金曜日, 7月 11, 2025
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県議選 あす投開票

任期満了に伴う県議選は11日投開票が行われる。つくば市区(定数5)の9日夜8時までの期日前投票率は10.45%。開票は同日午後8時20分から、同市金田、桜総合体育館で即日開票される。大勢判明は午後10時10分過ぎの見通し。有権者数は4年前より約1万3000人増え、19万5232人(1日現在)。4年前の同市区の投票率は41.80%だった。 つくば市区に立候補しているのは、▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の現職4人と新人4人の計8人。女性候補が4人と同市区で初めて半数を占めた。 佐々木氏は、今年7月の参院選県選挙区に出馬し次点で敗れたが、県内で約16万票、つくば市でも1万6000票超を得票した。選挙戦では市内各地を回り、参院選での16万票の想いを県政に、つくばから茨城を元気に、など訴えた。 宇野氏は、市議4人を擁するつくば市民ネットが県議会初議席を目指す候補者。立憲の推薦も得て、4日には西村智奈美党代表代行が応援に駆け付けた。最終日の10日夕方からはつくば駅前で高杉徹元常総市長や木村清隆市議らが応援した。 ヘイズ氏は、市議選で3期連続でトップ当選を果たす。8年前、県議選に初挑戦したが次点で敗れ、今回再挑戦する。選挙戦は、のぼり旗を立てて自転車で走ったり、サンタクロースの格好をしたスタッフと街頭で手を振るなどした。 塚本氏は、TXと常磐線を接続してつくばと水戸を結ぶ構想を提唱、大井川和彦知事が今年度調査費を計上しTX県内延伸構想が動き出したなどの実績を強調する。最終日の10日は地元の大曽根地区や玉取地区で街頭演説した。 山本氏は、県議を4期務めた田村けい子氏の後継。告示日の2日は山口那津男公明党代表が市内4カ所を回り、さらに石井啓一党幹事長、竹谷とし子女性局長、三浦信祐党青年局長ら党幹部らが連日のようにつくば入りし応援した。 鈴木氏は市議会最大会派や五十嵐立青市長らの応援を受け、地元の筑波地区や大穂地区のほか、市全域でミニ集会、企業訪問、街頭演説をこなし、SNSを使った発信にも力を入れた。最終日の10日は筑波や大穂地区で街頭演説した。 山中氏は、告示直前に志位和夫共産党委員長、選挙中は小池晃書記局長、田村智子副委員長らが応援した。県立高校新設などのほか、コロナや物価高、格差と貧困、東海第2原発問題など政策を中心に、連日20カ所程度で街頭演説した。 星田氏は3期連続でトップ当選を重ね、今回は飯岡宏之市議らの応援も得た。3日には自民党の片山さつき参院議員らも応援に駆け付けた。地元、谷田部地区のほか市内全域を回り、最終日の10日は栄、島名、上横場で街頭演説した。 つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8) 佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致など 宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②持続可能な社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現など ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡しなど 塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実など 山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進など 鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具【公約】①通える県立高校の適正配置や2024年募集の定員増②ケアラー・ヤングケアラー支援体制で孤独・孤立を防ぐなど 山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守るなど 星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策など

桐朋学園オーケストラ招き「つくばリサイタル」 来年1月、初のインカレ企画

筑波大生有志が主催するコンサート「桐朋学園オーケストラ×つくばリサイタルシリーズ~共に描く未来の音楽~」が来年1月21日、同市竹園、つくばカピオホールで開催される。今回は桐朋学園大学の桐朋学園オーケストラを招く初のインカレ企画で、コロナ禍により入学時から大きな制約を受けてきた学生同士、励まし合い、力を合わせ、共に乗り越えていきたいという願いが込められているという。 同コンサートは、筑波大生有志でつくる「つくばリサイタルシリーズ実行委員会」が、学生や市民に手ごろな価格で気軽にクラシックを楽しんでもらいたいと、毎年トップクラスの演奏家をつくばに招いて開催している。2012年にスタートし、今回が12回目となる。 桐朋学園大学(東京都調布市)は、日本を代表する音楽大学の一つで、指揮者の小澤征爾さんを始め、世界的な音楽家を輩出してきた。同オーケストラは、桐朋学園音楽部門の学生らで構成される。 桐朋学園の名前にある「桐」は、東京文理科大学・東京高等師範学校に由来する。筑波大学の紋章である「桐」紋も東京高等師範学校に由来するなど繋がりがあり、かつて戦後の混乱期を共に協力して乗り越えた歴史があるという。 公演には、桐朋学園大学の学生の中から総勢17人の弦楽オーケストラが出演し、世界的に活躍する気鋭の指揮者でバイオリニストとしても知られる清水醍輝さんが指揮する。清水さんは、第57回日本音楽コンクール第1位、1998年から2001年まで新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターを務めたことでも知られる。 実行委員で筑波大学人間学群障害科学類2年の加藤千尋さん(20)は、学生オーケストラを公演に招く背景にあるのはコロナ禍だと話す。実行委員会の多くのメンバーが新型コロナが始まった後に大学に入学している。以前はあったイベントがなくなり、自粛を強いられる大学生活を送ってきた。 「学生オーケストラを呼ぼうとしたのは、学生同士で活力のあるイベントがしたいという思いがあった。コロナに打ち勝つではないが、家に閉じこもらないで、エネルギッシュな活動をしていきたいというメッセージがある」と加藤さん。 加藤さんもコロナ禍で「自身も周りの友達も家に閉じこもっている時間が続いていた。高校生のころに放送部で活動していたこともあって、舞台を裏側から支える活動がしたいと思っていた」と話し、偶然に実行委員会を知り、2年生になった今年度から実行委員会に入った。 同実行委員会の活動も原則としてオンラインで行われてきた。「ミーティングはこれまで全面的にオンラインだった。最近は図書館の部屋を使って、オンライン併用ではあるが、感染対策をしながらミーティングをすることもできるようになってきた。うれしい変化」と加藤さんは話す。 同実行委員会では現在、7万円を目標にグラウドファンディングを実施している。(山口和紀) ◆「桐朋学園オーケストラ × つくばリサイタルシリーズ ~共に描く未来の音楽~」は2023年1月21日(土)、つくば市竹園、つくばカピオホールで開催。開演は午後2時。プログラムは、モーツァルト作曲、ディヴェルティメントK.136ニ長調、江藤光紀作曲、アドレッセンス(初演)、グリーグ作曲、ホルベルク組曲。入場料は一般1000円、学生無料(いずれも事前申し込みが必要)。チケット申し込みはは同実行委員会HPへ。

筑波大でアトリエ見学やアート体験を 10日「キッズツアー」 3年ぶり対面で

スタジオ'Sが参加者募集 子どもたちがさまざまなアートを体験する「キッズアートツアー」が10日、筑波大学で開催される。つくば市二の宮のアートスペース、スタジオ'Sが筑波大と連携し運営する「スタジオ'S with T」の企画だ。今回は同大芸術系学生の案内で子どもたちが大学のアトリエ施設を見学したり、ワークショップを体験する。コロナ禍、2020年から22年夏までは展覧会形式での開催となっていた。対面での開催は3年ぶりとなる。 今回のテーマは「日本画」だ。同大の芸術系日本画領域と協働する。会場となるのは同大芸術系アート&デザイン実習室で、アトリエ見学ができる。見学コースの一つ、大石膏(せっこう)室は巨大なダビデの石膏像などがあり、同大の象徴的施設の一つだ。その後、日本画ワークショップが行われる。絵の具を和紙にしみ込ませて模様を付け、クリスマスランタンを作る。 キッズアートツアーはこれまで同市二の宮にあるスタジオ'Sで開かれてきた。今回は場所を移し筑波大学での開催となる。スタジオ'Sは「今回は2016年から行ってきた企画のリニューアルとして筑波大学でやることになった。今後も継続して筑波大学で行っていくかは分からないが、一つの試み」と話す。 スタジオ'Sは関彰商事が「地域とともに『文化』を作り上げていく」との運営方針で、1989年に開設した。2016年5月からは県文化振興計画にのっとった人材の育成、文化の担い手の育成、次世代を担う子どもの育成、文化に関する教育の充実を目指した活動を行ってきた。「キッズアートツアー」は2016年から筑波大学との協働で始まった。 ◆キッズアートツアーは10日(土)①午後1時~2時30分と②午後3時~4時30分の2回、筑波大学体芸術エリア(筑波キャンパス南地区)で開催。対象は小学生(1家族1人まで保護者の同伴可)。参加費500円(材料費及びイベント保険料など)。定員は各回15人。参加申し込みはスタジオ'Sのホームぺージ、問い合わせは電話029-860-5151(関彰商事総務部)またはEメールstudio@sekisho.co.jp。

12/10キッズアートツアー

関彰商事株式会社・筑波大学芸術系連携 スタジオ’S with T「キッズアートツアー」 筑波大学との芸術活動連携「スタジオ'S with T」において、特別企画「キッズアートツアー」を 12 月10日(土)筑波大学にて開催する。新たな企画内容を試み、会場をスタジオ'S から筑波大学に移しアトリエツアーとワークショップを行う。 Ⅱ 開催日・会場等 日 時:2022 年12 月10 日(土) 【1 回目】13:00~14:30 【2 回目】15:00~16:30 会 場: 筑波大学 体芸エリア(筑波キャンパス 南地区) 参 加 費: 500...

県議選告示 つくばは現新8人、土浦は現職3人が届け出

任期満了に伴う県議選は2日告示され、正午時点で、つくば市区(定数5)は現職4人と新人4人の8人が立候補を届け出て3人超の激戦に突入した。土浦市区(同3)は定数と同数の現職3人が立候補を届け出た。土浦はほかに立候補者がない場合、午後5時に当選が確定する。無投票当選は同市で過去に例がない。 つくば市区は女性候補が初めて半数を占めた。立候補を届け出たのは▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の8人。同市の1日現在の有権者数は19万5232人。 土浦市区は、▽公明現職で4期目を目指す八島功男氏(66)▽自民現職で2期目を目指す高橋直子氏(38)▽自民現職で6期目を目指す伊沢勝徳氏(52)の3人が立候補を届け出た。1日時点の有権者数は11万8575人。 つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8) 佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致 宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②循環型社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現 ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡し 塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実 山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進 鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具【公約】①TX南北への早期延伸実現など交通整備②高校の早期学級増など学びの保障③ケアラー・ヤングケアラー支援計画策定 山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守る 星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策 土浦市区の立候補者(定数3-立候補者3) 八島功男(やしま・いさお)66 党役員 公明 現③【略歴】土浦市出身、創価大学法学部卒。元常陽銀行土浦ローンプラザセンター長、筑波支店長など歴任。党県本部幹事長。永国【公約】①つくば霞ケ浦りんりんロードを活用など人にやさしいにぎわいと魅力あるまちづくり②子育て応援トータルプラン策定 高橋直子(たかはし・なおこ)38 歯科医師 自民 現①【略歴】土浦市出身、日本大学医学部卒。つくばリボン歯科医院長を歴任。現在、県歯科医師連盟顧問。右籾【公約】①就学前教育の充実と小学校へのスムーズな接続②幼保施設、小学校でのフッ化物洗口など歯科口腔の健康を守る 伊沢勝徳(いざわ・かつのり)52 県議 自民 現⑤【略歴】土浦市出身、明治大学大学院公共政策学修了。狩野安参院議員秘書、党県連政務調査会長など歴任。現在、県議会議長。真鍋。【公約】①保健・福祉の充実②教育・生涯学習の充実③地場産業の育成・TX土浦延伸

W杯応援に1000人 筑波大でパブリックビューイング

つくば市天久保の筑波大学サッカー場で27日、カタール・ワールドカップ(W杯)のパブリックビューイング(PV)が催され、コスタリカ代表と対戦した日本代表に声援を送った。日本は終盤の失点から0-1敗れ、1次リーグ突破は次のスペイン戦に持ち越された。 PVは筑波大学蹴球部と大学公認学生団体の「ワールドフットつくば」が主催した。事前申し込みで無料招待された地域住民と大学生の合わせて約1000人が試合を見守った。 三苫選手ら先輩に声援送る 筑波大は、代表メンバーの三苫薫(2019年度卒)と谷口彰悟(2013年度卒)両選手の母校。PV会場の第1サッカー場は、2人が学生時代に練習で汗を流した場所となる。 企画した山内健太朗さんは「サッカーによって生まれるつながりを大事にしたい。最近はコロナ禍で活動が限定されていたが、この機会を生かし、市民も巻き込んで、たくさんの人たちにサッカーの魅力を伝えたい」と意図を話す。大学との折衝では開催の意義は理解してもらえたが、感染対策などクリアすべきハードルは高かったという。放映権の購入費用にも大学OBなど大勢の人に協力を仰いだ。 蹴球部副務の林田伊吹さんは、第1サッカー場改修に向けて実施したクラウドファンディングの代表も務めている。「イベントを通じてつくばの街を盛り上げ、大学生や子どもたちが来てくれて一緒にサッカーを見ることにより、蹴球部がより大きく人の心を動かせる存在になりたい」と話す。改修は来年2月に完成予定、「改修前に有意義なイベントができた。新しい人工芝になったグラウンドに興味を持って、足を運んでくれる子どもたちも増えるのではないか」と期待している。 試合は、前半立ち上がりから日本が数多くチャンスを作り、その度に観客席からは拍手やどよめきが沸き起こった。だがコスタリカが守備を固めてくると日本の攻撃は鈍り始める。日本は後半16分に三苫選手を投入するなど攻撃のテコ入れを図る。だが後半36分、クリアミスのボールを奪ったコスタリカが先制し、そのまま逃げ切った。 観戦者の一人、津島陸人さん(牛久市・中根小5年)は「悔しい。クリアをもっとしっかりやればよかった。三苫選手はドリブルがすごかった」と振り返った。 三苫選手を学生時代から応援しているという藤浪莉子さん(つくば市)らのグループは「大舞台で活躍するところが見られて嬉しい。スペイン戦でも頑張ってもらって決勝トーナメントに進出してほしい」と話す。三苫選手の印象は「当時からずば抜けて上手で、すごく優しく、いつもチビっ子に囲まれていた」という。 「友達に教えてもらって来た」という大学生の岡田航平さん(千葉県八千代市)は「惜しい展開だったが決めきれなくて悔しい」との感想。スタンプラリーで谷口選手のサイン入りスパイクをもらい「まさか当たるとは思わなかった。家に飾りたい」と話した。(池田充雄)

児童3人に最優秀賞 つくばの2研究所「ボール紙で作る橋コンテスト」

国土技術政策総合研究所(つくば市旭)と土木研究所(同市南原)による第29回「ボール紙で作る橋コンテスト」の表彰式と作品展示が19日、「土木の日」一般公開中の両研究所で行われた。 コンテストは、工作用ボール紙を使って、幅30センチの川を渡れるような橋を作る。構造の強さやデザインが審査の対象になる。ものづくりを通じて生活を支えている橋などの土木インフラの大切さを知ってもらおうと1994年に始まり、コロナ禍でも途切れることなく続いている。 つくば市内の小学校4・5年生に応募を呼び掛けており、今回は413作品が集まった。大学や研究所の専門家らが審査し、最優秀賞に、渡壁太智さん(学園の森義務教育学校4年)の「守り橋」、髙橋涼さん(島名小5年)の「ゆかいなあおむしアーチ」、髙橋佑季さん(同)「左右あげあげ橋」の3作品を選んだ。 審査委員長の蓮見孝筑波大学名誉教授は、「渡壁さんの作品は飼っているイモリを素材にしているが、愛情極まってその体内に入り込むという概念転換をして奇想天外。高橋涼さんは一見アーチ橋だがひっくり返すと吊り橋にもなる逆転の発想を見せている。高橋佑季さんの作品は手品を見ているような美しさがあり変形の時間軸をもっている」と講評。それぞれの細部にまでこだわった手際に感心していた。 渡壁さんは「アカハライモリは大好きな動物で、家で4匹飼っている。お腹の赤い色が外からの光でちゃんと見えるようにするため、花紙を使ったり工夫して、夏休みをかけて作り上げた」という。 作品にはSDGsを意識したり、ドローンが組み込まれたり、近年のトレンドが随所に織り込まれてもいる。第2回から審査員を務めるデザイナーの佐山剛勇さんは「今回はもうネタ枯れかもと審査に臨むのだが、まだこんな発見があると毎回驚かされる」と語った。 両研究所はこの日、「土木の日」(11月18日)にちなむ一般公開が行われ、事前登録で申し込んだ約700人が試験走路や建設DX実験フィールドなどの公開施設を見て回った。その会場に、コンテストに集まった413作品全部が表彰式後に公開された。入賞作については21日から12月5日まで、イーアスつくば(同市研究学園)の特設コーナーに展示される。(相澤冬樹) 最優秀賞以外の入賞者は次のとおり。(敬称略)【構造デザイン賞】千葉宏志郎(手代木南小)、渋谷健吾(手代木南小)、小島壮一郎(大曽根小)、小笠原悠(春日学園義務教育校)、坂本海(吾妻小)【美術デザイン賞】飯岡崇真(吉沼小)、飯村李恩(要小)、岡部稜央(竹園東小)、西川緒美(竹園東小) 、新井那奈(並木小)【努力賞】下瀬航一(大曽根小)、宮原啓(九重小)、七澤龍明(竹園東小)、久保田彩雪(学園の森義務教育校)、常陸克行(春日学園義務教育校)

セルロースナノファイバーの磯貝教授に江崎賞 茨城県科学技術振興財団 

茨城県科学技術振興財団(つくば市竹園、江崎玲於奈理事長)は15日、オンラインで選考会を開き、第19回江崎玲於奈賞に東京大学大学院の農学生命科学研究科、磯貝明特別教授(68)を選んだ。従来、金属など無機材料を素材にしていたナノファイバーに植物由来のセルロースを用い、その創製法と応用に関する研究で多くの成果をあげた。選考会の委員長を務めた江崎理事長は「これまでの物理系受賞者と異なり、化学分野の研究成果で非常に面白く、生活の改善に直結する応用研究である」と評価した。 江崎賞はナノサイエンスやナノテクノロジーに関する研究に携わり、顕著な業績・成果を挙げた研究者を顕彰する。ナノ分野の学会や研究機関、大学などから推薦された研究者の業績を江崎理事長はじめ、歴代のノーベル賞受賞者らで構成する委員会で選考する。関彰商事(関正樹社長)が特別協賛しており、江崎玲於奈賞には副賞1000万円が贈られる。 今回は13件の推薦の中から、磯貝教授の「植物由来の完全分散化セルロースナノファイバーの創製と応用に関する研究」が選ばれた。ナノは10億分の1サイズで、1ナノメートルは0.000000001メートル。木材などの繊維成分であるセルロースは細かくしていくと1ナノの半分にも満たない、原子数個の物質にまで分解されるのが知られていたが、この状態では扱いにくい素材だった。磯貝教授は「TEMPO酸化」と呼ばれる処理法で、リボン状の物質約40本を束ね、安定的になるナノファイバーを作り出した。 セルロースナノファイバーは植物由来の物質のため環境への負担が少なく、鋼鉄の5分の1の軽さで、鋼鉄の5倍以上の強度を有している。軽くて丈夫な上、消臭効果や生分解性など応用分野を広げる特性を示した。強度の高いタイヤの開発はじめ、ボールペンのインクや紙おむつの消臭などで実用化の段階に入っている。 つくば賞にはKEKの研究者 県内の研究者を対象にしたつくば賞には、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の足立伸一理事(58)、野澤俊介准教授(48)の「放射光X線による分子動画計測法の開発」が選ばれた。KEKの放射光源加速器(PF-AR)から得られるパルスX線を活用した分子動画計測法を開発し、その手法を用いて人工光合成研究などの先端的応用研究を推進した。特にフェムト秒(百兆分の1秒)オーダーの時間分解X線計測にも成功した点が評価された。 つくば奨励賞の実用化研究部門では物質材料研究機構(NIMS)の高橋有紀子磁気記録材料グループリーダー(48)、宝野和博理事長(63)、同じく若手研究者部門では筑波大学の都甲薫准教授(39)、NIMSのセペリ アミン ホセイン主幹研究員(39)の各2人が選ばれた。 表彰式はコロナ禍のために期日、開催方法とも未定。関彰商事の関正樹社長は「来年度は節目となる20回目の江崎玲於奈賞。ぜひ対面で行われるようお祈り申し上げます」とコメントした。(相澤冬樹)

染色家の協力で洋服アップサイクルに挑む 古着好きの筑波大1年生

たんすに眠っているTシャツなどの洋服を集めて、地元の染色家が地元産の農産物で染め、新しい服に生まれ変わらせて販売する洋服のアップサイクルを、つくばで実現しようと筑波大生が奔走している。筑波大学総合学域群第一類1年、大本裕陶さん(18)は、昨年NEWSつくばに掲載された記事をきっかけに、染織に興味を持ち、自分らしいイベントを開催しようと奔走する。 アップサイクルは、本来は捨てられるはずだったものに新たな価値を与えて使う取り組みをいう。「リユース(再使用)とリサイクル(再利用)のちょうど中間のような概念。リユースはもう一度使うこと。リサイクルは一度、細かく分解してから使うこと。アップサイクルは、ものを分解せず、そのままの形を活かしてさらに価値を加えることを指す」と大本さん。 古着と出会う 進学した千葉県の県立高校時代に古着と出会い、魅力に取りつかれた。「よく東京に行って、好きなアーティストが開いている古着の店に通った。映画に出てくる服とかも見て回った」2022年に筑波大学に入ってから、今ある仕組みやシステムにただ参加するのではなくて、自分で新しいことがしたいという気持ちを強く感じた。そこで自分が好きな古着で何かできないかと思うようになった。 現在の洋服の生産・流通・販売の仕組みは環境に大きな負荷をかけてしまっているとの問題意識からだ。大量の服がごみとして捨てられている問題などを知って、環境に負荷をかけずにファッションを楽しめる仕組みをどうにかしてつくれないか、もどかしさを抱えていた。 染織のことはよく知らなかったが、NEWSつくばの連載を読み、身近なつくばや土浦にも染織家がいることを知った。2021年10月27日~30日に4回連載の「染織人を訪ねて」は、つくばにゆかりのある染織家を追った記事だったた。 大本さんはアップサイクルの協力を依頼するため、土浦市板谷の染織工房「futashiba248(フタシバ)」(21年10月29日付)を訪れた。草木染を行う工房で、剪定された木枝や規格外で市場に出ない野菜・果物などを県内各地の農家から提供してもらい、農業廃棄物から取り出した染料を用いる草木染を特徴にしている。 「絶対断られるだろうな」と思いながら、自転車で1時間かけて染織工房に行った。「反応は予想外のもので、自分の話をとてもよく聞いてくれて、協力してくださることになった」 顔の見える関係 来年春、つくば市内で集めたTシャツなど衣服約30着を染めて売り出すイベントを開催する予定だ。資金はクラウドファンディングで集め、10月末までに12万円に達した。販売会場などの詳細は検討中だ。「今、友達に呼びかけて服を集めている。つくばで集めて、つくばで染めて、つくばで売る。自分が住んでいるこのつくばで完結することも大事なことだと思う」と話す。 大本さんにとって、顔の見える関係の中でアップサイクルを行うことが重要だという。「元々の洋服の持ち主、それを染めて加工する染色家、染め上げた洋服を販売する人、その人たちがアップサイクルを通じてつながるきっかけをつくりたい」という。「友人のなかには古着を汚いと思い、避けている人もいるけれど、アップサイクルには好印象を持っていたりする。アップサイクルに興味を持ってもらうことで、捨てられてしまう衣服が減ることになる」大本さんの目標は洋服のアップサイクルを普及させること。まずは染織によるアップサイクルの形を模索するが、染色以外の手法もこれから考えていく。「まだ大学に入学したばかりの18歳で、なにか実績があるわけでもない。いろいろな方の手助けをいただくことができたらうれしい」と話した。(山口和紀)

博物館群構想や中央広場活用提案など つくばセンタービル40周年を前に市民シンポジウム

建築家、磯崎新さんが設計したポストモダン建築の代表作、つくばセンタービル(つくば市吾妻)が来年40周年を迎えるのを前に、同ビルをアート拠点として活性化させようと、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)によるシンポジウムが3日、同ビル内のホテル日航つくばで開かれた。同ビルを核にした博物館群構想や、非日常的な場所である同ビル中央広場の活用などが提案された。 建築意匠が専門の鵜沢隆・筑波大学名誉教授は、25年前、つくばに20世紀を記録する博物館群をつくるという「つくばミュージアム・コンプレックス」構想を紹介した。養老孟司さんや鵜沢名誉教授など7人の識者によって提案された構想で、同ビルがコアとなり、市内の他の施設とネットワークをつくることで、新しい博物館群・美術館群を構築していけるのではないかなどと話した。 当時、いかにして新しい街つくばに文化を根付かせることができるか、つくばエクスプレス(TX)が開通するとつくばはベッドタウンになるという予測の下、開通前に文化的仕掛けを提案したいという思いが、発案者の住都公団つくば開発局長(当時)の三宮満男さんにあったなどと話した。 六角美瑠・神奈川大学建築学科教授は、同ビルを1階の中庭(中央広場)、2階のペデストリアンデッキ、3階以上の三層に分け、2階のペデストリアンデッキは日常、一歩下がった1階の中庭は非日常の特殊な場所だとし、非日常的なゾーンが使われると、外の人も呼べる発信力が増えてくるなどと話した。 ビル1階の改修に異論も さらに同ビルの建築の骨格や特徴について説明し、今春実施されたつくばまちなかデザインによる同ビル1階の改修に対し「(ぺデストリアデッキ部分から光を取り入れる)トップライトは重要なアイテム。トップライトの光の連続性を保つべきだったのではないか」などと話し、秋から市民活動拠点をつくるため市が改修を始める南側については「(1階部分は)細かく細分化されていろいろな部屋が入り、通路に学習机が並べられると聞いている。細かく細分化すると、どこにでもある施設になってしまう、通路は中庭とコンサートホールが連携して盛り上がりをつくろうというとき大事な軸になる」などと指摘した。 その上で「過去・現在・未来を横軸でつなぐ文化のプログラムがあるといい施設になっていくと思う」などと話した。 つくば市在住の写真家、斎藤さだむさんは、筑波研究学園都市の建設当初から撮り続けてきた写真をスクリーンに映し、著名な建築家が設計した市内の名建築なども紹介しながら、学園都市の成り立ちや変遷について語った。 シンポジウムには市内や県外などから約110人が参加した。参加者からは「小田城跡など(もっと古い歴史)があるのだから(研究学園都市だけでなく)市全体を考えてほしい」「科学万博のとき文化的なものが必要だ、と期間中、市民が発表する場があった。もっと文化的なものをつくってほしいと色々な人が色々なところで声を上げていかなくてはならない」などの意見が出た。 開催に先立って、ホテル3階廊下に掛けられていたカーテンがはずされ、磯崎アトリエが建築当時、大理石の壁に溝を掘って描いた列柱廊のレリーフ「時の歩廊」がお披露目され、同ホテルの馬場清康社長がセンター地区活性化に向けた思いを語った。 同研究会ではさらに11月と12月にワークショップを開き、多くの市民に参加してもらって、来年6月の40周年にアートイベントを開催することを計画しているという。

つくばセンタービルを情報発信基地に 11月3日、市民団体が40周年プレイベント

構想を提案、アート拠点として活性化へ 建築家、磯崎新さんによるポストモダン建築の代表作、つくばセンタービル(つくば市吾妻)が来年6月に40周年を迎えるのを前に、40周年プレイベントとなるシンポジウム「ポストモダンの殿堂 つくばセンター・アートミュージアム構想」が11月3日、同ビル内のホテル日航つくばで開かれる。 ホテル、コンサートホール、市民活動拠点、オフィスと、中央広場などで構成されるつくばセンタービル全体を、市の新たな情報発信基地と位置づけ、アート拠点として活性化させようという構想を提案する。 市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が主催する。同会は、つくば市が同ビルの中央広場にエスカレーターを設置するなどのリニューアル計画を発表したことをきっかけに昨年、発足した。昨年6月には「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題したシンポジウムを開催し、リニューアル計画の見直しを求めてきた。さらに市に要望書を提出し、リニューアル計画は大幅に見直された。今回は第2弾のシンポジウムになる。 磯崎さんが設計した同ビルは、ルネサンスの巨匠ミケランジェロの代表的なカンピドリオ広場の空間造形が中央広場に埋め込まれ、傍らにギリシャ神話に登場する女神ダフネの彫像が立つ。18世紀を代表するフランス革命期の建築家ルドゥーが構想した理想都市への敬意が込められ、さらに20世紀のセックスシンボル、マリリン・モンローの肢体の緩やかなカーブが空間の輪郭やロビーの椅子に密かに仕込まれている。さまざまなアートの集積として誕生した建築であることから、ビル全体をアート拠点として活性化させ、新たな情報発信基地として再生させる提案をする。 シンポジウムでは、筑波研究学園都市の建設当初から都市の成り立ちと変遷の写真を撮り続けてきた、つくば市在住の写真家、斎藤さだむさんが「写真でみるセンタービルとつくば」と題して話すほか、筑波大学の鵜沢隆名誉教授が「かつて筑波サロンで語られたこと」、神奈川大学の六角美留教授が「つくばvs水戸 磯崎新の創造した“にわ”」をテーマに話す。続いて筑波大学の加藤研助教の司会で、今後どのようにセンタービルを活性化するかについて、参加者と一緒に議論する。 会場となる同ホテル3階宴会場「ジュピターの間」に続くロビーの大理石の壁には、「時の歩廊」と呼ばれる、パルテノン神殿のような柱が等間隔で並んだ列柱廊のレリーフが描かれている。これまではカーテンで覆われていて見ることができなかったが、ホテルがイベントを機にカーテンをはずし、レリーフを見ることができるという。 代表の冠木さんは「(つくば市によるリニューアル)計画の見直しで建物の意匠を守るという目的が達成できた。今後はどのように活性化するかに踏み込んでいく。(センタービルで)こんなことをやりたい、あんなことをやりたいという人が1人でも2人でも出てきてくれたら。また、やりたくてもどう実現したらいいのか分からないということがある。市民の意見を吸い上げるシステムの構築も必要」と話す。(田中めぐみ) ◆つくばセンタービル40周年プレイベントは11月3日(木・祝)午後0時30分から3時。つくば市吾妻のホテル日航つくば本館3階、ジュピターの間で開催。参加費無料。定員100人。参加申し込み・問い合わせは「つくばセンター研究会」ホームページへ。

「長所出し切った」選手ら今季振り返る 茨城アストロプラネッツ

ファンと大運動会 プロ野球独立リーグ参入4年目の今季、初の地区優勝を果たした茨城アストロプラネッツが22日、1年間の応援に感謝の気持ちを込めてファンと触れ合う感謝祭「大運動会」を笠間市の旧東中学校グラウンドで開催し、選手らが今シーズンを振り返った。 霞ケ浦高校出身で、先発の柱として活躍した市毛孝宗投手(27)はNEWSつくばの取材に対し「中盤はけがをし、休まないで調子を落としたが、頑張った結果優勝できて良かった」と今季を語った。この日の大運動会については「中学時代に徒競走で1位になり足も速かった。楽しかった。運動会は懐かしい」などと話した。 今年、筑波大学から入団し、ホームラン8本32打点の活躍で優勝に大きく貢献した野中大輝選手(23)は「独立リーグに挑戦して1年で勝負すると決めていた。学生野球と違い毎日のように試合があるので体調管理、心のケアをしっかりしながらホームランでアピールできたし自信になった。自分の長所を出し切った」と今季を振り返った。大運動会は「今までより距離が近くファンと楽しめて感謝を伝えられるのは楽しい。学生時代の運動会での思い出は、足はあまり速くなかったので応援団長をしていた」と学生時代を語った。野中選手は今季で引退する。 トークショーでは、20日のドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから育成4位で指名された渡辺明貴選手(22)が「指名されてほっとした。今は1日でも早く(選手登録される)支配下に上がれるようにトレーニングをしていきたい。支配下目指して頑張るので応援してほしい」と目標を語った。 大運動会の開会式で松坂賢監督は「楽しい思い出をつくってシーズンを締めくくりたい」と宣言し、玉入れ、障害物競走、最後は選手対抗リレー対決で会場に詰めかけた約200人のファンを大いに楽しませ盛り上げた。 チームを運営する茨城県民球団(本社ひたちなか市)は、土浦市などと、相互に連携してスポーツ振興に協力するというフレンドリータウン協定を結んでいる。(高橋浩一)

実験的な試みの自作本 つくばで「Book Worms」展

イラストレーターやデザイナーなど9人の作家が制作したアートブックや絵画、グッズなどを展示する「Book Worms(ブックワームス)」展が22日、つくば市天久保の「ギャラリーY」で始まった。14回目の開催で、今回は「本の虫」をイメージした作品を展示している。会期は30日まで。本やグッズはサンプルを触って見ることができ、購入可能な作品もある。 筑波大学で洋画や版画を学んでいた田中千夏さんが、在学中の99年に展覧会を企画したのが始まりで、2年に1度開催している。前回まではカフェ「サイトウコーヒー」(牛久市南)に併設する「タカシサイトウギャラリー」で展示していたが、ギャラリーの閉館にともない、今回からつくば開催となった。田中さんは「ものとして持っていたくなるようなアナログの本を作っている。Book Wormsは小さいころに読んだ本の匂いやページをめくる感覚を大切に、作家が作りたい本を実験的に作ってみる場」と語る。 出品したアーティストの一人ヨシイアコさんは、表紙の時計の針が動かせるようになっている絵本やカード、絵画「今、何時?」を出品した。「別の人が別の所でみんなと同じ時間を過ごしているということをテーマにした。この展覧会に出品するみなさんの作品が好きで、毎回参加を楽しみにしている」と話す。 筑波大学の卒業生丹野香織さんは、紙蝶番(ちょうつがい)という方法で綴った小さな屏風のような本を蛇腹にし、虫の形に見立てた作品「Small man(スモールマン)」4点を展示した。「日本画が専門で豆本など小さいものが好き。装丁にも興味があり、20年ほど前からBook Wormsに参加している」と話す。本に書かれている物語も自分で考えたものだという。 代表の田中さんは新作の自作本「それがどうした?」と「雲の上の猫」の2冊と、銅版画で作った原画など10点を展示した。「紙媒体で、紙を束にして作る本が好き。絵を描いて本にするのがライフワークになっている。手触りや匂いなど、人間には本来味わいたい感覚があり、そういうものに触れる場を求めている人がいる。大量生産、大量消費の時代に抗いたいと思っていて、あるものを大切にし、丁寧に生きていきたいというのが根底にある。量産でない自作の本の魅力を実際に見に来てほしい」と来場を呼びかけた。 一昨年の開催には100人ほどが来場したという。23日には製本の体験ができるワークショップが開催される。定員は6人、予約でほぼいっぱいだという。(田中めぐみ) ◆「BookWorms14」展 30日まで。午前11時~午後7時(最終日は午後6時まで)入場無料。

多数のファンに見送られるカウントダウン LALAガーデンつくば閉店

大型商業施設「LALAガーデンつくば」(つくば市小野崎)が16日、最後の営業を終え、18年の歴史に幕を下ろした。施設を運営する三井不動産(東京都中央区)広報部によると2023年春に借地権の契約が満了となるため。営業終了後は建物を解体する予定だという。 営業終了30分前の午後7時半からは1階プラザ広場でセレモニーが開かれた。家族連れなど多くの人々が集まる中、筑波大学吹奏楽団が演奏を披露、LALAガーデン内にあるカスミのスーパーマーケット「グラン・プルシェ」の店長小河原浄(こがわらきよし)さんや、LALAガーデンつくばオぺレーションセンター所長の松下裕章さんらがあいさつした。松下さんは「場所を変えて営業する店舗もあるのでぜひ今後もご愛顧いただきたい」とし、職員らと共に18年間の思い出や感謝を述べた。営業終了のカウントダウンが行われ、最後には万感の拍手が起こった。 先月から「最後の感謝祭」と銘打った割引セールが開催されており、最終営業日となった16日は割引品を求める多くの買い物客らでにぎわった。値引きもない書店のTSUTAYAまで「新型コロナが始まって以来最大の混雑」と言われるほどの混雑だった。1階のプラザ広場や駐車場では、立ち止まって名残惜しそうに建物の写真を撮影する人々らも見られた。プラザ広場前のつくラボでは18年間の歴史を振り返る「ヒストリー展」が開かれ、買い物客らが展示された年表などのパネル展示に足を止め静かに見入っていた。 LALAガーデンつくばは2004年3月19日にオープンした。敷地面積は約5万6984平方メートル、2階建てで店舗面積は3572平方メートル。約1200台が駐車できる駐車場を備えていた。スーパーマーケット「グラン・プルシェ」をはじめ、ドラッグストア、アパレル、生活雑貨の販売店やカフェなど約50店舗が出店していた。 周辺では2008年に「イーアスつくば」(同市研究学園)、13年に「イオンモールつくば」(同市稲岡)がそれぞれ開業。約10キロ圏に大型商業施設がオープンし、競合が激化していた。空き店舗も見られるようになり、16年にはサザコーヒー(ひたちなか市)のカフェを備えた大型書店、TSUTAYAや、未就学の子どもの遊び場、KID’S PARK(キッズパーク)をオープンさせるなど大規模リニューアルを行った。18年にはテナントとリビング型の共用スペースを融合させたゾーンを新設し、コインランドリーなど5店舗が新規出店していた。 都内在住の30代男性は「筑波大学に在学中に付き合っていた彼女と自転車に乗ってよく来ていたので懐かしい。閉店してしまってさみしい」と話した。市内在住の40代男性は「(プラザ広場で)行われるダンスやコンサートのイベントを見に行っていて思い出がある。建物が取り壊されるのであれば、またイベント広場のような設備のある商業施設を作ってほしい。そしてLALAガーデンと同じような店舗に出店してほしい」と話した。(田中めぐみ)

200億円の大学債を発行へ 筑波大

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)は大学債権(大学債)を19日に発行すると発表した。発行額は200億円で、愛称は「筑波大学社会的価値創造債」。国立大学法人としては東京大学、大阪大学に次ぐ3例目となる。 自由度高い資金調達 国立大学法人による大学債は発行条件が厳しかったが、2020年6月の国立大学法人施行令の改正によって緩和された。改正前は、償還(返済)の見込みが十分に立った上で、附属病院の整備やキャンパスの移転などの目的でしか発行できなかった。改正後は発行条件の規制緩和がなされ、教育研究事業のための積極的な債権の発行が可能になった。大学としては、自由度が高い資金調達を行うことができるようになったといえる。 大学債は国立大学法人の新たな資金調達先として、すでに東京大学が一番手として、20年10月に200億円、21年12月には100億円、合計で300億円の発行を行っている。東大は大学債によって、10年間で1000億円の資金調達を目指すとしている。続いて今年4月には大阪大学が300億円の大学債を発行した。 地球環境や社会の課題解決に 3例目となる筑波大学は、調達する資金の使途について「本学が社会とともに新たな社会的価値に根ざした未来社会を創造するために取り組むプロジェクトに充当する」としている。地球環境や社会的課題の解決に使途を限定するもので、こうした債権はサステナビリティボンドと呼ばれる。サステナビリティボンドとしては国内で大阪大学に続く2例目となる。 永田学長は「大学債の発行は資金調達という意味から重要。さらに重要なのは大学債は筑波大学と社会とのエンゲージメント(誓約)の構築の方法であるということだ」とする。 資金の具体的な用途として同大は、大規模研究施設「未来社会デザイン棟(仮称)」、複合スポーツ施設「スポーツ・コンプレックス・フォー・トゥモロー(SPORT COMPLEX FOR TOMORROW、仮称)」をあげている。「未来社会デザイン棟」についてはすでに基本設計業務が発注予定となっている。 償還は新たな投資の収益など 現在、同大の主な財源は運営費交付金、学生納付金、附属病院収入、寄付金等の外部資金がある。同大の21年度の事業報告書によれば、経常費用が約1023億円、経常収益が約1060億円と約44億円の黒字の状況だ。さらに同大の21年度の統合報告書によると、運営費交付金による収益は近年はほぼ横ばい、附属病院の収益および外部資金による収益は増加している状況だ。 大学債を償還するための財源としては、新たな投資対象事業の収益や業務上の余裕金等を充当するとしている。 「いきなりの決定」 一方、同大の大学債発行に対し、同大教職員などでつくる「筑波大学の学長選考を考える会」の吉原ゆかり教授(人文社会学系)は「大学債の発行をどこでどのように決めたのか、教職員にも学生にも明らかにしない、いきなりの決定だ。指定国立大学指定のプロセスと同様のパターンだと思う」と指摘している。(山口和紀) ◆同大の大学債の利率は年1.619%。償還年限は最大で40年。償還日は2062年3月17日。主幹事証券会社は事務主幹事として野村證券(東京都中央区日本橋)、共同主幹事が大和証券(東京都千代田区丸の内)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(東京都千代田区大手町)の2社。募集の受託会社は三井住友銀行(東京都千代田区丸の内)が務める。格付け投資情報センター(東京都千代田区神田錦)および日本格付研究所(東京都中央区銀座)による同大の格付けは、それぞれAA+、AAAとなっている。

みんなのわが家に つくばFCがサッカーグラウンドお披露目

サッカークラブ、つくばFC(石川慎之助理事長)のホームグラウンド、つくばFC万博グラウンド(つくば市水堀)が約4カ月の改修期間を終え、10日にお披露目された。 新しいグラウンドは、ひざや腰の負担が少ないロングパイル人工芝を敷設したフルサイズのサッカーグラウンド1面と、ウォーミングアップ用のサブグラウンド、クラブハウスから成る。メーングラウンドはLEDの夜間照明付き。クラブハウスには公式戦開催にも対応できる個室シャワーや、食堂、屋内でのスポーツプログラムもできる軽運動室なども併設されている。 保護者は、子どもたちの練習を見守りながら、食事を楽しんだり、ダンスやヨガで汗を流したりし、子どもは送迎を待ちながら宿題や勉強もできるという。 万博グラウンドはつくばFC最初のホームグラウンドで、2006年に完成した。水堀地区の人々の協力を得て、選手や子どもたち、保護者らも参加し、みんなの手で作り上げた。16年を経て、クラブはJリーガーを輩出するまでに成長したが、グラウンドは日々の練習で消耗し、改修が必要な状態にまで追い込まれていた。 改修プロジェクトは、「グラウンドのあるわが家を作ろう」を合言葉に、4月下旬からスタートした。工事と並行してクラウドファンディングも行われ、9月末のプロジェクト終了時には、1027万3884円の協賛金が集まった。スタッフや選手総出のつくば駅前でのチラシ配りなど、地道な活動が実りをもたらしたという。 クラブハウスの内壁や、防球ネットの支柱などは、選手やスクール生、アカデミー生らがみんなで塗装した。つくばFCのチームカラーである白・青・赤の塗料を使い、多少塗りむらはあっても、自分たちで作ったという愛着の持てる仕上がりとなっている。 つくばFCは1976年に筑波大学蹴球部OBが中心となって発足し、「全ての人が素晴らしい環境でスポーツを楽しめるようにすること」を理念に、幼稚園生から社会人まで、誰もがいつでも帰って来られるクラブの運営を実践してきた。 石川理事長は新しい万博グラウンドについて「サッカーを楽しんで、学んで、成長していく子どもたち、それを見守るお父さんやお母さん、夢と笑顔があふれ、みんなが集う、わが家のようなグラウンドをイメージしている」とし「わが家とは、いつでも帰れて落ち着ける場所であり、ときに叱られながら、立ち直り、また次に向かってチャレンジする場所。新しい万博グラウンドを皆さんにとってのわが家にしたい。気軽に足を運んでいただいて、一緒にクラブづくりをし、叱咤激励もしていただければ」と話す。(池田充雄)

令和版「かがい」を演出 20日、筑波山神社で百人きもの

筑波山に着物で集うイベント「百人きもの」(筑波山華やぎプロジェクト実行委員会主催)が20日、筑波山神社をメーン会場に催される。4回目となる今年は「KAGAI(かがい)~雅」をテーマに、古代、求愛のため筑波山に男女が集まって歌の掛け合いをしたり踊ったとされる風習「嬥歌(かがい)」の令和版を演出する。13日まで参加申し込みを受け付けている。 オープニングでは、飛鳥時代の歌人、額田王(ぬかたのおおきみ)がよみがえると銘打ち、オリジナルの歌曲「万葉集」を筑波山神社本殿前で披露する。つくば市出身の若手作曲家、門田和峻さんが「万葉集」に曲をつけ、ソプラノ歌手の大森彩加さんが歌う。さらに同市在住の万葉集研究家、布浦万代(ふうら・まよ)さんの講演もある。 嬥歌は歌垣(うたがき)とも言われ、奈良時代に編さんされた常陸国風土記や万葉集に記されている。令和版として催される「かがい」は、男女間の出会いばかりでなく、多様な人間の出会いを演出する。万葉ラブレター、公開プロポーズなど、現代版の求婚イベントも行われる。筑波山神社での挙式料が1組にプレゼントされる公開プロポーズの出場者はWEBで募集中だ。着物のベストドレッサー表彰も行われる。 山麓の神郡(かんごおり)地区には養蚕をまつる蚕影山(こかげさん)神社があり、インドからやってきたお姫様が蚕(かいこ)になるという「金色姫(こんじきひめ)伝説」が伝わっている。今回のイベントではさらに、蚕影山神社宮司が伝説の秘話を語り、絵本作家小林由李さんが金色姫伝説を模したペイントの即興ライブを行う。これを受け「金色姫物語—ダンスによる再創造」と題し、筑波大学と同大学院生7人による創作ダンスが披露される。 同プロジェクトは、旅館、筑波山江戸屋女将の吉岡鞠子さんを代表に5人の女性で2018年にスタートした。今年までに若いメンバーが増え9人の実行委員体制になった。 今年のイベントは、ポストコロナにおける新たな観光スタイルを応援する、いばらき観光キャンペーン推進協議会の新観光プロジェクト応援事業に採択されている。 実行委員の浅野弘美さんは「いばらき観光キャンペーン推進協議会は茨城デスティネーションキャンペーン(茨城DC)に力を入れている。茨城DC事業は来年が本番。今年なんとか成功させて、来年につなぎたい。筑波山に観光客がたくさん戻り、宿泊者が増えることが成功だと思っている」と語っている。(榎田智司) ◆百人きもの KAGAI~雅~ in 2022 10月20日(木)正午~午後6時、メーン会場の筑波山神社とサテライト会場の筑波山江戸屋で開催。ドレスコートは着物。定員200人。参加費4000円(税込み、事前振込)。申し込みは13日まで同実行委員会ホームページへ。

つくばの公共空間の在り方を問う 芸術系学生ら企画のパフォーマンスアート展

筑波大学で芸術を学ぶ学生らが企画し主催するパフォーマンスアート展「わたしより大きなりんかくがみえる」が8日開幕した。公共空間と芸術の関係について考える-を目的にしている。大学の卒業生ら現代美術の若手アーティスト5人がセンター広場や駅周辺のペデストリアンデッキなどに、つくばをテーマにした作品を上演、展示している。会期は10日まで。 10日までセンター地区で 筑波大学の卒業生で都内在住のアーティスト、速水一樹さんは、チョークの粉でまっすぐなラインを引く工具画線器を用い、ノバホール前のつくばセンター広場に蛍光グリーンの直線を引くパフォーマンスを行った。速水さんによると、つくば市は厳格な都市計画のもとに作られ道路が升目状になっているが、景観を変えるためところどころ斜め45度に敷かれた道があり、そのために交通事故が多かったり、道に迷ったりすることがあるという。 パフォーマンスでは、ある意味つくばの「弊害」ともいえる部分に焦点を当て、ペデストリアンデッキの軸に対し、45度の線を引き続けるという計画を試みた。「設計者の意図と実際に人が住み、街が使われてきて出てきた状況にギャップがある。計画は100パーセントうまくいくものではないということ。生活の中で偶発的に起こる事象に興味がある」と話す。 都内在住のアーティスト加藤真史さんは、つくば市内周辺を歩いて見た自然や建物の様子を色鉛筆で描いた絵画と過去作品のコラージュをセンタービル1階co-en(コーエン)イベントスペースに展示した。加藤さんは「郊外」のモチーフを歩いて採取し、色鉛筆で描く手法で制作している。「一歩一歩歩くことと、鉛筆で描くことは痕跡を残す意味で共通する行為。つくばは60年代、70年代にあったそれまでの土地を都市開発で作り替えたいわゆる『古いニュータウン』。様々な建築様式を模したシミュラークル(模倣)な空間を自然が覆いつくし始めていて、自然が建築を食っているところがある」。加藤さんの作品は16日まで展示される。 行政の「待った」に切り返す 光岡幸一さんも同じく都内在住のアーティスト。スマートフォンアプリを使ったAR(拡張現実) 技術を用いて、つくばセンター広場のくぼ地に言葉を浮かべるアートを展示している。当初、高所作業車から手書きの言葉を書いた布を垂らして出現させるパフォーマンスの計画していた。しかし、垂れ幕と手書きの文字が政治的な活動を想起させるとして行政側からの許可が下りず断念。筑波大学の学生と協力し、AR技術を用いての新しい表現を模索し、今回の展示に至った。 公共の場でありながら自由に使うことができないということについて、「トップダウン型で都市開発されたつくば市で公共のもつれが起こっている。(センタービルは)磯崎新さんの建築で核となる場所。ここでの活動が行政にとっては政治的デモ活動に見えるということが、開発都市の緊張を可視化させているとも言える」と解釈する。今回の展示では制約がありながらも技術で切り抜け、新しい挑戦ができたという。 栃木県宇都宮市から訪れたという飯田公一さん(56)は「(参加アーティストの一人である)トモトシさんのファンでこのイベントを知り見にきた。普通は美術館などを借りて展示を行うが、このイベントは街全体が展示会場になっていておもしろい。地方と芸術のかかわりも最近注目されており、(このようなイベントは)県外の人の方が気になっているのでは」と話した。 パフォーマンスアート展は学生らの企画団体「HAM(平砂アートムーヴメント)」が主催。発足は2019年。現代美術を実践する場所としてのつくばを発見し、活用することを目的としているという。現在は卒業生2人を含む11人が活動している。 団体代表で筑波大学大学院の阿部七海さん(博士前期課程2年)は、「スケートボード禁止」という看板がペデストリアンデッキのいたるところにあることに着目し、禁止を作り出している構造について考えたいという思いから同展を企画したと話す。参加アーティストは阿部さんが依頼し集まった。「秋のつくばは天候もよいので、特徴的なペデストリアンデッキを歩いてアートを鑑賞し、自分の街について考える時間にしてほしい」と呼びかけた。(田中めぐみ) ◆「わたしより大きなりんかくがみえる」展 9日、10日は正午から午後5時まで。つくばセンター広場(つくば市吾妻)2階のインフォメーションセンターで会場マップを配布している。詳しくは「HAM(平砂アートムーヴメント)」ホームページ

11/3 つくばセンタービル40周年プレイベント

つくばセンタービル40周年プレイベント 「ポストモダンの殿堂/つくばセンター・ア一トミュージアム構想」 つくばセンター再起動 つくばセンタービルは2023年6月に40周年を迎える。この空間には、設計者の磯崎新氏によって、18世紀フランスを代表する建築家へのオマージュが、中央広場にはルネサンスの巨匠ミケランジェロの代表的な「カンピドリオ」の空間造形が埋め込まれ、その傍らにはギリシャ神話のダフネの残り香が、はたまた20世紀の「セックスシンボル」マリリンの肢体の緩やかなカーブが空間の輪郭やロビーの椅子に密かに仕込まれている。さまざまなアートの集積として誕生したセンタービルは、空間自体がまさにアート。40周年を記念して、この空間全体をアートな空間として再び蘇生させ、つくば市の新たなアートの拠点として活性化させるいくつかのイベントを企画する。そして、つくば市に新たなアートのネットワークを構築し、常に新たな情報発信基地として「つくばセンタービル」を位置づけ、その再生(ルネッサンス)の提案を行う。 第1部 つくばセンター七不思議ツアー 2022年10月22日(土)午後1~2時 集合:13時、つくばイノベーションセンター前エレベー 定員116人 参加無料 要参加申込 第2部 セレモニー「幻のレリーフ”時の歩廊”が復活する」 シンポジウム「ポストモダンの殿堂/つくばセンター・ア一トミュージアム構想」 2022年11月3日(木・祝)午後0時30分~3時 場所:ホテル日航つくば 3階 ジュピターの間 定員:100人 参加無料 要参加申込 第3部 ワークショップ「センター広場で何する?」 2022年11~12月(予定) 詳細は当ホームページにて公募する 第2部 プログラム 【セレモニー】午後0~1時 挨拶 馬場清康 (ホテル日航つくば代表取締役) 【シンポジウム】午後1~3時 1,開会挨拶 冠木 新市 (つくばセンター研究会代表) 2,来賓挨拶 内山 博文(つくばまちなかデザイン代表取締役) 3,写真家の話「写真でみるセンタービルとつくば」 斎藤 さだむ (フリーランス・フォトグラファー) 4,祝賀の舞 竹千代(桜川芸者学校) 5,建築家の話「かつて”筑波サロン”で語られたこと」 鵜沢 隆 (建築家? 筑波大学名誉教授) 6,建築家からの提案「つくばvs水戸? /磯崎新の創造した”にわ”」 六角 美瑠 (建築家? 神奈川大学建築学科教授) 7,フリート一ク 司会 加藤 研(建築家、筑波大学芸術系助教) 8,閉会挨拶

9/16-10/9 久保田沙耶ドローイング展

久保田沙耶さんは1987年茨城県生まれ、筑波大学芸術専門学群卒、東京芸大大学院美術研究科絵画専攻修了、同博士号取得。個展やアートプロジェクトなど国内外で活躍する。 「つくばアートサイクルプロジェクト2021-22アントロポセン~分岐点を超えた景色」時につくば美術館で展示したドローイングを含む約20点を展示販売する。 9月16日~10月9日のうち金土日のみ開館する。 時間は金・日曜は午後1~5時、土曜は午前10時~午後1時 9/25、10/1、2は休館    

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