【橋立多美】つくば市茎崎地区の大規模住宅団地、森の里自治会公会堂で15日、文化部主催の講話「自分と家族を守るための地域医療の知識」が開催された。60代や70代の前期高齢者を中心に約70人の団地住民が梅雨寒の中を集まった。
同団地の世帯数は約1300戸で高齢化率は5月1日現在49%(市市民活動課調べ)。これまで自治会文化部は、住民の融和を目的にしたコンサートや文化祭などの行事を継続してきたが、今年度から超高齢社会に対応した行事を盛り込むことになった。講話はその一環で初の試み。
講師は同市倉掛で内科医院を開業し、長年高齢者への訪問医療を実践していた室生勝さん(82)。医院を閉じた後も、高齢者のための講演や相談などの活動を続けている。NEWSつくばのコラムニストでもある。
室生さんは自己健康管理法や病院の種類と役割、かかりつけ医の見つけ方などを分かりやすく説いた。また、疾患を持ち医療を受ける側も、病気の治療や生活の質を向上させるための知識を得ることが必要だと話した。患者の心得として勧めたのが「健康手帳」。血圧の数値と体調の変化を記載し、受診時に持参すれば診断に役立つと述べた。
講話を聞いた古谷とよ子さん(70)は「相性の良い医師をかかりつけ医にという話があったが、私よりパソコンの画面を見ている医者が多くて決められず、切実な問題。暮らしに直結した医療や介護の話をまた聞きたい」と話していた。
文化部部長の中村栄子さん(69)は「医療は聞きなれない専門用語が付きものですが、1人も退席することなく最後まで真剣に聞いてくれた。関心が高いことが分かったので医療や介護に関する行事を続けていきたい」と語った。