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2020
筑波大生有志が主催 「つくばリサイタル」今年も
2020年12月2日
【山口和紀】筑波大生有志が主催するコンサート「つくばリサイタルシリーズー1日だけの異色の競演」が12日、つくば市竹園、カピオホールで開催される。出演者は福田廉之介さん(ヴァイオリン)、會田瑞樹さん(パーカッション)、高橋優介さん(ピアノ)の3人。同コンサートは「学生に気軽にクラシック音楽を楽しんでほしい」との思いから生まれた企画で、今年で9回目を数える。新型コロナ対策のため客席を半分とし、全席指定での開演となる。 コンサートは同大の学生有志で作るつくばリサイタルシリーズ実行委員会が主催している。企画の創設者である同大の江藤光紀准教授(比較文化学類)は「学生の皆さんにクラシックの楽しさを感じてもらいたい」と語る。 公演では江藤准教授が作曲した作品「さまざまな風―ヴァイオリン、マリンバ(ヴィブラフォン)、ピアノのための」も披露される。ヴァイオリン、打楽器、ピアノという珍しい編成の作品だ。「困難な時であればこそ、人びとに慰めや希望を与え、勇気を奮い起こさせる音楽を書かねばならない」との思いで作曲された。 キャスティングにも意図がある。演奏者の一人、ヴァイオリン奏者の福田さんは1999年生まれの21歳で、数々の国際コンクールでの入賞経験を持つ注目の若手だ。他の演者もそれぞれ20代と30代。若手に出演を依頼したのは「同世代の素晴らしい演奏を聞くことは、学生たちの心にひじょうに響くものがある」という意図があったからだ。 感染対策を入念準備 予断許さない状況も しかし、新型コロナの影響で、開催できるかどうかすらも分からない状況が続くという。11月下旬からつくば・土浦地域では感染確認者が目に見えて増えており、現在のところ、開催は可能との見通しだが、予断を許さない状況だ。 感染対策はミーティングで入念に話し合い、でき得る限りの準備をしてきた。会場のカピオホールの定員はおよそ380人だが、感染予防の観点から客席をその半分まで減らす。さらに、アルコール除菌の徹底や会場の換気など基本的な感染対策も行う。入場時間を早めて観客の集まる時間を分散させるなどの対策や、チケット販売で電子チケットを発行するなどできる限り接触を減らす。 影響は客層にも及んでいる。年齢層が高い方が普段からクラシックに関心を持つ人が多く、開催のたび固定客として増加傾向だった。しかし今年のチケットの売れ行きは「今年はコロナのせいか高齢のお客様が少ない」。例年とは一変して、一般客ではなく学生が多くなる見込みだ。 コロナ禍のなか、全国的にもコンサートなどの文化事業を行うことは難しくなっている状況だ。しかし、文化は人々の心を豊かにする大切なものだ。委員の一人、岩永彩花さん(2年)は「来場していただいた方に安らいでいただくとともに、地域の文化活動に貢献していきたい」と語った。 主催者の同実行委員会は毎年、企画・開催をする仲間を募集している。国際総合学類や生物学類など様々な分野の学生が集まっているが、「委員会に入るまではクラシックには興味がなかった」という学生も多いという。 ◆「第9回つくばリサイタルシリーズ」の開場は12日午後1時15分、開演は2時。入場料は学生無料、一般1,000円(消費税込み)。
《つくば法律日記》13 お酒の法律で変わるマーケット
2020年12月2日
【コラム・堀越智也】昔から、お酒に関する法律がマーケットに大きな影響を与えてきました。特に、酒税はそれなりの税収になることもあり、酒税法が度々改正されるのですが、酒税法の改正で、僕らもよく知っているようなマーケットの変化が起きています。 つくば市や茨城県では、クラフトビールのイベントがよく開催されます。新型コロナ禍のため、今年はないのが残念ですが、つくばセンター広場でも、毎年クラフトビールのイベントがあります。 クラフトビールがはやり出したのは、酒税法が改正されて、地ビールが造りやすくなったからです。かつて、酒税法の改正で地ビールが盛んに造られ始め、さらにクラフトビールという名前に変えて、世間に広まりました。 発泡酒も第3のビールも、テレビのCMで聞くようになったのは最近です。1990年代に、サントリーが「ホップス」という発泡酒を販売してから、世間に広まり始めました。 酒税法上、ビール、発泡酒、第3のビールは、ざっくり言うと、麦芽の割合と副原料を使用しているか否かで区別されるのですが、発泡酒は、当時、酒税法上、税金が安かったため、安く販売されたのです。 ところが、後に酒税法が改正され、発泡酒とビールの金額の差が縮まります。すると、第3のビールが日本を席巻。そして先々月10月の改正で、ビールは値下げ、発泡酒は一部値下げ、第3のビールは値上げになります。こうして、マーケットは酒税法に動かされることになり、メーカーも大変です。 つくばのワインが面白い つくば市に影響しそうな酒の法律というと、通称ワイン法ではないかと思います。正式名は「果実酒等の製法品質表示基準」ですが、日本のワインを定義し、国産ワインの信用を高めることを目的に制定され、2018年10月から施行されています。 つくばで育てたブドウでなければ「つくばワイン」と名乗ることができません。逆に言うと、つくばでワイン用のブドウができれば、「つくばワイン」と名乗ることができ、地元の名産品に加わる可能性があるのです。 幸い、つくばにはいくつかワイナリーができました。地質的にワイン用ブドウに適した場所で栽培されているようで、それもつくばらしいです。追い風は、2017年につくば市がワイン特区に認定されたことです。 酒税法上、ワインを造るには、年間6,000リットルの製造量が条件になりますが、特区に認定されたことで2,000リットルに緩和されました。その結果、小さな施設もワインが造れます。 このワイン特区、いかに市民が利用するかにかかっていますが、つくばの経済にとって、ひとつの強い味方になると思います。(弁護士)
コロナ禍 目標量確保の見通し立たず 特別企画で献血呼び掛け
2020年12月1日
【山崎実】新型コロナウイルスの影響による企業献血やイベントなどの中止から、血液在庫の減少が続いている県赤十字血液センター(茨城町桜の郷)は、県独自のキャンペーンとして初のクリスマス特別企画「シールアートでクリスマスツリーを灯そう」を実施し、広く県民に献血への協力を呼び掛ける。 同センターによると、関東甲信越地域では医療機関に血液を安定的に届ける目標血液在庫量を維持できない状況がたびたび発生している。11月13日には在庫量(400ミリリットル献血1万800人分)に対して、約1500人分も下回った。これは県全体の400ミリリットル献血者の半日分の人数に相当するという。 茨城県でも11月17日現在、目標の献血者数が下回り、必要な献血量を確保できない状態にあることから危機意識を強めている。 対応策として、献血バスの増車、受付時間の延長、献血に協力した人へのはがき、メール、LINE等での協力依頼などを行っているほか、独自のキャンペーンとしてアニメ作品「ガールズ&パンツァー」との新たなコラボグッズの配布、クリスマスツリーを模したシールアートを献血者の協力で完成させる「クリスマスツリーを灯すシールアート」などを行う。 同センターでは「輸血医療に不可欠な血液を確保するため、一層の献血協力を必要としている。在庫量回復の目途が立たず、厳しい局面を迎えているので、一人でも多くの協力をお願いしたい」と呼び掛けている。 献血キャンペーンの問い合わせは同センター(電話029-246-5574)。
特別支援学校の設置基準策定を 7団体が県議会に請願
2020年12月1日
【山崎実】全国障害者問題研究会茨城支部(寺門宏倫支部長)、NPO茨城の専攻科を考える会(船橋秀彦理事長)など関係7団体は共同で、県議会に「特別支援学校の設置基準の策定を求める意見書提出に関する請願」を提出した。 県立特別支援学校の幼児、児童、生徒数はこの10年間で694人増加、2019年度は3963人(09年度の約1.2倍)となっており、普通教室の不足数は89教室(知的障害校81教室、肢体不自由校8教室)に及んでいるとしている。 中でもつくば特別支援学校は、09年度の児童、生徒数が356人(知的障害242人、肢体不自由114人)で、学級数は100クラスに達する。そこで同校では教室確保のため、一つの教室をパーテーションで分割して使ったりしている。 一方県は「県立特別支援学校教育環境整備計画」(いばとくプラン)を発表し、今後の具体的な取り組み内容を明らかにしているが、例えば「校舎増築」など対症療法的な対策しか示さず、国も小中学校、高校、大学、専門学校などすべての学校に設置基準(学校設置に必要最低限の基準)を設けているのに、特別支援学校には設置基準がない。 このため北海道根室市議会、同余市町議会議長、静岡県沼津市議会など、地方自治体から設置基準の策定を求める意見書の提出が相次いでいる。 全国的な動きに、文科省も「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」を設置。特別支援学校設置基準の策定に前向きな姿勢を見せ始めているという。 請願を提出した関係者は「県議会でも特別支援学校の在り方については議論が交わされており、全国的な動きと相まってぜひとも設置基準の策定を実現させたい。今が最大のチャンスだと思う」と話している。 県立特別支援学校教育環境整備計画(いばとくプラン)の今後の具体的取り組み内容 学校名現状・課題取り組み概要水戸飯富慢性的な教室不足通学区域の一部を内原へ変更内原高等部がない校舎を増築、高等部を設置つくば慢性的な教室不足校舎を増築、学校近隣の用地取得も検討鹿島2021年度末に仮設校舎契約切れ校舎を増築その他教室不足への対応が必要となる可能性がある教室の利用見直し、既存教室の改修 ➡特別支援学校に関する過去記事はこちら
《雑記録》18 バイデン次期大統領 前途に嵐の予感
2020年12月1日
【コラム・瀧田薫】アメリカ市場で「ダウ平均株価」が初めて3万ドル台に乗った。トランプ大統領による「バイデンが勝利すれば株価は暴落する」とのご託宣は大外れで、自称・ビジネスの天才としては赤っ恥もいいところだ。 しかし、この未曾有(みぞう)の株高はバイデン氏の勝利に直接結びつくものではない。コロナウィルスの恐怖に凍りついた経済を支えるため、アメリカをはじめとする主要国が総額10兆ドル(1000兆円 未曾有の規模 日経・11月25日付)を超える財政支出に動いたこと、それが株高をもたらした最大の要因だろう。 ワクチン開発への期待も多少は後押ししたかもしれないが、ウィルスの跳梁(ちょうりょう)が続く限り、財政拡大や金融緩和政策が続くはずだという期待(人命にかかわる政策には誰も反対できない)の方が大きいだろう。また、コロナ禍が勝ち組企業と負け組企業を鮮明に色分けした結果、「買いと売り」の判断に迷いがなくなったことも株高につながっただろう。 しかし、この株高は一時のにぎわいでしかない。膨張する国家債務、実態経済というアンカーを持たない緩和マネーが暴走し始めたら、そのとんでもないツケが回っていく先は、富裕層ではなく、株を買いたくても買えない大方の国民の方である。 コロナ禍は、勝ち組企業と負け組企業を分けただけではない。キャピタルゲインを積み上げる富裕層とひたすら真面目に働くしかない人々との間に、巨大な「格差と分断」をもたらしつつある。 民主党 上院で過半数失う可能性も ところで、バイデン次期大統領はその勝利宣言で「分断ではなく、団結させる大統領になることを誓う」と述べたが、トランプ大統領は敗北を認めず、選挙に不正があったとして法廷闘争に打って出た。これに呼応して、トランプ氏の支持者の多くが大統領のツィッター「盗まれた選挙」に同調し、トランプ大統領支持の思いを募らせている。 トランプ大統領は、過去4年間、自分の支持層だけに語り掛け、政敵の言は「フェイク」の一言で片づける政治姿勢を貫いてきた。つまり、アメリカ建国以来の「分断」(人種、所得格差、生活信条、地理、世代、党派)を、むしろあおることで自らの支持層を拡大してきたのである。 確かに、トランプ氏は、エリート政治家に反感を抱く人々に政治参加の道を開いた。しかし、その代わりに、国内の分断をより先鋭なものにしたのも事実だ。今回の選挙でトランプ氏が獲得した7000万票は、トランプ氏が大統領職を退いた後も、いわゆる「岩盤」として残り、何かのきっかけで再浮上する可能性が高い。 ちなみに、バイデン氏の与党・民主党は、来年1月にジョージア州で実施される2組の決戦投票次第で、上院での過半数を失う可能性がある。その場合、バイデン氏の選挙公約の実現が難しくなるばかりか、それ以前に、バイデン氏が選んだ閣僚候補者の就任が上院で否決される可能性がある。バイデン次期大統領はスタートからいばらの道を歩むことになりそうだ。(茨城キリスト教大学名誉教授)
閉鎖の4階窓口を12月1日再開 土浦市役所
2020年11月30日
土浦市役所本庁舎で新型コロナウイルス感染者のクラスターが発生し、16日から閉鎖していた同4階窓口について、同市は30日、予定通り、4階窓口を12月1日から再開することを決めた。併せて同日、今後クラスターを発生させないための対応策をまとめた。30日の市議会全員協議会に報告した。 市健康増進課によると、同市役所では20日までに、本庁舎などの職員と市議ら計約750人のPCR検査を実施した。25日までに本庁舎職員など21人と、消防職員1人の計22人の感染が分かった。その後、新たな感染者は出ていない。 サーキュレーター購入し換気を徹底 新たな対応策は、なぜクラスターが発生したのかについて、市職員と産業医などで構成する安全衛生委員会が、感染した本庁舎職員21人の感染経路などを検討し、感染拡大防止に向けた対応策をまとめた。 今回、最初に感染した職員本人も所属長も、発熱などの症状があったにもかかわらず新型コロナだと疑わず、職場に出てきてしまったことが感染拡大の原因になったことから、まず職員から発熱や体調不良などの連絡があった場合、所属長は職員に対し、速やかにかかり付け医を受診し結果を報告するよう指示することを定めた。家族に症状がある場合についても勤務を休む期間などを明確化した。 感染拡大防止に向けた職場環境については、本庁舎は閉店した商業施設を改修したため窓が少ない構造になっていること、更衣室やトイレ、休憩室など共有スペースが感染場所になる可能性があることなどから、新たに空気を循環させるサーキュレーターを購入して職場に設置し換気を徹底する。冬場は加湿器と兼用することとする。サーキュレーター購入費用は30日開会の12月議会に提案した。さらに食堂や休憩室などの共用スペースでは、マスクをはずしての会話禁止などを定めている。 公民館も貸館を休止 12月13日まで 一方、県が土浦市などを感染拡大市町と位置づけ、12月13日まで不要不急の外出自粛や飲食店の深夜営業の自粛などを要請しているのを受けて、同市は28日から休館とした老人福祉センターに加えて、新たに公民館、生涯学習館、亀城プラザなどの貸し館業務を12月13日まで休止すると発表した。
つくば市の教員が新型コロナ 市立学校を2日間休校に
2020年11月30日
つくば市は30日、市立学校教員が28日、新型コロナウイルスに感染していることが分かったとして、30日と12月1日の2日間、教員が勤務する学校を休校にすると発表した。 市教育局学び推進課によると、消毒作業のため休校にする。 29日の県の発表によると、教員は26日に症状があり、検査の結果、感染が分かった。29日時点の症状は中等症。 施設を供用する幼稚園と児童クラブも2日間、臨時休園と休所になる。
ロボッツ、過去最多114得点で福島に大勝
2020年11月30日
【池田充雄】男子プロバスケットボールB2リーグの茨城ロボッツは28、29日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで、福島ファイヤーボンズとのホーム2連戦に臨み、28日は94対77、29日は114対85と連勝。これで今季通算成績を12勝5敗とし、2位の仙台89ersに勝敗数でも勝率でも並んだ。茨城の114点はチーム設立以来の最多得点記録となった。 ●2020-21 B2リーグ第17戦(29日、アダストリアみとアリーナ)茨城 114-85 福島茨 城 |29|27|27|31|=114福 島 |27|21|22|15|=85 「非常に収穫が多い試合だった。全員が得点し勝利に貢献してくれた。特に後半のプレーは、いままでの中でもひときわ良い出来だったと思う」とクレスマン・ヘッドコーチ(HC)は選手たちを讃えた。 茨城は前日に続いて攻撃が好調、序盤からシュートタッチも良く得点を重ね、第2クオーター(Q)残り3分30秒の時点で早くも17点差をつけた。だがその後は気持ちに緩みが出たか、相手に攻め込まれるようになり、自分たちの攻撃にもミスが目立つようになる。みるみる点差を詰められ、第3Q半ばには59-59の同点とされた。 転機となったのは第3Q終盤。残り1分55秒から遥天翼が約1分間でシュート2本とフリースロー5本で9得点を荒稼ぎ。第4Qもこの勢いに乗って、開始直後から茨城が一方的に得点を重ねていった。 クレスマンHCは「前半はオフェンスは非常に良かったが、守備でやや下がる場面が見られ、もうひと踏ん張りが必要だった。後半はスイッチが入って守備もよく集中し、相手の攻撃を止めることができた」と分析する。 しかし遙の見方は少し厳しい。「守備は1人でもさぼるとそこから崩れる。群馬戦のような危機感を全員がまだ継続しきれてなく、間延びした時間帯ができてしまう。誰かエナジーを出せる人が声やプレーで引っ張り、きっかけを作ることが必要なのかなと思う」 眞庭城聖は「相手のリバウンドやインサイドの強さに苦しみ、点差を離せない場面もあったが、点を取り続けることで勝ちきれたと思う。ボールがうまく回り、相手に的を絞らせない効果的な攻撃ができた。守備面ではインサイド陣がハードなプレッシャーをかけ、簡単にパスを入れさせなかった」と評した。 今シーズン初の全員得点 第4Qでは鎌田真が途中出場、残り2分30秒という短い時間ながら、得意とする3点シュートを2本決めた。これで登録12選手が全員出場、全員得点という今季初の快挙も達成した。またチェハーレス・タプスコットはこの試合で、B2史上初の個人通算1500ディフェンスリバウンドを達成。誰もが活躍できる選手層の厚さを証明した。 鎌田の活躍についてクレスマンHCは「非常に良いプレーをしてくれた。まだ20歳であり置かれている状況は違うが、経験ある選手の中でもまれ、プロとして日々成長していくことが重要だと思う」と喜んだ。
《食とエトセトラ》8 大掃除~正月準備 年末の思い出
2020年11月30日
【コラム・吉田礼子】いつの間にか冬に足を踏み入れている。今年の紅葉は美しかった。特に真紅の赤に心奪われ癒された。寒いと赤がきれいだと祖母が話していたのを思い出した。今年はコロナに翻弄(ほんろう)された1年だったように思う。来年こそこの閉塞感から脱したいと願うのみである。 子どものころ、12月の行事と言えば大掃除から始まるお正月に向けての準備。少しずつ整えていく日々が思い出される。12月の半ばごろは不思議と晴れの日が続き、大掃除にも適していた。 障子を貼ったり畳を上げて陽に当てる。母のモンペ姿、手拭いの姉さんかぶりが目に浮かぶ。昭和の風物詩だった。きれいになったところでいよいよおせち作り。献立や段取りを考える。 少しずつ買い出しが始まる。25日過ぎたころから黒豆を煮たりする。故郷の宮城県ではあんこ餅を必ず食べる。大きなシャモジであんを練っていた姿が忘れられない。商家の大みそかは、みそか振る舞いと言って、細やかなご馳走で1年の労を労う。31日は忙しくなるので30日にしていた。 お正月は生ものや四足ものは食べないので、年内のご馳走にはお刺身が付く。それにナメタカレイの煮魚。茶碗蒸しもこの日の付き物。おせちやお雑煮の準備をして年越しそばを食べる。 紅白歌合戦を見たり、年賀状を書いたり、おせちの準備をしたり。除夜の鐘を聞くころには、何とか1年の仕事が終わる。 人気の公民館「おせち料理」講座 今年はコロナの影響もあり家で過ごす時間が増え、お料理や家庭菜園など、家族と一緒にする家庭が増えたという。色々なことに気付くきっかけになったという若い方の感想はうれしい。 お正月は家族そろっておせちを食べるお宅が多いということで、売れ行き好調のニュースも流れていた。今年の公民館講座「おせち料理」には定員の4倍の希望者があり、関心の高さを感じている。 節目=季節の区切りに神様にお供えをし、そのお供えを下げていただく御節供(おせちく)が、おせちの始まりと言われている。 年末年始の家庭行事は各地方や各家庭で千差万別。また時代の流れで変わる。その精神性をよく理解したうえで取捨選択していきたい。先ずは先輩の方々から譲り受けたことを、次の世代の方々に語り部として伝えたい。(料理教室主催)
第9弾 13億のコロナ経済対策など提案 土浦市議会30日開会
2020年11月29日
土浦市の安藤真理子市長は30日開会の市議会12月定例会に、第9弾となる総額約13億1400万円の新型コロナ緊急経済対策事業が提案する。 現在、感染拡大が深刻化している第3波に対応し今後に備えるため、避難所、緊急診療所、学校、保育所、市役所本庁舎などで使用するマスク、非接触型体温計、感染防護服、消毒液、アクリルパーテーションなどの感染予防対策物品を追加で購入するほか、救急搬送や消防団の活動で使用するサージカルマスクなどの感染防護敷材をさらに購入する(事業費は約6800万円)。 市民生活支援策として、家庭ごみの排出費負担軽減のため、市内全世帯約6万7500世帯に30リットルのごみ袋10枚の無料引換券を配布する。5月に実施したごみ袋無料配布の第2弾となる(約4100万円)。 民間の保育施設に対しては、国の第2次補正による慰労金支給事業の対象外となった未就学児を預かる民間保育施設などに勤務する職員約1000人を対象に、慰労のため3万円分のプレミアム付き商品券を配布する(約2100万円)。 新しい生活様式を踏まえた地域経済活性化に関する事業として、小中学校と、避難所となる神立地区コミュニティーセンターの和式トイレを蓋付きの洋式トイレに改修するほか、小中学校の特別教室にもエアコンを整備する(約11億9900万円)。 在宅を有意義に 電子書籍1100冊購入 ほかに、まちかど蔵「大徳」、きらら館、小町の館の観光施設に、接触機会を減らすキャッシュレス機器を導入する(約46万円)。 在宅の時間を有意義に過ごしてもらおうと、市立図書館では新たにインターネットで貸し出しができる約1100冊分の電子書籍を購入し、外出抑制につなげる(約270万円)。 コロナ禍での災害発生に備え、被災者が情報収集をしやすくするため、福祉避難所と指定避難上など計12カ所の避難場所に公衆無線LAN(wi-fi)の環境整備を行う(約200万円)。 芸術文化活動の支援では、新たな暮らしのスタイル確保に向けて、コロナ禍の芸術文化活動の発表機会を確保するため、クラフトシビックホール土浦(市民会館)のインターネット配信環境を整備する(7万円)。 新しい旅行スタイルの環境整備の一環として、市内のサイクリング環境やまちの見どころを掲載したサイクリング環境PR誌を作成などする(95万円)。 12月議会に提案する一般会計補正予算案は総額17億3700万円。そのうち13億円がコロナ関連になる。 公約のごみ袋値下げを提案 同議会にはほかに、1年前の市長選で安藤市長が公約の一つに掲げた県内一高い指定ごみ袋を値下げする条例改正案を提案する。現在15リットル10枚入りごみ袋150円を100円に、30リットル同300円を200円に、45リットル同500円を300円に値下げする方針だ。ただし値下げ時期は来年10月1日からになる。 報告案件では、市立土浦六中で2017年9月5日実施された体育祭の練習の際、生徒が頸椎(けいつい)を負傷する事故が発生し、10月9日に和解が成立したことが報告される。馬になって並んだ生徒の背中の上を、クラス代表が渡って往復するクラス対抗の「人間橋渡り」という種目の練習時、上を渡った生徒が、行きと帰りに計2回落下した際、下で馬になっていた生徒と接触し、下の生徒が頸椎を負傷した。学校の安全管理が不徹底だったとして、けがをした生徒に市が約750万円の損害賠償を支払うことで和解した。けがをした生徒には後遺症などが残る恐れがあるという。 一般質問中止へ 12月定例会の会期は30日から12月18日まで。同市では新型コロナの感染が拡大していることから今期は一般質問を実施しない予定だという。
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