研究員の渡邉歩さん、同人文社会系助教の土井裕人さん、立命館大人間科学研究科准教授の佐藤洋輔さん(提供は各研究者)

当事者の声を重視する

「支援はしたい。でも、実際に何から始めればいいのかわからない」―

性的マイノリティへの関心が高まり、全国の大学で当事者学生への支援が広がる中で、このような声が上がっているという。河野さんは「(当事者の学生を支援する上で)具体的に必要なこと、大切になる基準となる考え方が大学間で共有されていない現状がある。共有できる指標が必要と考えた」と、制作のきっかけを話す。

一連の研究活動の中で河野さんらが重視してきたのが、「当事者の声や意見を反映すること」だという。学内で当事者学生との交流を重ねる土井さんは、「学生の意識の変化は大きい。(支援する大学側の)認識がずれると、取り組み自体が当事者のニーズに合わなくなる」と話す。学生の変化について土井さんは、「学生が(自身の性を)自己規定する際に、ノンバイナリー(自認する性が男女に当てはまらない)という言い方をするようになっている。支援にあたる人の中には『LGBTの4種類でいい』と認識する人もいるが、それでは困る。当事者像は常に変わりうる。きちんと変化を見極めなければ支援が的外れになりかねない。ガイドブックは、いかに学生に寄り添えるかを重視し、大切にした」と話す。

差別や偏見に対し科学的情報示す

また、ガイドブックに込めた思いとして河野さんは「性的マイノリティに対するバッシングがあり、そこで言われる偏見や誤解に対して科学的な情報を提供したかった」と話す。その具体的な対応を、さまざまな事例をもとにコラムとしてまとめたのが、性的マイノリティの学生支援に取り組んできた渡邉さんだ。

近年、誤った認識のもとで差別的に取り上げられるトイレや入浴施設の利用やカミングアウト、性自認などのテーマに対する意見と対策を、実例を踏まえて取り上げながら、「当事者抜きで語る」ことの問題性や、課題は学生個人の問題ではなく、環境を作る大学側に根本があると指摘する。「インタビュー調査を通じて、他者に恋愛感情を抱かなかったり、性的なアイデンティティを持たなかったりするなど、多様な当事者の声を聞いた。そうした学生の意見を踏まえたからこその表現をしている。多数派と少数派の間で権力勾配がある中で、権力を持つ側が人を単純化して理解することはしたくなかった」とし、「バッシングも含めて、質問に対して、担当する職員ができるだけ理論的に返答するための根拠資料として使えるようにも書いた」と話す。

学生にも読んでもらいたい

土井さんはガイドブックの作成は、「『大学がきちんと課題に取り組んでいる』と、学生に伝える」意味もあると話す。「学生が感じる息苦しさは周囲の学生との関係だけでなく、社会状況にも依存する。(少数者を排除する)トランプ大統領の政策に辛さを感じる学生もいる。学生には『我々は、活動を後戻りさせないように計算して取り組んでいる』と伝えている。ガイドブックは学生の安心感につながる大事な機能、役割がある。今後、大学としてマイノリティ性が問題にならない環境をどう作っていけるのかが重要」だと指摘する。

心理学の面から課題に取り組む佐藤さんは、「偏った理解が浸透することで、学生が傷つく可能性がある。LGBTQ学生支援で忘れてはならないのは、当事者の学生が安心し、自分らしい学生生活を送れる環境を整えること。そのためには学生との対話を重ね、大学が実情にあった支援を実施することが必要になる。大学には何かしたいと思う学生、教職員がたくさんいる。思いを持つ人たちがつながり利用できる媒体として、このガイドブックを役立ててもらいたい」と語る。(柴田大輔)

◆「LGBTQ学生支援指標ー大学における性的マイノリティ学生の支援に向けた環境整備に関する 47の指標活用ガイドブック」は筑波大学人間系ウェブサイト内の専用ページで無料で公開されている。

お子様ランチ卒業式《短いおはなし》38

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イラストは筆者

【ノベル・伊東葎花】

パパと会うのは、いつも同じレストラン。
ピンクのテーブルクロスの真ん中に、可愛いキャンドル。
パパとママが仲良しだったころに、3人で行ったレストラン。
わたしはいつもお子様ランチを注文した。
小さなハンバーグとエビフライ。ニンジンは星の形で、ハートの容器に入ったコーンサラダとリンゴのゼリー。
プレートには夢がいっぱいで、パパとママも笑顔がいっぱいだった。

パパとママが離婚して、4年が過ぎた。
ママと暮らすことになったわたしは、月に一度パパと会う。
いつも同じレストランなのは、わたしがこの店のお子様ランチが好きだから。
……と、パパが思い込んでいるから。

正直もう、お子様ランチを食べるほど子供じゃない。
焼肉やお寿司の方がずっと好き。
だけどパパがうれしそうにお子様ランチを注文するから、言えずにいる。
「ユイ、学校はどうだ」
「ふつう」
「ふつうってなんだよ。いろいろ教えてくれよ」
パパの話はいつも同じ。ちょっとうんざりする。
「好きな男の子はいないのか」
うざい。いたとしても、言うわけないじゃん。
そろそろ月に一度じゃなくて、3カ月に一度、もしくは半年に一度くらいでいいかな……と思う。

食事のあと、パパが急に神妙な顔をした。
「ユイ、じつは今日、ちょっと話があってさ」
「なに?」
「うん、実はパパ、再婚することになって」
「えっ?」
「もちろん、再婚してもパパはユイのパパだ。何も変わらない。だけど、再婚相手の女性には、8歳の女の子がいてね」
「8歳…」
パパとママが離婚したときの、わたしの年齢。
「うん。だから、パパはその子の父親になる」
「ふうん」
「ちょっと体の弱い子でね、空気がきれいな田舎に引っ越して、一緒に暮らすことになったんだ」
「ふうん」
「だから、その…、今までのように、ユイに会えなくなる。もちろん、ユイが望むなら、パパはいつでもユイの力になるよ。でも、月に一度の面会は、ちょっと無理だな」
ふうん…。

「いいよ。わたしも中学受験で忙しくなるし、ちょうどよかった」
「中学受験するのか。大変だな」
「べつに、ふつうだし」
「またふつうか。今どきの子はふつうが好きだな」
パパが、拍子抜けしたような声で言った。わたしが泣くとでも思っていたのかな。

「デザート食べるか?」
「いらない。わたし、コーヒーがいい」
「コーヒーなんか飲むの?」
「うん。家でママと飲んでるよ。甘いジュースより、ずっと好き」
「そうか。もう、お子様ランチも卒業だな」
パパは、少し寂しそうに笑った。

強がって飲んだコーヒーは、やっぱり苦かった。
それでも精一杯大人のふりをした12歳のわたし。
何となく寂しくて、何となく悔しくて、「おいしかった」と言えなかった。
最後のお子様ランチだったのに。

街は鮮やかな緑であふれ、手作りのこいのぼりをかざした子供が通り過ぎた。
迎えに来たママに見られないように、帽子でそっと涙を隠した。
パパと過ごした最後の日、わたしはお子様ランチを卒業した。

(作家)

「合理的配慮」義務化から1年 25日、障害当事者の意見集めるイベント つくば

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「障害×提案=住みよいつくばの会」世話人の川島映利奈さん

第1回はレストラン編

車椅子のまま着席できるスペースを用意したり、太いペンで大きな文字を書いて筆談するなど、事業者と障害者が話し合いながら、障害の特性に応じてバリアを取り除く「合理的配慮」が昨年、民間事業者にも義務化され、4月で1年を迎えた。25日、つくば市内の障害者らでつくる市民団体「障害×提案=もうちょい住みよいつくばの会」が、制度の浸透を目的としたイベントをつくば駅前のつくばセンタービル内 市民活動拠点コリドイオで開催する。

第1回目は「レストランの困りごと編」で、障害者が飲食店を利用した際に直面する「困りごと」を参加者同士で出し合い、話し合いの中で改善策をまとめ、行政に伝える。

主催団体の世話人で、障害当事者団体「つくば自立生活センターほにゃら」代表の川島映利奈さん(42)は「さまざまな障害のある人に参加してもらい、それぞれが直面している困りごとを出し合いたい。地域の事業者や市議会議員の方などにも参加していただき、障害の当事者との対話を通じて一緒に『合理的配慮』を進展させていく場になれば」と語る。

今回のイベントでまず「レストランの困りごと」を取り上げるのは、2024年のつくば市長選・市議選の際に同つくばの会が候補者に実施した公開質問で、市役所本庁舎のレストランの改善を提案したことから、「市役所本庁舎のレストランを、民間事業者による合理的配慮のモデルケースにしたい」のだと、川島さんは言う。

無人化に不安

今回の企画に参加する、同会のメンバーで自身も障害当事者である生井祐介さん(48)は「合理的配慮の義務化を受けて、レジに(イラストや絵を指差して意思を伝え合うための)指差しコミュニケーションボードが置かれたり、入り口にスロープがつくなどした店舗が特に大手では進んでいる印象がある。杖をついていると、『手伝いましょうか』と声を掛けられる場面も増えた」と話す。

一方で、飲食店で客自身がタッチパネルを操作して会計をしたり、ロボットが配膳をするなどの店舗の無人化が広がることに対して「手の力が弱かったり、視覚に障害があるとタッチパネルを操作できず、自分で立てないとセルフレジに届かない。自動運転バスなどでも広がるかもしれない無人化への不安はある。新しいシステムを導入する際には、障害者の意見を聞いてほしい」と思いを語る。

選挙で政策提言を公開質問

同つくばの会は、2018年に市内の障害者の呼び掛けに応じた当事者、家族、支援者らが集まり生まれた。障害者が暮らしやすいまちづくりを進めようと、障害者の意見を市政に届ける活動を続けている。

2020年の市長・市議選では、障害者の社会参加を目的としたタクシー利用時の市の運賃助成制度をバスや電車でも利用できるよう、ICカードとの選択制にすることや、スマートフォンやタブレット端末を用いた市役所での遠隔手話通訳サービスの導入など、障害者の意見を元に6項目の政策提言を作成した。すべての候補者に公開質問として政策提言を投げ掛け、3人の全市長候補、41人中27人の市議選候補者から回答を得た。選挙後「重度障害者に対するICカード乗車券運賃の助成」「つくば市遠隔手話サービス」など4項目が実現している。

2024年の市長・市議選の際にも、市役所本庁舎レストランの改善など「市役所本庁舎のレストランにコミュニケーション支援ボードを導入し、民間事業者における合理的配慮の普及につなげる」や、「つくば市バリアフリー条例を制定し、今後、計画的に市内をバリアフリー化していく」などの6項目を、他自治体の先行事例を示しながら提言し、公開質問として、2人の市長候補者と48人の市議選候補者に投げ掛けた。市長・市議選の候補者24人から集めた回答は選挙期間中に同団体のウェブサイトで公開した。

当事者と対話を

同会では今後、第2回目として、昨年の選挙で提案した6項目の一つでもある「市の健診・検診時に合理的配慮を提供する」について、当事者の意見を聞く場を設ける予定だ。車椅子を利用する世話人の川島さん自身、市の健診を受けた際に車椅子対応の体重計がなかったために体重が測れず、検査台に乗れないことから胃や腸の検査を受けられなかった経験がある。他にも、自力で立ったり座ったりできないことから婦人科検診のマンモグラフィー検査や子宮がん検診を受けられなかった。そのため、追加料金を自費で負担し、胃カメラ検査やエコー検査を受けた。「代替えとなる検査が自分の希望であれば有料であることに納得がいくが、理由が障害があることなわけなので、何らかの他の方法を検討してもらえたら」と改善を訴える。

一方で川島さんは「合理的配慮がそもそも事業者に伝わっていないという面もある」とし、「新しいものを買ったり、大規模な施設の改修をしなければならないなど、難しく考えてしまう人が多いのかもしれない」と言い、「(段差があるなどで)車椅子で入れないお店の場合は、介助者などに店内の陳列商品を写真で撮ってきてもらい、店外でそれを見て買う商品を選ぶことができる。合理的配慮で大事なことは、事業者が障害者と話をすること」だと話す。

車椅子で入店できない場合は、スマホで撮影した商品を店外で見ることで買い物をすることもできる

生井さんは「障害の当事者は、こんな時はどうすればいいのかというアイディアを持っているので、『うちは無理です』と断らずに、まずは当事者と対話をしてほしい」と言い、川島さんは、「今回のイベントは、(合理的配慮の趣旨である)さまざまな当事者の声を聞く場所でもある。障害のある人、そうでない人を含めて、多くの方に参加していただき、これからのまちのあり方を一緒に考えていきたい」と語る。(柴田大輔)

◆「住みよいつくばの会 レストランの困りごと編」は25日(金) 午前10時からから正午まで、つくば市吾妻1-10-1 つくばセンタービル 市民活動拠点コリドイオ内 つくば市民センター大会議室で開催。Zoomを利用したオンラインでの参加も可能。参加費は無料。イベントの詳細、参加申し込みは専用サイトへ。申し込み締切は23日(水)午後5時まで。問い合わせは「障害x提案=もうちょい住みよいつくばの会」(電話029-859-0590、メールcil-tsukuba@cronos.ocn.ne.jp、FAX029-859-0594)へ。

川内優輝、2度目の優勝で復活ののろし かすみがうらマラソン

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フルマラソン男子、川内のフィニッシュ(撮影/高橋浩一)

1万5832人がエントリー

「第35回かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2025」(土浦市など主催)は20日、土浦市川口の川口運動公園J:COMフィールド土浦を発着点として開催された。フルマラソン、10マイル(約16キロ)、5キロの各部門で昨年より多い総勢1万5832人がエントリーし、フルマラソン男子は川内優輝(38、埼玉県・あいおいニッセイ同和損害保険)が2時間19分10秒の記録で13年ぶり2度目の優勝を果たした。

フルマラソンのスタート

川内はかつて「公務員ランナー」として名をはせ、ボストンマラソン優勝など数々の輝かしい戦績を持つ。かすみがうらは2012年大会で自身初のフルマラソン優勝を達成した思い出あるコース。負傷からの再出発にこの舞台を選び、見事復活ののろしを上げてみせた。

スタート直後から独走態勢に入った。「前半はある程度速めのペースでしっかりやって、後半の向かい風で粘ろうと思っていた」。大会直前には奄美大島で1週間の合宿にも臨んだ。「かすみがうらと同じような風や湿度のある環境で練習できたことが生きた。今日も奄美の風を思い出しながら走れた」。ここを足がかりに、2028年のロス五輪を目指すという。

フルマラソン優勝の男子・川内と女子・遠藤

女子は遠藤知佐が初優勝

フルマラソン女子は遠藤知佐(36、東京都・PTC)が2時間46分38秒で優勝。かすみがうらは2017年に続く2度目の参加で、前回の記録は3時間半ほどだった。「最初に大学時代に出た東京マラソンでは5時間台で、そこからサブ4、サブ3とタイムを上げてきた」。いわゆる皇居ランナーで、クラブチームの仲間と競い合って成績を伸ばしてきた。フルマラソンの参加は年1回。きついコースであえて自分を鍛えるのが狙いという。昨年優勝の松村幸栄さんからアドバイスをもらい「前半の登りで足を使ってしまわないよう抑えて、後半の直線でリズムに乗って淡々と走った」ことが優勝のカギとなった。

フルマラソン女子、遠藤のフィニッシュ

10マイルはラシュトンと位田

10マイル男子はシドニーからの招待選手シアラン・ラシュトン(20)が49分38秒で優勝。「10マイルレースに勝利しとても幸せ。私の日本での初めてのレースで、とてもエキサイティングだった。来年もう一度このレースに戻ってきたい」とコメントした。

10マイルのスタート

10マイル女子は大学招待選手の位田明優(19、東京都・拓殖大学)が59分33秒で優勝。「前半は目標とした選手にうまく付いて走れ、中盤で離されかけたが落ち着いて挽回し勝ちきれた。今年の目標は5000メートルと1万メートルでインカレ出場、駅伝では全日本大学女子と富士山女子で3位以内を目指している」

10マイル男子優勝のラシュトン(右)と女子優勝の位田

5キロ女子は5連覇経験の松本

5キロ女子は松本恭子(54、千葉県)が18分37秒で1位。去年は10マイルを走ったが、今年は5連覇の経験もある5キロに戻ってきた。「負傷明けなのでスピードがもつか心配だった。追いかけてくる若い子たちに抜かれないかとドキドキしながら走った」

5キロ女子、松本のフィニッシュ

男子は1~3位とも県勢

5キロ男子は1~3位とも県勢。タイムはそれぞれ1秒差の接戦だった。優勝は15分51秒の斉藤直希(28、日立市・ひたち医療),「去年と同じ1秒差で連覇を達成できた。去年は28年ぶりの大会新記録となる15分05秒を出せたので、その更新を狙っていた」。2位は15分52秒の伊藤遼佑(28、筑西市・つくばウェルネス整形外科)。「3年前に優勝したが、その後2年続けて1秒差で優勝を逃してきた。今年も1秒差で敗れて悔しい」。3位は15分53秒の麻生拓茉(26、取手市・麻生歯科医院)。「格上の2人に対しどう勝つか展開を考えて走った。集団をコントロールしてペースを抑え、惜しくも負けたが最後まで競ることができた」。3人とも医療系で年も近く普段から仲良し。茎崎運動公園の練習会などで一緒に走っているという。(池田充雄)

(左から)5キロ男子の2位の伊藤、1位の斉藤、3位の麻生

目指す!土浦花火の妄想実現《見上げてごらん!》39

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左は復元された「ブドウ煙」=写真は茨城ビデオパック提供。右は染料がにじんだ配合帳=土浦市立博物館所蔵。いずれも出典は「花火と土浦」(土浦市立博物館編集2018年)

【コラム・小泉裕司】新年度が始まり、総会づくしの日々。資料説明では、新たな事業計画に期待が高まる一方で、資金面の理由から予算削減計画も目白押し。

私の花火鑑賞計画2025は、7月中下旬予定の地元八坂祇園祭礼のため、花火シーズンに遅れての参戦予定。人気花火大会の宿泊予約はすでに満杯、限られた自主財源に合わせ、身の丈に合った計画縮小を余儀なくされる状況。仕方なく、土浦100thに注力すべく、今回は4つの妄想事を書いてみた。

かすみがうらマラソン大会に花火を

本日開催のかすみがうらマラソンは、土浦全国花火競技大会と共に、市内外から多くの人が訪れる2大イベントだが、これまで、特別なコラボは実現していない。

以前、市職員に、マラソンの前夜祭に花火を上げたらと提案したら、「予算」と「警備」の理由で却下。夜がダメなら、当日のスタート前にどうだろう。パリパリと音を出しながら赤、黄、緑、青、黒など色の付いた煙が枝垂れ柳(しだれやなぎ)のように落ちる煙竜花火や夜の「菊花火」のように煙が開く昼花火もまた、いいもんだ。大曲の花火では、夜の部の前にコンテストが行われており、「花火のまち土浦」の絶好の「おもてなし」となるに違いない。スタート時の「合図花火」だけでは寂しすぎる。

煙竜花火の傑作「ブドウ煙」の復活

煙火業界で、伝説の花火といわれているのが、土浦火工の故北島義一氏の手による煙竜花火「ブドウ煙」。正式には「赤煙竜」と呼ばれ、紫の煙を大量に噴出する花火として、1953(昭和28)年頃、伊勢の花火大会で初めて披露されたという。2001年、土浦火工最後の花火師 箱守彰氏と齊木煙火本店(山梨県)の協力で再現に成功、この模様が映像として「土浦の花火~伝統花火から全国花火競技大会まで~」(土浦市立博物館制作DVD)に記録されている。DVD制作を担当した茨城ビデオパック(土浦市)の岩崎真也氏から、配合帳も博物館に保管されているので、100周年企画として再々現するという魅力的な提案が届いたが、落下傘を使う吊り物花火を安全に打ち上げる場所は限定されるため、場所は要検討。

Japan Fireworks Expo

開催中の大阪・関西万博では、花火イベント「Japan Fireworks Expo」を8日間設定。日本を代表する花火大会が全国から集結とのうたい文句だが、現時点で公表されているのは、4月26日の伊勢花火、6月28日の大曲の花火の2日のみ。今もってすべて埋まらないのは、花火シーズンと重なる日程や資金面など参加条件が折り合わないのか。ちなみに、土浦の花火の参加費用は、市予算に計上されてない模様。

とりあえず、「大曲の花火の日」の入場予約と宿泊を予約した。

9月5日を「土浦花火の日」に

土浦の花火の第1回は1925年9月5日、霞ケ浦湖岸の岡本埋立地(現川口運動公園付近)で開催した。

土浦市は、先の市議会でも答弁したように、当日に特別な企画はないようなので、私からの提案。この日を「土浦花火の日」として、日本記念日協会に登録する。登録料15万円が必要となるが、当日の「ブドウ煙」の再々現の費用とあわせ、クラウドファンディングで資金を捻出したいがどうだろう。

そろそろ、長年の妄想を実現いたしたく、春の迷走を続けている。

春馬花火を見上げながら

最後に、前回(3月16日掲載)紹介した「HEART花火」の報告。

音楽とコラボした見事なスターマイン花火が参加者を魅了した。後半、筒から直接立ち上る「マイン花火」の連続で、湖面からの風で観客側に煙が吹き寄せ、花火全体がかすみ、燃え殻も落下した。

このとき、土浦市が過去に行った花火会場移転調査結果が脳裡にちらついた。「夜は湖風(うみかぜ)が地上に向けて吹くから、観覧席の場所確保が難しく、花火会場には適さない」とされている。機会があったら、真偽のほど、知人のヨットマンに確かめてみよう。本日はこれにて、打ち止めー。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

江戸文化伝える「さくらそう展」 筑波実験植物園で始まる

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江戸伝統の「桜草花壇」に約100種のサクラソウが展示されている

現存する最古の品種など展示

江戸の武士や庶民の文化を今に伝えるさくらそうが一堂に展示されるコレクション特別公開「さくらそう品種展」が19日から、国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保、遊川知久園長)で始まった。主催は同植物園と、筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター。展示されるのは、現存する最古の品種「南京小梅」をはじめ、遺伝資源の保存を目的に筑波大学が保有する園芸品種314種の中から選ばれた約100種のサクラソウだ。同園によると期間中の入場者数は約5000人を見込んでいる。

サクラソウの栽培は、室町時代に宮廷貴族が始めたとされる。野生種を自宅の敷地で栽培していた。江戸時代中期ごろになると、江戸に暮らす人々の間で園芸用の品種改良が盛んになった。現在、国内に300種以上ある園芸品種のルーツを遡ると、江戸郊外の荒川流域に咲いていた一種の野生種に行き着くことがDNA研究によって分かっている。

江戸で庶民の娯楽や文化が活発になった当時、桜の花に似た野に咲く小さなサクラソウの美しさに魅せられた人々が、競うように改良を重ねていった。品評会も盛んに行われ、白い花弁に緑の筋が入る「青葉の笛」、淡い桃色と白のグラデーションと深い切れ込みのある花弁が印象的な「勇獅子(いさみじし)」、丸みを帯びた真っ白な花弁が特徴の「臥龍梅(がりゅうばい)」など、作り手の思いが名前に込められた品種が今に伝わっている。今回の展示で鉢が置かれる縁台は、江戸時代に生まれた「桜草花壇」だ。上から注ぐ光の加減や、吹き抜ける風、人の目線を意識した品種ごとの配置など、いかにサクラソウを美しく見せるかを追求したものだ。

江戸時代に作られた品種の「青葉の笛」

筑波大と市民団体が保存活動

長年、庶民に愛されてきたサクラソウだが、近年は、都市開発などによる環境の変化や野生種の持ち去りなどから個体数が激減し、環境省が定める準絶滅危惧種に指定されている。今回、コレクションを展示する筑波大学では、2005年、市内のNPO法人つくばアーバンガーデニングと協力し、サクラソウの遺伝資源の維持・保存を目的とした里親制度「さくらそう里親の会」を立ち上げた。サクラソウの園芸品種においては世界有数の遺伝資源保存施設である同大が保有する品種を、会員が1人1品種、自宅で育てることで、災害などの緊急時にも品種を維持できるようにした。

里親の会に立ち上げから参加する、つくばアーバンガーデニングの佐藤久美子さんは「寒さに強く、乾燥に弱いのがサクラソウ。小さな花が可愛く、育つのを見るのが楽しみ」と活動のやりがいを話す。展示を担当する同博物館植物研究部多様性解析・保全グループ研究主幹の田中法生さんは「サクラソウはバリエーションが多い。江戸時代には400種を超え、今でも300種以上の園芸品種が残っている。たった一種の野生種から生まれたものが、花弁の大小、切れ込みの深さ、配色など、時代と共に変化していった。携わるたくさんの人々の相当な努力や思い、情熱が背景にあったはず。そんな歴史を想像しながら見るのも面白いと思う。是非、自分の好きな花を探してほしい」と話す。(柴田大輔)

企画を担当した田中法生さん

◆コレクション特別公開「さくらそう品種展」は19日(土)~27日(日)、つくば市天久保4-1-1 筑波実験植物園で開催。開館時間は午前9時から午後4時30分(入園は午後4時まで)。26日(土)、27日(日)は午後5時閉園(入園は午後4時30分まで)。休園は21日(月)。期間中、教育棟ではサクラソウの歴史や専門家のお薦め品種の紹介、解説などのパネル展と共に、景品が付くクイズ・スタンプラリーが催される。筑波大と「さくらそう里親の会」によるサクラソウ品種の販売会もある。入園料は一般320円、高校生以下と65歳以上は無料。障害者と介護者1人まで無料。

6年間で280件、誤った発信者名で通知 つくば市

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つくば市役所

福祉事務所長と市長業務の区別誤る

つくば市は17日、認可外保育施設に対する指導監査事務と生活保護に関する事務について、法令や市の規則に定められた福祉事務所長が行うべき業務と、市長が行うべき業務の区別を誤り、2019年度から24年度まで6年間で計280件について、誤った発信者名で通知を出していたと発表した。

市社会福祉課によると、認可外保育施設の指導監査については、毎年1回行っている指導監査などの立ち入り調査や調査結果の通知を、23年度は63カ所に対し128件、24年度は54カ所に対し108件、計236件の通知文の発信者名を、つくば市長名で出すべきところ、市福祉事務所長名で発送していた。

児童福祉法に関わる認可外保育施設の指導監査事務については、権限が知事から市に移譲され、さらに市長から市福祉事務所長に委任された。その後22年度末に市の規則が改正されて市福祉事務所長への委任が削除されたことから、つくば市長名で通知を出すべきところ、市福祉事務所長名のままで発送していた。

一方、生活保護行政に関わる事務については、2019年度から24年度までの6年間で計44件の通知文について誤った発信者名で通知していた。具体的には①遺留金品の処分について、金融機関に対し23年度と24年度に計3件、市福祉事務所長名で通知すべきところ市長名で通知を出していた ②医療扶助や介護扶助の損害賠償請求に関しては、保険会社に対し20年度から24年度までの5年間で計5件、市長名で通知を出すべきところ福祉事務所長名で出していた ➂生活保護受給者らへの費用の徴収に関しては、受給者に対し19年度から23年度まで5年間で計36件、市長名で通知文を出すべきところ、市福祉事務所名で出していたという。

生活保護法に関わる生活保護の行政事務については、市の規則により、市長から福祉事務所長に委任されている事務と委任されていない事務があるにもかかわらず、一部の通知文で誤った発信者名で通知していた。

今年4月、社会福祉課内の職員から指摘があり、過去にさかのぼって調査したところ、誤りが分かった。市の規則について、当時の管理職を含む職員の認識不足が原因という。

今後の対応として市は、市ホームページに関係機関に対するお詫びと、通知文の内容は無効でない旨を掲載すると共に、関係機関と関係者に順次、説明と謝罪を行うとしている。

再発防止策として、根拠法令と市の規則を再度確認し、管理職を含む課内職員全員で適切な運用を徹底していくとしている。

福祉事務所は、社会福祉法に規定された福祉に関する事務所で、福祉6法に定められた事務を行う社会福祉行政機関。市役所とは別の行政機関になるが、市役所内にあり、市社会福祉課など市の関係部署の職員で構成されている。福祉事務所長は市福祉部長が務めている。

【14時15分 訂正】認可外保育施設について「指導監督」を「指導監査」に、生活保護について「扶養義務者」を「生活保護受給者ら」に訂正しました。

「砂の器」の父と子の旅《映画探偵団》87

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】脚本家、橋本忍が橋本プロダクションをつくり、その第1回作品に選んだのが「砂の器」(1974年)だった。すでに脚本は十数年前にできていた。

当初、ハンセン病の父と子を描いた松本清張の原作は非常に入り組んでおり、橋本忍は頭を抱えたそうだ。だが原作にある「その道中どんなことがあったか、それは親子のこじきにしかわからない」との「父と子の旅」の1節に注目し、そこから脚本を構成、共同脚本の山田洋次と仕上げた。松竹で製作予定だったが、内容が暗いためか中止となってしまう。

橋本忍の父親が病の床につき故郷に戻った時、父親の床に2冊の台本が置かれていた。「お前の書いたホンの中でまァまァなのはこの二つや」と「切腹」と「砂の器」をあげ「けど、わしはこの砂のなんとかのほうが好きや」と言い、さらに興行師の経験もあった父親は「この外題(砂の器)は、やりさえすりゃ当たる」との遺言を残している。

その後、橋本忍は各映画会社に企画を持ち込むが、様々な理由を付け皆断ってきた。遂には他の仕事の依頼を受けても、「砂の器」をつくらなければ仕事はやらないとまでに。とうとう独立プロダクションを設立し「砂の器」を自主制作することにした。

すると橋本忍は、映画監督の黒澤明から電話で呼び出された。脚本を読み、冒頭の容疑者捜索シ一ンは意味がなく無駄だし、犯人の愛人が血痕の付着した服を切り刻んで電車からまく証拠隠滅シ一ンがおかしいと指摘を受けた。橋本忍もその欠点には気づいてはいたが、しかし最後まで削除改訂することはしなかった。橋本忍はクライマックスの父と子の旅にすべてをかけていた。

「砂の器」の後半がすごい。①警察庁での捜査会議の席上、今西刑事(丹波哲郎)が殺人事件の背景を語るシ一ン②犯人の作曲家、和賀英良(加藤剛)のピアノコンサートのシ一ン③お遍路姿の病人(加藤嘉)と7、8歳の男の子(春田和秀)の旅路のシ一ン。この3つのシ一ンが同時並行で描かれるからだ。

橋本忍の父親は、捜査会議(義太夫語り)とコンサート(三味線弾き)とお遍路親子(人形)が、人形浄瑠璃の仕掛けだと見抜いていた。

丹波哲郎、加藤剛、加藤嘉、春田少年の演技と全編に流れるピアノとオ一ケストラの音楽には誰もが泣かされるはずである。

父と子の旅のシ一ンは、今西刑事の想像であり、作曲家でピアニスト和賀英良の回想でもある。だから主軸は、父と子の旅の場面だ。セリフはなく、音楽のみで表現される。

私がいつも泣かされるのは、少年が山道から小学校の校庭で体育の授業風景をじっと見つめる場面だ。父親は旅をせかすが、少年は動かない。少年の授業を受けたい思いが痛いほど伝わってくる。『砂の器』の父と子の旅の場面は、戦後の貧しかった日本の社会を象徴するものといえる。

私の父は「砂の器」が公開された年に亡くなった。久し振りに「砂の器」を見直した。サイコドン  ハ  トコヤンサノセ。(脚本家)

筑波大と日本国際学園大の学生3人がデザイン スイーツ店がプリン販売

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(左から)チーズケーキ工房オーナーの市村剛社長と、自身がデザインしたプリンのパッケージラベルを紹介する筑波大2年の吉田有希さん、同3年の吉野侑良さん、日本国際学園大3年の田麦梨々花さん

筑波大学(つくば市天王台)と日本国際学園大学(同市吾妻)の学生3人がデザインした商品パッケージラベルが、つくば市桜と守谷市けやき台に計2店舗あるチーズケーキ工房&[g](アンジー)のプリン3種類のパッケージデザインに採用され、販売されている。

プリンは、茨城県を代表する新たなご当地グルメを決める「シン・いばらきメシ総選挙2024」のスイーツ部門で守谷市代表として出場し、上位10位のファイナリストに選ばれた「ご褒美 いばとろリッチプリン」(税込み626円)と、同店がつくばの学生など向けにお手頃価格帯のスイーツとして新たに開発した姉妹品の「ブルーベリーとろ生チーズぷりん」(同302円)と「濃厚お芋のブリュレプリン」(410円)の3種類。

筑波大芸術学群2年の吉田有希さん(19)と、同大同学群3年の吉野侑良さん(20)、日本国際学園大経営情報学部3年の田麦梨々花さん(20)がそれぞれパッケージラベルをデザインした。吉田さんのデザインは「いばとろ」の文字を、ひらがなを使わず、アルファベットや数字、句読点を用いてユニークに表現している。吉野さんは「ブルーベリープリン」の文字を、実家の祖父が庭先で栽培しているブルーベリーの木をイメージしてデザインした。田麦さんは素材が一目で分かるよう、お芋のイラストを入れ、さらに濃厚さが伝わるようにソースのデザインにもこだわった。

パッケージラベルにはデザインした学生の名前がそれぞれ記載されている。3人には、賞金と副賞のプリンが贈られた。3人は「大変光栄で、うれしい」などと話す。

同店オーナーで県南、県西を中心に飲食店を展開する「いのいち」(本社つくば市天久保)の市村剛社長(49)と、筑波大出身で同市天久保で筑波大生向けにリサイクル品を販売したり家電のリースサービスなどを提供する店「つくばローカルコミュニティ」を経営する山根和仁代表(49)が、デザインコンペを企画し実施した。

両大学の学生約50人から応募があり、同店のスタッフらが審査し選考した。日本国際学園大はデザインの授業の一環で取り組んだ。同大からはほかに、商品化はされなかったが、経営情報学部4年の笹尾栄太さんのデザインが社長賞に選ばれた。

いのいちは22年前につくば市内で居酒屋を創業した。飲食店事業を拡大する中、市村社長によると、たくさんの筑波大生がグループ店でアルバイトをしてくれたことから、恩返しできないかとつくばの大学生を対象にデザインコンペを開催した。今回新たに販売するブルーベリーとお芋の2種類のプリンは、大学生が帰省する際などに、ちょっとした手土産になるつくばのスイーツにしたいと開発したという。

山根代表は「地域の企業とつくばの学生が協力して新しい商品やサービスをつくり、地域を盛り上げることができれば」とし「今後も地域の企業のニーズに応えてコンペを開催していきたい」と話す。(鈴木宏子)

豊里ゆかりの森のスペースキャビン《ご近所スケッチ》16

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豊里ゆかりの森のスペースキャビン。イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】つくば市の「豊里ゆかりの森」(同市遠東)の中にある「スペースキャビン」。つくば科学万国博覧会のとき、宿泊施設として造られました。1985年オープンなので、建ったのは40年前です。今でも宿泊に使われています。年数が経ったため、現在11棟あるものを修理し、数棟に減らす予定だそうです。自然の中のこの場所の風景にマッチしています。

園内には、キャンプ場、バーベキュー場、アスレティック施設、テニスコート、宿泊施設「あかまつ」、昆虫館、工芸館などがあります。スケッチに行ったとき、平日にもかかわらず、年配の方から子供まで、たくさんの方が来訪されていました。

昨年からは美術館も開館。日本のトップクラスの画家さんの展覧会が、今までに3回も開催されました。それも無料で! 4回目の展覧会も期待しています。

ゆかりの森の入り口手前に、私の30数年来の友人が「野市場」という農産物販売所と自然体験活動のクラブハウスを造りました。農作物などの販売のほか、ネイチャークラブ20数年のキャリアが詰め込まれた店主さんの野外活動の拠点にもなっています。

お店の本格的な始動は4月25日から。「野市場」の建物も描かせて頂きました。つくばに新しい風を吹き込んで、地域と自然を大切にして、楽しく暮らせる場所になっていくことでしょう。(イラストレーター)

野市場(同)

◆「野市場」はこちら。「つくばネイチャークラブ」はこちら

暗い世情、明るい未来を 「茨城現展」始まる 県つくば美術館

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15日開幕した第41回茨城現展=つくば市吾妻、県つくば美術館

個性を尊重し自由な表現活動を行う美術家団体「現代美術家協会茨城支部」(佐野幸子支部長)の第41回茨城現展が15日から、つくば市吾妻、県つくば美術館で開かれている。佐野支部長は「戦争など、世界中で不幸なニュースが多い中、明るい未来がくることを願う作品が目立つ」と話す。

茨城支部の会員など約50人の美術家による油絵、デザイン、立体作品、工芸、写真などさまざまなジャンルの計201点が一堂に展示されている。

佐野支部長は、ロシアによるウクライナ侵攻後、2年前ほどから、反戦をテーマにした作品を描き続けている。今年は、今も続く戦禍で大変な思いをしている人々にエールを送りたいと、旗をイメージした縦1.9メートル、横1.6メートルの抽象画を展示している。作品には渦巻きがいくつも描かれ、戦禍の人々の思いが渦を巻く。

戦禍のウクライナの人々を思って描かれた「エール」(中央の作品)と、佐々木支部長

つくば市在住の佐々木量代さんは、草原の背景に不吉な雲がもくもくと立ち上る「乱気流」と題する作品を出展している。「世の中のごたごたや殺伐とした世界を、よく目にする日常風景の中に表現した」と話す。牛久市の福田三恵子さんは、能登半島に伝わる「織姫伝説」をテーマに、満開の桜の花に包まれた織姫の姿を描いた。「地震に見舞われた能登半島の復興が進まない中、早く復興してほしいという願いを込めた」と語る。

会場では企画展示として、中国出身で阿見町在住のステンドグラス作家、劉毅(りゅう・き)さんによるペン画と、渡辺雅之さんによるアニメの世界のようなデジタルアートが展示されている。

劉さんのペン画作品「日々を描く」は、劉さんがほぼ毎日付けている日記帳に描かれたデッサンを、動物、人物などジャンルに分け、縦約1メートル、横約1.5メートルのキャンパスに約120ページ分貼り付けている。11人の顔をデッサンした「夢を見て日本へ」は、劉さんが支援するベトナム、インドネシア、中国など各国から来日した実習生の姿や表情などが描かれている。

劉さんのペン画。左端の作品が日記帳約120ページ分を絵のジャンルに分けて貼り付けた「日々を描く」

ほかに、つくば市の筑波山麓で有機農業をしながら絵を描いたり演劇活動をする障害者施設「自然生クラブ」の知的障害者が描いた作品も併せて展示されている。会員以外の作品が展示されるのは今回が初めてという。

◆同展は15日(火)~20日(日)まで、つくば市吾妻2-8、県つくば美術館で開催。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで)。入場無料。

地域と協業する大学部活動の新しい形 「つくばスクラム」が支援

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筑波大ラグビー部の今年度のチーム最初の強化試合が3月30日、筑波大学ラグビー場CHUBE UT Fieldで行われ、筑波大が42-12で立教大を圧倒した

茨城県南部は、茗溪学園中学・高校や筑波大学、流通経済大学など強豪校が集中する全国屈指のラグビータウンだ。一般社団法人「つくばスクラム」(本社つくば市、廣瀬重之代表)はこの地域のラグビー・スポーツ振興のため、2023年に筑波大学内に設立された。同大ラグビー部(嶋﨑達也監督)の強化支援も目的の一つで、勝つことで人々を勇気付け、地域に元気をもたらす存在になりたいという。

代表の廣瀬さんは筑波大ラグビー部OBで、嶋﨑監督とは同期。卒業から15年、今年度から同部ゼネラルマネージャーも務める。

「自分たちの愛する競技を一人でも多くの子どもたちに普及させたい」と話す、つくばスクラムの廣瀬重之代表(左)と、設立発起人の一人で筑波大学ラグビー部の嶋﨑達也監督

子どもたちのスポーツ環境を支えたい

つくばスクラムの主要な活動の一つが、筑波大ラグビー部およびジャパンラグビーリーグワンの浦安D-Rocksとの協業による「UTRラグビーアカデミー」の運営だ。専門性が高い指導の下、年齢が近く親近感がある現役ラグビー部員が一緒に体を動かすことで、地域の子どもたちが楽しく夢中でプレーしながら心身ともに成長できる場を提供する。

「つくば近郊エリアには幼児・小学生向けのラグビースクールが存在するが、土日以外のプレー機会の増加や、専門的スキルの向上を求める声も上がっていた。また、スクールでラグビーに触れても中学校にはラグビー部がなく、やむなく他の競技に転向するという問題もあった。部活動の地域移行化など変革期にある子どもたちのスポーツ環境を支える場となりたい」と廣瀬代表は構想する。

地域ラグビーのさらなる活性化へ

つくばスクラムと筑波大ラグビー部は、地域のラグビーを活性化する数々の取り組みも行っている。子どもたちに安全で楽しいラグビー体験を提供する「つくばタグラグビーフェスティバル」を一昨年から開催。今年は初心者カテゴリーに21チーム、経験者カテゴリーに17チームが参加し、会場のCHUBE UT Field(筑波大学ラグビー場)では約300人の観客がスタンドから見守る中、子どもたちが天然芝のフィールドを走り回って交流した。

CHUBU UT Fieldで3月2日に開催された「第3回つくばタグラグビーフェスティバル」の様子(つくばスクラム提供)

昨年には「つくばラグビーフェスティバル」を15年ぶりに復活。小学5・6年生対象のクリニックのほか、つくば秀英高-常総学院高、筑波大-流通経済大の試合などを開催し、ラグビー三昧の一日となった。

毎年10月の「つくばスポーツフェスティバル&つくパラ」にも出展しており、昨年はラグビーに初めて触れる子どもたちに向けて「鬼ごっこゲーム体験」を実施した。

このほか普及活動として、近隣の保育園・幼稚園やラグビースクールなどへの学生コーチの派遣も行っている。

谷田部小学校での普及活動(つくばスクラム提供)

日本一になって地域に恩返しを

これらの活動は、筑波大ラグビー部が既存の大学部活動の枠を超え、自ら学外へ出て地域と協業するのを支援するという側面もある。

「背景には資金が潤沢な私学に対し、運営費が乏しい国公立という大学部活動の二極化がある。弊部では寮を持たず部員は一人暮らしをしており、体づくりのための栄養管理が難しい。都内へ試合に行くにもバス代などの負担が大きい。活動の収益を部の強化費や遠征費などに役立てたい」

3月30日の強化試合で円陣を組む筑波大ラグビー部員

逆境の中でも常に可能性を示し続けるのが同部の社会的使命。全国大学ラグビーフットボール選手権大会では2012年と2014年に準優勝を果たした。次の目標はつくばから初の日本一になり、地域に感動を与えることだという。

「地域に出ていくことで、応援したいという声が直接耳に届くようになった。その声に応え、強くなり地域に喜んでもらうことが恩返し。1月2日に国立競技場で開催される決勝で、スタンドがチームカラーの水色で一面に染まる未来を夢見て活動している」(池田充雄)

◆UTRラグビーアカデミーは小学3年~中学3年生が対象。開催日時は原則毎週金曜日(一部木曜日あり)午後6時30分~8時00分、場所はCHUBE UT Field(筑波大学ラグビー場)、問い合わせはメール(info@utr-rugbyacademy.jp)へ。

ユニバーサルデザイン《デザインを考える》19

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イラストはY氏

【コラム・三橋俊雄】デザインの定義に「社会の全ての人々の基本的尊厳を認める状況を促進、育成せねばならない(フランス・ヘンドリックス、1983)」とあります。つまり、デザインとは、より多くの人々が人間らしい生活を送るために役に立つ専門領域でなければならないということです。

そこで今回は「ユニバーサルデザイン」についてお話します。ユニバーサルデザインとは「すべての人々のためのデザイン」を意味します。例えば、年齢や障害の有無にかかわらず、初めから、できるだけ多くの人々が利用できるように、モノや環境をデザインすることです。

公園の水飲み場や公衆電話の高さが、大人用と子どもや車椅子用の2通りになっていることがありますが、それはユニバーサルデザインです。また、駅のホームにエスカレーターが設置されたり、公園や博物館などの出入口が階段とスロープでできている場合、それもユニバーサルデザインの配慮と言っていいでしょう。

コラム2(2023年11月21日掲載)で紹介した、脳性小児まひ児T君のための足動式意思伝達装置のデザインもその一環です。また、京都では、さまざまな障害を持つ方のためのユニバーサルデザインを検討してきました。

動物園のユニバーサルデザイン

2015年度までに京都市動物園が大規模な改装を計画し、「動物園のユニバーサルデザインコンペ」が行われました。そこには「すべての人に優しい動物園」がうたわれていました。そこで、視覚障害者にとって満足できる動物園とは何かについて、全盲の学生のT氏とゼミ学生のY氏と私で考えることにしました。 

まず、T氏が1人暮らしをしている実態を把握し、その後、実際に動物園に行って、T氏がほしい情報は何かを検討しました。その結果、彼が知りたい動物園での情報は「説明文的情報」ではなく、目の前にいる動物たちの〈動き〉〈息づかい・鳴き声・臭い〉〈大きさ・重さ〉〈その動物たちが暮らしている環境〉などでした。

すなわち、T氏が動物園を楽しむためには、視覚に代わる触覚・聴覚・臭覚などを通して、動物たちと対峙(たいじ)している「臨場感」をどのように味わうかということでした。

例えば、キリンの「息づかい・臭い・発声音・皮膚の触感・大きさ」など、猿の「素早い動き・ポーズ・群れの動向」など、ライオンやゴリラの「くせ・迫力感」など、私たちが動物園で無意識に感じている「感動」を、T氏にどのように伝えていけばいいのか、それこそ「ユニバーサルデザイン」がなすべき課題であると感じました。上のイラストは提案の一部です。

私たちがこのプロジェクトを通して、もう一つ気づいたことがあります。私たち晴眼者(せいがんしゃ)のほとんどが、動物園に行って動物たちを「見た(理解した)」つもりになっていて、実は、動物たちが私たちに発している「大切なメッセージ」を見落としているのではないか、私たちこそ「BLIND MAN(視覚障害者)」なのではないかということでした。(ソーシャルデザイナー)

男女ダブルホーム戦は1勝1敗 つくばFC

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女子前半35分、つくばFCレディース 諸富(中央19番)のゴールを仲間が祝福する(撮影/高橋浩一)

サッカークラブ、つくばFCの男女各トップチームによるダブルホームゲームが13日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで開催された。女子のつくばFCレディースは山梨学院大学(本拠地・山梨県甲府市)に1-0で勝利し、男子のジョイフル本田つくばFCは南葛SC(本拠地・東京都葛飾区)に2-3で敗れた。

開幕戦、1点を守りきる 女子

女子は開幕戦となった。2024シーズンまで日本女子サッカーリーグのなでしこリーグ2部に所属していたが、入れ替え戦に敗退し地域リーグの関東女子サッカーリーグ1部に降格。今シーズンはなでしこリーグ復帰を賭ける。

第31回関東女子サッカーリーグ1部 前期第1節(4月13日、セキショウチャレンジスタジアム)
つくばFCレディース 1-0 山梨学院大学
前半1-0
後半0-0

女子、チーム最多の3本のシュートを放ったFW石黒璃乙(青いユニフォーム)

試合は、先制の1点を最後まで守りきった。得点の場面は前半35分、MF穂谷颯季のアシストからFW諸富愛莉がミドルシュートで決めた。「穂谷からいい落としが来たので、とりあえず打ってみようと思っていい感じに入った」と諸富。志賀みう監督は「諸富はシュート力があるので、遠くからでもゴールを狙えと指示してある。GKが前へ出ているのを見てループ気味に打った、いいシュートだった」と話した。

前半は追い風に乗って相手を自陣に封じ込め、被シュートをわずか1本に抑えたつくばだったが、後半は山梨学院大が持ち前のスピードを発揮し、勢いに乗り始めた。「前からガツガツ来るところや切り替えの速さなど、相手のいいところが出た。自分たちは前の迫力が出ず押し込まれ、セカンドを拾われた」と、つくばの高橋萌々香主将の反省。「苦しい状況でも守れるのが強いチーム。大きく展開されても最後までボールにチャレンジし、最後は伊東美和が止めてくれた」と志賀監督。

後半、山梨学院大の放ったシュートは8本にも及んだが、これらをことごとく抑えてみせたのがGKの伊東。「押し込まれてもディフェンスがゴール前でしっかり体を張っていいシュートを打たせず、自分が止めやすいところに飛んでくれた」と守備陣の働きを称えた。初戦を勝利で終えて高橋主将は「今後も難しい展開は多くなると思うが、守りきるところと点を取るところを切り替えて勝ちにつなげたい」と意気込んだ。

開幕戦勝利に喜ぶつくばFCレディースの選手たち

男子は要所を締められず

第59回関東サッカーリーグ1部 第2節(4月13日、セキショウチャレンジスタジアム)
ジョイフル本田つくばFC 2-3 南葛SC
前半0-0
後半2-3

関東サッカーリーグ1部の男子は開幕第2戦目となった。試合は、前半は互いに相手に大きなチャンスをつくらせず引き締まった展開だったが、後半開始直後の2分に南葛に先制を許した。混戦から右サイドを佐々木達也に崩され、横パスを中央の加藤政哉に合わされた。

その後は南葛が勢いを増すが、つくばは選手交代などでしのぎ、35分に待望の同点ゴール。右サイドの稲田竜也のクロスを中央の大亀海世が落とし、ボランチの大山晟那が前へ飛び込んで右足シュートで突き刺した。「FWの動きにつられて前が空いたところへ、大亀がマイナスのボールを出してくれたので、抑え気味に流し込んだ」と大山の振り返り。

男子後半35分、ゴールを決めた大山(左端)を祝福する

しかし同点に追い付いたのもつかの間、36分と38分にたて続けに失点。36分は途中出場の大前元紀に頭で決められ、38分は1点目と同じ佐々木-加藤のコンビで決められた。

40分にはつくばが反撃。左サイドバック篠塚愛樹からの縦のフィードにMF岡島温希が追い付き、エンドライン際からマイナスのクロス。これをゴール前でFW堀下勇輝が相手ディフェンスを背負いながら反転シュートを放った。「岡島からいいクロスが来るのは分かっていた。GKの位置は間接視野で見えていたので、ボールを収めて足を振ることだけを考えた」と堀下。その後もつくばは果敢に攻めるが、南葛が今野泰幸の投入などで逃げ切った。

男子後半40分、岡島(手前8番)のマイナスのパスを堀下(中央11番)が決める

つくばの菅谷将人主将は「同点にして流れをつかみかけ、逆転に向けて前へ出ようとしたが、ボールに執着しすぎてスペースや大事な場所にポジションを取れず、相手にとって攻めやすい環境をつくってしまった」と反省点。亘崇詞監督は「失点後や得点後の戦い方が浸透してなく準備不足だった。自分たちの攻撃の良さや迫力をもっと出したい」と次節を見据えた。

次節もダブルホームゲーム

次節は20日、またもセキショウチャレンジスタジアムでのダブルホームゲームで、男子は正午から東京ユナイテッドFC(本拠地・東京都文京区)と、女子は午後4時30分から神奈川大学(本拠地・神奈川県横浜市)と対戦する。(池田充雄)