エッセンシャルワーカー向けPCR検査所 県がつくばに開設
濃厚接触者の早期職場復帰へ
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、濃厚接触者となったエッセンシャルワーカー(社会機能維持者)を対象とした県の無料PCR検査所がつくば市山木、つくばウェルネスパーク駐車場内に開設され、2月1日からドライブスルー方式による検査が実施されている。
自宅待機5日目以降で無症状の医療従事者、保育園や幼稚園職員、警察官、消防士や救急隊員、高齢者や障害者施設の職員などが対象。検査で陰性が確認されれば、早くてその日から安心して職場復帰できる。開設はつくば市1カ所のみで、県内全市町村のエッセンシャルワーカーが対象になる。
筑波大の水素燃料電池バスが出動
抗原検査キットが手に入らなかったりPCR検査が受けられないなど、検査体制のひっ迫が続いていることから、県の要請を受けて、現場で精密なPCR検査ができる筑波大学の水素燃料電池バスが出動し、臨時の検査所が開設された。
現在は1日3時間受け付け、1日最大240人分の検査ができる。2月末まで開設し、平日に検査を受け付ける。検査体制のひっ迫が続けば、3月以降も延長される予定だという。
前日までにインターネットで予約することが必要。会場では、自家用車の車内でだ液を採取し、担当職員に検体を手渡せば、5分程度で終了となる。検体は、会場に駐車してある水素燃料電池バスの車内で1検体ずつ検査され、40分から1時間後に本人のメールに結果が通知される。一般の検査センターでPCR検査を実施する場合に比べ、半日ほど早く本人に結果が届くという。
筑波大によると、2月1日からこれまで、1日平均100人程度、最大で1日169人が検査を実施した。濃厚接触者の場合、自宅待機5日目では1割程度が陽性になるとされるが、筑波大の検査でも169人中11%が陽性だったという。陽性の場合はさらに6日間、自宅待機が必要となる。
16日は午前11時に検査がスタートし、事前予約していたエッセンシャルワーカーの車が次々にやってきて、検体を手渡す姿が見られた。
同大医学医療系感染内科学の鈴木広道教授は「医療従事者などエッセンシャルワーカーの早期職場復帰や、施設内でのクラスター発生防止に協力できれば」などと話している。(鈴木宏子)
つくば生まれのHAL 病院導入にはずみ 4月からの診療報酬改定で
装着型ロボットスーツ開発のサイバーダイン(つくば市学園南、山海嘉之社長)の主力製品である「医療用HAL下肢タイプ」が4月から、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーなどの難病で入院する患者への治療に用いられた場合、診療報酬として出来高評価で加算できることになった。診療報酬の増点もあり、病院がHALを導入しやすくなる条件が整った。
9日開催の中央社会保険医療協議会 (中医協)総会で、2022年度診療報酬改定の答申書が承認された。この中で医療用HALによる入院患者への治療については、DPC包括評価の対象外項目(出来高算定項目)に追加された。
DPCは急性期入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度で、1日当たりの定額(包括)の医療費で計算をする方式。投薬、注射、検査などが包括されている対象項目は別々には算定できない。今回の改定案で医療用HALは、包括評価から出来高算定項目に切り替わり、外来患者同様、診療報酬算定ができるようになった。
同時に診療報酬点数の基本点数が900点から1100点に増点され、難病加算や導入加算を加えると4月以降、1回あたりの出来高評価は4000点となる。サイバーダイン社によれば、診療報酬は1回4万円となり、HALを装着して入院中に週2回月9回、各1時間程度の歩行機能改善を行った場合、36万円が出来高分に算入できるという。
難病入院の患者に治療機会
中医協の答申を踏まえ、厚生労働省は3月までに診療報酬の算定方法の改正に関わる告示・通知を発出する見込み。DPC対象病院は難病指定病院の約8割を占める。これまでHALを使った治療を実施しても、診療報酬として加算されなかったDPC対象病院には導入への大きな動機付けになる。
同社の宇賀伸二CFO(最高財務責任者)は「DPC対象は現在全国に約2000病院あるが、導入先は現行60病院にとどまる。これを当面200病院に拡大して、難病患者の治療機会の確保に努めたい」としている。
HALは筑波大学ベンチャーによって開発された装着型サイボーグ。脳から出る生体電位信号を利用して、身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる。下肢などの機能回復を促す医療用のほか、作業支援用、介護支援用がある。
HAL医療用下肢タイプは、筋萎縮性側索硬化症や脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)など8つの緩徐進行性の神経・筋疾患を対象に、2015年11月に新医療機器として薬事承認され、医薬品医療機器法(薬機法)に基づき、5年間にわたり有効性や安全性の確認を目的とした使用成績調査が実施されてきた。その結果、他に有効な治療方法が確立していない緩徐進行性の患者に対して、既承認薬も含め前例のない顕著な機能改善効果が確認された。さらに安全な治療法であることを証明する「医療技術評価提案書」が日本神経治療学会から提出され、今回の改定案答申に至った。(相澤冬樹)
お手頃イタリアンなら「オリーブの丘」 《ご飯は世界を救う》44
【コラム・川浪せつ子】「イタリアン」っていうお店、多いですよね。大衆的なお店から、本格的なお店まで。ピザ、パスタなど。でも、日本人のせいか、おコメの洋風料理を食べたくなることも。そこで見つけたのが、阿見町の「オリーブの丘」荒川沖店。イタリア料理のほか、スペイン料理のパエリアなどもあります。
おまけに、日本でいう「おじや」―洋風で言うと「リゾット」―が食べられて、ニッコニッコ。おコメ大好きの家でも、あまり食べることのない「アクアパッツァ」「チーズフォンデュ」などを頼んで、連れ合いといろいろな味を楽しめちゃう!
食事が終わったあと、甘いものが食べたくなりますよね。ここには、本当に「ちょこっと」だけスイーツもあります。ダイエット継続中の私でも、あまり罪悪感なく食べられます。
ファミレスなので、お値段も低価格。大枚出したら、ぐんとおいしいものをいただけるでしょうけど、ね。庶民には、やさしい。
画材買い出し時に立ち寄り
残念なのは、我が家からは遠いこと。ホームセンター「ジョイフル本田」に、画材などを買い出しに行くとき、早めに訪問。「オリーブの丘」のはす向かいは、本のリサイクルショップ。
ここで掘り出し物を探すのが、とっても楽しみ。駐車場の向こう側は、100円ショップもあるので、いろいろなお店をハシゴできて、本当に便利です。
お店は関東地方だけみたい。我が家の近くに出店して欲しいけど、無理かなぁ。(イラストレーター)
障害者らが提案 電車・バス代助成、就労時の介助支援実現へ つくば市
つくば市は2022年度の新規事業として、障害者が電車やバスに乗った時の交通費を助成する心身障害者鉄道・バス利用料金助成事業(約1700万円)と、重度障害者の就労時の介助費用を支援する重度障害者就労支援特別事業(当初予算案約830万円)を実施する方針だ。
障害者と家族、支援者などからなる市民団体「障害×提案=住みよいつくばの会」(主催・斉藤新吾さん)が2020年の市長選挙、市議会議員選挙の立候補者に、公開質問状の形で提案したものだ。
タクシー券と選択制に
鉄道・バス利用料金助成は、障害者が交通系ICカードを利用し、電車やバスなどに乗車した時の交通費を助成する。
市はもともと障害者などにタクシー乗車費用の一部(1枚500円を年36枚までなど)を助成している。申請があっても4割程度の金額しか利用がないなど利用率が低かったことから、同会は、既存のタクシー券を、バス・電車などの運賃やガソリン代としても利用できるよう選択制にし、障害者の社会参加をより促進することを提案していた。
市障害福祉課でも検討が進められ、同会も市と意見交換をしてきた。その中で出てきたのが、交通系ICカードを給付し、タクシーだけでなくバスや電車も利用できるようにする案だった。
市との話し合いの過程では、ICカードの精算方法などの課題も出ていた。より多くの人が利用できる制度の仕組みを考えるため、同会では昨年、様々な障害を持つ人や家族、幅広い市民を対象にした市民フォーラムを2回開催した。普段同会に参加しているメンバーは車いす利用者が多いが、フォーラムには視覚障害者も参加した。
市との話し合いで、市が助成して交通系ICカードを作る案が出たが、昨年10月の2回目のフォーラムで視覚障害者から「個人でICカードを持っており、同じ形状のカードが2枚あると、誤って交通費以外に使ってしまうだろう」と危惧する意見が上がっていた。
市障害福祉課によると新年度からは、従来のタクシー券または交通系ICカードのどちらかを選べるようにする。約970人の利用を想定しており、議会で予算が可決されれば4月から申請を受け付ける。助成方法など詳細は検討中だ。
県内初 就労の壁崩す
就労支援特別事業は、就労中の重度障害者の介助サービス費用を助成することで、障害者の就労を促進する。従来の公的介助サービスは通勤時や就労時は利用できないため、介助が必要な障害者は、働きたくても自費で介助費用を負担しなければならず、事実上、就労が難しかった。
同会の提案を受け、市障害福祉課は他市町村の実施状況など調査を進めた。市の調査では、昨年5月時点で県内で同事業を実施している市町村はなかった。
新年度予算では、フルタイムで勤務する重度障害者2人の利用を想定している。
予算計上を受け、同会の斉藤新吾さん(46)は「多様な障害のある人とその家族など、市民を中心に提案したことを、市議会や担当課とも話し合い、実施にこぎつけたことはとてもうれしい」と話す。(川端舞)
「深く反省し寄り添う市政徹底させる」 不登校学習支援事業者選定めぐり つくば市長
つくば市議会3月定例会が14日開会し、五十嵐市長は新年度の施政方針を述べた。不登校学習支援委託事業者の選定をめぐって、保護者会が事業者の継続を要望している問題(1月20日付)について触れ、「結果として、現在の利用者や保護者に多大な不安を与えてしまっている」と話し「今後決して同様の事態を招かないために私自身が深く反省し、寄り添う市政という心を全庁に徹底的に浸透させていく」などと述べた。
昨年12月に市が公募した委託事業者のプロポーザルでは4社が応募し、現在、不登校児童生徒の学習支援をする「むすびつくば」を運営するNPO法人リヴォルヴ学校教育研究所が次点になり、別の民間事業者が1位に選定された。
選定について五十嵐市長は施政方針の中で「さまざまな事情を背景に学校に通えなくなっていた子供たちが、ようやく自分の居場所を見つけることができたにも関わらず、事前の周知もなく突然、実施主体が変更されることを知らされ、不安な状況をつくってしまった原因は、寄り添う市政の徹底を実現できていない私のまぎれもない力不足であり、子供たち、保護者の皆さまに本当に申し訳なく思っています」と謝罪した。
一方、具体的にどうするかについては「現在、保護者、関係者から意見をいただきながら子供たちの不安を何とか解消できるように努力をしているところ」と述べるにとどまった。
2050ゼロカーボンシティを宣言
新年度の市政運営の所信については、新型コロナ対応を最重要課題として自宅療養者への物資支援、市独自のPCR検査などをする、科学技術都市つくばの強みを生かしスーパーサイエンスシティ構想の実現を引き続き目指す、中心市街地ではつくばセンタービルのリニューアルの一環で新たな市民活動拠点の整備を進め、周辺市街地では空き店舗を活用したチャレンジショップの開設や地域振興を担う人材発掘に取り組む、誰一人取り残さない社会を実現するため生活困窮者自立支援、障害者の日常生活と社会生活の支援、子どもの貧困対策、高齢者の買い物支援などに取り組む、教育ではスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校サポーター配置を充実させるなどと話した。
さらに2050年までに二酸化炭素排出量を実施ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を目指すと宣言した。国は2020年10月に、2050 年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言している。
低炭素社会の実現に向けた新年度の具体的施策としては、宅配便の再配達回数を減らし二酸化炭素排出量を削減するため集合住宅の所有者に宅配ボックス設置費用の一部を補助する、家庭から排出される生ごみの減量と自家処理を目指し電気式生ごみ処理機やコンポスト購入費の一部を補助する、リサイクルのさらなる促進のためプラスチックごみの収集回数を現在の月2回から月4回に増やすーなどを挙げた。(鈴木宏子)
「保育士に支払われるか確認する」つくば市 追加の処遇改善加算
つくば市議会3月定例会が14日開会した。市議会文教福祉委員会(木村清隆委員長)が同日開かれ、市内の民間保育園「青い丘保育園つくば」で保育士に賃金を改善するための処遇改善等加算が支払われていなかった問題を受けて市議から質問が相次ぎ、市こども部は、2月から保育士などに追加で加算される月平均9000円の処遇改善等加算について、市内の民間保育園や認定こども園などの保育士にきちんと支払われるか確認するとした。
同委員会で市議から「処遇改善加算は(他の保育園では)きちんと支払われているのか」「職員にしっかり手渡ってこその制度だ」「保育士にきちんと渡っているかチェックし、今回のような問題が起きないよう(市は)指導をお願いしたい」などの意見が相次いだ。
これに対し市は、実績報告書で確認しているとした。
14日開会した3月議会に、保育士の賃金を2月分から月平均3%(約9000円)アップする国の民間保育所処遇改善臨時特例事業費補助金など一般会計補正予算案が提案され、委員会審議の中で、処遇改善等加算未払い問題が議題にのぼった。
14日提案された補正予算は、保育士の賃金をアップするための国の補助金約1億5900万円のほか▽放課後児童クラブ指導員の手当てを月1万1000円アップする国の放課後児童対策に関する処遇改善臨時特例事業費補助金約4300万円▽児童扶養手当てを受給している一人親世帯の子供などに子供一人当たり5万円を給付する県の子育て世帯生活支援特別給付金約1億3600万円など計約3億3800万円で、同日、全会一致で可決された。
保育士と放課後児童クラブ指導員は2月分から、児童扶養手当て受給の一人世帯の子供には3月10日などにそれぞれ支給される。(鈴木宏子)
【訂正 14日19時40分】見出し「未払いの保育園他にないか調査 つくば市 保育士処遇改善加算」を「『保育士に支払われるか確認する』つくば市 追加の処遇改善加算」に、1段落目「市こども部は、市内の民間保育園や認定こども園などを調査して、処遇改善等加算が保育士にきちんと支払われているか調査」を「2月から保育士などに追加で加算される月平均9000円の処遇改善等加算について、市内の民間保育園や認定こども園などの保育士にきちんと支払われるか確認」するに訂正し、3段落目に「これに対し市は、実績報告書で確認しているとしている」を追加しました。お詫びし訂正します。
「オズの国」とつくば 《映画探偵団》52
【コラム・冠木新市】米国映画史を代表する『オズの魔法使』と『風と共に去りぬ』は、1939年8月と12月に公開され、どちらも監督はビクター・フレミングだった。だがそうした事実よりも、両作品から強烈な影響を受けたのが、13歳のノーマ・ジーン、後のマリリン・モンローである。
父親不明のモンローは、映画編集者だった母親から、この人が父親とクラーク・ゲーブルの写真を示され、信じた。後年、『荒馬と女』(1961)で共演し、「少女のころから憧れてきて、今、そのレッド・バトラーに会ってたのよ!」との言葉が残されている。
『オズの魔法使』のJ・ガーランド
また、母親の親友のおばさんに育てられていたモンローは、『オズの魔法使』の主人公ドロシー役を演じた、ジュディ・ガーランド(16歳)を見てファンとなった。モンローはドロシーの姿に自分を重ねた。
確かに、ドロシー役はモンローの少女時代を彷彿(ほうふつ)とさせる。モンローが『オズの魔法使』に言及した資料は見当たらないのだが、葬儀で流されたパイプオルガンの曲が『オズの魔法使』のテーマ『虹の彼方に』だったことで、そう推定してよいと思う。
ドロシーは孤児で、エムおばさんに育てられる。そのカンサス州は何もない場所で、映画ではセピア色で表現され、モノクロの印象に近い。ある日、大竜巻に犬のトトと部屋ごと飛ばされ、オズの国に着く。すると、このシーンからカラーになる。
ドロシーは、脳みそのない案山子(かかし)、ハートのないブリキ人形、臆病なライオンと一緒になり、エメラルドの都を目指す。そこには城があり、願いをかなえる大魔王が住んでいる。ドロシーは大魔王に、故郷に戻してくださいとお願いをする。
大魔王は緑色の巨大な鬼みたいな顔で炎に包まれている。いかにも不気味で恐ろしい。だがラスト近くで、それはペテン師オズが作った映像だと、正体が明らかになる。そして、冒険をへて故郷に戻ったドロシーは「家ほどいいところないわ」と語る。
退屈な現実世界が、夢の国オズから戻ると、一番よい場所だったとなる寓話だが、少女時代のモンローにとっては、逆にエメラルドの都が魅力だったに違いない。映画の都ハリウッドを連想させるからだ。
「つくばを歌った曲がこんなにあるとは」
1月30日。「つくばセンタービル謎解きツアー」(主催・つくばセンター研究会)は最終の8回目。103名が参加して終えることができた。
2月6日。ホテルグランド東雲で「新春つくこい祭ツアー」(主催・国際美学院/つくば舞踊研究会、64名が参加)をプロデュースした。
センター地区からバスに乗り、筑波山に向かい、疫病退散の踊りを披露するという設定で、3部形式の第1景「筑波組曲」では筑波の歌8曲を踊ったが、予想以上に好評だった。長年つくば市に住む婦人が「こんなにも地元を歌った曲があるとは思わなかった」と驚いていた。
翌日、疲れが残る中、久しぶりに『オズの魔法使』を見直した。ドロシーたちを苦しめる西の魔女を見ているうちにウトウト寝てしまい、「オズの国」と「ツクバ・シティ」がゴッチャになってしまった。
今年はマリリン・モンロー没後60年。ツクバに暮らす13歳の少女は何を夢見ているのだろうか。つくばほどいいところはない。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)
食品・学用品無料配布 27日 つくば子ども支援ネット
進学や進級時期を控え、コロナ禍で経済的に苦しむ子育て世帯を応援しようと、つくば市の子育て支援団体「つくば子ども支援ネット」(山内ゆかり代表)が27日、食料品や学用品など生活に必要なものを無料で配布する「フードパントリー」を開催する。対象は、ひとり親世帯や子どものいる非課税世帯など。受け取りの場所と時間は、申し込み者に直接伝える。
孤立する人とつながるきっかけに
支援ネット代表の山内さん(50)は今回を「支援が必要な人と繋がるきっかけの場にしたい」と特別な思いを込める。長引くコロナ禍により、派遣切りやシフトの減少など苦境に立たされる母親からの相談を山内さんは受けてきた。「苦しいはずなのに、本人が『自分は支援が必要』ということに気づいていないことがある」と山内さんは話す。
例として、ひとり親世帯での「不登校」を挙げる。不登校を「親のせい」と考え一人で抱え込んでしまう。子どもと共に親が孤立し支援者とつながれない状況になる。支援を受けることに引け目を感じ、誰にも相談できず、より厳しい状況に追い込まれる人もいる。行政の支援の枠からこぼれ落ちる人もいる中で、山内さんたちは、より個人に寄り添った支援をしたいと考える。
子ども食堂同士 分け合う仕組みつくる
支援ネットでは、2020年1月の発足以来、これまで7回のフードパントリーを開催し、食品だけでなく、マスクや学習用品なども無料で配布してきた。品物は、市民や地元企業などからの寄付が中心だ。
今年1月には、県内各地で子ども食堂に取り組む有志らが「子どもフードパントリー茨城」(略称「こどぱん」)を発足させ、それぞれの団体に集まる支援品を、参加団体間で分け合う仕組みを整えた。「こどぱん」では、2~3月にかけて県内21市町村で「フードパントリー」を実施する予定。実施日時や方法は各地により異なる。
山内さんは「昔は長屋やご近所がありましたよね。物理的な近所での助け合いが難しくなっても、SNSを使ったり、私たちのような団体が間に立つことで、今の時代に沿った、地域全体でできるお節介やお裾分けをしていきたい」。そして「困りごとを相談しやすい関係を築きたいし、究極に困る前に、こちらから気づいてあげられる関係を作りたい。パントリーは、そんなつながりをつくるきっかけにしたい」と続ける。
寄付の持ち込み募る
昨年12月に開催した前回のフードパントリーでは、94世帯に支援品を渡すことができた。27日は100世帯への配布を想定している。
配布に先立ち、23日午前11時から午後3時まで、つくば市谷田部の「茨城YMCAみどりのセンター本館」で、食料品や学用品、衣類などの寄付の持ち込みを募集している。(柴田大輔)
◆27日のフードパントリーへの参加申し込みはLINE公式アカウント(「つくば子ども支援ネット ホッとライン」、団体ウェブサイト「つくば子ども支援ネット」、電話(070-4451-6328)、メール(kodomoshien.net.tsukuba@gmail.com)で。情報はツイッター、フェイスブックでも常時発信している。
◆寄付の持ち込みは、 食料品は賞味期限が2022年4月以降で、未開封、常温保存可能もの。学用品は、未使用、新品に限る。また、つくば市内のファミリーマート3店舗(「つくば上の室店」「つくば若栗店」「つくば長高野店」)には、回収箱を常時設置し、少量の食料品の寄付を受け付けている。
東海第2避難計画請願を強行採決 《邑から日本を見る》105
【コラム・先﨑千尋】昨年12月27日のこのコラムで、「原発再稼働めぐり東海村議会が大変」を書いた。それからいくらも時間が経っていない。しかし、2月1日に村議会は原子力問題調査特別委員会で、村の商工会から出された「避難計画の速やかな策定を求める請願」を賛成多数で採択した。同委は議長を除く全議員で構成されているので、3月の本会議でも採択される見通しだ。
この日の委員会は、委員会室での傍聴者が10人に制限され、早くから並んだ商工会関係者と日本原子力発電係者に占められ、再稼働に反対する人は誰も入れなかった。
商工会の請願に賛成した議員からは「早期に策定するか、ゆっくり策定するかどうかが論点で、避難計画の中身の審査は必要ない。住民は早く作ることで安心したがっている。住民の安全のために、今ある知見で策定し、実効性は、その後に訓練などをして見直しをしながら高めればよい」などと主張した。
一方、反対した議員からは「委員会として確認していた専門家の話を聞くことについて、一方的に不要と決めつけるのは問題。2つの請願とも十分な議論が行われていない。実効性ある計画かどうかが大切で、議会が早く作れという意見書を提出することになれば、行政に圧力をかけることになる。採決は時期尚早」などと反論した。
委員会では、委員長が議論を途中で打ち切り、賛成多数で採決した。この請願に反対する議員の1人は「賛成多数で採択すれば、再稼働に伴う広域避難計画は、速やかに策定すべきと考えるのが村議会の意思だということを、世に知らしめることが狙い」と話している。
「今だけ、カネだけ、自分だけ」
昨年3月に水戸地裁は、避難計画の不備などを理由として再稼働を認めない判決を出しているので、再稼働を早くさせたい人たちが動いて、このような請願を議会に出した。
しかし実効性が伴わない計画では、被ばくしない避難や人間らしい避難所生活、元の生活に戻れるなどの保証がまったくなく、住民を危険にさらすだけとなる。早く作れという考えは、国が実効性のある計画策定をと言っているので、そのまま通るはずがないと思えるが、村当局にはプレッシャーになるかもしれない。
原発事故に備えて策定する避難計画の実効性については、国の原子力規制委員会が審査する仕組みになっていない。1月31日の毎日新聞によると、東京電力福島第1原発の事故後、原子力規制委員会が新設されたが、その際、避難計画の議論は置き去りにされ、自治体の避難計画などの審査が必要かどうかの議論はほとんどされなかった、防災も大きな話題にならなかった、という。国が責任を持つかについて、法律にも防災基本計画にも規定されていないそうだ。
事故が起きても、誰も責任を取らない。ブレーキが利かない、あるいはブレーキなしの車を運転するようなものだ。東海村に即して言えば、早く原発を動かしてほしい人たちは、事故が起きても、責任は取らないだろう。否、福島の事故を見ても、責任を取れるはずがない。誰かが「今だけ、カネだけ、自分だけ」と言っていたが、東海第2原発もそうなのか。
東海第2は100%安全だと言う人は誰もいない。もし事故が起きたら、私たち近くの(だけでなく首都圏までの)住民が困るのだ。東海村だけで決めてもらっては困る。(元瓜連町長)
ヘルパーと一緒に経験を積む 障害児支援プログラムが再始動 つくば
障害者団体「つくば自立生活センターほにゃら」(つくば市天久保)は、障害児向けのプログラム「ほにゃらキッズ」を再始動する。障害児がヘルパーを使いながら、様々な経験をすることで、将来の自立について考えていく。「自立とは、多くのものに頼りながら、自分らしい生活をすること」と語る、ほにゃら代表の川島映利奈さん(39)と介助スタッフの松岡功二さん(53)に話を聞いた。
ヘルパーという1対1の支援
ほにゃらキッズは2003年から始まり、電動車いすの子どもや、言葉によるコミュニケーションが難しい子どもなど、様々な障害のある子どもが参加してきた。このプログラムに特定のカリキュラムはない。今、目の前の子どもにとってどんな経験が必要なのかを、障害者スタッフ、ヘルパー、子ども本人と保護者が話し合って決めていく。電車で出かける計画を障害児自身が立て、ヘルパーと2人で実際に出かけてみたこともある。「カリキュラムがない分、子どもひとりひとりに合わせて試行錯誤しながら、その子なりの成長を支援できる」と松岡さん。
障害児支援は放課後等デイサービスなど、特定の場所で事前に決まったカリキュラムを行うことが多いが、ほにゃらキッズでは、障害児のヘルパー利用を勧めている。ヘルパーは障害児と1対1で関わり、子どものペースに合わせることができる。その日にどこに行き、何をするという決まりもない。ヘルパーと一緒に出かけたが、途中で行き先を変更することも、その子どもの自由だ。
どこに行くか、どうやって遊ぶかなど、日常生活は選択の連続で、ひとつひとつの選択がその子どもらしい生活を作っていく。しかし障害児は、自信のなさや、手伝ってくれる大人への遠慮から、自分で選ぶ経験をしづらい場合が多い。例えば店で欲しい飲み物を選ぶ時も、自分の気持ちを伝えるのに時間がかかり、本人が選ぶ前に、周囲が決めてしまうこともある。すると、障害児はいつまでも自分の好き嫌いが分からない。
一方、ヘルパーと一緒に飲み物を買いに行くと、障害児が欲しいものを選べるまで、ヘルパーは急かすことなく、待っている。自分で選んだものが必ず自分の好きな味とは限らないが、その経験により、自分の好き嫌いを理解できる。「自分の選択がうまくいかなかった時にどうするかまで一緒に考えることで、将来、より良い選択ができるようになる。小さな選択を繰り返していくことで、自分らしい生活が見えてくる。これを全て家族で支援しようとすると大変だ。障害児と1対1で関わるヘルパーだからできることがあるはず」と川島さん。
大人になってからも関われる
障害者が障害児支援に関わるのも、ほにゃらキッズの特徴だ。障害ゆえの悩み事を、同じような経験をしてきた障害のある大人に相談できる。ヘルパーを利用しながら一人暮らしをしている障害者スタッフの家を障害児が見学したこともある。障害者が継続的に関わることで、障害児や保護者が将来の見通しを持て、参加した障害児の中から高校卒業後、ヘルパーを利用し、一人暮らしを始める人も出てきている。
ほにゃらでは障害者も支援しているため、子どもの頃から関わってきたヘルパーが、一人暮らし始めたあとも関わり続けることができる。松岡さんは「子どもの頃から関われたほうが、ヘルパーもその子のことを深く知ることができ、大人になったあともその人の生活を支えていく心の準備ができる」という。
以前ほにゃらキッズに参加していた障害児は全員高校を卒業し、ここ数年、プログラムは事実上休止していた。しかし、「ほにゃらキッズの活動により、実際に何人かの障害者が一人暮らしを始められ、この活動は障害児の自立につながると確信できた」という松岡さんらは、プログラムの再開に踏み切った。現在、ほにゃらキッズに参加する障害児を募集している。主な対象は、つくば市周辺に住む6歳から18歳までの障害児とその保護者となる。
「障害児者の介助は常に家族がすべきだと思われがちだが、障害のない人でも多くのものに頼って生活している。歩けるけどエレベーターを使ったり、料理はできるけど総菜を買ってきたり。障害児者やその家族も福祉サービスや福祉機器に頼っていいのだ」(川島さん)
再始動を記念し、21日に講演会
ほにゃらキッズの再始動を記念し、21日にはオンライン講演会を開催する。沖縄県在住の重度知的障害のある高校生、仲村伊織君のお母さんと結んで、子どもの頃からヘルパーを利用する良さを考える。伊織君は、通学時や休日は家族から離れ、ヘルパーと一緒に過ごしている。川島さんは「つくば市周辺で障害児を育てる親御さんに、ヘルパーなど周囲から支援を受けながら子育てする方法を提案できれば」と話している。(川端舞)
●オンライン講演会「障害児の“ママ”に聞く!周囲に任せることで子どもは育つ」 21日(月)午前10時から正午。定員50人。申し込みは14日までにこちらから。
●ほにゃらキッズの問い合わせはホームページから。
