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2018
開始早々長蛇の列 土浦でカレーフェス開幕 11日まで
2018年11月10日
【谷島英里子】全国各地のご当地カレーが味わえる「第15回土浦カレーフェスティバル」(土浦市など主催)が10日、土浦駅東側の同市川口2丁目、J:COMフィールド土浦で開幕した。多彩なカレーやB級グルメの店など計68店が出店し、大勢の人たちが詰めかけた。11日まで。 会場は、全国カレーエリア、カレーのまち土浦エリア、全国グルメエリアの3つに分かれている。毎年出店している北本トマトカレー(埼玉県)や門司港発祥焼きカレー(福岡県)、昨年グランプリの土浦ぢんぎすスープカレー(土浦市)、飯村牛のビーフシチューカレー(土浦市)には、開始早々の午前10時から長蛇の列ができた。一杯500円前後のメニューが多い。 今回、県内から初出店の磯原シーサイドホテルは、あんこう唐揚げとあん肝入りの「鮟鱇(あんこう)カレー」を販売。ホテル代表の萩原丈太郎さんは「あん肝の濃厚さがたっぷりなので、あんこう好きにはたまらないと思う。ぜひ食べていただきたい」と話す。 カレー以外にも、串焼きソーセージや富士宮焼きそば、三埼まぐろラーメンが販売され、にぎわった。 同フェスでは、来場者の投票でナンバーワンを決める「Cー1グランプリ」が催されている。昨年までは、主菜、麺、創作の3部門からグランプリを決めていたが、今年から、全メニューからグランプリを決定する。表彰式は11日午後2時ごろを予定している。 モール505で産業祭にぎわう 同駅西側の同市川口1丁目、ショッピングモール、モール505では第42回市産業祭が催され、地元の商業・工業・農林水産品を紹介する全41団体のブースがずらりと並んだ。JA土浦の野菜直売コーナーには、レンコンやダイコン、ネギなど旬野菜が販売され、多くの人たちが手にしていた。11日まで。カレーフェス、産業祭いずれも午前10時から午後3時まで。
霞ケ浦産キャビア成るか? 県が試験飼育に着手 コイの次を模索
2018年11月10日
【山崎実】霞ケ浦の水産振興対策の一環として、県は高級食材の県産キャビアの開発に取り組む。内水面支場(行方市)の老朽化した研究、実験棟を建て替える必要があり、既に設計段階に入っているが、「まだ出発点。高い目標への挑戦になるが、何とか軌道に乗せることができれば」(県水産振興課)と、新たな資源開発に期待している。 キャビアの生産、商品化は、民間企業が先行している。県は今夏、特殊バルブ・流体製造メーカー「フジキン」(本社大阪市)の万博記念つくば先端事業所(つくば市御幸が丘)からチョウザメの幼魚約500尾を分けてもらい、試験飼育、研究を始めた。大井川和彦知事も「試験結果によるが」と前置きし「内水面のコイとか、いろいろな養殖のさらに次に代わるものとして、可能性があるか無いか。現実性があるかどうかを試験し、採算に乗るなら新しい産業を興していくのが、水産試験場の役目だと思う」と述べ、事業推進に積極的だ。 チョウザメの卵のキャビアは、幼魚から約10年経たないと生産、商品化は難しいといわれ、陸上での養殖条件、飼育環境などが課題だ。フジキンは、霞ケ浦の淡水を利用しているが、開発に着手したばかりの県は「ほかにも酸欠対策など、クリアすべきハードルは低くない」(同課)という。 養殖、研究開発は内水面支場で行うが、研究棟や魚類の飼育実験棟を、現在地に建て替える。面積は2棟合わせ、約2000平方㍍程度になる。 霞ケ浦に導入されているコイの小割式(湖内にいけす網を設置)養殖業は、1982年に8640㌧の生産量を記録していた。しかし、2003年のコイヘルペスウイルス(KHV)病の発生で生産休止に追い込まれ、09年から再開。生産量では全国一を誇っているが、現在は5000㌧前後で推移し、コイの次に代わる養殖業の模索が続いている、 水槽での完全養殖に成功し、商品として売り出しているフジキンのキャビアを例にとると、その値段は特別価格で30㌘入り約1万4000円、10㌘当たり3000~4000円の高級食材だ。県内では数社が手掛けているという。 シラウオ、ワカサギなど寒曳(び)きの季節を迎えた霞ケ浦。将来、キャビアも名産の一つとして名を連ねることができるかどうか、まだ緒についたばかりだ。
オレンジリボンたすきリレー 土浦を出発 児童虐待防止啓発
2018年11月9日
【崎山勝功】11月の児童虐待防止推進月間に合わせて、啓発活動「子どもを守ろう!オレンジリボンたすきリレー2018」の出発式が9日、土浦市役所うらら大屋根広場で催され、県内の児童福祉施設職員ら21人が小雨が降る中、ゴールの県庁(水戸市笠原町)に向かって出発した。 出発式で中川清市長は「将来を担う子どもたちを虐待から守ることは大人の使命」と述べ児童虐待防止を訴えた。中川市長からオレンジ色のたすきを手渡された走者たちは午前8時30分ごろ、市長の合図に合わせ、県庁までの約50㌔の道のりを駆け出した。 同リレーは、児童虐待防止を広く市民に知ってもらおうと、活動の象徴であるオレンジリボンをたすきに見立て、リレーでつなぐ活動。土浦(県南)、日立(県北)、古河(県西)の3コースから県庁までそれぞれ約50㌔を300人近いランナーがリレー形式で走る。県児童福祉施設協議会、県要保護児童対策地域協議会が主催し、2013年から今年で6回目となる。 住民の通報増加、表面化へ 県こども家庭課の統計によると、県内の児童虐待相談対応件数は、16年が2038件(全相談件数の36・61%)で、10年前の662件(同13・64%)と比べ3倍に増加している。 県土浦児童相談所の高橋活夫所長によると「かなり住民の方々からの通報が年々多くなっている。そういう意味では住民の意識が高くなっている」という。「今までだったらしつけとみなされていたものが、虐待、子どもに良くない、と捉えられるようになった」とし、しつけ名目で行われていた虐待が表面化するようになったと話す。 16年度の児童虐待の内訳は▽心理的虐待54・8%▽身体的虐待25・4%▽ネグレクト(育児放棄)18・2%▽性的虐待1・6%となっている。 加害者は▽実母46・9%▽実父42・6%▽実父以外の父6・9%と、実母と実父で8割以上を占める。 被害児童の年齢は▽小学生35・9%▽3歳~就学前24・4%▽0~2歳児17・5%▽中学生14・7%と、力の弱い0歳から小学生が8割近くを占める。 現在開会中の県議会12月定例会(会期は10月29日~11月14日)では、児童虐待防止条例案が議員提案され、児童相談所や市町村間での適切な引き継ぎの実施や警察との連携強化、児童福祉司など専門職員の増加が盛り込まれ、審議されている。高橋所長は「国も県も(児童相談所の)体制充実をしていこうという方向に向かっている」と述べた。
紅葉始まる 幹線道路沿い街路樹 つくば
2018年11月8日
【橋立多美】日中は10月中旬並みの暖かさだが朝晩は冷え込み、つくば市でも紅葉が見られるようになった。ことに主要幹線道路沿いの街路樹が虹色に染まる自然の営みは、季節を実感させてくれる。 同市の街路樹は、土地に合った10種類の樹木から東・西大通りは主としてケヤキ、シラカシ、トウカエデ、ユリノキを、土浦学園線にはイチョウ、北・南大通にはトチノキ、牛久学園線はアメリカフウが選ばれている。 また、樹木は植え方に工夫を凝らして美しい景観づくりがされている。樹木を等間隔に並べず、2本の樹木を3㍍の間隔で植樹する方式を採用したことで幹の緑の量が多く見え、樹根が交錯して強くなった。 牛久学園線(国道408号線)の背の高い街路樹・アメリカフウはモミジバフウとも言われ、紅葉が美しい樹木。都市の動脈として同線が開通してから40年。根をどっしりと大地に張り、日当たりの良い東側の樹木から紅葉が進んでいる。季節は少しずつ初冬へと移りつつある。 また同市にはイチョウの黄葉を楽しめるスポットも多く、二の宮の洞峰公園内のイチョウ並木は人気がある。8日現在、葉は緑濃く、鮮やかな黄色のじゅうたんを堪能するにはまだ時間がかかりそうだ。同市春日在住の初老の夫妻は「まだ色づいていなくてがっかり。また来ます」と話した。
旧総合運動公園用地に土砂、がれき不法投棄 つくば
2018年11月7日
【鈴木宏子】つくば市は7日、同市大穂、旧総合運動公園用地(つくば市土地開発公社所有)入り口の門扉とかぎが壊され、敷地内に土砂やがれきが不法投棄されていたと発表した。 市財政課によると、10月25日、市職員が、入り口の門扉の南京錠が切断され、門扉がよじれて、約50㍍ほど入った敷地内にがれきなどが投棄されているのを発見した。6月上旬から10月25日までに不法投棄されたとみられるという。 がれきには住宅廃材などが混じり、近くには車両のタイヤ跡などが残っていた。捨てられた量は、大型ダンプ4台程度、約100立方㍍という。 市は同29日、つくば北警察署に器物損壊の被害届けを提出。同日午前11時30分、同署が市職員立ち会いで現場検証した。 今後、市は土砂やがれきの成分を分析し有害物質がないかなどを調査した上で撤去する予定という。 再発防止のため、かぎを二重にし、防犯カメラや看板を新たに設置したほか、今後、つくば市防犯、環境美化サポーターなどによるパトロールを強化するという。
早くもお歳暮商戦 京成百貨店つくばショップ ピークは12月上旬
2018年11月7日
【橋立多美】京成百貨店つくばショップ(つくば市吾妻)が今月1日に「お歳暮ギフトセンター」を開設した。京成百貨店(本社水戸)創業110年の感謝を込めた『「ありがとう」がいっぱい』がテーマ。近年はスーパーがお歳暮に力を入れたり、通販を活用して老舗がお歳暮商戦に参入する中で、こだわりのギフトを揃えた。 伝統が息づく和菓子や西京漬けなどを選りすぐった食品ギフト、鍋の食材をセットにした団らんギフトなど美味しさを追求した。また納豆や干し芋、涸沼のしじみ、常陸秋ソバなど地元特産品のうち、2、3品を選んで風呂敷に包んで送る「選べる県産品ギフト」と工夫を凝らしている。 若い世代が古い慣習にとらわれず、形だけの礼儀をしなくなったことがお歳暮離れの一因となり、お歳暮商戦は厳しい状況が続いているという。同店の斉藤智店長は客1人当たりの平均単価は前年並みの3000円~5000円と予想する。さらに店長は「宅配便大手のヤマト運輸が宅配便料金の値上げをしたことが追い打ちをかけなければいいが」とも。長引く不況で財布のひもは固くなりがち。同店では全国送料均一ギフト、送料込ギフトを打ち出している。 同店に立ち寄った市内に住む主婦(57)は「京成のお中元を贈ったら喜ばれたのでお歳暮の下見にきました。懐は厳しいが年末の贈り物はちゃんとしたい。お金は多くかけられないけど見栄えの良い品を選びたい」と話していた。 ギフトセンターが込み合うのは、公務員にボーナスが支給された後の今月末から12月9日と見込まれる。斉藤店長は「早めのご来店がおすすめです」と呼びかけている。 京成百貨店つくばショップは、つくばクレオスクエアキュート2階。電話029-897-3321
排水規制に罰則導入を検討 世界湖沼会議受け 「泳げる霞ケ浦」を現実に
2018年11月6日
【山崎実】「霞ケ浦宣言」を採択して閉幕した第17回世界湖沼会議=10月19日付け=を受け、県は、霞ケ浦水質保全条例など水質浄化に関わる関係条例改正の検討に入った。新たに罰則規定などの厳しい処分を盛り込む方針で、浄化の加速化を図るのが狙い。 県は新たな具体的政策課題(目標)について、流域の市民グループや関係住民、団体などと協議を始めた。”待ったなし”という危機感の現われだ。 現在、水質浄化活動のベースになっているのが霞ケ浦水質保全計画。現行の第7期計画は2016~20年度までだが、昨年度の調査によると、汚染の目安とされるCOD(化学的酸素要求量)値は7.4(㍉㌘/㍑)で、前年度は7.2とほぼ横ばい状態が続いている。しかし「泳げる霞ケ浦」を現実にするためには「5㍉㌘/㍑前後にまで抑え込む必要がある」(環境対策課)という。 西浦の生活排水は流域人口の約22%、19万5000人の家庭からの排水が未処理。北浦は流域の約5割、4万3100人の家庭からの排水が未処理のまま放流されている。 そこで県は、現行計画の中でも特に生活排水、工場・事業所排水に重点を置き、排水基準の順守、啓発指導を強化する。 具体的には、20年度までに生活排水処理率を西浦で15年度の77.7%から20年度は83.3%、北浦で52%から69.7%に引き上げる。対策として、下水道などの整備促進のほか、市町村をバックアップし、下水道の幹線と流域住宅との連結を推進し、下水道接続率を西浦で90.6%、北浦で85.4%まで底上げする方針だ。 事業所立ち入り検査800カ所に拡大 問題は、流域で営業、事業活動を行っている飲食店などを含む工場・事業所からの排水対策だ。昨年度までは300事業所を対象に水質保全の立ち入り検査を実施し、排水の現況確認と基準順守の徹底、指導、監督を行ってきたが、今年度は対象事業所を800カ所に拡大した。 監視の目を光らせ、規制強化を図っているものの、チッ素、リンなどが排水基準を超えているなどの違反事例は後を絶たないのが実情。加えて、現行条例では違反しても、最終的には事業所(者)への勧告、改善命令を出す行政指導までで、違反に伴う罰則規定は無い。 このため、県は「実効的な浄化活動を推進するには、止むを得ない措置。罰則規定を含む水質保全関係条例の改正を検討し、実施に踏み切りたい」(同課)と腹を固めた。 世界湖沼会議を一過性に終わらせないために、県、市町村、流域住民など関係者の浄化活動への取り組みが正念場を迎えている。
「卓越大学院」に採択 筑波大 改革を先導、高度な専門人材育成
2018年11月5日
【田中めぐみ】文科省の公募型新事業「卓越大学院プログラム」に筑波大学(つくば市天王台)の「ヒューマニクス学位プログラム」が採択された。卓越大学院は産官学それぞれの部門をけん引する卓越した博士人材を育成するために文科省が7年間補助を行う。大学院の教育改革を先導する事業だ。 今年4月から公募が行われ、申請した大学は38校54件、うち13大学15件が採択され、競争率は3.6倍だった。 採択を受け筑波大は、来年4月からヒューマニクス学位プログラムを開講する。生命医科学と理・工・情報学の両分野で高度な専門性を備えた博士人材の育成を目指す。同プログラムは、ヒトの生理・病理の解明と快適生活を実現するためのバイオテクノロジーや医療福祉技術分野などの教育、研究課程だという。 1人の学生に2人の指導教員 同プログラムのコーディネーターは、睡眠に関わる神経伝達物質オレキシンの発見者で、同大国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)機構長の柳沢正史教授が務める。柳沢機構長に話を聞いた。 —4倍近い競争率を勝ち抜いて採択されたのは、どのような点が評価されたからと感じていますか。 柳沢 筑波大学は睡眠研究を含むライフサイエンスも、コンピューター分野の計算科学研究センターも有名なので強みを生かした。また、IIISのみならず、筑波研究学園都市の他の研究所、企業も教育・研究に参画しやすいという地の利を生かし、プログラムを作り込んだ。医学を中心とするライフサイエンスと理・工・情報の融合は、日本が遅れている分野でもあり、日本がめざす「Society5.0(ソサエティーゴテンゼロ)」=メモ=実現のため今後重要視される。AI(人工知能)普及の戦略とも重なり評価されたのではないか。 —ヒューマニクス学位プログラムの特徴は何ですか。 柳沢 一番の特色は、1人の学生にライフサイエンスと理・工・情報の2人の指導者を立てる完全ダブルメンター(指導者)制をとっていくということ。一つの博士論文を2人の指導教員の下で書く教育体制で、両分野にわたり共同研究をしなければならないという縛りの中、研究を進めていく。 医学・薬学、生物系の学生が入ってきた場合は理・工・情報系の基礎を学んでもらい、逆に理・工・情報系の専門の学生には医学や生物系のことをきちんと学んでもらう。両分野で指導教員を1人ずつ立て、学生が来たことによって共同研究を始めてもいいし、既存の共同研究に学生が加わるのでも構わない。今までばらばらだった異なった分野の人たちを結びつける体制を作ったことが評価されたのではないか。 —文科省の公募要領で補助金の漸減策(4年目から半額、7年目に3分の1になる)が示されました。戸惑いはありましたか。 柳沢 戸惑いどころかほとんど怒りを感じている。補助金の一部は、優秀な学生への教育研究支援経費やTA(ティーチングアシスタント)、RA(リサーチアシスタント)による学生への給料など、安心して研究に専念できる環境を作ることに使う予定だ。しかし、学生は年度ごとに増えていくわけで、学生支援に要する経費は減るのではなく増えていくはず。また、初年度の補助金が一番多いが、初年度はまだ学生が入学しておらず、学生にとって最も重要な教育研究支援経費への使用もできない。 さらに、補助金はたった7年で終わる。博士課程は5年一貫なのに、5年間フルに支援できるのは2期生までということになってしまう。世界に向けて卓越した人材を育成する事業であるのにこうした財政状況は残念に思う。 共同研究にハードル感じない人材 —学位プログラムでは、学際教育の先進的モデルとして「プレアドミッションプログラム」(大学と大学院の枠を取り払った一貫教育システム)を構築するとあります。具体的にどのようなプログラムなのでしょうか。 柳沢 例えば医学の人であれば、希望すれば学部生からでも理・工・情報学の要素を学ぶことのできるシステムのこと。同時に、学際的な研究に関心を持つ優秀な学生・社会人を見出し、能力をさらに伸ばして本学位プログラムへの進学を促す役割もある。このシステムを利用するなどして複数分野の知識を身につけ、博士論文研究の基礎力があるかどうかを測る試験(Q.E.)の認定を受けて博士論文を書けば、早期修了も可能だ。専門外の分野も学ぶわけなので大変だが、専門家と同じレベルを要求しているわけでは無く、専門家と対等に話せる言語を獲得することを目的としている。例えば、工学系出身者でも医者と医療について語ることができる能力を身に付けてもらい、共同研究にハードルを感じない人材を育成したいということだ。 eラーニング(主にインターネットを利用した学習)システムの構築も行う予定で、そのための経費も計上している。eラーニングの導入により、講義がよく分からなければ繰り返して視聴できるし、時間が無い時も分割して視聴し勉強することができる。また、プレアドミッションプログラム(入学前学修)での活用も考えており、筑波大生だけでなく外部の学部学生や社会人も興味があればアクセスできる。つまり、興味がある人材を逃さず養成できるということだ。 サイバーダイン支援で自走化 ―サイバーダインヒューマニクス学位プログラム(仮称)を設置し、国の支援終了後は完全自走化を図るとありますが、ロボットスーツで知られるサイバーダイン社(つくば市学園南、社長・山海嘉之筑波大教授)に資金を提供してもらうということですか。 柳沢 山海社長に協力してもらい、将来的には学位プログラムを移行し自走化する予定だ。今回の「卓越大学院プログラム」採択も、企業との連携をうたい、実現性が高いことが評価されたと思う。 ―博士号取得者の就職率が学部・修士卒よりも低いという現状があります。博士離れが進む中での人材育成についてどのように考えていますか。 柳沢 他の分野は分からないが、ライフサイエンス分野にとってそれは真実ではない。「ヒューマニクス学位プログラム」の特徴は、例えば工学や理学の分野で博士号を取ったとしてもバイオの分野に行くことができる。またバイオ系の企業もそういう人材を欲しがっている。工学系の企業でも生命医科学の知識があるということは強みになると感じている。 ―来年4月からどのような学生を受け入れたいですか。 柳沢 医・歯・薬の6年制の学部出身者や臨床医を含め社会人も大歓迎で、工学系出身で何年か実務経験がありもう一度勉強したいという人、企業から派遣されてくる形でも構わない。医学・生物系出身であれば工学、情報学的なセンス、AIなどについても学び、博士論文を書いてほしい。逆もまた然り。そういう研究をしたいという人に来てほしいと思っている。 ※メモ 【Society 5.0】仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな社会のこと。2016~20年度の第5期科学技術基本計画で日本が目指すべき社会のあり方として提唱されている。
【シルバー団地の挑戦】6 自治会がごみ出し支援 利用広がらず 心理的抵抗感課題
2018年11月3日
【橋立多美】つくば市茎崎地区の森の里自治会(倉本茂樹会長)は、ごみ出しなどの生活支援をする「高齢者支援隊」を結成して弱者支援を行っている。相互扶助の先駆的な取り組みだが、思ったほど利用世帯が集まらない。加齢で支援隊員を辞退する例も後を絶たず、さらに高齢化が進んで利用世帯が増えたときの対応が懸念されている。 高齢などで自力でごみを出せなくなった「ごみ出し困難世帯」は、朝日新聞の調査によると全国で少なくとも5万世帯に上るといわれる。中でも独り住まいの高齢者はごみ屋敷になる可能性があり、内閣府はごみ屋敷の予備軍は1万人以上と予想する。 結成6年 利用世帯もボランティアも減少 40年前に開発された森の里団地は世帯主の多くが団塊世代で、1300世帯中2割が高齢の1人暮らし。このうちの3割超を75歳以上の後期高齢者が占める(2016年10月1日現在)。 同自治会は高齢化に伴う弱者対策として燃やせるごみと粗大ごみのごみ出し、電球など簡易な器具の交換をする「高齢者支援隊」を12年に結成した。隊員は住民からボランティアを募った。高齢者は利用券1枚100円でごみ出しを依頼できる。支援隊員には、森の里自治会有償ボランティア規則に基づいて謝金(時給700円)が支払われる。利用券収入との差額は自治会が補てんしている。 開始からの利用は6世帯と広がりに欠け、現在は歩行困難な80代の独り住まい1世帯のみだ。支援隊員の担当は斉藤一夫さん(74)。週1回、燃やせるごみを玄関から集積所まで運ぶ。毎回利用者に署名捺印してもらう決まりで「何か変わったことはないか、安否確認に役立っている」と斉藤さんは話す。 ごみ出し支援を受けている人がいる一方で、老々介護の90代の男性は重いごみ袋を持つことが大変で、台車に載せて集積所まで運んでいる。近隣住民が手伝いを申し出るが「おむつが入っているごみ袋を人に頼むのを妻が嫌がる」。ある女性は「半透明のごみ袋はスナック菓子の袋や封筒などが透けて見える。暮らし向きが分かるし遠慮もあって団地住民に頼みたくない」と打ち明けた。ごみを見られることへの抵抗感が相互扶助システムの広がりを阻んでいるようだ。 自治会長の倉本さんは児童の登下校を見守る防犯パトロール隊の団長を兼務し、児童の安全を見守りつつごみ集積所を丹念に見て回る。ごみ出しに台車を使うなど自力でのごみ出しが困難な高齢者に支援隊の利用を呼びかけてきたが、「動けるうちは自分で」と返されることが多いという。一方で、加齢による体調不良などで支援隊員4人が活動できなくなり、現在は前出の斉藤さん1人になった。 来年4月「プラ容器分別が心配」 倉本さんは「今は(ごみ出しを)頑張る人が多くて支援隊員1人で足りているが、もっと高齢化が進むとみんなが支援を受けたくなる。その時、支援する側とされる側のバランスはとれるか」と眉を曇らせる。 民生委員でごみ出し支援の窓口を担当する浅田紀子さん(64)の心配は、来年4月から同市で始まるプラスチック製容器包装の分別収集だ。「資源の有効活用という趣旨は分かるが、認知症でなくても高齢者には細かい分別収集は大変だと思う。できない人には緩やかな収集方法を考えてほしい」と話した。 国立環境研究所(つくば市小野川)資源循環・廃棄物研究センター循環型社会システム研究室の鈴木薫研究員は、超高齢化社会におけるごみ集積所管理のサポート手法を解明することを目的に、同市内全域の自治会(区会)にごみ集積所の課題についてヒアリング調査を行っている。「地縁血縁でごみ出しを助け合う旧集落と比較すると、組織ぐるみで支援する森の里は取り残される人が少ない。利用を左右する心理的要因を考慮する必要はあるが、『ごみ出し支援はこれから考える』という区会もあり、森の里の支援システムに学ぶことは多い」という。
つくば市のクレオ再生案白紙 五十嵐市長、計画断念を表明
2018年11月2日
【鈴木宏子】つくば駅前のクレオ再生問題で、五十嵐立青つくば市長は2日、市の再生案を断念し白紙撤回することを表明した。理由について「時間的制約がある中、議会の理解を得られなかった」ためとした。 2日、市議会全員協議会と記者会見を開き、断念することを表明した。今後は、クレオを購入する民間事業者と必要な調整を行うが、民間事業者はイオン棟にマンションを建設する計画があることから「市の施設を入居させることはない」と話した。 一方クレオ以外について、つくば駅に隣接する街区に今後、新たなマンション建設を制限するための法規制について検討するほか、飲食店がなどが撤退したつくばセンタービルのリニューアルを検討していくとした。 全員協議会で議員からは「(中心市街地の街づくりについて)問題が解決したわけではないので議論は無駄ではなかった」など五十嵐市長を擁護する意見と、「これだけ大騒ぎした。議会に提案しないまま突然辞めると方向転換したのだから市民にていねいに周知徹底すべき」など批判的意見が出た。 閉会後、議員の一人は記者団の質問に対し「しっくりこない結末だと思う」と認め、「つくば市以外の出資者が明確に確定していたわけではなく、市だけの一方的な情報で賛成か反対かの判断はしずらかった。(市とは別に購入を希望している)民間事業者の考え方も聞きたかった。(所有者の筑波都市整備の)購入期限があり、時間がなさ過ぎた。理解せずに議決することはできなかった」などと議会の状況を説明した。 続く記者会見では、市政に混乱を招いた責任を問う質問も出たが、五十嵐市長は「市民の皆さんに期待を寄せていただいた再生案を実現することができず、市民、関係者に申し訳なく思っている」と話す一方「(今回の再生案は)無駄ではなく、市がまちづくりに責任をもつということが一歩進んだ。意義ある時間だった」と強調した。議会の理解が得られなかったことについては「計画に反対というより、短い時間で判断できないというのが一番多かった」と釈明した。 一方、市の撤回を受けて筑波都市整備(つくば市竹園)は「(今後は)民間事業者に売却する方向で交渉を進めたい」とし、12月ごろまでには売却する予定で、クレオだけでなく隣接の商業施設キュートやモグも一体で売却することもあり得るとした。民間事業者がどのような再生案を提案しているかについては「まだ交渉中なので、契約が成立した段階で公表したい」とするにとどめた。
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