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2018
5月
高齢化で在宅介護の相談急増 民生委員自ら初の研修 つくば市茎崎
2018年5月24日
【橋立多美】住宅団地住民が一斉に年をとり、急速な高齢化が進むつくば市茎崎地区で、民生委員が在宅介護に関する相談を受けるケースがここ数年、急増している。こうした状況を受け、同地区の民生委員自らが初の試みとして、在宅介護のシステムと現状を知る研修に取り組んだ。 茎崎交流センターで18日開かれた、同市茎崎地区民生委員児童委員協議会(関口光治会長)による全体研修で、初めて在宅医療と介護をテーマにした。 訪問診療を専門に行っている、つくば在宅クリニック院長の渡辺拓自さんの講演と3人を看取った介護者の体験談が語られ、会場に集まった32人の委員たちは静かに耳を傾けた。 渡辺さんは同市を中心に、10市1町の在宅患者約140人の診療にあたっている。様々な患者と家族の例を挙げながら「在宅医療は看取りのための医療ではなく、患者の意思に添いながら訪問看護師などがチームで支える医療」と話した。その一方で「本人にとって介護が生活の基盤で家族の理解と協力がないと成り立たない」とも。 続いて谷田部地区民生委員の久保田美智子さんが、実母と夫、従妹の順で介護し見送った体験を語った。「本人の痛みをコントロールしてくれる在宅医がいたから、9年に及んだ介護の日々を乗り切ることができた」と振り返った。 参加した民生委員からは「相談に乗ってくれる良い主治医を探すには?」「知りたかった訪問診療にかかる費用が分かって良かった」などの質問や感想が聞かれた。 民生委員は、地域の身近な相談相手として必要な支援を行う非常勤の公務員。あしび野に住む民生委員の稲川誠一さんによると、2005年に施行された個人情報保護法でお年寄りの安否確認が満足にできなくなって業務に弊害が生じたり、民生委員自らが高齢になって辞めるなど、なり手不足になっていると課題を指摘した。
北京冬季五輪で採用目指す ヒト型ドーピング検査ロボット開発 産総研など
2018年5月24日
【富永みくに】スポーツ選手のドーピング検査の自動化を可能とするヒト型ロボット「まほろ」が23日、つくば市春日の筑波大学高細精医療イノベーション棟で報道陣に公開された。2022年の北京冬季オリンピックでの採用を目指して開発を進めている。 近年ドーピングは巧妙化し、禁止薬物を使用するのではなく、遺伝子操作を行った細胞を体内に注入する「遺伝子ドーピング」が行われるようになっている。従来の尿検査では検出できず、特殊な検査が必要となるため、国際オリンピック委員会(IOC)や世界反ドーピング機関(WADA)は、対策に頭を悩ませている。 産業技術総合研究所(つくば市)は、安川電機(福岡県北九州市)らと共同で昨年4月、ドーピング解析の自動化を目的としたプロジェクト「まほろプロジェクト」を設立。オリンピックなど世界的なスポーツイベントでの採用を目指している。 熟練者の動き再現 産総研創薬分子プロファイリングセンターの夏目徹センター長によると、「まほろ」には2本の腕と7つの関節が付いている。器具などを次々と持ち変えながら、液体を注入したり、遠心分離機を操作するなど一連の動作をこなす。熟練した検査員の基本動作を1台のロボットで再現した。 普段、検査員が使用している器具・機材をそのまま使える。さらに遺伝子検査は通常のドーピング検査に比べて検査工程が多く、髪の毛1本落とすことも許されないクリーンルームでの作業となるため、ロボットを活用することでさらに不純物の混合が避けられる。オリンピックなどの大会期間中、不眠不休で作業に当たることも可能。5年間24時間働き続けてもミスを起こさない性能を持っている。 リース価格は1台につき約1億円だが「人件費や開発費などを考慮すると数年で回収できる」と夏目センター長は話す。工程の追加・入れ替えをするだけでドーピング検査に限らず幅広い検査に活用できる。 当初、2020年の東京五輪での採用を目指していたが、公式的な作業手順の策定や、検査を行う研究所の設置などが間に合わなかった。夏目センター長は「スポンサーが見つかれば東京オリンピック中にもデモンストレーションをやってみたい。今は人の動作を完全にまねているが、いずれはAIを使って最適な動作が行えるようになる」と意気込みを語った。 https://youtu.be/XFhi8HNFOtA
来年6月8、9日 つくば国際会議場 G20大臣会合日程決まる
2018年5月23日
【鈴木宏子】来年つくば市で開催されるG20貿易・デジタル経済大臣会合の日程と会場が決まった。6月8、9日の2日間の日程で、つくば市竹園、つくば国際会議場(同市竹園)で開催される。会場は16年5月に開催されたG7科学技術大臣会合と同じ。 大井川和彦知事は22日の定例会見で「非常に注目される会議になる。貿易とデジタル経済の2つの大臣会合が合同なのでおそらく非常にたくさんの参加者がいらっしゃる。県としてはこの機会を最大限に利用して、茨城を知ってもらう、楽しんでもらうことに全力を尽くしたい。県内の観光インフラ、おもてなしの機運、知名度、そういうものの振興に全力を注ぎたい」と話した。 さらに各国の大臣を案内したい場所として、つくばの研究機関の視察のほか、大洗、石岡のフラワーパーク、水戸の偕楽園、霞ケ浦などを挙げ「いろいろなところを見ていただきたいし、食事も含めて茨城の良いところを是非体験していっていただきたい。息抜きにりんりんロードをサイクリングしていただくのもありかなと思っている」などと述べた。 地元つくば市の五十嵐立青市長は「準備から会合当日まで1年余りの間、つくば市の魅力を国内外に発信する絶好の機会。未来につなげるレガシーを創出すべく、市民を始め、政府、県、関係機関と連携し、成功に向けて準備を進めたい」とコメントを出した。 同会合は、来年6月28、29日に大阪で開かれるG20サミットに併せて、全国8カ所で開かれる関係閣僚会合の一つ。自由貿易の推進や IoT(身の回りのあらゆるものがインターネットにつながる仕組み)、AI(人工知能)などの革新的技術を通じて、世界の経済成長を力強いものとするための取り組みについて議論する予定という。
平成最後の大会は10月6日 土浦全国花火競技大会
2018年5月23日
【谷島英里子】第87回土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・中川清市長)は22日、市内で会議を開き、今年度の大会を10月6日(土)に学園大橋付近の桜川畔で開催することを正式決定した。 会議には土浦警察署や公共交通機関の関係者、地元区長らが出席した。中川会長は「平成最後の大きな節目の年だと思っている。すばらしい花火大会で終わらせたい」と話し、「安心安全な大会運営に努め、夢と感動を与える大会にしていきたい」と述べた。 実行委によると、花火は午後6時から約2時間30分、2万発を打ち上げる。競技種目はスターマイン、10号玉、創造花火の3部門あり、全国の花火師が腕と創意を競う。中盤で打ち上がる大会名物の横幅500mに及ぶ「ワイドスターマイン土浦花火づくし」(主催者提供花火)は約2100発が9カ所から打ち上げられ、夜空一面を鮮やかに彩る。昨年は約75万人の観客があった。 花火大会は1925(大正14)年、文京町の神龍寺住職が霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した土浦の経済を活性化しようと、私財を投じて開催したのが始まり。
自治会やPTAが市に要望 用地購入し公務員宿舎跡再生を つくば市竹園
2018年5月22日
【鈴木宏子】小中学校など公共施設が老朽化する一方、人口が急増し過密化が深刻な問題となっているつくば市竹園3丁目、国家公務員宿舎跡地の再生問題で、地元自治会やPTAなどが新たに住民団体を結成し、22日、市に同地区の中心にある用地の購入を検討するよう求める要望書を提出した。購入は、緑豊かで統一のとれた同地区の一体的な再生に不可欠だとしている。 同用地所有者の都市再生機構(UR)が今年度中に、用地を民間に売却することが明らかになったのがきっかけ。用地は宇宙航空研究開発機構(JAXA)宿舎跡地約9900㎡で、昨年8月、つくば市が計画を中止した「竹園3丁目地域拠点再構築事業」区域の一部だった。中止前の計画では、築40年以上が経過し老朽化している小中学校や幼稚園、保育所、交流センターなどの公共施設を一体的に建て替える区域の中心に位置していた。市の計画中止を受けてURは、同用地を売却する。 4月に売却計画を知った住民らが、地元自治会や区会、中学校PTA、児童館や保育所の父母会などに呼び掛け、5月13日、計8団体で「竹園学園地区まちづくり連絡協議会」(小島崇宏会長)を結成し、要望書を提出した。 要望書は、竹園3丁目地区は公共施設の老朽化や公務員宿舎の廃止などにより、国家事業として全国に先駆けてつくられた緑豊かなコンパクトシティが崩壊しつつあるなどとしている。一方で公務員宿舎跡地で急速な宅地開発が進み、子育て世代が著しく増加し、教育施設や児童福祉施設の過密化が深刻な問題となっていると指摘している。 老朽化、過密化している公共施設の増築や建て替えは避けられないのに、各施設の敷地面積は十分でなく、個別に建て替えることは非効率で、利用者は多大な負担を強いられるなどとし、市に対し同用地の購入を検討して、公務員宿舎跡地の一体的な再生に取り組むよう求めている。 一方、22日、要望書を受け取った飯野哲雄副市長は、個人的な感想だと前置きした上で「(土地の)取得は目的を明確にしないと難しい。個別の話をすべて実現できるかというとそれは違う」などと答えるにとどまった。要望に対しては、検討し回答するとしている。 要望書を提出した同連絡協の小島会長(44)は「(同地区の)再構築を実施し、新たなまちの姿をつくる上で購入は必要不可欠」だと強調し、住民の一人、三橋俊雄さん(68)は「公務員宿舎は緑豊かで日本でも誇れる環境だったが、どんどん売却され普通の宅地に変わっている。つくばは40年前、(最初に公務員宿舎が建設された)竹園3丁目から始まったのだから、竹園3丁目から新しい姿を模索してもらいたい」と話している。
二刀流で土浦を発信 入沢弘子図書館長
2018年5月21日
【鈴木宏子】土浦市立図書館の入沢弘子館長(55)がこのほど、市広報マネージャーに任命された。全国にも例を見ない館長と広報マネージャーの二刀流で、今後は図書館だけでなく市全体の魅力を発信していく。 週4日、館長として図書館に勤務し、週1日、市役所広報広聴課シティプロモーション室に勤務する。大手広告代理店、博報堂の広報統括ディレクターだった経験を生かし、市の情報発信を総合的にプロデュースしたり、関連事業を企画、立案するという。 具体的な構想として「高校生パワーで土浦を盛り上げたい」と抱負を話す。「土浦の良さは高校生が多いこと。県立、私立を含め9校ある自治体は周辺にない。高校生が多いという強みを生かしたい」という。 高校との連携事業は図書館で8日からスタ―トしている。県立土浦二高図書委員会の生徒にお薦め本を紹介してもらい、高校生が多く集まる4階学習室隣りのロフトに28冊の推薦文を展示し、本を貸し出している。今後、他校にも声を掛け広げていく方針だ。 現在、高校対抗ビブリオバトル(書評合戦)や制服ファッションショー、部活紹介などの企画案を温めているところだという。 さらに「土浦の高校を発信することは、進学を目指している小中学生や家族が土浦に足を運んでくれる機会にもなるのでは」と期待を寄せる。 「連携企画を通して土浦の高校生に楽しい思い出をつくってもらい、ずっと土浦のファンでいてほしい。進学や就職でいったん土浦を離れても、土浦に戻ってきたり、家族を連れて遊びに来たり、将来、土浦で事業を展開するなどしてくれれば」と夢を語る。 つくば市在住。父親が朝日新聞記者で転勤族だったことから全国各地を転居し、小学2年から中学2年まで土浦で過ごした。 博報堂退職後は、つくば市でプロモーションマネージャーを務めた。土浦市中心市街地活性化の核として昨年11月、駅前にオープンした市立図書館の館長に公募で選ばれ、今年3月、通信制大学で司書の資格を取得した。
常総 逆転で初戦突破も課題残す 春季関東高校野球
2018年5月21日
【伊達康】第70回春季関東地区高校野球大会が19日開幕した。茨城1位の常総学院は20日、千葉県袖ケ浦市営球場で群馬2位の関東学園大附属と対戦し、7対2で逆転勝ちを収め初戦を突破した。終わってみれば5点差がついたものの、終盤まで追加点が取れず一時はミスが続いて逆転を許す苦しい試合展開となった。 常総学院は1回裏に2番・水野勢十郎の左中間に飛び込むホームランで1点を先制するが、4回表に二塁打とタイムリーエラーで同点とされる。さらに7回表に、二つの四球とバント処理のミスで無死満塁のピンチを迎えると、セカンドゴロの本塁転送がこぼれてノーヒットで勝ち越し点を奪われ、逆転を許した。 1点リードされた常総学院は終盤にようやく自慢の打線が目を覚ます。7回裏、一死二塁から1番・二瓶那弥の左中間ツーベースで同点とし、内野安打などで2点を追加する。さらに8回裏にも1番・二瓶の2点タイムリーなどで突き放し7点目を挙げ、そのまま逃げ切った。 投げてはエース谷田部健太と岡田幹太(2年)の右腕二枚看板で6安打2失点と踏ん張った。ただし、谷田部は与四球6個と課題の残る内容だった。 緻密さや小技をお家芸とする常総学院らしからぬバントミスや守備のミスが続出したゲームだったが、まずは初戦を勝利で飾ることができた。次戦(準々決勝)は今春センバツ4強の東海大相模が相手だ。今日の反省を踏まえて横綱級を相手にのびのびとプレーして欲しい。 春季関東地区高等学校野球大会2回戦 関学大附 0 0 0 1 0 0 1 0 0 2 常総学院 1 0 0 0 0 0 3 3 × 7 関:高橋、福田、柴田―中里 常:谷田部、岡田―菊地 本塁打:水野[常] 二塁打:柴田[関]水野、二瓶[常]
【ひと】「つくばなれ」現象を問題提起 筑波大大学院 和田桃乃さん
2018年5月20日
【柿内典子】「これからつくばでどう生きる?みんなで考えるつくばライフ」と題したトークイベントを4月下旬、筑波大近くの共有オフィスで開催し、筑波大生の「つくばなれ」現象を問題提起した。 大学入学を機に出身の福井県からつくば市に転居して6年目。現在、同大大学院システム情報工学研究科2年で、新規プロジェクトを応援する共有オフィスの学生スタッフを務める。 「つくばなれ」は和田さんが作った造語だ。つくば市に住むのではなく、千葉や東京のつくばエクスプレス(TX)沿線に下宿して大学に通う筑波大生が増えている現象を指すという。「特に卒業を間近に控えた学生が、流山おおたかの森や浅草などに移住する傾向にある」と話す。 和田さんが暮らした6年の間に、つくば市は西武筑波店、イオンつくば駅前店など大型商業施設の相次ぐ撤退があった。昨年12月には、学内で渡り廊下の崩落事故が発生、施設の老朽化を実感した。学生宿舎では3つあった銭湯のうち2つが廃業となった。「学生にとってつくばは緩やかに暮らしにくくなっている」と感じ「『つくばなれ』の背景にあるのでは」と指摘する。 一方で、学生自身による、つくばならではの学生コミュニティを再構築しようという新たな動きが起こっていることに着目。4月のトークイベントでは、全国初の大学サッカー部ファンクラブ設立に向けたクラウドファンディングの取り組みをしている学生や、唯一残る平砂学生宿舎の銭湯を生かしてコミュニケーションの場をつくろうと挑戦している学生の取り組みを紹介した。 和田さん自らは、学生同士のつながりをつくる手法として県人会に着目。今年4月、自らツイッターで福井県出身の学生に呼び掛けて、福井県人会を再開させた取り組みを、トークイベントで紹介した。 「都内に住む学生と違ってつくばは深い人間関係が築けることが魅力」と話し、「筑波大生として市内でコミュニティ活性化を目指している学生を紹介し、つくばでの暮らしをもう一度考えて欲しかった」と和田さんは説明する。 そうした積極的な姿勢が評価され、現在は市役所や筑波大同窓会「茗渓会」から声がかかり、地域活性化に向けた協力もしている。茗渓会からは、各県にいる筑波大卒業生と、現在つくばにいる人たちをつなげて欲しいと相談がきたという。「コミュニティの輪をさらに広げ、つくばを離れて暮らす人にもつくばに興味を持ってもらいたい。たくさんの人と協力し、つくばのイメージアップにつなげたい」と話す。
元被告 桜井昌司さん つくばの上映会で訴え
2018年5月20日
【崎山勝功】冤罪事件の元被告たち5人の交流や日常生活を描いたドキュメンタリー映画「獄友(ごくとも)」のつくば上映会が18日、つくば市竹園のつくばカピオホールで開かれた。映画に登場した布川事件=メモ=元被告の桜井昌司さん(71)が参加し、警察による自白偏重の捜査活動を改めて批判した。 会場では桜井さんと、同映画を製作した金聖雄監督(54)とのトークショーが開かれた。桜井さんは自身の体験を元に「あの方たち(警察)は、逮捕状を得たら犯人と確信して、あとは『やった』と言わせるために(元被告たちを)殴っても蹴ってもいい、って昔は言われていた」と話した。さらに現在、東京地裁で審理中の国家賠償請求訴訟について触れ「裁判で警察がうそついちゃダメじゃん、裁判で検察庁が証拠隠ししちゃダメじゃんと言うだけ。裁判でうそをついた警察官を処罰する、裁判で証拠隠しをした検察官を処罰する法律を作らせたい」と訴えた。 桜井さんは、十数年前から茗渓学園(つくば市稲荷前)で高校1年生向けに冤罪についての講演を行っており「高校生には真剣に伝わっている」と感じるという。映画について「若い人も含めて、今の社会に迷ったり悩んだりしている人に見てほしいし、『今の日本がいい』と思っている人にも見てほしい」と呼び掛けた。 同上映会は日本国民救援会県本部が主催した。3月から水戸を皮切りに始まった「茨城縦断上映会」の一環で、県南地域では取手に次いで2カ所目。つくばでは昼・夜の部合わせて約130人が鑑賞した。同会の柴原充つくば支部事務局長は「映画にも登場する袴田事件=メモ=は、筑波大の先生が再審開始のDNA鑑定で関わっているので、筑波大でも茨城大でも上映してもらえれば」と話した。 映画製作元のキムーンフィルムでは自主上映会の開催を受け付けている。金監督は「県内の大学でも自主上映会をやってもらえれば。若い人にもぜひ見てほしい」と語った。 ※メモ 【布川事件】1967年に利根町布川で起きた強盗殺人事件。桜井昌司さんと故・杉山卓男さん=2015年死去=が逮捕起訴され無期懲役判決を受けた。09年に再審開始。11年5月24日に水戸地裁土浦支部で無罪判決が確定した。現在桜井さんは県と国を相手取り国家賠償請求の裁判を東京地裁で行っている。 【袴田事件】1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生した強盗殺人放火事件。裁判で死刑が確定していた元被告の袴田巌さんが冤罪を訴え、2014年に静岡地裁が死刑と拘束の執行停止、裁判の再審を命じる判決を出し仮釈放された。
野口聡一さんがつくば市長訪問 宇宙への持参品選定をお願い
2018年5月19日
【崎山勝功】宇宙飛行士の野口聡一さん(53)が18日、つくば市役所を訪問し、五十嵐立青市長に宇宙に持参するつくばの記念品の選定を依頼した。野口さんは2019年終わりごろから、国際宇宙ステーション(ISS)のフライトエンジニアとして半年間宇宙に滞在する。宇宙に行くのは3度目。 野口さんは1996年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターがあるつくば市で暮らした。「つくば市民として街の発展を見てきた。ゆかりのある物を宇宙に持っていきたいというのは宇宙飛行士の願い。今までつくばの物を宇宙に持って行っていないことに気付いた」と、提案した理由を明かした。 市長との懇談で野口さんは「(米国の)ヒューストンに移る前はつくばに住んでいた」とつくばとの縁が深いことを強調。宇宙への持参品について「乾きもので、平べったいもので、潰せるもの」と条件を出した。 市科学技術振興課によると、宇宙に持っていく記念品にはほかに、重量100g以内などの諸条件があるという。市が候補を選定した上で、8月上旬ごろまでに野口さんと相談して決定する予定という。 五十嵐市長は「つくばも名産品があるので、選定していきたい」と述べた。 会場には市のマスコットキャラクター「フックン船長」が現われ、「野口宇宙飛行士、ぼくを宇宙に連れてってフク!」とのコメントを書いたプラカードを掲げていた。
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