月曜日, 9月 14, 2026
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開館40周年 累計来館者700万人に つくばエキスポセンター

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700万人目となり、中原館長(右)と記念撮影をする早坂さん家族

つくば科学万博の翌年に開館し、今年40周年を迎えた科学館「つくばエキスポセンター」(同市吾妻、中原徹館長)の来館者が13日、累計700万人になった。中原館長は「40周年の節目に700万人というひじょうにいい数字を達成できたことをうれしく思っている。年間20万人を目標に据えているが、24年度と25年度は20万人を上回り、多くのお客様に来ていただいた。子供たちに科学のおもしろさや楽しさを伝え、子供たちの科学の気付きを少しでも進めていければ」と話している。

同館はもともと、1985年開催の科学万博第2会場に建設された日本政府出展施設だった。万博終了翌年、万博開催を記念する科学館として開館した。施設は、体験しながら科学の面白さを体感したり最新の研究成果を分かりやすく紹介する展示場のほか、ドーム型プラネタリウムや、高さ約50メートルのH2ロケット実物大模型(25年12月11日付)などがある。科学万博の資料も保存、展示している。運営はつくば科学万博記念財団(中原理事長)。

中原館長

近年は、コロナ禍の2020年と21年に延べ4カ月間、臨時休業を余儀なくされたが、コロナ後の24年度の来館者数は約21万8000人、25年度は約23万9000人と回復した。

中原館長は「新しい展示に向け努力しているほか、つくば市の人口が増え、転居してきた小中学生の子どもをもつ若い世代が、何度も訪れてくれている」と分析する。例えば「小学3~5年生を対象に実験や工作などをするエキスポ科学クラブなどは大変好評で、定員80人のところ数百人の応募がある」という。さらに25年度は、大阪・関西万博の開催とつくば科学万博40周年の相乗効果で、来館者が増えたとみる。

28年度にプラネタリウムをフルリニューアル

2026年度は同財団の中長期計画(2022-26年度の5年間)の最終年に当たり、年間入館者数20万人などの数値目標はすでに達成した。次の27年度から5年間の中長期計画の目玉について中原館長は「2028年度にプラネタリウムをフルリニューアルする。光学機器、デジタル機器、音響システムなどを全部更新する。星空に限らずいろいろな番組ができると思うので、ぜひ見に来てほしい」と話す。

一方、建築から40年たったことから、科学万博の記念施設でもある建物を将来にわたってどう維持していくかなどの課題もある。

つくばエキスポセンター=つくば市吾妻

万博キャラクター「コスモ星丸」を贈呈

13日は同館で、累計来館者700万人達成記念セレモニーが催され、700万人目の来館者となった千葉県船橋市の会社員、早坂知宏さん(43)らに、中原館長から、つくば科学万博のマスコットキャラクター「コスモ星丸」のぬいぐるみ2体が贈呈された。

早坂さんはこの日、妻の真衣さん(42)、長女で小学3年の優那さん(7)、長男で小1の恒希さん(7)の家族4人で初めて来館した。子供たちがNHKの教育番組「ピタゴラスイッチ」が好きで、同館で現在、からくり装置や仕掛け装置を集めた企画展「からくりコロコロ」が開催されていることをSNSで知り来館した。700万人目になったことについて優那さんは「びっくりした」、恒希さんは「うれしい」と話していた。(鈴木宏子)

福雷橋と金村別雷神社《ご近所スケッチ》25

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福雷橋から(イラストは筆者)

【コラム・川浪せつ子】つくば市には、隠れたスポットがいろいろあります。フィルムコミッション(FC)に登録され、ロケ地として映画やテレビドラマ、CMなどでよく使用されている福雷橋(小貝川)。上の絵はそこから見た風景です。FCは地域や観光振興のために運営されています。ですが、小貝川はいつも水量が多く、橋自体はなかなか絵にできませんでした。

橋の上からは、隣接しているつくば市上郷の「金村別雷神社」(かなむらわけいかづちじんじゃ)の鳥居が小さく見えました。面白い名前ですが、雷よけの神様で、関東雷三神社だそうです。雷は雨も伴うので、作物を育てる御利益もあるそうです。

どこかに100円募金してください

長雨の合間、神社を訪ねましたが、道に迷いました。誰かに聞こうと思っていたら、1台の車が来たので手を上げました。「私のこと呼びましたか?」「まぁ、誰かに道を聞こうと思いまして…」「誰かが困っているから、神社に来なさいと、神様に言われて来ました。案内します」。はてな?と思いましたが、案内してもらいました。

神社に着いたら一緒にお参り。「あなた疲れていませんか?」「夏バテ、そして頭も疲れています」「拝んであげます。心の中で『ありがとうございます』とだけ唱えてください。私は料金も何もいただきません」。一瞬ひるみましたが、何となくその方を信じたいと拝みました。「拝みました? 私には何もいりませんから、100円でいいので、どこかに募金してください」

とても不思議な出来事。そして、私の目的だった「福雷橋」は、下のような姿を見せてくれました。(イラストレーター)

福雷橋

2027年度高校入試を展望する《竹林亭日乗》44

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桜川市青木の薬王寺(写真は筆者)

【コラム・片岡英明】9月は中学3年生が受験高校の選択を迫られる時期である。今回は2026年度(私学就学支援初年度)の全日制高校入試の流れを分析し、受験生を応援したい。2025年度(県立高無償化初年度、所得制限なし)に続き、私学も今年度から年45万7200円(月3万8100円)の支援が行われた。これによって受験の流れに変化が生まれた。

県立960人減、私学365人増

今春(2025年度)の県内中学卒業者は2万4555人で、前年より637人(2.5%)減少した(高校審議会資料)。高校入学者数は、県立高が1万4741人(前年度比960人、6.1%減=県教委入試報告書)。一方、私立高入学者は6939人(同365人、5.1%増)となった。単純に考えると、私学就学支援効果で、受験生の1.5%が新たに私学に入学したと言える。

ところが、私学には危機感が高まっている。確かに、1月の推薦入試では、私学23校(AO中心の江戸川取手を除く)で前年比460人増だったが、一般入試の受験者が約1000人減少したからだ。最終的な入学者数は私学24校で365人増えたものの、推薦が460人増だったので、一般入試の入学者は前年比約100人減少した。

これは、中学卒業者数減に加え、今までよりも受験生が私学の推薦に流れ、県立の入試倍率が低下したからである。県立の不合格者減に伴い、私学も県立合格発表後の入学手続きが減少したのだ。私学側も、今年1月の入試から入学者数確定までの生徒の流れの変化に驚いている。

就学支援金による新たな流れに伴い、私学の戦略は「推薦で入りたい魅力ある学校」を目指すことになる。今まで以上に地域に必要な学校、「マイブーム」として積極的に入る生徒を増やす―そんな学校づくりを見せる必要がある。これは公私共通のテーマである。受験生は、大学進学やスポーツの実績だけでなく、学びの場としての魅力を見定めてほしい。

受験者と保護者の動向

県立高受験者にも新たな流れがある。県立高の定員は昨年度より80人減の1万7150人。一方、応募者は1万5714人と、前年度比1341人減だった。ここから、応募者減の背景として、生徒637人減と私学推薦470人増に加え、もう一つの流れがあることが分かる。私学の県立併願合格者の単願への切り替えだ。

さらに、今年の県立入試で応募者と受験者の差が221人ある。これは昨年より34人多い。ここでも県立への応募後に私学の単願への切り替えがある。私学の多様なコース設定のなかで、当初は県立高併願の生徒・保護者が、2月末の県立高入試と3月の合格発表まで待たずに、特に県立高の志願先変更前後に、単願に切り替える生徒が増えている。

「私学への波」は続くか?

就学支援初年度は、確かに私学への波が生まれた。しかし波は必ず引く。本物の波はこれからだ。1回限りの波か本物かを見てほしい。受験生は、2026年度入試の新たな流れを参考にして、自分のこだわりを大切にして、志望高校を調べ、価値のある青春・学び・進路を見つけてほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会 代表)

見えない印が示す「AI時代の透明性」《安全の窓》4

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イラストは筆者がAIで作成 4

【コラム・佐々木哲美】2026年8月2日以降に登場した新しいAIモデルでは、EUだけでなく世界中で文章に“見えない印”を入れる仕組みが導入されたといわれています。文章の意味を変えず、特定の単語をわずかに選びやすくすることで、後からAI生成の可能性を推測できるようにするものです。お札の透かしに例えられることもありますが、お札は国家の信用を守るための“絶対的な証明”。一方AI透かしは、情報の透明性を補うための“補助的な目安”。同じ「見分ける」でも、重さも精度もまったく異なるのです。

では、AI生成かどうかを区別する意味はどこにあるのでしょうか。それは文章の価値を決めるためではなく、“使われる場面を守るため”です。ニュースや行政文書、研究論文、教育現場、偽情報対策など、責任の所在が重要な領域では区別が不可欠です。一方、創作や趣味の文章、メールの下書き、会議メモ、アイデア出しなどでは、内容や効率が目的であり、AIか人間かを区別する必要性はほとんどありません。川柳などは、面白ければ作者がAIでも人間でも構わないでしょう。重要なのは「区別すること」ではなく、「区別が必要な文脈を見極めること」なのです。

AIと共に書く時代の「揺れる境界」

こうした議論を進める中で、私自身の体験がこのテーマをより身近なものにしました。最近、文章をつくる過程が大きく変わり、情報収集から整理、構成の調整までAIに手伝ってもらうようになりました。効率は上がり、思考の幅も広がりましたが、その一方で疑問も生まれました。ここまでAIに助けてもらっているのに、この文章を「自分の文章」と言い切れるのだろうか―そんな迷いです。この問いが今回の考察の出発点になりました。

AIが自然な文章を生成できるようになり、人間とAIの境界は表面的には曖昧になっています。しかし、境界を決めるうえで最も重要なのは能力ではなく、責任の所在だと気づきました。AIは膨大な情報をもとに文章を作れますが、意図を持たず、倫理判断もせず、結果に対する責任を負うこともできません。一方、人間の言葉には経験の重みや葛藤が宿り、その内容を説明し、引き受ける力があります。文章が社会に影響を与える場面では、誰がその内容を担保するのかが決定的な意味を持ちます。

「責任を引き受ける者」としての人間

さらに、境界は「作り手」ではなく「使い手」の姿勢によっても変わると感じました。AIの文章をどう扱い、どこまで自分の判断で補正し、どのように責任を引き受けるか。ここに人間の役割があります。最近、会議の席で「AIに作成させました」と謙遜なのか責任逃れなのか分からない言葉を口にする人がいますが、私はこれは言うべきではないと思っています。AIがどれだけ手伝ってくれても、最終的に内容を自分の判断で引き受けている限り、その文章は「自分の文章」なのです。

AIと人間の境界は固定された線ではなく、文脈によって揺れ動く線です。その揺らぎを恐れるのではなく、責任を明確にしながら両者の強みを響き合わせることこそ、AI時代の言葉との向き合い方だと感じています。(労働安全コンサルタント)

「出口見えない研究、今も森の中」ラスカー賞受賞の筑波大 柳沢教授が会見

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記者会見でオレキシンを発見した経緯などについて話す柳沢正史教授=筑波大 国際統合睡眠医科学研究機構

睡眠と覚醒を調整する重要な神経伝達物質、オレキシンを発見し、睡眠理解の飛躍的な進歩に大きく貢献したとして、筑波大の柳沢正史教授(66)が9日、米国医学会で最も権威ある賞、アルバート・ラスカー基礎医学研究賞を受賞した。柳沢教授は10日、筑波大で記者会見し、「出口が見えない研究だった」「今も森の中にいる」などと語った。

ラスカー賞は、受賞者のうち3分の1がノーベル生理学・医学賞を受賞するなど、ノーベルに次ぐ賞といわれている。柳沢教授はオレキシンの発見のほか、オレキシンの欠乏が、ナルコレプシー(過眠症)と呼ばれる突然眠り込んでしまう病気の原因となることを解明し、米スタンフォード大のエマニュエル・ミニョー教授と共同でラスカー賞を受賞した。柳沢教授らの研究により不眠症治療薬が開発されたほか、今年ナルコレプシー治療薬が薬事承認された。

柳沢教授は10日の会見で、オレキシン発見に至る経緯を改めて話した。神経伝達物質を「鍵」、神経伝達物質の受け口となる受容体を「鍵穴」に例え、米テキサス大准教授だった1995年当時、「相手の鍵が分かっていない鍵穴分子が多数見つかっていた。これまでの古典的な薬理学では、鍵分子が先に見つかって、その作用を調べる過程で鍵穴が見つかるが、私たちは逆方向の鍵穴分子から出発した」と述べた。

当時、ポスドクだった桜井武筑波大教授がテキサス大に来て、鍵穴を、鍵を見つけるための検出器として使い「桜井さんの検出で、当時まだ知られていなかった神経伝達物質が分かった」と言い、「桜井さんは筑波大に戻って、データ出しを全部やった。(オレキシン発見は)テキサス大だけでなく筑波大の仕事でもあった」と強調した。

撮影に応じる柳沢教授(中央)。左は桜井武教授、右は妻の柳沢裕美筑波大教授

この新しい神経伝達物資は、脳の中心の、本能や自律神経をつかさどる視床下部にあることが分かり、当時は「食欲を制御すると思った」と振り返り、「オレキシンはギリシャ語で食欲という意味。当時は食欲をつかさどる物質だと考え、オレキシンと名付けた」と明かした。

次の段階として、この神経伝達物質が欠損したマウスをつくって、食欲が減るのではないかと予測し実験した。「しかし何も起こらず、マウスは健康で異常は見つからなかった」と話した。「苦労して実験したので非常に悲しかった」が「あきらめず観察してみよう」と、マウスは夜行性なので「虚心坦懐に夜の行動を観察した」「わらをもすがる思い」だったと述べた。

発売されたばかりの安価な赤外線カメラを買って観察すると、マウスが急に動かなくなることがあった。最初はてんかん発作ではないかと思ったが、診断するには脳波をとらないといけない。当時、小さなマウスの脳波を測定できるラボは世界に数ラボしかなかったが、たまたまテキサス大にマウスの脳波をとっていた人がいて、その人に教わってマウスの脳波をとった。すると、てんかんの脳波ではなく、レム睡眠の脳波で、脱力発作と同時にレム睡眠が起こることが分かった。レム睡眠の時、人は夢を見るが、夢を演じるのは危険なので脱力が起こる。しかし当時は睡眠のことはほとんど分かっていなかった。柳沢教授は「睡眠の異常であれば『これはでかい』と感じ、ラボ全体を、食欲研究から睡眠研究にかじを切った」と話した。

柳沢教授はさらにナルコレプシーの原因を解明する。当時を振り返り「最初からゴールを目指した研究ではなかった。鍵穴分子を見つけるという宝探しを始めた」とし、ハワードヒューズ医学研究所から、自由に研究できる研究資金の提供をいただいたことが大きかったと振り返った。「基礎研究の中の探索研究はどこへ行くか分からない研究。そういう研究環境は大事」「出口はどこかとか、社会実装とかいわれると作文はするが、本当の研究はそういうものではない」と強調した。

脳の中には睡眠を維持する睡眠中枢と、覚醒を維持する覚醒中枢があって、睡眠中は脳の中で睡眠中枢が活性化して、覚醒中枢の働きが弱まる。覚醒時は逆になり、シーソーのように、常にどちらか一方の状態になっている。柳沢教授は、睡眠と覚醒の切り替えの仕組みを、竹筒の先端に水を入れ、水がたまると先端が下がって音が出る「ししおどし」に例え、「(ししおどしの)水に当たるものが脳内で何なのか不明、今はそこを研究している」とし、「そもそもなぜ眠らなきゃいけないのか、この二つのなぞが解けていない。私が現役のうちにだれかが解いてほしい」とし、将棋の藤井聡太さんの「頂上が見えないという点では森林限界の手前」という言葉を引用し「睡眠研究は森林限界を超えていない。自分の行く道は見えないし、ピークも見えない、周りは森しか見えない」などと話した。(鈴木宏子)

別館宴会場「昴」を大改修 ホテル日航つくば

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改修した宴会場「昴」

ホテル日航つくば(つくば市吾妻1丁目)は別館大宴会場「昴(すばる)」の大改修を進めていたが、このほど工事が完了、10日、報道機関などへの内覧会を開いた。天井照明装置、影像音響装置、床カーペットなどが一新され、「幅広い用途に対応できる宴会場として生まれ変わった」(古澤聡総支配人)。改修費は約3億円という。

同ホテルは、1985年開催のつくば科学万博に合わせ、1983年「筑波第一ホテル」として開業。別館は1990年に完成した。その後、ホテルオークラ(本社東京都港区)が運営を引き継ぎ、2001年「オークラフロンティアホテルつくば」に名称を変更。さらに経営権もオークラが継承、同社による日本航空系ホテル買収から10年後の2020年、現ホテル名になった。

古澤総支配人

筑波山稜線、桜川水面をイメージ

改修は大きく分けると3分野。天井照明は蛍光灯からLEDに換え、明るさを従来の3倍にし、スポット照明に動作性を持たせた。プロジェクターは後方壁面に備え付け(これまではフロアーに設置)、壁面スクリーンも電動操作(同手動操作)にし、音響器機には音質劣化抑制システムを導入した。カーペットは、紫峰・筑波山の稜線、市内を流れる桜川の水面などをイメージできるデザインのものに張り替えた。

古澤総支配人は「3分割可能な大宴会場は約700平方メートルの広さがあり、県南にある宴会場としては最大級。式典、宴会、結婚式などの快適性だけでなく、各種の会議に対応できるよう、照明器具や会議装置の機能性もアップした」と話す。

新装で増収目指す

同社の2025年度の売上高は18億2000万円。今年度は20億円を見込む。収入の半分を占める宿泊部門は外国人観光客を呼び込むことで増収を図り、宴会部門は新装会場の稼働率アップで増収を目指す。さらに、両部門の活性化を飲食部門につなげ、レストラン「セリーナ」、中国料理「桃李」、「常陸牛 山水」などの利用者増も狙う。(坂本栄)

ホテル日航つくば別館入口

投票時間1時間繰り上げ午後6時まで つくば市選管

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つくば市役所

つくば市は9日、今後実施される選挙について、投票日当日の投票時間を、これまでの午後7時までから1時間繰り上げて午後6時までとすると発表した。1日開いた市選挙管理委員会(野尻等委員長)で決めた。12月4日告示、13日投開票の県議選から実施される。

繰り上げの理由は、期日前投票を利用する投票者が増加していること、当日投票者の9割が午後6時までに投票を済ませていることなど。市選管事務局によると、昨年9月の知事選での同市の期日前投票の投票率は39%、今年2月の衆院選は54%だった。投票所立会人の従事時間が長時間に及んでいることを懸念する意見も出されたという。

投票日当日の投票開始時間に変更はなく、午前7時から。期日前投票の投票時間も変更はなく、市役所投票所の場合、午前8時30分から午後8時まで。

投票時間が繰り上がるのに伴い、12月の県議選の開票作業は、これまで午後8時20分から開始していたものを、午後8時からに20分繰り上げる予定だという。

公選法は午後8時まで

一方、公職選挙法は投票時間を午前7時から午後8時までと定め、特別の事情があり投票に支障をきたさない場合に限り、4時間以内の範囲内で繰り上げなどを認めている。

つくば市では2012年から、投票時間を法定の午後8時までから1時間繰り上げて午後7時までとしてきた。

県選管によると、今年2月の衆院選では、県内44市町村中、38市町村が午後6時で当日の投票を締め切り、つくば市を含め5市町が午後7時までとしていた。公選法の規定通り県内で唯一、午後8時までだった牛久市は今年度から、当日の投票時間を2時間繰り上げ、午後6時までとすると発表している。12月の県議選の各市町村の投票時間について、県選管はこれから調査する予定だとしている。(鈴木宏子)

【訂正 10日午後1時10分】3段落目、市役所投票所の期日前投票の開始時間は午前9時ではなく8時30分からの誤りでした。

ワイン用ブドウの収穫が最盛期 筑波山麓

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筑波山麓のブドウ畑で収穫作業をするボランティアら

筑波山麓で8月末からワイン用ブドウの収穫が始まり、最盛期を迎えている。収穫作業は9月末まで続く。つくば市は2017年に「つくばワイン・フルーツ酒特区」に認定され、現在市内には四つのワイナリーがある。

筑波山麓には、筑波大出身で、ワイナリー「ビーズニーズヴィンヤーズ」(同市神郡)を経営する今村ことよさん(53)のブドウ畑が広がる。今村さんは2015年から栽培を始めた。現在、山麓の沼田地区と臼井地区の2カ所に計約1.5ヘクタールあり、白ブドウのシャルドネ、黒ブドウのシラーなど10品種を栽培している。今村さんは今年6トンの収穫を目指している。

ブドウの栽培からワインの醸造まで今村さんが一人で担っているが、収穫作業は人手が必要になる。初日の8月30日にはSNSの呼び掛けで、ワイン作りを学びたいと、つくば市内や東京都、千葉県などから、50歳代の男女6人が集まり、ボランティアで収穫を手伝った。

ボランティアの6人はこの日、沼田地区のブドウ畑でジュースとして利用するメルローなどの品種を収穫した。今村さんから指導を受けながら、剪定(せんてい)ばさみを用いて、ていねいに収穫していった。千葉県習志野市から参加した公務員、角田圭吾さん(54)は「各地域のブドウ畑でボランティアとして収穫作業に参加している。今村さんの指示は的確で細かくありがたい」と語り、都内から参加した50代の男性は「つくばでワインが出来るのに驚いた。山麓の景色の良いところで作業できるのはうれしい」と話していた。

ワインの仕込み作業をする関係者

収穫作業と併せて、今村さんのワイナリーでは9月4日から、今シーズンのワインの仕込みが始まった。八千代町と埼玉県入間市の2軒のブドウ農家も加わり、それぞれ収穫したブドウを持ち込み、ブドウの品種や状態に合わせて、機械でブドウの茎や軸を取り除いたり、圧力をかけてブドウを絞る作業などを実施した。

この日持ち込まれたブドウは、今村さんが700キロ、八千代町のブドウ農家が700キロ、入間の農家が220キロの合計1620キロ。仕込み作業で出た搾りかすは、今村さんが肥料として利用する。2軒のブドウはそれぞれ、今村さんが受託しワインを醸造する。

今村さんは「今年はここ数年に比べて気温が低く、ブドウの色づきも良く、昨年よりも良いブドウが収穫出来そうだと期待している。収穫や仕込みの作業がまだまだ続くが、良いワインになるようにがんばっていきたい」と話している。(榎田智司)

「禍根を残す」「立つ鳥跡を濁す」《ハチドリ暮らし》65

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写真は筆者

【コラム・山口京子】どうやって始末をつけるのか? どう片づけを考えるのか? 個人であれ、社会であれ、「禍根を残さず」とか「立つ鳥跡を濁さず」という言葉は死語になってしまったのでしょうか? 科学技術が軍事利用、商業利用されるにつけ、「禍根を残す」「跡を濁す」ケースが増えているように思えます。

今、近代西洋科学には、自然を人間の都合で改変してしかるべし―という姿勢があるような気がしてなりません。科学を利用する人間の欲望のなせる業なのでしょうか。科学技術の成果が商品化され、社会がどんどん複雑化しているのに対し、人間の思考は単純化していると感じます。次第にお手上げ状態で生きるのではないか―そんな不安がよぎります。

人間のすることは自然にかなわないと分かった東日本大震災。福島原発事故のその後について、なぜ詳しい報道がされないのでしょうか? 緊急事態宣言が解除されたとは聞きません。福島の第一・第二原発の廃炉処理はどうなっているのか? 廃炉のロードマップ、時間・費用・技術など、素人には分かりません。それでも、廃炉の費用は税金から支出されるのでしょう。

経済破綻を戦争でウヤムヤに?

パキスタンやアフガニスタンで医療活動に従事した中村哲さんの本に、こんな言葉がありました。「(国連難民帰還の)机上のプランは事情を知らぬものには説得力があったが、我々にはまるで粗悪なカリカチュアとしてしか映らなかった」と。それは彼の地を見続けた医師の声ですが、廃炉にも当てはまるのではないでしょうか。

事態がどうなっていくのか…。あれだけの大きな被害があり、今も将来も続いていくのに、責任はだれも取っていないような…。日本列島は地震の活動期に入ったと言われます。その上に、いくつの原子力発電所が建っているのか…。いつ大きな地震が来てもおかしくない今、それらを稼働させることは悪夢でしかないのでは?

各国ともども軍事費が膨張していくとなれば、未来はどうなるのでしょう? 国家は経済破綻を戦争でウヤムヤにするかもという声を聞きます。将来世代に重い負担が課せられていくでしょう。大きな負担と危険が隣り合わせの暮らしを押しつけることは、許されないはずなのに…。(消費生活アドバイザー)

「分からないことだらけ、不安たくさん」住民団体が設立総会【つくばに国内最大級のデータセンター】

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設立総会の様子。入りきれず、隣接の会議室に中継された

周辺住民ら約200人集う

つくば市大穂で建設が始まった国内最大級のデータセンター計画に対し、市や事業者に公開説明会の開催を求めている住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸会長)が6日、計画地近くの同市筑穂、大穂交流センターで設立総会を開いた。

会場には周辺住民など約200人が集まった。参加者からは「分からないことだらけで、不安がたくさんある」「なぜつくばにこんな大きな施設をつくらないといけないのか。1棟や3棟はやむを得ないかもしれないが、住宅地周辺なので(事業者が計画している)100万キロワットには反対していただきたい」などの意見が相次いだ。

守る会は今年4月から活動を始め、周辺住宅を回って住民アンケート調査と署名活動に取り組み、事業者のグッドマンジャパンに説明会開催を要望してきた(6月8日付)。2日開会した市議会9月定例会議に向けては、つくば市による市民向け公開説明会の開催を求める請願を出したばかり(8月31日付)。

4月から活動を続ける中、周辺住民などから入会申し込みなどが相次いでいたなどから、6日、改めて設立総会を開き、規約などを定め、役員を紹介した。

壇上に並んであいさつする役員ら

設立趣意書や規約によると、市が所有していた45ヘクタールを売却し用途地域を変更して進められている国内最大級のデータセンター開発は、市全体に関わるまちづくりの重要な課題だが、市民や周辺住民などから「排熱による気温上昇、騒音、水利用などについて、十分な説明が行われていない、正確な情報が分からないという声が数多く寄せられている」などとし、将来にわたり安心して暮らせる地域づくりを進めるため、今後の活動として①市民への情報提供と情報共有➁行政と事業者への要望・提案③公開説明会の開催要望④環境と生活環境の調査・研究などを行うとしている。

歌川学さんが講演

設立総会では、つくば市内の研究機関に勤務し温暖化対策を研究する歌川学さんが「データセンターの地域への影響」と題して講演した(5月19日付5月20日付)。歌川さんは、事業者の計画通り100万キロワット(1000メガワット)のデータセンターが完成した場合、現在つくば市全体で排出されている2倍の二酸化炭素が大穂のデータセンター1カ所から排出され、市全体の2倍の排熱が発生するなどの試算結果を改めて示した。その上で「夏の猛暑日などは周辺住民、特に健康弱者の健康影響が懸念され、農業などにも影響が懸念される」と改めて述べ、「地域に影響が出ないか、悪い気象条件も想定して、地域の気温上昇分布を予測試算し、地域の健康弱者、農業などに影響がないかを確認することが必要だ」と述べた。

全国のデータセンターの二酸化炭素排出量を説明する歌川学さん

データセンター業界が今年5月に策定した地域との共生をうたう「地域共生ガイドライン」に対しては「数値目標が一つもない」と批判。自治体や住民が事業者と協定を締結している事例を紹介したり、自治体が地区計画を見直した例などを紹介した。(鈴木宏子)

バイシクル・ダイアリーズ ⑸《ことばのおはなし》96

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写真は筆者

【コラム・山口絹記】前回の記事では、深く考えずに「ツール・ド・つくば2026」にエントリーしてしまったところまで書いた。

エントリーしてしまったものは仕方ない。自転車屋に向かい、店長さんに「ペダルをビンディングにしたいんです」と伝えた。ビンディングペダルとは、ペダルと靴をカチッとくっつけて、より力強く走るためのペダルのことだ。

「乗り始めて半月も経ってないですけど、そんなに急いでどこに行くんですか?」

もう少し慣れてからでもよいと言われたものの、こちらには時間がない。ツール・ド・つくばにエントリーした旨を伝えると、店長さんは拍手をしながら取り付けを了承してくれた。ビンディングペダルにシューズ、お尻にクッションの入ったピチピチのパンツ(ビブショーツという)も購入。準備は整った。あとはエンジン、つまり自分の体力だけが問題だ。

この日から、毎晩、家の周りを何十周と走る自転車妖怪となった。

約1週間走り続け、5月半ば、ついに実地練習。店長さんから「家からスタート地点までをウォーミングアップにするといいですよ」とアドバイスをもらい、自転車で筑波山へ向かう。

本番は絶対1時間を切ってやる

スタート地点からしばらく景色のよいストレートが続くが、カーブを曲がると突然クライムが始まる。なんというか、思っていたのと違う。具体的に言うと、八幡崎の坂より勾配がきつい。あ、帰りたいかも。

不動峠までのコーナーには、あと何回カーブが残っているかを教えてくれる立て看がある。コイツがメンタルをゴリゴリ削ってくる。ヨタヨタ走る私の横を、ランニングのおじいさんが追い越してゆく。不動峠でその名の通り動けなくなり座り込む。これは割とホントにまずい。

気を取り直して再び登るも、辛い、苦しい、以外何も考えられない。スカイラインに入ると爽快な下り坂が始まるが、下るということは、その分また登らねばならないということだ。勘弁してほしい。

なんとかゴールして、タイムは01:07:04。登りきりはしたが、途中で座り込んでしまった。コレって大会的にはOKなんだろうか。わからない。不安だ。

ということで、また毎晩の走り込みが始まった。特に練習したのがギアチェンジだ。重すぎるギアで踏めば当然脚を使うし、下りから登りに変わるところで軽いギアにしておかないと、とんでもなく失速する。毎晩、家の周りのカーブを曲がるたびにギアを変えた。

そして本番1週間前、再び本番コースへ。

前回脚をついた不動峠を気合で突破。ギアチェンジの練習も少しは効いたようで、そのまま一度も脚をつかずゴールできた。

タイムは01:00:34。あと34秒。

本番は絶対1時間を切ってやる、と意気込んで下山した。(言語研究者)

市議会の行政視察報告書を読む《水戸っぽの眼》16

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つくば市議会は市役所の6階にある

【コラム・沼田誠】先月、福岡県議会の海外視察をめぐる報道が話題になった。現議員の任期が始まった2023年4月から2026年3月までの3年間で計23件実施され、総額約2億6496万円、1人当たり平均約135万円に上る費用であることが報道されている。

地方議会の行政視察とは、どのような根拠に基づくものなのか。委員会として行う視察は、地方自治法第100条第13項「議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる」という条文に基づく。

つまり、毎年必ず実施するものではなく、必要に応じて予算を通して実施するという、一般的なルールの上に成り立っているに過ぎない。このことを踏まえれば、費用や頻度以上に、調査研究する必要性が明確であるかどうか、つまり「目的が明確か」「何を持ち帰るかが意識されていたか」ということが、もっと問われるべきだと思う。

つくば市 9件中2件は合格

この視点で、つくば市議会と水戸市議会の視察がどうなっているのか調べてみた。つくば市議会は、委員会ごとの視察報告書が公式サイトで公開されていたので、2025年度の委員会視察報告書9件を読み比べてみた。

広報広聴委では、視察前から「2026年度に主権者教育の取組を実施できないか検討しており、その具体化に向けた参考とするため」という論点を持って臨み、視察先の3段階の難易度設定などを、評価軸ごと持ち帰っていた。また、総務文教委では、視察を受けて「決算審査分科会の集中審議事業に選定した」と、視察成果を議会の活動につなげることを報告書に明記している。9件中この2件は、目的と市民への還元が明確に表現されている。

しかし、他委員会の所感は、視察内容の説明のあと、「大変参考になりました」などの言葉で締めくくられ、市の具体的な行政課題との接続が明確ではないものもあった。とりわけ、議会運営委として改革の先進市を視察しながら、「引き続き積極的に議会改革を進める所存」という一般論で結ばれていたのは、腰が引けている印象を受けた。

水戸市 個別の報告書公開なし

水戸市議会はどうか。残念なことに、水戸市議会公式サイトでは、つくば市議会のように個別報告書の公開は見当たらなかった。これでは、行政視察が充実した内容だったとしても、広く一般に知らしめることはできない。まずは、その質を市民が問える状態をつくることに取り組むべきだろう。

筆者自身、水戸市職員時代に、地方議会の行政視察対応を行ったことがある。その際は、視察側の目的を踏まえて準備し、質疑も真摯(しんし)なものだった。しかし、議会によっては、先に行先が決まり、後付けでテーマが設定されるところもある、という噂(うわさ)も聞いたことがある。

行政視察は「旅行」ではない。何のために行き、何を持ち帰ったか―その費用を負担している市民がしっかり確かめる必要があるだろう。(元水戸市みとの魅力発信課長)

つまみのない酒が、いちばん危ない《看取り医者は見た!》55

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写真は筆者がAIで作成

【コラム・平野国美】「先生、おやじがボケました」。長男さんからその電話を受けたのは、真夏の午後だった。受話器を置いてから、私は1年前の冬を思い出していた。

佐藤さん(78歳、仮名)の奥さんを看取ったのは、あの家の奥の6畳間である。あのときの佐藤さんは実に立派だった。50年連れ添った妻の介護を、ほとんど1人でやり遂げた。最期の場面でも取り乱さなかった。私が頭を下げると、「先生、ありがとうございました」と、こちらが恐縮するほど深く礼を返された。この人なら大丈夫だ—そう思って、私はあの家を辞したのである。

あれから1年。何が起きたのか。異変はひと月ほどの間に現れたという。何度も同じことを聞く。足元がふらつく。昼間もウトウトしている。家族が認知症を疑ったのは無理もない。往診に伺うと、確かに会話がかみ合わなかった。記憶が抜けているというより、そもそも話に注意が向いていない。

「朝は普通なんです。夕方になると、急に人が変わって」。長男さんの一言が、私の頭の中で引っかかった。認知症なら、こうも短い時間で行ったり来たりはしない。

「お父さん、食事はどうされていますか」。長男さんが口ごもった。月に一度、家に来るのが精一杯で、わからないという。私は台所に上がらせてもらった。答えは冷蔵庫にあった。缶ビールが、ぎっしり詰まっていた。ほかには、ほとんど何も入っていない。あれほどきちょうめんに妻の食事を作っていた人の台所が、空だった。

枝豆、冷ややっこ、焼き鳥、乾き物

採血の結果、血液中のナトリウムが118。正常の下限を大きく割り込んでいた。「ビール多飲症」である。腎臓が余分な水を尿として捨てるには、塩分やたんぱく質といった「捨てる相手」が要る。ビールにはそれがほとんど含まれていない。食べずに飲み続ければ、水を出したくても出せない。血液が薄まり、脳がむくむ。それが物忘れとふらつきと眠気になって現れる。

ここで、ふと思い当たることがある。酒にはつまみがつきものだ。枝豆、冷ややっこ、焼き鳥、乾き物—どれも塩気とたんぱく質の塊である。あれは味を引き立てるためだけのものではなかった。腎臓に水を捨てさせるために必要なのだ。先人は理屈を知らぬまま、体でそれを知っていたのだろう。

危ないのは酒そのものより、つまみのない酒である。治し方も厄介だった。急いでナトリウムを戻せば、今度は脳の神経が傷む。あえて、ゆっくり治す。入院をお願いし、数日かけて緩やかに補正していただいた。退院後、佐藤さんは自分の言葉で私に話しかけてきた。「先生、ご迷惑をかけました」。あの日と同じ、律儀な人の姿だった。

「急にボケた」と聞いたら、私はまず採血をする。そして台所を見せてもらう。認知症という名前は、一度つくと簡単には外れない。だから、つける前に立ち止まる。佐藤さんが飲んでいたのは、多分、ビールではなかったのだと思う。妻のいない寂しさ。それを責めるわけにもいかない。(訪問診療医師)

国スポ「3位以内目指したい」ライフル射撃 浅井優汰選手

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壮行会であいさつする浅井優汰選手

関彰商事で壮行会

9月に青森県で先行開催される第80回国民スポーツ大会(国スポ、旧国体)ライフル射撃競技に、茨城県代表として出場する浅井優汰選手(27)=関彰商事所属=の壮行会が4日、つくば市二の宮の関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)つくばオフィスで開かれ、浅井選手は「大会本番では冷静に落ち着いて力を発揮し、3位以内、優勝を目指したい」と意気込みを語った。

壮行会には関正樹社長のほか、役員、部門責任者、社員など約100人が参加した。関社長は「県を代表して大会での活躍を心から祈っている」とエールを送った。 

浅井優汰選手(左)と関正樹社長

浅井選手は牛久市出身。小中学校はサッカー、バスケットボール、水泳、合気道などを行っていた。竜ケ崎ー高に入学後、個人競技もやってみたいと、高校生からでも始められるライフル射撃を始めた。高校1年の秋から頭角を現し、高校時代はインターハイ、全国選抜、全日本で優勝し輝かしい成績を残した。 明治大学を卒業後、2023年に同社に入社、現在マーケティング部に所属している。

今年7月、神奈川県伊勢原市で行われた関東ブロックを5位で通過し国民スポーツ大会の切符をつかんだ。毎週木曜と土曜または日曜に桜川市のライフル射撃場で練習に励んでいる。 

社員らを前に抱負を語る浅井優汰選手(右端)

国スポ ライフル射撃の競技日程は9月10日〜13日、青森県の弘前市運動公園運動広場 特設ライフル射撃場で開催され、男子50メートルライフル立射と、男子50メートルライフル三姿勢の2種目に出場する。(高橋浩一)

24時間介助受けながら理事長として働く 川島映利奈さん【ひと】

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サラダボールの理事長に就任した川島映利奈さん(中央)

「意思決定支援に力入れたい」

つくば市の川島映利奈さん(44)は24時間、ヘルパーの介助を受けて地域で暮らす障害当事者だ。昨年11月、障害者にヘルパーを派遣するNPO法人サラダボールの理事長に就任した。「意思決定支援」に今後さらに力を入れたいと川島さんは考えている。9月には、障害のある人の意思をどのように受け取り、日々の支援につなげるのかを考える勉強会をつくば市内で開く。

いつ、何を食べるのか、今日は何色の服を着るかー。障害の有無にかかわらず、人は日々、小さな選択を繰り返しながら生活している。しかし重い障害があり、言葉による意思表示が難しい場合、選択の機会が限られたり、本人が発しているサインが意思として受け止められなかったりすることがある。

「どんなに障害が重くても、だれもが好きなこと、嫌なことは感じる。表現手段として、ある人は、指差しとか、笑うとか、泣くとか、体の緊張が強くなったり、眉間にしわが寄ったりする。障害の当事者が発する小さなサインを見落とさないことが大切」だと川島さんは言う。

開催するイベントで挨拶をする川島映利奈さん

自立生活センターと出会い、衝撃

川島さんは福井県出身。全身の筋力が低下する先天性の進行性難病による障害があり、幼いころから手足を大きく動かすことが難しかった。筑波大学大学院進学を機に2005年、親元を離れてつくば市で自立生活を始めた。現在は車椅子を使い、痰(たん)の吸引や身の回りのことなどヘルパーの介助を受けながら、市内でパートナーと暮らしている。2011年からは、サラダボールの設立母体で、障害者の権利擁護活動を行う当事者団体「つくば自立生活センターほにゃら」の代表を務めてきた。

幼少期から日常生活には家族の介助が欠かせなかった。家族が着替え、食事、風呂やトイレなど、川島さんの生活全般を支えた。一方で、我慢したこと、諦めたことも多かった。

ベッドへの移動にも人手がいるため、就寝時間は家族に合わせる。夜遅いテレビ番組は我慢する。ひとりでは買い物に行けず、欲しいものを自由に買えない。手伝ってくれる人を待つため、行きたいときにトイレに行けない。髪は洗いやすいよう、伸ばすのを諦めた。暮らしの中でさまざまな「モヤモヤ」が募っていった。

サラダボールの職員と川島映利奈さん(中央)

転機となったのが、地元福井で出会った自立生活センター「コムサポ」の重度障害者たちとの出会いだった。当時、福井県内の大学に通っていた川島さんは、コムサポの障害当事者メンバーと食事や外出を重ねる中で、介助サービスを使って地域で暮らし、やりたいことをやり、いきたい場所にいく姿に衝撃を受けた。

2005年、筑波大大学院への進学が決まると、コムサポから紹介された「ほにゃら」によるサラダボールからヘルパー派遣を受けながら大学の寮に入り、念願の自立生活を始めた。「すべてが新鮮。朝、誰にも起こされないのも、自分で時間を計算して起きなきゃいけないのも。授業後に、寄り道しながら帰れるのも」

失敗も重ねた。初めての洗濯では色物と一緒に白いTシャツを洗って色が付いてしまったり、洗濯ネットの使い方が分からなかったり。だが、いくつもの失敗に心が躍った。何時に起きるのか、何を着るのか、どこへ行くのか、どんな介助が必要なのかを自分で考え、他者に伝える必要があることも知った。

趣味はアイドルグループの「推し活」

こうした経験の積み重ねの先で出会った健常者の夫と、今は市内で暮らしをともにしている。しかし、川島さんは、身の回りのことを夫には頼まない。自分でできることは自分でするし、できないことは、いつも別室で待機している介助者に声をかけてやってもらう。「パートナーは介助者ではない。私は介助してもらうために結婚したわけじゃないし、介助者のほうがちゃんと訓練しているプロなので丁寧。プロの介助者だからこそ、自分のタイミングで自分のことができる」

「本人が何をしたいか」で支援を組み立て

川島さん自身の介助には、1週間でおよそ15人のヘルパーが交代で入る。仕事中も介助は続く。昨年から市の制度を利用し、勤務時間中も介助者によるサポートを受けながら働いている。介助者は会議や研修に同席することもあれば、利用者の個人情報を扱う際には、部屋の外で待ってもらう場合もある。痰の吸引などの介助が必要になれば、会議を中断して川島さんが一時的に外に出て介助を受ける。

ヘルパーの成田恵理さんは、川島さんとの関係について「一緒にやっていく、仲間」と表現する。「ここでの活動の目的は社会を変えることなので、その延長線上に、サラダボールの仕事がある」と語る。

川島映利奈さん

理事長になり、求人や研修、支援会議、介助シフトの調整などに加え、これまで深く関わってこなかった経営にも向き合うようになった。これまで主に女性利用者の支援を見てきたが、理事長職を引き継いで以降は男性利用者を含めた事業所全体を見るようになった。

自立生活センターで何より重視するのは「本人が何をしたいのか」だ。1日のどこで食事をし、外出するのか、当事者の意思を第一に支援を組み立てる。

意識して増やそうとしているのが、職員同士で話し合う機会だ。特に、介助者と利用者の調整役を担う立場の職員とは会議や研修、日常的なコミュニケーションを増やしてきた。

夫(右)が運転する自家用車に介助者と乗り込む川島さん

子どものうちから「自分で選ぶ」経験を

川島さんたちが力を入れている活動の一つに「ほにゃらキッズ」がある。地域で暮らす障害のある子どもたちが、将来、自立生活を暮らしの選択肢の一つとして考えられるように、家族とともにさまざまな経験を重ねる取り組みだ。2003年に保護者らの発案で始まり、20年以上続いてきた。

障害のある小さな子どもも一時的に家族と離れ、介助者と買い物をする。カラオケやバーベキュー、料理、電車で東京へ行き「推し活」をしたこともある。買い物では、子ども自身が店に並ぶ商品を見て食べたいものを選ぶ。「自分で決める」経験を重ねながら、自分が何を好きなのか、どんな暮らしが自分に合っているのかを知っていく。家族にとっても、「親ではない人に任せても大丈夫」と知る体験になるという。

「失敗も大切な経験」だと川島さんは言う。その先に生まれるのが、自立生活という選択肢だ。

自宅で介助者による痰吸引を受ける

当時に比べ、現在は障害者の地域生活を支える制度も増えた。「子どものころから知っていれば、できることもいっぱいある。実際にやれる場所があるというのは、すごく大事だと思う」

言葉にならない意思をどう受け取るか

川島さんが特に大切にしているのが、本人の小さなサインを見逃さないことだ。表情の変化がわずかな人もいる。それでも川島さんは「きっと何かはアピールしているはず。こっちが受け取れていないだけ」と考える。それでも、読み取ったものが本人の本当の意思だったのか、簡単に答えが出るわけではない。「正解はなかなか分からない。でも、受け取ろうとすることを怠っちゃいけない」

つくばでの市民活動が表彰され代表して授賞式に望む

「やっぱり、自立生活を知ってもらいたい。こういう仕事もあるよって知ってもらいたいし、当事者にも、こういう生活があるよって知ってもらいたい」と言う。その先には、誰かに支えられるだけではなく、働き、責任を担い、今度は自分が誰かの暮らしを支える仕組みをつくる側になる人生もある。

「どんな障害があっても、住みたい場所で、やりたいことをしながら、その人らしい生活を作っていくっていうのが、私たちが一番やりたいこと。その中で、介助者と利用者だけで完結せずに、ちゃんと地域の人とつながってこその生活です。私はそのために、いろんな仕掛けをつくりたい」。川島さんはそう話す。

◆障害者の意思決定に関する講演会「意思決定支援(SDM)を知ろう!〜支援の「モヤモヤ」を大切にする関係づくり〜」が、9月13日(土)午後1時30分からつくば市役所 コミュニティ棟(つくば市研究学園1丁目1−1)で開かれる。講師は、筑波大学人間系講師で、SDM-Japan代表理事の名川勝さん。参加費は無料。定員50人(先着順)。申し込みは専用フォームで9月7日(月)まで受付。問い合わせは、メール(cil-tsukuba@cronos.ocn.ne.jp)か電話(029-859-0590)でつくば自立生活センターほにゃらへ。

軽井沢の万平ホテルを訪ねて《ふるほんや見聞記》20

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万平ホテル本館「アルプス館」

【コラム・岡田富朗】万平ホテルは、1894(明治27)年、避暑地・軽井沢の地に創業しました。創業者・佐藤万平と宣教師たちとの出会いから始まり、「異国の地にあっても、故郷で過ごすようにくつろいでいただきたい」。そんな思いから生まれた最高級のホスピタリティを受け継いできた、日本有数のクラシックホテルです。明治から現在に至るまで、政財界人や、三島由紀夫、池波正太郎をはじめとする文士、多くの著名人に愛されてきました。ジョン・レノンが夏の定宿としていたことでも広く知られています。

アルプス館90周年

2024年、1894(明治27)年の創業から130年を迎えるにあたり、万平ホテルは前年から一時休館し、大規模な改修・改築工事を実施しました。建て替えるのではなく、より多くの労力をかけて、既存の美しい建物を生かしながら修復することを選択。ステンドグラスをはじめ、残すことのできるものはできる限り保存しながら、改修が行われました。

1996年 万平ホテル発行 「万平ホテル物語 軽井沢とともに100年」

ホテルの象徴である本館「アルプス館」は1936(昭和11)年に建造され、2026年で90周年を迎えます。「日光金谷ホテル」や「富士ビューホテル」なども手がけた久米権九郎による設計で、2018年には国の登録有形文化財に指定されました。木造建築が美しいロビーをはじめ、メインダイニングルームやカフェ、バーなど、館内には歴史を感じさせる空間が広がります。テラス側は今回の改修で窓を大きくし、明るく開放的な空間へと生まれ変わりました。

バーやカフェは宿泊客だけでなく、軽井沢の別荘に暮らす人々にとっても長く親しまれてきた社交の場であり、これまで数多くの逸話が残されてきました。

受け継がれるおもてなし

現在も、軽井沢を訪れるなら一度は泊まってみたいホテルとして、多くの人に愛されている万平ホテル。その魅力は、格式の高さや建物の美しさだけではありません。

「時代を越えて、何世代にもわたり訪れてくださるお客様が万平ホテルを愛し、その魅力をスタッフに伝え、それがまた受け継がれていく。初めて訪れた方にも『どこか懐かしさを感じる』とおっしゃっていただけます」と、広報担当の西澤さんは話します。お客様とともに歩んできた万平ホテルだからこそ、心のこもったおもてなしがあり、まるで自分の別荘を訪れたかのような心地よさを感じられる場所です。

映画監督の羽仁進は「高原文庫 第二十五号」で「万平は聖地であった」と寄稿していますが、長い歴史のなかで多くの人々を迎えてきた万平ホテルは、これからも軽井沢の「聖地」でありつづけるでしょう。2027年6月末まで、万平ホテルの歴史に思いをはせた「アルプス館90周年」を記念するメニューやプランが用意されています。(ブックセンター・キャンパス店主)

「市は公開説明会開催を」住民団体が市議会に請願【つくば市に国内最大級のデータセンター】

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つくば市議会の黒田議長(右から2人目)に請願書を手渡す「データセンターから市民を守る会」の柳町弘幸会長(左から4人目)と守る会メンバーら(左側)

つくば市大穂に、外資系物流不動産会社グッドマンジャパンが、国内最大級となる1000メガワット(100万キロワット)のデータセンター建設を計画している問題で、住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸会長)は31日、つくば市議会9月定例会議に、市による市民向け公開説明会の開催を求める請願書を出した。併せて周辺住民約470人の署名を添えて、同様の住民説明会開催を求める要望書を黒田健祐市議長議長に手渡した。

請願は、1000メガワットのデータセンター建設計画に対し「市民、周辺住民、周辺事業所、土地所有者から、現在の計画に至った経緯、データセンターの規模、施設内容、排熱や気温上昇、騒音、非常用発電機による排ガスなどの影響、水利用、交通、防災等について、十分な説明を受ける機会がなかったとの声や、不安、疑問が数多く寄せられている」とし、この事業はもともと市の大規模な公有地を売却し、市の都市計画変更を経ているのだから「つくば市自身がこれまでの経緯、市の判断、現在把握している計画内容、環境への懸念に対する市の認識や今後の対応について、市民に分かりやすく説明することが必要」だと指摘している。

その上で、市による速やかな公開説明会開催のほか、開発事業者のグッドマンジャパンに対し、市が公開説明会に出席するよう求め、市民に直接説明し、質問に回答することを要請するよう求めている。

請願を出した柳町会長は「守る会では6月29日に、グッドマンジャパンと協力会社に住民署名を添えて、住民説明会開催を求める要望書を出した。何の回答もないので、8月24日に再度、回答期限を付けて要望書を出したが、期限の31日になってもいまだに回答がない」とし、「近隣だけでなく、つくば市全体に影響する大きな問題なので、つくば市は説明会を開き、市民が納得できる説明をしていただきたい」と話した。

一方、請願書を受け取った黒田議長は「委員会に付託して審議することになる。手続きに従ってやっていくことになる」と述べるにとどまった。請願は委員会で審議され、9月定例会議最終日の10月6日に採決が行われる。

約470人の署名について説明する守る会の柳町会長(右端)

住民説明会の開催をめぐっては、都市計画法に基づく同市の開発許可の手引きに「周辺の概ね100メートル以内の居住者及び土地所有者に対し住民説明会を開催する」などと規定されている。しかし当時、市は事業者から、住民説明会は書面開催とする旨の報告を受けたなどとして、住民説明会が開かれないまま、今年2月、1棟目となる50メガワットの建設工事が始まった(6月8日付)。

その後グッドマンジャパンは、着工から半年過ぎた今年8月17~19日の3日間、100メートル以内の住民と一部地区の住民など対象者を限定して初の説明会を開催したが、食事と手土産を用意してレストランなどで説明会を開いたため、住民からは「不信感が増しただけ」など、反発の声が出ていた(8月21日付)。(鈴木宏子)

優勝の可能性残す つくばFCレディース ホーム最終戦は引き分け

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前半43分、フリーキックに両軍の選手が飛び込む。青いユニフォームがつくばFCレディース(撮影/高橋浩一)

関東女子サッカーリーグ1部のつくばFCレディース(本拠地つくば市)は30日、今季ホーム最終戦として、セキショウチャレンジスタジアム(つくば市山木)で山梨学院レッドサンダーズ(本拠地・甲府市)と対戦し、1-1で引き分けた。これでつくばは5勝1分5敗で8チーム中4位。勝ち点16は首位と1差、2位・3位とは同点なので、優勝の可能性は十分残している。

第32回関東女子サッカーリーグ1部 後期第7節(8月30日、セキショウチャレンジスタジアム)
つくばFCレディース 1-1 山梨学院大学レッドサンダーズ
前半0-0
後半1-1

後半11分、佐藤が先制のシュートを放つ

「山梨学院レッドサンダーズは前回5月17日の対戦では0-2で敗れており、どう対応するか整理して臨んだ」と志賀みう監督。「相手はキック&プレスで押してくるが、人が出てくるぶん、後ろが空く。例えばボランチが食いついてきたらその背後、中盤とディフェンスの間のスペースを使おう」と臨んだと狙いを話す。

だが先にペースを握ったのは山梨だった。近年の学生チームの多くがそうであるようにフィジカルの強さ、特に体幹の強さを生かしアグレッシブにボールを奪い、遠目からでもミドルシュートを狙ってくる。前半のシュートは山梨の5本に対し、つくばは佐藤美緒の1本に抑えられた。

後半10分、穂谷颯季がシュートを放つ

後半開始からつくばは右サイドに坪井茉凛を投入。坪井の特徴であるスピードや背後への抜け出しを生かそうと、背後の選手たちも積極的にボールを供給し、両サイドからバランスの良い攻撃を仕掛けられるようになった。

そして後半11分、つくばが先制。佐藤が高い位置で相手からボールを奪うと、そのままドリブルで持ち込み、GKと1対1の場面を作った。「前半からチャンスはつくれていたので、1点は絶対に決めたいと思っていた。相手GKは小柄で少し前へ出ているので上が空く。そこでファーを狙い、ゴールに届けという思いで打った」と佐藤の振り返り。

監督やベンチメンバーの祝福を受ける佐藤

一旦リードはしたものの山梨もひるまず、33分には同点とされる。「後ろへ下げたボールに対しカウンターを仕掛けられた。前へつないでいれば防げた失点だった」と志賀監督。「周りの選手がボールホルダーをサポートしてあげられればよかった」と高橋萌々香主将。

終盤は相手の猛攻を受けたが、守備陣を中心に相手のシュートをことごとくはね返す。「難しい展開になったが全員が戦う目をしていた。ここでもう1点取りきり、勝ちきる力をつけたい」と高橋主将。

後半途中出場し、前線で活躍した安達凛花

残り2節はいずれもアウェー戦。10月4日は現在3位の東京国際大学、18日は首位の東洋大学という上位との直接対決だ。「1カ月空くので、その間にどれだけ積み上げられるかが大事。なでしこリーグ入れ替え戦への出場がかなわず、今は心や体を整えるのが難しい状況だが、一人一人が先を見据えて努力し、また来季の挑戦につなげていきたい」と志賀監督は選手に奮起をうながす。

地域の力の結集で、再びなでしこへ

地域リーグから日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)2部への昇格は、まず加盟申請をしたチーム同士で予選大会を行い、その上位2チームが入れ替え戦に出場できるという流れ。つくばFCレディースは今年もなでしこリーグへの加盟申請をしたが、審査を通過せず、入れ替え戦予選大会への出場はかなわなかった。

ホーム最終節を記念し、サポーターらと集合写真

却下された理由は「総合的な判断」として詳細は明らかにされていないが、大きな要因の一つはスタジアムにあると見られている。つくばFCレディースがホームとしているセキショウチャレンジスタジアムは、救護室や審判員控室のほか大会旗を掲揚するポールなどもなく、選手用のロッカールームは狭く冷房設備もないといった不備が以前から指摘されていたからだ。

これに対しつくばFCでは、救護室や控室の問題については仮設の建屋を置いて解決を図る考えで、スタジアム管理者であるつくば市との間で合意形成を進めている最中という。「来季以降もなでしこリーグを目指すことに変わりはないが、クラブの力だけでは難しい。サポーターや協力企業などの皆さん、また自治体の力もお借りして課題を克服していきたい」と、つくばFC代表の石川慎之助さんは呼びかける。(池田充雄)

試合後に行われたサイン会にて、少年にサインしたボールを手渡す坪井

がん患者や家族らが自由に集える「がんカフェ」開設 つくば市

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がんカフェ「レモンテラス」の前に立つ「ヒスターズナウ」代表の照井美穂さん

9月にライトアップやイベント

がん患者や家族、支援者らが自由に集えるがんカフェ「レモンテラス」が今年4月、つくば駅近くの同市吾妻、中央公園レストハウス(市民ギャラリー隣り)で始まった。つくば市から委託を受けて運営するのは、市内で小児がん当事者や家族を支援する市民団体「ヒスターズナウ」(照井美穂代表)。世界小児がん啓発月間の9月、照井さんが働き掛け、中央公園前のつくばエキスポセンターに設置されている実物大H2ロケットのほか、つくば市役所、水戸芸術館がシンボルカラーの金色の光にライトアップされる。中央公園水の広場では9月5日、ヒスターズナウによる啓発イベントも開かれる。

ヒスターズナウは、次男をがんで亡くした照井さんを中心に2021年5月に発足した。レモネードの売り上げを小児がんの治療研究費に寄付する「レモネードスタンド」や、入院する子どもに付き添う家族への食料提供、院内売店で使えるクーポン券の発行といった「院内家族サポート」、啓発イベントなどに取り組んでいる(22年6月10日付25年2月1日付)。

がんカフェは2024年から約2年間、市の補助事業として同市二の宮のレンタルカフェ「ひふみ杏つくるひとcafe」のスペースを借り、週2日のペースで開いてきた。今年4月から市の委託事業となり、中央公園に移った。毎週月曜と金曜の午前11時から午後3時まで開く。延べ床面積は約40平方メートルで、テーブルが四つといす、本棚などが設置されている。予約は不要で出入りも自由だ。市の委託費は年間約70万円。8月28日現在、延べ280人余りが利用した。

カフェの中には自由に読めるがんに関連する書籍がある

気軽に立ち寄れる場所

利用者は、病院から紹介される患者や家族も多く、小児がん治療中の幼い子どもから60代ほどまで幅広い。特に多いのは40代、50代の働き盛り世代。中高生が来ることもある。親ががんを患い入院中、家のことを自分がしなければと頑張っていても、病気の親本人にも、友人にも不安を見せづらい。そんな中高生ががんカフェに来て「怖かった」と気持ちを口にすることもあるという。

利用者の一人で、がんを患う夫をもつ市外に住む女性は「話を対面で聞いてもらえる、いつでも来られる場所を探していた。ここに来ると明るい気持ちになれる。必要以上に話さなくても、互いの気持ちを分かり合えるという安心感がある」と話す。女性は病気の夫を支えてきた末に、自分の方が「抜け殻になった」ように感じ、電話相談などを利用していた。しかし次第に、対面で誰かに話したいという思いが強くなった。「初めて来た時、夫の手術までの道のりや、自分の心が砕けてしまったように感じたことを、そこで出会った人が長い時間をかけて聞いてくれた。その後も通うようになり支えになっている」という。

総合案内所のように

建物はガラス張りで四方から光が差し込む。入りにくさを感じないように、外から中の様子が見える建物の特徴を生かし、あえてカーテンを閉めず、入り口の扉も開けたままにしている。室内には、がん治療に関するイベント案内や専門書、子ども向けの絵本などを置き、資料は外から見える窓際に並べる。「資料だけ見せてもらっていいですか」と入ってくる人もいる。そこで、予防について知りたいのか、治療中の情報が必要なのか、患者会などのつながりを求めているのかを聞き、その人に合った情報を案内する。「実は自分ががんで」「家族が治療中で」と打ち明ける人もいる。

窓際に資料が並ぶ

定期的にヨガや編み物、「がんと運動」をテーマにしたセミナーなども開き、訪れる人同士が交流できるきっかけをつくる。「ここを、がんに関する『総合案内所』のような場所にしたい。それぞれに合った場所や支援につながる『入り口』になることができれば」と照井さんは話す。

孤独だった

照井さんが、がんカフェを始めた背景には自身の経験がある。2020年、がんを罹った次男の治療に付き添った。休職し、病院に泊まり込んで看病する中、思いを相談できる支援機関と出会えず、孤独だった。「大人も子どもも関係なく、経験を分かち合い、がんと向き合っている人たちが同じ空間に集える場所を街の中につくりたかった」と振り返る。

病院などで専門家に相談することと、当事者や家族同士で話すことには、それぞれ異なる役割があると照井さんは話す。「必要な時に、専門家、当事者、家族、地域の人など、いろいろな関わり方を選べることが大切」。「2人に1人ががんになる」と言われる一方、がんになった人から「周りにがんの人がいない」と聞くこともある。照井さんは、実際には病気について周囲に言えない人が一定数おり、それが孤立につながっているのではないかと考える。

「がんと向き合うのは当事者だけではない。家族、友人、職場の同僚、医療者など多くの人が関わる。がんの人だけを特別な場所に囲い込むのではなく、地域の中で自分の生活の場を変えずに過ごし、言いたい時には言える環境をつくりたい」。ある日、自分や家族に病気が分かった時、「あそこに行けば話を聞いてもらえるかもしれない」と思い出してもらえる場所にしたいと話す。

小児がんの子どもたちにエール

世界小児がん啓発月間のライトアップは、小児がんに関わる学会や支援機関などが推進する毎年9月の啓発キャンペーンの一環で、世界各地の名所やシンボルを金色にライトアップしたり、金色のリボンを掲げたりして、がんにかかる子どもたちへの支援を表明する。つくば市役所は1日から15日まで、エキスポセンターは5日、水戸芸術館は9日に点灯する予定だ。ヒスターズナウによる5日の啓発イベントは午後4時から、竹を使った手製ランタン制作のワークショップと、小児がん支援への寄付を目的としたレモネードスタンドを開催。完成したランタンを広場に並べ、日没後、金色にライトアップされた実物大H2ロケットとともに点灯する。

照井さんは「9月は小児がんの啓発月間。今、がんと向き合い頑張っている子どもたちがいることを知ってもらい、みんなでエールを送りたい。会場に来ることでも、SNSで知ることでもいいので、より多くの方に関心を持ってもらえたらうれしい」と話す。(柴田大輔)

◆小児がん応援企画「ゴールドリボンライトアップ2026インつくば」は、9月5日(土)午後4時から7時まで、つくば中央公園水の広場で、手製ランタン制作ワークショップ、レモネードスタンド、メッセージの展示などを行う。参加費無料。ヒスターズナウの活動は公式ホームページへ。

AIへの素朴な探求心リスクアセスメントの本質《安全の窓》3

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イラストは筆者がAIで作成

【コラム・佐々木哲美】もともとコンピューターなど知識も乏しく苦手ですが、急速に進化し続けるAIが社会をどう変えていくのか関心を持って情報に触れています。先ごろ、新聞で第84期名人戦七番勝負を制した藤井聡太名人が、防衛を記念して将棋AI「水匠」開発者の杉村達也さん(たややん)と対談した記事を読みました。そこで、杉村さんは「AIとはナーダリング(順位付け)である」と語りました。この言葉は、AIの本質を端的に示しており、藤井名人がAIの指し手を深く理解している理由にもつながっています。藤井名人は、水匠がどのような基準で手を並べているのか、その“順位付けの癖”を読み解いているのです。

AIの本質は順位付けにある

AIは複雑な計算をしているように見えますが、実際には常に複数の選択肢を比較し、どれが最も望ましいかを選び続けています。将棋AIなら最善手、生成AIなら次の単語、画像認識AIなら特徴量の重要度、安全AIなら危険源の優先度─すべては候補を並べて順位付けする行為です。AIの脳である評価関数は、この順位付けのために存在し、スコアは序列化のための数値にすぎません。つまりAIとは、膨大な選択肢を瞬時に並べ替える「ナーダリングの機械」であると言えます。

水匠が強い理由も、このナーダリングの精度にあります。探索コードよりも、学習データの質、評価関数の重み、手数の扱い、深い読みの反映など、順位付けの基準をいかに整えるかが棋力を決めます。最近の将棋AIは1秒間に1億手以上読んでいるそうです。藤井名人は自らもコーディング(プログラミング)で、「将棋であったら便利になるな」というものを作っています。打つ手はかなり感覚に委ねられ、「こういう展開を目指したい」という目的を設定し、どういう手を選べばそこに近づけるかを考えると言います。

AIの評価値と人間の判断の違い

ここで重要なのは、AIの順位付けと人間の判断による順位付けは本質的に異なるという点です。安全におけるリスクアセスメントは、「危険を見つける → 理由を語る → 納得の対策を決める」という流れの安全管理の手法です。「なぜ危険なのか」という理由を言語化し、現場の制約や経験を踏まえ、関係者が納得する判断をつくる熟議のプロセスです。順位付けはその過程で生まれる副産物であり目的ではありません。リスクアセスメントの本質は、透明性のある理由によって安全な合意を形成する技術なのです。

AIは並べることはできても、納得をつくることはできません。AIが提示する順位は「評価値」というブラックボックスの産物です。だからこそ、AI時代の安全管理では、AIの冷静なナーダリングと、人間の熟議による判断を組み合わせることが不可欠です。機械の序列化と人間の対話が重なったとき、初めて本当に安全な判断が生まれるのです。(労働安全コンサルタント)