土曜日, 6月 21, 2025
ホーム土浦家庭ごみ処理10月1日から有料化 土浦市 県内で最も高い指定袋に

家庭ごみ処理10月1日から有料化 土浦市 県内で最も高い指定袋に

【鈴木宏子】家庭ごみ処理の有料化が土浦市で10月1日から始まる。「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」の指定ごみ袋が最大で10枚入り500円となり、県内市町村で最も高いごみ袋になる。

指定ごみ袋に、市がごみ処理手数料を上乗せして徴収する。袋の価格は1㍑当たり1~1.1円で、容量15㍑の大きさの袋が10枚入り150円、30㍑が300円、45㍑が500円と、これまでの3倍ほどとなる。環境省の2014年度調査では水戸市など県内18市町村ですでに導入しているという。

料金設定の根拠について市は、1世帯の1カ月のごみ袋代を300~500円以内と想定したとしている。一方、生ごみや容器包装プラスチックなどリサイクルするごみの収集を無料のままとすることで、ごみの分別収集が進み、可燃ごみの減量化が進むとしている。さらに使用済み紙おむつと庭木の剪定(せんてい)枝を有料化から除外し、市民の負担軽減を図るとしている。ただし葉っぱは有料。

有料化により従来の指定袋は使えなくなる。集積所に指定以外の袋で出された場合、警告シールが貼られ一定期間、周知を行ってから回収するという。すでに購入してしまった従来の指定袋は、袋を裏返すなどして使えば、容器包装プラスチックやペットボトルなどを出すときに使用できるという。

同市の主婦(64)は「ごみ袋が変わることは、1カ月ぐらい前に各戸に新しいごみ袋が1枚ずつ配られたので市民に周知されているとは思うが、どういう理由で有料化するのかまだよく分からない」とし「自宅で猫を飼っているのでこれまで1回に2袋ごみを出していた。これからは小さい袋を組み合わせて出す工夫をしなければならない」と困惑気味に話す。

燃やせるごみと燃やせないごみの新しい指定袋。価格は10枚入り150~500円。

手数料収入2億2600万円

同市は15年度から市全域で生ごみと容器包装プラスチックの分別収集を実施し、同年度は可燃ごみが前年度比約25%減少した。しかし、ごみの中身を抽出調査したところ、燃やせるごみの中に生ごみや容器包装プラスチック、雑紙などがまだ多く含まれており、燃やせるごみの35%、燃やせないごみの41%はまだ分別収集できるとしている。

同市のごみ処理経費は15年度が約19億5000万円。一方、生ごみとプラスチックの新たな分別収集が始まり、収集運搬費と処分費が約4億円増えている。

今回の有料化により、市には今年度見込みとして、2億2600万円の手数料が入る見通し。一方、指定袋の製造費や広報啓発などの経費が約1億3500万円掛かり、差し引き9100万円の収入が増える見通しだ。全国では有料化したことで可燃ごみの量が約2割減っていることから、同市は3年後の21年度までに家庭ごみを10%以上減量化し、リサイクル率24.6%以上(15年度は21.7%)を目指すという。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

上曽トンネル9月27日開通へ 一般道で県内最長

筑波山北側の石岡市上曽(うわそ)と桜川市真壁町山尾を結ぶ上曽峠に、全長3538メートルの「(仮称)上曽トンネル」が9月27日に開通する。一般道としては県内最長となる。 上曽峠は道路幅が狭く、急傾斜や急カーブが連続する。豪雨時や冬期の積雪・凍結時は道路封鎖が行われるなど、交通難所の解消が期待される。 想像を絶する硬さ トンネル整備は県事業で2001年に着工したものの、取付道路の用地取得などで難航し、財政難による見直しで停滞していた。その後石岡市と桜川市が「合併市町村幹線道路緊急整備支援事業」の指定を受け事業主体となり、18年から新たに工事が開始された。両市の取り付け道路も併せ全体で約5.6キロのバイパスが整備される。 上曽トンネルが掘削されている筑波山、加波山、足尾山一帯は、約6000万年前に形成された山塊が連なり、主な地質は花崗岩だ。岩質は、掘削当時の工事現場で「想像を絶する硬さ」といわれた。 石岡市側のトンネル入り口付近は唯一、土石流堆積物の軟弱地層。桜川市の地山は良質な「真壁の御影石」が産出する花崗岩帯。工事は石岡市側、桜川市側の両方から掘り進められ、石岡側は崩落防止のための補助工法が併用された。一方、真壁側の坑口付近では一日あたり1メートル程度しか掘削できないほどの硬さだったという。 トンネル区間の90%はダイナマイトによる発破掘削が採用され、岩盤に発破のための穴を空けるドリルジャンボなどを駆使して岩盤を砕き、2023年7月にルートを貫通させた。石岡市道路建設課によると、「現在はトンネル内の照明や消火設備設置、トンネルに至る取り付け道路の仕上げ工事も終盤で、いよいよ待望の路線開通となる」と展望する。 開通すれば、2012年11月に開通した全長1784メートルの朝日トンネルを超える超大トンネルとなる。これまで最短時間でも15分を必要としていた峠越えが、約7分に短縮される見通し。時間短縮以上に、通年の通行に対する安全性の向上が期待される。つくば市や土浦市側からアクセスして利活用するにはなじみが薄いが、筑波山麓でこれだけの規模の道路整備が進んだこと、太古の地層を貫いたトンネルであることは、今後話題を集めるかもしれない。(鴨志田隆之)

未払い残業代3851時間 860万円に つくば市社会福祉課 3年間で24人

生活保護業務などを担当するつくば市社会福祉課で昨年5月、市職員の残業代(時間外勤務手当て)などの未払いが明るみに出た問題で(24年5月9日付)、未払いだった残業時間は、請求権がある2021年1月から24年3月分まで3年3カ月間で、職員24人に対し計3851時間あり、未払い金額は計860万6522円だったことが分かった。5月9日までにすでに支払われたという。 3年3カ月間の平均は一人当たり160時間だった。24人についてはいずれも申請額と同額が支払われたが、昨年5月の発表から支払いを終えるまでちょうど1年かかった。 同市は長時間労働是正のため、残業時間の上限を月45時間、年360時間と定めている。未払いがあった職員24人のうち、最も多かった未払い残業時間について市人事課は、個人情報なので答えられないとし、市が定める上限を超えて残業を実施した職員がいたかどうかについては、規定通り支払われた残業代もあり、未払い分と足し合わせてないので分からないとしている。 残業代の未払いが発生した理由について市は昨年5月、できるだけ申請しないよう管理職が不適切な指導を行っていたため、職員が申請しにくい状況になっていたと説明し、不適切な指導をした管理職に対しては今後、処分を実施するとしていた。市によると2021年1月から24年3月まで社会福祉課の課長を務めた管理職は3人。 未払いに対しては監督責任を重く受け止めるとして昨年、五十嵐立青市長が給料を2カ月間10%減給し、飯野哲雄(当時)、松本玲子副市長2人が1カ月間10%の減給を実施した。一方、管理職の処分の検討はこれからになる。 社会福祉課以外の5課でも残業代の未払いがあることが分かったことから(25年3月12日付)、市は今後、5課の職員に対しても未払い分を支払う予定だ。 一方、昨年5月に明るみに出た市社会福祉課の残業代などの未払い問題は、同市の生活保護行政における一連の不適正業務が表面化する始まりになり、生活保護費の過払い(24年7月20日付)や不適正な不納欠損処理(同8月21日付)、県の監査に対する虚偽報告(25年3月13日付)などが次々に明らかになった。市福祉部は、一連の不適正業務がなぜ発生したのかなどを検証した報告書を6月中にまとめ発表するとしている。(鈴木宏子)

自家用車送迎や県外も 交付対象を拡大 高校生の通学支援金 つくば市

自転車も一律年3万円に つくば市が市内に住む高校生を対象に、2024年度から実施している遠距離通学支援金について(24年2月1日付)、同市は今年度から、交通手段と学校所在地の要件をいずれも撤廃すると発表した。家族の自家用車送迎を受けて通学する生徒や、県外の高校に通学する生徒なども交付対象になる。交付金額は昨年度は自転車通学は年間1万円、バスや鉄道は3万円だったが、今年度からは自転車通学も含め年間一律3万円とする。 つくば市は人口が増加している一方、県立高校が少なく、市外の高校に通学している生徒が多いことから、保護者らの要望を受けて、片道6キロ以上離れた高校に通う生徒を対象に市が昨年度から支援を始めた。通学距離が片道6キロ以上という要件は昨年度と変わらない。 通学手段についてはこれまで、鉄道、バス、スクールバスなど公共交通機関で通学している高校生のうち年間の通学定期代が10万円以上の生徒を対象に年3万円を交付していた。今年度からは公共交通の定期券を購入していなくても、家族の自家用車送迎を受けていたり、自転車などで通学している生徒も一律年3万円を交付する。 学校所在地についてはこれまで、県南地域やつくば市に隣接する18市町村に立地する高校に通学する生徒を対象としていたが、今年度からは学校の所在地要件を無くし、県外の高校に通学している生徒も年3万円を交付する。 市教育局教育総務課によると、片道だけバスで通学し、片道は家族の自家用車送迎を受けて通学している生徒の保護者などから、定期券ではなくバスの回数券を購入して通学しているので支援制度を利用できないなどの意見が出ていた。制度を利用できなかった保護者らの意見を聞き、要件の見直しを実施した。 通学支援金は、初年度の2024年度は2832人から申請があり、2740人が支援金を受けた。交付金額は年6260万円だった。二つの要件撤廃により2025度は利用者が約2000人増えて約4800人となり、交付額は総額1億4400万円になると想定されている。 2025年度の交付申請は7月1日から来年1月末まで、市ホームページなどから受け付ける。 つくば市に県立高校が不足している問題に取り組んでいる市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」の片岡英明代表は「これまでは自家用車での送迎などが支援対象にならず、制度が始まった当初からいろいろな声が出ていたので(今年度の要件撤廃は)前進だと思う」と話している。(鈴木宏子)

ノバホールで初の演奏会へ つくば市立並木中吹奏楽部

7月5日 つくば市立並木中学校(つくば市並木、渡辺聡校長)の吹奏楽部が7月5日、つくば駅前の音楽ホール、ノバホールで「サマーコンサート」を開催する。学校の外に出て単独コンサートを開くのは初めて。市内の市立中学校でも珍しいという。 「サマーコンサート」は同吹奏楽部の定期演奏会にあたる。これまでは学校の体育館で開催していた。昨年は6月30日に開催、会場に入りきれないほどの300人以上の観客が来場し盛況だったが、エアコンが無い中で熱中症などの心配もあった。初の試みとしてノバホールに会場を移すことになった。部活動の地域移行の在り方が模索される中、地域に開かれた部活動の一つの形となることを期待している。 演奏曲目は3年生を中心に選曲を行っているが、今回は多くの世代に楽しんでもらおうと、時代劇のテーマ曲なども用意する。 県大会で銀賞 吹奏楽部は1979年の並木中開校と同時に発足した伝統ある部活動で、昨年は吹奏楽コンクール茨城県大会中学Bの部で銀賞、TBS子ども音楽コンクール土浦地区大会で優秀賞を受賞した実績がある。 部員は3年生14人、2年生14人、1年生6人の計34人。木管・金管楽器、パーカッションなどそれぞれ担当楽器を持ち、週4日程度、放課後などに活動を行っている。練習は音楽室のほか、パートに分かれて練習する時は空き教室なども利用し、校内に音を響かせながら活動に励んでいる。 活動は新入生歓迎コンサートやコンクール出場のほか、「並木まつり」など地域イベントで演奏し、地域でも幅広く活動している。 顧問は音楽担当の三井健嗣教諭(60)、副顧問は伊藤梨瑚教諭が務める。音楽室には、バッハやモーツァルトなどクラシックの巨匠たちの肖像画のほか、ピアニストの辻井伸行氏やピアニストで指揮者の反田恭平など現在活躍中の若手音楽家の写真や、近年行われたコンサートのポスターが貼られており、音楽に親しむ環境になっている。 記者が顧問の三井教諭が指導する音楽室を訪ねると、メロディーライン、音色、リズムなどを的確につかみ、パートごとの細かい指導を繰り返していた。 吹奏楽部の部長で3年の金昭廷さんは「先生は優しくて、的確な指導をしてくれる。演奏会は体力をつけないといけないので、頑張って廷習していきたい。時代劇の音楽は知らない生徒がほとんどだが、リズムが面白く斬新。楽しみながら全力で演奏したい。当日は温かい目で見守って欲しい」と話す。3年の山口隼平さんは「トランペットを担当している。当日演奏するクラシック曲は難しいが、当日までにしっかりと練習していきたい」と語る。 三井教諭は「ノバホールを借りることができてとても喜んでいる。公立学校の場合は無料で借りられるのでせっかくの機会を大いに利用したい。生徒たちにはこの体験を生かし充実したものにしてもらいたい」と述べる。(榎田智司) ◆並木中学校吹奏楽部第5回サマーコンサートは7月5日(土)、つくば市吾妻1-10-1 ノバホールで開催。開演は午後1時30分。演奏曲目はフィエスタ、恋、A列車、エル・クンバンチェロなど。入場無料。未就学児も入場可。問い合わせは電話029-851-7100(同中)へ。