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2017
11月
インフルエンザワクチン品薄 子育て中の母親に不安広がる 12月になれば改善か
2017年11月21日
冬の代表的な感染症インフルエンザが気になる季節。毎年10月下旬からインフルエンザワクチンの接種が開始されるが、供給が例年より遅れており、つくば市内の医療機関でワクチンの不足が生じている。 開業医らで組織するつくば市医師会は「市域全体の不足分は把握していない」とする一方で「医師の『接種を待ってもらうなど患者に迷惑をかけている』という話が多く聞かれる」という。 様々な慢性疾患を持つ人や高齢者は、インフルエンザにかかると重症化する恐れがある。小児では中耳炎や肺炎、熱性けいれんなどに加え、まれに脳炎や脳症などを合併することがあり、子育て中の母親の間で不安が広がっている。大穂地区在住の30代の母親は「通院している小児科と耳鼻科で、確保していたワクチンが2日で無くなったと言われた。接種が再開される時期は未定で予約もできない。今年は接種を諦める」と話す。 記者は市内の1病院と5 医院(内科、小児科、耳鼻科)に聞いてみた。いずれも予約の受け付けは行われておらず、病院は「例年なら患者さんに接する職員がワクチン接種するが、今年はそれもできない状態です」。内科の1医院だけが「12月になればワクチンが入るからこちらから電話します」との対応だった。 そもそもなぜワクチンが品薄状態なのか。ワクチンは例年、厚生労働省などが種類を決めているが、今年は使用する「株」が製造過程で変更となり、その結果、製造―供給が遅れるという状況を生んだ。 厚生労働省のホームページを見ると、今年度の供給予定量は約2528万本で12月1週から2000万本を供給。2010年以降、推計使用量は約2500万本前後で推移しており、需要に対しての供給は充分に見込めるとしている。 県つくば保健所は、現在のところ管轄内(つくば市、つくばみらい市)でのインフルエンザの発生はないという。「ノロウイルスなどの感染性胃腸炎が流行する季節でもあり、マスクや手洗い、うがいを心掛けて予防してほしい」とも。 インフルエンザの流行は年末から。厚労省によれば、ワクチンが効果を発揮するのは接種後約2週間から5カ月間。今はワクチンが確保されるのを待ち、遅くとも12月中旬までに接種できることに期待したい。(橋立多美)
「適切でない」と工事中止 つくば市並木中格技場修繕 分割発注し随意契約 業者に98万円賠償
2017年11月20日
つくば市が今年7月工事を発注した市立並木中学校(同市並木)格技場天井の修繕について、市は、分割発注により随意契約したのは適切でなかったとして、工事を中止し、業者に損害賠償金98万2800円を支払うと20日発表した。 市教育局教育施設課によると、7月6日、一連の工事を、格技場内に足場を組んで天井のさびた鉄骨を清掃し磨く「天井修繕工事」(126万3600万円)と、磨かれた鉄骨を塗装する「天井塗装修繕工事」(128万5200円)の2本に分けて同一業者と随意契約した。 市の入札制度見直し基本方針(2012年9月策定)では130万円を超える建設工事は一般競争入札を実施しなければならない。同課は、一般競争入札にすると手続きに時間が掛かることから、夏休み中に終えるため、工事を2本に分けて随意契約したという。 一方、同時期の7月下旬、市立九重小(同市上ノ室)で実施していた、グラウンドにトイレを新設する工事に関し、市民から、分割発注による随意契約は適切でないなどの指摘があった。同小では同工事を、トイレ設置工事(110万8800円)、基礎改修工事(128万5200万円)、設備(給排水)工事(76万6800万円)の3つに分けて、いずれも同一業者に発注していた。 市民の指摘を受け、教育施設課長(当時、10月1日付けで異動)は7月28日、同様の発注が行われた並木中の工事を中止した。格技場では工事がすでに始まっていてビニールシートが敷かれ足場が組まれ、塗料も購入済みだったことから、その分を賠償するという。九重小はほぼ出来上がっていたことから工事を継続したという。 同課は、今後議会に報告し、随意契約の在り方を検討していくとしている。並木中の工事は来年夏休みに一般競争入札で実施したいという。(鈴木宏子)
イルミネーション点灯 土浦、霞ケ浦湖畔の風車前広場
2017年11月19日
土浦の冬の風物詩「水郷桜イルミネーション」が18日夕、霞ケ浦湖畔の同市大岩田、霞ケ浦総合公園風車前広場に点灯した。 高さ25m、直径20mのオランダ型風車が光で彩られ、霞ケ浦、花火、ハス田、帆引き船、桜などをイメージした土浦の風物が、約22万5000球のLED電球で浮かび上がった。 島根県に住むおばを誘って母親と3人で初めて点灯式に参加したという市立土浦第二小3年、関根雅史さん(9)は「点灯の瞬間がきれいだった。皆ワーっとなって、花火も上がってびっくりした。来て良かった」などと話していた。 市民と企業有志で組織する「水郷桜イルミネーション推進委員会」と市が共同開催し今年で6回目。今年は花火イルミネーションがリニューアルし、花火が打ち上がる様子が再現された。市のイメージキャラクター、つちまるを描いたイルミネーションも新たに登場した。毎年延べ約15万人が訪れる。事業費は970万6000円(市が600万円、起業・団体からの協賛金が370万6000円)。 入場無料。点灯時間は毎日午後5~9時。来年2月18日まで点灯する。(鈴木宏子)
有名店テントに行列 カレーフェス&産業祭 19日まで、土浦
2017年11月18日
「カレーのまち土浦」と地場産業を盛り上げる第14回土浦カレーフェスティバル&第41回市産業祭(市など主催)が18・19日、土浦市川口の川口運動公園陸上競技場で開かれている。両イベントの同時開催は今年初。 会場では参加108店舗が、それぞれ「カレーのまち土浦エリア」「全国ご当地グルメエリア」など計7区画に分かれ、カレーや地元産品の販売などに励んだ。 このうち、土浦C-1グランプリで6回優勝し2016年に殿堂入りを果たした洋食店「レストラン中台」(同市桜町)のテントには、小雨交じりにもかかわらずイベント開始早々に長い行列ができた。取材に訪れたニュースサイト「日刊カレーニュース」の村尾直人編集長は「今日(18日)は天気が良くないから来場者は有名店に集まる傾向にある」と動向を分析した。 16年の創作部門で優勝した焼き鳥店「鳥〇(とりまる)」(同市永国)ではカレー味の唐揚げを販売。同店の店員は「今年は2年連続優勝できるようがんばる」と意気込みを示した。 「土浦市食のまちづくり推進協議会」のテントでは、27日開館する新図書館でフランスの画家モネ展が開かれるのにちなんで「フレンチカリー」を出品。限定100食が完売となった。開発に当たった堀越雄二さんは「来年からツェッペリンカレーとフレンチカリー両方をブランドとして立ち上げたい」と意気込んだ。 「きのこたっぷりスパイシーキーマカレー」を出品したつくば国際大(同市真鍋)料理研究会の谷入彩花部長(19)は「思った以上に売れている。去年以上に(メニューの)試行錯誤を繰り返したので、お客さんもおいしいと言ってくれている」と手応えを感じていた。 会場内に設けられたC-1グランプリ投票所には来場者が票を投じていた。投票結果は19日午後2時30分ごろに同会場で発表される。(崎山勝功、大志万容子) 記者も食べてみた 記者も6店のカレーを食べてみた。 まず、かすみキッチン(かすみがうら市)の「常陸牛の牛すじカレー」。柔らかい牛スジ肉の触感が印象に残った。カレーの上の素揚げレンコンがアクセントとしてよいと感じた。 続いて長崎県から出店の護衛艦カレーナンバー1(GC1)グランプリカレー。海上自衛隊の護衛艦「こんごう」と「さわぎり」で実際に食べられているカレーだという。「こんごう」は若干酸味が感じられ、「さわぎり」は濃厚な味がする。護衛艦ごとの味の違いが楽しめた。 地元、土浦商工会議所女性会などが出店した「土浦ツェッペリンカレー」も味わった。カレールーの中に入った大きなレンコンにまず目がいく。レンコンの食感とローズポークの味が楽しめた。 福来軒(土浦市)の「ツェッペリンカレーコロッケ」は、かじるととろりとした食感にカレー風味が一気に口の中に広がる。おやつとして充分に満足できた。 土浦商工会議所青年部の「カレートルティーヤ」は、シャキシャキとした食感のレタスとカレーソースの相性がいい。 つくば国際大学料理研究会の「きのこたっぷりスパイシーキーマカレー」は、名前の通りカレーの上にシメジが乗ったカレー。ルーとシメジの相性が良く、黄色いサフランライスも見た目にいい。18日だけの限定販売が惜しまれた。(崎山勝功)
耕作放棄地でソバ刈り入れ つくばの森林ボランティア 多雨と害虫被害で収量少なく
2017年11月17日
つくば市高崎で森林の整備を行っているボランティア団体「つくばフォレストクラブ」(福木哲朗会長)の会員らがこのほど、森林整備の合い間に隣接の耕作放棄地で栽培したソバの刈り入れと脱穀作業を行った。 今年は雨も台風も多かったほか、害虫ヨトウムシの被害が大きく、会長の福木さんは「昨年と作業量は同じだが今年は収穫は少ないのではないか。県全体でも収穫量は少ないと聞いている」と心配顔だ。 同クラブは、県の森林湖沼環境税の補助を受け、高崎自然の森と茎崎こもれび六斗の森を結ぶウオーキングロード「おぐろくの森」で森林整備に当たっている。 耕作放棄地を生かしたいと隣接の3000㎡ほどを借り受け荒地に適しているソバを植えた。昨年は65㎏の収穫があり、2年目の今年は100㎏を目標としていた。 ところが今年は葉を食べ尽くしてしまうヨトウムシがソバ一面についてしまった。会員の佐藤文信さんは「葉がかなり枯れてしまい、実も小さいのが心配」と、ヨトウムシを割りばしで取り除いたほどだ。 10月25、26日の2日間ソバを刈り入れ、11月15日に脱穀作業を行った。前日に雨が降ったためソバの乾燥がしっかりとされない中での脱穀作業となった。会員らは、電動脱穀機で手早く作業をこなした後、風を起こしてソバの実だけを取り出す唐箕(とうみ)にかけるなど奮闘していた。(鈴木萬里子)
土浦新図書館一足先にお披露目 新たに託児サービスも
2017年11月17日
市立図書館と市民ギャラリーを核とした再開発ビル、アルカス土浦が同駅前に27日オープンするのを前に16日、内部が報道関係者に公開された。図書館では新たに、保育士が乳幼児を預かる託児サービスを開始することなども明らかにされた。県内2番目という。 毎週火曜日午前10時~午後2時の間の1時間、0~2歳の子どもを預かって、育児中の親などに本に親しむ時間を提供するという。 2~4階の図書館は面積5120㎡と県内市町村で最大規模。開館時の蔵書数は約35万冊。市内外だれでも本を借りることができる。開館時間は月~金曜が午前10時~午後8時。土日曜・祝日は午前10時~午後6時。休館日は月曜だが、第1月曜と祝日は開館する。 1階市民ギャラリーでは27日からオープニング展が催され、フランスの印象派画家、モネの「ポール=ドモワの洞窟」(県近代美術館所蔵)が展示される。開館時間は午前10時~午後6時。月曜休館(祝日は開館)。オープンギャラリーは50㎡を1日2500円(市外は3800円)で貸し出す。 施設は4階建て。総事業費は旧施設解体と新施設建築費などが約75億円、図書館内装工事費が約11億4000万円、ギャラリー内装工事費が約4億2000万円の計約90億6000万円。2006年の都市計画決定以来、2度の事業休止を経て11年越しで完成した。 駐車料金は、アルカス土浦駐車場(82台収容)と市営駅西駐車場が2時間まで無料、市営駅東駐車場が3時間無料。(鈴木宏子)
「フレンチカリー」土浦の新ブランドに 新図書館モネ展にちなみ 18、19日カレーフェスでお披露目
2017年11月16日
27日に新しく開館する土浦市立図書館などの複合施設、アルカス土浦のオープニングイベントでフランスの画家モネの作品が展示されることにちなみ、フレンチとカレーをドッキングさせた新たな「フレンチカリー」が誕生した。 カレーによる土浦のまちづくりに取り組む堀越雄二さん(67)が発案し、フランス料理店、ル・タブリエ(つくば市花室)店主の丸田敏明さん(61)が作り上げた。18、19日に土浦市の川口運動公園陸上競技場で開かれる土浦カレーフェスティバルでお披露目される。フレンチとカレーを融合させた料理は珍しい。堀越さんは「カレーの新ジャンルとして全国に広めたい」と期待を込める。 きっかけは同市の五頭英明副市長から、モネの出身地フランスをテーマに食でまちを盛り上げられないかと相談されたこと。堀越さんは、食のまちづくり検討委員会委員長として2004年から土浦でカレーによるまちづくりに取り組み、地元産のレンコンなどを使ったご当地カレー、ツェッペリンカレーをプロデュースしてきた。フレンチとカレーの融合を思い立った堀越さんは、丸田さんに開発を持ちかけた。 丸田さんの頭に浮かんだのが、東京のフランス料理店で働いていたとき賄い食で食べたクスクスだった。クスクスは小麦粉からつくる粒状のパスタに羊肉もしくは鶏肉と野菜などを煮込んだスープをかけて食べる料理。発祥は北アフリカだが移民によってフランスに伝わり、現在はフランスで広く一般に食べられている。「カレーと同じようなスパイスを使っており、アレンジしやすいと思った」と丸田さん。 クスクス風に柔らかい子羊の肉に、地元産のレンコン、野菜などを6種類のスパイスでじっくり煮込み、小麦粉や市販のカレールーは一切使わず、スパイスの豊かな風味を生かしたスープカレー風に仕上げた。唐辛子をベースにしたアリッサという調味料を別に添え、辛さを自分好みに調整する「味変」も楽しめるようにした。 「フレンチカレーをうたっている店は、全国でも東京と北海道に2店のみ」と堀越さん。「土浦発の『フレンチカリー』ブランドを立ち上げ、ツェッペリンカレーと並ぶカレーの新たなジャンルとして全国に広めたい」と意気込んでいる。(大志万容子) ◆フレンチカリーは土浦カレーフェスティバルの「アルカス土浦」PRブースで、1日100食限定(1食400円)で提供される。
「駅前に立体公園」 街を活性化する図書館とは アルカス土浦設計の柳田富士男さんに聞く
2017年11月15日
27日、土浦駅前に市立図書館と市民ギャラリーを併設した再開発ビル「アルカス土浦」がオープンする。日本図書館協会建築賞を受賞した千葉市中央図書館などの設計で知られる柳田富士男さん(62)=INA新建築研究所(東京都文京区)設計監理副本部長(当時)=が設計した。中心市街地の活性化が期待される新図書館について柳田さんは「駅前にまず立体公園をつくろうと考えた」と話す。設計に込めた思いを聞いた。 ―どのように考え設計したかを教えてください。 この事業の大きな目的は土浦駅周辺を再生するというまちづくりです。にぎわう、人が集まる、集まってイベントをする場所と考え、まず駅前に立体公園をつくろうと考えました。1階から4階の屋上公園につながるステップガーデン(屋外階段)がそれです。 次に、図書館とギャラリーの機能を、にぎわいづくりに生かす配慮をしました。図書館(2~4階部分)ですが、2階と、3~4階の2層構成となります。駅のデッキから直接つながる2階は「ポピュラーライブラリー」で、にぎやかで楽しい場所。新聞、雑誌、旅行や趣味の本が置かれ、待ち合わせ場所としても気軽に利用できます。ベビーカーを押す子ども連れのお母さんも駅に来たついでに立ち寄ってほしいと思います。 2階には児童部門(児童書コーナー)もあります。楽しく、子どもが来たくなるしつらえで、天井が吹き抜けになっていて、壁には丸や三角、四角といろいろな形や色がある。遊園地みたいな、テーマパークみたいな場所です。 にぎやかな2階に対して、3階は専門書があり調査・研究をする「レファレンスライブラリー」となります。 4階はヤングアダルト(青少年)の場所。いま土浦駅のフードコートや市役所5階の県南生涯学習センターなどで、勉強しているたくさんの高校生の姿を見掛けます。これからは図書館の気持ちのいい学習環境で勉強してください。4階の青少年ラウンジには、壁の一面にホワイトボードを設定しました。交流の場として自由に使ってください。 1階ギャラリーは、オープンギャラリーとギャラリーの二つに分かれています。オープンギャラリーは展覧会が開かれていない時でも開放し、ワークショップや子供向けイベントを開いて、いつでもアートに触れ学べる場所として使ってもらえたらと思います。 ―建物にはどのような特徴がありますか。 建物は重箱をずらして重ねたような構造になっています。重箱同士は吹き抜けでつながっていて、壁の代わりにガラスのスクリーンで仕切られているので、光が取り入れられ、どこにいても館内が見渡せる開放的な空間になっています。駅前広場も眺望でき、夜には街の灯りになるでしょう。 建物の中は図書館先進国である北欧の清楚な雰囲気をイメージしました。床と壁は白木のカバー材で仕上げ、従来の図書館の重厚なイメージとは違う、軽やかな、若い人たちが来たいと思う空間になったと思います。 ステップガーデンを昇った屋上公園には庭園があり、階段状の観覧席を設けコンサートもできます。 ―外観の色やデザインにはどのような意味がありますか。 駅前ですから、土浦駅前の表情はどうあるべきか、土浦らしさは何かを考え、亀城公園のお城の瓦と白い漆喰(しっくい)をモチーフに、和のイメージとしました。さらに土浦の知の殿堂になるわけですから、未来に向け、シャープなデザインのシルバーメタルを入れ込んだデザインにしました。 ―これから市民にどのように使ってもらいたいですか。 土浦は高校生が多い街ですよね。そういう子供たちがこの施設を使って成長し、街をつくり、未来をつくってほしい。大人の人たちも暮らしに役立つのでどんどん来てほしい。従来の図書館を超えた未来の図書館なので楽しんで交流して学んでほしいと思います。(聞き手・鈴木宏子)
地元本社優先の入札見直し案めぐり つくば市議会で攻防 「さらなる改革」の行方は?
2017年11月14日
つくば市の五十嵐立青市長が今年8月、市議会全員協議会に示した地元本社優先の入札制度見直し案をめぐって、市議会で攻防が続いている。9月議会で「さらなる改革」を求める決議が議員提案され18対9の賛成多数で可決。これを受け11月13日、議会全協が開かれ、県内市町村の状況が説明された。どう決着するのか、行方が注目される。 8月に示された見直し案は①市の入札参加要件を市内に本店がある業者を基本とする②最低制限価格=メモ=の適用を現在の5000万円未満から1億円未満の建設工事に引き上げる―などが大きな柱。昨年11月の市長選で初当選した五十嵐市長の「地元本社優先」の公約に沿った内容だ。 併せて同市で、最低制限価格とぴったり同じ金額で入札する業者が急増していることが示された。同価格と同一金額で入札した業者が複数あったことから、くじ引きで落札業者が決まった入札案件は、2014年度が全体の5.4%(44件)だったのに対し、15年度は12.7%(96件)に増え、16年度は前年度の2倍の24%(170件)に増えていたことも分かった。 これについて市は、工事の材料価格や積算の仕方など公表されているものが多く、積算ソフトも出回っているため積算がやりやすくなっているためではないかなどとする。これに対し、市内のある業者は「共通の見積りソフトを使えば同じような数字が出るが、価格が公表されてない材料もある。金額が大きな工事になればなるほど、ぴたり当てるのは難しい」と疑問を投げ掛ける。 9月議会では、くじ引き落札の増加を懸念し「さらなる改革」を求める決議が出された。最低制限価格に一定幅の無作為の数字を掛けて金額をだれにも分からなくする「ランダム係数」の導入を求める内容だ。提案者の塚本洋二市議は「最低制限価格の適用を1億円未満に引き上げれば、箱モノ以外のほとんどの工事が対象となり、最低制限価格と同じ金額をぴたり入れる業者がさらに増える懸念がある。見直すべきものは見直して、公平公正、健全性を高めていく必要がある」と話す。(鈴木宏子) 【メモ】最低制限価格は、不当に安い金額での入札を防止し工事の品質を確保するため事前に設定する落札の最低価格。最低制限価格を下回った業者は失格となる。つくば市は現在、5000万円以上1億円未満の建設工事は低入札価格調査制度を適用し、最低制限価格を下回った入札でも審査で適正な工事が実施されると判断されれば落札としている。
駅前の販売テントに行列 龍ケ崎コロッケ 月1回、勤め帰りに各店の味
2017年11月13日
龍ケ崎市の名産品、龍ケ崎コロッケを広く市民に知ってもらう販売イベント「りゅうころ」(コロッケクラブ龍ケ崎主催)が毎月1回、龍ケ崎市佐貫町のJR佐貫駅東口前で開かれ、市民の人気を集めている。2016年2月から始まり1年9カ月経った現在は、平均約300人が市内各店のコロッケを買いに立ち寄り行列ができるという。 龍ケ崎コロッケは今年4月、地域名と商品名を組み合わせた地域ブランド「地域団体商標」に登録された。本場結城紬、笠間焼に次ぐ県内3番目の登録で、着実に知名度を上げている。 材料は「なるべく地元の食材を使う」のが共通ルールだが、それ以外は自由なため、各店舗が創意工夫を凝らした新製品を開発している。 りゅうころは「市の玄関口の佐貫駅で龍ケ崎コロッケを食べたい」として始まった。当初は駅東口の空き店舗でのスタートだったが、1年程前からテント販売に移行。販売回数を重ねるごとに「木曜日の午後4時から9時台が利用客が一番多い」という結果が出たため、現在は毎月第2木曜日午後4時~9時を「りゅうころ開催日」と定めた。 9日、駅前に設けられたテントには、市内の販売店が加盟する「コロッケクラブ龍ケ崎」各店舗のコロッケ8種類が販売された。具の中にカマンベールチーズが入ったものや、肉じゃがの味付けをしたものなど個性的なコロッケが並び、学校や仕事帰りの駅利用客らが足を止め、揚げたてのコロッケを購入していた。行列に並んだ利用客の間からは「いつもここで買っていく」との声が聞かれた。 次回は12月14日に開かれる。りゅうころ開催日は、コロッケクラブ龍ケ崎の公式フェイスブックで告知している。(崎山勝功)
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