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2020
《続・気軽にSOS》74 あなたの選択は?
2020年12月5日
【コラム・浅井和幸】私達は、毎日毎日、様々な選択をしています。靴下をどちらの足から履くかというささいなものから、プロポーズをするかとか、どの職業に就くかとか、人生の大きな分かれ道のものまでです。それは、無意識レベルから、長い時間をかけて悩んで答えを出すレベルまで、様々です。 いつも忙しくて選んでいる暇なんてないよという方も多いことでしょう。そういう方は、無意識でいつもと同じ選択肢を選んでいることがすべてなのかもしれませんね。 自分が選んでいるのではなく、それしかないから仕方なくだよ、という方も多いことでしょう。そういう方は、こうすべきという決めつけで、状況のせいにして自分の希望の選択を後回しにしているのかもしれません。 今、幸せである人、好循環でますます幸せになっている人であれば、無意識の選択や流された選択でもよいのかもしれません。しかし、今が苦しいとか、悪循環を起こしているとかで、どうにかしたいと考えるのであれば、この選択ということを意識して考えることが大切です。 人というものは、私たちが考えている以上に、積み重ねることや今を耐えてより大きな満足を得ることが苦手です。また、目の前の小さな苦を避ける傾向もあります。例えば、目の前に大好きな粒チョコを1つ置きます。今すぐ食べてもよいのですが、10分待ったら3つ食べてもよいというルールがあるとします。意識して考えると3つ食べたいのに、目の前の1つのチョコを食べてしまうようなものです。 自分の望みに近づける行動 また、半年待てば10万円で買えるものを、今すぐ欲しいので11万円で買ってしまう性質もあります。ローンを組んで物を買うというのは、そのようなことですよね。小さな摩擦を避け続けるために、ストレスがたまって大喧嘩をしてしまうという経験はしたことがないでしょうか。 ほとんどの人は、幸せになりたいとか、金持ちになりたいとか、健康になりたいとかの望みを、ある程度は真剣に持っているでしょう。しかし、これらは積み重ねなければ達成できません。 毎日の生活の中で、「幸せ」「お金」「健康」をないがしろにして優先する快楽だったり、危険を避けるだったりの行為を優先してしまうことがあるでしょう。人や自分自身の悪口を考えたり、言ったり、何で買ったのだろうと後悔するようなものを購入したり、運動せずに暴飲暴食をすることを優先して行うなどです。 毎日が忙しく、無意識に行動してしまっている。よくないと思っていても、面倒だから行動している。それらの行動は、本当に仕方のないことでしょうか。自分の希望よりも優先して選ばなければいけない選択肢なのでしょうか。 もう一度だけ考え直して、自分の望みに近づけるような行動はできないのか試してみてください。人とのささいな勝負に勝つのではなく、様々な困難に克つことを大切にできるとよいと私は考えています。(精神保健福祉士)
1階の旧飲食店街はオフィスに つくばセンタービル改修計画 屋根は取り止め
2020年12月4日
【鈴木宏子】議会からも市民からも十分な説明がないと批判がある、つくばセンタービル(同市吾妻)のリニューアル計画について、4日、市議会全員協議会が開かれ、五十嵐立青市長はリニューアル計画概要を説明した。旧レストラン街の1階アイアイモールを働く場を支援するオフィスとし、現在のつくばイノベーションプラザ1~3階は新たな市民活動拠点とする配置イメージが示された。 一方、センター広場にドーム型屋根をとりつける計画は取り止めになった。屋根は、市が6月にホームページで「リニューアルの方向性案」を示した時点では、雨天時にもイベントが開催できるように計画されていた、市学園地区市街地振興室によると、屋根の計画に対してはさまざまな意見が市に寄せられたことなどから「デザインに配慮し取り止めた」という。同センタービルは、2019年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新氏の代表作の一つで、ポストモダン建築の代表作。 リニューアル計画によると、もともとはレストラン街だったが現在はすべての飲食店が撤退した1階アイアイモール約2500平方メートルは、働く人を支援する場とし、コワーキングスペース、テレビ会議ブース、シェアオフィスなどを整備する。子連れ出勤のサポートなど多様な働き方を支える場とし、来年3月に市と民間企業が出資して設立する予定のエリアマネジメント会社(まちづくり会社)が運営する。 新たな市民活動拠点となる、つくばイノベーションプラザ部分の1~3階約2800平方メートルには、吾妻交流センター、市民活動センター、国際交流センター、消費生活センターを集めるほか、市役所の駅前市民窓口をつくる。各センターの事務スペースのほか、現在、吾妻交流センターにある会議室、音楽室、調理室などを整備する。さらに300平方メートルを超えるフリースペースをつくり図書コーナーを設置したり、現在1階にあるノバホールの小ホールを2階に移してさまざまな利用ができるホールに改修する。 ほかに、センター広場の周囲に、2階ペデストリアンデッキから1階の広場に行けるエスカレーターを2基つけたり、センター広場の破損箇所を改修したり、イベントが開催しやすいよう電源盤を増設などする。 事業費は市が直接工事をする部分として、新たな市民活動拠点の整備が約3億3000万円、エスカレーターの設置やセンター広場の破損箇所改修などが5億7000万円の計約9億円。設計費用約1億3300万円を合わせると計約10億3800万円になる。 市は今年6月時点で整備費を約9億9000万円としていた。屋根の取り付けがなくなったのに事業費がほぼ変わらない理由について同室は、老朽化しているセンター広場の破損箇所などを改修するためとしている。一方、オフィスとする予定のアイアイモールの改修は、新たに設置されるエリアマネジメント会社が行うという。 今後のスケジュールは、来年3月までに基本計画と基本設計を策定、2021年度に実施設計をし、22~23年に改修工事を実施する。リニューアルオープンは23年度中の予定。工事は段階的に実施するため、吾妻交流センターや市民活動センターが閉鎖されることはないという。 現在4階にある吾妻交流センターを移設した跡地の活用についてはまだ決まっておらず、区分所有権を交換するか、働く場を支援する場として活用するかなどを検討している。 一方、だれがどのように運営するかや収支計画などがいまだに公表されていないエリアマネジメント会社の概要については、今月25日までの12月議会会期中に再度、全員協議会を開いて、議会に説明するとした。 「屋根取り止め さすがだが、進め方に不安」 つくばセンタービルをテーマにドラマを制作したことがあるつくば市在住の脚本家、冠木新市さんは「屋根の計画が取り止めになったと聞いて、さすがつくば市には良心があると感じた。これで世界に対して恥ずかしくない。ただ気になるのはこれまでの進め方だが、改修について情報がきちんと出されていない。これからもこんな進め方なのか不安が残っていたが、市長は広報に力を入れると言っているので、今後はそういうことがないと期待したい」と話す。 ◆リニューアル計画は、新型コロナの外出自粛要請終了後から28日まで、つくば駅前のBiviつくばイベントスペースでオープンハウスを開いて市職員が説明し市民の意見を求める。現時点で市民説明会を開催する予定はない。 ➡つくばセンタービルの過去記事はこちら ➡つくば市中心市街地の過去記事はこちら
地域をつなぐマーケット つくばの「まめいち」 活動絶やさず
2020年12月4日
【川端舞】環境に配慮した商品提供と、多様な人々とのかかわりを大切にしているコミュニティマーケット「まめいち」。地域にあるつながりを絶やしたくないと、感染対策に配慮して開催が続けられている。 環境にも人にも優しい場所 まめいちを主催しているのは、つくば市大角豆で治療院「つくば草の根はりきゅう院」を営む小池栄治さん(47)と妻の容子さん(44)。2011年の福島原発事故の際、「電気やお金がなくても何とか暮らしていける」ことを地域で証明したいと思った。当時「朝市をやってほしい」という友人の依頼もあり、12年2月から毎月第3日曜日に治療院の駐車場で開催するようになった。 筑波山の麓で農薬を使わず育てた野菜を販売する農家や、無添加で仕上げたベーコンや鶏ささみの燻製を販売するハム屋など、環境に配慮したものづくりをしている地元の個人店が、毎月出店する。単に販売するだけでなく、商品の背景にあるエピソードが語られたり、顔なじみになって互いの安否を気遣ったりする。 クラフト紙で作ったバッグや無農薬の稲わらで作った鍋敷きを販売する小物屋「文田釜」は、出店して約4年になる。店主の北山良香さんは「まめいちは、健康に良い材料にこだわりを持っているお店が多く、刺激を受ける」という。「どうやって商品を作るかなど、他のお店の人と話せるのも楽しい。お客さんのリクエストで新しい小物を作るときもある」という。 「0円マーケット くるくる広場inつくば」は11月に初出店した。不要になったがまだ使えるものを自由に持ち込み、使いたいものがあれば自由に持ち帰ってもらう活動だ。以前は、市内の個人店の店先や、つくばセンター広場で活動していたが、新型コロナ感染拡大後は活動できる場所が少なくなり、困っていた。「感染防止のため、新たな持ち込みを中止し、今まで寄付されたものを持ち帰ってもらうのみになったが、活動できる場所を提供してもらえてありがたい」と、女性スタッフは語った。 健康や介護、子育ての不安を、医師や訪問看護師、管理栄養士、ケアマネジャーに無料で相談できる「暮らしの保健室」も同時開催され、利用客が買い物ついでに立ち寄る。毎月、相談に応じている50代の女性看護師は「こぢんまりとした雰囲気で話せるのが気に入っている」と話す。 11月の開催日は、看護師の誘いを受け、車いすの80代女性が50代の娘と一緒に訪れた。80代女性は、普段ほとんど外出できてないというが、この日は「自分でハムや味噌を買えた。いろんな人に出会えて楽しかった」と満足そう。一方、娘も「普段は母の通院の送迎をするついでにしか外出できないが、今日は好きなアクセサリーを見ることができた」と語った。 毎回、親子連れ、高齢者夫婦、身体障害や知的障害を持つ人など、様々な人が訪れる。「『地域にはいろんな人がいる』という当たり前だけど見過ごされていることに改めて気づく場所にしたい」と、小池さんは語る。 まめいちでは、子どもたちも参加できる「月替わりの体験企画」も行われている。12月の第3日曜日は正月飾り作りを予定している。
《ことばのおはなし》27 紙の書物の存亡
2020年12月4日
【コラム・山口絹記】スマートフォン片手に本屋を徘徊(はいかい)するのは、私のいつもの休日だ。「せどり」をしているわけではない。しばらく立ち読みをして、目的の書籍たちが、紙の書物で購入すべきものか、電子書籍で購入した方がよいものかを検討する。三度の飯より読書が好きとはいえ、自宅の本棚が崩落しては面倒だ(実際この10年で本棚を2度壊している)。電子書籍で済ませられるものは済ませるに越したことはない。 電子書籍といえば、電子書籍が紙の書物を駆逐するか、という議論がされて10年以上が経つ。個人的には紙の書物が駆逐されようと、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』のような、読書という行為そのものが禁じられる世界がやってこなければよいと思ってしまう。 度重なるビブリオコースト(書物大虐殺)の後の世に、博物館のショーケースに飾られた、ボルヘスの『砂の本』、ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』、寿岳文章の『書物の共和国』を眺めて歩いたその午後に、伊藤計劃の『ハーモニー』のごとく「誰かが孤独になりたいとしたら、死んだメディア(紙の本)に頼るのが一番なの」とうそぶいて、紙のページをめくれるならそれはまだきっと贅沢(ぜいたく)な時間だ。 ここまで書いて、やはり紙の書物は私の身体の一部、延長なのだな、と再確認する。紙の書物の絶滅の話になると、どうも文章が感傷的になってしまう。 電子書籍は紙の書物を滅ぼすか? さて、「これがあれを滅ぼすだろう」という台詞(せりふ)は、ヴィクトル・ユゴーの『ノートル=ダム・ド・パリ』に出てくるものだ。“これ”は“書物”で、“あれ”は“建物(ノートル=ダム大聖堂)”を示している。もちろんここでの意味は本の重みが大聖堂を崩壊させる、ということではない。 少し説明すると、グーテンベルク革命が石の書物、人の思想・知・記憶の結晶ともいえる教会を滅ぼすだろう、ということだ。もう少しだけ説明すると、グーテンベルク革命というのは、1455年にヨハネス・グーテンベルクによって、活版印刷による本の複数生産が可能になったという、技術革命のことである。 15世紀当時の“書物”と“建築”の関係と、21世紀現在の電子書籍と紙の書物の関係は相関するのだろうか。もし相関があるのならば、書物の普及がある意味において当時の特権に影響を与えたように、電子書籍もまた紙の書物という媒体に影響を与えることもあるだろう。 だがしかし、いくらでも書籍を手の内に召喚できる電子書籍とはいえ、画面をスリスリこすったり、スクロールしているうちは紙の書物は安泰だというのが私の考えだ。そもそも私が読みたい書籍はあまり電子化されていないのだ。まだ絶滅されては困ってしまう。 紙の書物の存亡を憂うよりも、電子媒体で書籍を読むようになって、私たちと書籍の関係はどう変わってゆくかを、しばらく観察するほうが有意義だろう。(言語研究者)
議長に小久保氏、副議長に皆川氏 つくば市議会 投票なく初の指名推薦
2020年12月3日
【鈴木宏子】3日開会した改選後初のつくば市議会12月議会で、議長に小久保貴史氏、副議長に皆川幸枝氏がそれぞれ指名推薦で選任された。同市ではこれまで議長、副議長とも投票で選ばれてきた。指名推薦で選ばれたのは初めて。 議長の選任にあたっては年長者の金子和雄氏が臨時議長になり、選任方法について指名推薦でよいか諮った。だれからも異議が出ず、金子臨時議長の指名推薦で、議長に小久保氏が選任された。副議長も小久保議長の指名推薦で皆川氏が選任された。 小久保議長は「初めての指名推薦。皆さんの期待に応えられるようしっかり議会運営に努めたい。コロナ禍の中、議会運営について大変な部分もあると思うが、議会改革にも努めたい」などとあいさつした。 3日決まった各委員会のメンバーは以下の通り。◎は委員長、〇は副委員長。敬称略 ▷総務委員会=◎五頭泰誠、〇浅野英公子、宮本達也、小久保貴史、飯岡宏之、小野泰宏、久保谷孝夫 ▷文教福祉委員会=◎木村清隆、〇小森谷さやか、黒田健祐、塚本洋二、山本美和、橋本佳子、金子和雄 ▷市民経済委員会=◎木村修寿、〇高野文男、川久保皆実、川村直子、神谷大蔵、ヘイズ・ジョン、塩田尚 ▷都市建設委員会=◎長塚俊宏、〇山中真弓、小村政文、中村重雄、皆川幸枝、浜中勝美、鈴木富士雄 ▷広報広聴委員会=◎黒田健祐、〇高野文男、小村政文、宮本達也、山中真弓、神谷大蔵、皆川幸枝、山本美和 ▷議会運営委員会=◎小野泰宏、〇五頭泰誠、浅野英公子、小森谷さやか、黒田健祐、神谷大蔵、塚本洋二、鈴木富士雄 1人会派が7つ 会派は、1人の会派が7つ誕生した。最大会派は7人のつくば自民党・新しい風。各会派の構成は以下の通り。〇は代表。敬称略。 ▷つくば自民党・新しい風(7人)=〇黒田健祐、長塚俊宏、神谷大蔵、小久保貴史、五頭泰誠、ヘイズ・ジョン、久保谷孝夫 ▷自民党政清クラブ(5人)=〇飯岡宏之、宮本達也、木村修寿、塚本洋二、鈴木富士雄 ▷つくば・市民ネットワーク(4人)=〇小森谷さやか、川村直子、浅野英公子、皆川幸枝 ▷公明党つくば(3人)=〇小野泰宏、山本美和、浜中勝美 ▷日本共産党つくば市議団(2人)=〇橋本佳子、山中真弓 ▷新社会党つくば(1人)=金子和雄 ▷山中八策の会(1人)=塩田尚 ▷清郷会(1人)=木村清隆 ▷創生クラブ(1人)=高野文男 ▷新緑会(1人)=中村重雄 ▷つくばチェンジチャレンジ(1人)=川久保皆実 ▷勝手にひとりの会(1人)=小村政文
高齢化団地で振興事業、2駅周辺でシェアサイクル つくば市長が2期目所信
2020年12月3日
【鈴木宏子】改選後初のつくば市議会12月定例会が3日開会し、五十嵐立青市長は2期目の所信を表明した。高齢化が進む住宅団地で周辺市街地振興事業を横展開するとしたほか、つくば駅と研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するなどと表明した。一方、課題の中心市街地活性化や旧総合運動公園用地について新たな言及はなかった。 まず新規感染者が急増している新型コロナウイルス感染拡大対策について、市役所窓口でのデジタル手続きを推進するほか、健康体操教室を通した高齢者の体力づくり支援、地元企業からの相談体制強化など、きめ細やかに取り組んでいくとした。 まちづくりについては、1期目に実施した、旧町村の旧市街地8地区などでの活性化協議会設立や市内外から地域活性化プランを募るコンペなどの取り組みを、他の周辺地域や住民が減少している住宅団地などにも横展開していくと強調した。 一方、中心市街地活性化については、つくばセンタービルをリニューアルして新たな市民活動拠点、市民窓口、多様な働き方を支える場を整備し、中心市街地を活性化する主体となるまちづくり会社を立ち上げるとするにとどまり、改選前の9月議会で指摘があった、まちづくり会社をだれが、どのように運営するか、収支は見合うのかなどについて言及はなかった。 1期目に「総合運動公園問題の完全解決」を最大公約に掲げながらも方向性を示すことができなかった旧総合運動公園用地については、「市民や議会の意見を聞きながら、市にとって必要な方向性について、財政面での実現可能性とも合わせてできるだけ早い段階で決定したい」とするにとどめた。 陸上競技場の整備についても、議会や有識者会議の意見を聞きながら進めていくとするにとどめた。一方、廃校跡地を活用して文化芸術拠点を整備するとし、インフラ整備では多発する災害に備え防災倉庫を含めた拠点の整備を進めるとした。 ほかに、自転車利用の促進について、つくば霞ケ浦りんりんロードがナショナルサイクルルートに指定されサイクリングを楽しむ機運が高まっているとして、旧筑波東中跡地などの廃校を活用して、りんりんロードから立ち寄ることができる自転車の拠点を整備すると表明したほか、つくば駅や研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するとした。 子育て環境の整備では、子供の医療費助成について、現在、高校生は入院費用のみ助成しているマル福を、高校生の外来診療まで拡大するとした。 教育では、今後5年間でTX沿線に、香取台地区小学校、研究学園小中学校、みどりの南小中学校(学校名はいずれも仮称)を整備するとし、エアコン整備について、小中学校の特別教室や児童館のプレイルームにも拡大するとした。 福祉ではほかに、高齢者憩いの広場の整備推進や、筑波大と連携して取り組む児童発達支援センターの開設などを進めていくとした。
洞峰公園にパークPFI 県が意向調査開始
2020年12月3日
【山崎実】県は、つくば市二の宮の洞峰公園で、民間事業者がパークPFI制度(Park-PFI、公募設置管理制度)を活用し、飲食、売店など収益事業を行う考えがあるかどうかを探る意向調査(マーケットサウンディング調査)に乗り出し、1日から事業提案書を受け付けている。 同制度は2017年の都市公園改正法で新たに設けられた、民間資金を活用した整備、管理手法。飲食、売店など公園利用者の利便性向上と、その収益を活用して周辺の園路や広場などの整備、改修を一体的に行うというもの。 メリットとしては、民間資金を活用することで公園管理者(県)の財政負担が軽減されるほか、飲食、売店など便益施設に民間のアイデアを取り入れることで、利用者サービスの充実が図られ、より魅力的な公園づくりが進められる。 県は現在、偕楽園(水戸市)の拡張部に県内初のパークPFIを導入することとし、公募で選定された事業者と内部協議を進めている。民間事業者の公園事業への進出については、「意向調査を進める中で、県内の公園に興味を持っている企業もあり、アウトドア施設やスポーツ施設、飲食施設といった事業に提案をもらっている」(県議会第3回定例会)と、手応えを感じている様子。 洞峰公園の意向調査の概要は、対象面積が同公園全域(約20ヘクタール)、事業期間は最長20年間、飲食店や売店など収益施設を設置する場合は土地使用料が発生する。事業提案の受け付けは12月1日から来年1月29日まで。1月中旬から2月中旬まで個別対話に入り、2~3月には意向調査結果が公表される。 今回の意向調査について県土木部は「事業化への準備段階で、民間事業者が洞峰公園に魅力をもっているかどうかを探り(事業参加への)脈を見たい」と話している。 問い合わせは都市整備課・公園緑地(電話029-301-4655) 洞峰公園の民間活力導入に関する意向調査はこちら
《くずかごの唄》74 イチョウの雌と雄
2020年12月3日
【コラム・奧井登美子】わが家の庭の真ん中に大きなイチョウの木がある。兄の奥井誠一が生まれたときに、舅(しゅうと)が大喜びしていたら、今の土浦一中地区公民館の敷地にあった平本医院の平本先生が、「誕生記念だ」と言ってイチョウの木を下さったという。 樹齢100年、高さもいつの間にか20メートル近い大木になってしまった。秋、葉の色は美しい黄金色。家の庭はまるで黄金の扇子で敷き詰められた絨毯(じゅうたん)。イチョウは雄雌で木の葉の形が違うらしい。昔の東京大学のマークの切れ込みのある葉は雄の木の葉。わが家のイチョウは雌なので切り込みのない扇形である。 イチョウの精子は元気がよくて1000メートルくらい飛ぶという。わが家の雌イチョウめがけて亀城公園あたりから精子が飛んできて、仲良くなって結実する。 秋、ギンナンが落ちる。ギンナンの果肉は皮膚炎を起こす人が多いので、「ツラの皮の厚い人」しかギンナンむきができない。私のツラの皮は人一倍厚いと見えて、かぶれないので皮むきも私の仕事になってしまった。 粋な戯れをする植物 敗戦後、疎開先から東京に帰ってきた私は、下町が、大空襲の焼け跡ばかりなのに、神田、お茶の水、上野などを歩いてみて、古い建物が残っている場所があるのに気づいた。イチョウの木があったおかげで、火が止まって、燃えずに残ったという町もいくつかあった。 昔から神社やお寺の境内にイチョウを植えたのは、火事の時の、安全の願いもあったのかも知れない。イチョウは気温が急に高くなると、シュウシュウと音がするほどの、ものすごい勢いで湯気を吹き出す。街角にイチョウの木があれば、火事で急に気温が上ったとき、湯気を吹き出すに違いない。 イチョウの木と仲良く付き合ってみると、植物のくせに動物に近いような、奇妙な意志のあることがわかる。1000メートルも精子を飛ばして、高い木の上で合体するなどと、粋な戯れをする植物は他にないだろう。(随筆家、薬剤師)
濃厚接触の別の教員も感染 つくばの市立学校
2020年12月2日
つくば市は2日、教員が新型コロナウイルスに感染していることが分かった市立学校(11月30日付)で、この教員の濃厚接触者となった別の教員も新型コロナに感染していることが新たに分かったと発表した。 市教育局学び推進課によると、この学校では濃厚接触者などのPCR検査を終えており、2日までに他に感染者はいないという。 この学校は11月30日と12月1日、消毒のため休校し、2日から再開している。今回新たに感染が判明した教員は濃厚接触者となって以降、勤務を休んでいるため、新たに感染が拡大することはないという。 同課によると、同市内の市立学校では11月以降、7つの小中学校で感染が確認されており、各学校では消毒のため1~4日間休校としている。感染者の濃厚接触者は2週間の自宅待機となるが、児童生徒が濃厚接触者となった場合は、電話やメールなどで連絡を取り合って不安を取り除き、オンライン学習なども活用して学びの保障を行っているとしている。
平山氏に江崎玲於奈賞、核スピン分極を応用 つくば賞はチバニアンの3氏
2020年12月2日
【相澤冬樹】ナノサイエンス分野の研究で優れた業績を挙げた国内研究者を顕彰する江崎玲於奈賞の審査会が23日、つくば市内で行われ、第17回受賞者(副賞1000万円)に原子の核スピン応用技術の平山祥郎東北大学大学院教授(65)を選出した。 第31回つくば賞(副賞500万円)には「チバニアン」研究の茨城大学大学院の岡田誠教授(55)、国立極地研究所の菅沼悠介准教授(43)、産総研地質調査総合センターの羽田裕貴研究員(28)の3氏を選んだ。 「江崎先生も気づかなかった着眼点」 同賞は茨城県科学技術振興財団(江崎玲於奈理事長)がノーベル賞受賞の白川英樹、野依良治、小林誠各氏らを審査委員に選出する。今回の発表はオンライン開催となった。 平山教授は、東北大学先端スピントロニクス研究開発センター長。原子の核スピンが分極し、余剰抵抗が生じることは1999年ドイツの研究者により報告されたが、電気特性が弱く注目を集めなかった。これに着目した平山教授は2003年以降、独自の半導体ナノ技術を駆使して核スピンの分極を電子的に制御し、その影響を高感度に抵抗検出する技術を確立した。技術はMRI(核磁気共鳴画像法)のイメージングにも用いられるが、平山教授の研究は核スピンの分極の組み合わせを量子コンピューターなどのエレクトロニクス分野に応用するなどの技術開発で特に業績をあげた。 審査会では「江崎先生をもってしても気づかなかった着眼点であり、その先見の明に賞を与えたい」とした。 地磁気逆転、古海洋変動復元研究が評価 つくば賞受賞の3人は、今年1月のIUGS(国際地質科学連合)理事会で承認され、わが国初の地質時代名称となった「チバニアン」に関する研究が評価された。千葉県市原市の地層「千葉セクション」は中期更新世(7.4万年前~12.9万年前)における地磁気逆転と海洋環境変動を記録することを、極めて高い時間解像度で明らかにした。 第30回つくば奨励賞は、実用化研究部門で物質・材料研究機構の内藤昌信グループリーダー(47)、若手研究者部門で同機構の佐々木泰祐主幹研究員(40)が選ばれた。 同財団によれば、新型コロナウイルス感染防止のため、例年行ってきた各賞の授賞と受賞記念講演会は開催を見合わせる。受賞者への賞の贈呈は個別に行う予定。
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