つくば市が今年7月工事を発注した市立並木中学校(同市並木)格技場天井の修繕について、市は、分割発注により随意契約したのは適切でなかったとして、工事を中止し、業者に損害賠償金98万2800円を支払うと20日発表した。
市教育局教育施設課によると、7月6日、一連の工事を、格技場内に足場を組んで天井のさびた鉄骨を清掃し磨く「天井修繕工事」(126万3600万円)と、磨かれた鉄骨を塗装する「天井塗装修繕工事」(128万5200円)の2本に分けて同一業者と随意契約した。
市の入札制度見直し基本方針(2012年9月策定)では130万円を超える建設工事は一般競争入札を実施しなければならない。同課は、一般競争入札にすると手続きに時間が掛かることから、夏休み中に終えるため、工事を2本に分けて随意契約したという。
一方、同時期の7月下旬、市立九重小(同市上ノ室)で実施していた、グラウンドにトイレを新設する工事に関し、市民から、分割発注による随意契約は適切でないなどの指摘があった。同小では同工事を、トイレ設置工事(110万8800円)、基礎改修工事(128万5200万円)、設備(給排水)工事(76万6800万円)の3つに分けて、いずれも同一業者に発注していた。
市民の指摘を受け、教育施設課長(当時、10月1日付けで異動)は7月28日、同様の発注が行われた並木中の工事を中止した。格技場では工事がすでに始まっていてビニールシートが敷かれ足場が組まれ、塗料も購入済みだったことから、その分を賠償するという。九重小はほぼ出来上がっていたことから工事を継続したという。
同課は、今後議会に報告し、随意契約の在り方を検討していくとしている。並木中の工事は来年夏休みに一般競争入札で実施したいという。(鈴木宏子)