【伊藤悦子】土浦市の都和公民館(同市並木)で月1回開催されている子ども食堂「ひよこ食堂」が、世代を超えた地域住民みんなの居場所となり、地域のコミュニティづくりに一役買っている。

同市のインターネットテレビ、Vチャンネルいばらき「NEWSつくばチャンネル」に28日、同食堂を運営するNPO法人「地域コミュニティワーカーズコレクティブみんなのたまご」の荒井敦子代表を招いてインタビューした。

「みんなのたまご」は同市都和地区の地域コミュニティづくりを目的とした団体。家事支援や子育て支援、ちょっと困ったことなどがあれば手伝いをしたいと始まった。

「ひよこ食堂」は子ども食堂として、地域の子どもたちの居場所づくりや家事・子育て支援の一環として2018年6月にスタートした。

毎回50人くらい集まる。ひよこ食堂に来るのは子どもだけでなく、近くに住むおじいちゃんおばあちゃん、赤ちゃんもやってくる。世代を超えたみんなの居場所になってきている。

「今のお父さん、お母さんは忙しいので、料理を作るのも大変。ひよこ食堂はお替わりも自由なので食べに来てほしい」と荒井さんは話す。

学生ボランティアも加わり、小さい子はお兄さんお姉さんと遊んだり宿題を教えてもらったりするのを楽しみにしている。

野菜が多め

「ひよこ食堂のメニューは野菜が多め。普段はあまり野菜を食べないという子が、ひよこ食堂でたくさん食べた、という報告を聞くとうれしい」と荒井さんは話す。

食材に使ってほしいと魚介類の支援があったときは魚料理を出した。小さな子どもたちが食べられるか心配だったが、ボランティアのお兄さんやお姉さんに手伝ってもらうことで、完食できた子供も多かった。

3歳から中学生は100円、大人は300円で食事ができる。参加者の食事代で材料費を調達しているほか、毎回10人ほどのスタッフと5~6人の学生がボランティアで手伝っている。市社会福祉協議会の協力も得ている。

子ども服交換イベントにも参加

2019年には市社協紹介で、ひよこ食堂のための畑もできた。スイカ、トウモロコシ、サツマイモなどを栽培している。昨年は畑で収穫したサツマイモを使った天ぷらや炊き込みごはん、筑前煮などを作り好評だった。

同公民館で開催されている「くるくるマーケット」という不用品交換イベントにも参加している。小さくなった子ども服や靴、文房具などを持ち寄り、必要とする人が持ち返るイベントだ。必要なものを選んだあとは、ひよこ食堂の食事を食べることができる。

◆毎月第4日曜日 午前11時30分~午後2時に開催している。問い合わせはみんなのたまご(電話070-1048-6706)

ひよこ食堂の食事の様子(NPOみんなのたまご提供)