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【戦後73年の記憶】2 誰にも言えない軍事機密情報におびえた 秋元君子さん(92)

【田中めぐみ】土浦市の秋元君子さんは1926(大正15)年生まれの92歳。13歳の時、千葉県から土浦市に引っ越し、県立土浦高等女学校(現土浦二高)に転入した。戦争拡大に伴う労働力不足を補うために学徒動員が閣議決定され、卒業を前に休学。17歳で霞ヶ浦海軍病院(現霞ヶ浦医療センター)に動員された。庶務で、海軍の人事異動を記録したり、傷病者、戦死者の名簿作成をしたりして軍部に報告していたという。 その中でミッドウェー海戦の極秘情報を知った。「航空母艦『赤城』抹消、『加賀』抹消―」リストから削除していく。詳しい戦況は分からなかったが、航空母艦を失ったことを知った。大本営発表では公にされなかった。「こんなに船が無くなって大丈夫なのだろうか」と不安が募るが、誰にも言うことはできない。 職場には憲兵が頻繁に訪れ、目を光らせていた。母にさえ情報の内容は秘密だったが、察してか「誰にも話すんじゃないよ」と君子さんを心配したという。「今思うと怖いことをやっていたと思う」と振り返る。 父は軍人で、機上整備員をしていた。昭和18年末、「10月6日に戦死」という弔慰電報が届いた。軍部からの公報(死亡告知書)は出ず、問い合わせても情報は錯綜していた。翌年1月に公報が出て3月末の合同葬に間に合った。父の遺骨は帰って来ず、ハンカチや靴下といった遺品だけがきれいに畳まれて戻ってきた。遺骨を入れるはずの箱には石ころが入っていた。「南方だと思うがどこで死んだかも分からない。生死が分からないままの人もたくさん居た。公報を出してもらえただけ良かった」と気丈に話す。一人娘だった君子さんは母一人、子一人になった。 阿見大空襲で病床はいっぱいに 終戦の年、海軍病院の歩哨(ほしょう=見張り)が、霞ケ浦に米軍機がきりもみして落ちていくのを見たという。米兵は脱出、捕虜になったと聞いた。同年6月、土浦海軍航空隊が空襲を受けた。阿見大空襲である。「米兵を捕虜にした仕返しではないかと思った」と話す。病院には死傷者が次々と運ばれて病床はいっぱいになり、担架に乗せられ通路の両脇に並んだ。君子さんはその惨状を茫然と眺める他なかったという。 8月15日、玉音放送があり、午後の仕事はなくなった。それまでは軍艦マーチがかかっていたが、その日は誰が流したか、「波濤を越えて」というワルツが流れた。そこで初めて「ああ、これで平和がきたんだ」という思いがこみ上げた。帰る時、病院から街を眺めると、早い時間なのに街灯が付き、家々の電球も黒布が取れ、街に灯が戻っていた。先行きは全く分からなかったが、しみじみと平和の喜びをかみしめたという。 メモ 【ミッドウェー海戦】昭和17年6月、ミッドウェー島付近での日米海戦。米軍は作戦を早期に察知し、日本側に大きな損害を与えた。この敗北を機に日本は劣勢となったが、国民には知らされなかった。 【大本営発表】戦時中、日本軍の最高統帥機関が発信していた戦況の公式発表。    

原爆の悲惨さ、平和の尊さ伝え つくばで朗読劇 「サラダの会」

【崎山勝功】広島原爆投下の6日を前に、つくば市周辺地域の主婦たちの朗読グループ「サラダの会」主催による、広島・長崎原爆被爆者の体験手記の朗読劇「ヒロシマ・ナガサキ2018」が5日、同市吾妻のアルスホールで開かれた。市民ら75人が朗読劇を鑑賞した。 朗読劇では、5歳のときに長崎で被爆した田栗静行さん(78)=東京都八王子市=の体験手記「あの時、一緒に死んでしまえばよかった… 5歳のナガサキ被爆体験~」や「原爆詩集 峠三吉」などの体験手記や詩集から作品を選んで、「母と子」の視点で構成して同会会員が朗読。朗読に合わせてフルートやギターの演奏が流れ、場内のスクリーンには被爆した子どもたちのスライド写真などが映し出された。 会場には田栗さんの姿があった。田栗さんは上演終了後、「原爆や戦火の中で多くの人が犠牲になった。平和が続くよう、サラダの会の皆さんのように一人ひとりができる範囲で活動してもらいたいのが願い」と訴えた。その上で「今日もたくさんの人が集まってくれた。これは平和に対する努力だと思う。来てくれて(朗読を)聞いてくれたということだけでも大きな平和活動だと思う」と話してくれた。 同会メンバーで阿見町在住の中島八重子さん(74)は、「私たちは聞きに来てくださる方も仲間だと思っています」と話した。 同会は、朗読劇で戦争を擬似体験し、戦争の悲惨さや平和の尊さを感じ取ってもらえればと活動している。1995年から毎年広島と長崎に原爆が投下された8月6日または9日につくば市内で自主上演会を開き、今年で23年目という。また、茨城県内外の小学校や高校にも赴いて朗読劇を披露している。

光と音で土浦の花火を投影 キララまつり

【谷島英里子】「土浦キララまつり2018」が開かれたJR土浦駅前のアルカス土浦で4日夜、花火をモチーフにしたプロジェクションマッピングが初めて行われた。同市のイメージキャラクター「つちまる」が自転車に乗って市内を散策する様子や、花火が次々と打ち上がる映像が投影され、訪れた人たちは次々と変化する映像を楽しんだ。 キララまつりの熱気が残る中、プロジェクションマッピングを見ようと、アルカス土浦前の広場やペデストリアンデッキには、家族連れや浴衣姿の中高生などが集まった。 映像は、アルカス土浦の外階段(ステップガーデン)と図書館3階空中ラウンジのガラス部分に6分間投影された。 自転車に乗ったつちまるが土浦駅前を出発し、中心市街地の観光施設、まちかど蔵「大徳」や桜が満開の桜川の土手、亀城公園、帆引き船などを紹介していった。さらに日本三大花火といわれる秋田県大曲、新潟県長岡と、土浦の花火が次々に打ち上がった。 つちまるの映像が現われると、見ていた子ども達から「あ、つちまるだ」という声が上がった。 市内に住む20代男性は「花火の映像が色鮮やかできれいだった」と感想を話していた。 土浦キララまつり2日目の5日は同会場で午後7時30分、8時、8時30分、9時の計4回投影を行う。 [youtube https://www.youtube.com/watch?v=i542_lsq684]

土浦の花火を駅前に投影 4、5日「キララまつり」でプロジェクションマッピング

【谷島英里子】JR土浦駅周辺で4~5日の2日間、「土浦キララまつり2018~魅せます土浦の夏」が開催され、土浦の花火をモチーフとしたプロジェクションマッピングが初披露される。同駅前のアルカス土浦に投影する。 プロジェクションマッピングは、コンピューター映像を建物に投影する演出。毎年10月に開催される土浦全国花火競技大会の知名度をもっと高めようと、市商工観光課が地方創生推進交付金945万円を活用して企画した。 イベント演出やディスプレイの制作を行う五光(本社栃木県)が、「土浦の花火」をモチーフに市内の観光資源も取り入れオリジナル動画を作成。アルカス土浦の外階段から3階ガラス部分に投影し、光や音で約7分間演出し、キララまつりを盛り上げる。4、5日の両日午後7時30分、8時、8時30分、9時の計4回行う。商工観光課は「土浦ブランドの花火を知っていただけたら」と話す。冬にも第2弾のプロジェクションマッピングを5日間実施する予定だ。 土浦キララまつりは、JR土浦駅前通り、土浦港、モール505、タイムズ土浦中央第3駐車場といった駅周辺などを会場に、4日は市内小学生による音楽隊パレードや七夕おどりコンテスト、5日は市民山車巡行、土浦新郷土民謡おどりといった地域の伝統芸能が披露される。霞ケ浦では観光帆引き船合同操業と遊覧船無料乗船会が実施される。 ほかに新企画として、手野や田村のハス田をレトロバスで巡る「土浦ハス花めぐり」レトロバスの運行、子どもが乗れるミニトレイン「ドクターイエロー」「はやぶさ」の運行などがある。飲食や音楽ステージ、行灯(あんどん)装飾、消防車・救急車の展示など盛りだくさんの内容だ。両日とも午後1時~9時30分まで、土浦駅西口から亀城公園前までと、中城通り、本町通りは歩行者天国となる。 詳しくは市観光協会ホームページhttp://www.tsuchiura-kankou.jp/tanoshimu/kiraramatsuri/。問い合わせは実行委員会事務局電話(029・824・2810)まで。

女みこし5年ぶり復活 土浦八坂神社祇園祭

【鈴木宏子】台風12号が接近する中、土浦八坂神社の祇園祭が28日催され、三百貫のみこしが市中心市街地を巡行した。女みこしが5年ぶりに復活した。 正午から予定通りみこし渡御が行われ、当番町の山車3台と獅子1台が各町内などを練り歩いた。 夕方、雨や風が強くなる中、女みこしと三百貫のみこしが共に同市川口町の御仮殿前を出発した。復活した女みこしは、公募で集まった市内外の10代から50代の約80人に担がれ、強い雨が降る中、「ソイヤー、ソイヤー」の勇ましい掛け声と共に街なかを練り歩いた。 巡行を終えた女みこし総括リーダーの山越里枝子さんは「雨が降ったが、いい思い出になったと思う。すべて女子だけでやった。感動している」などと話した。7月に入ってから毎週金曜日に集まり、足の運び方や担ぎ手同士の足運びの合わせ方、担ぎ方などの練習を重ねてきたという。 台風の影響で、子どもみこしの巡行と夜の山車の共演は取り止めとなった。山車と獅子は3日間、市中心市街地を練り歩く。 土浦八坂神社は同市真鍋(旧真鍋町)にあるが、氏子は旧土浦町(中心市街地)にいることから、祇園祭は旧土浦町で行われる。祭りは江戸時代の土浦藩の祭礼を継承したものとされる。三百貫のみこしの重さは本体と担ぎ棒合わせて780キロ。1933(昭和8)年に当時の鉄道大臣、原修次郎が寄贈した。その年は担がれたが、あまりの重さに翌年からは担がれず専用台車に載せて街なかを巡行したといわれている。1977年(昭和52)に「礎會」が結成され、その後は毎年担がれている。  

台風12号接近 イベント中止や延期に

台風12号が近づき28日夕方には関東に最接近すると発表される中、つくば市や牛久市ではイベントや祭りが中止や延期になっている。つくば市では28日開催予定の「第9回世界のつくばで盆踊り2018」が翌29日に延期、「トワイライト音楽祭」が中止となった。 盆踊りは29日に延期 【第9回世界のつくばで盆踊り】28日(土)午後3時~8時40分まで、つくば市竹園、ショッピングセンター・デイズタウン平面駐車場で開催予定だったが、翌日に延期し、29日(日)午後5時~8時40分まで開催する。午後3時からの生ライブは開催を取り止めるなど一部規模を縮小する。プロとスポーツ遊び、出店、盆踊り、ちびっこ花火遊びなどは予定通り実施する。問い合わせは電話029・860・5000(デイズ・タウン) 音楽祭は中止 【トワイライト音楽祭】来場者が1000人を超えた5回目の今年から、研究学園駅前から同駅前公園に会場を移動したが、台風の影響で中止となった。 一般公開は催し縮小 【夏休み一般公開】28日を夏の一般公開日としていた研究機関は、催しを縮小するなどの対応を行った。▽森林総合研究所=樹木園案内や昆虫トラップの解説、樹高当てクイズなど、屋外での催しが中止となった。同市松の里1。電話029・829・8372▽農業・食品産業技術総合研究機構=4つの会場をバスで結んで公開された。ほとんどが施設内での催しだったことで、中止したイベントはわずかで済んだという。同市観音台3-1-1。電話029・838・8980。 タウンミーティング中止 【タウンミーティング】28日(土)、豊里地区を対象につくば市遠東、老人福祉センターとよさとで開催予定の「第13回タウンミーティング 会える市長」は開催を取り止め、延期とした。延期後の開催予定日は現時点で未定という。 学院大は社会人講座など中止 【学校】筑波学院大学(つくば市吾妻)は28日開催予定だった入試相談会、社会人講座「コミュニティカレッジ」の各講座、ちびっこ博士講座、学生サークル活動等を中止し、附属図書館を臨時閉館とした。 かっぱまつりは29日のみ 【第37回うしくかっぱ祭り】28日(土)、29日(日)の2日間、牛久市役所や花水木通りなどで開催予定だったが、28日(土)は全プログラムを中止する。29日(日)は予定通り午後0時30分~9時まで、よさこい鳴子踊りパレードや河童ばやし踊りパレードのほかステージイベントを開催する。午後3時~9時30分は踊りパレードが催される花水木通りなどは交通規制が実施される。問い合わせは電話029・874・5554(同市観光協会内のうしくかっぱ祭り実行委員会)

ホットな霞ケ浦のワカサギ漁「解禁」で市が立つ

【相澤冬樹】猛暑続きで水温上昇が懸念された霞ケ浦のワカサギ漁、解禁日の21日は昨年の倍近い漁獲となって、漁師や関係者はひとまずホッとするホットな滑り出しとなった。 ワカサギはひき網のトロール漁で採捕される。日中の暑さを避け早朝の操業となるが、長時間網を引き続けると魚体が傷むため、1時間程度で切り上げる。漁師の高齢化から、今夏は熱中症の懸念も高まっており、気温と水温の上昇が不安材料となる解禁を迎えた。 県霞ケ浦北浦水産事務所の調べだと、この日操業した漁船は霞ケ浦(西浦)140隻、北浦38隻だった。聞き取りによる1隻当たりの漁獲量の平均は霞ケ浦81.9キロ、北浦25.4キロで、いずれも昨年を倍前後上回り、200キロを超えた船もあり、総じて満足のいく漁果。昨季は霞ケ浦全体で100トンを割り込む不漁だっただけに、今年の漁に手応えを感じられる操業初日となった。 採れた魚は早速、生ワカサギや煮干しのパック詰めとなって出荷される。漁期は12月末までだが、全国の主要産地で夏場に漁を行うのは霞ケ浦(北浦含む)だけ。今の時期のワカサギは脂がのり、不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含むことから、「ナツワカ」として売り込みを図っている。 行方市にある道の駅たまつくりにある観光物産館「こいこい」では、漁師らでつくる霞ケ浦水産研究会による「わかさぎ解禁市」が開かれた。採れたてのナツワカを天ぷらなどにして販売したが、持ち込まれた量も昨年の1.5倍。日差しの強い屋外で、天ぷらに揚げていく作業は熱気が半端ない。 口にした来店客は「臭みがまるでなく、甘みも感じられる」と感想。霞ケ浦りんりんロードをやってきたサイクリストらが汗だくで揚げたてをほおばる姿が見られるなど、ホットな夏休み初日となった。

観光帆引き船運航始まる 霞ケ浦湖面を白い帆が走る

【谷島英里子】白く巨大な帆を張り、霞ケ浦の風を受けて進む帆引き船。21日、土浦市で観光帆引き船の運航が始まった。 帆引き船はシラウオやワカサギを獲る帆びき網漁のための船。帆は高さ9m、幅16mあり1880年に霞ケ浦町(現かすみがうら市)の折本良平氏によって考案された。 1967年ごろから漁の方法がトロール船に変わり、現在は観光用に運航され、見学船や沿岸から見ることができる。今年3月に「霞ケ浦の帆引網漁の技術」が国選択無形民俗文化財に選定された。 運航初日は、同日午後1時30分に土浦港を出た見学船から帆引き船2隻が帆を上げる雄姿が見られた。 霞ケ浦に面するかすみがうら市、行方市でも運航があり、9月16日(日)は「七色帆引き船」の操業が行われる。 ◆見学船の運航日時や料金などの問い合わせは土浦市観光協会(電話029・824・2810)まで。

40年ぶりの2人展 土浦市民ギャラリー

【鈴木萬里子】「安東克典×西丸式人(さいまる・のりと)二人展」がアルカス土浦(同市大和町)1階の土浦市民ギャラリーで開かれている。共に土浦一高、東京芸術大学で学んだ先輩西丸さんと後輩安東さんが、学生時代に1度だけ開催した二人展を40年後の今、再び開いた。現在2人は都内在住だが、故郷土浦に市民ギャラリーが誕生したことがきっかけで再び組むことになったという。 安東さんは人生の深みを描いた肖像画と心象風景を描いた色鉛筆画34点を、西丸さんは最新作を含む水彩画36点の計70点を展示している。 安東さんは資生堂宣伝部に所属し、デザイナー、アートディレクターとして「君のひとみは10000ボルト」など数々のキャンペーンに携わった経歴を持つ。2004年頃から水性色鉛筆で描く「心象画」を発表し、現在「生きる」をテーマに作品を描いているという。「一般に想像されるのとは違った、色鉛筆で重厚な作品作りをしていきたい」とも話していた。 西丸さんは水彩アーティストとして毎年、都内を始め各地で個展やグループ展を開いている。現在彩画会アスールを主宰し、多数の書籍出版がある。毎年国内外を問わず写生ツアーを主催している。開催初日の17日には東京教室の生徒を多数連れ、絵画鑑賞後に同市川口のラクスマリーナで写生会を実施したという。 土浦駅前にオープンしたばかりの同ギャラリーを見に来て同展に立ち寄ったという千葉県柏市と松戸市の70代の女性2人は「人物を描くのは難しいのに、やっぱりプロは違うと実感した。素晴らしい」「色彩がとてもきれい。作者の目線が面白い」と述べ「これからもプロの作品展があれば常磐線1本なので訪れたい」「駅もきれいだし1日楽しみたい」と話していた。土浦市の60代の男性は「絵の新鮮さ、いきの良さが感じられる」と話した。 ◆会期は22日(日)まで。開館時間は午前10時~午後6時(最終日は4時まで)。入場無料。作品は全て購入可能。原画だけでなく、デジタル印刷のジグレー版画も購入できる。問い合わせは安東さん(電話090・2331・1473)、西丸さん(電話03・3451・0345)

推薦入試にビブリオバトル 筑波大 知識情報・図書館学類

【田中めぐみ】筑波大学(つくば市天王台)情報学群知識情報・図書館学類は今年11月の推薦入試から、ビブリオバトル方式の面接を導入する。大学入試にビブリオバトルを導入するのは全国でも初の試みだ。 ビブリオバトルは、参加者が読んで面白いと思った本を順番に紹介し合い、最後に一番読みたくなった1冊(チャンプ本)を決めるコミュニケーションゲーム。近年では小学校から大学院まで、コミュニケーション能力を向上させる方法の一つとして授業などで導入されている。 同学類の募集定員は100人で、そのうち推薦入試は40人。ビブリオバトルの面接試験は1グループ4~6人の受験生で入室し、公式ルールにのっとって本のプレゼンテーションと質疑応答を行う。どのようなジャンルの本を選んで紹介するかは受験生に任されており、漫画や時刻表などを選んでもよいという。チャンプ本はグループの受験生の投票によって決められるが、チャンプ本になるかどうかは評価にはかかわらない。 同学類は昨年までの推薦入試で個別面接を実施してきた。しかし受験生は面接に向けて入念な準備をしてくるため、評価で差がつきにくい状況となっていたという。ビブリオバトルは、5分間の本の紹介を事前に準備できるが、質疑応答では臨機応変な対応力が必要となる。本の紹介からは表現力や論理性などによる説得力、質疑応答からは判断力や質問力、他者とのコミュニケーション力など、受験生を多角的な視点で評価することが可能だという。通常のグループディスカッションでは、発言権が得られなければアピールすることもできないが、ビブリオバトルでは各々5分の紹介時間が与えられるため、試験の公平性も高くなるという。 同学類は、インターネットや図書館など知識共有の仕組みの企画・運営やそれを支える情報システムについて学び、知識や情報の蓄積・流通の成り立ちやシステムのあり方を探求する。膨大な情報があふれる昨今、それらの情報をどのように収集、保存し有効活用するのか、包括的に学び、研究していくことが使命という。研究分野は政策、法律から情報システムまで多岐にわたり、幅広い視点を持って専門外の分野についても主体的に学んでいく姿勢を求めている。 歳森敦学類長は「文系、理系の枠に縛られず勉強してほしい。文系だから、理系だからと自分の能力を限定してしまうのではなく、教科を横断した視点を持ってほしい」と受験生にエールを送る。 同学類は一般入試や推薦入試の他、AC入試(自己推薦に基づく選抜)、国際バカロレア(大学入学資格が与えられる海外の教育プログラム)特別入試など様々な受験方式を設けることで、多様な能力、資質を持つ学生を幅広く受け入れる。 *ビブリオバトル公式ルール 1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。 2.順番に一人5分間で本を紹介する。 3.それぞれの発表の後に参加者全員で発表に関するディスカッションを2~3分行う。 4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを「チャンプ本」とする。 (知的書評合戦ビブリオバトル公式ウェブサイト http://www.bibliobattle.jp/ より引用)

生徒70人の水彩・色鉛筆画ずらり 県つくば美術館

【鈴木萬里子】「アトリエ・ハートタイム展ーこれから絵を始めたい人の為の水彩画と色鉛筆画の教室」が18日、県つくば美術館で始まった。主宰者の田中己永(みのり)さんは土浦、石岡、東京で水彩画の教室を多数持つ水彩画家で、書籍も複数出版している。才能、感性、基礎力に関係なく誰でも楽しく描ける技術の指導には定評がある。今回は田中さんと、色鉛筆画講師三上詩絵さん両方の生徒の作品を合わせた展覧会となっている。 同展の第1回は2007年に10人が参加して開かれた。今年で12回目となり、参加者も約70人と大幅に増えた。今展の作品は一人2~3点を出品し、水彩画174点、パステル画と色鉛筆画の39点、計213点が展示されている。来場した阿見町の80代女性は一つひとつ丁寧に見て回り「昨年より作品がのびのびとしていてとても良い。題材の選び方にも個性が良く出ている」と述べた。友人の作品を見にきたつくば市の60代女性は「プロを超えた素人と感じる作品が何点もあって見応えがある」と話していた。 田中さんの教室はリタイアして第2の人生を楽しむ人が多くいることから、楽に描ける、誰でも描ける描き方を教えている。意外と難しいオーソドックスなデッサンはやらないという。田中さんは「光と影が表現出来れば良しとしている。夢中になって遊ぶ子どものように、絵に夢中になり一歩ずつ達成感を味わえるように教えていきたい」と話した。三上さんは「作品展を見て教室に入った生徒が多い」と語り「色鉛筆でも絵画的な表現ができる。入り口は楽だが描くと奥が深く、どんな表現でも出来る色鉛筆画を見てほしい」と話していた。 ◆会期は22日(日)まで。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は3時まで)。田中さんと三上さんがが実際に絵をかくデモンストレーションが20日(金)午前10時~正午(色鉛筆画)と午後2時~4時(水彩画)に実施される。問い合わせは田中さん(電話090・1203・2439)。入場無料

「ナツワカ」うだる? 霞ケ浦ワカサギ漁21日解禁

【相澤冬樹】連日の猛暑から霞ケ浦の水温も上がって、21日解禁となるワカサギ漁への影響が気遣われている。今の時期のワカサギは、魚体は小さいものの脂がのり、栄養豊富な初物「ナツワカ」として珍重される。ところが梅雨明け後の気温の上昇で、水温も湖の表層部で軒並み30度を超えた。水温が高いとワカサギの食欲も減じて漁獲量に響く。試験操業の結果から、不漁だった昨季の挽回が期待された今シーズンだったが、いきなり暗雲が垂れ込めてきた。 霞ケ浦(北浦含む)で21日解禁となるのは、ワガサギ・シラウオひき網漁業(トロール)。漁期は12月末までで、昨年の解禁日には199隻が出漁した。このうちワカサギについては、ほぼ霞ケ浦産が占める茨城県内の漁獲量は全国3~4位で推移し、一時の低迷を脱した。2000年に51トンにまで落ち込んだが05年から16年までは12年連続100トン以上を記録した。 全国の産地で夏場に操業を行うのは霞ケ浦だけのため、県は霞ケ浦北浦水産振興協議会を通じ「ナツワカ」として売り出しを図ってきた。不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含むのがウリだ。今季は「平成最後のナツワカ」と力を入れた。 ここで不安は天候不順。安定していた漁獲が2017年に92トンに減少したのも気象条件に左右された。県の水産試験場内水面支場(行方市)は、「冷夏と日照不足で記憶される昨年だが、実はワカサギの生長期である解禁前の7月までは日照時間が長く、降水量が少ない展開だった。エサとなるワムシなど湖内の動物プランクトンも減少して生育環境が整わなかった」のを不漁の原因とみる。 今季は同試験場が7月3日と4日に漁期前調査を行い、魚体のサイズは5.4センチ平均と小さめだが、エサの量は十分にあるため「100トン以上には回復しそうだ」との見通しを示した。ところがここに来て連日の猛暑、水温もウナギ上りで、表層の水温が軒並み30度を超えた。ワカサギは水温が27度を超えるとエサを食べなくなり、魚体が大きくならない。まだへい死など影響は出ていないが、天候不順に正直に反応するサカナなのだ。 21日にわかさぎ解禁市開催 解禁初日の漁は、霞ケ浦で21日午前3時30分から5時まで、北浦で同4時から8時まで。漁師らでつくる霞ケ浦水産研究会は同日午前11時から、行方市の道の駅たまつくりにある観光物産館「こいこい」で「わかさぎ解禁市」を開く。採れたてのナツワカを天ぷらなどにして販売する。売り切れ次第終了というから、出足の漁獲高が注目される。 ▷解禁市の問い合わせは、道の駅たまつくり観光物産館「こいこい」電話0299-36-2781

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《映画探偵団》33 つくばセンタービル 磯崎新の設計思想

【コラム・冠木新市】東京ディズニーランドのシンボル、シンデレラ城が新型コロナウイルスで休園中に改修された。シンデレラ城は、ドイツのバイエルン国王ルードウィッヒⅡ世によって創られたノイシュバンシュタイン城をモデルにしたものである。東京ディズニーランドと同じく1983年に完成した「つくばセンタービル」も、実はノイシュバンシュタイン城の影響を受けて創られている。 「狂王ルードウィッヒが純粋に快楽のために建設したこの折衷主義のあだ花、キッチュの権化ともいうべきノイシュバンシュタインは、いまでは確実にポピュリズムの核心にある。《つくばセンタービル》の複合体が独自の象徴作用をなすためには、私はキッチュ的な要素の使用も辞すまい、と考えたことも事実である」「私はノイシュバンシュタイン的なものへ接近する道を歩んでいたのかもしれない」(磯崎新編著『建築のパフオーマンス』PARCO出版局) 「こんな面白いところが、入場料もとらずに開放されているなんて、信じられない」と言った人がいた。私も30年ほど前から、毎日のようにセンタービルを眺めてきたが、見飽きないし、少しも古びないのは驚きである。晴れた日には、3棟のビルの表面がきらきら輝き、美しいかぎりだ。さらに、1000人以上入るホールがあるのに、巨大さを感じさせないのはなぜだろうか。 なかでも中央の楕円形の広場、いや、庭は実に刺激的だ。何もない空間だからである。だが、東洋的なこの庭は、西洋的な3棟の建物を際立たせている。しかし、権力、財力、名誉を求める人にとっては、廃墟をイメージするような空間は腹立たしさを覚えるのに違いない。力を暗示するシンボルが存在しないからである。 霞ケ浦を模した階段から流れる水は、つくば市の位置に相応する中央へと流れ落ちる。センタービルの空っぽの庭は、創造性を触発する器であり、水が主役なのである。私などは、崩れかけたような岩山に大魔神が埋め込まれているのではないかと、つい想像してしまう。 大映の『大魔神』ドーム屋根案を踏み壊す?

新品種導入も推奨 イネ縞葉枯病対策で県

【山崎実】つくば市や筑西市など県南、県西の一部地域で発生が多くみられるイネ縞葉枯(しまはがれ)病対策として茨城県は、従来からの薬剤散布などによる防除対策に加え、水稲新品種の「にじのきらめき」や「ふくまるSL」などの抵抗性品種の導入を進めていく。 イネ縞葉枯病は、体長3~4ミリの害虫ヒメトビウンカに媒介されるウイルス病で、発病すると生育不良となり、イネが実らなくなって減収となる。 県は保毒虫率(ウイルスを持った虫の割合)5%以上を薬剤防除の目安にしている。県南、県西地域のつくば市や筑西市などで行った調査では、一部地域でいずれも5%を超え、次作でも多発可能性が高いことから、抜本的な対策が必要とされていた。 この問題は県議会第2回定例会でも議論に上り、県は①育苗期や生育期間中の薬剤散布②収穫後の田起こしや畝(うね)の雑草除去③抵抗性品種への転換ーの具体策を提示した。今後は防除対策が地域全体の取り組みとして行われるよう、薬剤散布や田起こし、雑草除去など複数の対策を組み合わせて行う従来の方法と、抵抗性品種への転換の2つの方法について効果を検証し、多発地域を指導していく考えを明らかにした。 特に抵抗性品種の導入は、栃木県や埼玉県で効果があったとされ、県も有効な被害軽減策と位置付けている。 農研機構が育成した「にじのきらめき」は「コシヒカリ」よりやや遅い収穫期の品種で、倒れにくく、収量も多い。縞葉枯病に抵抗性で、高温でもよく実り、コメの外観品質が良く「コシヒカリ」と同等のおいしさ。ブランド米に並ぶ食味と安定多収性で、外食・中食用途への利用が期待されている。

筑波山・霞ケ浦を稼げる観光地へ 遊べる旅行企画など募集

【山崎実】茨城県は、筑波山・霞ケ浦広域エリア観光連携促進事業を2018年度から3カ年計画で進めている。現在、両地域の観光資源を生かした「土産品・グルメ」「アクティビティーコンテンツ」の新商品開発プランを募集している。 観光連携の新たな魅力創出と、稼げる観光地域づくり促進が狙いで、選定されたプランには補助金の交付、販売支援などが行われる。 募集は▽新たな定番商品の開発▽アクティビティー(遊べる)ツアープログラム企画の開発ーの2部門。定番商品の開発では、観光目的の大きな要因である「食(グルメ)」、地域を代表する新たな「土産品」を募集する。既存商品の味やデザイン、パッケージなどに工夫・改良を加えたものも応募可能とする。採択は4件程度を予定し最大補助額は75万円。 アクティビティー・ツアープログラム企画開発部門は、アウトドア層を対象に、地域の観光資源を活用した新たな「ツアープログラム」を募集する。採択は2件程度で最大補助額は50万円。 応募資格は新商品の企画・開発をめざす個人、法人、グループなど。「土産品・グルメ」提案部門は県内に事業所をもっていることが条件だが、アウトドア層向けの企画開発の提案は、事業所の所在地は問わない。 応募締め切りは8月21日。同月下旬に書類審査、9月にプレゼンテーション審査を行い、商品開発を実施。来年2月に成果報告会を予定している。

《雑記録》13 アメリカ大統領選挙・雑感

【コラム・瀧田薫】2013年1月、再選されたオバマ大統領は2度目の就任式に臨み、リンカーン大統領と公民権運動の指導者キング牧師が愛用した聖書に手を置いて就任の宣誓をした。このパフォーマンスにこめられた政治的意図は、アメリカ建国以来の宿痾(しゅくあ)である人種差別を解消し、分断された社会に調和と協調をもたらすことにあった。しかし、不幸なことに、アメリカ初の黒人大統領の願いは実らず、トランプ大統領の登場以降、アメリカ社会の分断はむしろ拡大の一途を辿(たど)っている。 今年11月、トランプ大統領は再選をめざして民主党候補バイデン氏とたたかう。現時点(7月2日)で、大方の専門家の予想はバイデン氏有利としているが、前回選挙同様、予断を許さない。それはさておき、ここまでの選挙運動を通じて目立った動きは、オバマ氏が前職大統領としては異例なほどにバイデン氏に肩入れし、支援する姿勢を見せていることだ。トランプ氏が再選されれば、アメリカ建国以来の理想(自由、民主主義、人権など)の崩壊につながるとの危機感が彼の背中を押しているに違いない。 2020年5月25日、米中西部ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官が黒人男性の首を膝で押さえ続けて死亡させる事件が起きた。この映像がネットを通じて拡散されると、全米各地で人種差別に抗議するデモが発生し、時間の経過とともに、デモは人種差別に対する抗議の域を超えて、米国社会に残る「構造的な差別」の根絶を訴える運動へと展開しつつある。黒人奴隷制度と先住民からの収奪のうえに繁栄を遂げた米国の歴史そのものを見つめ直す議論も始まっている。 南北戦争のトラウマが大統領選に影響 一例をあげれば、南部ミシシッピ州議会(上下院ともに共和党が多数を占める)は、南北戦争(1861年)で南軍が使用した旗をあしらった州旗を廃止する法案を圧倒的な多数で可決した。アメリカの全州の旗から南軍旗のデザインは消え去ることになる。アメリカで、何かが動き始めたようだ。 筆者は、過去何回かの米国大統領選挙について、毎回同じ仮説上に立って分析を試みてきた。すなわち、「南北戦争」(同じ国民同士が殺し合った記憶)のトラウマが大統領選挙の結果に影響を及ぼすのだが、その影響の出方(強弱)は選挙ごとに異なるという仮説である。例えば、オバマ氏の選挙の時よりもトランプ氏の選挙の時に「分断国家」のトラウマはより強く出た。分析の手法としては実に単純で、南軍に参加した州と北軍に参加した州それぞれにおける投票行動(誰に投票したか)を比較する。