火曜日, 4月 7, 2026

【茨城 高校野球展望’19】7 常総はタレントぞろい 霞ケ浦監督に聞く㊥

―髙橋監督が気になっている相手チームはありますか。 毎年各学校の監督さんのカラーが出ますよね。藤代の菊地一郎監督、石岡一の川井政平監督、常総の佐々木力監督と、監督のカラーが出ていて、そこの選手がどのくらいの能力であるかを足していけば、大体チーム力が分かります。監督それぞれの野球が急に変わることはないので、何をしてくるかは概ね察しがつきます。 ただ、土浦日大の小菅勲監督は何をしてくるか分からない。つかみどころがなくて負けたのは土浦日大だけなんです。何をしてくるか分からなくて常総も負けてしまうし、茨城を2年連続で勝ってしまうという本当に面白い状況なので、土浦日大にだけはちょっと負けたくないという思いはあります。 あと、藤代と石岡一はよく似たチームだと思いますが、藤代の方が精度が高くて選手層も厚い。藤代の方が強いようですが、そこを岩本大地投手(石岡一)の力で一気に超えてしまうかもしれない状況にあります。藤代とは中山航投手と寛人の投げ合いと野手同士の戦いの中で面白い試合になると思っています。 ―常総学院打線についてはどのように分析されていますか。 常総学院はいろいろな雑誌を見ても分かるように、創部以来3本の指に入る選手層、強さと言われていますしタレントがそろっています。とにかく打線はすごいですよ。先日の土浦市高校野球招待試合で常総学院は春季関東大会優勝の東海大相模とやりました(4対5で東海大相模の勝利)けど、試合後に東海大相模の門馬敬治監督から「常総ってこんなにメンバーそろってるんですね」と電話がありましたよ。日本一になっている門馬監督がわざわざ連絡してくるくらいですから、それだけ常総に脅威を感じたんでしょうね。でも、そのくらいタレントぞろいのチームであっても、秋の関東大会や春の県大会準決勝で負けているというのが興味深いですよね。 ―今大会とは別の話になりますが、霞ケ浦には毎年好選手がそろっています。選手のスカウティングについて、言える範囲でお願いします。 うちは他の私立高校よりもスカウティングに力を入れていないと思います。8月後半に1回あるオープンスクールの体験入部に来てくれた選手の中で、目立つ子には声をかけています。私立高校でありながら今の段階で1人も決まっていませんので、他の高校には遅れを取っていてスカウティング力は弱いですし、もっと力を入れないといけないと思っています。昔は特待を使って多少のところは目をつぶって多く集めた時期もありましたが、今は学力が伴って野球の技術が高くなければ特待の条件を出したくありません。後は、霞ケ浦でやりたいといって来てくれた子を叩き上げれば何とかなるだろうとこの20年やってきましたし、実際に何とかなってきたのかなと思います。根性がなくて決勝でいつも負ける戦いをしてしまっているのであまり偉そうなことは言えないですが、無理なスカウティングはしていないですね。 付属中の快挙、OBの活躍 ―霞ケ浦高校付属中硬式野球部がボーイズリーグの全国大会出場を決めました。 創部4年で県大会優勝、全国大会出場おめでとうございます! 素晴らしい快挙です。柴崎、竹内、木村各スタッフの指導の賜物だと思います。これを機に、部活動、学習面での起爆剤になり、付属中学校全体が益々飛躍することを願っています。 ―大学野球に進んだOBの試合はご覧になっているようですね。 大学野球を4年間一生懸命やるのであれば、1回くらいプレーは見てあげたいと思っています。大正大4年の大場駿太は最後のシーズンということで、ちゃんとした球場でやるときは見に行くよと約束していたので、一昨日は休みを取って、神宮球場で大正大と東農大の東都大学リーグ2部3部入替戦を見てきました。また、先日は全日本選手権の東洋大(3年・小川翔平、2年・木村翔大がスタメン出場)を見てきましたが、大学関係者に対する進路のお願いですとか、顔つなぎなどをやっておかないと後輩たちも入れないので、そういうものも含めての大学の試合会場に行っているわけです。OBが頑張っている姿を見るのもいいですけれども、それだけが目的ではありません。(続く) (聞き手・伊達康) ➡【茨城 高校野球展望’19】はこちら

【茨城 高校野球展望’19】6 プロ注目の右腕「完成形に近い」 霞ケ浦監督に聞く㊤

【伊達康】毎年安定して好投手を輩出する霞ケ浦だが、今年は、鈴木寛人(3年)という最速148キロを誇るプロ注目の本格派右腕を擁しその戦い方が注目されている。綾部翔(横浜DeNA)や安高颯希(桜美林大4年)を擁して初優勝を果たした第97回大会以来4年ぶりの甲子園出場に向けて心血を注ぐ髙橋祐二監督に、夏の大会に向けた思いや決意を語ってもらった。 ―春季県大会では乱打戦の末に明秀学園日立に7対10で敗れ、夏の大会はDシードで臨むことになりました。秋の準々決勝で敗れたAシードの藤代ゾーンに入ったことについて、所感をお聞かせ下さい。 今回、春に初戦で負けてシードを獲れると思っていなかったので、いきなり強いところと当たる可能性もあると心の準備はしていました。藤代ゾーンに入ったことについては一度負けている相手なので是非勝ちたいと思っています。藤代と常総学院を倒さないと甲子園は手に届きません。もし藤代を倒したとしてもBシードの石岡一が待ち受けているので正直言ってきついですね。Bシードの中でも石岡一が一番同じゾーンになりたくない相手でした。 ―春の敗戦以降、夏に向けて特別に取り組んでいることがあれば教えてください。 例年、本校は投手力を中心とした守備が売りのチームを作っています。そこに少しでも攻撃力を付けて戦うのがうちの戦法です。実際、投手力や守備力は県内で常総学院や明秀学園日立よりも上だと評価された年が何度かありました。でも、今年のチームはとにかく守備力が弱く例年のレベルに到達していません。守備のイージーミスがよく見られるので、守り負けるもろさをはらんでいます。しかし、鈴木寛人というピッチャーは、先輩でプロ入りした綾部翔(横浜DeNA)や遠藤淳志(広島)を超えるようなピッチャーにまとまってきた感があるので、もしかしたら優勝できるかもしれないという手応えをつかんでいます。 ―守備の方では中心選手が抜けた穴が大きかったでしょうか。 中心選手は毎年入れ替わる中で、それでも毎年、二遊間に関しては県内でも1、2位と言われるチームを作ってきました。昨年は能力の非常に高いセカンドの小礒純也(日体大1年)とショートの森田智貴(桜美林大1年)がいましたが、今年は二遊間に限らず全てにおいて守備力が弱いですね。 ―打撃に関しては天野海斗選手が中心になるのかなと思いますが、ほかにこの選手に期待したいというのはありますか。 新チームになってずっと天野と黒田悠真を使い続けてきましたけれど、思ったようなリーダーシップが取れないというか、結果が出ていません。うちにはいわゆる4番バッターはいませんが、1年生を入れて打線を組んだことによって、どこからでも点を取れるような打線になりつつあると思います。期待する選手としては仕黒大樹です。茨城出身(土浦三中)の選手ですし頑張って欲しいと思っています。 ―1年生とはどの選手でしょうか。 飯塚恒介と宮崎莉汰は練習試合でもスタメンで使っています。特に宮崎は見かけによらず力があって勝負強いので中軸を打たせています。1年生に期待すること自体が悲しいことなのですが、打線の幅はできたように思います。 成長うかがわせるプロ注目右腕 ―ピッチャーについて。プロ注目右腕の鈴木寛人投手は春の大会まで背番号はエースナンバーではありませんでしたが、仕上がりはどうですか。 実績がないので自信を持って投げてはいませんが、プロのスカウトからは綾部・遠藤ら2人の先輩よりもボールの質が上だという評価をもらっています。春季大会は早々に負けたので4月下旬から6月第2週までは東海大相模、花咲徳栄、桐蔭学園、作新学院、春日部共栄、東海大甲府といった強豪校との練習試合をどんどん入れ、鈴木寛人にはどんなに打たれようが、点を取られようが9回を投げきるというノルマを課しました。その結果、花咲徳栄には滅多打ちにされ、東海大相模にはもっとボコボコに打たれ、「ああ、この子はピッチャーとしてまとまらないで終わってしまうかな」と思いながらも試練を乗り越えて一本立ちして欲しいという一心で起用し続けました。そうしたら、5月終盤にきて桐蔭学園を8回1安打完封、作新学院を完封、東海大甲府には失点1と着実に結果を出して来ています。この期間、ずっと完投させてきて、マウンド上の立ち姿に大きな変化というかオーラを感じるようになりました。 この状況が夏大(なつたい)になっても変わらなければ、たとえ相手が強力と言われる常総学院打線であったとしても、寛人ならやってくれるのではないかと楽しみです。それくらいの成長を感じています。ロースコアのゲーム展開になったとき、うちの守備にほころびが出る不安はつきまといますが、完成形に近い状態になったと言っていいほど寛人は良くなりましたね。1年秋の関東大会で2試合とも先発させて打たれて負け投手になり、次の春怪我をして、2年夏も棒に振って、秋も結果が出ないという状況の中でほとんど投げていません。ですが、4月から6月にかけて一生懸命やってきたことによって、これだけ成長できた訳です。寛人には昨日、「夏は寛人が中心でいくからな。これだけ成長できたのだから自信を持って存分にやってくれよ」と話したところです。 ―これまでエースナンバーを背負ってきた福浦太陽投手はどうですか。 福浦は背番号1にあぐらをかいた状況で、寛人に抜かれることに焦りも感じたと思いますが、やっておかないといけないストレッチをおろそかにして体が鉄のように硬くなってしまいました。柔軟性の数値が1カ月前に比べて驚くほどで悪くなってしまい、こんなに硬くなるかと。胸が張れない。えび反り、いわゆるブリッジができないくらい胸郭が詰まってしまっています。あまりにもひどい状態で今は最速125キロくらいしかで出ません。肩肘はどこも痛くない。でも肘に張りがある。当然ですよ、もともとそんな投げ方はしていましたが、胸を張れないから体を開いて腕を引っ張り上げるしかないので。エースとしての自覚が足りない。昨日は「もしも寛人の成長がなくて山本もいなかったらお前はエースとしてどんな責任をとるんだ」という話をして自覚を促しました。 ―それでは春の明秀学園日立戦で先発した左腕の山本雄大投手(2年)が2番手格になるのでしょうか。 福浦のことは突き放してはいますけれど、そうはいってもエースとして今まで君臨してきたわけですから、何とかはい上がって欲しいと期待しています。ただ、今は一切ボールを投げさせていません。ストレッチの数値が元に戻るまでは投げられないことにしているので、1日に3~4時間をストレッチに費やしています。どこまで戻るかは分かりませんが、戻らなければ、寛人と山本、それにもう一人3年生ピッチャーがいるので、この子とうまくつないでいければと考えています。もうトーナメントの組み合わせが分かりましたし、このカードは誰が投げるというのは全試合で想定しています。そうは言ってもやられるときはあっさりとやられますから。(続く) ➡【茨城 高校野球展望’19】はこちら

【茨城 高校野球展望’19】5 球数制限で新時代に 土浦日大監督に聞く㊦

―高校野球全体についてお話をうかがいます。今ホットな話題の球数制限問題=※注1=について、考えをお聞かせください。 私は、基本的に球数制限は賛成です。今後議論をした上で制限する方向にいくのではないでしょうか。球数制限が決まったら速やかに対応していこうと思っています。もしかしたら、高校野球が新しい時代になるんじゃないかと思います。例えば100球制限があるとして、最初にエースを出したらエースが引っ込んでからが勝負になるなど。駆け引き、采配も改めて考える必要がある。最初に背番号10でいって次に背番号1にするのかとか、その逆だとか、駆け引きが大きな要因になって、タイブレークと同じでまた面白くなると思いますね。 ―最後に、センバツで話題になったサイン盗み=※注2=についてお聞きします。私も去年夏の明秀学園日立戦を見ていまして、そういったクレームがありましたがどのようにお考えでしょうか。 去年の夏の大会は、明秀戦以降、相手チームが、我が軍のセカンドランナーに過敏に反応するようになりましたが、そんな(サイン盗みをする)余裕はないですし心外です。これについては、野球界に以前からあった疑惑ですし、盗まれない工夫も各チームしてきました。 サイン盗みについて、ペナルティーを与えるか、どのように禁止にしていくか、審判団の対応はどのようにするか等々、今は過渡期にあるようです。審判団もナーバスになっていて、少しの挙動でも試合を止めて注意する方もいます。全県をあげて「やってはならない」という流れにすべきです。今後は、各チームのマナーや品格が問われるでしょう。 ※注1 球数制限問題 以前から、高校野球ではピッチャーの投球数に制限を設けていないため、一人の絶対的エースを酷使し、投球過多の末に肩ヒジを故障する選手が多かった。故障の予防的措置として投球数に制限を設けるべきという意見がある一方で、反対意見も根強い。一律の制限は投手の枚数が少ないチームに不利なので慎重に議論すべき、全員がプロになるわけではないからと酷使を容認したり、野球がつまらなくなるといった見方がある。1990年夏の甲子園では大野倫(沖縄水産)が地区予選から痛み止めを服用しながら投げ続け、甲子園では773球を投じて疲労骨折し二度と投球できなくなった。しかし、昨夏の甲子園では吉田輝星(金足農)が一人で881球を投げ準優勝を果たしたが、肩ヒジに問題は生じていない。 ※注2 サイン盗み問題 昔は制限がなかったが、現在はセカンドランナーが捕手のサインを見てバッターにコースや球種を伝達してはならないことになっている。今年のセンバツでは習志野vs星稜の試合中、習志野のセカンドランナーの動きが不自然で「球種やコースをバッターに伝達しているのではないか」と星稜ベンチからクレームがあった。結果は習志野が勝ったが、星稜の林監督は憤りを抑えきれず、試合後に控室に乗り込んで「フェアじゃない」と習志野の小林監督に直接猛抗議する異例の出来事が起きた。その後、星稜の林監督は学校から一連の言動を問題視され6月4日まで指導禁止とする懲戒処分を受け、サイン盗み問題はセンバツ後も話題になった。 昨年夏の準々決勝・土浦日大vs明秀学園日立において3対0で土浦日大リードの4回表無死二塁から土浦日大のセカンドランナー富田卓の動きが怪しいと明秀学園日立ベンチから球審にクレームがあった。その後も二塁にランナーが進むたびに明秀ベンチからクレームがあり中断した。この出来事を聞いたのか、準決勝(霞ケ浦)・決勝(常総学院)でも相手チームがセカンドランナーにナーバスになっていることが見て取れた。 3連覇をかけた土浦日大・小菅勲監督には、夏の大会直前のお忙しいなか時間を割いていただき、お話をうかがうことができた。夏に向けた意気込み以外にも、今話題の球数制限やサイン伝達についても率直にお話を聞けたことに感謝したい。 (聞き手・伊達康)

フックン船長、LINEスタンプに登場 全40種つくば市が販売

【谷島英里子】つくば市のイメージキャラクター「フックン船長」のLINEスタンプが1日、登場した。市は市民らに活用してもらうことで地元への愛着度向上や内外にキャラクターの周知を図る。 フックン船長は、市の特徴「自然(フクロウ)」と「科学(ロボット・宇宙飛行士)」をモチーフにした宇宙飛行士型ふくろうロボットで、宇宙飛行を夢見ているキャラクター。筑波研究学園都市建設の閣議了解50周年を記念して、2014年に誕生した。 スタンプは全40種1セットで120円(税込み)。日常でよく使う言葉に、フックン船長の口癖である、「~フク!」を付けた、「いいね!フク」「おつかれさまフク。」「がんばってフク!」など。ほかに、筑波山やロケットのイラスト、通勤・通学する人たちやつくばを離れた人たちが、つくばに戻る際に使うフレーズ「つくばっく」なども取り入れた。スタンプの収入は市の事業に広く役立てる。 デザインを担当した市広報戦略課の中林まどか主事は「LINEスタンプをきっかけに、つくばに興味を持ち、好きになっていただけたら」と話す。ダウンロードはLINE STORE クリエイターズスタンプから「フックン船長」で検索する。

「健康」軸に自転車活用拡大へ 6日筑波大でシンポジウム

【山崎実】サイクルツーリズム(自転車観光)と県民の健康増進などを目的に、全県的な自転車活用運動を推進している茨城県は7月6日、筑波大学(つくば市天王台)で、「いばらき自転車活用シンポジウム」を開く。「健康」をメーンテーマに、自転車活用の楽しみ方と効用、先進的な事例や実践活動に基づく効果などを誰もが共有し、自転車文化の浸透を図るのが狙い。 県は、昨年6月の国の自転車活用推進計画(閣議決定)を受け、「いばらき自転車活用推進計画」を策定した。既に2016年11月に開通している「つくば霞ケ浦りんりんロード」のほか、「奥久慈里山ヒルクライムルート」「大洗・ひたち海浜シーサイドルート」「鬼怒・小貝リバーサイドルート」の4ルートによる自転車ネットワーク路線の構築を目指している。 さらに安全対策面では、県交通安全条例を改正し、自転車事故の未然防止と被害者救済のための、自転車損害賠償保険等への加入を呼び掛けるなど、自転車の積極的な利用と安全対策の両面から支援体制を強化している。シンポジウムを契機に、自転車活用の取り組みをこれまで以上に広げていく考えだ。 トークセッションや実践報告も シンポジウムでは、ファッションモデルで海外レースにも参加し、アスリートフードマイスターの資格をもつサイクリストの日向涼子さんと、フリーアナウンサーで茨城放送の音楽番組「IBS MUSIC STATE」パーソナリティなどで活躍する木村さおりさんのトークセッションが催される。 事例発表では、フジクラCHO(最高健康経営責任者)補佐の浅野健一郎さんが「始めよう!健康経営と自転車通勤」、シマノ文化推進室の阿部竜士さんが「自転車を活用した健康増進」と題して、それぞれ実践報告する。 この後、ライフクリエーションスペースOVEの室谷恵美さんをコーディネーターに、パネルディスカッション「健康増進に向けた自転車活用」が行われ、自転車活用運動の啓発、推進活動のあり方などを話し合う。 ◆シンポジウムは6日(土)午後1時~3時30分、筑波大学5C棟2階216階段教室で開催。参加費無料。事前申し込み必要。問い合わせは県地域振興課交流プロジェクト推進室(電話029-301-2735)。

【茨城 高校野球展望’19】4 相手チーム対策は 土浦日大監督に聞く㊥

―よそのチームのことはあまり考えてないと思いますが、あえて意識するチームをあげるとしたら? 自分たちの野球をするのが第一だと思っています。ただ、常総学院の佐々木力監督は取手二高の同級生ですし、明秀学園日立や霞ケ浦は、甲子園に出るためには必ず立ちはだかる相手です。そういった相手チームの投手はこうで、打線はこうでという対策は、1年間、選手たちと考えを共有しながら取り組んできました。 ―相手チーム対策については丸林直樹コーチの果たす役割が大きい? 大会では、アナリストを担当してもらっています。非常に選手も助かっていると思います。練習でも丸さん(丸林コーチ)がリードして、私も選手も「考えもしない」ような練習メニューの引き出しを持っています。 ―一昨年、昨年と2連覇したことで、志望者が増えたり入部する選手の技術レベルが上がったりなどはありましたか? 本校は「文武不岐(ぶんぶふき)」を伝統としており勉強にも力を入れていて、野球だけやる子は来ていません。勉強も野球も一生懸命頑張るということで入部してくれています。本校はグラウンドのすぐ脇に寮がありまして、この環境は自分が伸びそうだといって来てくれる子が多いです。野球が大好きな生徒、一生懸命に練習に取り組んでくれる生徒は基本的に受け入れています。1学年で30人ほどの部員がいるのですが、ほとんどが寮生活をしたい、高校野球を全うしたいと希望して来ています。志望者が増えたかというと、増えたのかもしれないですが、特別技術レベルが上の子が来ているわけではないです。しかし、一つだけ言えるのは、みんな「やる気」があります。監督と選手の考えがマッチして同じベクトルを向いて練習できています。 ―頭髪は自由とのことですが… 頭髪は全くもって自由です。結構みんな長いですね。エースの荒井なんかも髪の毛が伸びるのが早くて、ボサボサといっていいほどです。丸坊主にしたい子はしていますが、全体の1割弱です。これは自分で選んだ丸坊主なので。私は頭髪を自由にして良い効果があったと思いますし、なんで今までこんなつまらないことにこだわっていたのかなと。高校野球が始まって100年ですから。次の時代に向かって何か新しいことはできないかと考えたとき、頭髪は別に自由で良いのではないかと思い、自由にしました。 ―頭髪が自由だからという理由で土浦日大を選んだ選手はいますか? それはさすがにないと思います。自由な気風は大事にしたいですが、野球環境で選んでもらっていると思います。 ―週に何度かは寮で過ごされますか? 金土日とか木金土とか、2~3日は寮に泊まります。選手の様子が分かったり、グラウンドから寮に帰って、気になった選手がいれば呼んで面談できますし、良い環境だと思います。 同門、常総学院・佐々木監督との距離感 ―個人的に非常に興味があるのですが、常総学院の佐々木力監督とは今どういった距離感ですか? まず木内(幸男)監督という偉大な指導者の薫陶を受けたこと、お互い選手として全国制覇した経験を次世代に伝える、義務というか使命を果たさなければならないと思っています。佐々木監督と面と向かってこの話をしたわけではありませんが、彼も同じように思っていると信じています。 距離感? 以前、私が県立高校に勤務していたときにはよく話したり食事したりしていたのですが、今の立場(土浦日大監督)になってから、野球の話は深くはしなくなりました。やはり同門下ですから、野球談義やチーム作りについては研究し合いたいと思っています。これは佐々木監督にかかわらず、他の指導者の方たちともそうしたいと思っています。しかし、手の内、腹の内は見せられないというのがお互いにあると思います。同じ釜の飯を食べた佐々木監督とは、お互いリタイアした後にでも「あのときこうだったよなあ」という話はしたいなと思っています。 ―春は常総学院の菊田拡和選手に2本の特大ホームランを浴びました。菊田選手を小菅監督はどう評価していますか? これまで25年くらい指導者をしてきましたけど、あれだけ飛距離がある子は初めてです。高校の時に見ていた清原和博選手(PL学園)の打球のような放物線に近いかもしれません。天性の素材を持ち合わせています。守備や走塁にも、まだまだ伸びしろがあるようです。是非プロ野球にいってホームラン王を獲れるような選手になってほしいと思います。(続く) =聞き手・伊達康 ➡【茨城 高校野球展望’19】はこちら

【茨城 高校野球展望’19】3 3連覇をかけた夏 土浦日大監督に聞く㊤

【伊達康】茨城では一昨年に小菅勲監督が就任からわずか1年3カ月で土浦日大を優勝に導き、昨年もドラマチックに連覇を遂げた。3連覇をかけた今大会をどのような心境で迎えるのか。小菅監督に意気込みを聞いた。 夏に照準を合わせてきた ―今年のチームの特徴を教えてください。 今年の3年生はみんな真面目です。練習に取り組む姿勢が良い。下級生の頃からチームワークが抜群でした。クレバーで、「野球勘」を持っている子が多い。打つか、守るかだったら守りのチームです。守りからリズムを作っていくゲームプランをしています。メンバーも上級生になってからレギュラーになった子が多く、去年から出ているのがキャプテンの石渡耀とショートの鶴見恵大くらい。私はチーム作りを急ぐ方ではなく、夏に照準を合わせていますので、上級生になってから試合に出るようになった選手は、夏直前になって良くなってきています。 ―エースは左サイドの荒井勇人ですか。 そうですね。荒井は3年生ですし昨夏も経験しています。まずはエースが奮闘するのが高校野球です。荒井には頑張ってもらいたい。 ―主に継投で試合を作っていきますか。 継投ありきというわけではありません。ですが、なるべく夏の大会は1人のピッチャーに負担をかけないようにという方針はあります。どうしても一発勝負なので流れが決まらないうちとか、単なるイニング数とか投球数だけでは代えられない部分があります。常にその場で、状況を見ながらの判断ということになります。 ―2年生の右腕の中川竜哉は春休みの鹿児島遠征で好投したそうですね。 3カ月前と今では大違いかもしれません。ここに来て、どのチームの打線も春先のバッターではなく、夏大(なつたい)を迎えるバッターへと成長してきています。中川も、そうした打線と対決を繰り返し、課題を見つけ、もがきながら成長しています。まだ2年生なので、焦らず着実に伸びていってほしいと思います。 ―荒井勇人投手以外に3年生のピッチャーは出てきていますか。 右オーバースローの山崎祐翔が最近急成長してきました。ここのところ、持ち前の実力を発揮できるようになってきました。6月上旬の土浦市内大会でも好投しています。夏前の3年生は「心の“整調”」を果たせば活躍できる要素を誰もが持っています。 甲子園を見続けてきた現3年生 ―3連覇がかかる今年、ますます注目されています。是非意気込みをお聞かせ下さい。 この1年、私からも3年生からも「3連覇」というフレーズは使われたことはありません。しかしこの2年間、現3年生は甲子園出場を見続けています。スタンドやベンチの中で「さあ、いよいよ自分たちの出番が来た!」といった様子がうかがえます。プレーヤーとして、この3年間で初めての甲子園を狙う、といった感じです。 夏の大会はいつでも、「その年」「そのメンバー」で戦う「最初で最後の夏」なのです。その一期一会の場に臨む若者たちのパワーたるや恐るべきものがあります。自分たちを信じて、自分たちの培ってきた野球をどんな瞬間にも発揮し続けてほしい。結果にとらわれずに、大好きな高校野球を楽しんでほしい、そう願います。 ―去年は富田卓投手(現・日大)がびっくりするくらい一冬越して伸びました。秋に大敗した相手である明秀学園日立戦ではものすごい気合と気迫でした。今年は一冬越えてガラッと変わったようなピッチャーは見受けられないと感じましたが、夏に向けての秘策とか、取り組みはありますか。 特別変わった練習はやりません。練習は日々の積み重ねこそが大事だと思っています。ですので、基礎基本の練習が全体の8割から9割を占めています。それを積み重ねたうえで、最後にどこの地点に到達するかということだと思います。たくさん食べさせたからとか走らせたからといって伸びるわけではない。富田もまさにそうで、日々地道に取り組んだ成果が最後の夏に花開いたということです。富田は友だち思いで、いつでもチームのことを考えていました。上級生になってからは人間的にも成長して、心身共にたくましくなりまして。「今年は自分が甲子園に連れていくんだ」という気迫も大いに感じました。(続く) ➡【茨城 高校野球展望’19】はこちら

【亥年折り返し】㊦ 昨季イノシシ500頭を捕獲 つくば市、国道125号をめぐる攻防

【相澤冬樹】つくば市では2018年1月、沼田のつくばりんりんロードで、地元住民がイノシシに襲われケガをする事件があり、4月には金田のさくら運動公園、桜中学校付近で目撃情報がもたらされ、緊張が走った。ここまでくると、学園地区とは目と鼻の距離である。 同市が、イノシシを対象とする鳥獣害被害防止計画を作成したのは2017年度。担当は農業政策課だが、猟友会などと連携した捕獲対策は環境保全課が所管する。19年度までの3カ年、毎年160頭から210頭の捕獲を計画していた。 18年前半の事故と目撃情報から、筑波山ろくの地区長を中心に駆除の要望が高まった。イノシシは11月から翌年3月までが猟期で、銃器とワナによる捕獲体制が強化された。市内には猟友会支部が3地区にあり、協力を呼びかける一方、市も山林上空にドローンを飛ばすなどして生息分布を探り、ワナの適正配置に役立つよう情報を流した。 結果、18年度の捕獲頭数は一気に500頭、計画頭数の倍以上に達した。市環境保全課は「地元にお願いした自助努力の成果が表れた」と胸を張った。筑波山ろくに並行して小田、北条を走る国道125号を越えての目撃情報もぱたり途絶えており、筑波山域への封じ込めには成功しているとみている。地元からも「被害も減っているようだ」(六所地区)と好感されている。 しかし、同課は「手放しでは喜べない」としている。農研機構のイノシシ研究者、仲谷淳さんが指摘していた「捕獲数が多い地域ほど被害も多くなる」状況の可能性を否定できないからだ。500頭もの捕獲がこの先の状況をどう変化させていくか、動向を見守りつづける必要がある。20年度からの鳥獣害被害防止計画の作成に向け、被害情報の収集、狩猟免許取得者の拡大などに取り組んでいる。 仲谷さんによると、イノシシは元来平地を好む生き物なので、山に追い込み、正面から防御すると脇から遠回りに漏れ出す生態がある。筑波山ろくの防御線は土浦市に入ると、旧新治村を通る県道つくば千代田線に変わる。しかし旧土浦市の今泉地区あたりまで侵入跡がみられることから、平地への越境はすでに始まっているようにもみえる。さらに同市東部、市街化が進むおおつ野地区でも出没したとの情報がある。 耕作放棄地や放棄果樹園などを足場に、市街地へ侵入してくると市民生活への影響も懸念される。「市街地では発砲もできず、わなも仕掛けられない。交通事故や安全対策など被害は農地や農作物にとどまらなくなる」(仲谷さん)。 土浦市農林水産課では、「筑波山域には実際、どれほどの生息数がいるのか、実態を計れないところが悩み」という。同市の防止計画はかすみがうら市と共同で19年度に策定。イノシシについては18年度の被害額439万円を21年度に307万円まで減らす目標を立てた。捕獲数の目標は年間150頭。同課によれば、15年以降、直接的な予算は年間250万円ほどで、毎年100頭前後を捕獲してきた。生息実態がつかめないため、これらの計画数値が適正かの判定もできかねているのが実情のようだ。

【亥年折り返し】㊤ フロントラインは県南にあり 農研機構イノシシ研究者が警告

【相澤冬樹】亥年(いどし)も折り返し。農作物を食い荒らすイノシシ対策の研究に長年取り組んできたつくばの研究者は、捕獲や防除柵の設置対策は、誤ると被害を増加させる可能性があると指摘する。茨城県は現在、県南の未生息地にまで分布が広がるかのターニングポイントに立っており、このフロントラインを突破されると全国1、2を争う被害県となるかもしれないという。イノシシを止める手立てはあるのだろうか。 被害が出てからでは遅すぎる 警告を発しているのは、農業・食品産業総合研究機構(農研機構)専門員、仲谷淳さん(63)。イノシシ研究歴は西日本農業研究センター、中央農業研究センターを通じ40年を超える。仲谷さんによれば、農業産出額に占めるイノシシ被害の割合(被害率)で、現在西日本は東日本の4倍程度高いが、近年は茨城、千葉の被害額が拡大しており、茨城県は2001年の30位から、17年には10位に順位をあげた。この増勢が懸念材料だ。 イノシシ対策には、猟銃や檻(おり)による「捕獲」、柵を設置しての「防除」、食物や隠れ場所を取り除く「環境整備」の3対策があるが、いずれも中途半端では被害の拡大につながるおそれがあるという。 実際、捕獲数が多い地域ほど、被害も多くなる傾向がみられる。「統計的に、檻で除去できるのは生育頭数の半数以下にとどまる。ある地域で、1年目に100頭捕獲して次の年200頭捕獲したという場合、取り逃がしたイノシシは1年目には100頭以上だが、2年目には200頭以上。コストをかけて被害を拡散させていることになる」。捕獲数の増加は単純には喜べない。生息数増加の反映とも考えられ、むしろ警戒すべきべき状況とも言える。 防除柵も、設置した場所の被害は着実に減少する。しかし、柵の設置を計画的に進めなければ、押し出すようにイノシシを里や街の中へと誘導し、被害を拡散させてしまう。「江戸時代の対馬藩では、年貢確保のため細切れに柵で囲った中へのイノシシを追い込み、駆除する殲猪令(せんちょれい)という強硬手段で絶滅を図った」(仲谷さん)というが、島の中だからできたことだし、現代社会ではここまでの徹底は難しい。 近年、耕作放棄地が増えて、イノシシは山間から山里へと勢力を拡大し、平地まで下りてきている。全県的にみるとこの分布生息域は行方市や潮来市、稲敷市などに広がって目撃や捕獲例が見られるようになり、放置すれば県南都市部へ進出する勢いという。そのフロントラインがつくば市だと旧筑波町の筑波山ろく、土浦市では旧新治村域を超えて今泉地区あたりに達している。 仲谷さんは「そこを突破されると被害は農作物にとどまらず、対策費も増大する一方となる。予防対策こそ重要で、そのラインに合わせて、捕獲・防除・環境整備の3つの基本対策を連携して徹底的に実施する必要がある」とアピールする。すなわち、被害が出てからでは遅すぎる、見つけ次第捕獲、除去する早期対策が望まれるという。 しかし、被害が出ていない段階で、行政が予算措置を講じて対応に動くのは容易でなく、問題提起にとどまってしまいがちだ。(つづく)

【茨城 高校野球展望’19】2 土浦三、強豪私学と渡り合う力秘める

【伊達康】次につくば・土浦エリアのノーシード校を見ていこう。土浦工は秋に部員不足のため4校連合として出場し、春は地区予選で霞ケ浦に大敗。初戦は毎年しっかりと守れるチームを作ってくる難敵・麻生と対戦する。 土浦三は春の県大会初戦で下館工に4対6で惜敗も、エースで4番の濱崎鉄平(3年)が最速142キロを誇りツボにはまれば強豪私学とも渡り合う力を秘めている。初戦は牛久と、勝てば霞ケ浦と対戦する。 湖北に豪腕投手出現 土浦湖北は春の県大会初戦で多賀に敗退も、6月2日に行われた土浦市招待試合にて春の関東王者・東海大相模を相手に大坪誠之助(2年)が最速142キロをマーク。試合は0対10と大敗を喫したが、豪腕投手の出現に注目が集まっている。 土浦一は古宮学樹(3年)が140キロ近い力強いストレートを武器とする。佐野翔(3年)は分厚い体から柵越えが打てる強打者で、春の地区予選でも土浦日大エース荒井からレフトスタンドに放り込んだ。初戦は太田一と対戦する。 そのほかに土浦二は那珂湊と、つくば工科はつくば国際と、筑波は東海と1回戦で対戦する。いずれも勝機は十分にある。(続く) ➡トーナメント表 ➡【茨城 高校野球展望'19】はこちら

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