日曜日, 4月 5, 2026

水戸支部と統合 学生団体ドットジェイピーつくば 背景にスタッフ不足

筑波大学1、2年生などが議員事務所やNPOなどでインターンシップを実施する事業を提供してきた学生団体「ドットジェイピーつくば支部」の存続が困難となり、10月、同水戸支部と統合した。つくば支部のスタッフ不足が背景にある。 つくばエリアで来年2〜3月に行われる春期インターンシップでは、水戸支部運営の下、活動先を一部の議員事務所に絞ってインターン生を募集し、実施を目指す。 ドットジェイピーは全国に約30カ所の拠点を持ち、大学生スタッフが中心となって、若者の投票率向上を目的に活動するNPOだ。学生が長期休暇に入る春期と夏期にインターンシップ事業を提供し、全国で4万人以上の学生が参加している。 つくば支部の始まりは、2008年に千葉茨城支部が発足したこと。その後、分割を経て16年に茨城支部となり、17年につくば支部と水戸支部に分かれた。 不在者投票所設置も つくば支部の参加学生は希望に応じて、議員インターンシップとNPOインターンシップを選択し、春期(2〜3月)、夏期(8〜9月)のいずれかの2カ月間活動する。NPOは、発展途上国の農業技術開発に向けて活動する国際団体や、里山保全活動団体、動物愛護団体などと連携し、学生に体験の場を提供してきた。 同支部はほかにも若者層の選挙啓発活動に力を入れてきた。16年の参院選では、筑波大生の投票率を向上させるため、「投票率向上プロジェクト」を大学の協力を得て企画し、その一環として、市選挙管理委員会が期日前投票所を同大構内に設置したり、同大生に向けて選挙啓発授業などを実施してきた。22年の参院選、県議選では、投票すると飲食店などでお得なサービスを受けられる「センキョ割」を実施した。 「明確な目的もって行動」が魅力 水戸支部スタッフで、茨城大学1年の金子博雅さん(19)は、つくば支部のスタッフ不足による水戸支部との統合について「インターンを通してスタッフになり、活動するケースが多い中、つくば支部はインターンシップ事業に参加する学生が少なく、スタッフ獲得につながらないこと、また、新型コロナの行動制限がなくなり、学生自身がこれまで以上に(インターンシップではない)娯楽面に時間を割けるようになったことが影響し、スタッフ不足につながったのでは」と話した。 金子さんは23年の夏期に水戸支部の議員インターンシップに参加し、スタッフになった。インターン中にコロナにかかり、描いたように活動できなかったことを思い起こし、これからの参加学生のために全力を尽くしたいと思ったことがスタッフになったきっかけだ。「明確な目的を持って行動できるようになることがインターンシップの魅力」と話した。 水戸支部では現在、茨城大生を中心とした11人のスタッフが在籍しており、今月22日まで、春期インターンシップ参加学生を募集中だ。同支部では、議員インターンシップに加え、食品フードロスの解決を支援するNPOや児童クラブ、世代間のデジタル格差の解消に向けて活動するNPOなどでインターンシップを提供している。(上田侑子) ◆ドットジェイピー水戸支部の公式Xやインスタグラムのダイレクトメッセージでインターンシップ説明会や参加申込受付中。

第三世界のための意匠《デザインを考える》3

【コラム・三橋俊雄】大学卒業後、私は東京のデザイン事務所に勤めました。そこでは、ぺんてる(文房具)、キッコーマン(しょうゆ瓶)、ヤマハ(オーディオ、オートバイ)、オカムラ(家具)などのプロダクトデザインから、建築・都市デザインまでを扱っており、私は、セイコー(オリンピック競技時計、羽田空港世界時計)、コンピューター端末機(XYプリンター)のデザインなどを担当しました。 それらのデザインは、多様な工業製品に美しいフォルムとオリジナルなデザインを施し、工業製品の価値を高めることが主な役割でした。私は、そうしたデザインの実践に喜びを感じながらも、一方で「What to design(何をデザインすべきか)」について関心がありました。それは、コラム2 で話した「障がい者のためのデザイン」にも通じるものでした。 今回は、私の生き方に最も大きな影響を与えた『生きのびるためのデザイン』(ヴィクター・パパネック著、晶文社)について、紹介します。パパネックの関心は、大量生産・大量消費時代における地球規模での格差や環境破壊など、デザイナーが加担してきた負の側面に目を向け、第三世界の国々に適切なデザインを提供するための「What to design」にありました。 空き缶ラジオ 上の写真左は、電気も電池も使えない第三世界の人々のためにデザインされた、9セントの空き缶ラジオです。インドネシアの友人も私に「それは見た」と話してくれたもので、イヤホン、銅製の放射状アンテナ、使い古しの釘を用いたアース、トンネルダイオード、熱電対(異なる金属線の両端をつなげ、その接点に温度差があると電気が流れる)などで構成されています。 この空き缶で、ロウや木材、乾燥した牛の糞(ふん)などを燃焼させると、その熱が熱電対を通して電気エネルギーに変換され、イヤホンで例えば毎日5分間「ニュース放送」を聴くことができます。このラジオには、色も装飾も施されていません。インドネシアの人々は、このブリキ缶の外側にフェルトやガラス片、貝殻などを貼り付けて、自らデザインをします。 すなわち、パパネックは、アメリカ流のデザインを押しつけるのではなく、人々が自由にラジオの装飾を楽しみ、その地域の文化や価値観を表現することができると考えたのではないでしょうか。「空き缶ラジオ」は、インドやインドネシアで何年も使用され、成功を収めたということです。 ピルのパッケージ 写真右は、文字の読めない女性たちのための避妊薬ピルのパッケージです。女性たちは、毎日1錠ずつ、ピルをパッケージからもぎ取り服用しますが、もし1日分のピルを取り忘れても、U字型チューブの端が空気に触れて赤色に変わり、警告してくれるというものです。また、ピルを勘定しなくてもすむように、一連の気休めの薬が含まれています。 このように、パパネックは、「What to design」の理念を持ってデザインをすることの重要性を、私たちに教えてくれました。(ソーシャルデザイナー)

大和ハウスの取得手続き完了 つくば自動車研未利用地

大和ハウス工業(本社大阪市)は18日、日本自動車研究所(JARI)がTX研究学園駅南側に所有していた未利用地(つくば市学園南2丁目、15.5ヘクタール)の取得手続きが完了したと発表した。同社はここに中高一貫校「茗渓学園」を誘致するほか、分譲マンション、商業施設、研究施設、産業・物流施設、保育施設を建設するなど、総合的に開発する。 駅南開発の総事業費は約350億円 JARI未利用地は、公募型プロポーザル(事業計画提案)方式で売却された。取得に応募したのは3企業で、大和ハウスが提案した取得価格と事業計画の総合点が一番高かった。12月4日に売買契約が結ばれ、18日、用地が引き渡された。 開発用地は、県道・土浦坂東線(エキスポ通り)、国道・取手つくば線(サイエンス大通り)の近くにあり、TX研究学園駅から徒歩9分の一等地。駅の反対側には、イーアスつくばやコストコなどの大型商業施設がある。 大和ハウスは、同地の開発計画を「SSC(スーパー・サイエンス・シティ)つくば学園南プロジェクト」と名付けた。2024年8月から建設工事に入り、28年4月に全体が完成する。総事業費は約350億円(うち土地取得費が142億円)という。 用地内に茗渓学園の移転先を確保 用地の北東区画(全体の28%に相当する4.3ヘクタール)は、茗渓学園(つくば市稲荷前)の移転先に充てる。同学園によると、大和ハウスの取得手続きが完了したことを受け、来春にかけて同社と契約内容を詰める。早ければ、来年3月の理事会で駅南移転を正式決定、学園運営に必要な区画を取得する。駅南開校は2029年4月の予定という。 茗渓学園は、筑波大学とその前身の東京教育大学のOB会「茗渓会」によって、1979年4月に設立され、生徒数は現在1526人。帰国子女や留学生が多く、生徒用の寄宿舎も充実し、海外大学進学を推奨するなど、国際色が強いのが特徴。 応募急増、茗渓は次のステージに 宮崎淳校長・理事は「駅南移転が報じられたこともあり、(高校3年になったら新学園に移る)来春(中学)入学者の推薦入試は過去最高の人数になった。また、TXが通る千葉の保護者がうちに強い関心を持つようになっている、とも中学進学塾から聞いた」とし、駅南移転が各方面から注目されていることに驚いている。 さらに、新学園の魅力を一層高めるため「駅から5分で通えるように、駅と学園の間に近道を設けたい」と述べている。茗渓学園は2029年(創立50周年)を機に次のステージに入りそうだ。(岩田大志) <関連記事・コラム> ▽「…茗渓学園が移転へ…大和ハウスが開発」(10月20日掲載) ▽「学園運営に磨き…TX南移転は29年…」(11月6日掲載)

つくば市政の2つのダブルスタンダード《吾妻カガミ》173

【コラム・坂本栄】つくば市の2大問題(洞峰公園市営化と運動公園用地売却)をウォッチしていて、何かおかしいなと思いました。いずれも市民の関心が強い問題ですが、市は両方にダブルスタンダード(対象によって適用する基準を変える二重基準)で対応しているからです。市はその場その場で理屈を使い分けており、姿勢(市政)がフラフラしています。 自然環境政策での二重基準 つくば市は、洞峰公園市営化問題のアンケート用紙に添えた「よくいただくご質問」の中で、「(公園の)既存樹林・樹木を可能な限り保全し…」「…地域の自然環境に調和するよう配慮する」と、樹林を守る必要性を強調しています。駐車場の樹木を少し切ろうとした県の公園管理に対抗する理論武装とはいえ、この文言はなかなか力が入っています。 ところが、運動公園計画用地(高エネ研南用地)の自然林が無くなることに、市はまったく関心がないようです。それぞれの場所は違いますが、「自然環境政策におけるダブルスタンダード」と言えます。 記事「樹木の伐採始まる…運動公園用地」(12月8日掲載)によると、倉庫会社に売却された元市土地開発公社用地(実質市有地)の森林伐採が始まりました。これに対し、議会の議決なしの処分は違法だと住民訴訟を起こしている酒井さんは、寄稿「…森林伐採、つくば市は差し止めよ!」(12月12日掲載)の中で、「自然環境に回復不可能なダメージを与える」と、市と事業者に説明を求めています。 失政の後始末⇒場当たり策 思い起こすと、運動公園用地売却も洞峰公園市有化も、五十嵐市長の失政の後始末です。 ▼運動公園問題:前市長が取得した用地を元の保有者(UR都市機構)に買い戻させると市長選挙で公約。しかし、返還に失敗し、民間に売却。 ▼洞峰公園問題:県営洞峰公園の管理方法で県と対立。タダでやるから市の好きなように維持管理すればと県から押し付けられ、市営化を選択。 要するに、URや県との協議を上手にやっていれば、こんな問題は生じませんでした。 失政の結果、運動公園用地は民間企業に売却(森林伐採を容認)、洞峰公園は市の好みで管理(樹林の保全管理)という、市民には「?」の事態になりました。市に自然環境保全についての確固たる政策があるわけでなく、市長の失政を糊塗(こと)する場当たり的な対応といえます。 失政が悪政を呼び込んだ? もう一つのダブルスタンダードは、体育館などの施設管理法です。171「…洞峰公園 『劣化容認』計画」(11月20日掲載)で取り上げたように、市は①谷田部地区などにある市営体育館の設備などは築60年で更新する②しかし県から譲受する予定の洞峰公園内体育館の設備などは修理~修理で80年持たせる―と、二重基準を打ち出しました。 洞峰公園市営化に反対する市民や市議を念頭に、②は園内施設の維持費を安く上げようとする計画のようですが、既存施設と新規施設の維持の仕方に差を付けるのは何か変です。公園を押し付けられた失政を、手抜きでカバーしようとする悪政ではないでしょうか。(経済ジャーナリスト)

ウクライナ留学生のニキタさん 故郷を語る 筑波学院大

展覧会「ウクライナの子どもたちの絵画展」(12月13日付)の関連イベントとして、ウクライナ出身で筑波学院大学(つくば市吾妻)に留学中のトロプチン・ニキタさん(19)が17日、「日本で暮らすウクライナ人学生の現在」と題し講演。先が見えない状況への不安や、日本の支援に対する感謝などを語った。 ニキタさんはできるだけ多くの機会を捉え、ウクライナのことを日本の人たちに伝えたいと活動している。この日も、ニュースだけではウクライナという国のイメージが伝わりにくいと考え、同国の歴史や文化、人々の暮らしなど幅広い話題を提供。ウイーンで世界初のカフェを開いたのがウクライナ出身のコサック兵だったことや、ハルキウの郵便局で世界で初めて郵便番号が使われたといった豆知識も披露し、身近な国であることを印象付けた。 「来日したときはウクライナの状況が盛んにニュースで流れた。そのころと比べてニュースは減っているが、戦いはずっと続いている。そんな中で日本は、民間も政府も財界も私たちに寄り添ってくれている。大変ありがたい。今はガザ地区に世界中の目が向いているが、ウクライナのことも忘れないでほしい」 ニキタさんはドニプロ州ポクロヴ市生まれ、4歳からキーウで育った。キーウ市立ボリス・グリンチェンコ大学に在学。昨年2月のロシア侵攻はキーウに戻る列車の中で知り、家族と合流後、なるべく早くキーウを離れようと、友人の家に避難した。 日本への留学は、大学で日本語を学んでいたという縁もあった。筑波学院大がウクライナの学生を支援する目的で留学生を募集し、これに応募する形で昨年7月、母と妹と共につくばに来た。特別奨学生として学費と生活費の支援を受けながら、筑波学院大では経営学を学ぶ一方、キーウの大学の課題もオンラインでこなしている。 父はキーウでタクシードライバーとして働いているが、いつ戦争に動員されないとも限らない。母と妹は父が心配で一時帰国し、ニキタさんは今つくばで一人暮らしだ。結婚した姉もキーウで暮らしており、叔父の一家も戦地に近いところに住んでいるため、心配は絶えないという。「日本は安全に暮らせるが、土地に根差して生きるウクライナ人の心情として、危険があっても生まれた土地を離れたくない」と話す。 先が見えない状況にニキタさんは今、大学を卒業後、日本で就職することも視野に入れ始めているという。「一番怖いのは戦争に慣れてしまい、日常になってしまうこと。それが問題」と、警鐘を鳴らす。(池田充雄)

「ご本尊さまにやられた」こと《写真だいすき》27

【コラム・オダギ秀 】とんでもないことになった。一瞬のうちに真っ暗闇になった。ボクはパニくった。大切な撮影の最中だった。ある仏像の撮影をしていた。ヒューズが切れたのだ。 その像は、さる由緒ある寺院のご本尊で、門外不出の秘仏だった。撮影を依頼してくれた大学教授の話では、県内でも最も価値ある像の一つで、長年撮影の許可を願っていたが叶(かな)わず、やっと撮影許可が下りたから失敗はできないと、ボクに依頼がきたのだった。 いいかげん自尊心をくすぐられたから、ボクもいい気になり、張り切って撮影に臨んでいた。 準備には万全に万全を重ねた。下見をすることも許されなかったから、どんな状況にも対応できるよう、あらゆるシチュエーションを予測し、予備機材はさらに予備を持ち、そのうえで撮影に臨んだ。 午後始めた収蔵庫での撮影は夜になっていたが、問題なく進んでいるつもりだった。 ところが、日が暮れてから、ブレーカーではなく安全器のヒューズが飛んだのだ。今の人は知らないだろうが、以前は、電気の過電流を防ぐために、ヒューズという熱で溶ける鉛などで作られたパーツを使っていた。安全器の中のそのヒューズが飛んでしまったのだ。ブレーカーのように、スイッチで戻すことはできない。ヒューズが飛ぶと、明かりはなくなる。 真っ暗闇のなかで、ボクは立ちすくんだ。大きな照明機材で撮っていたから、それを倒しでもしたらとんでもないことになる。機材の位置と這い回っているコード類がどこにどうなっていたか、ボクは頭の中で、必死に思い返していた。 拾った百円でヒューズを2本買った だが、慌てる一方で「ご本尊やるなあ」という思いが、気持ちの隅に湧いていた。いつだって、自分がどんな位置状況にいるか、当然知り尽くしていなければならないはず。ヒューズが飛んだくらいで慌てちゃいけない。そのことをご本尊が、あらためて教えてくれたように思えた。 備えをしたといっても大きなことばかり考え、小さなヒューズ1本さえ用意していないことを、ご本尊は見抜いたのだろうか。心の緩みを戒めてくれた気がした。感謝して合掌し、夜の山を降りた。 だが、どうにも、腑(ふ)に落ちない。仏様が、ヒューズを切ったりするわけないだろ、と思った。 で翌々日、違うお寺さんの仏様を撮りに出かけた。いい加減な準備だった。悪い奴(やつ)には厳しい仏様なら、やましい心を持った写真家を厳しく罰するはずだ。 天気はポカポカ気持ちよかった。駐車場で、はすっぱに車停めたら、百円拾ったのでネコババした。お堂の光はよくて、すぐ撮影はすんだ。寺の横に廻(まわ)ったら農家のおばさんが白菜くれた。帰りに寄ったコンビニのお姉さんは可愛(かわ)ゆかった。準備は手抜きで安易な撮影、ネコババまでしたのにバチも当たらず、とてもいい日だった。ほらみろと思ったが、それもやっぱり、腑に落ちない。 ホームセンターで、拾った百円に26円足し、ヒューズを2本買ってカメラバッグに入れた。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

6000個のランタン つくば駅前を彩る

市内の小中学生がカバーをデザインした約6000個のランタンに火を灯す「ランタンアート2023」(つくばセンター地区活性化協議会主催)が16日、つくばセンター広場などつくば駅周辺で始まった。ろうそくやLEDライトを使ったランタンの光が温かく街を彩る。17日までの2日間開催される。 ランタンは同市吾妻のエキスポセンター前から竹園の商業施設デイズタウン前までの遊歩道約1.2キロにわたって配置された。装飾カバーは公募で参加した市内の小中学校や義務教育学校13校の小中学生が制作。カラフルな絵を描いたり、色画用紙を切り抜いて貼り付けたりしてデザインした。 16日夕には多くの人でにぎわい、写真撮影をする姿が見られた。センター広場のステージでは、ゴスペルグループなどのステージパフォーマンスも行われ、クリスマスシーズンらしい雰囲気を演出していた。 会場の一角には、LEDによって様々な色に変化するペットボトルのランタンが置かれ、多くの人が足を止めて見入っていた。つくば市内で活動する小中学生のプログラミングサークル「CorderDojo(コーダー道場)つくば」がマイクロビットというプログラミング教材を使って制作した作品で、同日開催されたプログラミングのキッズ講座に参加した親子10組の作品も加えて展示された。サークルに参加し、ランタンを制作した春日学園義務教育学校9年生の櫻井みのりさん(15)は「見る人が楽しくなることを意識してプログラミングした」と話した。小学校4年生の時に学校でマイクロビットを使って学び、プログラミングに興味を持ったという。 子どもを連れて鑑賞に訪れた市内の40代男性は「ろうそくや紙を使ったアナログのランタンもデジタルのランタンもあり、温かさと技術とが融合していて新鮮さを感じる」と語った。 「ランタンアート」イベントは2009年から始まり、コロナ禍で2年間は中止となったが、昨年から再開した。今年で13回目の開催となる。毎年つくばの冬の風物詩として人々の目を楽しませている。 イベントを主催する同活性化協議会事務局の岩﨑香央里さんによると、今年は昨年に比べ約1000個多いランタンが配置されているという。岩崎さんは「つくばセンタービル1階中央広場部分の配置デザインは吾妻小学校と吾妻中学校の生徒が連携して考えてくれた。このような学校間の交流も生まれたことは大変うれしい」と語り、「どのランタンも工夫が凝らされた素敵なデザインになっているので、一つ一つゆっくりご鑑賞ください」と来場を呼び掛けた。(田中めぐみ) ◆17日(日)は午後4時45分から午後7時半まで点灯する。天候の状況によって中止、点灯時間が短くなる場合がある。 【追加18日午前11時35分】17日は強風のため中止になりました。 https://youtu.be/2cf6iy8tYaI

「野村花火」の魅力 (上) 《見上げてごらん!》22

【コラム・小泉裕司】野村花火工業(水戸市)社長、野村陽一さん(73) の「追っかけ」歴20年。今回と次回は「野村花火」の魅力を探ってみたい。 1875(明治8)年に創業した老舗煙火店の4代目として、1989(平成元)年に社長に就任。それ以降、土浦全国花火競技大会で12回、大曲の全国花火競技大会(秋田県大仙市)で9回、計21回、花火師の最高位となる内閣総理大臣賞を受賞するなど、名実ともに日本一の花火師である。 野村花火は、今年8月の「大曲」でも、高得点が出にくいと言われる早い出番(5番)だったにもかかわらず、4部門のうち2部門で優勝、1部門で準優勝と、圧倒的な成績で内閣総理大臣賞に輝いた(全国花火競技大会公式HP)。 数日後、お祝いを伝えに水戸市内の工場を訪ねたところ、社長室は、大曲から持ち帰った各賞のトロフィーや賞状で座る隙間もないほど。人材育成に傾注する野村社長は、今大会に出品した作品づくりの難しさに言及しながらも、打ち上げを担当した若手花火師の成長がことのほかうれしいと目を細めた。 以下、野村社長の話。 至極の五重芯花火 10号玉と言えば、至難の業と言われる「五重芯花火」。五つの芯がクリアに開き、外側の親星を含めて六重の真円が目視可能であることが求められる。まだまだ完成の域には達しておらず、試行錯誤、少しずつ改良に挑戦しているという。 スターマインの今 スターマインは、音楽付きとなってから、物量で見せる時代は終わったと思っている。なぜなら、コンピュータプログラムの普及によって、煙火業者それぞれの打ち上げ技術に大差ない状況で、迫力だけなら誰でも出せるようになった。観客の満足度を高めるには、情感豊かなタイトルやストーリー性、高質な花火が重要だと考えている。 競技大会と会社経営 100年以上の歴史を有する競技大会があるからこそ、これまでの技術の進化があった。一方で、競技大会だけでは会社は成り立たない。昨今の薬品や部品の高騰をはじめ、経営面での負担も重くのしかかっている。このバランスの取り方は、今後も難しさがつきまとうのだろう。 競技大会の審査 審査員として誰が適任なのか、答えはない。花火は芸術。芸術に対する感性は百人百様で数学的な答えはない。だからこそ、審査結果は潔く受け入れる。AIによる審査が実現するときは、芸術が滅ぶときであり、人間の存在価値がなくなるとき。 野村花火=高質な花火 競技大会に限らず、様々な人たちからの期待を裏切るような花火は見せられない。常に緊張感を持って花火大会に臨んでいる。 花火は有料で見るもの コロナ禍後の花火大会は、運営経費の高騰などから、新たに有料席の値上げや新設に踏み切るケースが増え、話題となっている。花火大会の長期的な継続性を考えると、運営側にとっても、煙火業者にとっても、この流れは必然と考えている。 10月28日、4年ぶりに開催された常総きぬ川花火大会(常総市)では、野村社長の隣席(有料席)で「野村花火」を見る光栄に浴した。本日は、この辺で「打ち留めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

「グリフォン」聖地に現る! パトレイバー土浦研究所で”製造”

アニメ「機動警察パトレイバー」に登場する「グリフォン」のフィギュアが15日、同アニメの聖地、土浦市の市役所2階共用スペースに展示された。大きさは高さ80センチ、翼を広げた幅120センチで、140センチの台座の上に設置された。 グリフォンはパトレイバーの強敵で、驚異的な性能を持つメカ。巨大多国籍企業が土浦研究所で製造した設定になっており、土浦はファンの間で「聖地」扱いになっている。アニメを活用したまちづくりに寄与したいと、土浦亀城ライオンズクラブが結成55周年を記念して同市に寄贈した。 同日は市役所2階共有スペースで、お披露目会が催された。5、4、3、2、1という掛け声でフィギュアが現れると、集まったアニメファンらから大きな歓声が上がった。 フィギュアを寄贈した同ライオンズクラブの佐藤三典会長(73)は「アニメを利用した地域活性化に協力する形で、フィギュアを制作した。全国にパトレイバーファンは2万人いるといわれる。市役所の入り口に常設するのでどんどん見に来てほしい。今日のお披露目会にもたくさんの人が来てくれてとてもうれしい」と語った。 安藤真理子市長は「パトレイバーに土浦が出てくることは前から知っていて、私が市議会議員の時代、(アニメを活用したまちおこしについて)提案したことがある。その時は誰も反応してくれなかったが、今回こういう形で実現出来てうれしい」と話した。 同日、フィギュアのお披露目に先だって、近くの市立図書館1階の市民ギャラリーで市が、グリフォンがデザインされたマンホールカードの配布を開始した。北海道から沖縄まで全国各地のアニメファンやマンホール蓋の愛好家のほか、香港や台湾などの海外からもファンが訪れ、同日は6000枚超えるカードが配布された。 パトレイバーは、ロボット技術による歩行式の作業機械「レイバー」が普及する近未来の東京を舞台に、新設された警視庁のレイバー部隊の活躍を描くアニメ。1988年から劇場版やテレビシリーズが制作され、35年たった今も根強い人気がある。 同市では2022年1、2月に市民ギャラリーで、パトレイバーの制作資料やイラストを展示するパトレイバー企画展を開催した。今年4月にはパトレイバーのキャラクターやロボットがカラーで描かれたデザインマンホールを中心市街地に設置したり、市役所内の売店きらら館や市観光協会のまちかど蔵に設置したガチャでオリジナルキーホルダーの販売を開始。7月には第一弾のマンホールカードを配布するなど、同アニメを活用して土浦のPRを展開している。(榎田智司)

お祭りの力「ゲニウスロキ」《看取り医者は見た!》9

【コラム・平野国美】岡山県の真庭市に久世(くせ)という町があり、地元の方と話したことがあります。毎年10月24~26日に久世祭りが行われるのですが、土曜・日曜を考慮せず、昔からこの日程で行っているそうです。 平日だと、この町から出た人はやってくるのが大変でしょうと聞くと、「生まれたときから、この祭りになじんでいるから、必ず帰ってくる。来るか来ないか、はっきりしないやつには電話をして、練習中の祭り囃子(ばやし)を聞かせてね。サバ寿司でも食べに来いと話すと、大体、帰ってくるね」と話すのです。 場所は変わり、私が生まれた龍ケ崎市。昔は立派な商店街でしたが、残念ながら、今は人通りもまばらです。しかし、夏祭りには、どこから湧いてくるのかと思うほどの人波ができるのです。私に祭りに出るか聞いてくる電話はありませんが、フェイスブック(FB)でその準備がされていく様子を見ると、心が躍るのです。 神主さんや町衆が、その日に向かって宮薙(みやなぎ)から入り、御神酒所の設置を始める様子を見ていると、子供のころを思い出すのです。FBは面白いのですが、実際に見ると、お祭りの歴史や神を感じるのです。撞舞(つくまい)という奇祭には、他では味わえぬ雰囲気があると思うのです。 独特の民族性を感じる街 山陰や山陽の山間部に、独特の民族性を感じる街があります。津山、真庭、新見、三次、倉吉などです。街並みだけでなく、暮らす人たちの独特の精神性を感じます。龍ケ崎にも、そこと同じような雰囲気を感じます。私は、今、つくば市在住ですが、龍ケ崎に住んでいたときには、気づかなかったもの、感じなかったものが色々見えてきます。この歳になって、やっと故郷に興味を持ち始めたのかも知れません。 最近、総務省が言い出した言葉に「関係人口」があります。定住している人とは異なり、地域づくりに流動的に関わる人たちを意味します。定住人口はその地域に移住した人ですが、交流人口は観光などで訪れた人を指します。「行き来する者(風の人)」「地域内にルーツがある者(近居・遠居)」「何らかの関わりがある者(過去の勤務や居住・滞在)」などです。 こういった人口区分は、人口減少時代らしい分け方ですが、現在の私にはすべてが当てはまりそうです。いずれにしろ、その土地に何らかの魅力がなければ人は振り向かないでしょう。(訪問診療医師)

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