月曜日, 4月 6, 2026

《食う寝る宇宙》81 衛星のクリーンルームに住みたい

【コラム・玉置晋】2月の上旬くらいからでしょうか、目の腫れぼったさを感じて、僕の花粉センサが反応する季節がやってきました。今年はあらかじめ病院で薬をもらって準備していたので、例年に比べて症状は軽めなのですが、つらいものはつらい。つい先日は夜中に鼻がつまって、呼吸困難に陥って死ぬかと思いました。 職場では、鬼の形相で「窓を開けるな!」とオーラを出しますが、コロナ禍ですから換気も大事です。家では花粉症とは縁のない奥様はちゅうちょなく窓を開放します。布団は豪快に外に干します。僕はこれを「花粉症DVだ!」と抗議をしますが、「それが何か?」と却下されます。 「べんぞうさん」大分元気に 本コラム79(2月14日掲載)で、人工衛星の地上試験について書きました。人工衛星は大変繊細な機械の塊ですので、試験はクリーンルームの中で行われます。僕は以前、地上試験中の人工衛星のデータを収集して、評価する仕事を担当したことがあります。 このときは、専用の靴に履き替え、専用の防塵(ぼうじん)服を着て、エアシャワーでホコリを吹き飛ばした上で試験設備に入室しました。今、僕はクリーンルームに住みたいです。 前回のコラムで、ウチの大事な家族である犬の「べんぞうさん」の体調がすぐれないと書いたら、何人かの方から心配のメッセージをいただきました。大分、元気になってまいりました。どうもありがとうございます。(宇宙天気防災研究者) <3分宇宙天気>2021年2月28日から太陽の「コロナホール」から流れ出した高速太陽風が地球周辺に吹きつけ、3月1日~3日にかけて磁気嵐が発生しました。新たな「コロナホール」の影響が3月12日ごろから出てくる可能性がありますので、宇宙天気に注意の上で宇宙旅行をお楽しみください!

コロナ禍乗り越え143人卒業 つくば国際ペット専門学校

【鈴木宏子】つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田、高橋仁・学校長)の2020年度卒業式が13日、同市竹園、つくば国際会議場大ホールで催され、犬の訓練士や動物看護師、トリマーなどを目指して、4つのコースで2年間学んだ143人が卒業した。 高橋校長は「今年度は新型コロナの影響で大変な1年となり、さまざまな我慢や不自由な生活を経験したが、家族や仲間を思いやる大切さを再認識したはず。自分の責任を果たし、他人を認め、人を思いやり、尊重する気持ちを忘れないでほしい」と式辞を述べた。 続いて、同校を運営するつくば文化学園の東郷治久理事長は「皆さんは平成最後の入学生。令和に変わり、1年間はコロナ禍の渦中で、約1カ月の休校や様々な学校行事の延期、縮小を余儀なくされた。卒業式までも実施すべきか、中止すべきか迷い悩んだ」と話し、「コロナ禍で動物たちに癒されたこともあったと思う。日々動物に触れ、感じ、学んだこと、さらに真のプロフェッショナルになるのに必要な愛情、根気を胸に、羽ばたいてほしい」などと話した。 卒業生を代表してペットケア総合コースの荻野真美さんが答辞を述べ「2年生になり、見えないウイルスに生活を一変させられたが、この学校で学んだ知識や技術、先生方、仲間たちやパートナードッグは一生の宝となり心の支えになる。卒業したことを誇りに思い、これからは立派な社会人として精進していくことを約束します」などと述べた。 同校は、全国トップクラスの動物系専門学校で、動物の美容師を目指す「ドッグトリマー」、訓練士を目指す「ドッグトレーナー」、動物病院の看護師を目指す「動物看護福祉」、動物分野で総合的に活躍する人材を目指す「ペットケア総合」の4つのコースがあり、県内のほか全国各地から300人を超える学生が学ぶ。卒業生は全国各地のペットショップ、動物病院、ペット関連企業で活躍し、ペット業界を支える教育機関として注目されている。 例年、卒業式は、同国際会議場の多目的ホールで開催していたが、今年はソーシャルディスタンスが確保できるよう、会場を大ホールに移した。式典には父母らも参加した。式典では、全日本愛犬技術者指導協会の松島美夫理事らから、トリマーや小動物衛生看護士、ペットケアマネージャー、ホームドッグトレーナーなどの資格が卒業生にそれぞれ授与された。

オンラインで寄せ書きできる 筑波大4年生が考案の色紙アプリ

【山口和紀】オンラインで寄せ書きをつくれるアプリ「シキシ―」が近くリリースされる。制作したのは筑波大学で学ぶ2人の筑波大生。工学システム学類4年の才田さんと知識情報・図書館学類4年の寺本さんだ。制作した寄せ書きは画像データをダウンロードするか、色紙に印刷されたものを郵送で受け取ることが可能だ。接触をすることなく、あたたかみのある寄せ書きをオンラインで作ることができる。 シキシ―着想までの経緯について、寺本さんは「自分のバイト先は在宅勤務いわゆるテレワークが進んでいた。去年の10月ころに寄せ書きの色紙を書く機会があったが、皆が在宅勤務なので一人ひとり書いてもらうのが難しかった。シキシ―を思い付いたのはその時。大学生活最後に何かをしたいという気持ちだった」と振り返る。 あったかくて高品位! 実際に集まることなく高品質の寄せ書きを簡単に作成できるのが強みだ。寄せ書きを書くメンバーがアプリをインストールして、自分の書き込みたい内容をそれぞれが入力する。入力された情報をもとに書き込みの配置や大きさ、フォントの種類などがデザインされ、データが送られてくる。データのダウンロードは低画質版が無料で、高画質版は500円。色紙に寄せ書きを印刷し郵送するサービスも行う。一枚につき2480円(税・送料込み)で利用できる。 最終的なデザインを人間の手で行うことが大きな特徴だ。オンラインで寄せ書きを作るサービスは既にあるが「(既存のサービスでは)書き込みの位置や大きさが最初から決まっていて、きっちり、かくかくとした印象になってしまう。手で書いたときのやわらかさ、ほがらかさみたいなものを表現するために、一つひとつのデザインを自分たちで行うことにした」と寺本さん。 アプリのプログラミングを担当した才田さんは「こういうアプリを作ることは初めての経験だった。決済システムやデータベースとの連携も、お金を出せば簡単に解決できた部分もたくさんあったが、大学生でお金がないので工夫しながらなんとか実装した。プリンターも奮発して良いものを買ったが、それも大変だった」と語る。現在はサービスの公開に向けた最終調整中で、早ければ「今月中旬にリリース」するという。 資金集めのためにクラウドファンディングを行っている。目標金額は20万円で、今月28日まで支援を募る。「シキシ―」公式ホームページはこちら。

《茨城鉄道物語》10 祝 水郡線全線開通

【コラム・塚本一也】2019年の台風19号によって、茨城県は県北を中心に大きな被害を受けました。特に水郡線の第6久慈川橋梁(きょうりょう)は橋脚ごと根こそぎ流出し、台風の威力のすさまじさをまざまざと見せつけました。JR東日本の尽力により、その鉄橋も復旧し、3月27日に全線開通となる見込みです。今回は久しぶりに水郡線に乗車し、開通前の袋田の工事現場を見学してきました。 1月29日午後、水戸駅から上菅谷(かみすがや)駅まで乗車しました。水郡線は平成初期に「合築化」または「コンパクト化」という、JR東日本の施策のもとに積極的に各駅を建て替えました。中でも、このコラム(昨年8月7日掲載)でも取り上げた磐城塙(いわきはなわ)駅は、駅舎としては日本で初めてブルネル賞を受賞しました。 その後、全国のJRでローカル線駅舎の建て替えが始まりましたが、水郡線の個性あふれる各駅はそのお手本となったように思います。 水戸駅の懐かしい水郡ホームに降り立って、水郡線に乗り込みました。まず驚いたのが、車両の内装が非常にきれいであることです。このところ、本コラムの取材のために、県内のローカル線を体験乗車しましたが、水郡線の内装は首都圏の通勤列車と比べても遜色(そんしょく)がないくらいに洗練されていました。 さらに、その走りも快適で、気動車とは思えぬ乗り心地です。金曜午後ということで学生も多く乗っており、茨城県北の公共交通としての重要性を改めて認識しました。 20億円かけ第6久慈川橋梁を復旧 第6久慈川橋梁の視察は2月17日に行ってきました。橋梁は桁も接続され、鉄道設備の整備が終盤を迎えているところでした。予定していた工期を3カ月も短縮して工事を完了させたのは、本体に技術スタッフを抱えるJRの強みが発揮されたものと思います。 特筆すべきは、約20億円の復旧費用をJRが自己資金で全て負担したということでしょう。私は正直言って、久慈川の橋梁が流されたというニュースを聞いたときに、復旧は難しいだろうと思いました。100円を稼ぐのに最大で180円も費用がかかる区間を持つローカル線を、JRが積極的に設備投資するとは思えなかったからです。 自治体との協議を繰り返し、得意の寝技に持ち込んで、BRT(専用道を走るバス)などのバス輸送が落としどころではないかと予想していました。しかし、JRは全額自己資金で、赤字路線である水郡線を全線復旧させたのです。 災害の規模に違いはあるものの、同じように橋梁が流出した只見(ただみ)線(福島県会津若松市―新潟県魚沼市)が10年かかっても復旧できていないことを思うと、水郡線は非常に恵まれています。地域を思うJRの懐の深さを改めて実感しました。水郡線に少しでも多くの人が乗車して、JRの経営に寄与することが恩返しになるでしょう。(一級建築士)

新たなステージへ 贈る言葉は「おいあくま」 筑波学院大学で卒業式

【伊藤悦子】筑波学院大学(つくば市吾妻)の2020年度卒業式が12日、行われた。経営情報学部ビジネスデザイン学科と経営情報学科の留学生を含む123人が卒業した。 新型コロナ感染拡大の影響で、昨年と同様、式は卒業生と教職員のみで行われた。全員がマスクを着用、検温、アルコールで手指の消毒をしたあと入場した。スーツやはかま姿の卒業生らは1席ずつあけて着席した。今年は壇上の演台にもアクリル板が設置された。 告辞で望月義人学長は、新型コロナ感染防止の観点から特別な方式で卒業式が実施されたことに触れ、「わが国でもワクチン接種が始まり、暗く長いトンネルの先に明るい光が見えてきた。感染を抑えながら前向きに、新たな道を開くときを迎えつつある」と述べた。 その上で「はなむけの言葉として、かな文字5文字で呼び掛けたい」と「おいあくま」という言葉を紹介し、「おごるな、いばるな、あせるな、くさるな、まけるなの頭の一文字をとった。壁にぶつかったときや得意になっているときに思い出してほしい。日本や母国の新しい時代を切り開く志を抱き、新たなステージに臨んでほしい」とエールを送った。 卒業生代表として答辞を述べた里館泉帆さんは「新型コロナに負けず2020年を乗り越えたことを自信に変え、自分らしくたくましく生きていく。仲間や教職員と共に過ごした時間は今もこれからもかけがえのないもの。感謝と敬意を胸に、これからも精進したい」と述べた。 式では成績優秀者として、塚原太一さんに大学の創立者である大江スミさんの名前を冠した大江賞が、加瀬晃大さんに学長賞、根本あやさんに理事長賞がそれぞれ贈られた。

PR不足などが課題に つちうらMaaS実証実験をシンポジウムで総括

【池田充雄】観光客の周遊促進や市民の移動手段確保を目的に実施された「つちうらMaaS(マース)実証実験」の活動発表が11日に行われた。この日、県県南生涯学習センター(土浦市大和町)で開かれた「つちうらMaaSシンポジウム2021」プログラムの一つとして、つちうらMaaS推進協議会の松上英一郎会長(関東鉄道社長)が報告した。 実証実験は2月15日から3月12日まで、4種類の事業で展開された。 利用実績は目標の半分強 そのうちの1つ、ジョルダン「乗換案内」アプリによるキャッシュレス化実験は、ジョルダン社(本社・東京)の経路検索アプリ「乗換案内」の付帯サービス「ジョルダンモバイルチケット」を使い、土浦市内のバス、遊覧船、観光施設、物販・飲食店の支払いをキャッシュレス決済する。「アプリを利用し、複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービス」というMaaS本来の定義に最も則した実験といえる。 実施期間は2月15日から3月12日まで。市のプレミアム付商品券「コロナに負けるな!応援チケット」の利用期間との重複を避け、さらに外部からの観光客が増える「土浦の雛まつり」や「筑波山梅まつり」の開催期間に合わせる意図があった。しかし結果的に、新型コロナウイルス感染症に伴う県独自の緊急事態宣言のため、これら観光イベントとの相乗効果は見込めなくなった。 当初、推進協議会が目標としていた利用件数は1000件。これは人口80万人の浜松市で行われた同様の実験で、1週間という実施期間で500件の利用結果が得られたため。だが人口14万人・26日間の条件で行われた今回の実験では、目標の半分強に相当する559件(3月10日現在)の利用件数に留まった。 不調の原因としては住民・利用者へのPR不足のほか、利用開始までの登録手続きや、購入したチケットの決済確認などの煩雑さ、利用者への特典の少なさなどが挙げられた。また決済時におつりが出ないので、切りのいい金額設定をした店とそうでない店とでは、平均利用件数に2倍の開きが生じたという。 4つの実験を通して、PR不足から利用者の掘り起こしに精彩を欠いた。これらを踏まえ松上会長は「昨年7月のスタートから、半年間でこれだけのことができ、地域の底力を感じた。各方面のご理解ご協力に感謝する。21年度はコミュニティーバスの自動運転と、マイナンバーカード認証を使ったキャッシュレス化の実証試験を計画している」と話した。(次ページにつづく) このほかの実験の報告は次のとおり。 ▽実験2「自転車道(つくば霞ケ浦りんりんロード)における電動キックボード走行実験」 2月16~20日の期間中に400人ほどの参加者があった。操作性では「非常に簡単」「簡単」を合わせて92%、走行性では「非常に安全」「安全」を合わせて78%、「今後利用したいか」では「ぜひ利用したい」が84%と好評で、96.6%の人が「新しい移動手段として使える」と回答した。 松上会長は「今回は自転車専用道での走行だった。いま各地で、通常の自動車道でヘルメットとナンバープレートを付け、原付自転車と同じ扱いで走行実験が行われており、それらと併せて今後の利用を検討したい」と話し、普及につなげるためメーカーや業界団体に対し、交通マナーの確立を図るよう要望した。(2月19日付) ▽実験3「土浦市新治地区におけるAIコミュニティバス運行実験」 前半2月22日~3月2日が時刻表運行・マイナンバーカード認証方式で63人利用、後半3月3日~11日がデマンド運行・顔認証方式で48人利用(10日現在)だった。1便当たりの利用者数は0.5人で、前回のコミュニティーバス試験運用時の1.7人を下回る残念な結果となった。 狭い道の多い地区ではバスタイプよりもワゴンタイプの方が便利だったこと、デマンド方式は待ち時間の低減につながり、交通不便地域での運用に適することなどが分かった。需要調査について「バスがあったら利用するか」といった旧来型のアンケートではなく、「1日に何回乗るか」「どこからどこまで乗るか」といった実態に即した調査を行い、ビッグデータやプローブデータと共に解析することが重要だとした。(2月22日付) ▽実験4「自動運転一人乗りロボ『ラクロ』走行実験」 2月25日~27日の実験期間中に27人が参加し、91.3%の人が「今後も利用したい」と回答した。走行コースは新治地区公民館から新治学園義務教育学校までの歩道約500メートル。このような郊外地区では目印になるものが少ないため、ラクロの走行に必要な電子マップの作成に、少し苦労するという。また降雨・強風時は、雨やほこりのセンサーへの付着も課題になる。ただし、バス停から自宅へのラストワンマイルを支える交通手段としての技術はおおむね確立しており、今後は普及による低コスト化が重要だという。(2月25日付)

予算の3倍超えた! どう乗り切る? つくば市のPayPay還元

【山口和紀】先月つくば市で行われたキャンペーン「あなたのまちを応援プロジェクト」で還元予定のポイント額が、還元分の予算額6000万円に対して3倍を超える約1億9400万円になったことがNEWSつくばの取材で分かった。キャンペーンは、キャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」を利用した買い物の購入額の30%を利用者に還元するというもの(2月9日付)。先月1日から28日までの1カ月間行われていた。 1億3400万円分が足りない 市によれば、キャンペーンの条件に該当する決済の総件数は約16万4000回。これらのすべてに対して決済額の最大30%分のポイントが還元されるが、その総額は約1億9400万円相当になるという。 キャンペーンは昨年12月臨時議会で予算化されたが、ポイント還元分としては6000万円が計上されていた。約1億3400万円分が足りなくなってしまった形だ。 つくば市は当初の予算を超過しても打ち切りをせず最後まで続けたが、同様のキャンペーンを先月1カ月の間行う予定だった富山県射水市では、開始10日で予算超過のために打ち切りを決めた。射水市ではポイント還元分として2億円を予算化したが、10日間で還元総額が3億4300万円に達し、2020年度3月補正予算案に3億500万円を追加提案している。 「市の一般財源からの支出はナシ」 今後の対応について、つくば市は補正予算案への追加提案は行わない構えだ。キャンペーンの担当部署である経済部経済支援室の渡邊室長は「事前のシミュレーションの下限値である6000万円をポイント還元分として予算化していたが、今回の結果はシミュレーションの最大値に近い結果となった。想定の範囲内であったことから、予算の超過はしていない。他事業の残額等を流用し対処する」と話す。 ポイントの還元分は市の予算から支出されるものの、「市の一般財源からの支出はない」とされていた。「県と国の交付金を事業費として活用するため」だ。具体的には、国の地方創生臨時交付金及び県の地域企業活力向上応援事業費補助金を用いる。 地域企業活力向上応援事業費補助金は、全体で1億6518万9000円が交付される。市はポイント30%還元キャンペーンのほかに新生児に対する3万円相当のポイント給付などに用いる。国の地方創成臨時交付金の交付額やその使途等の詳細は、現時点では公表されていない。 市の一般財源からの支出は見込まれるかとの質問に対して、渡邊室長は「他事業で支出される金額がまだ確定していないことから、県と国の交付金を超えて、市の一般財源からの支出が必要となるかは分からない。基本的には、県と国の交付金によって事業費をすべて賄う姿勢は変わらない」と回答した。 【訂正】最後の段落「県と市の交付金」を「県と国の交付金」に訂正しました(3月15日)。

《遊民通信》12 神秘体験記(3)夢から生まれた救いの歌

【コラム・田口哲郎】前略 信じるも信じないもあなた次第、他人と分かち合えない神秘体験。でも、体験がひとつの歌になると、共感が生まれるのかもしれません。以心伝心、不思議な夢のお話です。6年前、カトリック碑文谷教会(東京都目黒区)でのシスター古木涼子さんの講演会に行きました。シスター古木は「イエスのカリタス修道女会」の総長で、歌うシスターとして有名です。その会で素晴らしい歌とお話を聴き感動しました。 それからひと月ほどしたある夜、私は夢を見ました。ジャズクラブ風の場所でステージにはシスター古木。グランドピアノを弾きながら歌っています。私は客席にいて良い曲に感涙を流していました。曲の内容は旅人が多くの困難を乗り越えるというもの。旅人が果てしない道に絶望し泣いていると風が吹き、気づくと羽根のついた革靴を履いている。その靴のおかげで旅人は苦しみから解放されます。 靴はまるでドラえもんの道具みたいな靴。旅人は「仕込んだわけでもないのに羽根のついた靴が与えられた」とつぶやくのです。するといろいろな人々がバックスクリーンに映し出され、泣き顔が笑顔になる。そしてみんな「この靴を履かせてもらってうれしい」と言うのです。曲に酔いしれていたら、足の痛みで私は目覚めました。足がつったのです。ケガの巧名か、歌の歌詞を覚えていたので、痛みに耐え、必死で書き留めました。 「羽根のついた靴」 果てない道にふと もういいとつぶやき泣きながら あなたを呼ぶとやさしい風が 通りすぎたわたしの足には 羽根のついた靴ふわりと ときはなたれてわたしはゆく あなたとともにわたしはゆく あなたとともに 険しい道にふと もういいとつぶやき泣きながら あなたを呼ぶとささやく風が 通りすぎたわたしの足には羽根のついた靴ふわりと ときはなたれてわたしはゆく すべてをゆだねわたしはゆく すべてをゆだね 私は数日考えた末、面識もないのに思い切って夢のことをシスターにメールしました。シスターは喜んでくださり、歌詞にメロディーをつけたいとおっしゃいました。出来上がった曲は夢の中で聴いた曲でした。私に音楽的才能はないのでシスターに伝えたのは歌詞だけです。せめてと思い、夢の光景を絵に描いて送りました。 シスターは曲を早速録音してYouTubeで公開しました。私の絵が背景に映ります。私は狸穴窓(Mamiana So)という筆名で紹介されています。これも偶然の連続でしかないのかもしれません。でも、見知らぬ人がこの歌で癒されたと言ってくれるとき、共感が生まれたようでうれしいのです。ごきげんよう。 https://www.youtube.com/watch?v=1M1WWWXOnEA 草々(散歩好きの文明批評家)

「10年経っても苦難は続いている」 福島県の被災者が3.11集会で訴え

【崎山勝功】東日本大震災と福島第1原発事故から丸10年を迎えた11日、脱原発と護憲を訴える「3.11から10年 さよなら原発! 守ろう憲法! 昼休み集会」がつくば市吾妻のつくばセンター広場で開かれた。市民ら約100人が参加し、東海第2原発の再稼働反対や新型コロナウイルス対策の拡充などを訴えた。市民団体「戦争をする国づくりNO@つくば」と「安倍9条改憲NO!市民アクションつくば連絡会」の共催で行われた。 集会では、参加者らの1分間の黙とうの後に、原発事故被害者らで組織する「原発事故被害者相双の会」の国分富夫会長(75)=福島県相馬市在住=が発言し「もう(原発)事故から10年になった。人生の大半を使ってしまったような感じがする。10年経っても変わらない」と原発事故を振り返った。 その上で国分会長は「復興は(原発事故前の)元に戻ること。安心安全な社会に戻ること」とし、進まない生活再建や高齢被災者の孤独死などの問題を挙げて「今でも福島では苦難が続いている」と訴えた。 東海第2原発運転差し止め訴訟原告団の大石光伸共同代表は、今月18日に水戸地裁で判決が出される東海第2原発の運転差し止め訴訟について「福島の人がいまだにどういう状態にあるのか。原発を再稼働することが何をもたらすのかを考えて(裁判官は)判断してほしい」と語った。 集会では「運転開始から43年目を迎えた東海第2原発は周辺30キロメートル圏に94万人が住む危険な原発。94万人の住民にとって実効性のある広域避難計画など策定できないことは明らかで、新型コロナウイルス感染対策との両立は不可能」だとして、再稼働反対などを訴えるアピールを採択した。 同集会は震災後の2012年から毎年3月11日に行われ今回で9回目。例年は集会後、つくば駅周辺をデモ行進するが、今年も2年連続で新型コロナウイルス感染拡大の影響でデモ行進を取り止め、屋外集会のみの実施となった。 主催者代表の山本千秋さん(80)は「世の中から忘れゆく流れは否定しようがないけど、あえて(原発事故を)忘れないように集会を開きながら皆さんに訴えていく」と述べた。(2ページに続く) つくば市役所などで半旗掲揚、黙とう この日は東日本大震災と福島第1原発事故から丸10年とあって、官公庁や一部企業などで、震災犠牲者を追悼する半旗が掲げられた。 このうち半旗を掲げたつくば市役所では、地震発生時刻の午後2時46分に合わせ、来庁者や手の空いた職員に対して1分間の黙とうを呼び掛ける庁内放送が流れ、職員や来庁者らが応じていた。 震災当時は筑波大生だった市職員男性(31)は「毎年この時期になると、停電とか断水とかいろいろあったのを思い出す」と10年前を振り返った。

ジオパークで学ぶユニバーサルデザイン(下) つくばの取り組みを発信

ユニバーサルデザイン(UD)が評価され再認定された筑波山地域ジオパーク。2019年2月には、「日本ジオパークネットワーク関東大会」(筑波山地域ジオパーク推進協議会主催)がつくば市などで開かれ、これまで筑波山地域で積み重ねられたUDの取り組みが発信された。 ノンステップバスで学び体験 関東地方のジオパーク関係者が集まり、活動を推進するための方法などを考える大会で、持ち回りで開かれている。2日間の日程のうち、1日目に「ユニバーサルデザインを学ぶジオツアー」が、2日目は「ジオパークとユニバーサルデザイン」と題した分科会が開かれた。 ツアーでは、通常も運行しているノンステップバスを利用し、産業技術総合研究所・地質標本館(同市東)や国立科学博物館・筑波実験植物園(同市天久保)を訪れた。それぞれ3D立体模型に触れて筑波山の地形を、手話で筑波山の植物を学ぶ体験ができた。学びながら、ユニバーサルデザインを体験し、今後、それぞれの地域のジオパークで何ができるかを考えてもらうのがねらいだ。 分科会では、筑波山ジオガイドとしても活動している特別支援学校の教員が、同じ情報を伝える際も、視覚的な図などを用いて説明すると、障害のない人にも分かりやすいことを解説した。また、参加者が目隠しをし、様々な小石を触り、手触りの違いと地質学的背景の関連を学ぶ体験もした。 推進協議会の会員で、市民団体「つくばバリアフリー学習会」代表の北村まさみさんは「興味を持ちづらいジオを、誰にでもわかりやすく伝えることは、ジオパークにとっても大切なこと。UDを意識することで、すべての人にとってわかりやすく、深い学びになる」と語る。 評価から、さらに高まる関心 関東大会に参加した他地域のジオパーク関係者からは、「たくさんの気づきを得られた。自分たちの地域でも実践してみたい」「UDへの意識向上にジオパークを利用してもいいかもしれない」という声が聞かれた。北村さんは「社会の中でUDを学ぶ機会があまりない。ジオパークの中でUDにも触れてもらえる機会をこれからも作っていきたい」と話す。 つくば市ジオパーク室の伊藤祐二室長も「つくば市は筑波技術大学等の施設もあり、ジオパーク関係者もUDへの意識が高いメンバーがそろっているため、UDの活動を全国のジオパークに発信していきたい」と話す。 今回の再認定でUDの活動が評価されたことから、これまでジオパークの活動に関わりながら、あまり関心がなかった人からもUDについてのアイデアが出てくるようになった。コロナが収束し、関東大会でもおこなったような、多様な人が関われるツアーやワークショップを再開できることを心待ちにしている。

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