【谷島英里子】筑波学院大学(つくば市吾妻)講師の武田直樹さんによる講演会「ボランティアで新たな未来を切り開こう!」が21日、土浦駅前の県県南生涯学習センターで開かれた。国内外のボランティア活動を紹介しながら、米国の心理学者マズローの欲求5段階説を語った。

同センターが主催し、約35人が聞き入った。武田さんは建設会社で働いた後、国際協力NGO日本国際ボランティアセンター(JVC)に所属し、タイのスラムでの青少年育成活動に従事した。さらに日本テレビの24時間テレビチャリティー委員会カンボジア事務所代表を務め、カンボジア農村での保健活動や、パキスタン地震時の日本赤十字活動調査経験を持つ。現在、同大講師で、学生と地域との連携を支援する社会力コーディネーターとして活躍している。

講演会ではまずボランティアの種類について、国際交流、環境保全、伝統文化の継承、子育てサポート、災害支援など多種多様と説明。社会に影響を与えたボランティアとして、ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサ、難病患者の基金を設立した歌手のマイケル・ジャクソン、国内では松下電器産業(現・パナソニック)の創業者・松下幸之助などを紹介した。

続くグループワークでは「人はなぜボランティアをするのか」をテーマに参加者と話し合った。「困っている人を助けるのは当たり前だと思う」「ボランティア後に感じる達成感や感謝の言葉でうれしくなる」「新しい自分に出会える」といった意見が参加者から出た。

武田さんはこれらをマズローの欲求5段階説の自己実現欲求だと解説し、「ボランティア組織はこれだけの膨大な思いを持っている人全員を満足させないといけない。組織はお金が無い中で、全員の満足度を満たすスキルが求められる。高度なマネージメントだ」と解説し、「ボランティアは高い欲求の一つの塊だ」と話した。

参加者からは、ボランティアする際の言語障害者とのコミュニケーション方法について質問が出たり、災害支援以外のボランティアを知ることができた、などの声が上がった。

武田さんは「ボランティアは一見こじんまりと見えるが、とても奥深く、重要な局面でじわじわと未来を創り上げてきた。世のため、人のため、自分のために美しく生きるのがボランティアと思う」と話していた。

ボランティアをテーマに意見を出し合う参加者たち

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