水曜日, 5月 8, 2024

「歩け会」で地域の絆深める 土浦市新治 57回目、恒例行事に

【鈴木萬里子】お正月は家族が顔を合わせ絆を確かめ合うのが近年、一般的な過ごし方だ。土浦市新治地区では、毎年正月2日に「新春歩け会」を開催し、家族ばかりでなく地域の絆を深めている。1961年に始まり、今年で57回目。地域住民の正月行事として定着し、雨に降られた年もあったが一度も休むことなく続けている。 新治体育協会(野口敬一会長)が主催する。今年も2日に開催され、小学生から高齢者まで265人の参加者があった。野口会長は「2006年の土浦市との合併前には毎回400人~500人が参加していた。新治地区住民には正月2日の行事として認知されている」と話した。 午前8時30分、のろしを合図に新治地区公民館(土浦市藤沢)を出発し、筑波山中腹にある筑波山神社そばのつくばグランドホテル(つくば市筑波)まで16kmを歩く。途中つくば市北条のチェックポイントで参加証を抽選券と交換し、完歩後のホテルで行われる「お年玉抽選会」に参加する。ホテル到着順にカレーライスの昼食を取り、正午にはほぼ全員が抽選会場の大広間に集合する。 食品や洗剤などいろいろな商品が当たる抽選会は午後1時前に終わる。最終バスが出る3時までは自由行動となり、筑波山神社に初詣をする人も多い。今年も皆、完歩した満足感で帰宅の途についた。 土浦市立藤沢小と斗利出小5年の女子3人は「みんなと最後まで歩けて良かった」「とても疲れた。最後の階段がきつかった」「お正月に歩くのはちょっと大変。けど歩くと楽しいし達成感がある」などと話していた。抽選会で1等を当てた少年野球、藤沢イーグルスに所属する野口楓斗くん(7)は「うれしい」と賞品を持って笑顔で話した。

工夫次第で和やかに成人式 龍ケ崎 中学校で分散開催 旧交温める

【崎山勝功】8日の成人の日を前に、県内39市町村で7日、成人式が催された。手荷物検査や検問など物々しい雰囲気で実施されたつくば市と異なり、終始和やかな雰囲気で実施された式典もある。龍ケ崎市では市内6中学校で成人式を分散開催し、新成人は互いに旧交を温め合った。 7日、横綱稀勢の里の母校、市立長山中学校(同市長山)には、振袖やスーツ姿の同中卒業生ら約90人の新成人が集まった。会場の同中体育館には、物々しい鉄柵や私服警官の姿は一切なく、終始和やかな雰囲気で式典が進行した。式典終了後は記念写真撮影やビンゴゲームが行われ、新成人に笑顔が絶えなかった。 同中出身で千葉ロッテマリーンズ投手の原嵩さん(20)は「久しぶりに会った人ばかり。(昨年)手術を受けた後で落ち込んでいたけど、仲の良かった人の顔を見て元気になった」と語った。 終了後は、新成人たちが体育館に並べられたパイプ椅子の片付けをし、養生シートを畳むなど、自主的に手伝う姿が見られた。 ■喧騒問題化、1998年から変更 同市生涯学習課によると、同市でも1997年まで他市同様に市内1カ所の施設に新成人を集める方式だったが「式典時の喧騒や新成人たちのまとまりの無さ」などが問題になった。このため98年からは市内6中学校に分散して成人式を執り行う方式に変更。成人式の運営を各中学出身の新成人に任せた。 学校関係者などによると、成人式を1カ所で集中開催すると、異なる中学出身者との間でトラブルになったり、一部の新成人に「悪目立ちをしよう」などの心理が働くこともあるという。分散開催について学校関係者からは「自分の母校で『悪さをしよう』という新成人はいない」と評価する声が聞かれた。 同中で成人式の運営に当たった、成人式実行委員長の大野隆博さん(20)=茨城大生、同市=は「久しぶりに集まるメンバーとの再会になるので、しっかりと運営できるよう、楽しい時間になるよう心掛けた」と式典を振り返った。その上で各中学校ごとの分散開催について「自分たちの仲間や親しんだメンバーばかりなので安心できる。特別目立とうとしなくても大丈夫なのかなと思う」と話した。

厳戒態勢で成人式 つくば市 手荷物検査、検問も

【崎山勝功、谷島英里子】昨年逮捕者を出し「荒れる成人式」となったつくば市で7日、成人式が催された。会場の同市竹園、つくばカピオ入り口では新成人たちのかばんを開けさせて手荷物検査が実施されたほか、会場前の路上2カ所では警察官が検問をするなど厳戒態勢の成人式となった。式典は来賓あいさつなどが大幅にカットされ約30分で終了した。 会場では警備員40人を始め消防団、市職員など約200人が警戒に当たった。入り口前の手荷物検査では、かばんの中に酒類やクラッカーなどが入っていないか念入りに調べた。 市から派遣要請を受けて、つくば中央署、つくば北署、県警本部応援部隊など多数の制服・私服警官が配置。会場前道路の2カ所で検問が実施されるなど「荒れる成人式」の再発防止に務めた。捜査関係者の一人は「何かあったらすぐに逮捕する。2年連続で騒ぎは起こさせない」と警備体制に自信を見せた。 周辺の路上では時折、2人乗りの改造バイクがのぼり旗を立てて爆音をとどろかせたり、車高を低くした改造車が走行するなどが見られたが、県警の検問で会場に入るのを阻止された。一部の新成人の男性らが酒類を持ち込もうとして、警察官に阻まれる一幕もあった。 会場内は、ステージ前に紅白幕をかぶせた鉄柵が設置され、鉄柵前には警備員が配置。式典は昨年までは来賓あいさつなどを含め2時間以上かかったが、今年は来賓あいさつなどをカットし、五十嵐立青市長のあいさつと津軽三味線「井坂斗絲幸社中」の演奏を含め約30分で終えた。 五十嵐市長は、昨年の逮捕者を出した成人式に触れ「安易な道を選べば『去年問題があったから、今年はやめよう』というのがおそらく一番簡単な方法でした」と述べ、開催中止を検討したことを明かし、「難しいから、報道されたら、嫌だから止めようではなく、皆で話し合ってどうすればいいかを考えた。今日は警察の協力、警備の方、市の担当者が何時間も(話し合いを)重ねて開催に至った」などと話した。 式典に出席した新成人の女性3人は「友だちと会えたのが一番うれしい」「大人になったな、という感じ」「気持ちが高ぶる」とそれぞれ感想を述べ、中学校時代の同級生らと写真撮影に応じていた。厳戒態勢の警備については特に感想はなく、むしろ大騒ぎをする新成人に対し冷ややかな表情を向けた。 市職員の一人は、テレビなどで荒れた成人式が放送されることについて「暴走するバイクを映したり、一部の目立つ若者だけを取り上げて『これがつくばの成人式だ』というのは困る。他にもちゃんとした成人がいる」と、報道姿勢に苦言を呈した。 同市の今年の新成人は県内最多の2774人。このうち1727人が出席した。つくば中央署によると今年は逮捕者は出なかった。

8mの「進撃の巨人」像登場 県内クリエイター37組の作品一堂に つくば

【大志万容子】県内で活動するクリエイターの作品を一堂に集めた展示・上映会「いばらきコンテンツコレクション3」(県主催)が6日、つくば市吾妻、県つくば美術館などで始まり、県にゆかりのあるクリエイター37組が多彩な作品を出展した。物販会場のつくば駅前商業施設、クレオ1階には漫画「進撃の巨人」に登場する高さ8mのキャラクター像が設けられ、買い物客らも思わず足を止めて見入っていた。8日まで。入場無料。 同イベントは、県内の漫画やアニメ、ゲームなどのコンテンツ産業の振興を図ろうと、2016年から開かれており、今年で3回目。会場の同美術館には、つくば市松代の「いばらきクリエイターズハウス」などで活動するクリエイターらのイラストや漫画、映像などがずらりと並んだ。 特別企画として古河市出身のアニメーター浅野恭司さん、鹿嶋市生まれのアニメーションプロデューサー中武哲也さんが所属するアニメ制作会社「WIT STUDIO」が手がけた「進撃の巨人」の原画展などがあった。「進撃の巨人」のほか「甲鉄城のカバネリ」「屍者の帝国」など人気アニメの躍動感あふれる原画が約190点展示され、家族連れなどでにぎわった。クレオ1階のキャラクター像は「進撃の巨人」に登場する巨人エレンのバルーンで、クリエーターの関連グッズを販売する物販会場にお目見えした。 同美術館2階のアルスホールではほかに、漫画家の真崎春望さんが脚本とプロデュースを担当した人形劇映画「ハムレット」の上映もあり、人形たちが織りなす独自の世界に来場者は見入っていた。サッカークラブ・つくばFC企画の地域マスコットのキャラクター設定を来場者が考えるコーナーもあった。 漫画家・木野陽さんのブースで、色塗り体験のワークショップをしていた小学6年生の女子児童は「ギャグ漫画が好き。将来はイラストレーターになりたい」と話し、家族で会場を回ってたイギリス出身のマイケル・オルートさん(16)は「ゲームをつくるのが好き。今日はゲームやアニメーションについて知りたいと思って来た。もっと勉強して、将来はだれも見たことがないようなゲームをつくりたい」と目を輝かせた。 県産業政策課の矢部英雄副参事は「展示を通して、コンテンツ文化の豊かさ、魅力に触れてほしい。日本のアニメの最高峰の作品を楽しみ、県内クリエイターの活動を知ってもらうことで、クリエイター志望者が『いずれ自分も世界を目指す作品に携わろう』と思ってもらえれば」と話している。 7日は午後1時30分から、「WIT STUDIO」の浅野さんと中武さんが、アニメ制作現場のリアルを語るトークショーが開かれる。

激しい渋滞、解消策は? 筑波山神社初詣にぎわう

【鈴木萬里子】つくば市筑波の筑波山神社は正月三が日、大勢の初詣客でにぎわいをみせた。例年約20万人が参拝に訪れ、人出は笠間市の笠間稲荷神社、鹿嶋市の鹿島神宮に次ぎ県内3番目の多さだ。車の渋滞が激しく、車列が長く伸びることでも知られる。何とかならないだろうか。 今年も元旦のみ筑波山ケーブルカー・ロープウェーが早朝運航し、山頂から初日の出を拝もうと、多くの参拝客が押し寄せた。特に女体山山頂から見る日の出の美しさ、神々しさの人気が高い。夜半過ぎの3時頃から暗闇の中を登山する人々も多かったという。 神社境内は破魔矢・鏑矢(かぶらや)、熊手などの縁起物を買う参拝客で混雑した。拝殿前のさい銭箱は昨年まで3つだったが、今年は2つ増やして5つ設置し参拝場所を広くした。拝殿前の混雑がかなり解消され、静かに手を合わせる人々の姿が見られた。拝殿では祈とうを受ける人の長い列ができていた。 土浦市の緒方仁恵さんは東京に嫁いだ娘の田中千恵さん一家ら6人で初詣に訪れた。「久しぶりに参拝に来ました。やはり筑波山神社は立派ですね。でも夫は渋滞でまだ駐車出来ないので車の中です」と少し不安気に話した。 市営駐車場は第1~第4まで計450台が駐車可能だ。そのほか神社付近には民営の駐車場も多い。だが三が日で20万人近くが参拝するので到底間に合わない。特に神社近くの民営駐車場は朝7時にはいっぱいになった。駐車できず参拝を断念する人もいるという。「駐車場に入るのに2時間も待った」とこぼす人もいた。 境内でお守りを選んでいた横浜から訪れた佐藤和夫さん(58)恵美子さん(57)夫妻は「以前から来たいと思っていた筑波山神社に参拝出来て今年は良い年になりそう。来る時すごい渋滞だったけど、今度は帰りの車が渋滞するのかしら」と不安気な面持ちで帰路についた。 正月三が日だけではなく11月の七五三参りも渋滞の激しさは知られ、「朝家を出て参拝し帰宅すると夕方」という話もよく耳にする。麓の広い場所を駐車場にして、バスでピストン輸送するなどの対策を講じてはいかがだろうか。

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