筑波学院大学(つくば市吾妻)は、学生が地域に出て社会貢献活動に取り組む「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」活動を行っている。経営情報学部ビジネスデザイン学科3年の田口俊介さんは、2018年にカスミ(本社・つくば市)食育ツアーなどに参加し、OCP活動を行った。この活動を通じて田口さんは「得意を生かす」ことの大切さに気付いたと話す。

筑波学院大学
経営情報学部 ビジネスデザイン学科3年
田口俊介さん

―カスミは、茨城県を中心に関東地方に188店舗(2019年3月現在)を展開してるスーパーです。OCP活動にカスミを選んだ理由は?

大学にはいろいろな企業が来てくれたのですが、カスミのパンフレットを読んで一番興味を持ちました。カスミは、近所にも店舗があるので身近ですよね。

―カスミではどのようなOCP活動をしたのですか?

「食育ツアー」のリンゴ狩りと稲刈りツアーのほかに、「ヘルスサポート」や「私の企画応援します!」の運営も手伝いました。

ツアーでは主に荷物運びなど、縁の下の力持ち的な感じです。「ヘルスサポート」は、カスミのCSR活動(環境・社会貢献活動)の一つです。月1回程度、一部の店舗で開催しています。お客さんの体重や血圧などを測定し、管理栄養士や栄養士がお客さんに合った食事のアドバイスや食材の紹介をします。こちらのお手伝いを4回ほど行いました、

「私の企画応援します!」も、カスミさんのCSR活動(環境・社会貢献活動)のひとつです。年に一度市民の方の手作りイベント企画を募って、選ばれた方たちはカスミつくばセンターを使ってイベントを開催することができます。僕は「小さな地球~国際文化博覧会~」の手伝いをしました。荷物運びを2日前から行ったほか、当日は受付も行いました。

リンゴ狩りツアーの一コマ=大子町

―OCP活動をやってみて驚いたこと、気づいたことはありましたか?

リンゴ狩りツアーは大子町まで行きました。裏方なのにお客さんに「楽しく参加しています」と声をかけてもらいました。お子さんが楽しんでいるのがうれしかったです。リンゴ農家さんでいろいろなリンゴを食べ比べしたのですが、品種によって甘さや酸っぱさなど味がそれぞれ違うことに驚きました。

常陸太田市での稲刈りツアーは雨のため実際の稲刈りができなかったのですが、戻ってからお酒に使うお米と食用のお米を食べ比べる企画がありました。食べてみたらまったく味が違うんです。お米にも味や甘味の違いがあることを知りました。

あとツアーに参加した方々は、カスミの店舗でツアー案内のチラシを手に取って申し込んだ方が多いことに驚きました。今は何でもネットと思っていたのですが、お店のチラシは買い物のとき目につきやすいんですね。チラシもお客さんへのお知らせとして大きなきっかけになることがわかりました。アピールするには方法も大事だということを実感しました。

―「私の企画応援します!」はどうでした。

カスミつくばセンターに集まって、前々日から集まって会場づくりなどをしましたが結構重労働でした。当日は受付を手伝いました。

イベントではダンスや能、フラメンコの披露もありました。体験コーナーではヨガやお茶もあったんですよ。無料で誰でも観ることができるので、本当にたくさんの人が来ました。海外の方も結構多かったです。なかには耳の不自由な方もいらっしゃいました。

耳の不自由な方もステージをすぐ楽しめる、リアルタイムでスクリーンに文字が出るようなシステムがあればいいなと思い提案しました。こういうことは、実際参加してみないとわからないなと思います。

―OCP活動をして将来の夢は何か変わりましたか?

CSR活動についてはあらかじめ調べたのですが、他の企業は募金や地域の掃除などが多いです。もちろんこれらはとてもいい活動です。しかしカスミさんのCSR活動は食育やヘルスケアサポート、地元の人とのふれあいなどで他の企業とちょっと違うんです。「スーパーという会社の得意を生かして社会貢献をしている」と思いました。

カスミさんのCSR活動を通じて「自分自身もこれから得意を生かしていこう」ということをあらためて決意しました。僕自身はイラストや絵を描くことが得意です。これからもしっかり学んで得意を伸ばし、将来に生かしていきたいと思っています。

(聞き手・伊藤悦子)

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