筑波学院大学2年の菊地隆平さんは、つくば市をキャンパスにした同大の社会力育成プログラム「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」で、つくば観光コンベンション協会の関連団体である「つくば観光ボランティア298」の活動に参加し、小田城跡歴史ひろばの観光ガイドを体験した。小田城跡は鎌倉期から戦国期まで400年以上の歴史を伝える国指定史跡。土塁や堀などの遺構を復元した姿が2016年から公開されている。

経営情報学部 ビジネスデザイン学科2年
菊地隆平さん
県立土浦工業高校出身

―観光ガイドではどのような活動をしましたか。

「つくば観光ボランティア298」の新人研修に参加し、筑波山や宝篋山も含む地域の観光資源について幅広く学ぶとともに、ガイドとしてのスキルを身に付け、小田城跡歴史ひろばでは実際にお客様の案内もしました。ガイドの楽しさはいろんな人と出会えることです。県外からのお客様も意外と多く、戦国期の城主・小田氏治がNHKの番組で最弱武将として紹介されたことも評判を呼んだようです。

―ガイドをする上で心掛けたことは。

相手によって説明の仕方を変えたりしました。歴史マニアの方は私たちよりも知識が豊富なことが多く、そういうときは逆に教えていただく気持ちで接しました。お子さん連れの方なら難しい歴史の話よりも、とっつきやすい身近な話題から入ります。この案内所がある場所は昔の筑波鉄道の駅で、りんりんロードには電車が走ってたんだよと言うと子どもは食い付いてくれますし、若いお父さんお母さん方も驚かれます。私自身もこの話を聞いたとき、母校の田井小学校に飾ってあった電車の絵を「あれがそうだったのか」と思い出しました。

―案内の工夫などで考えたことは。

案内所には「つくばちびっこ博士」のスタンプラリーで来る子も多いので、子ども向けの分かりやすい説明があるといいと思いました。たとえば絵本を作って置いてみたり、案内ロボットを導入したりとか、もっと親しみやすくして、リピーターになってもらえるような要素があるといいと思います。地域の歴史を伝えるせっかくの良い施設なので、その点を学年報告会でもプレゼンテーションしました。

展示室では大きなジオラマや航空写真も使い、小田城とその歴史を多角的に紹介している=つくば市小田の小田城跡歴史ひろば案内所

―この活動を選んだ理由と、そこから学んだものは。

私は大学のオープンキャンパスで、高校生向けのキャンパスツアーや個別相談もしているので、そのスキルアップになればという思いがありました。学んだスキルの一つがアイスブレークです。いきなり本題に入らず、どちらから来ましたかとか、趣味は何ですかといった何気ない話から入ると、相手も緊張せずにスムーズに話してくれます。また、数字や写真を使って説明するとより伝わりやすくなることや、声の出し方や強弱のつけ方も学びました。これらはガイド以外でも日常のありとあらゆる場面で使え、非常にいい経験ができました。

―この大学を選んだ理由と将来の構想を。

理由はコースの縛りがなく、いつでもやりたいことを分野にかかわらず学べることです。高校ではプログラミングなど情報技術が専門で、それらの最新の知識に触れられるのでもっと深めてみたい一方、国際関係や経済など幅広い知識も身に付けたいと考えています。卒業後の進路はまだ決めていませんが、この活動を通じて人とかかわることにやりがいを感じたので、そういう部分を意識しながら見付けていきたいと考えています。

(聞き手・池田充雄)

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