日曜日, 4月 28, 2024
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筑波実験植物園 -検索結果

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ネット配信に工夫凝らし 24日まで科学技術週間 つくば

「発明の日」の18日に始まった科学技術週間は24日まで。つくば市内の教育・研究機関でも、各種イベントが展開中だ。新型コロナ感染対策から、施設公開やトークイベントなどをオンラインで行う一方、研究開発に取り組む現場の映像を配信するなど、工夫を凝らしたインターネット上での紹介が大半を占めている。(橋立多美) 宇宙と物質の謎配信 高エネルギー加速器研究機構(KEK)22日に東海村からサイエンスカフェ「大強度陽子加速器施設(J-PARC)で探る宇宙と物質の謎」を生中継する(午後6時~8時、要事前申し込み)ほか、つくばキャンパスの常設展示施設「コミュニケーションプラザ」にある霧箱を使って「宇宙からやってくる自然放射線を観察する」(午後5時半~8時)。23日は量子を題材にしたアニメの紹介や加速器のオンラインツアーが企画されている(午後1時~3時半)。いずれも参加は無料。配信はYouTube(KEKチャンネル)1日目=https://youtu.be/3muAqQSO04E 2日目=https://youtu.be/POV1rikg284   https://www.kek.jp/ja/ ショートムービー&トークライブ配信 産業総合技術研究所(AIST)日々研究に奮闘する現場にカメラを持ち込んで仕上げたショートドキュメンタリームービーを21日まで連日配信。題して「研究の日常は、非日常だ」。ムービーは研究部門ごとに編集され、驚きとワクワクにあふれた非日常空間を楽しめる。22日午後7時半からはムービー出演の研究者たちによるトークイベントが開催され、研究成果を生み出すための地道な作業などが語られる。ショートムービーは産総研公式 Twitter(https://twitter.com/AIST_JP)または YouTubeで。トークイベントの視聴はサイエンス・スクエアつくばのホームページから。参加無料。 食と農の科学館オンラインツアー 農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)「食と農の科学館」をバーチャルで体験できるオンライン特設サイトを5月8日まで開設する。2021年度に新たに展示された植物工場の模型、超極細シルクドレス、農作業事故体験VR(バーチャルリアリティー、仮想体験)を動画で紹介などする。クイズやプレゼント企画などもある。特設サイトはこちら。 非常識な『ミカタ』~材料の科学者はこう考えた~ 物質・材料研究機構(NIMS)24日午前10時から、最先端材料開発の現場から装置や技術をYouTube、ニコニコ動画で配信する。非常識な「ミカタ」から生まれた材料がいっぱいのNIMSのラボからラボへと生潜入。最先端材料開発の現場から、研究者のユニークな視点・発想で生まれた材料・装置・技術を紹介する。登録なしで誰でも視聴できる生放送「ラボぶら」はこちらから。 特設サイトで発信 国際農林水産業研修センター(JIRCAS)一般公開用の特設サイトを設け、農業や食料をテーマにした6人の研究者によるミニ講演や、360度カメラで撮影した「動物目線から見た景色」、スタンプラリークイズなど、子どもから大人まで楽しめる企画を用意。24日午後1時からパネルディスカッション「変わりゆくアフリカ~研究者が現地で見たアフリカの農業・食料」のライブ配信が行われる。視聴は国際農研一般公開特設サイトで。 オンラインでつながろう! 国際協力機構(JICA)筑波国際センター21日午後6時半~8時、「国際協力のおしごと座談会!」(対象:高校生・大学生・一般、定員50人)。23日午前10時~11時45分。「つくってみよう世界の料理!~ガーナ“ジョロフライス”」(対象:小学生=保護者同伴=から一般、定員15組)、ZOOMによるオンライン開催。内容はこちら 視覚障害に配慮した学び体験 筑波技術大学春日キャンパス視覚と聴覚障害者のための国立大学法人・筑波技術大学が科学技術週間のイベントとして、視覚に障害のある学生たちが勉強している春日キャンパスを一般公開する。キャンパスには視覚障害の学生が在籍する保健科学部があり、障害に配慮された学習環境を見学するだけでなく、触覚を用いる教材や音声読み上げソフトウエアなど、さまざまな支援機器を体験できる。公開は22日午後1時~4時半、正面玄関脇の図書館入り口で受付。団体の場合は大学総務課広報・情報化推進係に問い合わせ(電話029-858-9311)を。https://www.tsukuba-tech.ac.jp/department/hs/ このほかの主な公開は次のとおり。 ▽筑波大学 スーパーコンピューターと学際計算科学の最前線など研究室紹介の動画配信。宇宙史研究センターによる「宇宙の誕生から銀河の形成」は力作。宇宙の始まりから銀河の形成、さらにその先まで、宇宙の歴史の5日の場面でとらえ、その最新研究の様子を届ける。視聴はこちらのメニューから。 ▽JAXA筑波宇宙センター 科学技術週間期間中、館内休憩室でJAXAの取り組みや最新の情報をショートムービーで紹介する。現在、一般見学は事前予約制、見学の案内サイト(https://visit-tsukuba.jaxa.jp) ▽産総研・地質標本館 2021年に発信した特筆すべき研究成果14件をまとめてウェブ会場から紹介。地質標本館は3月16日深夜の地震により一部不具合が生じ、点検と必要な修繕のため臨時休館中。6月末までの新たな来館予約を停止している。 ▽国立公文書館つくば分館 春の企画展「ゆっくら温泉ー江戸時代の湯めぐり」は終了した。新旧憲法、終戦の詔書(しょうしょ)などのレプリカ展示は常設で行われている。午前9時15分~午後5時、土日祝日休館。 ▽国土技術政策総合研究所 津波越流に対する海岸堤防に関する実験や、災害時の道路交通維持に貢献する道路基盤実験施設など、Webでの公開のみ。視聴はhttp://www.nilim.go.jp/ ▽土木研究所 研究所の紹介、免震橋や津波でも流出しにくい橋などの実験を配信。Webでの公開のみ。 ▽NTTアクセスサービスシステム研究所 細いガラス製の「光ファイバ」でさまざまな情報を伝える仕組みや、通信基盤を支える技術を紹介する。 ▽国土地理院「地図と測量の科学館」 企画展「緯度経度 世界共通の正確な『ものさし』へ」を開催。測量用航空機くにかぜの内部公開は21日午前10時~午後3時、雨天中止。 ▽つくばエキスポセンター=企画展「錯視の世界~あなたは今度もかならずだまされる」、科学のポスター展、科学技術映像祭など科学の不思議を体験できる。科学技術週間中は入館料が割引(大人200円、子ども100円)。 ▽筑波実験植物園=24日まで「さくらそう品種展」。100種類を超えるサクラソウの園芸品種を、江戸時代から続く伝統的な方法で展示する。一般320円(税込み)、高校生以下・65歳以上は無料。入園は午前9時~午後4時半。https://tbg.kahaku.go.jp/

ジオパークで学ぶユニバーサルデザイン(下) つくばの取り組みを発信

ユニバーサルデザイン(UD)が評価され再認定された筑波山地域ジオパーク。2019年2月には、「日本ジオパークネットワーク関東大会」(筑波山地域ジオパーク推進協議会主催)がつくば市などで開かれ、これまで筑波山地域で積み重ねられたUDの取り組みが発信された。 ノンステップバスで学び体験 関東地方のジオパーク関係者が集まり、活動を推進するための方法などを考える大会で、持ち回りで開かれている。2日間の日程のうち、1日目に「ユニバーサルデザインを学ぶジオツアー」が、2日目は「ジオパークとユニバーサルデザイン」と題した分科会が開かれた。 ツアーでは、通常も運行しているノンステップバスを利用し、産業技術総合研究所・地質標本館(同市東)や国立科学博物館・筑波実験植物園(同市天久保)を訪れた。それぞれ3D立体模型に触れて筑波山の地形を、手話で筑波山の植物を学ぶ体験ができた。学びながら、ユニバーサルデザインを体験し、今後、それぞれの地域のジオパークで何ができるかを考えてもらうのがねらいだ。 分科会では、筑波山ジオガイドとしても活動している特別支援学校の教員が、同じ情報を伝える際も、視覚的な図などを用いて説明すると、障害のない人にも分かりやすいことを解説した。また、参加者が目隠しをし、様々な小石を触り、手触りの違いと地質学的背景の関連を学ぶ体験もした。 推進協議会の会員で、市民団体「つくばバリアフリー学習会」代表の北村まさみさんは「興味を持ちづらいジオを、誰にでもわかりやすく伝えることは、ジオパークにとっても大切なこと。UDを意識することで、すべての人にとってわかりやすく、深い学びになる」と語る。 評価から、さらに高まる関心 関東大会に参加した他地域のジオパーク関係者からは、「たくさんの気づきを得られた。自分たちの地域でも実践してみたい」「UDへの意識向上にジオパークを利用してもいいかもしれない」という声が聞かれた。北村さんは「社会の中でUDを学ぶ機会があまりない。ジオパークの中でUDにも触れてもらえる機会をこれからも作っていきたい」と話す。 つくば市ジオパーク室の伊藤祐二室長も「つくば市は筑波技術大学等の施設もあり、ジオパーク関係者もUDへの意識が高いメンバーがそろっているため、UDの活動を全国のジオパークに発信していきたい」と話す。 今回の再認定でUDの活動が評価されたことから、これまでジオパークの活動に関わりながら、あまり関心がなかった人からもUDについてのアイデアが出てくるようになった。コロナが収束し、関東大会でもおこなったような、多様な人が関われるツアーやワークショップを再開できることを心待ちにしている。

再認定! 決め手はユニバーサルデザイン 筑波山地域ジオパーク

【相澤冬樹】日本ジオパーク委員会(JGC、中田節也委員長)が5日開かれ、筑波山地域ジオパークの「再認定」を決めた。審査結果は同日、つくば、土浦、かすみがうら、石岡、笠間、桜川の6市からなる同ジオパーク推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)の事務局本部になっているつくば市に伝えられた。五十嵐市長は「再認定は、これまでの筑波山地域ジオパークの活動が評価された結果。持続可能な地域社会を目指し、多くの方にその魅力を知っていただけるよう、活動を進めて参ります」とコメントを出した。 コロナ禍の逆境バネに 日本ジオパークは全国で43地域が認定されている。継続には4年に1度、JGCの審査を受けなければならない。今年度の再認定審査地域になっていたのは 11地域で、筑波山地域ジオパークを含む9地域が「再認定」された。今回も2地域が「条件付き再認定」 となったように、「再認定」には不断の地道な地域活動が問われる。「条件付き再認定」は2年後に再審査となり、再審査をパスできないと認定が取り消される厳しさだ。同地域は認定を受けた16年の段階で、JGCから13の課題が示されていた。事務局体制の強化などに取り組まれてきたが、多くが課題解決には至っていない。今年度に入りコロナ禍から活動の積み上げが難しくなり、市民組織である認定ジオガイドの新規募集も取り止め、ジオツアーなどの実地活動も停滞した。1月13日から15日にかけ委員会による現地調査が行われたが、事務局では緊張感を持っての受け入れとなった。5日の審査で、筑波山地域については「4年前の審査時の指摘事項について、解決に向けた取り組みが進んでいる。認定ジオガイドの育成、市民活動の推進、6市の市議会による『ジオ議連』の結成、認定商品のブランド化等を通じて、さまざまな人や組織が積極的に参加するようになった。特にユニバーサルデザインの取り組みは注目に値する。今後は、サイトの見直しを早急に進め、さらなる事業の展開を図ってほしい」との評価から「再認定」が決まった。ユニバーサルデザインの取り組みは、障害の有無や年齢、性別などにかかわらず、多くの人々が利用しやすいよう事業を展開するする考え方。たとえば県科学技術振興財団の運営するノンステップバス「サイエンスツアーバス」を使い筑波実験植物園や地質標本館を見学する催しで、手話通訳をつけたり、直接手で鉱物に触れるなどの工夫を講じた。事務局本部のつくば市ジオパーク室では「コロナ禍対応のため、逆に各市間の連絡がリモートを通じ密になり、一方ジオガイドも内部研さんに注力することができた。この辺が評価してもらえたと思っている」(伊藤祐二事務局長)とした。4年後の再度の「再認定」に向け、取り組みの達成度を上げていきたいとし、「そのためにも晴れてジオサイトで活動できる日が来るのが待ち遠しい」という。6市エリアから構成される筑波山地域ジオパークは、日本百名山にも選ばれている「筑波山」をはじめ、日本第2位の湖面積を誇る「霞ケ浦」、日本最大の平野「関東平野」など、日本を代表する大地の遺産を楽しめるジオパーク。16年に国内で41番目の日本ジオパークとして認定された。

小春日和に季節外れのシバザクラ つくば市小田の登山口

【相澤冬樹】小春日和にシバザクラの花がほころんだ。つくば市小田の宝篋山登山口(小田城コース)の花壇ではシバザクラが時期外れの花をつけて、登山客らの目を楽しませている。 シバザクラは通常、4月から5月にかけて、ピンク色などの花を咲かせる。ところがポカポカ陽気の7日、色づく紅葉に多くの登山客を集めた宝篋山では 、シバザクラの咲きそろう花壇が足を止めるスポットになっていた。  筑波実験植物園の前園長、岩科司さんに聞くと、今の時期の開花は「狂い咲き」といっていいという。「コスモスなど秋の花は日照時間に合わせて花を咲かすが、桜やツツジなど春の花は温度に反応するので、寒い日が続いた後に気温が上がったりすると間違って咲いてしまうことがある」そうだ。今年は7月の長雨、日照不足などの影響から、いくつかの植物に変調がみられるようだ。 シバザクラは小田地域まちづくり振興会が中心となる「小田山を芝桜でキレイに飾ろうプロジェクト!」によって植えられた。つくばR8地域活性化プランコンペティション2019に採択プランされ、ちょうど1年前の10月末に住民参加で植栽イベントが行われた。 125号国道脇の登山口、それまでの耕作放棄地を整備した花壇は約300平方メートルの広さがある。植栽から半年たった4月から5月にかけ、一斉に花をつけたものの、新型コロナの感染拡大の影響から集客イベントは行えず、関係者を残念がらせた。 同振興会では、さらに花が増える「2年目こそ」と期待をこめて花壇の手入れにいそしんでいる。岩科さんによれば「シバザクラは細かい芽をたくさん持っているので、狂い咲きしたといっても来春に影響を残すことはない」ということだった。

るるぶ「つくば国際会議場」発行

【山崎実】つくば国際会議場(つくば市竹園)は、首都圏などでの新規顧客の開拓と創出を目指し、従来のパンフレットに加え、新たに「るるぶ特別編集『つくば国際会議場』」を作成した。会議場のようなコンベンションホールやアリーナなどの類似施設が「るるぶ」を作成するのは全国で初めての試みという。 主な掲載内容は、同会議場のホール&会議室ガイドのほか、周辺観光スポット、グルメスポットの案内などで、同会議場ガイドは、会議場がどのような施設で、どのようなことができるのか、会議場にあるホールや会議室などの具体的な利用例を写真を交え、分かりやすく紹介している。 周辺観光スポット「サイエンススポット巡り」は、JAXA筑波宇宙センターをはじめ国立科学博物館・筑波実験植物園、産業技術総合研究所・地質標本館など最新の科学を堪能できる施設を盛り込んでいる。 さらには、つくばに初めて来た人たちのためのグルメスポット(つくばラーメンなど)や、人気の土産品までを網羅し、紹介している。 同会議場は1999年の開業以来、昨年のG20茨城・つくば貿易デジタル経済大臣会合や国際会議、イベントの舞台として、県内外の大学、研究機関、企業などから利用されてきた。新たな局面への事業推進の一環としてガイドパンフレットを作成した。 今後は、JTBの協力で全国90支店での営業活動に今回のパンフレットを活用するという。問い合わせは同会議場(電話029-861-1205)

つくばの標本470万点を経営資源に 国立科学博物館がイノベーションセンター設立

【相澤冬樹】国立科学博物館(科博、林良博館長)は27日、つくば市の科博筑波研究施設に報道関係者らを集め、約470万点に及ぶ科学系標本を収めた収蔵庫を特別公開した上で、「科学系博物館イノベーションセンター」(池本誠也センター長)の設立を発表した。これらのコレクションを、東京・上野の科博本館と結んでのバーチャル展示をはじめ、地方の科学博物館と連携しての巡回展などに役立てることで、博物館の経営資源としても活用、収益を研究人材の育成に振り向けていく枠組みを想定している。 同センターは政府の文化経済戦略(2017年度策定)に基づく立ち上げで、設立発表には宮田亮平文化庁長官、文科省の中村裕之政務官らも出席。力の入れようをうかがわせた。博物館資源を活用した経営基盤の強化、地域博物館も含めた事業活性化を取り組みの目標に掲げており、そのベースとなるのが筑波研究施設の約470万点に及ぶ標本資源だ。1877年に創立した科博の140年にわたる収集活動の成果だという。 この保管のため整備された筑波研究施設は2012年に開設、8階建ての自然史標本棟には各階1100平方メートルの標本室が確保され、植物、動物、地学、人類、理工学の研究部の標本が収められる。同じ敷地にある筑波実験植物園は一般に公開されているが、収蔵庫は科学技術週間の行事開催時を除き、一般公開されていない。 上野本館と結んでバーチャル展示 2001年に独立行政法人化された科博は当時90万人だった入場者を、第4期に入った現行の中期計画平均で267万人にまで増やしてきた。21年から5カ年の第5期では300万人にまで増やす計画を立てている。科博イノベーションプランと銘打っており、「科学を文化として育む博物館への展開」(林良博館長)を目指している。 入場者数には筑波実験植物園の分も含まれるが、同プランでも収蔵庫の公開は考えていない。標本管理のため温湿度や空調を一定に保つ必要などから公開が難しい。このためデジタルアーカイブ化して上野本館と結んだバーチャル展示などに活用する。 また各地の科学博物館に動物の骨格標本を貸し出したり、共同での巡回展も企画して、新たな収入確保につなげたい考え。センターは科博の横断的な組織として、11人のスタッフにより立ち上げており、来年度には「化石」をテーマにした事業が具体的に動く見通しになっている。

還暦の科学技術週間 青少年向けにシフト つくばで一般公開

【相沢冬樹】「発明の日」の18日がめぐってくるとつくばは「科学技術週間」に入り、教育・研究機関はこの週末に一般公開のピークを迎える。今年は60回目の節目の年。つくば地区ではかつて、民間研究所を含め50以上の機関が一斉参加し、意匠を凝らした展示で華やかさを競ったが、平成の間に研究所の統合や規模の縮小などあって、今回の公開機関数は28となった。内容的にも企業向けに研究成果を発表する形式は姿を消し、青少年向けのプログラムを用意して研究者と交流するスタイルが目立ってきた。 「元素のチカラ」見せる黒い炎…物材機構 はっきり「若者向け」を打ち出したのは、物質・材料研究機構(NIMS)。「材料科学」はわが国の科学・経済のけん引役ながら、少子化や若者の理科離れの中、優秀な人材確保が難しくなっており、危機感を募らせている事情が背景にある。21日の一般公開では、子供たち向けの体験プログラムとは別に、高校生や大学生向けのプログラムを用意した。 折から2019年は元素周期表ができて150周年を迎えることから、「元素のチカラ」をテーマに講演や講座を開設する。特別講演は花火師の山崎茂男さんによる「花火“奇跡の3秒”を生む元素の力」、体験講座では食塩とメチルアルコールから「黒い炎」を作り出して、その元素の謎解きをする。公開は21日午前10時~午後4時、NIMS千現・並木・桜地区同時開催となる。 →https://www.nims.go.jp/openhouse/ 高校生・大学生限定で…国立環境研 今回から対象を高校生・大学生に限定し、一般公開を取りやめたのは国立環境研究所。20日午後1時から開催の「春の環境講座-地球のおくのほうまで見てみよう」は、環境問題について少人数で研究者と語り合う3つのイベントに、高校生・大学生を 50 人限定で募集した。職員採用に関する相談コーナーまで設けた。 →http://www.nies.go.jp/whatsnew/20190326/20190326.html キッズ・ユニバーシティ…筑波大学 筑波大学は、その名も「キッズ・ユニバーシティ」(子供大学)と銘打って、児童・生徒向けのプログラムを組んだ。20日午前9時~午後5時、最新のスーパーコンピューターの見学会やホタル飼育、科学遊びラボなどを設けるほか、高校生以上対象に知能機能システム専攻公開、地上ロケットエンジン燃焼試験などを行う。限定公開の大学地底探検ツアーも各回25人で4回行われる。 →http://www.tsukuba.ac.jp/event/e201903181000.html このほかの主な公開は次のとおり。 ▽国立公文書館つくば分館=20日までの午前9時15分~午後5時、企画展「明治を支えた情報通信」 新旧憲法、終戦の詔書(しょうしょ)などの展示。 ▽高エネルギー加速器研究機構=20日午前9時30分~午後4時30分、施設見学ツアー Belle II(ベルツー)測定器&フォトンファクトリー、サイエンスカフェなど。 →https://www.kek.jp/ja/newsroom/2019/04/02/1600/ ▽建築研究所=21日午前9時~午後4時、実大構造物実験棟など研究施設のツアー見学(予約制、電話029-864-2151)ほかドローンシミュレーターによる操縦体験など。 ▽国土技術政策総合研究所・土木研究所=19日午前9時~午後4時、試験走路、京都・桂川の河川模型などの実験施設見学、VRで建築現場体験など。 ▽NTTアクセスサービスシステム研究所=17日午前9時50分・11時50分・午後2時20分・4時20分の4回に分け光ファイバーを使った通信技術をツアー形式で紹介。 ▽防災科学技術研究所=21日午前10時~午後4時、「生きる、を支える科学技術」をテーマに地震ザブトンによる揺れ体験、ゲリラ豪雨体験、ペットボトルで地震計を作るコーナーなど「ぼうさいミュージアム2019」の開催。 →http://www.bosai.go.jp/event/2019/openhouse/index.html ▽国立科学博物館筑波研究施設・筑波実験植物園=21日午前10時~午後4時、「科博オープンラボ2019」。ツアー形式で標本室をめぐる見学会。動物研究部、植物研究部で参加型の特別企画など。21日は筑波実験植物園入園料が無料。 →http://www.kahaku.go.jp/event/2019/04open_labo/ ▽筑波技術大学=19日午後1時~、視覚障害に配慮した学習環境と支援機器の体験。 ▽つくばエキスポセンター=21日まで入館料200円(子供100円)割引。20日と21日にサインスショー、宇宙アサガオの種プレゼントなど。21日は江戸川学園取手小、塚原佳那子さんの一日館長。 ▽日本自動車研究所=20日午前10時~午後4時、「のぞいてみよう! クルマの研究所」。真冬の試験環境体験や水素・電気で走るクルマに同乗体験。 ▽JAXA筑波宇宙センター=19日まで午前9時30分~午後5時、筑波宇宙センタークロスワードパズル(プレゼント付き)、超小型三軸姿勢制御モジュール紹介(実演付き)など。 ▽産総研・地質標本館=16日~7月7日開催の特別展「宇宙(そら)から地質(ジオ)―衛星でみる地質」関連特別講演会=20日午後2時~4時 2講演を予定。入場無料。 ▽産業技術総合研究所つくばセンター=20日午前9時30分~午後5時、ミニトーク「トンボの不思議」、研究室見学「両生類ふれあいツアー」ほか、いずれも予約制。 →https://www.aist.go.jp/sst/ja/event/sq20190420/index.html ▽気象研究所・高層気象台・気象測器検定試験センター=17日午前10時~午後4時、気象研では講演会「異常気象と地球温暖化」など、高層気象台ではジェット気流の発見に関わる展示など、試験センターでは気象測器の展示・説明。 ▽国土地理院・地図と測量の科学館=18日午前10時~と午後4時~、測量用航空機「くにかぜ」内部公開。 ▽国際協力機構JICAつくば=20日午前10時~午後4時、展示「アフリカを知ろう!」、高校生国際協力実体験プログラム成果発表など。 ▽農研機構=19日午前9時~午後4時、⾷と農の科学館でもみすり体験や植物⼯場で栽培されたトマトの試⾷など、農業環境インベントリー展示館でミニ農村⾒学ツアーなど。 ▽森林総合研究所=18日午前10時~午後4時、企画展示「サクラを観る・守る・利用する」、樹木園の案内(研究者のガイド付き)など。 ▽国際農林水産業研究センター=19、20日の午前10時~午後4時、講演「地球温暖化に負けないトマトを作る~遺伝資源を用いた耐暑性研究」(19日)、ハイビスカスなどの苗木の配布(先着順)など。 詳しくは、2019年度イベント総合ガイドのダウンロードページへ。

つくば発 五感で楽しむツアー紹介 2月2、3日ジオパーク関東大会

【鈴木宏子】「日本ジオパークネットワーク関東大会」(筑波山地域ジオパーク推進協議会主催)が2月2、3日、つくば市などで開かれる。地層や岩石を見るだけでなく、触ったり、音を聞いたり、匂いを嗅いだりして五感で体感するユニバーサルデザイン(UD)ジオツアーが同大会で初めて紹介される。市民と研究者らが企画した、障害者も健常者もだれでも楽しめるつくば発のジオツアーだ。 関東地方のジオパーク関係者が一堂に集まり、活動を推進するための方法や手段を考える大会で、持ち回りで開かれている。つくばで開催されるのは初めて。東京都伊豆大島、群馬県下仁田、埼玉県秩父のジオパーク関係者など9団体約200人が参加する予定だ。 UDツアーは視覚障害者や聴覚障害者などが楽しめるよう工夫されている。産業技術総合研究所・地質標本館(同市東)と国立科学博物館・筑波実験植物園(同市天久保)を訪れ、筑波山の立体模型や「まさ」と呼ばれる風化しやすい花こう岩を触ったり、筑波山の植物の分布を手話で学ぶ体験をする。 同推進協議会市民活動部会会員で、市民団体「つくばバリアフリー学習会」代表の北村まさみさんや、地質標本館、実験植物園の研究者らが、取り組みを重ね、工夫した成果を積み上げてきた。 北村さんは「ジオツアーは障害者も健常者も一緒に楽しく学ぶのに適している」と話し、今後ジオパークで広まっていくことを期待する。地質標本館を案内する産総研地質情報研究部門の住田達哉主任研究員は「今回参加するのはツアーを主催する側の人たち。ちょっとした工夫で、体に障害のある人も、お年寄りも、いろいろな人たちが同じように理解する手立てがあることを知ってもらえれば」と語る。 大会はジオパーク関係者が対象。UDツアーのほか、筑波山方面を巡るツアー、霞ケ浦方面を巡るツアーの3つが開催される。2日間にわたって同市竹園のつくばカピオ、つくば国際会議場などで、基調講演、分科会、市内の中学生による学習発表も行われる。 一般市民は、2日午後3時からつくばカピオホールで催される開会式と基調講演のほか、同ホールで午前10時から午後2時まで開かれるジオカフェや各ジオパークのPR動画上映に参加できる。基調講演は日本ジオパーク委員会委員長の中田節也・防災科学技術研究所火山研究推進センター長による「関東地域のジオパークに期待すること」。入場無料、予約不要。 詳しくは筑波山地域ジオパーク推進協議会(事務局・つくば市ジオパーク室、電話029-883-1111) オリジナルフレーム切手セット発売 関東大会開催を記念して、筑波山地域ジオパークの見どころを収めたオリジナルフレーム切手セット(82円切手10枚つづり)が2月1日から県内の全郵便局465局で販売される。1セット1500円、販売部数1000部。2日午前10時30分から16時30分に同カピオホールでも販売される。

13日は県民の日 県施設などがお得に

【鈴木宏子】11月13日は県民の日=メモ。県内の小中高校が休みになり、県関連施設の入場が無料になったり割引が実施される県民にお得な日だ。県ホームページなどからお得になる各施設を紹介する。 【つくば市】 ▽筑波実験植物園=入園者先着200人に植物園オリジナルのクリアファイルをプレゼント。入園料は大人310円、高校生以下無料。天久保4-1-1 電話029-851-5159 ▽つくばわんわんランド=県民を対象に入園料を割引。大人1500円→200円、小人700円→100円。※免許証や保険証などの提示が必要。沼田579 電話029-866-1001 【土浦市】 ▽市立博物館=入館料無料(通常は一般105円、小中学生50円)。幕末の町人学者、沼尻墨僊が描いた「鑿井図(さくせいず)」を中心にしたテーマ展「井戸のある暮らしー人々の生活をうるおす」を開催中。中央1-15-18  電話029-824-2928 ▽上高津貝塚ふるさと歴史の広場=入館料無料(通常は一般105円、小中学生50円)。「縄文海進」という環境の激変に適応した縄文人の暮らしを紹介する企画展「霞ケ浦の誕生と貝塚ー縄文海進期の人々の暮らし」を開催中。上高津1843 電話029-826-7111 県南 【石岡市】 ▽県フラワーパーク=入場料割引。大人740円→370円、小中学生370円→190円。冬のイルミネーションが今年は100万球にスケールアップして15日から点灯するのを前に、13日午後5時30分~6時30分にイルミネーション試験点灯が無料で見られる。下青柳200 電話0299-42-4111 【かみがうら市】 ▽かすみがうら市歴史博物館=入場無料(通常は一般210円)。お城をイメージした4階建ての城郭型博物館。坂1029-1 電話029-896-0017 【阿見町】 ▽予科練平和記念館=入館料無料(通常は一般500円)。予科練などの資料を保存・展示。廻戸5-1 電話029-891-3344 【稲敷市】 ▽こもれび森のイバライド=入園料無料※(通常は大人1000円、小人600円。駐車料金、遊具利用料などは有料)上君山2060-1 電話029-892-3911 県北 【北茨城市】 ▽県天心記念五浦美術館=入場無料(通常は一般720円)。日本画家、児玉希望の回顧展を開催中。大津町椿2083 電話0293-46-5311 【日立市】 ▽かみね動物園=入園料無料(通常は大人510円、小人100円)。県内唯一の動物園。チンパンジーやサルなどの行動展示などに力を入れている。宮田町5-2-22 電話0294-22-5586 ▽奥日立きららの里=入場料のみ無料※(通常は大人320円、小中学生100円)。全長1188㍍と日本一長いすべり台「わくわくスライダー」(大人1回520円、小中学生320円)がある。入四間町863-1 電話0294-24-2424 【大子町】 袋田の滝=トンネル入場無料(通常は大人300円)。秋は色とりどりの紅葉が滝を彩る。袋田3-19 電話0295-72-4036 【常陸太田市】 ▽竜神大吊橋=渡橋料無料(通常は大人310円、小中学生210円)。渓谷は赤や黄色に色づき、11月末まで「竜神狭紅葉まつり」が開催中。日本一高いバンジージャンプも有名。天下野町2133-6 電話0294-87-0375 【那珂市】 ▽県植物園=入場無料(通常、植物園は一般300円)。「秋まつり」を開催。先着200人に花の苗プレゼント、朝どり産みたて卵のつかみどり、子ども植物教室や森の工作(参加費200円)などのイベントを開催。戸4589 電話029-295-2150 県央 【ひたちなか市】 ▽国営ひたち海浜公園プレジャーガーデン=遊園地の乗りもの1日フリーパスを割引。3200円→2500円。阿字ヶ浦町552-18 電話029-265-8185 【水戸市】 ▽偕楽園好文亭=入場無料(通常は大人200円)。先着50人に花の種プレゼント。秋は園内のもみじ谷が日没から午後9時までライトアップ。見川1ー1251 電話029-244-5454 ▽弘道館=入館料無料(通常は大人200円)。三の丸1-6-29 電話029-231-4725 ▽県近代美術館=入館料無料(通常は企画展含め一般1190円)。同館開館30周年記念特別展「ポーラ美術館コレクションーモネ、ルノワールからピカソまで」など開催中。千波町東久保666-1 電話029-243-5111 ▽県立歴史館=入館料無料(通常、特別展開催中は一般600円)。学習支援展示「ちょっと昔のくらし」を開催中。紅葉したイチョウ並木のライトアップや、コンサート、ワークショップなどを実施。緑町2-1-15 電話029-225-4425 ▽徳川ミュージアム=県内小中学生のみ入館料無料※。通常は2室開催で大人1100円、子ども800円)。常設展「明治150年記念 水戸徳川家の名宝展」、企画展「刀KATANA」を開催中。見川1-1215-1 電話029-241-2721 ▽水戸市立博物館=入館料無料(通常は一般200円)。明治維新150年記念事業「みと歴史探訪ー明治・大正期の水戸を行く」開催中。 大町3-3-20 電話029-226-6521 ▽県庁三の丸庁舎(旧県庁舎)=屋上(塔屋)などを特別公開。三の丸1-5-38 電話029-301-2375(県管財課) 【大洗町】 ▽アクアワールド県大洗水族館=入館料を割引(大人1850円→930円、小中学生930円→460円、幼児310円→無料)。磯浜町8252-3 電話029(267)5151 【笠間市】 ▽県陶芸美術館=入館料無料(通常は一般720円)。「欲しいがみつかる・うつわ展-笠間と益子」を開催中。お菓子と抹茶を楽しむお茶会(先着80人、500円)など開催。笠間工芸の丘では手ひねり体験の割引(3240円→1620円)もある。笠間2345 電話0296-70-0011 鹿行 【神栖市】 ▽港公園展望塔=入場無料(通常は大人200円)。高さ52㍍。鹿島灘や鹿島臨海工業地帯の大パノラマが見渡せる。東深芝10 電話0299-92-5155 県西 【坂東市】 ▽ミュージアムパーク県自然博物館=入場無料(通常は大人740円、高校・大学生450円、小中学生140円) 企画展「くだもの展」を開催中。大崎700 電話0297-38-2000 中華そば無料 ▽幸楽苑ホールディングスは県内全44店で「茨城県民の日感謝祭!」を開催。先着100人限定で、極上中華そばを1杯無料で提供する。101人目以降、同中華そばを注文した全員に、次回使える極上中華そば1杯無料券(使用期限は14~30日)をプレゼント。 県外施設もお得に 県外の民間施設でも割引などが実施される。 【福島県】 ▽スパリゾートハワイアンズ(いわき市)=入館料割引。大人3500円→2800円、小学生2200円→1760円、幼児1600円→1280円。入場券購入で発行される「県民パスポート」提示で特典、施設内ビュッフェレストラン「パーム」10%引き、ウォータースライダー3種共通1日券2300円→1300円※。30日まで。電話0570-550-550(ナビダイヤル) 【栃木県】 ▽那須ハイランドパーク(那須町)=ファンタジーパスセット(入園+乗り放題パス)中学生以上5300円→4400円、小人3700円→2900円※。30日まで。電話0287-78-1150 【千葉県】 ▽成田ゆめ牧場(成田市)=小学生以下入場無料、家族3世代での来場で全員無料(通常は大人1400円、小人700円)※。電話0476-96-1001 ▽鴨川シーワールド(鴨川市)=入館料割引。高校生以上2800円→2000円、小人1400円→1000円(小人はスタンプラリーノート付き)※。30日まで。電話04-7093-4803 ▽マザー牧場(冨津市)=入園料割引。中学生以上1500円→1300円、小人800円→無料※。18日まで。電話0439-37-3211 【東京都】 ▽サンリオピューロランド(東京都多摩市)=窓口でいばらきKids Clubカードを提示して大人券を窓口価格で購入すると、購入した大人券の枚数分の小人券が無料になる※。25日まで。電話042(339)1111 ▽よみうりランド(東京都稲城市)=入場無料、ワンデーパスを一律3300円で販売(県民と同伴者4人まで)※。電話044(966)1111 ※は免許証や保険証など県民であることを提示することが必要。 メモ 【茨城県民の日】1871(明治4)年11月13日、廃藩置県により茨城県が誕生したことにちなんで、1968(昭和43)年に県条例で定められた。

《土着通信部》20 もうナデシコの花はない 秋の七草考

【コラム・相沢冬樹】萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花(おみなへし) また藤袴(ふぢばかま) 朝貌(あさがほ)の花(『万葉集』巻八) 順にハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、アサガオで秋の七草。万葉歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)の詠んだ歌を起源とし、歴史的には春の七草より成立が早い。春は食用だが、秋は花を観賞するラインアップになっている。 日々の散歩ついでに、これら七種の花をカメラに収めようとしたが、9月のスタートではもう間に合わなかった。たとえば、山上憶良の時代だと、アサガオはまだ日本に移入されておらず、植物学者の牧野富太郎は「朝貌の花」はキキョウであるとの説を採っている。一般にキキョウならば夏の花で、9月(仲秋、旧暦8月)には花期が終わっている。 ナデシコとなるとさらに早い。代表的なカワラナデシコの場合だと花の盛りは6、7月で、8月末に花の姿はない。筑波実験植物園(つくば市天久保)に問い合わせると、「園内で見られたのは8月半ばまで」という。ことし暦の上では8月7日が立秋、8月11日から旧暦7月(初秋)に入っていたとはいえ、特に猛暑の真っ最中、「秋」と呼ぶには相当無理があった。俳句でも瞿麦(撫子)は、夏のものか初秋のものか定まっていない。 逆にフジバカマがほころぶのは9月下旬だから、七草が一時期に咲きそろうことは上代でもなかったはずだ。近年は環境の変化からか、散歩道で見つけるのは難しい。オミナエシも見かけるのは花壇に植えられた園芸種ばかりになった。 そんななか、我が物顔で野山に大繁茂しているのがクズ(葛)である。夏の暑さに比例するかのようにツタ草が樹木や電柱を伝って高みに達し、これから赤紫色の花穂が見ごろを迎える。僕のつくばの知り合いは子供のころ、根っこのある場所に印をつけておき、冬場になると枯草を掘り返したものだと言っていた。 きちんと掘ると人の背丈ほどの根が採れる。この根を適当な大きさに切り、乾燥させて繊維状に砕き水に浸す。アクやカスを取り除くとデンプンが含まれる白濁液になる。その沈殿を待って、上澄み液をすくって再度水を加える。この工程を繰り返すと真っ白な沈殿物が得られる。葛粉(くずこ)である。葛粉は水に溶き加熱すると、今度は透明な状態で糊化(こか)して葛湯や葛切りになる。冬場、いかにも身体が温まりそうな食品である。 良質な本葛ともなれば高級食材のはずだが、今や誰も採集しようとしない。実際に掘ってみたという「くずかごの唄」の奥井登美子さんの話だと、「根っこは親指ほどの太さしかなく、しかも地中に散らばって張っているから手間ばかりかかった」そうだ。実益を生む資源にはなりそうもないけれど、環境教育向けにツタ草を巻き取って、丸めてつくるクリスマスリースを準備している。夏から冬まで楽しめる素材が秋の七草ということである。(ブロガー)

つくばの研究機関・大学28カ所が一般公開 16~22日 科学技術週間

【富永みくに】「科学技術週間」に合わせた一般公開イベントが16~22日までの期間中、つくば市内の研究機関、大学など28カ所で催され、施設公開、講演会、展覧会など工夫を凝らした企画が実施される。 産業技術総合研究所「サイエンス・スクエアつくば」(つくば市東)は21日午前9時30分~午後5時、災害調査ロボ「CRoSDI」のデモンストレーションとミニ講演を実施。人が入れないような狭い場所で活躍するロボットが見られる。他にもオリジナルのビーズストラップやはんこが作れる工作コーナーなどが設置される(予約制)。 物質・材料研究機構(NIMS、つくば市千現・並木・桜)は22日午前10時~午後4時、講演、実験、工作など70を超えるプログラムを用意。谷田部中学校とのコラボイベント「永久磁石を作ってみよう」、ナノ戦隊スマポレンジャーによるスマートポリマー実験ショーなども開催される。 21日(土)、22日(日)の2日間は、無料の「つくばサイエンスツアーバス」が1日6便運行され、北回りはTXつくば駅、国土地理院、国立科学博物館つくば植物園を、南回りはつくば駅、つくばエキスポセンター、産業技術総合研究所、筑波宇宙センターを巡回する。 その他、主な施設の公開日は次の通り。 ▽国立公文書館つくば分館=16~21日午前9時15分~午後5時、特別企画展「花さんぽ」植物図譜を中心に園芸書・名所図会などの展示。 ▽建築研究所=22日午前10時~午後4時、耐熱性に優れ強度がある新しい木材製品CLTの特徴を体感できるCLT実験棟、防耐火棟・強度試験棟の見学など(予約制)。 ▽国土技術政策総合研究所・土木研究所=20日午前10時~午後4時、道路に関する実験を行う試験走路の見学、土石流の発生の仕組みを学ぶコーナーなど。 ▽防災科学技術研究所=22日午前10時~午後4時、豪雨体験ができる施設見学(雨具・長靴持参)、ペットボトルで地震計を作るコーナーなど。 ▽国立科学博物館筑波研究施設・筑波実験植物園=21日午前10時~午後4時、植物園バックヤードツアー、「研究お宝大公開」など。※一般常設展示有(「さくらそう品種展」は14日~22日) ▽JAXA筑波宇宙センター=16~22日午前9時30分~午後5時、国際ステーションから見た地球の映像の上映、展示館クイズツアーなど。 ▽気象庁高層気象台=18日午前10時~午後4時、自由気球を使った高層大気の観測、古い気象測器の展示など。 ▽国土地理院=17、19日午前10時~午後4時、測量用航空機「くにかぜ」内部公開など。 ▽国際協力機構JICAつくば=21日午前10時~午後4時、トマトの接ぎ木教室(先着順)、世界の布でしおりを作る工作、ボランティア事業紹介など。 ▽森林総合研究所=20日午前10時~午後4時、樹木園・実験住宅を研究員による解説付きで見学。 ▽国際農林水産業研究センター=20、21日の午前時~午後4時、熱帯果樹・黒糖・さとうきびなどの試食会、ハイビスカス・パインなどの苗の配布(先着順)など。 ▽筑波大学=21日午前9時~午後5時、子どものための特別授業「キッズ・ユニバーシティ」面白くてためになる科学実験など。 ▽筑波技術大学=20日午後1~5時、視覚障がい者のために開発された触って理解する教材、触覚的な案内表示などを公開。 ▽日本自動車研究所=21日午前10時~午後4時、水素・電気で走る車の試乗、交通安全教室、消防・救急車両展示など。 詳しくは、2018年度筑波研究学園都市研究機関一般公開総合ガイド(http://stw.mext.go.jp/event/tsukuba.html)へ。

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