冷房、犬猫は24度程度が最適
あす13日から厳しい暑さが戻るといわれている。熱中症は人間だけでなく、犬や猫もかかり、命に関わる恐れもある。土浦市中高津の徳永動物病院院長の徳永大和獣医師によると、最近は日中の散歩は避けるなどペットの熱中症に注意をしている飼い主が多く、急患のペットはほとんど出ていない一方、「ここ2、3年は、冷房の温度設定がペットにとって高いことによるペットの熱中症が増えていると実感している」と語り、注意を呼び掛けている。

軽い熱中症から悪化
徳永さんは「犬や猫は体が被毛に覆われているだけでなく、人のように汗をかいて体温を下げることができないため、人よりも暑さに弱く熱中症になりやすい」と話す。冷房の温度は人間にとって26~27度程度が快適だが、ペットにとっては暑過ぎて軽症の熱中症を招く。「ペットには24度程度が適切だ」という。
高温のため6歳、7歳を超えた高齢の犬や猫が、軽い熱中症から1週間ほどたって悪化する症例が多くなっているという。症状としては「食欲がない」「吐く」「下痢をする」といった、体温が上がったことによる胃腸炎などがある。
やけどと同じ
徳永さんによると、症状が出たら動物病院に行くことはもちろん、治療後は冷房でしっかり冷やすことが大切だという。「熱中症はやけどと同じ。動物病院での1回の注射や冷却で治るものではない」とし、「1、2日涼しい場所で過ごして元気になったように見えても実は治りきっていない」と話す。油断して冷房の設定温度を人間が快適な27℃に上げたことで再び悪化し命にかかわるケースもあるため、「ペットには、冷房は人間が快適だと思う温度よりも低い24℃に設定するとよい」と話す。

8日の夕方、犬の散歩をしていた土浦市の女性は「暑い日が続いているので犬の熱中症予防のため、冷房を24時間入れたままにしている。朝夜の散歩も首を冷やすネッククーラーをつけている」と語った。猫を飼っているつくば市の山口佐智子さんは「猫はいつも勝手に涼しいところに行っている。しかし今年は格別暑いので猫の体調には気をつけている」と話す。
茨城県では環境省が作成したペットの熱中症予防ポスターを印刷、県内市町村に配布している。さらにX(旧ツイッター)の茨城県生活衛生課動物愛護担当のアカウントで、ペットの熱中症に関する注意喚起を促している。土浦市は、県から配布されたポスターを同市役所環境衛生課の窓口に掲示して注意を呼び掛けている。つくば市もポスターを庁内に掲示するとともに、同市のホームページに「犬の熱中症に注意」というページを作って周知している。(伊藤悦子)