火曜日, 11月 24, 2020

玉置晋

《食う寝る宇宙》69 オンラインで宇宙講演会

【コラム・玉置晋】今年は、新型コロナの影響でリモートワークをしている方も多いかと思いますが、講演会も軒並みオンライン開催になっています。 先日、オンラインサロン「Remote Campus(通称リモキャン)」で講演させていただく機会がありました。リモキャンは、水戸市出身の会社員、永田聡さんたちにより、今年3月に立ち上げられました。以来、ほぼ毎日、子どもから大人まで登壇しています。会場を使った講演ではなく、すべてインターネット上での講演です。 僕は今年4月に宇宙ビジネスサロンABLabで「宇宙天気プロジェクト」を立上げました(コラム64参照)。そこでは、「宇宙天気キャスタ」や「宇宙天気インタプリタ」(コラム49 、コラム50参照)といった、社会の現場で草の根的に活動する、宇宙天気の知見を持った人材の発掘を行っていることに触れました。 オンライン講演会では、聞き手も発言することができます。また、チャットを用いて文字入力も可能なので、議論が成立します。これらの機能を使って、様々な立場の方々と白熱した議論を行うことができました。 講師側はボコボコにされることもありますので、ちょっと恐ろしい機能ではありますが、有益なコメントを得ることもできます。原因はどうあれ、おうちで宇宙講演会を楽しめる時代になったのは、なかなか素敵だと思います。

《食う寝る宇宙》68 コロナの穴から風が吹く

【コラム・玉置晋】今、地球の人々を困らせているコロナウィルスを顕微鏡でみると、球形の周りに枝のようなものが放射状に拡がっているように見えます。もともと、コロナという名前の由来は太陽の外側の大気層からきています。 僕らが肉眼で見ている太陽は6000℃の光球です。その外側に10万℃の彩層と呼ばれる領域があり、その外側が100万℃のコロナです。特殊な観測機器を使わない限り、コロナを見ることはできません。唯一見ることができる機会が、月が太陽をちょうど覆い隠す「皆既日食」です。月の影の周りの淡い放射状の光の筋として見ることができます。この姿に似ているので「コロナウィルス」という名前が付いたといわれています。 100万℃の太陽コロナは、その高温ゆえにX線や極端紫外線といった波長の短い光を放っています。これらの光は大気で減衰するため、大気の底にいる僕らのところには届きません。でも、宇宙にある人工衛星で観測することができます。これらの光で太陽を見ると、時折、コロナにまるで穴が開いたように暗い部分が見えることがあります。この穴は「コロナホール」と呼ばれており、彩層から10万℃の高速風が吹いて来ることが知られています。 宇宙天気情報発信の難しさ 2020年8月上旬に「コロナホール」が観測されました。この時、地球の周りには秒速700キロを越える暴風が吹いていました。問題はその温度で、100万℃以上! これは彩層ではなく、コロナの温度です。通常、100万℃のコロナが地球周辺まで飛ばされる現象として、コロナ質量放出「CME(Coronal Mass Ejection)」と呼ばれるものがあります。おそらくCMEが絡んでいると思うのですが、肝心のCMEが見つからないため、確証を得られませんでした。

《食う寝る宇宙》67 ネオワイズ彗星観察、筑波山に阻まれる

【コラム・玉置晋】2020年3月に発見された新彗星(すいせい)「ネオワイズ彗星」が7月に肉眼で見えるというニュースが流れ、観たいなあと思っておりました。都市部で天体を観るためには、肉眼だと1~2等級の明るさにならないと厳しいです。だから、彗星を肉眼で観られる機会はそうそうありません。 20年以上前になりますが、僕が高校生のころ、学校の帰り道、自転車をこぎながら「百武(ひゃくたけ)彗星」(1996年に接近)を観て以来でしょうか。ボヤ~とした小指の先ぐらいのコマがみえたものです。その数年前には、ハレー彗星(1986年に接近)も大きな話題になりましたね。 そんなわけで、是非とも観たかったネオワイズ彗星。今年は6月ごろから雨続きで、全く夜空を楽しめませんでしたが、7月19日には久しぶりに晴れ。今日こそは「観るぞ~」と決意していました。どちらの方角を向けばよいのか調べたところ、北西方向、地平面から拳(こぶし)2個分の高さとのこと。随分、低いところなのね。 僕が住んでいるのは茨城県土浦市。自宅窓から北西方向を観ると、そこには標高877メートルの筑波山。我が家から見て、拳5~6個分の高さでございます。「筑波山、どいてください!」。結局、ネオワイズ彗星を観ることはできませんでした。残念! 新たな太陽活動サイクルの始まり? 話を変え、最近の話題を紹介。太陽活動は11年周期で、活発な時期と静穏な時期を繰り返しています。今は、1755年に記録が始まった第1太陽活動サイクルから数えて、24番目の活動サイクルの末期の極小期におります。

《食う寝る宇宙》66 宇宙開発現場の言霊信仰

【コラム・玉置晋】宇宙開発は科学技術の塊(かたまり)であることは言うに及びませんよね。その中で、僕は人工衛星の運用に関わる仕事をしているのですが、面白いことに非科学的な伝承がいくつかあるので紹介しましょう。 言霊(ことだま)とは「言葉には霊的な力があり、声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与える。良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こる」ということです。 これは、人間の社会では、あながち間違っているとは思いません。1人から発せられた信憑(しんぴょう)性の怪しい情報が人々に伝播して、国家的な意思決定に影響して、紛争や戦争につながることもありますよね。だから、言葉は慎重に発せねばなりません。 人工衛星運用の現場における凶事とは、衛星が通常とは異なる状態になることです。現場では、不明事象とか不具合が発生したと表現します。最悪の場合、人工衛星が失われることもあり、現場の先輩方はこれを経験してきました。だから、現場で不具合に関する話をすると、ベテランの先輩方から怒られます。 不具合を語る「軌道上技術評価」 ところが、僕は「宇宙天気防災」を専攻しています。宇宙天気は人工衛星の不具合を発生させる疫病神のようなものですが、宇宙天気が世の中に普及するには、その被害を明らかにする必要があります。僕は、衛星運用の中でも「軌道上技術評価」という仕事に取り組んでいます。

《食う寝る宇宙》65 茨城で巨大な月ロケットを体感!

【コラム・玉置晋】今から51年前の1969年7月16日22:32(日本時間)、「サターンV」ロケットSA-506は、米国フロリダ州のケネディ宇宙センター第39発射施設(LC-39)から発射され、3人の宇宙飛行士を月軌道に運びました。サターンVは、全長110.6メートル、重量3038.5トンという巨大ロケットです。そんなこと言われても、大きさを想像できませんよね。 「NEWSつくば」の拠点は茨城県つくば市にありますが、つくば市の隣の牛久市には、日本一の全長を誇る「牛久大仏」が君臨しています。茨城県人の自慢の一つですね。牛久大仏のホームページに載っている諸元によると、像高100メートル、台座20メートル、全高120メートル、重量4000トンだそうです。 つまり、サターンVは牛久大仏くらいの大きさなのです。ちなみに、左手のひらは18メートルありますので、「奈良の大仏様」が牛久大仏の手のひらに乗ってしまうスケール感です。この大きさを体感するには、牛久大仏の内部「胎内空間」に入り、エレベータで高さ85メートルの展望台に上ることをお勧めします。晴れた日には、西に茨城が誇る筑波山、南に東京のスカイツリーや富士山が見える絶景です。 牛久大仏=120m サターンV=110m 僕には、牛久大仏がサターンVロケットに見えてきました。いっそのこと、サターンVで月に行けたのだから、牛久大仏を宇宙に飛ばすことも可能なのではないだろうか? 残念ながら、無理。

《食う寝る宇宙》64  ソロリソロリと3時半起床

【コラム・玉置晋】まずは御報告。2020年4月12日、宇宙ビジネスサロンの一般社団法人「ABLab」において、宇宙天気プロジェクトを発足させました。プロジェクトメンバーがキックオフミーティングの様子をまとめましたので、こちらをご覧ください。 プロジェクトのコンセプトは「宇宙天気キャスタ・宇宙天気インタプリタが活躍する近未来社会を創造する」です。「宇宙天気キャスタ」は読んで字の如くですが、「宇宙天気インタプリタ」って何?という人は、コラム49とコラム50をご覧ください。昨年末に鹿島神宮でうけた神様のお告げ(コラム51)を、しっかり実践しておりますよ。 このプロジェクトは、ABLabと僕がお世話になっている茨城大学理学部・野澤研究室(宇宙天気防災)の協力により、「教育・研究」「社会ニーズの醸成」「利用・防災」の3つの柱をつなげていきます。 愛犬のご飯は僕の担当 さて、上記の宇宙天気プロジェクトを推進するために、僕は「会社勤めの宇宙エンジニア」と「宇宙天気防災を研究する社会人大学院生」の二足のわらじを履いています。時間のやりくりが大変なのですが、どのような1日を送っているのか紹介します。 朝3時半にムクっと起き出し、ソロリソロリと椅子に座ってパソコンを開く。「ガタ」という椅子のきしむ音、カチャカチャというキーボードの音。これらの音で家族を起こすわけにはいかない。一挙一動を慎重に行う必要があります。

《食う寝る宇宙》63 かっこいい宇宙船の打上げ!

【コラム・玉置晋】2020年5月31日の早朝、僕は宇宙オタクの皆さんによるTweet合戦をニヤつきながら眺めていました。この日は宇宙開発にとって記念すべき日となりました。アメリカの民間宇宙企業「Space X」により、NASAの支援の元で開発された新型宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」が2人の宇宙飛行士を乗せて、国際宇宙ステーションに向けて打上げられました。 この新型宇宙船はデザインが近未来的で、とにかくカッコいい。スペースシャトルのコックピットには多数の機械式スイッチ類がありましたが、Crew Dragonには、ほとんど見当たりません。3つの大きなタッチスクリーンに、リアルタイムの飛行状況や船内環境などが映し出されます。宇宙服もSF映画さながらです。 昨年3月、「Crew Dragon Demo-1」という無人テスト飛行(宇宙服を着たダミー人形を搭載)が行われて、国際宇宙ステーションにドッキング・分離後、無事に地球に帰還しました。 今回は、「Crew Dragon Demo-2」として、有人による最終テストを行っています。基本的に、Crew Dragonは国際宇宙ステーションとのドッキングまで自動運行で、地上のミッションコントロールセンターが飛行状況をモニターしますが、今回は、緊急時のテストとして宇宙飛行士による手動操作も行われました。

《食う寝る宇宙》62 人工衛星運用は大事な仕事

【コラム・玉置晋】僕は人工衛星運用というちょっと特殊な仕事の近くで働いています。宇宙開発というと、ロケット打ち上げや衛星開発がニュースになりやすいですが、最も継続して絡むのは衛星運用です。 人工衛星運用で一番イメージしやすいのは、地上から衛星に命令を送る人でしょう。他にもいろいろな仕事があって、地上から衛星に向けてアンテナを動かす人、衛星がどこを飛んでいるか難しい計算をする人、衛星が正常に動作しているか専門的な知見をフル動員して確認している人(僕はこれね)、衛星から送られてきたデータを有益な形に加工する人―など、たくさんの人に支えられています。 僕が人工衛星運用という仕事を強烈に意識したのは、2003年10月、太陽で大爆発(太陽フレア)が連発したときでした。ハロウィンの時期に起きたので、宇宙天気界隈では「ハロウィン・イベント」と呼ばれています。このときの日本の衛星の通信途絶のニュースは、僕に衝撃を与えまして、「こりゃあ、宇宙天気的に人工衛星をまもらんといかんなあ」という思いを持って、今に至っております。 現代社会は衛星に大きく依存 人工衛星運用者は、社会の機能を維持する「エッセンシャル・ワーカー(Essential Worker)」です。現代社会は、地球観測や通信・測位をはじめとして、衛星に大きく依存しています。ゆえに衛星の運用体制は、縮小する可能性はあれど、継続させる必要があります。

《食う寝る宇宙》61 デコポン型のベテルギウス復活

【コラム・玉置晋】2019年の秋、「オリオン座のベテルギウスが減光している、超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)の兆候ではないか?」と話題になっていました(このコラム53参照)。年末になっても減光し続け、元の40%以下の明るさになってしまいました。これは肉眼でもはっきりわかるものでした。 もしも、642光年離れたベテルギウスで超新星爆発が起きたら、「私たちの生存も危ういのではないか?」という議論も起こりました(これに関しては、距離・時間的に、われわれは安全圏にいるという結論に達しています)。 さて、その後どうなったかというと、無事に元の光の強さに戻りました。めでたし、めでたし。ただ、ベテルギウスが星の寿命の末期にあることに変わりはなく、不安定な状態にあります。形状も球体ではなく、果物のデコポンのような異様なものになっております。 とはいえ、星の時間スケールと僕ら人間の時間スケールは全く違っていて、今後、数年から数10年内に爆発が起きるかどうかは、天文学者もわからないようです。 宇宙天気✕エンタメ プライベートで所属する宇宙コミュニティーの中に、宇宙ロケットを女の子に模したゲームを開発している方(本業は弁護士さんなんですけどね)がいて、僕もオタク心をくすぐられて応援しています。

《食う寝る宇宙》60 太陽から噴き出るガスの塊が地球へ

【コラム・玉置晋】運用中の人工衛星に関わる仕事柄、僕は毎日、太陽を監視しています。とはいえ、望遠鏡をのぞいているわけではありません。人工衛星や地上の観測機器から得られた画像やグラフを見ながら、「今日の宇宙環境は静穏だから安心だね」とか、「太陽での爆発の影響が地球周辺にも及びそうだね」とか判断し、必要であれば人工衛星の運用者に注意喚起する取り組みを行っています。 こういった取り組みが仕事として確立しているのかといえば、まだ途上です。別な仕事の付帯的な位置付けで活動しつつ、徐々に確立していこうとしています。「求ム、宇宙天気アナリスト!」という求人情報が出る世界を目指しているところです。 地球のコアにはドロドロに溶けた金属が対流しており、電磁石の原理で地磁気を発生していますが、太陽から飛んできたガスの塊が太陽の磁場を運んできて、この地磁気を打ち消す現象が磁気嵐です。その結果、人工衛星が不具合を起こしたり、地上で停電が起きたりといった、影響が出ることもあります。 4月20日、太陽から噴き出すガスの塊が地球をかすめていたことを、皆さんは気付いていますか? この影響で、弱い「磁気嵐」が発生しました。 地球をかすめ、弱い磁気嵐が発生 弱いレベルの磁気嵐でしたので、幸いわれわれの生活への影響は皆無でしたが、もし、これが強力な磁気嵐だったらと思うと、恐ろしいものです。さて、この磁気嵐の元となった現象は、4月15日、太陽から淡いガスの塊が飛び出していたことにあります。地球を直撃するコースではなかったので、塊の端っこが地球にかすったようです。

《食う寝る宇宙》59 国際宇宙ステーション見えたよ!

【コラム・玉置晋】仲良しの宇宙ファミリー(2019年8月22日コラム参照)からこんな報告が届きました。4月6日と7日の夕方、茨城から国際宇宙ステーションが見えました。しかも、満月お月様との絶好のコラボレーションです。おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、3人の子供たちで観測したそうです。お父さんは残念ながらお仕事で不在だったとのこと。 おばあちゃん「中はどんな感じかな?」 子供「ししむん(僕の愛称)がいるんじゃないかな?」 お母さん(関西人)「あの人はコレステロールが高いから、宇宙に行けないんやで」 国際宇宙ステーションは、地上から約400キロの上空を、時速2万7700キロ!で飛行しています。とんでもない速さですね。地球1周たったの90分。 こんなに速いのですが、観測に適した軌道だと、地平線を登り始めてから、天頂を経て、再び地平線に沈むまで、10分~15分間の飛行軌跡を追うことができます。地上は夜でも、国際宇宙ステーションには太陽の光が当たって、反射する時が観測のチャンスとなります。

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文化に触れたらお茶しない? 土浦で「@カフェ」始まる

【伊藤悦子】土浦市の文化施設と市内カフェのコラボ「@(あと)カフェ」が12月1日から始まる。市立博物館(同市中央)、上高津貝塚ふるさと歴史の広場(同市上高津)、市民ギャラリー(同市大和町)を利用したあと、チケット半券など入館証明を持って協賛の喫茶店やカフェに行くと、各店のオリジナルサービスが受けられる。 NPO法人まちづくり活性化土浦(同市中央、大山直樹理事長)が企画した。好きなドリンク50円引きや、1000円以上の利用で10パーセントオフなどのサービスが用意されている。 各種サービス提供に17店参加 土浦市立博物館入館料は一般105円、小中高生50円 企画の原案を考えたのは、カフェ胡桃(くるみ、同市中央)の店主石島良修さん(40)。土浦で生まれ育った石島さんは、子供のころ博物館でよく遊んだという。「当時は50円で入館できたのでしょっちゅう行っていた。館内ではクイズなどがあって本当に楽しかった。年を重ね、何か恩返しがしたいと思っていた」

《続・平熱日記》75 画家の目「老眼思考」

【コラム・斉藤裕之】自分の絵が掛かっている以外何もないギャラリーでじっとしているのは正直耐えられない。しかし有難いことに、このギャラリーはカフェに併設されている。いつものカウンター席でコーヒーを飲みながら客人を待つことができる。 平熱日記展も終盤にさしかかったころ、「若い女性がいらしてますよ」とオーナーに耳打ちされた。はて、若い女性に知り合いはいない。なにせ、日ごろ付き合う女性はおおむね16歳以下か50歳以上なのだから。それでも、もしかしたら知り合いかもしれないと声をかけてみた。 やはりはじめてお目にかかる。聞けば、ご自身は日本画をお描きになるそうで、私の絵はネットで知ったとか。ほぼ娘と同じ年ごろで、電車に乗ってやってきたとのこと。絵についてご質問を受けたが、「肩の力が抜けていてとてもいいですね」と褒められた。「はあ、なにせ平熱日記というぐらいですから…」。 時を同じくして、もうひとりの女性が入ってきた。知り合いの絵描きさんだ。私が小さな絵を描くからだろうか、最近目が悪くなったという話になった。 「私なんかほぼぼんやりした世界で暮らしていますが、それはそれでいいと思っているんですよ」。事実、老眼のせいで新聞以外の文字は読まなくなったし、視力も多分衰えているので、若いころのように鮮明な世界にはいない。だから、たまに老眼鏡でテレビの画面に目をやると、映っている人の歯茎さえも鮮明に見えてドキッとしてしまう。 だが、実は見える世界だけではなく色んなことがぼんやりしていて、世間が私から遠ざかっていくようだ。

つくばFCレディース、なでしこリーグ2部に加入の方針

【崎山勝功】女子サッカー、つくばFCレディース(事務局・つくば市稲岡)の石川慎之助代表は22日、なでしこチャレンジリーグEAST(イースト)の今季最終戦を終えての観客あいさつで、来年秋から発足する女子プロサッカーリーグ「WE(ウィー)リーグ」参戦をめざし、まずは全国リーグのなでしこ2部リーグに加入する方針を示した。 現在は3部相当のチャレンジリーグ所属のつくばだが、WEリーグのスタートに伴うリーグ再編で、「希望すれば、なでしこ2部には上がれる」(石川代表)状況という。取材に石川代表は、なでしこ2部入りには「改めて年会費と入会金が必要。リーグの年会費がトータルで1000万円ほど増える。それをどうねん出していくかがクラブの課題になる」と語った。 WEリーグは、2021年秋から参加11チームで発足する女子プロサッカーリーグ。日本の女子サッカー界ではこれまで、アマチュアリーグのなでしこ1部リーグが最高峰扱いだったが、WEリーグがなでしこリーグの上位に位置付けられる。 10月15日時点で、WEリーグにはなでしこ1部リーグ所属の日テレ・東京ヴェルディベレーザ(東京都)など計11チームの参入が承認された。これに伴いなでしこリーグは、これまでの「1部・2部・チャレンジリーグ」から、1部・2部に再編される案が出ており、加盟チームの大幅な入れ替えが起きると予想されている。 ホームゲーム最終戦は0-4で完敗 リーグ5位

《邑から日本を見る》76 いきなり権力者が出てきた

【コラム・先﨑千尋】前回取り上げた日本学術会議の任命拒否問題。初めは「総合的、俯瞰(ふかん)的に判断した。6人を外したのは人事のことだからその理由は言えない」と木で鼻をくくったような、説明にならない説明を続けてきた菅総理。だが国会の論戦などで少しずつ化けの皮がはがれてきた。 10月26日の国会開会の日、菅総理はNHKの「ニュースウオッチ9」に生出演した。その終わり際に、「説明できることとできないことがある」とキャスターをにらみつけた。翌日、内閣広報官からNHK報道局に「総理、怒っていますよ。あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う」という電話がかかってきたという(『週刊現代』11月14、21日号)。 前回、「私たちに説明できないことを、総理が自分の判断でやってしまう」ことは恐ろしいことだと書いた。広報官がNHKにクレーム電話をかけたことはもっと恐ろしいことだと思う。異論を許さない空気をつくり、電波を意のままにしようとすることだから。 国会の質疑では、任命拒否の理由を「総合的、俯瞰的な活動を求める」から「多様性が大事」に変わり、さらに日本学術会議は「閉鎖的で既得権益」だとし、支離滅裂、それぞれの答弁はつじつまが合わないことが暴露された。 また政府に、安全保障関連法や特定秘密保護法に対する過去の言動を問題視し、「学術会議内で『反政府』の影響力を行使することを危惧した。学術会議を政府批判の先鋭的な集団にさせてはならない」という考えがあることも報道されている。6人の業績が学術的に劣ると判断したのではなく、政府に楯突くとこういうことになるという見せしめであり、人格の否定でしかない。 作家の保阪正康さんは「明治、大正、昭和にかけて最高権力者が前面に出て学者をパージすることはなかった。これほどわかりやすい形で任命拒否をする中に菅首相の傲岸(ごうがん)さ、市民意識の欠如、すべてが象徴されている」と言っている(『世界』12月号)。「煽動(せんどう)者、攻撃者、威圧者が出てきて、最後に権力者が出るのが普通だが、いきなり権力者が出てしまった。本丸は学術会議潰し」とも語っている(同)。