月曜日, 4月 6, 2026

来年100周年、運営再検討へ 安藤市長 土浦花火大会中止を改めてお詫び 

チケット代は全額返金 順延日の警備員を確保できず開催を中止した第93回土浦全国花火競技大会について(11月1日付)、大会実行委員会会長の安藤真理子土浦市長は5日開かれた市長定例会見で「皆様に心よりお詫びを申し上げたい」と改めて述べ「十分に反省し、今回のことを教訓として、来年に向けて検討を重ねたい」と話した。来年は大会100周年を迎えることから「歴史を未来につないでいくことが私の責務だと思っている」と強調した。 桟敷席6600升(2万6400席)、いす席1万500席を合わせた有料観覧席3万6900席のチケット代計約2億円は全額返金する。返金時期は近く決まる見通しで、大会実行委員会のホームページに掲載する。 順延日の3日と9日に警備員を確保できなかった経緯について大会実行委事務局の市産業経済部は、開催予定だった2日の警備については470人の警備員を配置する計画で、警備会社2社に約1800万円で警備を委託したが、順延日の3日と9日については、5月に今年の実行委員会を立ち上げた当初から警備体制の確保についてお願いしていたとした。 その後、10月上旬から中旬に順延日の警備員が確保できないことが分かり、警備会社に依頼し、県内だけでなく栃木、群馬、千葉県など県外からも応援を得て、さらに都内の大手警備会社にも打診するなどぎりぎりまで人員の確保をお願いしたという。1日時点では順延日に300人程度が確保できる見通しとなり、事務局としては市職員を総動員してでもカバーしたいと考えたが、雑踏を警備する交通誘導業務を行うためには資格が必要であるなど、安全を確保する体制が整わなかったとした。 開催中止に関し、市への問い合わせが1日から4日までに計約3600件あった。開催の有無のほか、「どうして中止にするのか」などの問い合わせが寄せられたという。 同大会の開催費用は約3億円。市の補助金8500万円と有料観覧席チケット代2億円、スポンサー協賛金1500万円でまかなう計画だったが、開催中止によりチケット代2億円と協賛金1500万円が入らなくなった。一方支出は、打ち上げ後の清掃やごみ処理費などを除いて、花火の製作、桟敷席の設営、草刈り、警備費などに事業費の多くをすでに使っている。不足分については今後、議会と相談する。 来年の開催に向けては、大会当日と順延日2日間の計3日間、警備員を確保しようとすると、警備費が3倍の5400万円かかる見通しだ。花火大会は現在も火薬の高騰や資材の高騰などに見舞われ運営費が上がっており、大会実行委員会では有料席を増やすなど自主財源確保に努めている最中だった。 市産業経済部は「来年の運営体制はこれから検討する」とし「どういう形になれば開催できるか、まず今回の検証をして来年に向けて動き出したい」とした。 一方、コロナ禍で開催できなかった2020年と21年はサプライズ花火の打ち上げなどを実施したが、今年は予定していないという。

雨の日と喫茶店と猫 《ことばのおはなし》75

【コラム・山口絹記】先日、雨が降っていたので久々になにをするでもなく喫茶店に入った。喫茶店というのは本質的に時間をつぶすところだと思っているのだが、天気の良い日などに行ってみると、仕事か勉強をしていたり、打ち合わせをしていたりする人が多く、なんとも落ち着かない。自分もなにやらしなければならぬ、という気分になる。だから、喫茶店には雨の日に行くのが一番だ。 雨の日の店内は、一定数、雨が降ってきたから雨宿りに入店した、というお客さんがいる。仕方なく入ったわけで、当然やることがない。仕方なく、外を眺めていたりするのだ。それが良い。一緒になって外を眺めていてもなんら罪悪感がない。 最近は一日中晴れている、ということが少ない気がする。秋晴れなんてことばもあったが、ハッキリ感じられる秋そのものが来ない年が続くと、ことばそのものを忘れてしまいそうだ。そんなとりとめもないことを考えながら、珈琲を飲もうとすると、カップが空だった。あれ、飲み終わってたっけ? だいぶ上の空だったらしい。これはかなり良い感じである。良い感じにできあがっている。 帰ったら本でも読もう ちょうど雨もやんだので外に出る。雨上がりの曇った空の下を歩いていると、木陰に猫がいた。木から滴る雨水を、目をつむって、ペロペロと飲んでいる。近づいても気づかないようなので様子を眺めていると、水の滴る位置が次第にずれていき、もはや猫の口には一切水は届かないのだけど、猫は相変わらず目をつむってペロペロと舌を出している。おまえさんもだいぶ良い感じだな。 じっと眺めていると、うっすら目を開けてこちらを一瞥(いちべつ)し、そのまま眠ってしまったようだ。おまえさんの中の野生はどうした。とは思ったものの、まぁ人の、いや猫の?ことを言えたギリではないので立ち去ることにした。帰ったら本でも読んでゆっくりしよう。 こんな日があってもよいのである。(言語研究者)

つくば市は孤立? 五十嵐市政3期目 《吾妻カガミ》195

【コラム・坂本栄】2024年秋のつくば市長選挙は五十嵐氏が勝利した。過去8年の市政運営を巧みに宣伝する広報(PR)戦を展開、PR面では控えめだった星田氏が敗退した。ただ票差は約7000(五十嵐氏6万1604票:星田氏5万4580票)に狭まり、五十嵐氏に対する市民の評価は満足と不満足にほぼ二分された。 宣伝戦の巧拙が結果に影響 コラム194(10月21日掲載)でも指摘したように、五十嵐氏のチラシは自己PRが上手だった。これに対し挑戦者・星田氏の方は公約が総花的で訴求力が弱く、チラシの発行数など物量面でも五十嵐氏が圧倒していた。 また、星田氏が市役所内のゴタゴタを正面から取り上げないのは「政治センスが問われる」と書いたように、挑戦者の争点作り下手も五十嵐氏に幸いした。それにもかかわらず、票差が約7000になったのは、五十嵐市政に対する市民の疑問がくすぶっているからだろう。 知事とのギクシャクは続く? 選挙チラシの2ショット写真でも分かるように、大井川知事は星田氏を支援するスタンスを明確に打ち出した。洞峰公園問題などで知事と市長の間にコミュニケーション不足が生じ、知事が五十嵐氏に強い不信感を抱いたからとみられるが、知事と市長の間のギクシャクは選挙後も残るだろう。 選挙で選ばれる首長間のこういった関係は、それぞれの行政現場に微妙な影響を与える。つくば市にとっては厄介なことだ。 例えば、市長選でもテーマになった県立高不足問題。市は県立高の市内新設がすぐには無理ならば、当座の策として既存県立高のクラスを必要数増やすよう県に求めている。これに対し県は、一部県立高の学級増と近隣県立高への遠距離通学推奨で対応、市の要望を軽視している。つくば市に冷たい県のスタンスはまだまだ続く? 選挙を意識した退職金いじり 市長選が終わり、五十嵐氏の2期目の退職金をいくらにするか、現在、ネット投票が行われている。詳細はコラム191(9月16日掲載)を読んでほしい。要は、2期目の仕事振りについて市民に採点してもらい、その平均が100点ならば規定額2040万円を受け取り、評点ゼロの場合は退職金を辞退した1期目と同じ22円になるというスキームだ。 五十嵐氏のユニークな退職金のもらい方について、周辺の市長さんは困惑している。1期目の退職金辞退が発表されたとき、多くの市長さんは唖然(あぜん)としていた。市民受けを狙って退職金がいじくり回されると、施策を競い合う選挙が歪んでしまうからだ。退職金額を市民投票で決めるというアイデアは、選挙を意識したポピュリズムの極みといえる。 知事や周辺市長と五十嵐市長の関係を見てくると、つくば市は他の行政組織から孤立しつつある。こういった流れが市政にどういった影響を与えるか、要注目だ。(経済ジャーナリスト)

手づくりの祭りで交流 5年ぶり「桜が丘フェスタ」【シルバー団地の挑戦@つくば 桜が丘】1

つくば市茎崎地区の住宅団地、桜が丘で3日、住民手づくりの祭り「2024桜が丘ふれあいフェスタ」(同自治会主催)が5年ぶりに開かれた。午前中は団地内の中央公園に豚汁や焼き芋、焼きそばなどの屋台が並んだ。住民約200人が参加して輪投げやヨーヨー釣りなどのほか、おしゃべりや会食を楽しんだ。午後からは隣接の公民館でハンドベルの演奏を聞いたりカラオケを楽しむなどして交流を深めた。コロナ禍で2020年から中止していた。 焼き芋にしたサツマイモは、団地内の畑で野菜作りをして一人暮らしの高齢者らに届けている「ふれあい友の会」の星野富士子さん(78)ら約20人が栽培した。1~2週間前に200本を収穫し、焼き芋にした。豚汁は自治会役員らが前日から仕込んで準備した。ハンドベルの演奏は日ごろ卓球を楽しんでいるメンバーが1週間ほど前から猛練習を重ねて披露した。豚汁の調理と販売を担当した女性(77)は「すごく和やかで楽しい。ありがたい」と話していた。 2015年まで同団地では、公園にやぐらを組んで盆踊りなどをする夏祭りを2日間にわたって開催してきた。住民が高齢化し準備が大変なことから、16年から文化祭を兼ねた秋祭りに切り替えた。 同団地は首都圏に通勤した団塊世代が多く住む約450戸の一戸建て住宅団地で、1977年から入居が始まった。入居開始から47年経ち住民は一斉に高齢化し、現在65歳以上の高齢化率は52%、空き家が約50戸あるという。 同自治会の落合正水会長(78)は「茎崎地区全体が共通して抱えている問題だが、だんだん高齢化し、催しものの開催が年々難しくなっているほか、自治会役員のなり手がいないのも課題」だとし、5年ぶりのフェスタ開催について「高齢化している中で、ふれあいや親睦の場を通して皆さんと楽しんだりすることは意義深いのではないか」と話す。(鈴木宏子)

103万円の壁、税率5%をゼロに《ひょうたんの眼》73

【コラム・高橋恵一】裏金問題や統一教会問題で安倍一強政治への批判を受けて衆院解散による総選挙の結果、自公与党が過半数を割り込んだ。与党少数だが、野党はバラバラなので、施策の優先度や重要課題についてよく議論し、協議内容を公開して世論の評価なども受けながら、バランスの取れた政策が推進できるのではと期待していた。 しかし、国民民主党は、労働組合を基盤とする、弱者側に立つ政党と理解しているが、キャスティングボートを握ったとして強気になり、選挙勝利の成果を、低賃金労働者(いわゆるパートさん)の手取りを増やす政策を主導し、103万円の壁を無くすというものだ。 彼女(パート)らは、月収10万円弱だが、年末の11月ごろには、それまでの収入が103万円に達してしまい、12月の就労を止めないと、所得税がかかる。さらに、賃金の年収が130万円を超すと社会保険に加入し、保険料を負担することになる。 また、この壁を超えると、夫の扶養家族控除が無くなり、会社からの扶養手当も無くなる場合もあり、就労日数を増やしても、かえって手取りが減ってしまうから、妻(パートさん)は、働く日数を制限してしまうという事情のようだ。しかし、壁を越えて増額する収入額は、新たに負担する所得税や社会保険料より多く、手元の残金の方が多いのだ。 国民が就労して国や自治体の必要な公共サービスの経費を能力に応じて負担するのは当然だし、社会保険への加入は老後の生活を保障する重要な制度だ。むしろ、扶養控除や扶養手当の継続が課題かもしれないが、減税と違って、雇用企業が決めることなので、政府は強制できないだろう。 低所得層の所得拡大が必須 冷静に評価すれば、103万円の壁の見直しは、目先の手取りが若干増えるように見えるが、壁を178万円にしても、パート労働者の賃金は大幅に増額することはないだろう。むしろ、パート労働者の低賃金を固定させてしまう恐れがある。壁の見直しで基礎控除の底上げをすれば、累進課税だから、負担軽減したい低所得者より、高額所得者の方が断然減税額が多くなるのだ。 検討課題は多いけれど、手取りを増やすために壁の見直しをやるとするなら、基礎控除の引き上げではなく、課税対象額の低い区分(194万9000円以下)の所得税率を5%から0%に変更すれば、高所得者の減税は生じない。 現在、我が国の課題の一つは、経済力の低下。以前はGDP(国民総所得)世界第2位だったのが、昨年には、ドイツに抜かれて第4位、1人当たりGDPは世界34位にまで落ち込んでしまった。GDPは名称の通り、国民ひとり一人の所得の合計額だ。従って、GDPの拡大には、国民、特に低所得層の所得拡大が必須だ。 非正規労働者の大半は女性で、市役所などの公的職場で働いている。政府が賃上げすれば改善する。政府がやらなければ実現しない。(地歴好きの土浦人)

つくば駅とバスターミナルに1日導入 点字ブロックのQRコードで視覚障害者を道案内

つくばエクスプレス(TX)つくば駅構内と、隣接するつくばセンターバスターミナルに1日、視覚障害者をスマートフォンの音声で道案内するシステムが導入された。点字ブロックに貼り付けられたQRコードを自分のスマホカメラで読み取り、行き先を選ぶと、目的地までの移動ルートを案内してくれる。 TXを運行する首都圏新都市鉄道とバスターミナルを管理するつくば市、システムを開発した「リンクス」(東京都港区)が昨年5月から6月、視覚障害者が学ぶ筑波技術大学の協力を得て実証実験を実施した(23年5月31日付)。安全性や利便性が確認されたことから今回、本格導入された。 導入にあたって、バスターミナルからつくば駅のホームまで約250メートルにわたって敷設されている点字ブロックの分かれ道や曲がり角など170カ所に計791枚のQRコードが貼り付けられた。利用方法は、自分のスマートフォンのカメラをQRコードにかざし、アプリをダウンロードする。スマホ画面に表示される目的地のリストから、つくば駅のホームやバス停、タクシー乗り場などを選択すると、分かれ道や曲がり角のたびに女性の音声で「直進10メートル」「右3メートル」「その先、前方に下り階段。階段を65段降ります」などと道案内し、目的地まで誘導してくれる。 視覚障害者は頭の中の地図をもとに、白杖や点字ブロックを使いながら1人で移動できるが、知らない場所では外出を支援する誘導者が必要になる。導入された移動支援システムは、初めての場所でも1人で移動できるよう、アプリに入っている点字ブロックの地図データを基に、進む方向と距離を案内する。 市内には視覚障害者が学ぶ筑波技術大が立地するなどから導入に至った。つくば駅では2023年4月時点で月30人の視覚障害者が駅係員のサポートを受けて乗車しているという。 導入されたのは「shikAI(シカイ)」というシステム。費用は、つくば駅構内が設置費用74万円、年間利用料が18万円で首都圏新都市鉄道が負担、バスターミナルは設置費用43万円、年間利用料は11万円でつくば市が負担する。ただしアプリをダウンロードできるのは現時点でiPhone(アイフォン)のみ、アンドロイドのスマホは利用できない。 首都圏新都市鉄道運輸部つくば駅務管理所の船越順也助役は「このシステムを活用することで視覚障害者がつくば駅とバスターミナル間を不安なく移動できる環境になる」とし「導入後もお手伝いが必要なお客様には駅係員が今までと変わらずサポートします」と語り、つくば市総合交通政策課の上田洋輔課長補佐は「視覚障害者がアプリを使って、一人でも気軽につくばセンターやつくば駅に外出してくれれば」と話している。システムを開発したリンクス ソフトウェアエンジニアの藤山悠史さんは「視覚障害者がもっと気軽に一人歩きできる世の中になってほしいと開発を進めてきた。駅からバスターミナルへの乗り換えなど移動や乗り換えの選択肢の幅を広げられれば」と述べる。 同システムは2021年1月に東京メトロで導入され、つくば駅は全国15施設目。導入事業者が鉄道事業者と自治体の2者にまたがるのは全国初。視覚障害者だけでなくつくば駅やバスターミナルで道に迷った時などに誰でも利用できるという。(鈴木宏子)

「ひきこもり」その3《看取り医者は見た!》30

【コラム・平野国美】前回コラム(10月16日掲載)で、「ひきこもり」の原因として家屋構造を取り上げ、思春期における子供部屋の意味合いについて書きました。このほかに、家屋と町並みの関係もあると思います。 私が訪問診療をしているこの20年の間に消えていったものが、いくつかあります。例えば、縁側や垣根といった家屋構造は消えました。今、訪問先の患者さん宅で、道路から垣根越しに、縁側や応接室が見えるお宅があります。この家では、いつの間にかご近所さんが訪れて縁側で話し出すのです。 お話を伺うと、約束までして来るものではないとか、チャイムを鳴らしてまで訪れるものではないとか、玄関から入るほどの用があるわけでもないから、縁側で十分なのだと話されます。見ていると、散歩中の知人を見つけて呼び入れ、お茶が提供され、自然と会話が始まります。 こんな昭和の風景は消えました。どこもマンションやアパートが並び、門柱の表札も消えました。よく言えばプライバシーの保護ですが、隣人の名前も家族構成も、全くわからない状況となりました。 昔の住宅では、8畳間で暮らす家族との接触を断つことは不可能でした。近所とのコミュニティにしても、垣根といった外部との曖昧な境界によってつながっていました。子育てにしても、地域で育てる流れがあったと思うのです。 時代の変化も大きく影響 数年前、ある女性がお葬式で故郷に帰るというので、ご親戚に不幸があったのか?と尋ねると、自分が育った商店街のおばちゃんの葬式と言うのです。「私の実家は商売で忙しく、おばあちゃんの店に行って、アヤ取りを教わったり、昼ごはんもご馳走になっていました。お葬式も行くのが当たり前じゃないですか」と。 最近の研修医を診療先のお宅に行かせると、困惑の表情を浮かべることがあります。どこに座ったらいいのか、なにを話したらいいのか、迷ってしまうというのです。どうしてかと聞くと、子どものころ、ご近所や他人宅に行った経験があまりないようなのです。こういった状況が「ひきこもり」とまではいかなくても、コミュニケーション能力不足につながっているようです。 駄菓子屋のおばちゃんをおだててオマケをしてもらうとかが、コミュニケーション能力の上達に役立ったと思うのです。チェーンの飲食店が少なかった時代、大衆食堂や喫茶店も、食べる以外に誰かと会話をする場所でした。「ひきこもり」には、こんな時代の変化も大きく影響しているのではないかと思うのです。(訪問診療医師)

ダイオウイカ再登場 県自然博物館 開館30周年企画展

ミュージアムパーク茨城県自然博物館(坂東市大崎、横山一己館長)の開館30周年を記念する企画展「ミュージアムパーク30年のありったけ」が2日から始まる。1日には関係者を招き、オープニングセレモニーと内覧会が開かれた。1994年の開館以来30年にわたって収集、蓄積してきた展示資料の「ありったけ」を公開する。見せるだけでなく、触ったり体験もできる企画内容で、2月に展示を入れ替えながら来年6月1日まで続くロングラン展開となる。 第91回となる今回の企画展は特設会場に10のコーナーを設け、同館の過去、現在、未来それぞれの「おもしろさ」にスポットを当てる。植物、動物、地学の分野から選りすぐりの収蔵資料を展示する。 過去に人気を集めた展示を再登場させるベストセレクションコーナーでは、ダイオウイカの再標本化による展示を見ることができる。2019年に石川県七尾市の定置網にかかったダイオウイカで、採集時の体長は約3.2メートル。同館で液浸標本とし、20年の企画展「深海ミステリー」に展示すると人気となったが、会期終了後に展示ケースから液漏れを起こしてしまった。今回は資料課の池澤広美さんらが中心となり、含浸標本としての再標本化に取り組んだ。生体の水分や脂質を高級アルコール(蝋状の固体)に置き換える措置で、採集時のふっくらとした標本に仕上がった。ダイオウイカの含浸標本は国内唯一という。同館は今年累計の入場者数が1300万人を突破。横山館長は「16ヘクタールにも及ぶ広大な敷地ながら交通の便がいいとは言い難い立地だが、今年度入場者は50万人を突破しそうで、コロナ禍以前の水準にまで回復した。団体のお客様が多く、県内ばかりでなく広い地域の皆様に満足いただいている。今後TX沿線で移動博物館を開くなど計画していきたい」としている。(相澤冬樹)

開催を中止 土浦全国花火競技大会

土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・安藤真理子土浦市長)は1日、あす2日開催予定の第93回土浦全国花火競技大会を中止すると発表した。台風21号の影響により大雨が予報されているほか、雲底の高度が低いことが予報され、安全な打ち上げと競技花火としての観覧環境が確保できないとして中止の判断をしたとしている。 予報では雲底は高度300メートル以下となる。10号玉花火は300メートル上空に上がり、直径300メートルの大きさに開くため、花火の上半分が雲に隠れてしまうとみられるという。 一方大会要項では、荒天の場合は延期とし、3日または9日に順延する予定だった。しかし警備会社の労働者不足が想定より深刻な状況で、観客の安全を確保する警備が困難となり雑踏事故の発生などが懸念されることから、関係機関と協議の上、観客の安全を第一に考え、今大会は中止を決定したとしている。 同大会事務局の市商工観光課花火のまち推進室によると、今大会の警備は警備会社2社と契約し、500人弱の警備員を配置する予定だった。延期する場合、少ない人数しか警備員が確保できないという。延期の場合、これまでは警備会社と再調整して警備員が確保できていた。来年以降、延期の場合も想定してあらかじめ警備員確保の費用を負担するかどうか、課題になる。 大会中止は、コロナ禍で中止になった2020年と21年以来。同推進室は「ひじょうに残念。楽しみにしていただいた方に大変申し訳なく思っています」としている。 大会実行委員会会長の安藤土浦市長は「大会関係者間で協議・検討を重ね、安全な大会開催を最優先に考え、苦渋の決断となったが、中止することとした。開催を心待ちにしていた皆様、煙火業者の皆様を始め、大会開催に向けてご協力をいただいた関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます」とするコメントを発表した。(鈴木宏子)

福来みかん狩りなど体験を【筑波山麓秋祭り】下

つくば市の筑波山麓や宝篋山周辺で開催中の「筑波山麓秋祭り」では、秋祭り後半の2~4日、3連休に合わせて特産の福来みかん狩りやジャム作り体験などが催される。福来みかんは近年、茨城大学農学部や県産業技術イノベーションセンターなどの研究で機能性成分が含まれていることが分かり、注目されている。2回目は福来みかんに関するイベントなどを紹介する。 今年は豊作 筑波福来みかん園 かつて筑波山神社の参詣道だった「つくば道」沿いの同市臼井にある「筑波福来みかん園」では2日から4日、所有者で田井地区に住む鮏川和行さん(68)が、福来みかん狩りのほか、自作の七味、温州みかん、ネギ、サツマイモなどの農産物を販売する。 福来みかんは18年前に苗木を植え、現在122本ある。鮏川さんは「老後のひまつぶしを社会人時代に準備し、福来みかんの木を植えた。筑波山麓秋祭りには第1回から参加している。今年は豊作でたくさん福来みかんが出来ている。筑波山の秋の味を楽しみに来てほしい」と話す。 みかん狩りは、採れても採れなくても1キロ500円。3日午前11時からは、地域で活動するオカリナ奏者、さかたかなこさんのコンサートもある。スタンプラリーでは七味をプレゼントする。 鮏川さんはみかんの栽培のほか、つくば道沿いに花畑を作り維持管理している。四季折々の花は登山客やサイクリストなどの目を癒してくれる。昨年まではウクライナ支援の募金活動をみかん園や花畑で開催するなど地域活動にも積極的に取り組んでいる。 ◆筑波福来みかん園は、同市臼井678  収穫しジャム作り 旧大越邸 筑波山神社近くの古民家「旧大越邸」では、11月1日と3 、4日、福来みかんのジャム作り体験と古民家回遊ツアーを開催する。 旧大越邸は約140年前の明治時代まで旅籠屋だった古民家で、2013年~19年にかけて法政大学赤松研究室の手によって修理された。その後筑波大学システム情報系の山本幸子准教授が指導する建築・地域計画研究室が維持管理をしている。 秋祭りでは筑波大生たちが福来みかん関連のイベントを催す。利用する福来みかんは、筑波山神社脇で土産店を営む渡辺美代子さんの畑から譲ってもらっている。イベントでは、福来みかん狩りをして、その後、収穫したみかんでジャム作りを体験する。 古民家回遊ツアーは、筑波山神社近くのつくば道から、福来みかん畑、旧郵便局、旧小林邸ひとときや椿庵まで、福来みかん畑と古民家をめぐる約30分ほどのコースだ。ツアーは予約制で、3日間で50人が目標という。1日現在予約を締め切った。 同大4年の岡野勇太さんは「筑波山にある歴史ある建物を見てもらい、福来みかんにも興味をもってもらいたい。筑波山地域がもっと活性化するように協力していきたい」と話す。 ◆旧大越邸は同市筑波688-1 筑波山麓秋祭りは2008年の国民文化祭開催を機に始まり16年目となる。20年と21年はコロナ禍で中止となり、今年は14回目の開催。スタンプラリーも催され、参加店に行くと各店の趣向したプレゼントがもらえる。(榎田智司) ◆筑波山麓秋祭り公式アカウントはこちら 終わり

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