日曜日, 1月 29, 2023
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200億円の大学債を発行へ 筑波大

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)は大学債権(大学債)を19日に発行すると発表した。発行額は200億円で、愛称は「筑波大学社会的価値創造債」。国立大学法人としては東京大学、大阪大学に次ぐ3例目となる。 自由度高い資金調達 国立大学法人による大学債は発行条件が厳しかったが、2020年6月の国立大学法人施行令の改正によって緩和された。改正前は、償還(返済)の見込みが十分に立った上で、附属病院の整備やキャンパスの移転などの目的でしか発行できなかった。改正後は発行条件の規制緩和がなされ、教育研究事業のための積極的な債権の発行が可能になった。大学としては、自由度が高い資金調達を行うことができるようになったといえる。 大学債は国立大学法人の新たな資金調達先として、すでに東京大学が一番手として、20年10月に200億円、21年12月には100億円、合計で300億円の発行を行っている。東大は大学債によって、10年間で1000億円の資金調達を目指すとしている。続いて今年4月には大阪大学が300億円の大学債を発行した。 地球環境や社会の課題解決に

古民家再生し「茅葺き研究拠点」に 筑波大が石岡に開所

筑波大学の「茅葺き(かやぶき)研究拠点」が11日、石岡市八郷地区のかやぶき屋根古民家を改修してオープンした。 江戸時代末か明治時代初めに建築され、空き家になっていた古民家で、今後は、里山の原風景保全や過疎地再生のほか、防災や脱炭素などにも取り組む。 八郷地区には現在約50棟のかやぶき民家が残る。15年前は約100棟あり半減している中、「かやぶき民家再生の新しい手法を提示できた」と同大システム情報系建築・地域計画研究室の山本幸子准教授はいう。 研究拠点はもともと農家の住まいだった。敷地面積は約1980平方メートル、母屋は延床面積約120平方メートルで、田の字型に配置された4部屋と土間などがある。離れは約10平方メートルで、机やいすなどを備える。 同大は八郷地区で2017年から、かやぶき屋根や古民家などの調査を実施していた。18年、持ち主の鈴木一志さんが、空き家になっていた古民家を石岡市に寄贈。市が筑波大に無償で貸し出し、大学による修復の検討が始まった。 大学院生が基本設計をし、19年、つくば市の里山建築研究所(主宰・安藤邦廣筑波大名誉教授)が実施設計をして、最初にかやぶき屋根をふきかえた。かやの材料のススキはつくば市大穂の高エネルギー加速器研究機構の敷地内で刈り取り、延べ200人を超える学生や石岡市の住民らが協力した。

筑波大、延長で逆転勝利 天皇杯本戦へ

第25回茨城県サッカー選手権大会兼天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会茨城県代表決定戦は8日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催され、筑波大学蹴球部が流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎を3-1で破り、天皇杯本戦への出場を決めた。前半に1点を失い後半には退場者を出すという苦境を乗り越え、延長で逆転を果たした。 第25回茨城県サッカー選手権兼天皇杯県代表決定戦筑波大学蹴球部 3ー1 流通経済大学前半 0-1後半 1-0延長前半1-0延長後半1-0 筑波大は前半、4-5-1の布陣から中央のFW和田育、MF田村蒼生が核となって攻撃を展開。流経大はFW山本晃太朗、FW細野晃平の2トップによる4-4-2で、前から積極的にプレスをかける。次第に筑波大はMF山崎太新、MF角昂志郎らがワイドから仕掛け、それに対しドラゴンズがカウンターでチャンスをうかがうという流れに。 前半35分、ドラゴンズは山本が筑波大の守備ライン裏へ抜け出し、GKとの1対1から先制に成功。筑波大はパスがゴールに向かわない悪い流れに陥る。

嘉納治五郎の書を初公開 筑波大体育ギャラリーリニューアル

東京2020まで五輪の系譜たどる 筑波大学(つくば市天王台)体育ギャラリーが31日、リニューアルオープンした。明治時代、日本のオリンピックの礎を築いた同大ゆかりの柔道家、嘉納治五郎直筆の書から、昨年の東京五輪で活躍した筑波大出身アスリート49人の写真パネルまで、五輪にまつわる約90点の資料や記念品を展示し、同大にかかわる五輪の系譜をだとっている。 同ギャラリーは新型コロナ感染拡大防止のため約1年半休館していた。今回、内容を一新して再オープンした。 展示されているのは、初公開となる嘉納直筆の書、昨年7月つくばで開催された東京五輪聖火リレーのトーチ、昨年の東京オリンピック・パラリンピックで活躍した筑波大出身アスリート49人の写真など。 嘉納治五郎直筆の書について説明する大林太朗体育系助教

創薬研究に産学連携拠点 筑波大 クライオ電子顕微鏡お披露目

筑波大学生存ダイナミクス研究センター(TARAセンター、つくば市天王台、林純一センター長)は16日、クライオ電子顕微鏡施設のオープニングセレモニーを開いた。競争激化する創薬研究で必須となっている構造解析に不可欠な装置で、セレモニーには研究者ばかりでなく産学官の関係者が集まり、研究の加速、利用の拡大への期待を語った。つくばにおける2号機、3号機となる2台がお披露目された。 クライオ電顕は、液体窒素温度条件下(クライオ)でタンパク質などの生体分子に対して電子線を照射し、試料の観察を行うための装置。タンパク質の立体構造を高分解能で決定する手法として、目覚ましい技術革新を遂げている。2017年その開発に貢献した研究者3人にノーベル化学賞が授与された。以来、日本でも関心が広がり、つくばでは2018年4月に高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所に最初の1台が導入された。 タンパク質の構造解析に威力 TARAセンターには、電子を200キロボルトと300キロボルトにそれぞれ加速する2台の装置が導入され、このほど稼働を開始した。国の2020年第3次補正で総額32億円、全国3拠点に6台のクライオ電顕を措置したうちの2台。新型コロナウイルスや創薬研究のための構造解析に向けた基盤構築を早期に実現するのを目的に、日本医療研究開発機構(AMED)が導入先を選んだ。 導入を指揮した岩崎憲治教授らによれば、クライオ電顕は試料を凍結したまま観察することができるため、タンパク質などの壊れやすい生体高分子、特に分子量の大きなタンパク質複合体の観察に適しているという。創薬研究では治療の標的物質に薬が「くっつくか」の見極めが極めて重要で、特に結晶化というプロセスを介さずにタンパク質の立体的な構造解析が可能なクライオ電顕の可能性は大きい。 装置や撮影技術の高度化の一方、測定試料の事前調製に精緻(せいち)な作業と膨大な労力が必要なのが課題だ。タンパク質の構造決定で自動化が実現すれば、下処理などにかかる回数や時間の大幅な改善が期待できる。遠隔化が可能になればパンデミックのような状況でも研究が継続できると見られている。

筑波大・佐藤隼輔投手 西武が2位指名 プロ野球ドラフト

左の本格派「目標は新人王」 プロ野球のドラフト会議が11日、東京都内のホテルで開かれ、筑波大の佐藤隼輔投手(21)が西武ライオンズから2位で指名された。指名を受けると佐藤投手は、緊張した表情をわずかに崩し「プロ野球選手としてのスタートラインに立つことができてほっとしている。家族に感謝したい」と話し「新人王を取れるよう頑張りたい」と意欲を燃やした。 宮城県仙台市出身の佐藤は最速152キロを誇る左の本格派。切れのあるスライダー、チェンジアップを武器に、2年秋には大学日本代表に選出された。 会見で佐藤は「先発・中継ぎ問わず、1年目から年間通して活躍し、新人王を取れるよう頑張りたい。将来は侍ジャパンに選ばれるような、日本を代表する投手になりたい」と目標を語った。目指す選手は、高校時代から憧れていたという楽天・早川隆久投手。対戦してみたい打者として、球界屈指の強打者、ソフトバンク・柳田悠岐選手をあげた。 筑波大では体の仕組みを学び、自身の投球フォーム分析をテーマに卒論に取り組む。つくばでの4年間を「仲間との充実した時間を過ごすことができた」と振り返り、「大学で学んだ『考えながらプレーすること』を今後も貫いていきたい」と話した。

筑波大、流経大に完敗 2年ぶり茨城ダービー

第95回関東大学サッカーリーグ1部前期第6節の筑波大―流通経済大(流経大)戦、通称「茨城ダービー」が15日、千葉県東金市の東金アリーナ陸上競技場で行われ、筑波大は1-3で流経大に敗れた。コロナ禍により茨城ダービーの開催は2019年以来2年ぶり。 第95回関東大学サッカーリーグ1部前期第6節 5月15日 東金アリーナ陸上競技場筑波大1ー3流経大前半0-2後半1ー1 両校は、今月9日にひたちなか総合運動公園陸上競技場(ひたちなか市)で行われた天皇杯県代表決定戦の決勝戦で対決し、延長戦の末、筑波大が流経大に2-3で惜敗した。筑波大は雪辱を期して臨んだが、流経大に返り討ちに遭った格好となった。 筑波大は、前半6分に流経大DF佐久間駿希(4年)にシュートを決められ失点を許した。同35分にも流経大FW満田誠(4年)にシュートを決められ2失点。巻き返しを図ろうとするも得点を決められず0-2と流経大優勢のまま前半を折り返した。 ハーフタイムに交代した筑波大MF田村蒼生(1年)が後半17分に1点を決めて1-2に持ち込み、流経大に一矢報いたが、同21分に流経大FW齊藤聖七(3年)に3点目を決められた。

筑波大 4月開校のS高で講義やデータ分析 角川ドワンゴ学園と協定

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)は29日、角川ドワンゴ学園(山中伸一理事長)と連携協定を締結した。同学園は、4月に筑波西中学校跡(つくば市作谷)に開校する通信制高校、S高を運営する。 高校、大学を通じたトップレベルの人材育成や教育・研究活動の充実に資することを目的とした協定で、筑波大教員らは、同学園が運営するS高やN高(本校・沖縄県うるま市)などの教育活動を支援したり学習機会を提供する。さらに、同学園が有するオンライン授業やアスリート及びアーティストの育成に関する大規模データを分析をしたり、双方が蓄積した知見やデータを活用した共同研究などをする。 具体的な協力内容について同大は「S高、N高の生徒に対し、筑波大教員が体育・芸術・情報・教育など専門分野の講義をしたり、反対に、同学園の生徒が筑波大学の研究室や授業を見学するなどが考えられる」とし、「同学園が展開するバーチャルリアリティ(仮想現実)によるオンライン授業に関して、学習効果の分析のほか、eスポーツ(コンピューターゲーム)に関する調査分析を行うことを具体的には想定している」と話す。 角川ドワンゴ学園は2016年に通信制高校N高を開校し、現在1万5000人以上の生徒がいる。生徒らが実際の教室で教師と対面しながら授業を受けるスクーリングの受け入れがいっぱいになることを見越して、つくばに2校目となるS高を開校する。 N高とS高のカリキュラムや学費の違いはない。イベントや部活動の参加に関しても、両校の生徒が同じ場で活動できる。異なるのはスクーリング。日程が両校で異なり、学校ごとに分かれて行う。ときには学校別の対抗試合を行うこともあるという。(山口和紀) ➡S高の過去記事はこちら

つくばセンタービル舞台に 筑波大生らアーティスト12人が作品

「廃墟」としてのつくばセンタービルを舞台とした美術展示会「狢PLAY(むじなプレー)―複数性のすみか」が14日、つくば駅前のつくば市吾妻、同センタービル1階アイアイモールとセンター広場で開幕した。筑波大学の学生グループ「平砂アートムヴメント2020」(阿部七海代表、芸術専門学群4年)が主催する=3月8日付。12人の若手アーティストの作品が展示されている。 旧公務員宿舎 室内を連続描写 市内の国家公務員宿舎跡の室内写真を連続的に描写する作品「Apartment(アパートメント)」を出展したのは生物資源学類4年の河津晃平さんだ。作品のコンセプトは「無人の空間」。「コロナ禍で大学から学生がほとんどいなくなってしまって、無人の廃墟的空間に興味を持つようになった。これまで市内の空きテナントや廃墟化した大学の様子などを撮ってきた。今回は大学の授業で訪れたある意味で廃墟となった公務員宿舎のあり方を表現しようと思った。(廃墟や空き店舗で展覧会を開いている)平砂アートムーヴメントは『廃墟の中でのアート』という意味で通底するところがある」という。 河津さんは同大を卒業後、東京芸術大学大学院に進学する。「環境に興味があり生物資源学類に入った。関心は変わらないが芸術という形で表現してみたいと思うようになった。誰もいない無人の空間とその美しさをこれからも探求していきたい」と語る。 頃安祐輔さんの「sound bugs」の一部。コンピューターでプログラムされた不規則なリズムで、食器やフライパン、湯飲みなどが鳴っている

卒業記念に一人展 気象女子の「旅のきろく」 16日から土浦

【相澤冬樹】この春、筑波大学大学院教育研究科を修了、茨城県教員として採用が決まっている牛久市在住の石田理紗さん(23)の個展「旅のきろく展」が16日から、土浦市中央の「がばんクリエイティブルーム」で始まる。 筑波大学では地球学類、大学院では理科教育コースに学んだ。高校教育でいう理科4領域(物理・化学・生物・地学)のうち地学、中でも気象を専攻した。フィールドワークがものをいう学問分野、国内のみならず海外に旅した経験を得意の絵画に記録した作品展となる。 海外ではカナダのオーロラ、オーストラリアの巨石ウルル、ロシアのバイカル湖などを見に、厳しい環境の大自然を旅してきた。アクリルガッシュによる小品中心に13点ほどを展示する。 春から高校で教壇に 土浦の街なかで個展を開くことになったのには経緯がある。石田さんは「高校、大学、大学院と見守ってくれた皆さんにご報告がてら、これまでをたどれたらうれしいじゃないですか」という。 出身高校は県立土浦二高(土浦市立田町)、冬のある日、あまりの寒さに通学路にあるカフェ城藤茶店(同市中央、工藤祐治さん経営)に飛び込んだ。同市内外から常連が集まる店だが、実は比較的年齢層が高い。地元の高校の女子生徒となると、にわかにちやほやされる。

アレルギー性鼻炎治療は「見える化」から 筑波大研究チームが無料アプリ公開

【相澤冬樹】スギ花粉症が勢いづくシーズン、筑波大学医学医療系の野口恵美子教授を中心とした研究チーム開発による無料アプリ「アレルギー性鼻炎レコード」が19日、公開された。症状と服薬状況を手軽に記録するiPhone向けアプリで、症状の「見える化」を通じて、患者と医療者のコミュニケーション改善を図るとともに、アレルギー性鼻炎に関連するデータの集積と解析を進めていく。 アレルギー性鼻炎は国民の約4割が発症しているといわれる。国民病といえるほどだが、命にかかわることがあまりないため、定期的に通院・治療を受けている患者は少ないと見られている。新型コロナの影響で、診療に向かう足はさらに遠のいている。 「症状の適切なコントロールのためには、日常的な症状や薬の使用状況を記録し、医療者とのコミュニケーションの改善を図ることが重要」と野口教授。従来は、症状日記として患者に紙で記録してもらうことが行われてきたが、利便性を欠くなどの課題があった。 そこで、アレルギー性鼻炎の患者向けに開発したのが、症状と薬の使用状況を記録するアプリ「アレルギー性鼻炎レコード」。利用初回に、症状や服用中の薬などについて回答してもらう。病院でもらう薬だけでなく、市販薬も一覧から選んで登録できる。その後は、日々の症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ)と薬の使用状況について記録していく。入力は1日1回、2~3分で済む。 入力内容は、症状の変化が見やすいようにグラフ化するなどし、メール送信することができる。この「見える化」により、情報を医師と共有したり、患者自身がどんな時期に調子が悪いのか、どんな薬を過去に使用していたのかを振り返ったりできる。 使用している薬を登録して、日々の症状を手軽に記録、変化もたどれる(同)

聴覚障害者支える技術を紹介 つくば院生ネット 21日「みんなの学会」

【山口和紀】「聴覚障害とテクノロジー」をテーマにしたオンラインイベント「第2回みんなの学会」が21日、開催される。筑波大大学院生らがつくる「つくば院生ネットワーク」が主催する。「みんなの学会」は昨年2月に初めて開催された。 第2回の今回は、音声認識を利用したコミュニケーションツールを開発する筑波技術大の若月大輔准教授、聴覚障害者に対するパソコン操作の指導を視覚的に助けるツールSZKITなどを開発する鈴木拓弥准教授、竹園東小学校の難聴学級担任の奥沢忍さんの発表などが行われる。 筑波大や筑波技術大の大学院生や卒業生などがイベントの企画に関わった。同ネットワークの田中萌奈さん(筑波大大学院1年)は「通常、学会というのは学問分野ごとに分かれ、発表や議論をする場だが、『みんなの学会』は専門分野や所属に関係なく参加できる学びの場」だと話す。 第2回のテーマは「コミュニケーションを支えるテクノロジー」だ。特に難聴者やろう者とのコミュニケーションにテクノロジーがどのように応用されているのかが紹介される。 当日も使用される遠隔文字通訳システム「captiOnline(キャプションライン)」は、機械学習を利用した音声認識による文字通訳がウェブプラウザのみで簡単に使用できる仕組みだ。音声が即座に高い精度で文字化され、音声会議ソフトに簡単に表示できる。イベントの登壇者の一人、若月大輔准教授が開発したシステムだ。類似の仕組みは複数あるが「特別なアプリやソフトをインストールすることなく、誰でも簡単に文字通訳を遠隔で利用できることがcaptiOnlineの強み」だという。 CaptiOnlineを実際のミーティングで使っている様子

筑波大1年生 オンライン性教育講座を企画 22日「語り合う場つくりたい」

【山口和紀】筑波大学の学生が22日、オンラインで性教育の講座を開催する。企画したのは教育学類1年の佐久田幸空(ゆきたか)さんだ。高校の頃から「性について話し合える機会が必要だと思っており、今回はその前段階として性教育に関する講義をしたいと思った」という。講座には筑波大生であれば誰でも参加できる。 佐久田さんはもともと「性教育」にぼんやりとした興味があった。教育全般を専門とする教育学類を進学先として選んだのには、そのことも影響していた。しかし進学後に分かったのは教育学類には性教育をメーンで扱う授業が開講されていないということだった。そこで「コロナ禍で時間はあるし、自分にできることをやってみよう」と思い立った。 イベントを計画する中で佐久田さんは、体育学群所属で学校保健学や健康教育学などを研究分野にしている教員と出会った。「先生と話す中で、小中高校の性教育を改めて振り返ることができた」と話す。一方で「自分の『性』について話し合える機会を作ることが大事」という認識も深まっていった。 佐久田さんの性教育への具体的興味は高校時代に「コンドームソムリエAi」さんのワークショップの取り組みを知ったことから始まった。Aiさんは本業の養護教諭のかたわら、コンドームの「実物を触って嗅いで引っ張れるアクティブラーニング性教育『コンドーム試触会®︎』」などを主宰している人物だ。「性教育は、学校で教えるだけの限定的なものではなくて、一人ひとりが考えていくこと」と佐久田さんは語る。 しかし、実際に「性について語り合える場」をつくり出すことの難しさも実感した。今回は、その前の段階として「性」についての講座を開こうと考えた。講座では、前半で「性教育とはなにか」についての佐久田さんが概論を伝える。後半で「避妊の具体的方法としてのコンドームや低用量ピル」「もし、避妊に失敗したら」という具体的な話を話す。 コロナ禍で大変な状況が続く筑波大学だが、一人の新入生が学問を真摯に実践しようとする試みを始める。

冬のキッズ工作体験 14日から動画公開 関彰商事と筑波大生がコラボ 

【山口和紀】地域の文化創造の場として関彰商事(関正樹社長)が運営している、つくば市二の宮のスタジオ’Sが、「冬のキッズアート体験2020-ONLINE(オンライン)」を14日からウェブで開催する。筑波大生が考案した工作のワークショップを動画や画像などで公開する。子供たちが動画を見ながら自宅で工作づくりを楽しめる内容だ。 キッズアート体験は、スタジオ’Sと筑波大生がコラボして毎年、夏と冬の年2回開いている。新型コロナウイルスの感染拡大から今年の夏はスタジオ’S単独の企画として行った。今回は、筑波大生とのコラボが復活した。 ワークショップで紹介する工作は全部で7種類。靴下で雪だるまをつくる工作や、たこ揚げのたこを作る工作など多様だ。オリジナルのクリスマスカードを作ったり、年賀状を作る工作もある。 企画には同大芸術専門学類の学生や大学院生が参加し、7種類の工作を考案した。ワークショップの一つ「靴下で雪だるまをつくろう」を企画したのが大学院1年の横堀玲奈さんたちのチームだ。靴下、綿、飾りつけ用のビーズ等を用意してもらって雪だるまを作る。「子どもたちが楽しめるよう身近なお店で手に入る材料で作れるよう考えたのが『雪だるま』だった」という。 およそ5分の動画で「雪だるま」の作り方を紹介する。内容のほとんどは「雪だるま」の胴体と帽子を作る工程となり、目やマフラーなどの飾りつけについてはあまり触れていない。横堀さんは「飾りつけ部分は子供たちが自分らしさを出せるように動画を短くした。どんな雪だるまにするかは子どもたちが自由に決めて欲しい」と語る。 去年までは子供たちと直接向き合ってワークショップを開催した。横堀さんは「去年は対面で実施された企画に参加し子どもたちと楽しい時間を共有することができた。今年の夏はコロナで一緒に活動できなかったが、今回からこういう形で協力できてうれしい」と話し、子供たちに工作体験を呼び掛ける。

筑波大生有志が主催 「つくばリサイタル」今年も

【山口和紀】筑波大生有志が主催するコンサート「つくばリサイタルシリーズー1日だけの異色の競演」が12日、つくば市竹園、カピオホールで開催される。出演者は福田廉之介さん(ヴァイオリン)、會田瑞樹さん(パーカッション)、高橋優介さん(ピアノ)の3人。同コンサートは「学生に気軽にクラシック音楽を楽しんでほしい」との思いから生まれた企画で、今年で9回目を数える。新型コロナ対策のため客席を半分とし、全席指定での開演となる。 コンサートは同大の学生有志で作るつくばリサイタルシリーズ実行委員会が主催している。企画の創設者である同大の江藤光紀准教授(比較文化学類)は「学生の皆さんにクラシックの楽しさを感じてもらいたい」と語る。 公演では江藤准教授が作曲した作品「さまざまな風―ヴァイオリン、マリンバ(ヴィブラフォン)、ピアノのための」も披露される。ヴァイオリン、打楽器、ピアノという珍しい編成の作品だ。「困難な時であればこそ、人びとに慰めや希望を与え、勇気を奮い起こさせる音楽を書かねばならない」との思いで作曲された。 キャスティングにも意図がある。演奏者の一人、ヴァイオリン奏者の福田さんは1999年生まれの21歳で、数々の国際コンクールでの入賞経験を持つ注目の若手だ。他の演者もそれぞれ20代と30代。若手に出演を依頼したのは「同世代の素晴らしい演奏を聞くことは、学生たちの心にひじょうに響くものがある」という意図があったからだ。 感染対策を入念準備 予断許さない状況も しかし、新型コロナの影響で、開催できるかどうかすらも分からない状況が続くという。11月下旬からつくば・土浦地域では感染確認者が目に見えて増えており、現在のところ、開催は可能との見通しだが、予断を許さない状況だ。

【新型コロナ】今度は入学式を中止 筑波大

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大を受けて筑波大学は13日、卒業式の大幅縮小(3月10日付)に続き今度は、4月の入学式を中止すると発表した。 同大は「新入生にとってかけがえのない行事を中止することは大変心苦しい決断だが、学生の健康と安全確保を第一に考え結論に至った」として理解を求めている。 入学式は4月5日に予定され、大学と大学院合わせて計約4700人が出席する予定だった。 新入生の大学での授業開始は8日、その前の5~7日には履修する授業の説明などをするオリエンテーションを実施する予定だ。大学院は5~6日にオリエンテーションを実施、7日から授業開始予定だが、同大はオリエンテーションや2020年度の授業スケジュールについては後日改めて新入生に通知するとしている。 新歓も中止、上級生は「ツイッター新歓」検討 入学式終了後は例年、サークルや部活動など各団体の上級生が、新入生に紹介チラシを配る「新入生歓迎祭(新歓祭)」が実施される。同大は学生に対し、現在予定されている新入生歓迎活動、特に「ご飯会」を含む集会活動の延期や中止を要請した。 これを受けて、新歓を取りまとめる新入生歓迎祭推進委員会は新年度新歓祭の本祭中止を決定した。さらに体育会、文化系サークル連合、芸術系サークル連合の3連合会も合同新歓の中止を決定した。サークル各団体も新歓を中止・延期するかどうか、現在、判断を迫られている状況だ。 文化系サークルの新歓担当者の1人は「今年は『ご飯会』を全面的に中止する。ワークショップなどを準備してきたが、どこかのタイミングで出来ないか考えている」と話し、「メジャーなサークルはオンライン新歓が有効かもしれないが、うちのような“弱小”サークルはどのように人を集めれば良いか悩ましい」と語った。 同大はツイッターをはじめとするSNSが盛んだ。新歓の中止要請を受け、複数の団体が「ツイッターで発信を強化する」と書き込んでいる。名古屋大学など他大学ではオンライン新歓をする動きもある。リモートワークならぬリモート新歓として「ツイッター新歓」や「VR(バーチャルリアリティー)新歓」が今年のトレンドになるのかもしれない。 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら

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香りでおもてなし《令和楽学ラボ》22

【コラム・川上美智子】関彰商事グループの事業所では、昨年度末より、お客様サービスの一つとして「香りでおもてなし」をスタートさせました。みらいのもり保育園(つくば市)でも、玄関と化粧室にアロマの瓶を置いて、香りを楽しんでもらっています。 専門領域である香り成分の機能性研究をしていた大学勤務の時代に、企業の香りづくりを思い立ち、要望があればお手伝いしています。その第1号は筑波銀行でした。香りを大切にされていらっしゃる藤川雅海前頭取からの依頼で、筑波銀行オリジナルの香りの調合を大手の香料会社に依頼し、顧客サービスとしてお店で流しました。それにより、その店舗の取引が上昇し、お客様の滞在時間が長くなったと聞いています。 第2号が、現在お世話になっている関彰商事です。関正樹社長の関彰商事ならではの香りを作りたいという思いを形にするため、4年前、社内に香りプロジェクトを立ち上げられました。語呂合わせから、アヤメ科の「セキショウ(石菖)」の香りも香料会社に調合してもらいました。この香りは個性が強すぎてボツになり、最終的には今、店舗などで嗅ぐことのできる、かんきつ系のグレープフルーツを想起させる爽やかな甘い香りに落ち着きました。 新型コロナの感染拡大の影響で、香りを希釈するエタノールが高騰するなど、実現までには紆余(うよ)曲折がありましたが、昨年には社内のデザイナーがアロマ・オイルを入れる涼やかな容器瓶を完成させ、実現に至りました。アロマの利用法としては、ディフューザーで空間に流す、手指消毒やルーム用のスプレーに賦香(ふこう)する、名刺に賦香するなど、様々な香粧(こうしょう)品が考えられますが、自社内利用の展開が期待されます。 香りは生命を支える重要な物質 ところで、香気物質はppm単位(100万分の1)の、ごく微量で嗅覚を刺激して環境やモノの情報を伝える情報伝達物質の機能をもっています。それは、ヒトだけでなく、地球上の動植物にとっても不可欠の情報伝達物質として働いています。一つの食品に含まれる通常100種以上の香気化合物が、その食品の特性となって、我々にりんごかイチゴか、あるいは新鮮だとか腐っているかを伝えてくれます。

最優秀賞に山口栄司さん 土浦の写真コンテスト表彰式

第17回「土浦の写真コンテスト」の表彰式が28日、土浦市大岩田の国民宿舎水郷「霞浦の湯」2階会議室で開かれた。主催は同市観光協会(中川喜久治会長)。最優秀賞(茨城県知事賞)に選ばれた、つくば市在住の山口栄司さん(80)ら13人が出席し、表彰を受けた。 市内の景観・催事などをとらえた、本人撮影のおおむね3年以内の作品という条件で、昨年秋に募集され、県内外から68人、248点の応募があった。審査の結果、8月の「キララまつり」を撮った山口さんの「彩り鮮やか」のほか、宮本尚男さん(阿見町在)の「ちびっ子ライダー」、糸賀一典さん(千葉県柏市)「レンコン収穫」、仲沢彩さん(土浦市)の「茨城クロス・決戦は土浦で!!」の優秀賞3作品、入選16作品が選ばれた。 表彰を受ける山口さん(左) 最優秀賞受賞の山口さんは「趣味で催事の写真を撮っているが、このような素晴らしい賞をいただけてうれしい。今後も技術を磨き応募していきたい」と語った。 審査員のオダギ秀さん(75)(日本写真家協会会員・土浦写真家協会会長)は「昔は撮るぞーっと構えている写真が多かったが、最近は気楽に撮っている人が多くなった。土浦の良さが自然に伝わってきて、好感が持てる。今後も幸せを感じた瞬間を撮り続けて欲しい」と感想を述べた。(榎田智司) ◆展示会は29日から3月3日まで土浦まちかど蔵「野村」(土浦市中央)で、同4日から31日まで小町の館(土浦市小野)で開催。入選作品は土浦市観光協会のホームページに掲載されている。

ナラ枯れ対策 子どもたちの活躍《宍塚の里山》97

【コラム・小礒慶子】みなさま、ナラ枯れという言葉を聞いたことがありますか? どんぐりの木が夏に急に枯れてしまう病気です。全国的にも問題になっており、茨城県内では2020年につくば市で被害を確認し、3年間で被害が急拡大しています。これは体長5ミリほどの甲虫カシノナガキクイムシ(カシナガ)が原因です。 私たちの会でナラ枯れ対策ボランティア活動をしている小学生とその保護者5家族が「カシナガバスターズ」です。活動場所は土浦市にある宍塚大池周辺の里山です。 カシナガは一生のほとんどを木の中で過ごし、5~10月に成虫になり木から出て、健全なナラ類の木へ飛来します。カシナガは樹幹に爪ようじ程の小さな穴をあけ穿入(せんにゅう)し、ナラ枯れの原因となるナラ菌を持ち込みます。カシナガの繁殖力は強く、1ペアが木に入り込むと翌年には数百匹に増えてしまうので、この期間にできるだけ多く捕獲するのが重要になります。 捕獲するために、A4クリアファイルを使ったトラップを作り、狙われている木に設置します。トラップにかかったカシナガが逃げ出しにくいように、捕虫部分に水を入れる構造ですが、カシナガ以外の虫も入ってしまい、水死していました。一昨年この問題を解決するため、小学生の兄弟が、大きな虫が入らないようにネットをつけ、トラップを改良してくれたおかげで、昨年はたくさんの虫を救済することができました。 被害木は、21年は13本、22年は56本と拡大をしたので、トラップの設置数も増えました。真夏の暑さと蚊やスズメバチが飛び交う中での水替え・回収作業は大変でした。そこで作業時間を短縮するために、トラップの代わりにレジャーシートやラップなどを幹に巻く実験も行いました。そのほか、情報の共有化のため、被害木に番地をつけ、マップを作りました。

近代化の主役、鉄道を楽しむ乗りテツ 《遊民通信》57

【コラム・田口哲郎】前略 2022年は鉄道開業150年、日本初の鉄道が新橋―横浜間で営業を開始した記念すべき年でした。鉄道が150周年ということは、日本の近代化も150周年ということになります。もちろん、どのタイミングを近代化のはじまりとするかは、いろいろ意見があると思います。しかし、人びとの生活を実質的に大きく変えたという意味で、鉄道は近代化の象徴と言えるでしょう。 開業以来、鉄道は人びとの生活に影響を与え続けてきました。いや、支配し続けてきました。コロナ禍の前まで、鉄道の特権的地位は揺るぎないものでした。自動車や飛行機があるではないか、と言われるかもしれませんが、車や飛行機の普及は鉄道よりもずっと後です。近代化を先頭切って突き進んだのは鉄道です。 鉄道は人の移動と物流を激増させ、中央集権的な社会をつくりあげました。江戸時代は人びとの社会単位は村でした。今よりずっと小さい村が無数にあり、それを藩がまとめていました。その限られたテリトリーを鉄道はうちこわして、大きな単位でも人びとが生活していける経済圏を成り立たせたのです。 さらに、鉄道は人びとの時間の感覚を近代化しました。むかしは徒歩や馬の速さでまわっていた時が、鉄道の速さで流れます。定時運行とスピードが、人びとの生活を仕切るようになったのです。ようするに、のんびりがセカセカになりました。資本主義経済が人びとの欲望を刺激して、もっと豊かに、よりはやく、より安く、がよしとされる社会の誕生です。 コロナ禍で人間の物理的移動が広い範囲で制限されてはじめて、鉄道の存在意義が問われることになりました。自動車、飛行機だって人や物を乗せて移動するので、電子情報だけをのせる通信網に速さではかないません。