月曜日, 2月 6, 2023
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山口和紀 -検索結果

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1月以降インフルエンザ感染者ゼロ つくば・土浦保健所

インフルエンザの感染者が今シーズン、激減している。つくば・土浦保健所の定点報告では、今年1月4日から3月21日(第1週から11週)までの感染確認者はゼロだった。一方、昨年同期間の定点報告数は、つくば保健所が1543人、土浦が1592人だった。 つくば保健所の入江ふじこ所長は「新型コロナウイルス感染症の予防対策として実施されているマスクの着用や手洗い、手指消毒が、インフルエンザの感染者減少にも影響していると考える」とし「新型コロナの水際対策の強化により、通年でインフルエンザが流行する亜熱帯地域からの渡航が制限されているため、流行が起きにくくなっていると思われる」と話した。 インフルエンザの定点報告は各保健所が所轄する定点医療機関からの報告によって行われる。定点医療機関はつくば保健所管轄内で11施設、土浦保健所は11施設がそれぞれ指定されている。1月4日から3月21日まで、つくば・土浦保健所の定点医療機関で、インフルエンザの感染者が全く出ていない。 今年、全国で1月4日から3月14日(第1週から第10週)までに定点報告された患者数は555人。昨年の同期間(2019年12月30日から2020年3月5日、第1週から第10週)の定点報告数は全国で55万0752人だったから、前年のわずか0.1%だ。厚生労働省は、この時期までインフルエンザが流行入りしないのは、現在の方法で調査を始めた1999年以降初めてだとしている。 例年インフルエンザは11月下旬から12月上旬にかけて流行が始まり、1月下旬から2月下旬にピークを迎え、3月頃まで流行が続く。しかし、新型コロナの感染が拡大した今シーズンは、様相が一変した。(山口和紀)

筑波大 4月開校のS高で講義やデータ分析 角川ドワンゴ学園と協定

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)は29日、角川ドワンゴ学園(山中伸一理事長)と連携協定を締結した。同学園は、4月に筑波西中学校跡(つくば市作谷)に開校する通信制高校、S高を運営する。 高校、大学を通じたトップレベルの人材育成や教育・研究活動の充実に資することを目的とした協定で、筑波大教員らは、同学園が運営するS高やN高(本校・沖縄県うるま市)などの教育活動を支援したり学習機会を提供する。さらに、同学園が有するオンライン授業やアスリート及びアーティストの育成に関する大規模データを分析をしたり、双方が蓄積した知見やデータを活用した共同研究などをする。 具体的な協力内容について同大は「S高、N高の生徒に対し、筑波大教員が体育・芸術・情報・教育など専門分野の講義をしたり、反対に、同学園の生徒が筑波大学の研究室や授業を見学するなどが考えられる」とし、「同学園が展開するバーチャルリアリティ(仮想現実)によるオンライン授業に関して、学習効果の分析のほか、eスポーツ(コンピューターゲーム)に関する調査分析を行うことを具体的には想定している」と話す。 角川ドワンゴ学園は2016年に通信制高校N高を開校し、現在1万5000人以上の生徒がいる。生徒らが実際の教室で教師と対面しながら授業を受けるスクーリングの受け入れがいっぱいになることを見越して、つくばに2校目となるS高を開校する。 N高とS高のカリキュラムや学費の違いはない。イベントや部活動の参加に関しても、両校の生徒が同じ場で活動できる。異なるのはスクーリング。日程が両校で異なり、学校ごとに分かれて行う。ときには学校別の対抗試合を行うこともあるという。(山口和紀) ➡S高の過去記事はこちら

高校生の進学情報格差なくしたい 筑波大生らオンライン塾立ち上げ

筑波大学の学生らが昨年、無料のオンライン塾を立ち上げた。高校生らの学習や進路の指導を行う「学び舎栄智(まなびやえいち)」だ。活動の大きな目標は、地方と首都圏の高校の間にある大学進学に関する情報格差をなくすことだ。代表の長谷川弘貴さんは、同大理工学群数学類1年で、地方出身。団体を立ち上げた経緯とこれからの展望について話を聞いた。 ―活動のきっかけはなにか。 長谷川 高校生の頃から大学進学に関する「情報格差」に大きな関心を持っていた。自分が通っていた高校は、授業料は払っているのに自分が望んだような情報が得られないという状況だった。そういう環境の中で進学の情報格差というものには大きな関心を高校時代から抱いていた。 行動に移すきっかけは新型コロナで時間の余裕が出来たこと。昨年、入学していきなりコロナ禍が直撃した。春学期(前期)が完全にオンライン授業になってしまって残念だったが、時間的には余裕が出来た。「時間だけはあるので何かをやってみよう」という気持ちになって、活動をスタートさせた。 ―「学び舎栄智」はどんな活動をするのか。 長谷川 活動をスタートさせたのは昨年の4月から5月。将来的には有料の塾を運営したいと思っているが、今はその前の段階。高校生の学習指導や進路相談などを無料で行なって、市場調査をしているところ。団体の構成員としては、筑波大の学生が7人、茨城大学が2人、山形大学が1人の計10人で活動をしている。

桜の樹の下の卒業式 筑波大から4384人巣立つ

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)の卒業式が25日、行われた。新型コロナの影響で、今年度は卒業生のみが参加でき、家族や在校生らはライブ配信で遠隔参加した。昨年度は「代表180人のみが出席」する形式で行われたため、学生が式典会場に集まる形では2年ぶりとなる。20年度の卒業および修了予定者は4384人。 大学会館で行われた式典では例年通り、学位記や卒業証書の授与、学生の表彰などが行われた。会場の大きさと学生数の関係から、式は学群生が2回、大学院生が2回の計4回に分けられた。永田学長は式辞で「皆さんが旅立つのはグローバル社会。そのことを新型コロナウイルスが実感させてくれた。個々のコミュニティーには境界が無く、感染症はどこまでも広がっていった。皆さんが学んだこの筑波大学も留学生比率の特に高い大学の一つ。グローバル社会で活躍するための力は得たはずだ。社会に羽ばたいても頑張っていってほしい」と激励した。 筑波大学の卒業式。壇上は永田学長=同大大学会館(提供:筑波大学) 式の開始を待ったり、終了した学生には会場脇の大きな枝ぶりの桜が格好の記念撮影スポットになった。一部散り始めた樹の下で、卒業袴でマスク姿の女子学生らがスマホに収まった。人間学群障害科学類4年の男子学生は卒業について「コロナ禍で精神的に辛い1年間だった。ここまで来られたのは、そうした状況のなかでも仲間達とオンラインでコミュニケーションが取れたことが大きいと思う」と話した。 お寒い謝恩会、追い出しイベント会場

オンラインで卒業生最後のステージ 28日から筑波大コピーダンスグループ

筑波大学のアイドルコピーダンスグループ、Bombs!(ボムズ)のオンライン公演が28日午後8時から始まる。大学のアイドル研究会の1部門として、2019年3月に医学類4年のりかさんが立ち上げたグループだ。昨年はコロナ禍でほとんど活動ができていなかったが「卒業生の最後のステージ」としてオンライン公演を企画した。 現在、Bombs!は34人(裏方の4人を含む)の筑波大生が参加している。さまざまなアイドルのダンスを「コピー」してステージ上で披露するのが活動のメーンだ。「ステージ衣装の制作や動画の撮影、演目の構成などもメンバー同士で考えながらステージを作り上げている」という。 これまで出演していたステージは、新入生らが屋台を出店する筑波大学宿舎祭(5月)やおよそ2万人が来場するという雙峰祭(そうほうさい、10月)。学外では日本一のアイドルコピーサークルを決める大会「UNIDOL(ユニドル)」にも参加していた。 2019年雙峰祭、メーンステージでのパフォーマンスの様子=同 しかし、昨年は新型コロナウイルスの影響で、出演予定のステージが中止になった。練習も自粛を余儀なくされ、活動が全くできないという状況だった。現在リーダーを務める応用理工学類2年のゆうなさんは「去年の春学期が始まったくらいにサークル活動を自粛するよう大学から要請があった。そのまま宿舎祭も学園祭も中止になってしまって、ステージも練習の場もなくなってしまった。2019年の3月に結成して、ようやくこれからという時期だったのに」と振り返る。 オンライン公演のアイデアが出てきたのは昨年の秋ごろ。「こういう状況で、一体何に向けて活動したらいいのかと、グループの幹部で話し合いをした。そこで『今年はグループ初の卒業生が出る。何らかの形でステージはやりたい』ということになった。もちろん対面も考えてはみたが、最終的にはオンラインでということになった」とゆうなさん。著作権上の配慮として、実際の曲は使用せず、収益化もしない形で行うという。

「謎解きやボードゲームの魅力伝えたい」 元スタッフら土浦に開店し1年

県内唯一とされる謎解き・ボードゲームカフェが、土浦駅西口近くのモール505(同市川口)にある。「AsoVIVA JOKer(あそびばジョーカー)」という店だ。つくば市内にあった体験型ゲーム店の元スタッフたちが昨年1月、オープンした。筑波大出身のスタッフらが、同店オリジナルのゲームや謎解きを制作している。 運営するのは土浦市のイベント制作団体、ジョーカープロジェクト(JOKER PROJECT、矢口優希代表)だ。店内には400種類を超えるボードゲームや謎解きなどが並び、いずれも時間制で利用できる。「脱出ゲーム」も常設されている。 同団体は、2016年4月に閉店した脱出ゲームの常設店「アジトオブスクラップつくば」の元スタッフたちが「こんなに楽しい場所が無くなるなんてもったいない」と結成した団体だ。結成後、数年間はイベント制作を行いながら事業を準備し、昨年1月、念願の店舗営業をスタートさせた。 店内の様子 ボードゲームは専用のボード上で駒を動かしたり置いたりして遊ぶゲームの総称だ。「ボードゲームと言われるとよく分からないかもしれないが、日本だと『人生ゲーム』『人狼』『モノポリー』と言われればピンとくると思う。コロナ禍で自宅にいる時間が増える中、家族が顔を合わせてコミュニケーションをとる道具として再注目されてきている」と話すのは、店長で土浦市在住の井上恵(めぐみ)さん。

つくばセンタービル舞台に 筑波大生らアーティスト12人が作品

「廃墟」としてのつくばセンタービルを舞台とした美術展示会「狢PLAY(むじなプレー)―複数性のすみか」が14日、つくば駅前のつくば市吾妻、同センタービル1階アイアイモールとセンター広場で開幕した。筑波大学の学生グループ「平砂アートムヴメント2020」(阿部七海代表、芸術専門学群4年)が主催する=3月8日付。12人の若手アーティストの作品が展示されている。 旧公務員宿舎 室内を連続描写 市内の国家公務員宿舎跡の室内写真を連続的に描写する作品「Apartment(アパートメント)」を出展したのは生物資源学類4年の河津晃平さんだ。作品のコンセプトは「無人の空間」。「コロナ禍で大学から学生がほとんどいなくなってしまって、無人の廃墟的空間に興味を持つようになった。これまで市内の空きテナントや廃墟化した大学の様子などを撮ってきた。今回は大学の授業で訪れたある意味で廃墟となった公務員宿舎のあり方を表現しようと思った。(廃墟や空き店舗で展覧会を開いている)平砂アートムーヴメントは『廃墟の中でのアート』という意味で通底するところがある」という。 河津さんは同大を卒業後、東京芸術大学大学院に進学する。「環境に興味があり生物資源学類に入った。関心は変わらないが芸術という形で表現してみたいと思うようになった。誰もいない無人の空間とその美しさをこれからも探求していきたい」と語る。 頃安祐輔さんの「sound bugs」の一部。コンピューターでプログラムされた不規則なリズムで、食器やフライパン、湯飲みなどが鳴っている

オンラインで寄せ書きできる 筑波大4年生が考案の色紙アプリ

【山口和紀】オンラインで寄せ書きをつくれるアプリ「シキシ―」が近くリリースされる。制作したのは筑波大学で学ぶ2人の筑波大生。工学システム学類4年の才田さんと知識情報・図書館学類4年の寺本さんだ。制作した寄せ書きは画像データをダウンロードするか、色紙に印刷されたものを郵送で受け取ることが可能だ。接触をすることなく、あたたかみのある寄せ書きをオンラインで作ることができる。 シキシ―着想までの経緯について、寺本さんは「自分のバイト先は在宅勤務いわゆるテレワークが進んでいた。去年の10月ころに寄せ書きの色紙を書く機会があったが、皆が在宅勤務なので一人ひとり書いてもらうのが難しかった。シキシ―を思い付いたのはその時。大学生活最後に何かをしたいという気持ちだった」と振り返る。 あったかくて高品位! 実際に集まることなく高品質の寄せ書きを簡単に作成できるのが強みだ。寄せ書きを書くメンバーがアプリをインストールして、自分の書き込みたい内容をそれぞれが入力する。入力された情報をもとに書き込みの配置や大きさ、フォントの種類などがデザインされ、データが送られてくる。データのダウンロードは低画質版が無料で、高画質版は500円。色紙に寄せ書きを印刷し郵送するサービスも行う。一枚につき2480円(税・送料込み)で利用できる。 アプリ画面のイメージ(左)。色紙の新規作成と色紙への書き込みボタンが表示されている。右は完成品のイメージ画像=寺本さん提供

予算の3倍超えた! どう乗り切る? つくば市のPayPay還元

【山口和紀】先月つくば市で行われたキャンペーン「あなたのまちを応援プロジェクト」で還元予定のポイント額が、還元分の予算額6000万円に対して3倍を超える約1億9400万円になったことがNEWSつくばの取材で分かった。キャンペーンは、キャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」を利用した買い物の購入額の30%を利用者に還元するというもの(2月9日付)。先月1日から28日までの1カ月間行われていた。 1億3400万円分が足りない 市によれば、キャンペーンの条件に該当する決済の総件数は約16万4000回。これらのすべてに対して決済額の最大30%分のポイントが還元されるが、その総額は約1億9400万円相当になるという。 キャンペーンは昨年12月臨時議会で予算化されたが、ポイント還元分としては6000万円が計上されていた。約1億3400万円分が足りなくなってしまった形だ。 つくば市は当初の予算を超過しても打ち切りをせず最後まで続けたが、同様のキャンペーンを先月1カ月の間行う予定だった富山県射水市では、開始10日で予算超過のために打ち切りを決めた。射水市ではポイント還元分として2億円を予算化したが、10日間で還元総額が3億4300万円に達し、2020年度3月補正予算案に3億500万円を追加提案している。

「廃墟」モチーフのセンタービルで 筑波大生グループが美術展

【山口和紀】廃墟などの「遊休空間」で表現活動をしたいと立ち上がった筑波大学の学生グループの企画による美術展が14日から、つくばセンター広場(つくば市吾妻)で開かれる。平砂アートムーヴメント(阿部七海代表)による「狢PLAY(むじなプレー)」。学生たちが「スラム」と呼ぶ大学の平砂学生宿舎から始まったもので、今回は「廃墟」をモチーフとして設計されたつくばセンタービルの広場(※メモ参照)に会場を移す。発案者で「平砂アート…」のディレクターを務める栄前田さん(芸術専門学群4年)に話を聞いた。 14日から31日、センター広場をメーンに 平砂アートムーヴメント2020は14日から31日まで、各日正午から午後8時までの開催。つくばセンター広場をメーン会場に、作品の展示やセンタービルに入居する飲食店「フィンラガン」(センタービル1階)でのトークイベントなどを行う。 左端が栄前田愛香さん=昨年の平砂アートムーヴメント企画のトークショーで撮影(同) 「平砂アート…」は、今回が2回目。廃墟や空き店舗などの「遊休空間」で展覧会を開きたいという栄前田さんの思いからスタートした。故郷帯広の廃ホテルで行われたアート展「マイナスアート2015」にインスピレーションを得ている。「平砂宿舎には1年生のときから住んでいた。2年生のときに宿舎の古い棟に電灯がつかなくなっているのを見て、高校生のときに行った廃ホテルでのアート展を思い出し、あの使われなくなった宿舎で展示会をしてみたいと同級生に話した」

自動運転からパーソナルモビリティーにつなぐ つくばスマートシティの実証実験

【山口和紀】つくば市が県、筑波大学、民間企業などと構成する「つくばスマートシティ協議会」は27日、自動運転車両とパーソナルモビリティーの実証実験を行った。自動運転の乗用車がみどり公園(同市学園の森)から筑波大学付属病院(同市天久保)まで走行した後、乗客は遠隔操作のパーソナルモビリティーに乗り換え、病院受付まで自動走行で移動するという内容だ。 実験に用いられた自動運転車両はトヨタ・ジャパンタクシー(JPN TAXI)を自動運転用に改造したもので、自動運転技術はシステム開発企業のTierⅣ(ティアフォー、愛知県名古屋市)の技術が用いられた。パーソナリモビリティーとして用いられたのはWHILL(ウィル、東京都品川区、杉江理社長)の電動車いすだ。 自動運転コントロールルームの様子。異常があれば自動走行からマニュアル操作に切り替え、安全な場所まで人間が移動させることになっている 自動運転の実験では、万が一に備え運転手が搭乗していたものの、一切の運転操作を行わずコンピューターの自律走行のみで公道を走行した。実際に搭乗した五十嵐立青市長は「怖さは全く無かった。最大の難所が人間でも運転が難しい右折だと伺っていたが、全く心配が要らないレベルだった」と感想を話した。 パーソナルモビリティーは、病院内の移動やバス停から自宅までのラストワンマイルなどで用いられる一人乗りの乗り物のこと。今回の実験では、自動走行ではなく、遠隔操作で走った。実験の監修役を務める筑波大学、鈴木健嗣教授(システム情報系)は「将来的には、病院内で身体に不自由のある方や患者さんを自動運転で検査室や病室まで運ぶようなことを想定している。ボタンを押せば病院内どこでも連れて行ってくれるような形だ。技術的には現時点でも十分に可能と考えている」と話す。

時速6キロの一人乗りロボ つちうらMaaSに新顔

【山口和紀】自動運転の一人乗りロボ「ラクロ」が25日、新治公民館(土浦市藤沢)近くの公道に沿う歩道をかっ歩した。つちうらMaaS(マース)の実証実験の一つとして行われた。コンパクトな車体に、自律移動に必要なセンサーやデバイスを搭載したロボットで、最高速度は時速6キロ、ちょっと速足気味に走行する。バス停から自宅までのラストワンマイルを担う安全性の高いモビリティーとして活用が期待されている。 ラクロを開発するZMP社(東京都文京区、谷口恒社長)事業部長の龍健太郎さんは「ラクロは人間社会に溶け込むロボットとして開発された。状況に合わせて様々な感情を表現することができ、ただ人を運ぶだけの無機質なロボットではない」と語る。 「ラクロには喜怒哀楽それぞれに3段階の感情表現があり、計20パターンの表情がある。目の前に人がいるときには立ち止まり、サウンドと音でコミュニケーションをする」という。実証実験では状況に合わせて「通ります」「道を開けてください」などと発声していた。 将来的には、スマートフォンのアプリなどでラクロを自宅前などに呼び出し、バス停まで自動で乗客を乗せていくという使い方が想定されるという。実際に東京都中央区ではZMP社が、ラクロのシェアリングサービスを行っている。現在は、月に1万円でラクロ乗り放題のプランや10分で370円の時間制サービスなどがあるそうだ。アプリでは、目的地や日時を入力することで簡単に利用できるという。 (上)「ラクロ」の目の部分(下)丸い円錐状の部分が距離を測るレーザー測定器。360度の障害物との距離を常時測定している 大きさは長さ約119センチ、幅66センチ、背もたれの高さ109センチ。ラクロは法律上、歩道を走行するシニアカー(電動車いす)のサイズに準拠する。そのため、日本中どこの歩道であっても走行することができる。

入念に新型コロナ対策 筑波大学で入試

【山口和紀】筑波大学(つくば市天王台)の2021年度の入学者を選抜する個別学力試験(前期日程)が25日、行われた。受験予定者数の合計は4109人(うち女子は1288人で31%)で、全体の志願倍率は4.2倍になった。最も倍率が高かったのは社会学類の9.0倍で、続いて心理学類の5.8倍だった。合格発表は3月8日。 全国から受験生が集まるため、入念な新型コロナ感染症対策が取られた。受験者には14日間の健康観察記録が義務付けられ、試験会場に入る前に試験官らが健康観察記録表の確認を行った。試験開始前、「本人確認の際のみ、マスクを一時的に外して頂く可能性があります」「換気のため室内の気温が下がることがあります」とアナウンスがあった。 新型コロナウイルス感染のおそれがある生徒は、救済措置として3月22日実施の追試験を受ける。試験方法としては、基本的にオンラインあるいは書類審査をもって行う。ただし、特に専門性が高い医学類、体育専門学群、芸術専門学群、知識情報・図書館学類(後期日程のみ)は筑波大学の試験場で行われる。 今年度入試から、総合選抜が開始された。総合選抜で入学した学生は、1年次の間は新設の総合学域群に所属し、2年次以降は各学群・学類に配属される。総合選抜には「文系」「理系Ⅰ」「理系Ⅱ」「理系Ⅲ」の4区分があるが、どの区分からでも体育専門学群を除く全ての学類に配属の可能性がある。特に専門性が高い、医学類や芸術専門学群にも進路が開かれている。 2020年度は新型コロナの影響で実施されなかった入学式だが、筑波大学によれば21年度について「現時点では入場者の制限を行いつつ実施する予定」だという。

「TSUKUBA新型コロナ社会学」を開講 新年度の筑波大学

【山口和紀】筑波大学(つくば市天王台)が4月からの新年度、「TSUKUBA新型コロナ社会学」を開講する。複数の授業担当者が回ごとに講義をするオムニバス形式の授業として行われる。「世界的にも独自性の高い試み」だという。自由科目として開講され、大学院生や科目等履修生を含む、すべての学生が受講できる。 講義全体のオーガナイザーを務める秋山肇助教(人文社会系)は「特に新型コロナの影響を受けて変化する社会や科学、学問のあり方について考える学生の参加を見込んでいる」と話す。 筑波大は「新型コロナ危機に立ち向かい、その成果をいち早く社会に伝えることを目指す」として、27件の新型コロナ関連の研究プロジェクトを「大学『知』活用プログラム」として昨年始動させた。このプログラムには、医療健康分野だけでなく文化、教育、心理など幅広い分野の専門家が参加した。 たとえば、山田実教授(人間系)は「パンデミック下でも介護予防を! 高齢者がパンデミックを乗り越える秘けつを探索する」というプロジェクトを立ち上げ、感染拡大が高齢者の活動に及ぼす影響の経時的調査などを実施している。 太刀川弘和教授(医学医療系)は「健全な引きこもりはあるのか? 引きこもりから『学ぶ』新しい生活様式の在り方を逆転の発想で提案するプロジェクト」を立ち上げた。新型コロナがもたらした「国民的引きこもり状態」は、引きこもり患者にとっては好環境かもしれない。既往の患者から「健全な引きこもり方を『学ぶ』ことはできないか」と提起し、新しい生活様式を提案する研究を行っている。

コロナ禍、美術で現実と仮想を問う 筑波大4年 松田ハルさん 都内で個展

【山口和紀】筑波大学4年の松田ハルさん(22)が、個展「VIRTUAL ABSTRACTION(バーチャル・アブストラクション、仮想抽象)」を20日から3月14日まで都内で開催する。松田さんは芸術専門学群美術専攻版画領域に在籍している。老朽化し使われなくなった学生宿舎に作品を展示した「平砂アートムーヴメント」にも参加し、現代アーティストとして活躍している。会場は東京都墨田区のアートスペース「DOGO」。 版画とVRを融合 昨年から、新型コロナ感染対策のために人の動きが大きく制限されるようになり、美術館などではオンライン展示が当たり前のように行われるようになった。松田さんは「(自身の)卒業制作の展示会も、方法が二転三転し、いまのところ作品の画像をオンラインで見られるようにするという話になっている。そういう状況のなかで、美術鑑賞にとって(現実に対する)『仮想』とは何か」ということを問う必要があると思った」と話す。 展示は「版画」と「VR(バーチャルリアリティ、仮想現実)」を融合させた異色の作品。同一モチーフが「版画」と「VR」の両方にまたがって表現される。まず「版画」が鑑賞者の目に入るようになっており、続いてヘッドマウントディスプレイ(頭部に装着するタイプのディスプレイ)を用いて、鑑賞者がVRの世界に入っていく。VR空間には、版画と同一のモチーフの3Dモデルが設置される。 展示のキーワードは「現実」と「複製」だ。「版画がもともと絵画の複製品であり、VRは現実を複製するもの。鑑賞者はまず版画を鑑賞し、続いてVRによって現実にある版画の複製の世界に入る。そこには、現実と複製の二重性があるが、どちらにも現実と複製が混在している。それゆえに鑑賞者はその二重性に揺さぶられる」と松田さんはコンセプトを話す。

自宅からバス停までの移動手段模索 電動キックボードで実証実験

【山口和紀】電動キックボードは近い将来、自宅からバス停までのラストワンマイル(最後の1区間)の移動手段を担うことができるのかー。土浦市真鍋の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」で18日、電動キックボードの走行実験が行われた。同市で実証実験が行われている、複数の公共機関やモビリティを組み合わせ、検索・予約・決済等を一元化する「つちうらMaaS」の目玉の一つだ。 実験に使われたのは常総市のベンチャー企業「KINTONE(キントーン)」の電動キックボード「モデルワン」だ。家庭用コンセントから簡単に充電することができ、一度の充電で13~18キロ走行が可能。最高時速は25キロ。孫悟空の「筋斗雲(きんとうん)に乗っているかのように移動できる」という。 今回行われた実証実験では、すれ違い、追い抜き、並走などの様々な状況を、徒歩や車いす、自転車などが通行している状況を想定し実験し、安全性や活用の可能性を探った。 自転車を追い抜く実証実験=同 現在、電動キックボードは条件を満たせば原動機付き自転車として公道を走ることができるが、自転車道を走ることは認められていない。一方、欧米ではシェアリングサービスが進むなど一般に普及している。QRコードを読み込むなどの簡単な方法で、街中のステーションから電動キックボードを借りていくことが出来るという。 同社の担当者は「欧米では、新しいことはまずやってみて、そのあと調整して法制度を作っていく。日本は安全性や活用法をきちんと確かめてから法制化という流れ。実際に自転車道を走ることができるのは、早くてもあと5年はかかると考えている」と語った。

差別をなくすために つくばの障害者団体が職員研修

【川端舞】障害者差別をなくすために、障害者と健常者の関係はどうあればいいのかー。差別を考えるオンライン研修会が6日と13日、2日間にわたり開かれた。障害者支援団体「つくば自立生活センターほにゃら」(つくば市天久保)が、主に内部職員向けに開催した。障害者と健常者が互いに尊重し合える関係のつくり方について、活発な議論が展開された。 自立生活センターは全国各地にあり、「障害者のことは障害者が一番理解している」という理念のもと、障害者が中心となって運営される。障害者主体の団体に、これまで健常者がどう関わってきたかを知ることで、センターで働く健常者の職員が「障害者支援を通して、自分も社会を変えていく一員なのだ」とより自覚できるのではないか。そのような思いから、センター設立当時からの職員、松岡功二さん(52)が今回の研修会を企画した。 「健常者は手足になれ」 参加したのは同センター職員のほか、かつて筑波大学で部落差別を中心とした差別問題を研究していた筑波大名誉教授の千本秀樹さん(71)、千本さんの教え子など約30人。 初日は、センターで介助のアルバイトをしている筑波大障害科学類4年の山口和紀さんが、自身の卒業論文をもとに「健全者手足論」について問題提起した。 1970年代、どんな重度障害者でも暮らしていける地域社会をつくることを目指す、障害者たちの社会運動「青い芝運動」が関西で広がった。重度障害者が社会運動を続けるためには、介助する健全者(=当時、現在は健常者)が必要だ。しかし当時は公的な介助制度もなく、ボランティアとして障害者を介助していた健全者は、青い芝運動の中で不安定な立場だった。当初は青い芝運動に共感していた健全者だが、立場の不安定さから障害者との関係がこじれ、障害者を見下す言動が出てきた。運動における障害者と健全者の関係を再確認しようとする中で、障害者から「健全者は組織運営に口を挟まず、組織の手足になれ」という「健全者手足論」が出てきた。「健全者は敵だ」とまで言い切ることもあった。

茨城県南部で震度5弱 つくば・土浦で約2万3000軒が停電

【山口和紀】13日午後11時08分に発生した福島県沖を震源とする地震で茨城県南部で震度5弱を観測した。つくば・土浦地域では約2万3000件が停電したとみられる。 気象庁は緊急地震速報を発表、地震の規模(マグニチュード)は7.1と推定された。土浦市で震度5弱、つくば市で震度4を観測した。 東京電力によれば、深夜0時ごろ、つくば市で28地区、土浦市で44地区が停電した。つくば市桜地区(1万810軒)、同小田(760軒)、土浦市並木(2600軒)、同神立中央(2250軒)、神立東(1140軒)、藤沢(約1200軒)などだ。 つくば市危機管理情報局によれば、今回の地震ではつくば市での災害等は発生していない。 柴咲交差点の信号機が停電のため点灯していない様子=同 つくば、土浦の震度は以下の通り。震度5弱=土浦市常名震度4=つくば市天王台 つくば市研究学園 つくば市小茎、土浦市田中

新学群「総合学域」で一般入試 筑波大 1年かけ所属学類選ぶ

【山口和紀】筑波大学は2021年度から一般入試に「総合選抜」を導入し、新たな学群となる「総合学域群」を設置する。これまで筑波大の入試は出願時に学類・専門学群を決める方式のみだったが、新設の総合選抜では前期日程の募集人員のうち3割を「文系」「理系Ⅰ」「理系Ⅱ」「理系Ⅲ」という大きな区分で選抜する。 総合選抜の今年度の志願倍率は「文系」で2.3倍(定員128人)、「理系Ⅰ」で2.8倍(定員154人)、「理系Ⅱ」で4.0倍(定員41人)、「理系Ⅲ」で2.7倍(定員90人)に最終確定した。大学全体では、募集人員1469に対し志願者5707人で、前年と同じく倍率は3.9倍となった。 総合学域群に所属する学生は1年次の末に2年次以降の所属学類を決定するが、進路選択の幅は極めて広い。いずれの入試区分からでも体育専門学群を除くすべての学類・学群に進むことが可能になっている。移行先は、学生の志望順位と学類・専門学群側が設定する受入順位の組み合わせで決定される。特に専門性の高い医学類、芸術専門学群なども全ての区分から学生を受け入れる。国が進める「大学入試の一体的な改革に呼応」する新たな教育と入試システムの構築を目指す筑波大独自の改革だ。 筑波大は2019年度から「深い専門性と幅広い知識の両方をともに学ぶこと」を理念とする新たなリベラルアーツ教育「総合智教育」を実施し、「専門導入科目」の導入などが行われた。総合学域の新設は、この「総合智教育」を特に具体化させようとするもので「文系・理系にとらわれずじっくり学んだ後に自らの専門に進む」ことができるように設計されている。

PayPay利用で30%ポイント還元 今月いっぱいつくば市で

【山口和紀】キャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」を利用した買い物の購入額の30%を利用者に還元するキャンペーン「あなたのまちを応援プロジェクト」が1日、つくば市で始まった。期間は28日まで。市によれば、7日時点で、市内店舗での決済件数は2万4000回にのぼり、キャンペーンの開始に向けて導入した店舗も多いという。 キャンペーンは、つくば市がPayPay(本社・東京、中山一郎社長)と締結した協定にもとづく事業で、国の地方創成臨時交付金及び茨城県の地域企業活力向上応援事業補助金を活用した。形式上、還元分の30%は同市の予算から支払われるが、その財源は国と県の交付金ですべて賄うため、市の一般財源からの支出は無い。昨年12月臨時議会で事業費8064万円が予算化された。 対象店舗はつくば市内のPayPay加盟店のうち、中小企業・個人事業主が運営し、いばらきアマビエちゃんの登録など感染症対策を講じている店舗(ただし、大型店舗などは除く)だ。つくば市によれば対象店舗は市内2015店舗(2月8日時点)。 データソースはつくば市「キャンペーン対象店舗リスト(一部)【2月8日現在】」。 一回あたりの付与上限は5000円相当で、キャンペーン期間中の付与上限は2万円相当分。例えば、1000円の買い物をした場合には300円分のポイントが還元されるが、2万円分の買い物をした場合には上限である5000円分しか還元されない。 決済方法では、事前にチャージしたPayPay残高で支払うか、ヤフーカードを登録しPayPayで決済する、またPayPayあと払い(一括)の場合に30%が付与される。 ただし、通常のクレジットカード払いの場合は、30%還元が行われない。詳しくは、つくば市のお知らせページを参照。

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つくば市の2大懸案 県が提示した解決策《吾妻カガミ》150

【コラム・坂本栄】つくば市の2つの問題に茨城県が解決案を示しています。市内の公立高不足問題では「県立高に頼らずに市立高をつくったら」と。県営洞峰公園問題では「県の改修案に反対なら公園を無償で譲る。市の考え方で維持管理したら」と。いずれも本コラムが提案したアイデアです。施策立案の参考になったのでしょうか? 市立高をつくるなら県も手伝う 公立高不足問題では、118「つくば学園都市は公立高過疎地」(2021年10月18日掲載)で、「…『市設・県営』はどうでしょう。ハード(校舎)は市が造り、ソフト(授業)は県が動かすという折衷案です。おカネの面では県立or市立よりも両者の負担が軽く、教育効果は県立と同じになります」と提案しました。 6町村が合併して生まれ、中央をTXが通る研究学園都市には、新興市特有の凸凹がいくつか生じています。県立高配置はその一つです。場所が周辺地域に偏り、TX沿線には、高レベルの県立高はあるものの、平均的な学生が通える県立高がありません。そこで、親たちは沿線地域に新しい県立高がほしいと県に求め、市も県に働きかけています。 ところが、県は少子化・人口減という全体の傾向を踏まえ、高校新設には消極的です。つくば市=人口増加市の学生は、▽周辺の人口減少市の高校に通ってもらう(広域圏での過不足調整)▽既存高の学級増で対応する(現施設内でのやりくり)―この2つが県の基本対処方針の柱です。 県に見えている景色(歴史ある旧市の人口減)とつくば市に現出している景色(新興市の人口増)が違う。これが県と市の対立の原因です。しかし、「県立高をつくるのは県の仕事」という市の主張に、上の2本柱だけでは説得力がないと思ったのか、県は「こちらも手伝うから市立高をつくったら」と言い出しました。本コラム案と考え方は同じです。

合言葉は「限界突破」 茨城アストロプラネッツ2023新体制

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは5日、笠間市福田の球団事務所体育館で、2023シーズンの新体制発表イベントを行った。伊藤悠一新監督や新入団選手らが抱負などを語った。 「個性を高めてチーム力つける」 アストロプラネッツの今季スローガンは「限界突破」。伊藤監督は「個人個人が爆発的レベルアップを目指す。全員が次のステージを目指して個性を高めていけば、結果としてチームも強くなっていく」と話し、「他のチームとは目標設定が真逆。個人の育成が第一で、そのプロセスの中でチームを勝利に導く。これが決して矛盾ではないことを、地方から社会へ示していきたい」と解説した。 球団方針説明では、今季就任の河西智之副社長が登壇。独立リーグの「革命児」として、①グランドチャンピオンシップ優勝②NPBドラフト最多指名数③最多入場者数ーの3つの日本一を目標に掲げた。さらに、海外との連携強化としてタイプロジェクトの推進や台湾プロ野球との交流戦などを構想。2024年度からチーム数が拡大する見通しの日本プロ野球(NPB)2軍リーグ戦にも、参入を目指す意向を明かした。 目標は「甲斐キャノン」超え 日渡騰輝選手

国も地方も政治劣化が止まらない 《地方創生を考える》27

【コラム・中尾隆友】日銀の異次元緩和が始まってもうすぐ10年になる。異次元緩和の最大の問題は、いくら政府が借金を増やしても日銀が国債を引き受けてくれるので、放漫財政が常態化してしまうということだ。 政府債務は恐ろしく膨らんだ 実際に、一般会計の総額は10年連続で過去最高を更新し、近年は補正予算の規模が数十兆円に膨らむ事態となっている。 その結果、過去10年間で政府債務は恐ろしく膨張した。税収で返す必要がある普通国債の発行残高は、2023年度末に1068兆円になる見通しだ。政府債務はGDPの2.5倍超にまで拡大し、持続的な金利上昇に脆弱(ぜいじゃく)な財政になってしまったといえるだろう。 日本の成長率は大幅に低下した

筑波大学開学50周年イヤー 室伏広治さん開幕告げる

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)の開学50周年イヤーが4日、金メダリストの講演で幕を開けた。記念事業シンポジウム「芸術×体育で未来を拓く」が同日、つくば国際会議場(同市竹園)で開催され、これを皮きりに10月1日の記念式典まで各種イベントが展開される。 講演する室伏さん=同 シンポジウムで講演したのは、2004年アテネオリンピックのハンマー投げで金メダルの室伏広治さん(48)。日本記録保持者で日本選手権20連覇を遂げ、16年に引退、2年前からスポーツ庁長官に就任した。4日は「スポーツで未来を創る」のテーマで基調講演を行った。 室伏長官指揮下の同庁が昨年まとめた第3期スポーツ基本計画(2022-26年度)では、少子高齢化や地域間格差の広がりの中で、学校教育を中心にしたスポーツ振興からの脱却を意図した。性別や年齢、障害、経済事情などの違いによって、取り組みに差が生じない社会を実現し、機運を醸成するとしている。「健康増進の意味からも自治体や企業へ横展開していく地域の取り組みが重要になり、つくばでぜひ率先してほしい」とアピールした。 父親(重信さん)にはハンマー投げに進むこと、練習に励むことを一度も強制されたことがないと言い、それが充実した競技生活につながった。アスリートには幅広いスポーツ体験を積むこと、指導者には勝利至上主義からの転換を求めるなどした。 筑波大学は、国内初の官立高等教育機関として1872(明治5)年、創立された師範学校を礎としており、今年、創基151年となり開学50周年と合わせて記念事業を展開する。1872年は学制公布の年であることに触れた室伏さんは「当時、夏目漱石は日本の哲学は周囲にあるもの全て動かすべからず、心の修養を積んだ挙げ句の消極の極みに達する哲理と書いている。動的な西洋のスポーツ観とは違った見方があった」と紹介、未来を創るヒントがこの辺にありそうだと説いた。