木曜日, 10月 9, 2025
ホームつくばレストラン街から飲食店すべて撤退 つくばセンタービル

レストラン街から飲食店すべて撤退 つくばセンタービル

【鈴木宏子】つくば駅近くのつくばセンタービル(同市吾妻)1階のレストラン街、アイアイモールから22日、飲食店がすべて撤退した。同日、最後に残ったそば店「一成(いちなる)」が閉店。閉店を惜しむ馴染み客らが最後のそばをすする姿が見られた。

同ビルでは今年5月20日、1983年の同ビル開業と同時に開店したピザチェーン店「シェーキーズ」が閉店、続いて同月末、スペイン料理店「ボンド」が閉店し、「一成」が最後に残っていた。

同ビルを運営する筑波都市整備(同市竹園)によると、現時点で新たに入居を予定している店舗や事務所などはないという。同市では、中心市街地の求心力の低下が問題になっていることから、今年度、市が同センタービルの在り方を検討する調査を実施する。同都市整備は「その中で、どうあるべきか考えたい」と話す。

かつて「どの店も行列」

閉店について、一成を運営する一成フードサービスの成山正樹社長(53)は「さびしい限り」と語る。同店は24年前の1994年にオープンした。当時センタービルに空き店舗はなく、どの店も行列ができていた。当時、成山社長は20代で、厨房に入ってそばを打ち、現在の味を完成させた原点が同店だったという。人通りが少なくなった原因については「隣接した場所にたくさんあった駐車場がマンションや商業施設、業務ビルになり、アクセスが悪くなってしまったのも一因ではないか」と話す。

近くに勤務し昼食を食べに来たという牛久市の男性会社員(57)は「月1回必ずセンタービルに来てシェーキーズに立ち寄っていた。一成も今日で閉店になると知ってびっくりした」と述べ、職場の同僚3人で来た男性は「無くなると困ります」と話していた。

新たな在り方 市が調査

同センタービルは日本を代表する建築家、磯崎新氏の設計により建築された。同都市整備の小林睦営業部長は「建てられた当初はつくばの中心の中の中心だったが2009年に常陽銀行、10年に筑波銀行が撤退したころから役割が変わってきた。つくばエクスプレスが開通し、新しい商業施設ができ、人の流れが変わってきた」とし「つくば市から、センタービルの役割を見直してはどうかと言われている。私たちもそうだろうと思うので、その中でこれから何が必要か考えていきたい」とする。

市は中心市街地の活性化を検討する一つとして、同ビルの在り方を検討する調査を7月から来年3月まで約470万円かけて実施する。センタービルの施設や設備の現状、周辺の公共施設との関連、市場性などの基礎調査を実施。同市学園地区市街地振興室は、調査結果をもとに今後の在り方を改めて検討したいとしている。

人通りが少なくなったつくばセンタービル

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乳幼児も楽しめる舞台芸術 つくばでイタリア劇団が公演

19日 カピオ 乳幼児も楽しめる舞台作品をつくり続けるイタリアの劇団「ラ・バラッカ」の公演が19日、つくばカピオホール(同市竹園)で開かれる。演目は、多様な家族の姿をユーモアを交えて観客に問いかける「ファミリエ」(上演時間40分)。午前は0歳から2歳、午後は3歳以上を対象とした2部制で上演される。 主催するのは、桜の植樹や芸術活動を通じてイタリアとの文化交流を進める「日伊櫻の会」(沢辺満智子代表)。同劇団によるつくばでの公演は昨年に続き2回目となる。 魔法のような時間 「以前は、小さな子どもが本当に演劇を楽しめるのか疑問もあった」と、主催団体理事の多田亮彦さん(46)は言う。 多田さんが初めてラ・バラッカの舞台を見たのは2019年。会の代表である妻の沢辺さんと、劇団の拠点であるイタリア・ボローニャ市を訪問した時だった。 ラ・バラッカは1976年、ボローニャで創設された劇団で、子どもを対象とした作品を50年近くつくり続けている。特に乳幼児向けの演劇分野で世界的に高い評価を得る。現在は地元自治体と協力し、教育現場に演劇を取り入れ、まちの中に劇場を整備するなど、日常的に子どもが演劇に触れる環境づくりを進めている。 多田さんらが劇場を訪ねて目にしたのが、演劇に夢中になる子どもたちと、子どもが手で触れられそうな距離で、全身を使って物語を表現する俳優たちだった。 「俳優の表情や仕草だけで十分伝わっていて、子どもたちの反応を引き出す魔法のような、幸せな時間だった。これを日本の子どもたちにも見せてあげたい」と感じた。 ボローニャは、世界最大の児童書の見本市が開かれることでも知られている。沢辺さんは現在、つくばで子ども向け書籍の出版会社を経営する。多田さんらの当初の訪問目的は、児童書の見本市を訪ねることだった。同時に、同市で活動するラ・バラッカを知り、「日伊櫻の会」が進める文化交流・創造事業への関心から劇団を訪ねたのが、劇団との出会いのきっかけとなった。 昨年つくばで上演されたのは、突然いなくなった仲良くしていた野良猫を、マンションの上下階の住民が一緒に探す物語。セリフはなく、体の動きや表情の変化で思いを伝える。 2歳以下の子どもたちは保護者と一緒に舞台上に座り、手が届きそうな距離で役者の動きを目の当たりにする。俳優は、子どもたちとアイコンタクトを取り表情を見ながら、ときに手を差し伸べつつ、物語を表現する。観客も物語の中に引きずり込まれるような感覚を味わえる。年齢を超えて誰もが演劇を楽しめる仕掛けがあるという。 「あれは何だろう、これは何だろうと、子どもたちの好奇心が喚起され、本当に芸術を楽しんでいるのが伝わってきた」と多田さん。来場した保護者からも「自分の子どもがこんなに集中して見るなんて思わなかった」「小さな子どもでも演劇が分かると気づいた」などの感想が寄せられた。 「人を生き返らせる力がある」 ラ・バラッカの演劇は、決して鑑賞者を子ども扱いしないのが特徴だと多田さんは言う。「大人が思い描く子ども像に合わせてつくられていない。作品を通じて作り手が『私はこう思うけど、あなたはどう思う?』と問いかけるような、平等な関係がそこにある。だから、大人も見て感じることがあるのだと思う」「演劇には、人を生き返らせる力がある。芸術は子どもだけでなく、大人たちにとっても生活に必要なものだと思う」と語る。 今後について「つくばで舞台芸術を子どもたちに提供していきたい。みんながそういう機会に触れられるように頑張っていきたいし、つくば市で一緒に取り組みを進めていけたら」と思いを述べる。(柴田大輔) 二つのワークショップ開催 ◆「つくば世界こどもシアター2025 劇団ラ・バラッカ『ファミリエ』」は、10月19日(日)、つくば市竹園1-10-1 つくばカピオホールで開催。公演時間は、0歳から2歳までは午前10時30分から、上演時間は各40分。3歳以上は午後2時30分から。入場料は大人3000円、17歳以下1500円。 ◆16~18日に二つのワークショップを開催する。①18歳以上を対象にしたワークショップを16日(木)と17日(金)いずれも午後4時から、つくば市吾妻1-10-1 つくばセンタービル・コリドイオ3階大会議室で開催する。参加費は2日間通しで5000円(学生2500円)②親子を対象とした演劇ワークショップを18日(土)午後2時30分から、つくばカピオ2階リハーサル室で開催する。参加費は3500円(親子2人分)。いずれも事前申し込み制。詳細はイベント公式サイトへ。劇団が訪日する10月中に市内の小学校や保育園での上演も企画している。

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