月曜日, 6月 5, 2023
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初級者にも本格派にも つくば流星台にスケードボードパーク

初中級者向けのスケードボート施設「流星台スケードボードパーク」が30日、つくば市流星台にオープンした。スケートボード人口の増加に伴う要望を受けて、市が総事業費約5000万円で整備した。初級者向けの平らなゾーンと、湾曲した滑走面などで本格的な競技が楽しめる2つのゾーンを備える。 旧桜庁舎近く、面積約760平方メートルで設けられた。市内の本格的なスケートボード施設は、大舟戸、古来、南中妻にある民間の3施設に続いて4カ所目。公設施設は東京五輪で日本選手が活躍したことなどをきっかけに、笠間市のムラサキパークかさまのほか、坂東市、境町、など県内各地に相次いで整備されている。 年内にナイター設備も つくば市の施設は18歳未満は無料、18歳以上は1回200円(税込み)で利用でき、年間約3000人程度の利用を見込んでいる。利用料金は近隣の同規模の公設施設と合わせたという。用具は持ち込みが必要。利用時間は5~8月は午前9時から午後7時、9月以降は午後5時まで。12月までにさらにナイター照明を設置する計画で、照明設置後は夜9時まで利用できるという。 30日には、五十嵐立青市長やヘイズ・ジョン県議、市内のスケートボード愛好者らが参加してオープニングイベントが開かれた。五十嵐市長は「ヘイズさんがしつこく、しつこく市議会で言ってくれ、いろんな人が言ってくれ、すばらしいコースができた。つくばのスケードボードコミュニティーからいろいろなつながりができれば」などと話した。

女子フルは松村幸栄が大会新で初V かすみがうらマラソン

第33回かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2023(土浦市など主催)は16日、土浦市川口の川口運動公園J:COMフィールド土浦を発着点に開催された。フルマラソン、10マイル(約16キロ)、5キロの各部門と同時開催のウオーキングを合わせ1万4056人がエントリーし、春の日差しの中で健脚を競った。 女子フルマラソンは、松村幸栄(34=コモディイイダ)が2時間39分17秒の大会新記録で初優勝した。ゴール後、「優勝は久しぶり。記録を塗り替えたことに自信を持ち、夏や冬に挑みたい」と第一声。かすみがうらは初参加で、コースを走るのも初めて。「前半はアップダウンが多いので、行きたい気持ちを我慢して足を貯めて、湖面が見えた25キロ過ぎから気持ちを切り替えた」。20メートルほどの差でトップを走っていたのは、大会3連覇中の藤沢舞(48=札幌エクセルAC)。30キロ過ぎで追い越すと、さらにエンジンをかけた。 フルマラソン女子、松村幸栄のフィニッシュ スタート時は厚い雲に覆われていた空も、20キロくらいから日差しが出て気温も上昇。「コースには日陰がないので、給水ポイントごとに体に水をかけてしのぎ、優勝者特典のシドニーマラソン派遣を目の前にぶら下げて、気持ちを振るい立たせた」という。今年はここまで月1回のペースでフルマラソンに参加。「常にベストを出せるよう、自分の弱い部分と向き合いながら、苦しいところでもう一度踏ん張れる走りをしていきたい」と挑戦を続けている。 男子は独走でベンジャミン

開幕戦敗れる 茨城アストロプラネッツ

埼玉に降雨コールド プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは8日、龍ケ崎市松ケ丘のTOKIWAスタジアム龍ケ崎で、今季開幕戦として埼玉武蔵ヒートベアーズ(本拠地熊谷市)と対戦し、6回途中降雨コールドにより0-9で敗戦。今季就任の伊藤悠一監督は、公式戦初采配を勝利で飾ることができなかった。 【ルートインBCリーグ2023公式戦】茨城アストロプラネッツ-埼玉武蔵ヒートベアーズ(4月8日、TOKIWAスタジアム龍ケ崎)埼玉 530 001 9茨城 000 00  0(6回途中 降雨コールド) 茨城の先発は二宮衣沙貴。昨季10勝を挙げたエースだが、この日は立ち上がりから相手の勢いに飲まれた。1、2番に2連打を浴び、四球で満塁にされると、2点タイムリーと3点本塁打でいきなり5点を失う。埼玉は下位打線でも小柄な選手でも、パンチのある打球をフェンス際まで運び、チャンスを拡大した。 「ホームランを打たれたのは甘いスライダー。自分としては決して状態は悪くなかったが、ボールが先行し、本来の投球スタイルができなかった」と二宮。「打者を早い段階で追い込みたかったが、ストライクを取った後の球が緩くなり、浮いた球が打たれてしまった」と話すのは霞ケ浦高出身の捕手、日渡騰輝。

はやく、楽しく、かっこよく つくばで関彰商事「走り方教室」

グループ企業の社員とその子どもたちを対象にした「セキショウ走り方教室」が3日、つくば市天王台の筑波大学中央体育館で開かれた。関彰商事(本社・筑西市、つくば市、関正樹社長)所属のアスリート社員が「はやく、楽しく、かっこよく」走れるようになる方法を伝授した。 同社は身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることをさす「ウェルビーイング」の考え方を取り入れた企業活動を展開している。今回は、つくば市といわき市の2会場で開催され、つくば会場では小学生を中心とする約20組の親子が参加した。共催は、1日に改組によりスタートしたばかりの筑波大学体育スポーツ局。 講師はセキショウアスリートクラブONE所属、100mハードルで全日本選手権3位などの戦績を持つ広報部の相馬絵里子さん。準備運動から始まり、走り方の基本を順を追って指導していった。 両足ジャンプで、地面の力をもらう感覚をつかむ練習 走るときの姿勢で「いちばん大事なのは、地面から力をもらうこと」と相馬さん。地面に足をついたとき、地面から受ける反発力を利用し、それを前へ進む力に変えるのだそうだ。そのためには、なるべくひざをまっすぐ伸ばしたまま、かかとからではなく足全体で、バンと大きな音が出るようにつく。このとき、もう片方の足はももを水平に上げ、爪先も上げておく。 腕の振り方は「前の手は自分の鼻、後ろの手はズボンのポッケの横」。これは脇を締め、腕を曲げたまま振るためのアドバイスだそうだ。こうしてだんだんと実際の走りへと近付けていき、最後は体育館の端から端まで全力でダッシュした。

開幕戦、男女共に勝利 つくばFC

つくば市を本拠地とするサッカークラブ、つくばFCの男女各トップチームが1日、ホームグラウンドのセキショウチャレンジスタジアム(つくば市山木)で今季開幕戦を迎えた。プレナスなでしこリーグ2部開幕戦の女子は1-0、関東リーグの男子は3-1でともに勝利を挙げ、幸先の良いスタートを切ることができた。 新加入の2人が決勝点 女子 2023プレナスなでしこリーグ2部第1節(4月1日、セキショウチャレンジスタジアム)つくばFCレディース 1―0 ノルディーア北海道前半0-0後半1-0 つくばFCレディースは、昨季2戦2分と拮抗した勝負を繰り広げたノルディーア北海道(札幌市)に対し、前後半合わせて19本のシュートの雨を降らせ、被シュートはわずか2本に抑えるという圧倒的な試合を見せた。 「選手が走り続け、走りきるサッカーができた。開幕戦でみんな緊張しているので、トレーニングでやってきたことをやりきろうと声をかけた。一人一人のキャラクターを生かし、毎回違うヒロインが出てくるようなサッカーがしたい」と、白馬聡監督のコメント。

ホームで今季の有終飾る サンガイア

バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地つくば市)は今季最終戦の26日、つくば市竹園のつくばカピオアリーナで大同特殊鋼(本拠地名古屋市)と対戦し、セットカウント3-2で勝利した。これで通算成績11勝15敗、10チーム中8位で今季を終えた。この試合でVリーグ通算231試合出場を果たした瀧澤陽紀が現役引退を発表した。 2022-23 Vリーグ2部男子(3月26日、つくばカピオアリーナ)つくば 3-2 大同特殊鋼25-2025-2329-3123-2515-13 つくばは危なげない立ち上がりで第1、第2セットを連取。セッター于垚辰の緩急あるトス回しとレフトの架谷也斗、ミドルの松田康河らの息がピタリと合った。 第1セット、得点に喜ぶ于(中央)ら(同) 于は今季入団、中国代表の主将も務めた経験がある。高いトスや低くて速いトスを巧みに使い分け、196センチの身長を生かしたブロックやツーアタックも得意とする。

聖地「イチグラ」お披露目 筑波大サッカー場改修完了 

人工芝の全面改修が完了した筑波大学(つくば市天王台)第一サッカー場が16日披露された。披露式典のあいさつに立った永田恭介学長は、「聖地『イチグラ(第一サッカー場のこと)』が新しい形で戻ってきた。(日本代表の)三苫選手や谷口選手をしのぐ選手が出てきてくれることを願っている」と祝辞を述べた。改修事業は今年、前身の師範学校創基から 151 年、大学開学 50 年を迎える同大記念プロジェクトの一環。 同大蹴球部は、1896(明治29)年に設立された高等師範学校フートボール部にはじまる127年の歴史を持つ日本最古のサッカーチーム。ワールドカップカタール大会に出場した三苫薫選手や谷口彰悟選手など、日本を代表する選手を多数輩出してきた。 一方で、開学と同じ1973年につくられた同サッカー場は、2004年に張り替えられた人工芝の劣化が進み、グラウンドの衝撃吸収や安定性が日本サッカー協会による基準値を下回るなど、練習環境としての安全性の低さが指摘されていた。人工芝がはがれた箇所でつまづくなどし、怪我をする部員も出ていた。その中で持ち上がったのが、今回の人工芝の全面的な改修事業だった。同大によると、改修にかかった約7000万円のうち、クラウドファンディングと寄付で4000万円、残りを地元企業などからの支援と大学の資金で賄った。 中山雅史さんら、協力呼び掛け 今回の改修事業への協力の呼び掛けには、現在J3アスルクラロ沼津で監督を務める元日本代表の中山雅史さんら、多数のOB、OGが協力した。学生が中心となりクラウドファンディングも立ち上がった。クラウドファンディングでは、想定していた1000万円を大きく上回る約1800万円が集まった。

つくばFC 男女とも勝利 開幕前にプレシーズンマッチ

つくば市を本拠地とするサッカークラブ、つくばFCの男女各トップチームが12日、ホームグラウンドのセキショウチャレンジスタジアム(つくば市山木)でプレシーズンマッチを開催。男女とも勝利を挙げ、4月1日のシーズン開幕に向けはずみを付けた。この日はつくば市民ファン感謝デーとして観戦無料、試合の合間には親子サッカー教室のイベントも開かれた。 つくばFC 2023プレシーズンマッチ(3月12日、セキショウチャレンジスタジアム)第1試合 つくばFCレディース 2―1 筑波大学女子サッカー部前半0-1後半2-0 【つくばFCレディース―筑波大学女子サッカー部】後半40分、赤嶺が勝ち越しのゴールを決める 第1試合は女子のつくばFCレディース(なでしこリーグ2部)と筑波大学女子サッカー部(関東大学女子サッカーリーグ1部、関東女子サッカーリーグ1部)の対戦。前半11分、筑波大がMF山田美優羽のミドルシュートで先制するが、つくばFCは後半10分、MF赤嶺美月のミドルシュートで同点とする。さらに後半40分、FW三浦晴香の左クロスに中央で赤嶺が合わせ、つくばFCが逆転に成功。赤嶺は今季、日本女子サッカーリーグのディアヴォロッソ広島から移籍、三浦は浦和レッズレディースユース出身で日本体育大学を卒業し入団。新戦力2人がさっそく結果を出した。 赤嶺は「前半先制されてしまい、その後も苦しい時間帯があったが、チャンスもつくれていたので、絶対逆転できると声をかけ合って後半に臨んだ。自分はサイドからの攻撃やアシストが得意なので、チャンスにつなげ、上位争いに貢献できるよう成長していきたい」とコメントした。

サンガイア フルセットで力尽きる 

本拠地つくばで今季初試合 バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地つくば市)は18日、つくば市竹園のつくばカピオアリーナでヴィアティン三重(本拠地桑名市)と対戦し、セットカウント2-3で敗れた。シーズン後半戦に突入し本拠地つくばで今季初試合となったが、地元ファンに勝利を届けることはできなかった、これでつくばは9勝7敗で10チーム中6位。19日は同会場で首位のヴォレアス北海道と対戦する。 2022-23 Vリーグ2部男子(2月18日、つくばカピオアリーナ)つくば 2-3 三重27-2925-2725-1725-2315-17 今節は4位と5位の直接対決。セット率で三重が上回るものの共に9勝6敗同士で、順位を上げるチャンスだった。「前回対戦ではストレート負けを喫した相手。ホームゲームなので絶対に勝つという気持ちで対策してきた」と、つくばの新垣東麻主将。 ゲームプランとしては、相手エースの三好佳介らミドルブロッカーに仕事をさせず、サイド勝負に持ち込むこと。サーブで攻めて陣形を崩し、相手に良い状態で打たせず、切り返しからのコンビネーションで得点するという形だった。

ロボッツ春の気配漂う 今季3度目の3連勝

男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツは11、12日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで新潟アルビレックスBBと対戦。11日は93-74、12日は94-76で連勝した。これで通算成績は14勝24敗で東地区6位。今季3度目の3連勝となった。 2022-23 B1リーグ戦(2月12日、アダストリアみとアリーナ)茨城ロボッツ 94-76 新潟アルビレックスBB茨城|28|22|19|25|=94新潟|20|12|25|19|=76 12日の試合は第1クオーター(Q)から茨城がスタートダッシュを決めた。特に山口颯人が最初の5分間で3点シュート3本と速攻1本を決め、8点を奪う活躍。「ウオームアップでは最後まで入らなかったが、試合ではうまく行く気がしていた。強い気持ちで打てば入るんだなと思った」と山口の感想。 この日、5本中4本の3点シュートを決めた山口。ユニフォームは水戸の梅まつりにちなんだシティ・エディションを着用(同) 第2Q、茨城はこまめに選手を入れ替えながらも、つけ入る隙を与えず、相手のやや雑な攻撃にも助けられ、最大21点差をつけるなどリードを伸ばし前半を終了。

合言葉は「限界突破」 茨城アストロプラネッツ2023新体制

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは5日、笠間市福田の球団事務所体育館で、2023シーズンの新体制発表イベントを行った。伊藤悠一新監督や新入団選手らが抱負などを語った。 「個性を高めてチーム力つける」 アストロプラネッツの今季スローガンは「限界突破」。伊藤監督は「個人個人が爆発的レベルアップを目指す。全員が次のステージを目指して個性を高めていけば、結果としてチームも強くなっていく」と話し、「他のチームとは目標設定が真逆。個人の育成が第一で、そのプロセスの中でチームを勝利に導く。これが決して矛盾ではないことを、地方から社会へ示していきたい」と解説した。 球団方針説明では、今季就任の河西智之副社長が登壇。独立リーグの「革命児」として、①グランドチャンピオンシップ優勝②NPBドラフト最多指名数③最多入場者数ーの3つの日本一を目標に掲げた。さらに、海外との連携強化としてタイプロジェクトの推進や台湾プロ野球との交流戦などを構想。2024年度からチーム数が拡大する見通しの日本プロ野球(NPB)2軍リーグ戦にも、参入を目指す意向を明かした。 目標は「甲斐キャノン」超え 日渡騰輝選手

公認競技場の存在意義 筑波大陸上競技場(下)

筑波大学陸上競技場(つくば市天王台)が日本陸連の公認を必要とする理由は何か。同大陸上競技部前副主将の伊藤海斗さん、同じく学年代表の池田涼香さんは、同競技場で開催される競技会が、同大陸上競技部の活動に大きく関わるだけでなく、地域の競技者にとっても、主要大会への出場資格となる公認記録を得るための貴重な機会となっていると話す。 競技会は地域貢献にも 陸上競技で、県大会や全国大会などの主要な大会に出場するには、多くの場合、参加標準記録の突破が条件になる。必要な公認記録を取ることができるのは、公認の競技場で開催されるなど一定の条件で開催された競技会に限られる。 同大陸上競技場では年十数回の競技会を開催している。このうち筑波大学競技会は、コロナ前は県内外から毎回5000人ほど、年間にしてのべ約3万人の参加者があった。 主に外部の中高生や一般競技者が記録を取得するための競技会で、同大陸上競技部が運営している。陸上競技の各種目をフルで行う場合、公認審判員や計測員、記録員などの大会係員がのべ200人ほど必要だ。これらの人的資源を学生の協力で賄えるのが大学競技会の利点であり、学生が自力で通える大学の競技場だからこそ可能になる。

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博物館の歴史論争拒否、土浦市法務が助言 《吾妻カガミ》159

【コラム・坂本栄】今回は158「土浦市立博物館が郷土史論争を拒絶!」(5月29日掲載)の続きになります。市立博物館と本堂清氏の郷土史論争。博物館の論争拒否に対し、本堂氏は「(博物館がそう出るなら同施設を管轄する)市教育長に検討申請書を提出する」と反発しており、エスカレートしそうな雲行きです。 また取材の過程で、本堂氏を門前払いするようアドバイスしたのが市の法務部署であったと聞き、土浦市の博物館マネジメントにも唖然(あぜん)としました。論争を挑む本堂氏をクレーマー(苦情を言う人)並みに扱うよう指導したわけですから。 郷土史をめぐる主な論争は3点 私は中世史に疎いこともあり、市立博物館(糸賀茂男館長)の学芸員にこの論争の要点を整理してもらいました。 いつから山の荘と呼ばれたか ▼本堂氏:『新編常陸国史』(国学者中山信名=1787~1836=が著した常陸国の総合史誌)の記述からも明らかなように、「山の荘」(土浦市北部の筑波山系地域)の名称は古代からあったのに、博物館は同歴史書の記述を無視して同名称を古代史から抹消した。

阿見町の予科練平和記念館 《日本一の湖のほとりにある街の話》12

【コラム・若田部哲】終戦直前の1945年6月10日。この日は、阿見・土浦にとって決して忘れてはならない一日となりました。当時、阿見は霞ヶ浦海軍航空隊を有する軍事上の一大重要拠点でした。そのため、B29による大規模爆撃を受けることとなったのです。当時の様子は、阿見町は予科練平和記念館の展示「窮迫(きゅうはく)」にて、関係者の方々の証言と、再現映像で見ることができます。今回はこの「阿見大空襲」について、同館学芸員の山下さんにお話を伺いました。 折悪くその日は日曜日であったため面会人も多く、賑わいを見せていたそうです。そして午前8時頃。グアム及びテニアン島から、推計約360トンに及ぶ250キロ爆弾を搭載した、空が暗くなるほどのB29の大編隊が飛来し、広大な基地は赤く燃え上がったと言います。付近の防空壕(ごう)に退避した予科練生も、爆発により壕ごと生き埋めとなりました。 負傷者・死亡者は、家の戸板を担架代わりに、土浦市の土浦海軍航空隊適性部(現在の土浦第三高等学校の場所)へと運ばれました。4人組で1人の負傷者を運んだそうですが、ともに修練に明け暮れた仲間を戸板で運ぶ少年たちの胸中はいかばかりだったかと思うと、言葉もありません。負傷者のあまりの多さに、近隣の家々の戸板はほとんど無くなってしまったほどだそうです。 展示での証言は酸鼻を極めます。当時予科練生だった男性は「友人が吹き飛ばされ、ヘルメットが脱げているように見えたが、それは飛び出てしまった脳だった。こぼれてしまった脳を戻してあげたら、何とかなるんじゃないか。そう思って唯々その脳を手で拾い上げ頭蓋に戻した」と語ります。また土浦海軍航空隊で看護婦をしていた女性は「尻が無くなった人。足がもげた人。頭だけの遺体。頭の無くなった遺体。そんな惨状が広がっていた」と話します。 累々たる屍と無数の慟哭 この空襲により、予科練生等281人と民間人を合わせて300名以上の方々が命を落とされました。遺体は適性部と、その隣の法泉寺で荼毘(だび)に付されましたが、その数の多さから弔い終わるまで数日間を要したそうです。

牛久沼近くで谷田川越水 つくば市森の里北

台風2号と前線の活発化に伴う2日からの降雨で、つくば市を流れる谷田川は3日昼前、左岸の同市森の里の北側で越水し、隣接の住宅団地、森の里団地内の道路2カ所が冠水した。住宅への床上浸水の被害はないが、床下浸水については調査中という。 つくば市消防本部南消防署によると、3日午前11時42分に消防に通報があり、南消防署と茎崎分署の消防署員約25人と消防団員約35人の計約60人が、堤防脇の浸水した水田の道路脇に約100メートルにわたって土のうを積み、水をせき止めた。一方、越水した水が、隣接の森の里団地に流れ込み、道路2カ所が冠水して通行できなくなった。同日午後5時時点で消防署員による排水作業が続いている。 越水した谷田川の水が流れ込み、冠水した道路から水を排水する消防署員=3日午後4時45分ごろ、つくば市森の里 市は3日午後0時30分、茎崎中とふれあいプラザの2カ所に避難所を開設。計22人が一時避難したが、午後4時以降は全員が帰宅したという。 2日から3日午前10時までに、牛久沼に流入する谷田川の茎崎橋付近で累計251ミリの雨量があり、午前11時に水位が2.50メートルに上昇、午後2時に2.54メートルまで上昇し、その後、水位の上昇は止まっている。 南消防署と茎崎分署は3日午後5時以降も、水位に対する警戒と冠水した道路の排水作業を続けている。

論文もパネルで「CONNECT展」 筑波大芸術系学生らの受賞作集める

筑波大学(つくば市天王台)で芸術を学んだ学生らの作品を展示する「CONNECT(コネクト)展Ⅶ(セブン)」が3日、つくば市二の宮のスタジオ’Sで始まった。2022年度の卒業・修了研究の中から特に優れた作品と論文を展示するもので、今年で7回目の開催。18日まで、筑波大賞と茗渓会賞を受賞した6人の6作品と2人の論文のほか、19人の研究をタペストリー展示で紹介する。 展示の6作品は、芸術賞を受賞した寺田開さんの版画「Viewpoints(ビューポインツ)」、粘辰遠さんの工芸「イージーチェア」、茗渓会賞授賞の夏陸嘉さんの漫画「日曜日食日」など。いずれも筑波大のアートコレクションに新しく収蔵される。芸術賞を受賞した今泉優子さんの修了研究「樹木葬墓地の多角的評価に基づく埋葬空間の可能性に関する研究」は製本された論文とパネル、茗渓会賞を受賞した永井春雅くららさんの卒業研究「生命の種」はパネルのみで展示されている。 スタジオ’S担当コーディネーターの浅野恵さんは「今年は論文のパネル展示が2作品あり見ごたえ、読みごたえがある。版画作品2作品の受賞、漫画の受賞も珍しい。楽しんでいただけるのでは」と来場を呼び掛ける。 筑波大学芸術賞は芸術専門学群の卒業研究と大学院博士前期課程芸術専攻と芸術学学位プログラムの修了研究の中から、特に優れた作品と論文に授与される。また同窓会「茗渓会」が茗渓会賞を授与している。 展覧会は関彰商事と筑波大学芸術系が主催。両者は2016年から連携し「CONNECT- 関(かかわる)・ 繋(つながる)・ 波(はきゅうする)」というコンセプトを掲げ、芸術活動を支援する協働プロジェクトを企画運営している。 (田中めぐみ)